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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166796
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】ユニットハウス用エアコン設置構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20231115BHJP
   F24F 1/60 20110101ALI20231115BHJP
   E04F 10/08 20060101ALN20231115BHJP
【FI】
E04B1/348 V
F24F1/60
E04F10/08
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077583
(22)【出願日】2022-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】591170647
【氏名又は名称】三協フロンテア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】堀篭 剛
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 一徳
【テーマコード(参考)】
2E105
【Fターム(参考)】
2E105CC01
2E105FF13
2E105GG05
(57)【要約】
【課題】ユニットハウスにエアコンを設置する際に、外装デザインに影響を与えることなく設置できるユニットハウス用エアコン設置構造を提供する。
【解決手段】妻側の壁面P1に形成された開口部1を形成する。開口部1の室内側に形成され室外機Qを室内側に収納する収納凹部10を設ける。収納凹部10の上部に形成され冷媒管Sを接続する接続スペース20を設ける。室内機Rと室外機Qの冷媒管Sを接続スペース20で接続するように構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットハウスにエアコンを設置する構造であって、妻側の壁面に形成された開口部と、開口部の室内側に形成され室外機を室内側に収納する収納凹部と、収納凹部の上部に形成され冷媒管を接続する接続スペースとを備え、室内機の冷媒管と収納凹部に収納された室外機の冷媒管とを接続スペースで接続するように構成したことを特徴とするユニットハウス用エアコン設置構造。
【請求項2】
前記収納凹部は、前記室外機を囲む箱体状を成して前記開口部側の床パネルに設置され、背面側に前記開口部に連通する開口部を備え、室内側の前面に開閉自在なパネルを有する請求項1記載のユニットハウス用エアコン設置構造。
【請求項3】
前記収納凹部の上部に着脱自在に装着するカバー体を形成し、このカバー体で前記冷媒管接続後の前記接続スペースを囲むように構成する請求項1記載のユニットハウス用エアコン設置構造。
【請求項4】
前記開口部を遮蔽する通風自在な遮蔽体を形成し、前記室外機の熱交換を妨げない位置に設置する請求項1記載のユニットハウス用エアコン設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットハウスにエアコンを設置するユニットハウス用エアコン設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユニットハウスにエアコンを設置する場合、熱交換用のスペースが必要な室外機はユニットハウスの外側に設置される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているユニットハウスでは、壁パネル6に形成した開口部にベースパネル11を設け、このベースパネル11の外側下端部に配置したフレームボックス12を室内側に押し込み自在に設け、このフレームボックス12に室外機10を設置し、フレームボックス12の内側に室内機9を設置する構造が示されている。
【0004】
この設置構造によると、ユニットハウス搬送時にフレームボックス12に設置した室外機10をユニットハウスの室内に押し込むことで、室外機10がユニットハウスの室内に格納される。このため搬送時の荷台スペースに室外機10の積載スペースを確保する必要がなく、室外機10と室内機9とを接続した状態で運搬できるというものである。
【0005】
一方、限られたスペース内にエアコンの室外機を設置する設置構造が特許文献2に記載されている。
【0006】
この設置構造は、バルコニー12と屋内16を区画するバルコニー12の側壁部28側に形成され、屋内16側へ向かって凹む凹部36と、この凹部36内に一部が収納されたエアコン室外機10と、を有する構造である。そして、エアコン室外機10の突出量Lが少なくなった分、限られたスペース内でエアコン室外機10とバルコニー12の腰壁部26との離間距離を大きくすることが可能になるというものである。
【0007】
また、この設置構造において、冷媒管が露出しない構造も示されている。すなわち外壁パネル40とふかし壁48の間に配管54を配設することで、配管54を隠蔽する構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平6-16507号公報
【特許文献2】特開2020-180448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のユニットハウスは、ユニットハウスの運搬時に室外機を室内に収納することで、荷台スペースに室外機の積載スペースを確保する必要がなくなるとしても、ユニットハウスにエアコンを設置した後は、室外機や冷媒管が外部に露出することになる。
【0010】
そのため、露出した室外機や冷媒管がユニットハウスの外装デザインを妨げる不都合が生じる。しかも、室内機は、ベースパネルに設置可能な壁掛け型に限定されるものでもあった。
【0011】
特許文献2に記載の設置構造では、冷媒管の接続は冷媒管が隠蔽されていない室外機側で行われることになるので、室外機と冷媒管の接続部分は外部に露出した状態になる。そのため、この設置構造をユニットハウスで採用すると、露出した室外機や冷媒管が外装デザインに影響を与えることになる。
【0012】
一方、ユニットハウスは、単体で使用する他、複数階に積み重ねて使用する場合もある。この場合、冷媒管を接続する作業がユニットハウスの外側で行われるので、2階や3階の接続作業や点検・メンテナンス作業が困難な作業になっていた。
【0013】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、ユニットハウスにエアコンを設置する際に、外装デザインに影響を与えることがなく、しかも、ユニットハウスが2階以上であっても、室内側で冷媒管接続作業や点検・メンテナンス作業を容易に行うことができるユニットハウス用エアコン設置構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、ユニットハウスPにエアコンを設置する構造であって、
妻側の壁面P1に形成された開口部1と、開口部1の室内側に形成され室外機Qを室内側に収納する収納凹部10と、収納凹部10の上部に形成され冷媒管Sを接続する接続スペース20とを備え、
室内機Rの冷媒管Sと収納凹部10に収納された室外機Qの冷媒管Sとを接続スペース20で接続するように構成したことにある。
【0015】
第2の手段の前記収納凹部10は、前記室外機Qを囲む箱体状を成して前記開口部1側の床パネルP2に設置され、背面側に前記開口部1に連通する開口部11を備え室内側の前面に開閉自在なパネル12を有するものである。
【0016】
第3の手段は、前記収納凹部10の上部に着脱自在に装着するカバー体21を形成し、このカバー体21で前記冷媒管S接続後の前記接続スペース20を囲むように構成している。
【0017】
第4の手段は、前記開口部1を遮蔽する通風自在な遮蔽体2を形成し、前記室外機Qの熱交換を妨げない位置に設置する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、室外機Qや冷媒管SはユニットハウスPの外部に露出しない構造なので、外装デザインに影響を与える不都合がなくなった。
【0019】
更に、冷媒管Sの接続作業を室内の接続スペース20で行えるので、ユニットハウスが2階以上であっても、冷媒管Sの接続作業を室内で容易に行うことができる。
【0020】
しかも、工場で室外機Qを室内に設置した状態でユニットハウスの運搬ができる。また、工場で室外機Qの据え付けと冷媒管Sの取付けまでを完了させておき、現地において接続スペース20内で冷媒管Sの接続作業ができるので、現地での室内機R取付け作業も簡略化する。
【0021】
更に、従来のユニットハウス用の室内機Rは壁掛け型や床置き型だったが、本発明によると天井吊形や天井カセット形などの室内機Rも選択することが可能になった。
【0022】
そして、室外機QをユニットハウスP内に設置しても、室外機Qは収納凹部10に囲まれているので、室外機Qの振動や騒音は収納凹部10に吸収され、室内環境の保全ができる。
【0023】
また、収納凹部10の前面に開閉自在なパネル12を設けているので、2階以上のユニットハウスPに設置したエアコンでも室内側から点検やメンテナンスが安全且つ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の開口部を示す要部斜視図である。
図2】本発明の収納凹部を示す側面図である。
図3】本発明の連結スペースを示す要部斜視図である。
図4】本発明の収納凹部を示す斜視図である。
図5】本発明の遮蔽体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、積み重ね自在なユニットハウスにエアコンを設置する構造である。
【0026】
本発明ユニットハウスPの妻側の壁面P1に開口部1が形成されている(図1参照)。この開口部1は、開口部1の内側に設置する室外機Qの熱交換ができるように形成されている。
【0027】
この開口部1の室内側に収納凹部10を形成している(図1参照)。この収納凹部10は、室外機Qを囲む箱体状を成し、ユニットハウスPの開口部1側の床パネルP2に設置されている(図4参照)。
【0028】
この収納凹部10は、室内側に開閉自在なパネル12を有し、このパネル12を取り外すと室内側で室外機Qのメンテナンスが可能になる(図2参照)。更に、左右の側板13と上部の天板14とで室外機Qを囲む箱体状を成すことで、室外機Qの振動や騒音を防ぐ構成である(図4参照)。
【0029】
収納凹部10の背面側には開口部1に重なる開口部11を備えており、この開口部11をユニットハウスPの妻側の壁面P1に形成した開口部1に重ねて連通するように構成している(図1参照)。図示例では、収納凹部10の開口部11を壁面P1の開口部1の大きさに合わせて形成しているが、この他、開口部11と開口部1との開口面積や位置を任意に変更することも可能である。
【0030】
収納凹部10の天板14の上に接続スペース20が形成されている(図4参照)。この接続スペース20は、冷媒管Sを接続する作業用のスペースであり、室外機Qの冷媒管Sと室内機Rの冷媒管Sをこの接続スペース20にて接続する(図3参照)。冷媒管Sの接続手段として、冷媒管Sの先端にフレア加工を行う管継手の接続が一般的であるが、この他、ワンショット方式の管継手やセルフシール方式の管継手を使用するなど、任意の接続手段を選択することができる。
【0031】
この接続スペース20には、収納凹部10の上部に着脱自在に装着されるカバー体21を備えている(図2参照)。そして、冷媒管Sの接続作業が終了した後は、カバー体21にて接続スペース20の冷媒管Sが覆われる。図2のカバー体21は収納凹部10の上部だけを覆っているが、このカバー体21を拡大して収納凹部10の上部から収納凹部10の側面全体を覆うように形成することができる。この場合、室内側に開閉自在なパネル12は、このカバー体21に形成しても良い(図示せず)。
【0032】
室内機Rは、収納凹部10に隣接する天井に設置することができる(図2参照)。この室内機Rは、例えば天井吊形や、天井カセット形など任意に選択することが可能である。また、室内機Rはこの他、壁掛け型や据え置き型の室内機Rを使用することも可能である。そして、室内機Rの冷媒管Sを接続スペース20に配管することで、連結作業が容易になり、室内機Rの冷媒管Sから室外機Qまでの冷媒管Sは、カバー体21と収納凹部10とで覆われることになる。
【0033】
ユニットハウスPの開口部1側に、開口部1を覆う通風自在な遮蔽体2を設けている(図5参照)。この遮蔽体2は、室外機Qの熱交換を妨げない位置に設置している。図示の遮蔽体2は、通風や換気が可能なルーバーパネルを使用している。すなわち、複数のルーバー2Aを並べたパネル状の遮蔽体2を支持金具2BにてユニットハウスPの壁面P1に固定している。このような遮蔽体2を設置することで、室外機Qの熱交換を妨げずに開口部1を遮蔽することができる。また、遮蔽体2は図示例に限られるものではなく、遮蔽体2の形状やサイズ、装着位置等は任意に選択できるものである。
【0034】
本発明の設置手順の一例は次のとおりである。工場で室外機Qの据え付けと冷媒管Sの取付までを完了させたユニットハウスPを運搬する。現地では、天井に室内機Rを取り付けると共に、接続スペース20内で冷媒管継手を使用して冷媒管Sの接続を行う。冷媒管Sを接続した後は、接続スペース20の周囲をカバー体21で覆うと共に、遮蔽体2を設置して開口部1を覆う(図2参照)。
【0035】
尚、本発明は図示例に限定されるものではなく壁面P1の開口部1や収納凹部10の開口部11の位置、あるいは収納凹部10や接続スペース20の構成や形状は任意に変更することができる。また、本発明の要旨を変更しない範囲での設計変更も自由である。
【符号の説明】
【0036】
P ユニットハウス
P1 壁面
P2 床パネル
Q 室外機
R 室内機
S 冷媒管
1 開口部
2 遮蔽体
2A ルーバー
2B 支持金具
10 収納凹部
11 開口部
12 パネル
13 側板
14 天板
20 接続スペース
21 カバー体
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットハウスにエアコンを設置する構造であって、妻側の壁面に形成された開口部と、開口部の室内側に形成され室外機を室内側に収納する収納凹部と、収納凹部の上部に形成され冷媒管を接続する接続スペースとを備え、
収納凹部は、室外機を囲む箱体状を成して開口部側の床パネルに設置され、背面側に開口部に連通する開口部を備え、室内側の前面に開閉自在なパネルを有し、
室内機の冷媒管と収納凹部に収納された室外機の冷媒管とを接続スペースで接続するように構成したことを特徴とするユニットハウス用エアコン設置構造。
【請求項2】
前記収納凹部の上部に着脱自在に装着するカバー体を形成し、このカバー体で前記冷媒管接続後の前記接続スペースを囲むように構成する請求項1記載のユニットハウス用エアコン設置構造。
【請求項3】
前記開口部を遮蔽する通風自在な遮蔽体を形成し、前記室外機の熱交換を妨げない位置に設置する請求項1記載のユニットハウス用エアコン設置構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、ユニットハウスPにエアコンを設置する構造であって、妻側の壁面P1に形成された開口部1と、開口部1の室内側に形成され室外機Qを室内側に収納する収納凹部10と、収納凹部10の上部に形成され冷媒管Sを接続する接続スペース20とを備え、収納凹部10は、室外機Qを囲む箱体状を成して開口部1側の床パネルP2に設置され、背面側に開口部1に連通する開口部11を備え室内側の前面に開閉自在なパネル12を有し、室内機Rの冷媒管Sと収納凹部10に収納された室外機Qの冷媒管Sとを接続スペース20で接続するように構成したことにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
の手段は、前記収納凹部10の上部に着脱自在に装着するカバー体21を形成し、このカバー体21で前記冷媒管S接続後の前記接続スペース20を囲むように構成している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
の手段は、前記開口部1を遮蔽する通風自在な遮蔽体2を形成し、前記室外機Qの熱交換を妨げない位置に設置する。