特開 2023-16690 マスク

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023016690

(43)【公開日】2023-02-02

(54)【発明の名称】マスク

(51)【国際特許分類】

   A41D 13/11 20060101AFI20230126BHJP

【ＦＩ】

A41D13/11 B

A41D13/11 Z

【審査請求】有

【請求項の数】10

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022081206

(22)【出願日】2022-05-18

(31)【優先権主張番号】110126995

(32)【優先日】2021-07-22

(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW

(71)【出願人】

【識別番号】519422016

【氏名又は名称】中國衛生材料生産中心股▲分▼有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】100082418

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 朔生

(74)【代理人】

【識別番号】100167601

【弁理士】

【氏名又は名称】大島 信之

(74)【代理人】

【識別番号】100201329

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 真二郎

(74)【代理人】

【識別番号】100220917

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 忠大

(72)【発明者】

【氏名】張徳成

(57)【要約】      （修正有）

【課題】マスクの遮断効果を向上させるように、外層の防水効果を効果的に向上させることができるマスクを提供する。
【解決手段】マスクは本体１を含み、本体１は、重ね合わせ方向に沿って順に重ね合わせられる第１外層、第２外層、中層及び内層を含む。第１外層及び第２外層は不織布であり、第１外層に複数の第１エンボス部が設けられ、第２外層に複数の第２エンボス部が設けられることによって形成される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

マスクであって、
重ね合わせ方向に沿って順に重ね合わせられる第１外層、第２外層、中層及び内層を含み、該第１外層及び該第２外層は不織布であり、該第１外層に複数の第１エンボス部が設けられ、該第２外層に複数の第２エンボス部が設けられる本体、を含む、
マスク。

【請求項2】

複数の該第１エンボス部と複数の該第２エンボス部は完全に重ならない、請求項１に記載のマスク。

【請求項3】

複数の該第１エンボス部及び複数の該第２エンボス部はそれぞれマトリクス状に配列され、該重ね合わせ方向に沿って見ると、複数の該第１エンボス部と複数の該第２エンボス部はマトリクス状に交互に配列される、請求項１に記載のマスク。

【請求項4】

複数の該第１エンボス部は、該第１外層の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなり、複数の該第２エンボス部は、該第２外層の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなる、請求項１～３のいずれか１項に記載のマスク。

【請求項5】

該第１外層には、いずれかの隣接する２つの該第１エンボス部の間に第１凸部が設けられ、該第２外層には、いずれかの隣接する２つの該第２エンボス部の間に第２凸部が設けられ、各該第１凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第２エンボス部に当接し、各該第２凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第１エンボス部に当接する、請求項４に記載のマスク。

【請求項6】

複数の該第１エンボス部及び複数の該第２エンボス部はそれぞれマトリクス状に配列され、該重ね合わせ方向に沿って見ると、複数の該第１エンボス部と複数の該第２エンボス部はマトリクス状に交互に配列され、複数の該第１エンボス部は、該第１外層の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなり、複数の該第２エンボス部は、該第２外層の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなり、該第１外層には、いずれかの隣接する２つの該第１エンボス部の間に第１凸部が設けられ、該第２外層には、いずれかの隣接する２つの該第２エンボス部の間に第２凸部が設けられ、各該第１凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第２エンボス部に当接し、各該第２凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第１エンボス部に当接し、該第１エンボス部の厚さは該第１凸部の厚さの０．２５～０．５倍であり、該第２エンボス部の厚さは該第２凸部の厚さの０．２５～０．５倍であり、それぞれ該本体の対向する両側に設けられる２つの耳掛けひもをさらに含み、各該第１エンボス部及び各該第２エンボス部は円孔状である、請求項２に記載のマスク。

【請求項7】

マスクであって、
順に重ね合わせられる第１外層、第２外層、中層及び内層を含み、該第１外層及び該第２外層は不織布であり、該第１外層と該第２外層は異なる色である本体、を含む、
マスク。

【請求項8】

該第１外層及び該第２外層は微透光の不織布体である、請求項７に記載のマスク。

【請求項9】

該第１外層には複数の第１エンボス部が設けられ、該第２外層には複数の第２エンボス部が設けられ、複数の該第１エンボス部及び複数の該第２エンボス部はそれぞれマトリクス状に配列され、該重ね合わせ方向に沿って見ると、複数の該第１エンボス部と複数の該第２エンボス部はマトリクス状に交互に配列される、請求項７又は８に記載のマスク。

【請求項10】

該第１外層には、いずれかの隣接する２つの該第１エンボス部の間に第１凸部が設けられ、該第２外層には、いずれかの隣接する２つの該第２エンボス部の間に第２凸部が設けられ、各該第１凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第２エンボス部に当接し、各該第２凸部は該重ね合わせ方向に沿って該第１エンボス部に当接し、該第１エンボス部の厚さは該第１凸部の厚さの０．２５～０．５倍であり、該第２エンボス部の厚さは該第２凸部の厚さの０．２５～０．５倍であり、それぞれ該本体の対向する両側に設けられる２つの耳掛けひもをさらに含み、該第１凸部の光透過度は該第１エンボス部よりも大きく、該第２凸部の光透過度は該第２エンボス部よりも大きい、請求項９に記載のマスク。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、マスクに関する。

【背景技術】

【0002】

新型コロナウイルス及びインフルエンザ等の感染症が世界で広がり続けることに対応して、各国の人は、ますますマスクを着用することに慣れ、それに応じてマスクに対する需要量も益々増大し、大量の資源や人力がマスクの生産及び開発に投入されている。
従来のマスクの本体は、３層の布地を重ね合わせてなり、マスクの本体の外層は、水滴、飛沫等の液体を遮断するための撥水層であり、中層は、微生物、ウイルス等を濾過するためのメルトブロー不織布であり、内層は、着用快適性を向上させるために、親水性の吸水材料である。しかし、従来のマスクの本体の外層の防水効果には限界があり、液体が外層から中層に浸透することにより、微生物及びウイルスが中層に大量に入り込みやすく、これにより中層の濾過率を大幅に低下させ、感染リスクを増加させるという、改善すべき欠点がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

そこで、上記の問題を解決するために、新規で進歩性のあるマスクを提供する必要がある。

【0004】

本発明の主な目的は、マスクの遮断効果を向上させるように、外層の防水効果を効果的に向上させることができるマスクを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記の目的を達成するために、本発明は、本体を含むマスクを提供する。該本体は、重ね合わせ方向に沿って順に重ね合わせられる第１外層、第２外層、中層及び内層を含み、該第１外層及び該第２外層は不織布であり、該第１外層に複数の第１エンボス部が設けられ、該第２外層に複数の第２エンボス部が設けられる。

【0006】

上記の目的を達成するために、本発明は、本体を含むマスクをさらに提供する。該本体は、順に重ね合わせられる第１外層、第２外層、中層及び内層、該第１外層及び該第２外層は不織布であり、該第１外層と該第２外層とは異なる色である。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】本発明の好ましい実施例の斜視図である。

【図2】本発明の好ましい実施例の分解図である。

【図3】本発明の好ましい実施例の１つの側面図である。

【図4】図３の部分拡大図である。

【図5】本発明の好ましい実施例の部分断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、実施例にて本発明の可能な実施形態を説明するが、これは本発明の特許範囲を制限するものではない。

【0009】

図１～図５は、本発明の好ましい実施例を示している。本発明のマスクは本体１を含む。該本体１は、重ね合わせ方向に沿って順に重ね合わせられる第１外層２、第２外層３、中層４及び内層５を含む。該第１外層２及び該第２外層３は不織布であり、該第１外層２に複数の第１エンボス部２１が設けられ、該第２外層３に複数の第２エンボス部３１が設けられる。該第１エンボス部２１及び該第２エンボス部３１は、該第１外層２及び該第２外層３の不織布構造の緩みを回避するために用いられる。本実施例では、該中層４は、病菌を濾過するために、メルトブロー不織布である。
本発明は、重ね合わせられる該第１外層２及び該第２外層３が設けられることにより、撥水効果を効果的に達成することができ、液体が該中層４に浸透することを回避することにより、該マスクの遮断効果を大幅に向上させることができる。本実施例では、該マスクは２つの耳掛けひも１１を含み、該２つの耳掛けひも１１は、着用するために、それぞれ該本体１の対向する両側に設けられる。

【0010】

本実施例では、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とが完全に重ならず、該第１外層２の複数の該第１エンボス部２１の密度が他の部位よりも高く、該第２外層３の複数の該第２エンボス部３１の密度が他の部位よりも高いため、高い撥水効果を有し、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とが完全に重ならないことにより、該第１外層２及び該第２外層３の撥水効果が低い部位を互いに補うことができる。

【0011】

具体的には、複数の該第１エンボス部２１及び複数の該第２エンボス部３１はそれぞれマトリクス状に配列される。該重ね合わせ方向に沿って見ると、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とは、複数の該第１エンボス部２１が該重ね合わせ方向に沿って該第２外層３の複数の該第２エンボス部３１が設けられていない部位にそれぞれ対応するように、マトリクス状に交互に配列され、これにより撥水性が不足する部分を互いに補うようになっている。本実施例では、各該第１エンボス部２１及び各該第２エンボス部３１は円孔状であり、他の実施例では、他の形状の孔状であってもよい。

【0012】

ここで、複数の該第１エンボス部２１は、該第１外層２の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなり、複数の該第２エンボス部３１は、該第２外層３の該重ね合わせ方向に沿う少なくとも一側からエンボスされてなる。本実施例では、複数の該第１エンボス部２１及び複数の該第２エンボス部３１は、それぞれ該第１外層２及び該第２外層３の対向する両側にエンボスされてなり、それにより比較的強い固定効果を有し、構造の緩みを回避する。

【0013】

さらに、該第１外層２には、いずれかの隣接する２つの該第１エンボス部２１の間に第１凸部２２が形成され、該第２外層３には、いずれかの隣接する２つの該第２エンボス部３１の間に第２凸部３２が形成され、各該第１凸部２２が該重ね合わせ方向に沿って該第２エンボス部３１に当接し、各該第２凸部３２が該重ね合わせ方向に沿って該第１エンボス部２１に当接する。これにより、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とが重なることを回避し、また、各該第１凸部２２が該第２エンボス部３１に当接し、且つ各該第２凸部３２が該第１エンボス部２１に当接することにより、該第１外層２と該第２外層３との間の摩擦力を向上させ、摺動を回避することができる。

【0014】

ここで、該第１エンボス部２１の厚さは、該第１凸部２２の厚さの０．２５～０．５倍であり、該第２エンボス部３１の厚さは、該第２凸部３２の厚さの０．２５～０．５倍でありる。本実施例では、いずれも０．３７５倍であり、該第１外層２及び該第２外層３が緩みにくく、且つ複数の該第１エンボス部２１及び該第２エンボス部３１の厚さが薄すぎて破断しやすくなることがない。

【0015】

本発明は、本体１を含むマスクをさらに提供する。該本体１は、順に重ね合わせられる第１外層２、第２外層３、中層４及び内層５を含み、該第１外層２及び該第２外層３は不織布であり、該第１外層２と該第２外層３とは異なる色である。本実施例では、該第１外層２及び該第２外層３は、微透光の不織布体である。
本発明は、重ね合わせられる該第１外層２及び該第２外層３が設けられることにより、撥水効果を効果的に達成し、液体が該中層４に浸透することを回避することができ、それにより該マスクの遮断効果を大幅に向上させることができる。そして、該第１外層２と該第２外層３とが異なる色であるため、特異な色彩の組み合わせを有するだけでなく、且つ配色効果の違いによって異なるレベルのマスク（例えば、医療用マスク、外科用マスク、一般用マスク等）を区別することができる。

【0016】

ここで、該第１外層２には複数の第１エンボス部２１が設けられ、該第２外層３には複数の第２エンボス部３１が設けられる。複数の該第１エンボス部２１及び複数の該第２エンボス部３１はそれぞれマトリクス状に配列され、該重ね合わせ方向に沿って見ると、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とはマトリクス状に交互に配列される。
該第１外層２及び該第２外層３が微透光の不織布体であるため、製造後に該第１外層２を介して該第２外層３の複数の該第２エンボス部３１が略透けて見え、複数の該第１エンボス部２１と複数の該第２エンボス部３１とがマトリクス状に交互に配列しているか否かを確認することができ、検査を容易に行うことができる。

【0017】

また、該第１凸部２２の密度が該第１エンボス部２１の密度よりも小さく、且つ該第２凸部３２の密度が該第２エンボス部３１の密度よりも小さいため、該第１凸部２２の光透過度は該第１エンボス部２１よりも大きく、該第２凸部３２の光透過度は該第２エンボス部３１よりも大きく、それにより肉眼で複数の該第１エンボス部２１及び複数の該第２エンボス部３１を明確に認識できる。

【符号の説明】

【0018】

１ 本体
２ 第１外層
３ 第２外層
４ 中層
５ 内層
２１ 第１エンボス部
３１ 第２エンボス部
２２ 第１凸部
３２ 第２凸部
１１ 耳掛けひも

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】