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  • 特開-生成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166828
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】生成装置
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/24 20060101AFI20231115BHJP
   G10H 1/34 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G10H1/24
G10H1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077635
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】臼井 旬
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス ジェラルド ビュエルジュニア
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョン ピアス
(72)【発明者】
【氏名】油木田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】田仲 薫
(72)【発明者】
【氏名】アレックス スタウト
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478CC36
5D478DA11
5D478DB03
5D478DC04
5D478DD00
5D478EA03
5D478EA51
5D478EA72
5D478EA92
(57)【要約】
【課題】直感的な操作で音を生成できるようにする。
【解決手段】リズム音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第1の領域R1と、メロディ音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第2の領域R2と、リズム音信号とメロディ音信号とを合成した合成音信号に対して音響効果を付与する操作を受け付ける操作子が配置された第3の領域R3と、を有する生成装置100を提供する。第1の領域R1と第2の領域R2と第3の領域R3とは、互いに独立している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リズム音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第1の領域と、
メロディ音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第2の領域と、
前記リズム音信号と前記メロディ音信号とを合成した合成音信号に対して音響効果を付与する操作を受け付ける操作子が配置された第3の領域と、を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、互いに独立している、生成装置。
【請求項2】
前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域は、この順で一列に配置された、請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記第1の領域と前記第2の領域とは隣接している、請求項2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記第2の領域と前記第3の領域とは隣接している、請求項3に記載の生成装置。
【請求項5】
操作面を有し、
前記第1の領域、前記第2の領域および前記第3の領域は、前記操作面のうち1つの操作面上にある、請求項1に記載の生成装置。
【請求項6】
前記1つの操作面は上面である、請求項5に記載の生成装置。
【請求項7】
前記第1の領域に配置された前記操作子は、発音パターンを設定する操作を受け付ける第1の設定操作子と、発音タイミングを入力する操作を受け付ける第1の入力操作子と、を含む、請求項1に記載の生成装置。
【請求項8】
前記第1の入力操作子は複数あり、
前記第1の入力操作子の各々は、前記リズム音信号の発音タイミングに対応した情報を報知する報知部を有する、請求項7に記載の生成装置。
【請求項9】
前記第2の領域に配置された前記操作子は、楽器音を設定する操作を受け付ける第2の設定操作子と、音高を入力する操作を受け付ける第2の入力操作子と、を含む、請求項1に記載の生成装置。
【請求項10】
前記第2の入力操作子は、音階を指定する操作子である、請求項9に記載の生成装置。
【請求項11】
前記第3の領域に配置された前記操作子は、音パラメータを設定する操作を受け付ける第3の設定操作子と、音響効果を設定する操作を受け付ける第4の設定操作子と、を含む、請求項1に記載の生成装置。
【請求項12】
前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とのうち少なくとも2つの領域は、互いに異なる色に配色されている、請求項1に記載の生成装置。
【請求項13】
前記第3の領域は、前記音響効果に関する情報を表示するための表示部を含む、請求項1に記載の生成装置。
【請求項14】
前記リズム音信号と前記メロディ音信号とを合成して前記合成音信号を生成する合成部と、
前記第3の領域に配置された前記操作子の操作によって設定された音響効果を前記合成音信号に対して付与する効果付与部と、を有する、請求項1に記載の生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リズム音やメロディ音などの音信号を入力するための操作子を備える生成装置が知られている。例えば、非特許文献1、2には、所定のボタンを用いて、並んで配置された複数の操作ボタンに割り当てる機能を選択し、上記複数の操作ボタンの操作によって機能を実行する生成装置が開示されている。上記複数の操作ボタンで実現される機能には、例えば、楽器音(音色)の設定のほか、リズム音の発音パターンの設定、メロディ音の入力(演奏・打ち込み操作等)、音響効果の設定等がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Novation”、[online]、CIRCUIT TRACKS〔令和4年3月28日検索〕、インターネット<URL:https://novationmusic.com/en/circuit/circuit-tracks>
【非特許文献2】“Teenage Engineering”、[online]、OP-Z、〔令和4年3月28日検索〕、インターネット<URL:https://teenage.engineering/products/op-z>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の操作ボタンに適用される機能が切り替わることから、同じ操作ボタンが複数の異なる機能に共用される。そのため、音を生成するための操作を直感的に行うことが容易でない。
【0005】
本発明の一つの目的は、直感的な操作で音を生成することができる生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態によれば、リズム音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第1の領域と、メロディ音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第2の領域と、前記リズム音信号と前記メロディ音信号とを合成した合成音信号に対して音響効果を付与する操作を受け付ける操作子が配置された第3の領域と、を有し、前記第1の領域と前記第2の領域と前記第3の領域とは、互いに独立している、生成装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、直感的な操作で音を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】生成装置の上面図である。
図2】生成装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態に係る生成装置の上面図である。この生成装置100は、一例として入力操作に応じて音信号を生成するデバイスである。生成装置100の外観は直方体である。生成装置100は、不図示の底面のほか、前面101、背面102、左側面103、右側面104、上面105を有する。生成装置100の方向については、ユーザが位置する側(手前側)を前側とし、左右方向についてはユーザから見た方向を基準とする。
【0011】
生成装置100は複数の操作子を備える。前面101、背面102、左側面103、右側面104、上面105のいずれも、少なくとも1つの操作子が配置された操作面である。なお、操作子が配置されない操作面が存在してもよい。生成装置100における操作子の配置領域は、第1の領域R1と、第2の領域R2と、第3の領域R3とに大別される。第1の領域R1、第2の領域R2、第3の領域R3は、左からこの順で一列に配置される。第1の領域R1と第2の領域R2とは隣接し、第2の領域R2と第3の領域R3とは隣接している。
【0012】
第1の領域R1には、リズム音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置されている。第2の領域R2には、メロディ音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置されている。第3の領域R3には、リズム音信号とメロディ音信号とを合成した合成音信号に対して音響効果を付与する操作を受け付ける操作子が配置されている。
【0013】
第1の領域R1は、第1上面領域11、第2上面領域12、第1側面領域13を含む。第2の領域R2は、第3上面領域21、第4上面領域22、第2側面領域23を含む。第3の領域R3は、第5上面領域31、第6上面領域32、第7上面領域33、第3側面領域34、第4側面領域35、第5側面領域36を含む。
【0014】
第1の領域R1の第1上面領域11には、1つの操作子14と、複数(一例として7個)の操作子15が配置されている。第2上面領域12には、複数(一例として16個)の操作子18が配置されている。操作子14、15は、少なくとも発音パターンを設定する操作を受け付ける第1の設定操作子である。操作子18は、少なくとも発音タイミングを入力する操作を受け付ける第1の入力操作子である。操作子18の各々は、リズム音信号の発音タイミングに対応した情報を報知する報知部として発光部19を有する。発光部19は操作子18の上部の視認可能な位置に設けられる。発光部19は例えば、下方に配置されたLEDの光を通す光透過部である。第1側面領域13には、押しボタン式の操作子が配置されている。
【0015】
第2の領域R2の第3上面領域21には、複数(一例として4個)の操作子24が配置されている。第4上面領域22には、1個の操作子26と、複数(一例として7個)の操作子27とが配置されている。操作子24は、少なくとも楽器音を設定する操作を受け付ける第2の設定操作子である。操作子27は、少なくとも音高を入力する操作を受け付ける第2の入力操作子である。操作子27の各々は、メロディ音信号の発音タイミングに対応した情報を報知する報知部として発光部19と同様の発光部28を有する。第2側面領域23には、押しボタン式の操作子が配置されている。
【0016】
第3の領域R3の第5上面領域31には、操作子41が配置されている。操作子41は、少なくとも音パラメータを設定する操作を受け付ける第3の設定操作子である。第6上面領域32には、操作子42、43、44、45、46が配置されている。操作子42~46は、少なくとも音響効果を設定する操作を受け付ける第4の設定操作子である。第3側面領域34、第4側面領域35、第5側面領域36には、押しボタン式の操作子が配置されている。
【0017】
第7上面領域33は、音響効果に関する情報を表示するための表示部である。第7上面領域33には、エフェクト表示部37およびレベルメータ38が配置されている。レベルメータ38は、複数のLED38aからなる。また、第6上面領域32には、レベル調整部39が配置されている。また、第3の領域R3内の右後部には、音響を発生させるスピーカ40が配置されている。
【0018】
操作子14、15、24、41~45は回転式の操作子である。操作子14、15、24は、押し込み操作も可能であり、押すと沈み、押すのをやめると元に復帰する。操作子46はスライド式の操作子である。操作子18、26、27は押しボタン式の操作子であり、押すと沈み、押すのをやめると元に復帰する。
【0019】
なお、側面領域13、23、34、35、36に配置される操作子は、押しボタン式に限らず、これらのうち一部または全部がスライド式や回転式であってもよい。上記した各操作子の操作方式は問わない。また、第5側面領域36等、いずれかの側面領域には、信号入出力端子や電源端子も配置されている。
【0020】
また、操作子14の隣には、ランプ16A、16B、16Cが配置されている。各操作子15の隣には、ランプ17A、17B、17Cが配置されている。各操作子24の隣には、ランプ25A、25B、25Cが配置されている。これらのランプは、選択状態の(編集対象または再生対象となっている)パターンを示す。
【0021】
次に、各操作子の機能を説明する。
【0022】
一般的な編集では、まず、ユーザは、第5側面領域36内の操作子の操作によって、編集対象とする楽曲(以下、プロジェクトという)を選択する。装置内に複数のプロジェクトを記憶可能である。
【0023】
ユーザは、プロジェクトが選択された状態で、第1の領域R1における操作子の操作によってリズム音を設定する。ユーザは、操作子15のそれぞれに対応して、7つのトラックについて個別にリズム音を設定できる。例えば、ある操作子15にはバスドラム、他の操作子15にはスネアドラム、というように、各操作子15に、設定するリズム音(ドラム音、パーカッション音を含む)の種類がアサインされている。ユーザは、所望する操作子15を押すことで、編集対象のトラックを選択することができる。
【0024】
1つのトラックにおいて、3つのパターンを設定できる。ランプ17A、17B、17Cのうち、選択状態のパターンに対応するものが発光する。ユーザは、操作子15を回転させることで、所望のパターンを編集対象として選択することができる。なお、トラックごとに所望のパターンを組み合わせて用いることができる。なお、1つのトラックにおいて設定可能なパターンは4以上でもよく、ランプの数も4以上でもよい。あるいは、ランプの発光色を切り替える等によって、ランプ数より多い数のパターンの選択状態がわかるようにしてもよい。
【0025】
なお、操作子14はグローバルボタンであり、ユーザは、操作子14を回転させることで、ランプ16A、16B、16Cのいずれかを発光させることができる。そして、ランプ16A、16B、16Cの発光の切り替わりに連動して、ランプ17A、17B、17Cおよびランプ25A、25B、25Cの発光も切り替わり、選択状態のパターンも切り替わる。すなわち、操作子14の回転操作によって、選択状態となるパターンを一括して切り替え可能である。
【0026】
操作子18の入力方式には、ステップシーケンサの方式が採用されている。例えば、16個の操作子18に、1小節を16分割したタイミング(16分音符)が対応しているとき、所望するタイミングに対応する操作子18を押すことで、リズムパターンを設定することができる。そして、発音タイミングとして設定された操作子18の発光部19が発光する。なお、モニタ再生等の再生時にも、進行のタイミングに応じた発光部19を、設定状態を示す色とは異なる色で発光させてもよい。
【0027】
第1側面領域13に配置された操作子には、電源オンオフ、再生停止、全体音量の調整、トラックのミュートやソロ再生、パターンの削除、トラックの小節数が2以上のときの表示小節の切り替え、等の機能を有するものがある。
【0028】
このように、トラックごとに1以上のパターンが設定され、再生または出力時にはリズム音信号が生成される。また、2以上のトラックを並行して(重ねて)再生することで、複数のリズム音から成るドラムパターンが再生・出力される。
【0029】
次に、ユーザは、第2の領域R2における操作子の操作によってメロディ音を設定する。操作子24には、第1シンセサイザ音、第2シンセサイザ音、というように、各操作子15に、設定するメロディ用の音色の種類がアサインされている。この音色のアサインは変更可能である。また、操作子24のうち1つ(例えば、右下の操作子24)は、サンプラーとして利用できる。例えば、外部マイク、内蔵マイクまたはスピーカ40を使用して音声を取得し、取得した音声をサンプリングした音色を右下の操作子24にアサインすることができる。
【0030】
ユーザは、各操作子24に対応する4つのメロディパートを設定することができる。ユーザは、所望する操作子24を押すことで、編集対象のメロディパートを選択することができる。メロディパートのそれぞれについても、3つのパターンを設定できる。ランプ25A、25B、25Cのうち、選択状態のパターンに対応するものが発光する。ユーザは、操作子24を回転させることで、所望のパターンを編集対象として選択することができる。
【0031】
操作子27は、音階を指定する操作子である。例えば、Cメジャースケールが設定されている場合は、後側の3つの操作子27に、左から順にC、D、Eの音高が対応付けられ、前側の3つの操作子27に、左から順にF、G、A、Bの音高が対応付けられる。操作子27での入力には、ライブインプットが採用されている。ユーザは、例えば再生ビートに合わせて音高を指定することでメロディを入力することができる。操作子26を押すことで、操作子27で入力されたメロディが記録される。
【0032】
発光部19と同様に、発音タイミングに対応する操作子27の発光部28が発光する。なお、モニタ再生等の再生時にも、進行のタイミングに応じた発光部28を、設定状態を示す色とは異なる色で発光させてもよい。
【0033】
第2側面領域23に配置された操作子には、小節数増減、オクターブ設定、スケール設定、ルート音設定(キートランスポーズ)、サンプリング実行、等の機能を有するものがある。
【0034】
このようにして、1以上のメロディパターンが設定され、再生または出力時にはメロディ音信号が生成される。また、メロディパターンをリズムパターンと並行して(重ねて)再生することで、1以上のリズム音および1以上のメロディから成る楽曲が再生される。
【0035】
次に、ユーザは、リズム音信号とメロディ音信号とを合成した合成音信号に対して付与する音響効果を、第3の領域R3における操作子の操作によって設定する(サウンドデザイン)。なお、ユーザは、合成音信号だけでなく、個別のトラック(例えば、バスドラムだけ、スネアだけ等の信号)の編集を行うこともできる。
【0036】
ユーザは、操作子41を回転操作することで、操作子24にアサインする音色(音パラメータ)をプリセット音色から選ぶことができる。ユーザは、操作子43、44、45を回転操作することで、それぞれピッチ、VOL(ボリューム)、PANを変更・設定することができる。また、エフェクト設定モードを切り替ることにより、ユーザは、操作子42~45を回転操作することで、アタック、ディケイ、EQ等を変更・設定することができる。ユーザは、操作子46を右または左にスライド操作することで、エフェクト(音響効果)を単独のトラックに付与するか、全トラックに付与するかを指定することができる。なお、操作子46の操作によって作動する機能は例示したものに限定されない。例えば、操作子46の操作によって、レベル調整等の他の操作子の機能を切り替えてもよい。
【0037】
ユーザは、操作子42を回転操作することで、エフェクトリストの中から、付与する対象とするエフェクトを選択することができる。選択されたエフェクトはエフェクト表示部37に、発光する文字によって報知される。エフェクト表示部37は、エフェクト名を示す文字と、バックライトとを備える。文字部分が光を透過する。
【0038】
ユーザは、レベル調整部39を前後方向に擦ることで、付与する効果のレベルを調整する。調整されたレベルの状態は、レベルメータ38における発光するLED38aの数によって報知される。レベルが高くなるにつれて、手前から数えて発光するLED38aの数が増える。ユーザは、エフェクト表示部37により付与する効果の種類を把握でき、レベルメータ38により、付与する効果のレベルを視覚的に把握することができる。
【0039】
第4側面領域35に配置された操作子には、アンドゥ・リドゥ、エフェクトのかかりを消す(あるいは弱くする)、等の機能を有するものがある。第3側面領域34に配置された操作子には、エフェクト設定モードの切り替え(例えば、ピッチ、VOL、PANに代えてアタック、EQを対象にする)等の機能を有するものがある。第5側面領域36に配置された操作子には、テンポ設定、シャッフルのリズム設定、プロジェクト切り替え、等の機能を有するものがある。
【0040】
このようにして、リズム音信号とメロディ音信号とを合成した合成音信号に対して付与する音響効果が設定され、1以上のリズム音および1以上のメロディから成る楽曲がエフェクト付きで再生される。なお、リズム音信号とメロディ音信号のいずれかまたは双方に音響効果を付与せずに再生・出力できるモードを備えてもよい。
【0041】
なお、入力・設定の順序は、リズム音信号、メロディ音信号、音響効果の順に限定されず、ユーザは自由な順番で入力・設定することができる。
【0042】
ここで、第1の領域R1と第2の領域R2と第3の領域R3とは、互いに独立している。言い換えると、配置スペースの観点で、領域R1、R2、R3が互いに物理的に独立し、個別に存在している。あるいは、領域R1、R2、R3が互いに重なることなく分かれて配置されている。すなわち、同じ配置スペースが領域R1、R2、R3に兼用されていない。
【0043】
つまり、楽曲作成に必要な機能を設定する操作子が筐体上に全て現れていて且つ、機能ごとにまとまって配置されている。上述のように、領域R1、R2、R3はそれぞれ、リズム音、メロディ音、効果を入力(設定)する機能を有し、操作子の機能が配置領域ごとに異なっている(つまり操作子が機能別に分かれている)。操作子に適用される機能が、リズム関連用、メロディ関連用、効果関連用と、に切り替わる構成ではなく、同じ操作子が複数の異なる機能に共用されない。
【0044】
これらのことから、例えばユーザは、リズム音の作成の際には第1の領域R1だけに意識を向け、メロディ音の作成の際には第2の領域R2にだけ意識を向け、音響効果の設定の際には第3の領域R3にだけ意識を向けることが可能となる。従って、音を生成するための操作を直感的に行うことが容易となる。
【0045】
また、領域R1、R2、R3は互いに異なる色に配色されている。この点でも、リズム関連用の領域、メロディ関連用の領域、効果関連用の領域とが、視覚的に識別されるので、直感的な操作が容易となる。なお、領域R1、R2、R3のうち少なくとも2つの領域が、互いに異なる色に配色されていてもよい。
【0046】
図2は、生成装置100の機能ブロック図である。
【0047】
第1操作子群51は第1の領域R1に配置された複数の操作子である。第2操作子群52は第2の領域R2に配置された複数の操作子である。第3操作子群53は第3の領域R3に配置された複数の操作子である。生成装置100は、これらの機能部として、第1生成部54、第2生成部55、効果設定部56、合成部57、効果付与部58、発音部59を有する。これらの機能部の機能は、不図示のCPU、ROM、RAM等の協働により実現される。
【0048】
第1生成部54は、第1操作子群51で受け付けられた操作に基づいて、リズム音信号を生成する。第2生成部55は、第2操作子群52で受け付けられた操作に基づいて、メロディ音信号を生成する。合成部57は、第1生成部54により生成されたリズム音信号と第2生成部55により生成されたメロディ音信号とを合成することで合成音信号を生成する。
【0049】
効果設定部56は、第3操作子群53で受け付けられた操作に基づいて、合成音信号に対して付与する音響効果を設定する。効果設定部56は、第3操作子群53で受け付けられた操作に基づいて、合成部57による処理前のリズム音信号やメロディ音信号に対しても、個別に、付与する音響効果を設定することができる。効果付与部58は、効果設定部56で設定された音響効果を合成音信号に付与する。発音部59はスピーカ40を含み、効果付与部58によって音響効果が付与された合成音信号を音響として出力する。
【0050】
なお、リズム音信号とメロディ音信号との双方に音響効果を常に付与することは必須でなく、いずれか一方の信号のみに音響効果を付与してもよいし、両信号を音響効果を付与することなく出力してもよい。また、リズム音信号とメロディ音信号とは常に合成されることは必須でなく、それぞれ独立して出力されてもよい。これら、音響効果を付与するか否か、合成するか否かについては、ユーザ操作によって設定可能に構成してもよい。
【0051】
本実施の形態によれば、生成装置100は、リズム音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第1の領域R1と、メロディ音信号を生成する操作を受け付ける操作子が配置された第2の領域R2と、リズム音信号とメロディ音信号とを合成した合成音信号に対して音響効果を付与する操作を受け付ける操作子が配置された第3の領域R3と、を有する。第1の領域R1と第2の領域R2と第3の領域R3とは、互いに独立している。よって、直感的な操作で音を生成することができる。
【0052】
また、領域R1、R2、R3は互いに異なる色に配色されているので、直感的な操作が一層容易となる。
【0053】
なお、第1の領域R1と第2の領域R2とが隣接し、第2の領域R2と第3の領域R3とが隣接することは必須でない。領域R1、R2、R3のいずれかの領域間に他の領域が存在してもよい。また、領域R1、R2、R3がこの順で一列に配置されることも必須でない。領域R1、R2、R3は全体としてL字配置となっていてもよい。あるいは、領域R1、R2、R3のうち1つの領域に領域R1、R2、R3のうち2つの領域が隣接してもよい。
【0054】
なお、領域R1、R2、R3に属する操作子を全て上面105に配置してもよい。あるいは、前面101、背面102、左側面103、右側面104に配置された操作子を除外して考え、つまり、第1側面領域13、第2側面領域23、第3側面領域34、第4側面領域35、第5側面領域36を除外した領域を、本発明における第1の領域と第2の領域と第3の領域と考えてもよい。このように考えた場合、第1、第2、第3の領域に属する操作子は全て、複数の操作面のうち1つの操作面である上面105上にあり、上方から視認且つ操作可能となる。
【0055】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
R1 第1の領域、 R2 第2の領域、 R3 第3の領域、 100 生成装置、 14、15、18、24、26、27、41~46 操作子、 33 第7上面領域、 57 合成部、 58 効果付与部
図1
図2