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特開2023-166874薄膜トランジスタ装置及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166874
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20231115BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231115BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231115BHJP
【FI】
H01L29/78 616T
H01L29/78 614
H01L29/78 618B
H01L29/78 613Z
H01L29/78 612C
H01L29/78 616K
H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077707
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】521515757
【氏名又は名称】厦門天馬顕示科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】竹知 和重
(72)【発明者】
【氏名】河内 玄士朗
【テーマコード(参考)】
3K107
5F110
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC35
3K107CC43
3K107EE04
3K107FF15
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5F110HL14
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5F110NN78
5F110QQ02
5F110QQ21
(57)【要約】
【課題】回路面積を低減する。
【解決手段】第1半導体層は、第1チャネル領域と、第1チャネル領域を挟む第1ソース/ドレイン領域と、を含む。第2半導体層は、第2チャネル領域と、第2チャネル領域を挟む第2ソース/ドレイン領域と、を含む。金属コンタクト部は、1以上の上側絶縁層及び1以上の下側絶縁層を貫通する孔内に存在し、第1ソース/ドレイン領域の一方及び第2ソース/ドレイン領域の一方と接触している。1以上の上側絶縁層の最下層における孔の径は、1以上の下側絶縁層の最上層における孔の径より大きい。金属コンタクト部は、第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタのソース/ドレイン線と同一金属材料で形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の、第1半導体層を含む第1薄膜トランジスタと、
前記基板上の、第2半導体層を含む第2薄膜トランジスタと、
前記基板上の、1以上の上側絶縁層と、
前記基板上の、1以上の下側絶縁層と、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層に接触する、金属コンタクト部と、
を含み、
前記第1半導体層と前記第2半導体層とは異なる材料で形成され、
前記基板から見て、前記第1半導体層、前記1以上の下側絶縁層、前記第2半導体層、及び前記1以上の上側絶縁層の順で、積層され、
前記第1半導体層は、第1チャネル領域と、前記第1チャネル領域を挟む第1ソース/ドレイン領域と、を含み、
前記第2半導体層は、第2チャネル領域と、前記第2チャネル領域を挟む第2ソース/ドレイン領域と、を含み、
前記金属コンタクト部は、前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔内に存在し、前記第1ソース/ドレイン領域の一方及び前記第2ソース/ドレイン領域の一方と接触しており、
前記1以上の上側絶縁層の最下層における前記孔の径は、前記1以上の下側絶縁層の最上層における前記孔の径より大きく、
前記金属コンタクト部は、前記第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタのソース/ドレイン線と同一金属材料で形成されている、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記第1半導体層又は前記第2半導体層の一方は、低温ポリシリコン半導体層であり、
前記第1半導体層又は前記第2半導体層の他方は、酸化物半導体層である、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方と前記第1ソース/ドレイン領域の前記一方は、積層方向において見て少なくとも部分的に重なり、
前記孔は前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方を貫通し、
前記金属コンタクト部は、前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方の、上面及び孔の端面と接触し、前記第1ソース/ドレイン領域の前記一方の上面と接触している、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記積層方向において見て、前記1以上の上側絶縁層の孔は、第2ソース/ドレイン領域の前記一方の外形内に存在し、
前記積層方向において見て、前記1以上の下側絶縁層の孔は、第1ソース/ドレイン領域の前記一方の外形内に存在する、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項5】
請求項3に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方の孔の端面は、前記第2半導体層の直下の下側絶縁層の端面より後退している、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項6】
請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方の前記孔内の部分の厚みは、前記第2ソース/ドレイン領域の前記一方の前記孔外の厚みより薄い、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項7】
請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記金属コンタクト部は、テーパ形状を有する、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項8】
請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置であって、
前記金属コンタクト部は、前記孔において、前記第2半導体層の上面より下の領域を少なくとも埋めている、
薄膜トランジスタ装置。
【請求項9】
薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、
第1半導体層を形成し、
前記第1半導体層上に1以上の下側絶縁層を形成し、
前記1以上の下側絶縁層の最上層上に、前記第1半導体層と異なる材料の第2半導体層を形成し、
前記第2半導体層上に1以上の上側絶縁層を形成し、
前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔を形成して、前記孔において前記第1半導体層のソース/ドレイン領域の一部及び前記第2半導体層のソース/ドレイン領域の一部を露出させ、
前記孔内に前記第1半導体層の一部及び前記第2半導体層の一部と接触する金属コンタクト部と、ソース/ドレイン配線とを含む、金属パターンを形成する、
薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、
前記第2半導体層の形成は、第2半導体層のソース/ドレイン領域に孔を形成し、
前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔の形成は、
前記第2半導体層の前記孔及び周縁部を露出させ、前記周縁部をオーバーエッチングする、
薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、
前記第2半導体層の形成は、第2半導体層のソース/ドレイン領域に孔を形成し、
前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔の形成は、
第1フォトレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、前記1以上の上層絶縁層を貫通する孔を形成して前記第2半導体層の前記孔及び周縁部を露出させ、
前記第1フォトレジストパターンを除去し、前記周縁部を覆う第2フォトレジストパターンを形成し、
前記第2フォトレジストパターンをマスクとしたエッチングにより、前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔を形成し、
前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔で露出している前記第1半導体層の酸化物を除去する、
薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薄膜トランジスタ装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(LTPS TFT)と、酸化物半導体TFTとを、一つの画素回路に組み込む技術が、スマートウオッチやスマートフォンのディスプレイ等で実用化されている。以下、この技術をHTD(Hybrid TFT Display)技術と呼ぶ。例えば、HTD技術は、移動度が高い低温ポリシリコンTFTと、リーク電流が少ない酸化物半導体TFTの双方を画素回路に組み込むことで、表示品質の向上と消費電力の低減を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0155736号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0285054号
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0273331号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、ディスプレイの高精細化を目的に、各画素の省面積化技術が重要になる。HTDバックプレーンでは、LTPSと金属酸化物(酸化物半導体)という異なった2つの材料から成る半導体層を含むTFTを電気的に接続する必要があり、多数のコンタクトホールが必要になる。このためコンタクトホールが大きな面積を占有してしまい、ディスプレイ高精細化の妨げになる。この点は、LTPS TFTと酸化物半導体TFTとを含む、表示装置とは異なる装置の回路において同様である。また、LTPS及び酸化物半導体以外の互いに異なる材料からなる半導体層を含む複数TFTの回路に対して同様である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様の薄膜トランジスタ装置は、基板上の、第1半導体層を含む第1薄膜トランジスタと、前記基板上の、第2半導体層を含む第2薄膜トランジスタと、前記基板上の、1以上の上側絶縁層と、前記基板上の、1以上の下側絶縁層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層に接触する、金属コンタクト部と、を含む。前記第1半導体層と前記第2半導体層とは異なる材料で形成されている。前記基板から見て、前記第1半導体層、前記1以上の下側絶縁層、前記第2半導体層、及び前記1以上の上側絶縁層の順で、積層されている。前記第1半導体層は、第1チャネル領域と、前記第1チャネル領域を挟む第1ソース/ドレイン領域と、を含む。前記第2半導体層は、第2チャネル領域と、前記第2チャネル領域を挟む第2ソース/ドレイン領域と、を含む。前記金属コンタクト部は、前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔内に存在し、前記第1ソース/ドレイン領域の一方及び前記第2ソース/ドレイン領域の一方と接触している。前記1以上の上側絶縁層の最下層における前記孔の径は、前記1以上の下側絶縁層の最上層における前記孔の径より大きい。前記金属コンタクト部は、前記第1薄膜トランジスタ及び前記第2薄膜トランジスタのソース/ドレイン線と同一金属材料で形成されている。
【0006】
本開示の他の態様は、薄膜トランジスタ装置の製造方法であって、第1半導体層を形成し、前記第1半導体層上に1以上の下側絶縁層を形成し、前記1以上の下側絶縁層の最上層上に、前記第1半導体層と異なる材料の第2半導体層を形成し、前記第2半導体層上に1以上の上側絶縁層を形成し、前記1以上の上側絶縁層及び前記1以上の下側絶縁層を貫通する孔を形成して、前記孔において前記第1半導体層のソース/ドレイン領域の一部及び前記第2半導体層のソース/ドレイン領域の一部を露出させ、前記孔内に前記第1半導体層の一部及び前記第2半導体層の一部と接触する金属コンタクト部と、ソース/ドレイン配線とを含む金属パターンを形成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、互いに異なる材料の半導体層を含む複数種類の薄膜トランジスタを含む回路のサイズを縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】OLED表示装置の構成例を模式的に示す。
図2A】画素回路の構成例を示す。
図2B】画素回路の他の構成例を示す。
図2C】画素回路の他の構成例を示す。
図3】互いの低抵抗領域が、一つのコンタクトホールによって相互接続されている、低温ポリシリコンTFT及び酸化物半導体TFTの断面構造を示す。
図4A】コンタクトホールの断面構造を模式的に示す。
図4B】コンタクトホールの平面構造を模式的に示す。
図5A】酸化物半導体層とポリシリコン層の低抵抗領域を相互接続するコンタクトホールの断面構造を模式的に示す。
図5B】酸化物半導体層とポリシリコン層の低抵抗領域を相互接続するコンタクトホールの平面構造を模式的に示す。
図6】製造方法の一例を示すフローチャートである。
図7A】コンタクトホールの形成方法を説明するための図である。
図7B】コンタクトホールの形成方法を説明するための図である。
図7C】コンタクトホールの形成方法を説明するための図である。
図8A図7Aに示す状態と同一の状態を示す。
図8B図8Aに示す状態からフォトレジストパターンを除去し、新たに形成したフォトレジストパターンをマスクとして、孔を形成した状態を示す。
図8C図8Bに示す状態から、低温ポリシリコン層の自然酸化膜を除去した状態を示す。
図8D図8Cに示す状態に対して、M4金属層を形成した状態を示す。
図9A】孔の内側端部がフッ酸により除去された酸化物半導体層を模式的に示す。
図9B図9Aの状態からフォトレジストを除去し、M4金属層パターンを形成した状態を示す。
図10】コンタクトホールの他の構造例を示す。
図11】コンタクトホールの他の構造例を示す。
図12】画素回路の一部の例を示す。
図13図12に示す画素回路の平面構造を模式的に示す。
図14図13に示す平面構造の一部の断面構造を模式的に示す。
図15】画素回路の例を示す。
図16図15に示す画素回路の平面構造を模式的に示す。
図17図16のXVII-XVII´切断線における断面構造を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。各図において共通の構成については同一の参照符号が付されている。説明をわかりやすくするため、図示した物の寸法、形状については、誇張して記載している場合もある。
【0010】
[概要]
以下において、薄膜トランジスタ装置の例として、OLED(Organic Light-Emitting Diode)表示装置を説明する。本開示のOLED表示装置は、画素回路内及び/又は周辺回路内に、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(LTPS TFT)と酸化物半導体TFTとを含む。
【0011】
低温ポリシリコンTFTの半導体層(低温ポリシリコン層)と、酸化物半導体TFTの半導体層(酸化物半導体層)とは、異なる層位置に形成されている。例えば、低温ポリシリコン層が、酸化物半導体層より下層に配置される。これら半導体層の間には1以上の絶縁層が存在する。なお、本明細書において、基板に近い層を下層、基板から遠い層を上層と呼ぶ。
【0012】
低温ポリシリコンTFTは低抵抗化されたポリシリコン(低抵抗ポリシリコン)で形成されているソース/ドレイン領域(低抵抗領域)を含み、酸化物半導体TFTは低抵抗化された酸化物半導体(低抵抗酸化物半導体)で形成されているソース/ドレイン領域(低抵抗領域)を含む。
【0013】
低抵抗化されたソース/ドレイン領域のシート抵抗は、一般に、10Ωから100kΩの範囲内であり、例えば、数十Ωから数十kΩの範囲内にある。低抵抗化されていない(高抵抗)チャネルのシート抵抗は、一般に、1MΩから10GΩの範囲内にあり、例えば数MΩから数GΩの範囲内にある。
【0014】
本明細書の一実施形態において、一つのコンタクトホールが、ソース/ドレイン配線層、酸化物半導体層及び低温ポリシリコン層を相互接続する。この構成は、これら3層の相互接続のためのコンタクトホールの数を低減し、回路面積を小さくすることができる。
【0015】
例えば、ソース/ドレイン配線層が最上層であり、低温ポリシリコン層が最下層であり、酸化物半導体層は、それらの間に存在する。ソース/ドレイン配線層と酸化物半導体層との間には、1以上の絶縁層(1以上の上側絶縁層)が存在する。また、酸化物半導体層と低温ポリシリコン層との間には、1以上の絶縁層(1以上の下側絶縁層)が存在する。
【0016】
コンタクトホールは、上側絶縁層及び下側絶縁層を貫通するホール内の金属コンタクト部を含む。コンタクト部は、ソース/ドレイン配線と同一金属で構成され、同一金属層に含まれてよい。
【0017】
コンタクト部は、ホール内面に付着するように形成されている。そのため、コンタクト部は、上部絶縁層と下側絶縁層を貫通する。コンタクト部は、ホール内で露出している二つのTFTのソース/ドレイン領域に接触して、ソース/ドレイン配線、酸化物半導体層のソース/ドレイン領域及び低温ポリシリコン層のソース/ドレイン領域を導通する。
【0018】
上述のように、一つのコンタクトホールによって、二つのTFTのソース/ドレイン領域を相互接続することで、複数のコンタクトホールを使用する構成と比較して、回路面積を小さくすることができる。コンタクトホールは、さらに、酸化物半導体層のソース/ドレイン領域を貫通してもよい。これにより、さらに回路面積を小さくし、高精細化に寄与できる。
【0019】
上記接続構造は、OLED表示装置と異なる装置の回路に適用することができる。また、酸化物半導体及び低温ポリシリコンと異なる半導体材料のTFTを含む回路にも適用することができる。
【0020】
[表示装置構成]
図1は、OLED表示装置1の構成例を模式的に示す。OLED表示装置1は、OLED素子が形成されるTFT(Thin Film Transistor)基板10と、有機発光素子を封止する封止基板20と、TFT基板10と封止基板20とを接合する接合部(ガラスフリットシール部)30を含んで構成されている。TFT基板10と封止基板20との間には、例えば、乾燥窒素が封入されており、接合部30により封止されている。封止基板20及び接合部30は封止構造部の一つであり、他の例として、封止構造部は、例えば薄膜封止構造(TFE:Thin Film Encapsulation)を有してもよい。
【0021】
TFT基板10の表示領域25の外側のカソード電極形成領域14の周囲に、走査ドライバ31、エミッションドライバ32、保護回路33、ドライバIC34、デマルチプレクサ36が配置されている。ドライバIC34は、FPC(Flexible Printed Circuit)35を介して外部の機器と接続される。走査ドライバ31、エミッションドライバ32、保護回路33は、TFT基板10に形成された周辺回路である。
【0022】
走査ドライバ31はTFT基板100の走査線を駆動する。エミッションドライバ32は、エミッション制御線を駆動して、各画素の発光期間を制御する。ドライバIC34は、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いて実装される。
【0023】
ドライバIC34は、走査ドライバ31及びエミッションドライバ32に電源及びタイミング信号(制御信号)を与える。さらに、ドライバIC34は、デマルチプレクサ36に、電源及びデータ信号を与える。
【0024】
デマルチプレクサ36は、ドライバIC34の一つのピンの出力を、d本(dは2以上の整数)のデータ線に順次出力する。デマルチプレクサ36は、ドライバIC34からのデータ信号の出力先データ線を、走査期間内にd回切り替えることで、ドライバIC34の出力ピン数のd倍のデータ線を駆動する。
【0025】
[画素回路構成]
TFT基板10上には、複数の副画素(単に画素とも呼ぶ)のアノード電極にそれぞれ供給する電流を制御する複数の画素回路が形成されている。図2Aは、画素回路の構成例を示す。各画素回路は、駆動トランジスタP1と、選択トランジスタN2と、エミッショントランジスタN3と、保持容量C1とを含む。画素回路は、OLED素子E1の発光を制御する。OLED素子E1は発光素子であり、トランジスタは、TFTである。
【0026】
選択トランジスタN2は副画素を選択するスイッチである。選択トランジスタN2はNチャネル型酸化物半導体TFTであり、ゲート端子は、走査線16に接続されている。ソース端子は、データ線15に接続されている。ドレイン端子は、駆動トランジスタP1のゲート端子に接続されている。
【0027】
駆動トランジスタP1はOLED素子E1の駆動用のトランジスタ(駆動TFT)である。駆動トランジスタP1はPチャネル型低温ポリシリコンTFTであり、そのゲート端子は選択トランジスタN2のドレイン端子に接続されている。駆動トランジスタP1のソース端子は電源線18(Vdd)に接続されている。ドレイン端子は、エミッショントランジスタN3のソース端子に接続されている。駆動トランジスタP1のゲート端子とソース端子との間に保持容量C1が形成されている。
【0028】
エミッショントランジスタN3は、OLED素子E1への駆動電流の供給と停止を制御するスイッチである。エミッショントランジスタN3はNチャネル型酸化物半導体TFTであり、ゲート端子はエミッション制御線17に接続されている。エミッショントランジスタN3のソース端子は駆動トランジスタP1のドレイン端子に接続されている。エミッショントランジスタN3のドレイン端子は、OLED素子E1に接続されている。
【0029】
次に、画素回路の動作を説明する。走査ドライバ31が走査線16に選択パルスを出力し、選択トランジスタN2をオン状態にする。データ線15を介してドライバIC34から供給されたデータ電圧は、保持容量C1に格納される。保持容量C1は、格納された電圧を、1フレーム期間を通じて保持する。保持電圧によって、駆動トランジスタP1のコンダクタンスがアナログ的に変化し、駆動トランジスタP1は、発光階調に対応した順バイアス電流をOLED素子E1に供給する。
【0030】
エミッショントランジスタN3は、駆動電流の供給経路上に位置する。エミッションドライバ32は、エミッション制御線17に制御信号を出力して、エミッショントランジスタN3のオンオフを制御する。エミッショントランジスタN3がオン状態のとき、駆動電流がOLED素子E1に供給される。エミッショントランジスタN3がオフ状態のとき、この供給が停止される。エミッショントランジスタN3のオンオフを制御することにより、1フレーム周期内の点灯期間(デューティ比)を制御することができる。
【0031】
図2Bは、画素回路の他の構成例を示す。当該画素回路は、図2AのエミッショントランジスタN3に代えて、リセットトランジスタN4を有する。リセットトランジスタN4は、Nチャネル型酸化物半導体TFTである。リセットトランジスタN4は、基準電圧供給線11とOLED素子E1のアノードとの電気的接続を制御する。リセットトランジスタN4のゲート端子にリセット制御線19からリセット制御信号が供給されることによりこの制御が行われる。なお、リセットトランジスタN4は、様々な目的で使用することができる。
【0032】
図2Cは、画素回路の他の構成例を示す。当該画素回路は、トランジスタP11、P13、P15、N12、N14、N16を含む。トランジスタN12のゲート端子にVscan2信号が入力される。トランジスタN14及びN16のゲートにVscan1信号が入力される。トランジスタN12、P11、N16を介して、保持容量C1にデータ電圧が与えられる。トランジスタN14は、OLED素子E1のアノードにVrefを与える。トランジスタP13及びP15のゲートには、それぞれ、信号Vem1及びVem2が入力され、OLED素子E1の発光の有無を制御する。
【0033】
例えば、駆動トランジスタP11、P13、P15は低温ポリシリコンTFTであり、トランジスタN12、N14、N16は酸化物半導体TFTである。駆動トランジスタP11のソース/ドレイン領域と、トランジスタN16のソース/ドレイン領域とが、接続されている。なお、図2A、2B及び2Cの画素回路は例であって、画素回路は他の回路構成を有してよい。なお、TFTの動作に応じて、低抵抗領域の一方がソース領域、他方がドレイン領域となり、それらは切り替わり得る。そのため、低抵抗化領域を、ソース/ドレイン領域と表す。
【0034】
以上説明した画素回路は、互いのソース/ドレイン領域が接続される低温ポリシリコンTFT及び酸化物半導体TFTを含む。本明細書で説明する接続構成により、コンタクトホールの数を低減し、高精細化に寄与することができる。
【0035】
[低温ポリシリコンTFTと酸化物半導体TFTの接続]
以下において、相互接続された、低温ポリシリコンTFT及び酸化物半導体TFTの構成例を説明する。以下に説明する例において、酸化物半導体はIGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)であるとする。本明細書で説明する構成は、他の酸化物半導体、例えば、酸化亜鉛や二酸化スズのTFTに適用することができる。
【0036】
図3は、互いのソース/ドレイン領域(低抵抗領域)が、一つのコンタクトホールによって相互接続されている、低温ポリシリコンTFT210及び酸化物半導体TFT260の断面構造を示す。これらは、第1及び第2のTFTである。樹脂又はガラスで形成された可撓性又は不撓性の絶縁基板101上に低温ポリシリコンTFT210及び酸化物半導体TFT260が形成されている。
【0037】
窒化シリコン層102が絶縁基板101に積層され、さらにその上に、低温ポリシリコンTFT210の低温ポリシリコン層(活性層)108が積層されている。低温ポリシリコン層は、低抵抗領域105及び107並びにチャネル領域103を含む。
【0038】
低温ポリシリコン層108は、低抵抗領域(低抵抗LTPS)105及び107と、面内方向において低抵抗領域105及び107間の高抵抗のチャネル領域(LTPS)103を含む。低抵抗領域105及び107は、それぞれ、ソース/ドレイン領域である。
【0039】
低抵抗領域105及び107は、高濃度不純物ドーピングにより低抵抗化された低温ポリシリコンで形成されている。チャネル領域103は、低抵抗化されていない低温ポリシリコン(高抵抗低温ポリシリコン)で形成されている。
【0040】
低温ポリシリコンTFT210は、さらに、ゲート電極113と、積層方向においてゲート電極113と低温ポリシリコン層108との間に存在するゲート絶縁層111を含む。低温ポリシリコン層108、ゲート絶縁層111及びゲート電極113は、この順で下から(基板側から)並ぶように積層されており、ゲート絶縁層111は、低温ポリシリコン層及びゲート電極113と直接接触している。
【0041】
ゲート電極113は金属で形成されM1金属層に含まれる。ゲート絶縁層111は、本例においてシリコン酸化物(SiOx)で形成されている。図3の例において、低温ポリシリコンTFT210はトップゲート構造を有するが、例えば、ボトムゲート構造を有してもよく、トップゲート電極及びボトムゲート電極の双方を含んでもよい。
【0042】
酸化物半導体TFT260は、ボトムゲート電極117、トップゲート電極131及びそれらの間の酸化物半導体層(活性層)124を含む。酸化物半導体層124は、低抵抗領域123及び125(低抵抗IGZO)と、面内方向において低抵抗領域123及び125間の高抵抗のチャネル領域127を含む。低抵抗領域123及び125は、低抵抗化されたIGZOで形成されている。チャネル領域127は、低抵抗化されていないIGZO(高抵抗IGZO)で形成されている。
【0043】
絶縁層115が、ゲート絶縁層111及びゲート電極113を覆うように、これらの上に積層されている。絶縁層115は、シリコン窒化物(SiNx)で形成される。ボトムゲート電極117は、絶縁層115上に積層されている。ボトムゲート電極117は金属で形成され、M2金属層に含まれる。
【0044】
ゲート絶縁層が、ボトムゲート電極117と酸化物半導体層との間に形成されている。図3の構成例において、ゲート絶縁層は二つの絶縁層119、121の積層である。絶縁層119は、シリコン窒化物で形成され、絶縁層121はシリコン酸化物で形成されている。
【0045】
ボトムゲート電極117、絶縁層119、121、及び酸化物半導体層124は、この順で下から(基板側から)並ぶように積層されており、絶縁層119は、ボトムゲート電極117及び絶縁層121と直接接触し、絶縁層121は酸化物半導体層124と直接接触している。
【0046】
酸化物半導体層124は、絶縁層121上に積層されている。ゲート絶縁層129は、酸化物半導体層124とトップゲート電極131との間に存在する。ゲート絶縁層129は、シリコン酸化物で形成されている。酸化物半導体層124、絶縁層129及びトップゲート電極131は、この順で下から(基板側から)並ぶように積層されており、絶縁層129は、トップゲート電極131及び酸化物半導体層124と直接接触している。トップゲート電極131は金属で形成され、M3金属層にまれる。なお、トップゲート電極131及びボトムゲート電極117の一方が省略されてもよい。
【0047】
トップゲート電極131及び絶縁層129を覆うように、それらの上に絶縁層133が積層されている。さらに、絶縁層135が、絶縁層133上に積層されている。絶縁層133はシリコン酸化物で形成され、絶縁層135はシリコン窒化物で形成されている。
【0048】
図3は、三つのコンタクトホール(CH)140、150、160を示す。コンタクトホール140は、低温ポリシリコンTFT210の低抵抗領域107と、より上層のソース/ドレイン配線144とを相互接続する。コンタクトホール140は、金属コンタクト部141を含む。
【0049】
コンタクト部141は、絶縁層135、133、129、121、119、115及び111を貫通して、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域107に直接接触している。絶縁層135、133、129、121、119、115及び111からなる積層は、貫通孔147を有している。コンタクト部141は、貫通孔147の内面に付着するように形成されている。ソース/ドレイン配線144は、絶縁層135上に積層されている。コンタクト部141とソース/ドレイン配線144は同一材料で形成され、連続しており、M4金属層に含まれる。
【0050】
コンタクトホール150は、低温ポリシリコンTFT210の低抵抗領域105と酸化物半導体TFT260の低抵抗領域125とを相互接続する。低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105、酸化物半導体層124の低抵抗領域125の順で、下層側から積層されている。
【0051】
コンタクトホール150は、金属コンタクト部151を含む。金属コンタクト部151の層と酸化物半導体層124との間に、絶縁層135、133、129が存在する。酸化物半導体層124と酸化物半導体層124と低温ポリシリコン層108との間に、絶縁層121、119、115、111が存在する。
【0052】
酸化物半導体層124の低抵抗領域125と低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105とは、積層方向において見て、少なくも部分的に重なっている。積層方向は、図3における上下方向である。
【0053】
コンタクト部151は、絶縁層135、133、129、酸化物半導体層124、絶縁層121、119、115及び11を貫通して、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105に直接接触している。絶縁層135、133、129、酸化物半導体層124、絶縁層121、119、115及び111からなる積層は、貫通孔157を有している。貫通孔157の内径は、酸化物半導体層124の上下において非連続的に変化している。具体的には、酸化物半導体層124より上での最小内径は、酸化物半導体層124より下での最大内径より大きい。
【0054】
コンタクト部151は、貫通孔157の内面に付着するように形成されている。コンタクト部151の外径は、酸化物半導体層124の上下において非連続的に変化している。具体的には、酸化物半導体層124より上での最小外径は、酸化物半導体層124より下での最大外径より大きい。
【0055】
貫通孔157は、酸化物半導体層124の低抵抗領域125を貫通している。コンタクト部151は、低抵抗領域125を貫通し、低抵抗領域125の上面及びその孔の内面(側面)と直接に接触している。コンタクト部151は、ポリシリコン層の低抵抗領域105の上面に直接接触している。コンタクト部151は、M4金属層に含まれる。なお、コンタクト部151は、絶縁層135上のソース/ドレイン配線と酸化物半導体層124とを相互接続してもよい。このソース/ドレイン配線は、M4金属層のパターンに含まれる。
【0056】
コンタクトホール160は、金属コンタクト部161を含む。コンタクト部161は、絶縁層135、133、129を貫通して、酸化物半導体層124の低抵抗領域123に直接接触している。絶縁層135、133、129からなる積層は、貫通孔167を有している。コンタクト部161は、貫通孔167の内面に付着するように形成されている。ソース/ドレイン配線164は、絶縁層135上に積層されている。コンタクト部161とソース/ドレイン配線164は同一材料で形成され、連続しており、M4金属層に含まれる。
【0057】
図4Aは、コンタクトホール150及び160の断面構造を模式的に示し、図4Bは、コンタクトホール150及び160の平面構造を模式的に示す。金属コンタクト部151、161を含むM4金属層は、例えば、金属単層又は金属積層で構成することができ、各層は単一金属材料又は合金であってよい。例えば、Ti/Al/Ti積層が使用できる。
【0058】
コンタクト部151は、酸化物半導体層124の上面より上の上側部分152と、その下に続く下側部分153とを含む。上側部分152は、酸化物半導体層124の上の絶縁積層を貫通して、低抵抗領域125の上面に直接接触している。酸化物半導体層124の上の絶縁積層の内径はW1で示されている。図4Aの構成例においては、酸化物半導体層124の上の貫通孔の内径W1は実質的に一定である。
【0059】
コンタクト部151の下側部分153は、酸化物半導体層124及びその下の絶縁積層を貫通し、酸化物半導体層124の低抵抗領域125の孔の内面及び低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105の上面に直接接触している。下側絶縁積層の内径はW2で示されている。図4Aの構成例においては、酸化物半導体層124より下の貫通孔157の内径W2は、実質的に一定である。貫通孔157の内径は、酸化物半導体層124の上下で非連続に変化しており、内径W2の最大値は内径W1の最小値より小さい。これにより、酸化物半導体層124より下層における他の構成要素をより高密度に実装できる。
【0060】
図4A及び4Bに示すように、1つのコンタクトホールの孔157を上側から眺めた時、酸化物半導体層124及び低温ポリシリコン層108が同時に見える。より具体的には、酸化物半導体層124の低抵抗領域125と低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105が同時に見える。また、貫通孔157において、酸化物半導体層124の低抵抗領域125と、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105とは、重なっている。貫通孔157の酸化物半導体層124より上の絶縁層の部分(孔)は、低抵抗領域125の外形内に存在する。貫通孔157の酸化物半導体層124及びそれより下の絶縁層の部分(孔)は、低抵抗領域155の外形内に存在する。
【0061】
図5A及び5Bは、酸化物半導体層とポリシリコン層の低抵抗領域を相互接続するコンタクトホールの他の構造例を示す。図5Aは断面構造を模式的に示し、図5Bは平面構造を模式的に示す。本構成例において、酸化物半導体層124と低温ポリシリコン層108とは、積層方向において見て重なっておらず、離れている。なお、酸化物半導体層124と低温ポリシリコン層108自体の構成は、図4A及び4Bの構成例と同様であるので、同一符号が付されている。コンタクトホール250は、低温ポリシリコンTFT210の低抵抗領域105と酸化物半導体TFT260の低抵抗領域125とを相互接続する。
【0062】
絶縁層135、133、129、121、119、115及び111からなる積層は、貫通孔257を有している。貫通孔257の内径は、酸化物半導体層124の上下において非連続的に変化している。具体的には、酸化物半導体層124より上での最小内径は、酸化物半導体層124より下での最大内径より大きい。
【0063】
コンタクト部251は、貫通孔257の内面に付着するように形成されている。コンタクトホール250は、金属コンタクト部251を含む。コンタクト部251は、絶縁層135、133、129、121、119、115及び111を貫通している。コンタクト部251の外径は、酸化物半導体層124の上下において非連続的に変化している。具体的には、酸化物半導体層124より上での最小外径は、酸化物半導体層124より下での最大外径より大きい。
【0064】
貫通孔257は、酸化物半導体層124を貫通しておらず、低抵抗領域125の測端部を含む一部が貫通孔257で露出している。同様に、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105の測端部を含む一部が貫通孔257で露出している。コンタクト部251は、低抵抗領域125の上面及び端面(側面)と直接に接触している。コンタクト部251は、ポリシリコン層の低抵抗領域105の上面及び端面(側面)に直接接触している。コンタクト部251は、M4金属層に含まれる。
【0065】
コンタクト部251は、酸化物半導体層124の上面より上の上側部分252と、その下に続く下側部分253とを含む。上側部分252は、酸化物半導体層124の上の絶縁積層を貫通して、低抵抗領域125の上面に直接接触している。酸化物半導体層124の上面より上の絶縁積層での貫通孔257の内径はW11で示されている。図5Aの構成例においては、酸化物半導体層124の上の貫通孔の内径W11は上から下に向かって減少している。
【0066】
コンタクト部251の下側部分253は、酸化物半導体層124の下側の絶縁積層を貫通し、酸化物半導体層124の低抵抗領域125の端面及び低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105の上面及び端面に直接接触している。酸化物半導体層124の下面より下における貫通孔257の内径はW12で示されている。図5Aの構成例においては、酸化物半導体層124より下の貫通孔257の内径W2は、上から下に行くにつれて減少している。貫通孔157の内径は、酸化物半導体層124の上下で非連続に変化しており、内径W12の最大値は内径W11の最小値より小さい。
【0067】
貫通孔257の内径の変化に応じて、コンタクト部251の上側部分252及び下側部分253はテーパ形状を有している。これにより、酸化物半導体層124の端面(側面)でのコンタクト部251の厚みが大きくなり、コンタクト部251の段切れを防ぐことができる。
【0068】
図5A及び5Bに示すように、1つのコンタクトホールの孔257を上側から眺めた時、酸化物半導体層124及び低温ポリシリコン層108が同時に見える。より具体的には、酸化物半導体層124の低抵抗領域125と低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105が同時に見える。貫通孔257において、酸化物半導体層124の低抵抗領域125と、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105とは、重なっておらず、離れている。
【0069】
[製造方法]
次に図3に示すTFT210及び260の製造方法を説明する。図6は、製造方法の一例を示すフローチャートである。製造方法は、絶縁基板101上に、CVD法等によりシリコン窒化物層を成膜した後、低温ポリシリコン層を形成する(S101)。具体的には、例えばCVD法によってアモルファスシリコンを堆積し、エキシマレーザアニールにより結晶化して、(低温)ポリシリコン膜を形成する。フォトリソグラフィによるパターニングによってポリシリコン層のパターンが形成される。
【0070】
次に、製造方法は、CVD法等によりシリコン酸化物層を成膜する(S102)。さらに、スパッタ法等によりM1金属層を成膜し、M1金属層をフォトリソグラフィによりパターニングする(S103)。M1金属層の材料は任意であり、例えば、Mo、W、Nb、Al等が使用される。M1金属層は、単層構造又は多層構造を有し得る。
【0071】
次に、製造方法は、ゲート電極113(M1金属層)をマスクとして使用してポリシリコン層のソース/ドレイン領域に不純物を注入し、不純物の活性化を行う。さらに、水素化処理によってダングリングボンドを終端する(S104)。これにより、ソース/ドレイン領域は低抵抗化される。
【0072】
次に、製造方法は、CVD法等によりシリコン窒化物層を成膜する(S105)。さらに、スパッタ法等によりM2金属層を成膜し、M1金属層をフォトリソグラフィによりパターニングする(S103)。M2金属層の材料は任意であり、例えば、Mo、W、Nb、Al等が使用される。M2金属層は、単層構造又は多層構造を有し得る。
【0073】
次に、製造方法は、CVD法等によりシリコン窒化物層及びシリコン酸化物層を成膜する(S107)。さらに、スパッタ法等によりIGZO層を成膜し、フォトリソグラフィによりパターニングを行う(S108)。この時、コンタクトホール150が貫通するIGZO層の孔も形成される。
【0074】
次に、製造方法は、シリコン酸化物層を成膜する(S109)。次に、製造方法は、スパッタ法等によりM3金属層を成膜し、フォトリソグラフィによりパターニングを行う(S110)。M3金属層の材料は任意であり、例えば、Mo、W、Nb、Al等が使用される。M3金属層は、単層構造又は多層構造を有し得る。
【0075】
次に、製造方法は、ゲート電極131(M1金属層)をマスクとして使用して、IGZO層のソース/ドレイン領域を低抵抗化する(S111)。低抵抗化は、例えば、IGZO層のソース/ドレイン領域をHeプラズマにさらす。低抵抗化は、B、Ar、H等のイオン注入により行ってもよい。
【0076】
次に、製造方法はCVD法等によりシリコン窒化物層及びシリコン酸化物層を成膜する(S112)。次に、製造方法は、絶縁層の積層において異方性エッチングを行い、コンタクトホールそれぞれのためのホールを形成する(S113)。
【0077】
次に、製造方法は、スパッタ法等によって、M4金属層を成膜し、フォトリソグラフィによるパターニングを行う(S112)。M4金属層は、ソース/ドレイン配線及びコンタクトホールのコンタクト部を含む。M4金属層は、例えば、Ti/Al/Ti等の導電膜を堆積し、パターニングを行うことで形成する。
【0078】
以下において、コンタクトホールの形成方法の詳細を説明する。図7Aから7Dは、コンタクトホール150、160の形成方法(S113、S114)を説明するための図である。図7Aから7Dは、それぞれ、コンタクトホールの形成の異なるステップにおける平面構造及び断面構造を示す。
【0079】
図7Aは、フォトレジストパターン320をマスクとして使用して、酸化物半導体層124より上の絶縁層をエッチングした状態を模式的に示す。例えば、プラズマエッチングが使用できる。フォトレジストパターン320は、絶縁層135上に積層されている。上述のように、フォトレジストパターン320の生成前に、酸化物半導体層124の孔352は形成済みである。
【0080】
絶縁層129、133、135からなる積層に、孔351が形成されている。孔351において、酸化物半導体層124の低抵抗領域125及びその孔352が露出している。つまり、低抵抗領域の上面及び端面(孔の内面)が露出している。また、絶縁層129、133、135からなる積層に、孔167が形成されている。孔167において、酸化物半導体層124の低抵抗領域123の上面が露出している。
【0081】
図7Bは、図7Aに示す状態から、さらに、エッチングが進んだ状態を示す。孔352につながる孔353が、絶縁層111、115、119、121からなる積層に形成されている。孔353の径は孔351の径より小さい。孔351。352、353は連続しており、図3、4Aを参照して説明したように一つの孔157を構成している。
【0082】
孔351内において、酸化物半導体層124の低抵抗領域125の孔352の周縁部は、オーバーエッチングされており、低抵抗領域125の上面に凹部355が形成されている。そのため、低抵抗領域125の孔351内の厚みは、孔351外の厚みより薄い。同様に、孔167内で、低抵抗領域123は、オーバーエッチングされており、その上面に凹部356が形成されている。低抵抗領域123の孔167内の厚みは、孔167外の厚みより薄い。
【0083】
このように、エッチング時のダメージにより酸素欠陥がより多く形成され、抵抗がより低くなる。その結果、金属コンタクト部とのコンタクト抵抗がより低くなる。低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105は、孔353において露出し、エッチング処理によって自然酸化膜358がその表面に形成される。本例において、自然酸化膜358は残される。自然酸化膜358は、低抵抗領域105の一部である。
【0084】
図7Cは、図7Bに示す状態に対して、M4金属層を形成した状態を示す。コンタクト部151は、酸化物半導体層の低抵抗領域125と低温ポリシリコン層の低抵抗領域105を相互接続する。コンタクト部161は、ソース/ドレイン配線164及び酸化物半導体層の低抵抗領域123を相互接続する。
【0085】
次に、コンタクトホールの他の形成方法を説明する。以下に説明する形成方法は、低温ポリシリコン層の自然酸化膜を除去する。これにより、金属コンタクト部と低温ポリシリコン層の低抵抗領域との間の接触抵抗をさらに小さくすることができる。
【0086】
図8Aは、図7Aに示す状態と同一の状態を示す。図8Bは、図8Aに示す状態からフォトレジストパターン320を除去し、新たに形成した第2のフォトレジストパターン325をマスクとして、孔353を形成した状態を示す。フォトレジストパターン325は、孔167の内面及び酸化物半導体層124の低抵抗領域123の上面を覆う。
【0087】
フォトレジストパターン325は、孔351の内面全域と、孔351内の酸化物半導体層の低抵抗領域125の上面(孔352の周縁部)を覆う。フォトレジストパターン325は、低抵抗領域125の孔352と一致する孔326を有している。エッチング前には、孔326から、絶縁層121が露出している。エッチングによって、絶縁積層の孔353が形成される。このとき、低抵抗領域123、125の上面はレジストパターン325に覆われており、オーバーエッチングによる凹部は形成されない。低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105はエッチャントにさらされ、自然酸化膜358が形成される。
【0088】
図8Cは、図8Bに示す状態から、低温ポリシリコン層108の自然酸化膜358を除去した状態を示す。製造方法は、フォトレジストパターン325を維持した状態で、フッ酸(HF)によって、自然酸化膜358をより除去することができる。フォトレジストパターン325は、フッ酸の酸化物半導体層124への悪影響を低減できる。
【0089】
図8Dは、図8Cに示す状態に対して、M4金属層を形成した状態を示す。コンタクト部151は、酸化物半導体層の低抵抗領域125と低温ポリシリコン層の低抵抗領域105を相互接続する。コンタクト部161は、ソース/ドレイン配線164及び酸化物半導体層の低抵抗領域123を相互接続する。フッ酸処理により自然酸化膜358が除去されており、コンタクト部151は、ポリシリコン層の低抵抗領域105のより低い抵抗の表面と直接接触している。
【0090】
フッ酸は、自然酸化膜358と共に、シリコン酸化物層、シリコン窒化物層及び酸化物半導体層をわずかにエッチングし得る。酸化物半導体層のエッチングレートは、シリコン酸化物層及びシリコン窒化物層のエッチングレートより速い。そのため、酸化物半導体層の一部が、自然酸化膜358と共にエッチングされ、絶縁層上で後退し得る。
【0091】
図9Aは、孔352の内側端部がフッ酸により除去された酸化物半導体層124を模式的に示す。図9Aは、図8Cの状態において、酸化物半導体層124の一部が除去された状態を模式的に示す。端面361は、下側絶縁層121の端面から後退しており、絶縁層121の上面上に存在する。酸化物半導体層124の低抵抗領域125の孔の径は、直上の絶縁層129の孔の径より小さく、直下の絶縁層121の孔の径より大きい。
【0092】
図9Bは、図9Aの状態からフォトレジストパターン325を除去し、M4金属層(パターン)を形成した状態を示す。破線円363が示すように、コンタクト部151は、低抵抗領域125の端面(側面)から突出している絶縁層121の上面を埋める部分を含む。この部分の厚みは厚く、これ以降のプロセスで低抵抗領域の端面が受けるダメージを軽減できる。
【0093】
[他の構成例]
図10は、コンタクトホールの他の構造例を示す。図10に示す構造例は、図3におけるコンタクトホール140、150及び160に替えて、コンタクトホール440、450及び460を含む。他の構成要素は同様である。図10において、構成要素の一部及び符号の一部は省略されている。
【0094】
コンタクトホール440、450、460は、それぞれ、金属コンタクト部441、451、461を含む。コンタクト部441は、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域107とソース/ドレイン配線444を相互接続する。コンタクト部451は、低抵抗領域125と低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105を相互接続する。コンタクト部461は、酸化物半導体層124の低抵抗領域123とソース/ドレイン配線464を相互接続する。
【0095】
金属コンタクト部441、451、461の厚み(M4金属層の厚み)は、図3に示す構造例の厚みより厚い。図10に示す例において、金属コンタクト部451は、酸化物半導体層124の孔455及びそれより下の絶縁積層の孔を埋めている(埋込構造)。このように、酸化物半導体層124の端面(側面)が厚い金属で保護されることで、これ以降のプロセスで酸化物半導体層の端面が受けるダメージを軽減できる。
【0096】
図11は、コンタクトホールの他の構造例を示す。図11に示す構造例は、図3におけるコンタクトホール140、150及び160に替えて、コンタクトホール540、550及び560を含む。他の構成要素は同様である。図11において、構成要素の一部及び符号の一部は省略されている。
【0097】
コンタクトホール540、550、560は、それぞれ、金属コンタクト部541、551、561を含む。コンタクト部541は、低温ポリシリコン層108の低抵抗領域107とソース/ドレイン配線544を相互接続する。コンタクト部551は、低抵抗領域125と低温ポリシリコン層108の低抵抗領域105を相互接続する。コンタクト部561は、酸化物半導体層124の低抵抗領域123とソース/ドレイン配564を相互接続する。
【0098】
コンタクト部541、551、561は、テーパ形状を有している。つまり、上層から下層に向かうにつれて、その外径及び内径は減少している。特に、コンタクト部551のテーパ形状は、コンタクト部551の酸化物半導体層端面での段切れを効果的に防ぐことができる。これにより、これ以降のプロセスで酸化物半導体層の端面が受けるダメージを軽減できる。
【0099】
以下において、画素回路及び画素回路に応じたデバイス構造の例を説明する。図12は、画素回路の一部の例を示す。画素回路は、トランジスタT3からT6、及びOLED素子E1含む。トランジスタT3は駆動トランジスタであり、他のトランジスタはスイッチトランジスタである。トランジスタT4、T5はN型酸化物半導体TFTであり、他のトランジスタはP型低温ポリシリコンTFTである。
【0100】
トランジスタT4は、駆動トランジスタT3のドレイン領域とゲート電極との間に接続されている。トランジスタT5は、基準電位Vrefの配線と駆動トランジスタT3のゲート電極との間に接続されている。
【0101】
トランジスタT6は、駆動トランジスタT3のドレイン領域とOLED素子E1のアノード電極との間に接続されている。トランジスタT6は制御信号Emで制御され、トランジスタT4は制御信号S2により制御され、トランジスタT5は制御信号S1で制御される。制御信号S2は、次の画素回路行S1信号であってもよい。
【0102】
図13は、図12に示す回路の平面構造を模式的に示し、図14は、図13の平面構造の一部の断面構造を模式的に示す。図14において、白の層は絶縁層である。配線VREは基準電位Vrefを伝送する。配線EMCは、トランジスタT6のゲート電極への制御信号Emを伝送する。ゲート線S2NBは、トランジスタT4のボトムゲート電極のゲート信号を伝送し、ゲート線S2NTは、トランジスタT4のトップゲート電極のゲート信号を伝送する。ゲート線S1NBは、トランジスタT5のボトムゲート電極のゲート信号を伝送し、ゲート線S1NTは、トランジスタT5のトップゲート電極のゲート信号を伝送する。
【0103】
コンタクトホールCHCは、トランジスタT4のソース/ドレイン領域とトランジスタT3又はT6のソース/ドレイン領域とを相互接続する。トランジスタT4の半導体層は酸化物半導体層OXであり、トランジスタT3及びT6の半導体層は低温ポリシリコン層PSである。コンタクトホールCHCは、酸化物半導体層と低温ポリシリコン層を相互接続する。
【0104】
コンタクトホールCHBは、トランジスタT4のソース/ドレイン領域とソース/ドレイン配線とを相互接続する。コンタクトホールCHDは、そのソース/ドレイン配線とトランジスタT3のゲート電極G3とを相互接続する。コンタクトホールCHAは、トランジスタT5のソース/ドレイン領域と配線VREとを相互接続する。
【0105】
以下において、画素回路及び画素回路に応じたデバイス構造の例を説明する。図15は、画素回路の例を示す。画素回路は、トランジスタT1からT7、OLED素子E1、保持容量Cst及び容量Cdを含む。トランジスタT3は駆動トランジスタであり、他のトランジスタはスイッチトランジスタである。トランジスタT4、T5はN型酸化物半導体TFTであり、他のトランジスタはP型低温ポリシリコンTFTである。
【0106】
トランジスタT2は、駆動トランジスタT3のソース領域とデータ信号(DATA)を伝送するデータ線との間に接続されている。トランジスタT1は、駆動トランジスタT3のソース領域と電源電位VDDを伝送する配線との間に接続されている。トランジスタT4は、駆動トランジスタT3のドレイン領域とゲート電極との間に接続されている。トランジスタT5は、基準電位Vrefの配線と駆動トランジスタT3のゲート電極との間に接続されている。
【0107】
トランジスタT6は、駆動トランジスタT3のドレイン領域とOLED素子E1のアノード電極との間に接続されている。トランジスタT7は、OLED素子E1のアノード電極と、リセット電位Vrstを伝送する配線との間に接続されている。保持容量Cstは、電源電位VDDの伝送線と駆動トランジスタT3のゲート電極との間に接続され、容量Cdは、トランジスタT3とシールド電極SEとの間に接続されている。トランジスタT1、T6は制御信号Emで制御され、トランジスタT2、T4、T7は制御信号S2により制御され、トランジスタT5は制御信号S1で制御される。
【0108】
図16は、図15に示す画素回路の平面構造を模式的に示し、図17は、図16のXVII-XVII´切断線における断面構造を模式的に示す。図16において、配線M2Dはデータ線であり、配線M2Vは電源電位VDDを伝送する。配線VRSはリセット電位Vrstを伝送し、配線VREは基準電位Vrefを伝送する。
【0109】
ゲート線S2P2は、トランジスタT7のゲート信号を伝送する。配線EMCは、トランジスタT1及びT6のゲート電極への制御信号Emを伝送する。シールド電極SEは、容量Cdの一方電極を含み、容量電極CEは保持容量Csの一方電極を含む。
【0110】
ゲート線S2P1は、トランジスタT2のゲート信号を伝送する。ゲート線S2NBは、トランジスタT4のボトムゲート電極のゲート信号を伝送し、ゲート線S2NTは、トランジスタT4のトップゲート電極のゲート信号を伝送する。ゲート線S1NBは、トランジスタT5のボトムゲート電極のゲート信号を伝送し、ゲート線S1NTは、トランジスタT5のトップゲート電極のゲート信号を伝送する。
【0111】
コンタクトホールCH1は、トランジスタT7のソース/ドレイン領域と配線VRSとを相互接続する。コンタクトホールCH2は、トランジスタT7のソース/ドレイン領域とOLED素子のアノード電極とを相互接続する。コンタクトホールCH3は、トランジスタT4のソース/ドレイン領域とトランジスタT3又はT6のソース/ドレイン領域とを相互接続する。トランジスタT4の半導体層は酸化物半導体層OXであり、トランジスタT3及びT6の半導体層は低温ポリシリコン層PSである。コンタクトホールCH3は、酸化物半導体層と低温ポリシリコン層を相互接続する。
【0112】
コンタクトホールCH4は、トランジスタT4のソース/ドレイン領域とソース/ドレイン配線とを相互接続し、そのソース/ドレイン配線は、トランジスタT3のゲート電極に接続されている。コンタクトホールCH5は、トランジスタT5のソース/ドレイン領域と配線VREとを相互接続する。
【0113】
図17は、図16のXVII-XVII´切断線における断面構造を模式的に示す。ポリイミド層PI1、バッファ層BUF1及びポリイミド層PI2の積層は、絶縁基板を構成する。バッファ層BUF2の上にシールド電極SEが積層されている。シールド電極SEを覆うように、下地絶縁層UCが積層されている。
【0114】
下地絶縁層UC上に、低温ポリシリコン層PSが積層され、それを覆うようにゲート絶縁層GI1が積層されている。ゲート絶縁層GI1上に、配線VRS、S2P2、EMC、VREが形成されている。これらは同一の金属層パターンに含まれる。配線VRS、S2P2、EMC、VREを覆うように、層間絶縁層ILD1が積層されている。
【0115】
層間絶縁層ILD1上に、容量電極CE、配線S2NB、S1NBが積層されている。これらは同一の金属層パターンに含まれる。容量電極CE、配線S2NB、S1NBを覆うように、層間絶縁層ILD2が積層されている。ゲート絶縁層GI2が、層間絶縁層ILD2上に積層されている。
【0116】
酸化物半導体層OXは、ゲート絶縁層GI2上に積層されている。酸化物半導体層OXを覆うように、ゲート絶縁層GI3が積層されている。ゲート絶縁層GI3上に、配線S2NT、S1NTが積層されている。配線S2NT、S1NTを覆うように、平坦化層PLN1が積層されている。
【0117】
コンタクトホールCH1、CH2は、絶縁層PL1N、GI3、GI2、ILD2、ILD1、及びGI1を貫通して、低温ポリシリコン層(の低抵抗領域)に接触している。
【0118】
コンタクトホールCH3は、絶縁層PL1N及びGI3を貫通して、酸化物半導体層OXの上面に接触している。コンタクトホールCH3は、さらに、酸化物半導体層OXを貫通し、その孔の端面に接触している。コンタクトホールCH3は、さらに、絶縁層GI2、ILD2、ILD1、及びGI1を貫通して、低温ポリシリコン層(の低抵抗領域)に接触している。
【0119】
コンタクトホールCH4、CH5は、縁層PL1N及びGI3を貫通して、酸化物半導体層OXの上面に接触している。パッシベーション層PVが、コンタクトホールCH1からCH5を覆うように積層され、さらに、平坦化層PNL2がパッシベーション層PV上に積層されている。
【0120】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本開示の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0121】
105、107 低抵抗領域
108 低温ポリシリコン層
111、115、119、121、129、133、135 絶縁層
123、125 低抵抗領域
124 酸化物半導体層
140、150、160、250、440、450、460、540、550、560 コンタクトホール
141、151、161、251、441、451、461、541、551、561 コンタクト部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17