(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166777
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
H01L25/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077552
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中柴 康隆
(72)【発明者】
【氏名】宮木 博
(57)【要約】
【課題】平面視における第1インダクタ及び第2インダクタの占有面積を小さくすることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1半導体チップと、第2半導体チップと、再配線層とを備える。第1半導体チップ及び第2半導体チップは、半導体装置の厚さ方向である第1方向に直交している第2方向において間隔を空けて並んでいる。再配線層は、第1半導体チップ上及び第2半導体チップ上に跨って配置されている。再配線層は、第1インダクタと第2インダクタとを有する。第1インダクタ及び第2インダクタは、第1方向及び第2方向に直交している第3方向において間隔を空けて互いに対向している。第1インダクタ及び第2インダクタは、それぞれ第1半導体チップ及び第2半導体チップに電気的に接続されている。第1インダクタ及び第2インダクタは、第3方向に直交している面内において第1半導体チップ上及び第2半導体チップ上に跨って巻回されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体チップと、
第2半導体チップと、
再配線層とを備え、
前記第1半導体チップ及び前記第2半導体チップは、半導体装置の厚さ方向である第1方向に直交している第2方向において、間隔を空けて並んでおり、
前記再配線層は、前記第1半導体チップ上及び前記第2半導体チップ上に跨って配置されており、
前記再配線層は、第1インダクタと、第2インダクタとを有し、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記第1方向及び前記第2方向に直交している第3方向において間隔を空けて互いに対向しており、
前記第1インダクタは、前記第1半導体チップに電気的に接続されており、
前記第2インダクタは、前記第2半導体チップに電気的に接続されており、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタは、前記第3方向に直交している面内において、前記第1半導体チップ上及び前記第2半導体チップ上に跨って巻回されている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1インダクタの前記第2方向における一方側の端部は、前記第2インダクタの前記第2方向における一方側の端部とずれた位置にあり、
前記第1インダクタの前記第2方向における他方側の端部は、前記第2インダクタの前記第2方向における他方側の端部とずれた位置にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1インダクタの前記第2方向における幅は、前記第2インダクタの前記第2方向における幅と異なっている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記再配線層は、第3インダクタと、第4インダクタとをさらに有し、
前記第3インダクタ及び前記第4インダクタは、前記第3方向において間隔を空けて互いに対向しており、
前記第3インダクタは、前記第1半導体チップに電気的に接続されており、
前記第4インダクタは、前記第2半導体チップに電気的に接続されており、
前記第3インダクタ及び前記第4インダクタは、前記第3方向に直交している面内において、前記第1半導体チップ上及び前記第2半導体チップ上に跨って巻回されており、
前記第2インダクタは、前記第3方向において、前記第1インダクタと前記第3インダクタとの間にあり、
前記第3インダクタは、前記第3方向において、前記第2インダクタと前記第4インダクタとの間にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2インダクタと前記第3インダクタとの間の第1間隔は、前記第1インダクタと前記第2インダクタとの間の第2間隔及び前記第3インダクタと前記第4インダクタとの間の第3間隔よりも大きい、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1間隔は、前記第2間隔及び前記第3間隔の10倍以上である、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1インダクタ及び前記第3インダクタは、互いに独立しており、
前記第2インダクタ及び前記第4インダクタは、互いに独立している、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1インダクタ及び前記第3インダクタは、互いに電気的に接続されており、
前記第2インダクタ及び前記第4インダクタは、互いに電気的に接続されている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1半導体チップは、前記第1方向に沿って積層されている複数の第1配線を含む第1配線層を有し、
前記第2半導体チップは、前記第1方向に沿って積層されている複数の第2配線を含む第2配線層を有し、
前記再配線層は、前記第1配線層上及び前記第2配線層上にあり、
前記第1インダクタ及び前記第3インダクタは、最も前記再配線層側にある前記複数の第1配線のうちの1つにより互いに電気的に接続されており、
前記第2インダクタ及び前記第4インダクタは、最も前記再配線層側にある前記複数の第2配線のうちの1つにより互いに電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタのうちの少なくともいずれかは、互いに電気的に接続されている複数の部分を有し、
前記複数の部分の各々は、前記第3方向に直交している面内において、前記第1半導体チップ上及び前記第2半導体チップ上に跨って巻回されている、請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-123599号公報(特許文献1)に記載の半導体装置は、第1半導体チップ及び第2半導体チップと、再配線層とを有している。半導体装置の厚さ方向を、第1方向とする。第1方向に直交している方向を、第2方向とする。第1半導体チップ及び第2半導体チップは、第2方向において、間隔を空けて並んでいる。
【0003】
再配線層は、第1半導体チップ上及び第2半導体チップ上に跨って配置されている。再配線層は、第1インダクタと、第2インダクタとを有している。第1インダクタ及び第2インダクタは、第1方向において間隔を空けて互いに対向している。再配線層は、第1方向において積層されている複数の配線を有している。第1インダクタは、再配線層が有している複数の配線のうちの1つを第1方向に直交している面内で巻回させることにより構成されている。第2インダクタは、再配線層が有している複数の配線のうちの他の1つを第1方向に直交している面内で巻回させることにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の半導体装置では、第1方向に直交している面内で再配線層が有している配線を巻回させることにより第1インダクタ及び第2インダクタが構成されているため、平面視における第1インダクタ及び第2インダクタの占有面積が大きくなる。その他の課題及び新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る半導体装置は、第1半導体チップと、第2半導体チップと、再配線層とを備えている。第1半導体チップ及び第2半導体チップは、半導体装置の厚さ方向である第1方向に直交している第2方向において、間隔を空けて並んでいる。再配線層は、第1半導体チップ上及び第2半導体チップ上に跨って配置されている。再配線層は、第1インダクタと、第2インダクタを有する。第1インダクタ及び第2インダクタは、第1方向及び第2方向に直交している第3方向において間隔を空けて互いに対向している。第1インダクタは、第1半導体チップに電気的に接続されている。第2インダクタは、第2半導体チップに電気的に接続されている。第1インダクタ及び第2インダクタは、第3方向に直交している面内において、第1半導体チップ上及び第2半導体チップ上に跨って巻回されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体装置によると、平面視における第1インダクタ及び第2インダクタの占有面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図2中のIII-IIIにおける断面図である。
【
図8】半導体装置DEV1の製造方法を示す工程図である。
【
図17】変形例に係る半導体装置DEV2の平面図である。
【
図23】インダクタID1の模式的な斜視図である。
【
図24】インダクタID2の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る半導体装置を説明する。実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV1とする。
【0011】
<半導体装置DEV1の構成>
図1は、半導体装置DEV1の概略構成図である。
図1に示されるように、半導体装置DEV1は、半導体チップCHP1と、半導体チップCHP2と、インダクタID1と、インダクタID2とを有している。インダクタID1は、半導体チップCHP1に電気的に接続されている。インダクタID2は、半導体チップCHP2に電気的に接続されている。インダクタID1及びインダクタID2は、磁気結合されている。インダクタID1とインダクタID2との間は、電気的に絶縁されている。
【0012】
半導体チップCHP1は、インダクタID1及びインダクタID2を介して、半導体チップCHP2から電気的に絶縁された状態で、半導体チップCHP2との間で信号の送受信を行うことができる。半導体装置DEV1は、デジタルアイソレータである。但し、半導体装置DEV1は、デジタルアイソレータに限られるものではない。
【0013】
図2は、半導体装置DEV1の平面図である。
図2中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1及びインダクタID2が点線により示されている。
図3は、
図2中のIII-IIIにおける断面図である。
図4は、
図2中のIV-IVにおける断面図である。
図5は、
図2中のV-Vにおける断面図である。
図6は、半導体チップCHP1の拡大断面図である。
図7は、半導体チップCHP2の拡大断面図である。
図2から
図7に示されるように、半導体装置DEV1は、半導体チップCHP1と、半導体チップCHP2と、封止樹脂ERと、再配線層FOLとを有している。
【0014】
半導体チップCHP1は、半導体基板SUB1と、素子分離膜ISL1と、ゲート絶縁膜GI1と、ゲート電極G1と、サイドウォールスペーサSWS1と、配線層WL1とを有している。配線層WL1は、層間絶縁膜ILD1aと、コンタクトプラグCP1と、層間絶縁膜ILD1bと、配線WL1aと、複数の層間絶縁膜ILD1cと、複数の配線WL1bと、複数のビアプラグVP1とを有している。
【0015】
半導体基板SUB1は、第1面FS1と、第2面SS1とを有している。第1面FS1及び第2面SS1は、半導体基板SUB1の厚さ方向における端面である。第2面SS1は、第1面FS1の反対面である。半導体基板SUB1は、例えば、単結晶シリコン(Si)により形成されている。
【0016】
半導体基板SUB1は、ソース領域SR1と、ドレイン領域DR1と、ウェル領域WR1とを有している。ソース領域SR1及びドレイン領域DR1は、互いに離間するように第1面FS1に形成されている。ソース領域SR1及びドレイン領域DR1の導電型は、第1導電型である。
【0017】
ソース領域SR1は、第1部分SR1aと、第2部分SR1bとを有している。第1部分SR1aは、第2部分SR1bよりもドレイン領域DR1側にある。ドレイン領域DR1は、第1部分DR1aと、第2部分DR1bとを有している。第1部分DR1aは、第2部分DR1bよりもソース領域SR1の近くにある。第1部分SR1a中のドーパント濃度は第2部分SR1b中のドーパント濃度よりも低く、第1部分DR1a中のドーパント濃度は第2部分DR1b中のドーパント濃度よりも低い。すなわち、ソース領域SR1及びドレイン領域DR1は、LDD(Lightly Doped Diffusion)構造になっている。
【0018】
ウェル領域WR1は、ソース領域SR1及びドレイン領域DR1を取り囲むように、第1面FS1に形成されている。ウェル領域WR1の導電型は、第2導電型である。第2導電型は、第1導電型と反対の導電型である。
【0019】
ゲート絶縁膜GI1は、第1面FS1上に配置されている。より具体的には、ゲート絶縁膜GI1は、ソース領域SR1とドレイン領域DR1との間にある第1面FS1上に配置されている。ゲート絶縁膜GI1は、例えば、シリコン酸化物により形成されている。ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜GI1上に配置されている。すなわち、ゲート電極G1は、ソース領域SR1とドレイン領域DR1との間にあるウェル領域WR1とゲート絶縁膜GI1を介在させて対向している。ゲート電極G1は、例えばドーパントを含む多結晶シリコンにより形成されている。ソース領域SR1、ドレイン領域DR1、ウェル領域WR1、ゲート絶縁膜GI1及びゲート電極G1は、トランジスタを構成している。
【0020】
サイドウォールスペーサSWS1は、第1面FS1上に配置されている。より具体的には、サイドウォールスペーサSWS1は、ゲート電極G1の側面に接するように第1部分SR1a上及び第1部分DR1a上に配置されている。サイドウォールスペーサSWS1は、例えばシリコン窒化物により形成されている。素子分離膜ISL1は、平面視においてウェル領域WR1を取り囲むように第1面FS1に配置されている。より具体的には、第1面FS1には、第2面SS1に向かって延びる溝TR1aが形成されている。素子分離膜ISL1は、溝TR1aに埋め込まれている。素子分離膜ISL1は、例えばシリコン酸化物により形成されている。
【0021】
配線層WL1は、第1面FS1上に配置されている。層間絶縁膜ILD1aは、ゲート電極G1、サイドウォールスペーサSWS1及び素子分離膜ISL1を覆うように、第1面FS1上に配置されている。層間絶縁膜ILD1aは、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD1aには、コンタクトホールCH1が形成されている。コンタクトホールCH1からは、ソース領域SR1、ドレイン領域DR1又はゲート電極G1が露出している。コンタクトプラグCP1は、コンタクトホールCH1に埋め込まれている。コンタクトプラグCP1の下端は、ソース領域SR1、ドレイン領域DR1又はゲート電極G1に電気的に接続されている。コンタクトプラグCP1は、例えばタングステン(W)により形成されている。
【0022】
層間絶縁膜ILD1bは、層間絶縁膜ILD1a上に配置されている。層間絶縁膜ILD1bは、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD1bには、溝TR1bが形成されている。溝TR1bは、層間絶縁膜ILD1bを厚さ方向に沿って貫通している。配線WL1aは、溝TR1bに埋め込まれている。配線WL1aは、例えば銅(Cu)により形成されている。配線WL1aは、コンタクトプラグCP1の上端に電気的に接続されている。
【0023】
複数の層間絶縁膜ILD1cは、層間絶縁膜ILD1b上に積層配置されている。層間絶縁膜ILD1cは、シリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD1cの上面には、溝TR1cが形成されている。層間絶縁膜ILD1cには、ビアホールVH1が形成されている。ビアホールVH1は、層間絶縁膜ILD1cを厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH1の上端は溝TR1cの底面において開口しており、ビアホールVH1の下端は層間絶縁膜ILD1cの下面において開口している。
【0024】
配線WL1bは、溝TR1cに埋め込まれている。ビアプラグVP1は、ビアホールVH1に埋め込まれている。配線WL1b及びビアプラグVP1は、一体形成されている。配線WL1b及びビアプラグVP1は、銅により形成されている。ビアプラグVP1は、配線WL1aと最下層にある配線WL1bとを接続しており、配線層WL1の厚さ方向において隣り合っている2つの配線WL1bを接続している。
【0025】
半導体チップCHP2は、半導体基板SUB2と、素子分離膜ISL2と、ゲート絶縁膜GI2と、ゲート電極G2と、サイドウォールスペーサSWS2と、配線層WL2とを有している。配線層WL2は、層間絶縁膜ILD2aと、コンタクトプラグCP2と、層間絶縁膜ILD2bと、配線WL2aと、複数の層間絶縁膜ILD2cと、複数の配線WL2bと、複数のビアプラグVP2とを有している。
【0026】
半導体基板SUB2は、第1面FS2と、第2面SS2とを有している。第1面FS2及び第2面SS2は、半導体基板SUB2の厚さ方向における端面である。第2面SS2は、第1面FS2の反対面である。半導体基板SUB2は、例えば、単結晶シリコンにより形成されている。
【0027】
半導体基板SUB2は、ソース領域SR2と、ドレイン領域DR2と、ウェル領域WR2とを有している。ソース領域SR2及びドレイン領域DR2は、互いに離間するように第1面FS2に形成されている。ソース領域SR2及びドレイン領域DR2の導電型は、第1導電型である。
【0028】
ソース領域SR2は、第1部分SR2aと、第2部分SR2bとを有している。第1部分SR2aは、第2部分SR2bよりもドレイン領域DR2側にある。ドレイン領域DR2は、第1部分DR2aと、第2部分DR2bとを有している。第1部分DR2aは、第2部分DR2bよりもソース領域SR2の近くにある。第1部分SR2a中のドーパント濃度は第2部分SR2b中のドーパント濃度よりも低く、第1部分DR2a中のドーパント濃度は第2部分DR2b中のドーパント濃度よりも低い。すなわち、ソース領域SR2及びドレイン領域DR2は、LDD構造になっている。
【0029】
ウェル領域WR2は、ソース領域SR2及びドレイン領域DR2を取り囲むように、第1面FS2に形成されている。ウェル領域WR2の導電型は、第2導電型である。第2導電型は、第1導電型と反対の導電型である。
【0030】
ゲート絶縁膜GI2は、第1面FS2上に配置されている。より具体的には、ゲート絶縁膜GI2は、ソース領域SR2とドレイン領域DR2との間にある第1面FS2上に配置されている。ゲート絶縁膜GI2は、例えば、シリコン酸化物により形成されている。ゲート電極G2は、ゲート絶縁膜GI2上に配置されている。すなわち、ゲート電極G2は、ソース領域SR2とドレイン領域DR2との間にあるウェル領域WR2とゲート絶縁膜GI2を介在させて対向している。ゲート電極G2は、例えばドーパントを含む多結晶シリコンにより形成されている。ソース領域SR2、ドレイン領域DR2、ウェル領域WR2、ゲート絶縁膜GI2及びゲート電極G2は、トランジスタを構成している。
【0031】
サイドウォールスペーサSWS2は、第1面FS2上に配置されている。より具体的には、サイドウォールスペーサSWS2は、ゲート電極G2の側面に接するように第1部分SR2a上及び第1部分DR2a上に配置されている。サイドウォールスペーサSWS2は、例えばシリコン窒化物により形成されている。素子分離膜ISL2は、平面視においてウェル領域WR2を取り囲むように第1面FS2に配置されている。より具体的には、第1面FS2には、第2面SS2に向かって延びる溝TR2aが形成されている。素子分離膜ISL2は、溝TR2aに埋め込まれている。素子分離膜ISL2は、例えばシリコン酸化物により形成されている。
【0032】
配線層WL2は、第1面FS2上に配置されている。層間絶縁膜ILD2aは、ゲート電極G2、サイドウォールスペーサSWS2及び素子分離膜ISL2を覆うように、第1面FS2上に配置されている。層間絶縁膜ILD2aは、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD2aには、コンタクトホールCH2が形成されている。コンタクトホールCH2からは、ソース領域SR2、ドレイン領域DR2又はゲート電極G2が露出している。コンタクトプラグCP2は、コンタクトホールCH2に埋め込まれている。コンタクトプラグCP2の下端は、ソース領域SR2、ドレイン領域DR2又はゲート電極G2に電気的に接続されている。コンタクトプラグCP2は、例えばタングステンにより形成されている。
【0033】
層間絶縁膜ILD2bは、層間絶縁膜ILD2a上に配置されている。層間絶縁膜ILD2bは、例えばシリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD2bには、溝TR2bが形成されている。溝TR2bは、層間絶縁膜ILD2bを厚さ方向に沿って貫通している。配線WL2aは、溝TR2bに埋め込まれている。配線WL2aは、例えば銅により形成されている。配線WL2aは、コンタクトプラグCP2の上端に電気的に接続されている。
【0034】
複数の層間絶縁膜ILD2cは、層間絶縁膜ILD2b上に積層配置されている。層間絶縁膜ILD2cは、シリコン酸化物により形成されている。層間絶縁膜ILD2cの上面には、溝TR2cが形成されている。層間絶縁膜ILD2cには、ビアホールVH2が形成されている。ビアホールVH2は、層間絶縁膜ILD2cを厚さ方向に沿って貫通している。ビアホールVH2の上端は溝TR2cの底面において開口しており、ビアホールVH2の下端は層間絶縁膜ILD2cの下面において開口している。
【0035】
配線WL2bは、溝TR2cに埋め込まれている。ビアプラグVP2は、ビアホールVH2に埋め込まれている。配線WL2b及びビアプラグVP2は、一体形成されている。配線WL2b及びビアプラグVP2は、銅により形成されている。ビアプラグVP2は、配線WL2aと最下層にある配線WL2bとを接続しており、配線層WL2の厚さ方向において隣り合っている2つの配線WL2bを接続している。
【0036】
封止樹脂ERは、配線層WL1の上面及び配線層WL2の上面が露出するように、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2を封止している。封止樹脂ERは、第1面FS3と、第2面SS3とを有している。第1面FS3及び第2面SS3は、封止樹脂ERの厚さ方向における端面である。第1面FS3は、配線層WL1の上面及び配線層WL2の上面と面一になっている。第2面SS3は、第1面FS3の反対面である。封止樹脂ERは、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂材料により形成されている。
【0037】
再配線層FOLは、半導体チップCHP1(配線層WL1)上及び半導体チップCHP2(配線層WL2)上に跨るように、第1面FS3上に配置されている。再配線層FOLは、半導体チップCHP1(配線層WL1)及び半導体チップCHP2(配線層WL2)に重なるように、第1面FS3上に配置されている。再配線層FOLは、層間絶縁膜ILD3a、層間絶縁膜ILD3b及び層間絶縁膜ILD3cと、配線WL3a、配線WL3b及び配線WL3cとを有している。
【0038】
層間絶縁膜ILD3aは、半導体チップCHP1(配線層WL1)上及び半導体チップCHP2(配線層WL2)上に跨るように、第1面FS3上に配置されている。層間絶縁膜ILD3aは、半導体チップCHP1(配線層WL1)及び半導体チップCHP2(配線層WL2)に重なるように、第1面FS3上に配置されている。層間絶縁膜ILD3aは、例えばポリイミド等の樹脂材料により形成されている。層間絶縁膜ILD3aには、ビアホールVH3aが形成されている。ビアホールVH3aは、層間絶縁膜ILD3aを厚さ方向に沿って貫通している。
【0039】
配線WL3aは、層間絶縁膜ILD3a上に配置されている。配線WL3aは、ビアホールVH3a中にも埋め込まれている。これにより、配線WL3aは、最上層のWL1b又は最上層のWL2bに電気的に接続されている。配線WL3aは、例えば銅により形成されている。
【0040】
層間絶縁膜ILD3bは、層間絶縁膜ILD3a上に配置されている。層間絶縁膜ILD3bは、例えば、ポリイミド等の樹脂材料により形成されている。層間絶縁膜ILD3bには、ビアホールVH3bが形成されている。ビアホールVH3bは、層間絶縁膜ILD3bを厚さ方向に沿って貫通している。配線WL3bは、層間絶縁膜ILD3b上に配置されている。配線WL3bは、ビアホールVH3b中にも埋め込まれている。これにより、配線WL3bは、配線WL3aに電気的に接続されている。配線WL3bは、例えば銅により形成されている。
【0041】
層間絶縁膜ILD3cは、層間絶縁膜ILD3b上に配置されている。層間絶縁膜ILD3cは、例えば、ポリイミド等の樹脂材料により形成されている。層間絶縁膜ILD3cには、ビアホールVH3cが形成されている。ビアホールVH3cは、層間絶縁膜ILD3cを厚さ方向に沿って貫通している。配線WL3cは、層間絶縁膜ILD3c上に配置されている。配線WL3cは、ビアホールVH3c中にも埋め込まれている。これにより、配線WL3cは、配線WL3bに電気的に接続されている。配線WL3cは、例えば銅により形成されている。
【0042】
配線WL3cは、パッド電極PAD1と、パッド電極PAD2とを有している。パッド電極PAD1は、配線WL3b及び配線WL3aにより、半導体チップCHP1に電気的に接続されている。パッド電極PAD2は、配線WL3a及び配線WL3bにより、半導体チップCHP2に電気的に接続されている。なお、配線WL3a、配線WL3b及び配線WL3cは、その下地として、下地膜BFを有している。下地膜BFは、バリアメタル層と、バリアメタル層上に配置されているシード層から構成されている。
【0043】
半導体装置DEV1の厚さ方向を、第1方向D1とする。第1方向D1に直交している方向を、第2方向D2とする。第1方向D1及び第2方向D2に直交している方向を、第3方向D3とする。半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2は、第2方向D2において間隔を空けて並んでいる。
【0044】
インダクタID1は、第3方向D3に直交している面内において、半導体チップCHP1上及び半導体チップCHP2上に跨って巻回されている。インダクタID1は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。インダクタID1は、配線WL3a及び配線WL3bから構成されている。より具体的には、配線WL3aは直線部WL3aaと直線部WL3abとを有しており、配線WL3bは直線部WL3baを有している。直線部WL3aa、直線部WL3ab及び直線部WL3baは、第3方向D3に直交している断面視において、第2方向D2に沿って延びている。
【0045】
直線部WL3aaの第2方向D2における一方側(
図3中の右側)の端は、ビアホールVH3aに埋め込まれている配線WL3aにより、半導体チップCHP1に電気的に接続されている。直線部WL3abの第2方向D2における他方側(
図3中の左側)の端は、ビアホールVH3aに埋め込まれている配線WL3aにより、半導体チップCHP1に電気的に接続されている。直線部WL3baの第2方向D2における両端は、ビアホールVH3bに埋め込まれている配線WL3bにより、直線部WL3aaの第2方向D2における他方側の端及び直線部WL3abの第2方向D2における一方側の端にそれぞれ電気的に接続されている。
【0046】
インダクタID2は、第3方向D3に直交している面内において、半導体チップCHP1上及び半導体チップCHP2上に跨って巻回されている。インダクタID2は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。インダクタID2は、配線WL3a及び配線WL3bから構成されている。より具体的には、配線WL3aは直線部WL3acと直線部WL3adとを有しており、配線WL3bは直線部WL3bbを有している。直線部WL3ac、直線部WL3ad及び直線部WL3bbは、第3方向D3に直交している断面視において、第2方向D2に沿って延びている。
【0047】
直線部WL3acの第2方向D2における一方側の端は、ビアホールVH3aに埋め込まれている配線WL3aにより、半導体チップCHP2に電気的に接続されている。直線部WL3adの第2方向D2における他方側の端は、ビアホールVH3aに埋め込まれている配線WL3aにより、半導体チップCHP2に電気的に接続されている。直線部WL3bbの第2方向D2における両端は、ビアホールVH3bに埋め込まれている配線WL3bにより、直線部WL3acの第2方向D2における他方側の端及び直線部WL3adの第2方向D2における一方側の端にそれぞれ電気的に接続されている。
【0048】
インダクタID1及びインダクタID2は、第3方向D3において、間隔を空けて互いに対向している。インダクタID1及びインダクタID2は、層間絶縁膜ILD3a、層間絶縁膜ILD3b及び層間絶縁膜ILD3cにより、互いに絶縁されている。インダクタID1及びインダクタID2は、互いに磁気結合されている。そのため、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2は、互いに絶縁された状態で、インダクタID1及びインダクタID2を介して信号の送受信を行うことが可能である。
【0049】
<半導体装置DEV1の製造方法>
以下に、半導体装置DEV1の製造方法を説明する。
【0050】
図8は、半導体装置DEV1の製造方法を示す工程図である。
図8に示されるように、半導体装置DEV1の製造方法は、準備工程S1と、樹脂封止工程S2と、再配線工程S3とを有している。樹脂封止工程S2は、準備工程S1の後に行われる。再配線工程S3は、樹脂封止工程S2の後に行われる。
【0051】
樹脂封止工程S2は、第1工程S21と、第2工程S22とを有している。第2工程S22は、第1工程S21の後に行われる。再配線工程S3は、第1工程S31と、第2工程S32と、第3工程S33と、第4工程S34と、第5工程S35とを有している。第2工程S32は、第1工程S31の後に行われる。第3工程S33は、第2工程S32の後に行われる。第4工程S34は、第3工程S33の後に行われる。第5工程S35は、第4工程S34の後に行われる。
【0052】
準備工程S1では、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2が準備される。半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2の製造方法は、従来公知の方法により行われればよいため、ここでは説明を省略する。
【0053】
図9は、第1工程S21を説明する断面図である。
図9に示されるように、第1工程S21では、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2が、接着剤ADにより、支持基板SSUBに接着される。この際、半導体チップCHP1の配線層WL1側及び半導体チップCHP2の配線層WL2側が、支持基板SSUBに接着される。
【0054】
図10は、第2工程S22を説明する断面図である。
図10に示されるように、第2工程S22では、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2を覆うように、支持基板SSUB上に封止樹脂ERが配置される。支持基板SSUB上に封止樹脂ERが配置された後、第2面SS3は、研磨されて平坦化される。この研磨は、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により行われる。この研磨が行われた後、支持基板SSUBは、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2から取り外される。
【0055】
図11は、第1工程S31を説明する断面図である。
図11に示されるように、第1工程S31では、層間絶縁膜ILD3aが形成される。層間絶縁膜ILD3aの形成では、第1に、層間絶縁膜ILD3aの構成材料が、第1面FS3上に成膜される。第2に、成膜された層間絶縁膜ILD3aの構成材料が露光及び現像されることにより、ビアホールVH3aが形成される。
【0056】
図12は、第2工程S32を説明する断面図である。
図12に示されるように、第2工程S32では、層間絶縁膜ILD3a上、ビアホールVH3aの内壁面上及びビアホールVH3aから露出している配線WL1b(配線WL2b)上に下地膜BFが形成される。
図13は、第3工程S33を説明する断面図である。
図13に示されるように、第3工程S33では、下地膜BF上にレジストパターンRPが形成される。レジストパターンRPは、フォトレジスト材料を下地膜BF上に成膜するとともに、成膜されたフォトレジスト材料を露光及び現像してパターンニングすることにより形成される。
【0057】
図14は、第4工程S34を説明する断面図である。
図14に示されるように、第4工程S34では、レジストパターンRPから露出している下地膜BF上に配線WL3aが形成される。配線WL3aは、下地膜BFに通電してレジストパターンRPから露出している下地膜BF上に電解めっきを行うことにより形成される。
図15は、第5工程S35を説明する断面図である。
図15に示されるように、第5工程S35では、レジストパターンRPを除去した上で、レジストパターンRPの下にあった下地膜BFが、エッチングにより除去される。
【0058】
第1工程S31から第5工程S35と同様の工程が繰り返されることにより、層間絶縁膜ILD3b、配線WL3b、層間絶縁膜ILD3c及び配線WL3cが形成される。再配線工程S3が行われた後、半導体装置DEV1に個片化される。以上により、
図2に示される構造の半導体装置DEV1が形成される。
【0059】
<半導体装置DEV1の効果>
以下に、半導体装置DEV1の効果を説明する。
【0060】
半導体装置DEV1では、インダクタID1及びインダクタID2が、第3方向D3に直交している面内で巻回されている。そのため、半導体装置DEV1では、インダクタID1及びインダクタID2が第1方向D1に直交する面内で巻回されている場合と比較して、平面視におけるインダクタID1及びインダクタID2の占有面積を小さくすることが可能である。
【0061】
半導体装置DEV1では、インダクタID1及びインダクタID2が半導体チップCHP1上及び半導体チップCHP2上に跨って形成されているため、インダクタID1及びインダクタID2を構成している配線の長さを確保することができるため、インダクタID1及びインダクタID2のインダクタンスの値を確保することができる。
【0062】
インダクタID1及びインダクタID2が第1方向D1において間隔を空けて互いに対向している場合、インダクタID1とインダクタID2との間の絶縁耐圧は、インダクタID1とインダクタID2との間にある再配線層FOLの層間絶縁膜の厚さにより決定される。インダクタID1とインダクタID2との間にある再配線層FOLの層間絶縁膜の厚さの変更は、製造コストを増大させることになる。また、再配線層FOLの層間絶縁膜の厚さが増大すると、当該層間絶縁膜からの応力により、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に反りが加わってしまう。
【0063】
他方で、半導体装置DEV1では、インダクタID1とインダクタID2との間の第3方向D3における間隔で決まる。インダクタID1とインダクタID2との間の第3方向D3における間隔は自由に設定可能であり、半導体装置DEV1では、インダクタID1とインダクタID2との間の絶縁耐圧を容易に確保可能である。また、半導体装置DEV1では、インダクタID1とインダクタID2との間の絶縁耐圧の確保のために再配線層FOLの層間絶縁膜の厚さを増加させる必要がないため、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に反りが加わることを抑制可能である。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置を説明する。第2実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV2とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0065】
<半導体装置DEV2の構成>
以下に、半導体装置DEV2の構成を説明する。
【0066】
図16は、半導体装置DEV2の平面図である。
図16中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1及びインダクタID2が点線により示されている。
図16に示されるように、半導体装置DEV2では、インダクタID1の第2方向D2における一方側(
図16中の右側)の端部が、インダクタID2の第2方向D2における一方側の端部と第2方向D2においてずれた位置にある。半導体装置DEV2では、インダクタID1の第2方向D2における他方側(
図16中の左側)の端部が、インダクタID2の第2方向D2における他方側の端部と第2方向D2においてずれた位置にある。
【0067】
より具体的には、半導体装置DEV2では、インダクタID1の第2方向D2における幅がインダクタID2の第2方向D2における幅よりも小さく、インダクタID1の第2方向D2における一方側及び他方側の端部がそれぞれインダクタID2の第2方向D2における一方側及び他方側の端部よりも第2方向D2において内側にある。これらの点に関して、半導体装置DEV2の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。なお、図示されていないが、インダクタID1の第2方向D2における幅がインダクタID2の第2方向D2における幅よりも大きくてもよく、インダクタID1の第2方向D2における一方側及び他方側の端部がそれぞれインダクタID2の第2方向D2における一方側及び他方側の端部よりも第2方向D2において外側にあってもよい。
【0068】
図17は、変形例に係る半導体装置DEV2の平面図である。
図17中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1及びインダクタID2が点線により示されている。
図17に示されるように、半導体装置DEV2では、インダクタID1の第2方向D2における一方側及び他方側の端部がそれぞれインダクタID2の第2方向D2における一方側及び他方側の端部と第2方向D2においてずれた位置にあればよく、インダクタID1の第2方向D2における幅がインダクタID2の第2方向D2における幅と等しくてもよい。
【0069】
<半導体装置DEV2の効果>
以下に、半導体装置DEV2の効果を説明する。
【0070】
インダクタID1及びインダクタID2の第2方向D2における両端部では、電解集中が生じやすい。半導体装置DEV2では、インダクタID1の第2方向D2における一方側及び他方側の端部が、それぞれインダクタID2の第2方向D2における一方側及び他方側の端部と第2方向D2においてずれた位置にあるため、インダクタID1における電解集中が生じやすい箇所とインダクタID2における電解集中が生じやすい箇所とがずれた位置にある。そのため、半導体装置DEV2によると、インダクタID1とインダクタID2との間の絶縁耐圧を確保しやすくなる。
【0071】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置を説明する。第3実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV3とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0072】
<半導体装置DEV3の構成>
以下に、半導体装置DEV3の構成を説明する。
【0073】
図18は、半導体装置DEV3の平面図である。
図18中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1、インダクタID2、インダクタID3及びインダクタID4が点線により示されている。
図19は、
図18中のXIX-XIXにおける断面図である。
図20は、
図18中のXX-XXにおける断面図である。
図18から
図20に示されるように、半導体装置DEV3は、インダクタID3と、インダクタID4とをさらに有している。インダクタID3は、第3方向D3に直交している面内において、半導体チップCHP1上及び半導体チップCHP2上に跨って巻回されている。インダクタID3は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。インダクタID3は、配線WL3a及び配線WL3bから構成されている。インダクタID3は、半導体チップCHP1に電気的に接続されている。
【0074】
インダクタID4は、第3方向D3に直交している面内において半導体チップCHP1上及び半導体チップCHP2上に跨って巻回されている。インダクタID4は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。インダクタID4は、配線WL3a及び配線WL3bから構成されている。インダクタID4は、半導体チップCHP2に電気的に接続されている。インダクタID3及びインダクタID4は、第3方向D3において間隔を空けて対向している。すなわち、インダクタID3及びインダクタID4とは、電気的に絶縁されながら磁気結合されている。インダクタID2は、例えば、第3方向D3においてインダクタID1とインダクタID3との間にある。インダクタID3は、例えば、第3方向D3においてインダクタID2とインダクタID4との間にある。
【0075】
インダクタID2とインダクタID3との間の第3方向D3における間隔を、第1間隔とする。インダクタID1とインダクタID2との間の第3方向D3における間隔を第2間隔とし、インダクタID3とインダクタID4との間の第3方向D3における間隔を第3間隔とする。第1間隔は、例えば、第2間隔及び第3間隔よりも大きい。第1間隔は、第2間隔及び第3間隔の10倍以上であることが好ましい。
【0076】
インダクタID1及びインダクタID3は、互いに独立している。インダクタID2及びインダクタID4は、互いに独立している。これらの点に関して、半導体装置DEV3の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0077】
<半導体装置DEV3の効果>
以下に、半導体装置DEV3の効果を説明する。
【0078】
半導体装置DEV3では、インダクタID1及びインダクタID3が互いに独立しており、インダクタID2及びインダクタID4が互いに独立している。そのため、半導体装置DEV2では、インダクタID1及びインダクタID2を介して半導体チップCHP1と半導体チップCHP2との間で信号の送受信が可能であるとともに、インダクタID3及びインダクタID4を介して半導体チップCHP1と半導体チップCHP2との間で信号の送受信が可能である。このように、半導体装置DEV2によると、半導体チップCHP1と半導体チップCHP2との間でマルチチャンネルでの信号の送受信が可能となる。
【0079】
なお、
図18から
図20では、半導体チップCHP1と半導体チップCHP2との間における信号の送受信のチャンネルが2つである場合を示したが、インダクタの数を増大させれば、3つ以上のチャンネルで半導体チップCHP1と半導体チップCHP2との間の信号の送受信が可能となる。
【0080】
第1間隔が第2間隔及び第3間隔よりも大きい場合、インダクタID1及びインダクタID2により構成される信号の送受信のチャンネルとインダクタID3及びインダクタID4により構成される信号の送受信のチャンネルとの干渉が抑制される。インダクタ間の結合係数はインダクタ間の絶縁距離の2乗に比例する。そのため、例えば第1間隔が第2間隔及び第3間隔の10倍以上であれば、インダクタID1及びインダクタID2により構成される信号の送受信のチャンネルとインダクタID3及びインダクタID4により構成される信号の送受信のチャンネルとの干渉を1パーセント以下にすることができる。
【0081】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置を説明する。第4実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV4とする。ここでは、半導体装置DEV3と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0082】
<半導体装置DEV4の構成>
以下に、半導体装置DEV4の構成を説明する。
【0083】
図21は、半導体装置DEV4の平面図である。
図21中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1、インダクタID2、インダクタID3及びインダクタID4が点線により示されている。また、
図21中では、最上層の配線WL1b及び最上層の配線WL2bが点線により示されている。
【0084】
図21に示されるように、半導体装置DEV4では、インダクタID1及びインダクタID3が、最上層の配線WL1bにより互いに電気的に接続されている。半導体装置DEV4では、インダクタID2及びインダクタID4が、最上層の配線WL2bにより互いに電気的に接続されている。これらの点に関して、半導体装置DEV4の構成は、半導体装置DEV3の構成と異なっている。
【0085】
<半導体装置DEV4の効果>
以下に、半導体装置DEV4の効果を説明する。
【0086】
半導体装置DEV4では、インダクタID1及びインダクタID3が最上層の配線WL1bにより互いに電気的に接続されており、インダクタID2及びインダクタID4が最上層の配線WL2bにより互いに電気的に接続されている。そのため、半導体装置DEV4によると、インダクタID1及びインダクタID3により差動トランスフォーマを構成することが可能であり、インダクタID2及びインダクタID4により差動トランスフォーマを構成することが可能となる。
【0087】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る半導体装置を説明する。第5実施形態に係る半導体装置を、半導体装置DEV5とする。ここでは、半導体装置DEV1と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0088】
以下に、半導体装置DEV5の構成を説明する。
【0089】
図22は、半導体装置DEV5の平面図である。
図22中では、再配線層FOLの図示が省略されており、インダクタID1及びインダクタID2が点線により示されている。
図23は、インダクタID1の模式的な斜視図である。
図24は、インダクタID2の模式的な斜視図である。
図22から
図24に示されるように、半導体装置DEV5では、インダクタID1が、第1部分ID1aと、第2部分ID1bとを有している。半導体装置DEV5では、インダクタID2が、第1部分ID2aと、第2部分ID2bとを有している。
【0090】
第1部分ID1a及び第2部分ID1bの各々は、第3方向D3に直交している面内において、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に跨って巻回されている。第1部分ID1a及び第2部分ID1bの各々は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。第1部分ID1a及び第2部分ID1bは、第3方向D3において、間隔を空けて互いに対向している。第1部分ID1aの一方端及び第2部分ID1bの他方端は、半導体チップCHP1電気的に接続されている。第1部分ID1aの他方端及び第2部分ID1bの一方端は、配線WL3a(接続部WL3ae)により互いに電気的に接続されている。接続部WL3aeは、第3方向D3に沿って延びている。
【0091】
第1部分ID2a及び第2部分ID2bの各々は、第3方向D3に直交している面内において、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に跨って巻回されている。第1部分ID2a及び第2部分ID2bの各々は、半導体チップCHP1及び半導体チップCHP2に重なるように形成されている。第1部分ID2a及び第2部分ID2bは、第3方向D3において、間隔を空けて互いに対向している。第1部分ID2aの一方端及び第2部分ID2bの他方端は、半導体チップCHP1電気的に接続されている。第1部分ID2aの他方端及び第2部分ID2bの一方端は、配線WL3a(接続部WL3af)により互いに電気的に接続されている。接続部WL3afは、第3方向D3に沿って延びている。これらの点に関して、半導体装置DEV5の構成は、半導体装置DEV1の構成と異なっている。
【0092】
なお、
図22から
図24に示されている例では、インダクタID1及びインダクタID2の各々の巻き数が2であるが、インダクタID1及びインダクタID2の各々の巻き数が3以上であってもよい。また、
図22から
図24に示されている例では、インダクタID1及びインダクタID2の各々が複数になっているが、インダクタID1及びインダクタID2のいずれか一方の巻き数が複数になっていなくてもよい。
【0093】
<半導体装置DEV5の効果>
以下に、半導体装置DEV5の効果を説明する。
【0094】
半導体装置DEV5では、インダクタID1及びインダクタID2の各々の巻き数が、複数になっている。そのため、半導体装置DEV5によると、インダクタID1及びインダクタID2の結合係数を高めることができる。
【0095】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0096】
AD 接着剤、BF 下地膜、CH1,CH2 コンタクトホール、CHP1,CHP2 半導体チップ、CP1,CP2 コンタクトプラグ、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、DEV1 半導体装置、DEV2,DEV3,DEV4,DEV5 半導体装置、SR1a 第1部分、SR1b 第2部分、DR1 ドレイン領域、DR1a 第1部分、DR1b 第2部分、DR2 ドレイン領域、DR2a 第1部分、DR2b 第2部分、ER 封止樹脂、FOL 再配線層、FS1,FS2,FS3 第1面、G1 ゲート電極、G2 ゲート電極、GI1 ゲート絶縁膜、GI2 ゲート絶縁膜、ID1 インダクタ、ID1a 第1部分、ID1b 第2部分、ID2 インダクタ、ID2a 第1部分、ID2b 第2部分、ID3 インダクタ、ID4 インダクタ、ILD1a,ILD1b,ILD1c,ILD2a,ILD2b,ILD2c 層間絶縁膜、ILD3a,ILD3b,ILD3c 層間絶縁膜、ISL1 素子分離膜、ISL2 素子分離膜、PAD1 パッド電極、PAD2 パッド電極、RP レジストパターン、S1 準備工程、S2 樹脂封止工程、S3 再配線工程、S21,S31 第1工程、S22,S32 第2工程、S33 第3工程、S34 第4工程、S35 第5工程、SR1 ソース領域、SR1a 第1部分、SR1b 第2部分、SR2 ソース領域、SR2a 第1部分、SR2b 第2部分、SS1,SS2,SS3 第2面、SSUB 支持基板、SUB1,SUB2 半導体基板、SWS1,SWS2 サイドウォールスペーサ、TR1a,TR1b,TR1c,TR2a,TR2b,TR2c 溝、VH1,VH2,VH3b,VH3c,VH3a ビアホール、VP1 ビアプラグ、VP2 ビアプラグ、WL1,WL2 配線層、WL1a,WL1b,WL2a,WL2b 配線、WL3a 配線、WL3aa,WL3ab,WL3ac,WL3ad 直線部、WL3ae 接続部、WL3af 接続部、WL3b 配線、WL3ba,WL3bb 直線部、WL3c 配線、WR1,WR2 ウェル領域。