(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166915
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
H05K13/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077774
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】金山 泰之
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE02
5E353GG01
5E353HH08
5E353HH09
5E353JJ21
5E353JJ42
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】異なる複数の幅のマガジンスティックから部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない部品供給装置を提供する。
【解決手段】この部品供給装置10aは、チューブ状のマガジンスティック33を幅方向に挟み込む第1ガイド部13と、第1ガイド部13に挟み込まれたマガジンスティック33の先端側に設けられ、マガジンスティック33から送出された部品31を、幅方向に挟み込むとともに、基板Sに実装するために供給する供給位置32にガイドする第2ガイド部14と、マガジンスティック33内の部品31を供給位置に送出する部品送出部16と、を備える。そして、第2ガイド部14は、マガジンスティック33内の部品31の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装する部品が収容されたチューブ状のマガジンスティックを幅方向に挟み込む第1ガイド部と、
前記第1ガイド部に挟み込まれた前記マガジンスティックの先端側に設けられ、前記マガジンスティックから送出された部品を、前記幅方向に挟み込むとともに、基板に実装するために供給する供給位置にガイドする第2ガイド部と、
前記マガジンスティック内の部品を前記供給位置に送出する部品送出部と、を備え、
前記第2ガイド部は、前記マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、前記幅方向の間隔を変更可能に構成されている、部品供給装置。
【請求項2】
前記第2ガイド部は、部品を前記幅方向に挟み込むようにガイドする第1部材および第2部材を含み、
前記第1部材は、前記第2部材に対する前記幅方向の相対位置を変更可能に構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記第2ガイド部は、前記供給位置に送出された部品の前記送出方向下流側に設けられ、前記送出方向への部品の移動を規制するストッパを含み、
前記第2部材は、部品の前記送出方向の長さに合わせて、前記送出方向の位置を変更可能に構成されている、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第2部材とともに前記送出方向に位置を変更可能であるとともに、前記第2部材に対して前記幅方向に位置を変更可能に設けられている、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記第1部材は、係合部を含み、
前記第2部材は、前記係合部に係合して前記第1部材の前記幅方向へのスライド移動をガイドする被係合部を含む、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記第1部材の前記係合部は、長孔を有し、
前記第2部材の前記被係合部は、前記長孔に係合するピンを有する、請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記第1部材は、前記ストッパ側に設けられ、下方に折れ曲がる屈曲端部を含み、前記屈曲端部により前記第2部材に対する前記幅方向へのスライド移動がガイドされるように構成されている、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第2部材は、前記マガジンスティック側の端部が下方に傾斜する傾斜部を含む、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記第1ガイド部は、前記マガジンスティックの幅に合わせて、前記幅方向の間隔を変更可能に構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記第1ガイド部は、前記幅方向に対向するとともに、前記幅方向の間隔を変更可能な一対のガイド部材を含み、
前記一対のガイド部材は、互いに対向する面が上方に向かって狭まるように形成されている、請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記第1ガイド部は、第1締結部材により締結されることにより前記幅方向の位置が固定され、
前記第2ガイド部は、前記ストッパに締結される第2締結部材の先端に押圧されることにより、前記幅方向の位置が固定される、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項12】
複数の前記第1ガイド部および複数の前記第2ガイド部を固定可能なベース部をさらに備える、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項13】
基板に部品を実装する部品実装部と、
前記部品実装部に対して実装する部品を供給する部品供給部と、を備え、
前記部品供給部は、部品が収容されたチューブ状のマガジンスティックを幅方向に挟み込む第1ガイド部と、前記第1ガイド部に挟み込まれた前記マガジンスティックの先端側に設けられ、前記マガジンスティックから送出された部品を、前記幅方向に挟み込むとともに、基板に実装するために供給する供給位置にガイドする第2ガイド部と、前記マガジンスティック内の部品を前記供給位置に送出する部品送出部と、を含み、
前記第2ガイド部は、前記マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、前記幅方向の間隔を変更可能に構成されている、部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品供給装置および部品実装装置に関し、特に、チューブ状のマガジンスティックに収容された部品を供給する部品供給装置および部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チューブ状のマガジンスティックに収容された部品を供給する部品供給装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基板に実装する部品が収容されたチューブ状のスティック(マガジンスティック)を挟み込んで保持するガイド部と、スティックの先端側に設けられ、スティックから送出された部品を、幅方向に挟み込むとともに、基板に実装するために供給する供給位置にガイドするガイド部材と、スティック内の部品を供給位置に送出する部品送出部とを備える部品供給装置が開示されている。この特許文献1の部品供給装置では、ガイド部材の間隔が一定であり、一定の幅を有するスティックから供給される部品を保持することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の部品供給装置では、ガイド部材の間隔が一定であり、一定の幅を有するスティックから供給される部品を保持することが可能であるため、異なる幅のスティックから部品を供給する場合には、別の部品供給装置を準備する必要がある。その結果、異なる複数の幅のスティックから部品を供給することに備えて、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がある。そこで、異なる複数の幅のスティック(マガジンスティック)から部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない部品供給装置および部品実装装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、異なる複数の幅のマガジンスティックから部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない部品供給装置および部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品供給装置は、基板に実装する部品が収容されたチューブ状のマガジンスティックを幅方向に挟み込む第1ガイド部と、第1ガイド部に挟み込まれたマガジンスティックの先端側に設けられ、マガジンスティックから送出された部品を、幅方向に挟み込むとともに、基板に実装するために供給する供給位置にガイドする第2ガイド部と、マガジンスティック内の部品を供給位置に送出する部品送出部と、を備え、第2ガイド部は、マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品供給装置では、上記のように、第2ガイド部は、マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。これにより、第2ガイド部の幅方向の間隔を変更することにより、異なる複数の幅のマガジンスティックの部品に対応することができるので、異なる複数の幅の部品に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。その結果、異なる複数の幅のマガジンスティックから部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。
【0009】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、第2ガイド部は、部品を幅方向に挟み込むようにガイドする第1部材および第2部材を含み、第1部材は、第2部材に対する幅方向の相対位置を変更可能に構成されている。このように構成すれば、第2部材に対して第1部材を幅方向に移動させることにより、第2ガイド部の間隔を容易に調整することができる。
【0010】
上記第2ガイド部が第1部材および第2部材を含む部品供給装置において、好ましくは、第2ガイド部は、供給位置に送出された部品の送出方向下流側に設けられ、送出方向への部品の移動を規制するストッパを含み、第2部材は、部品の送出方向の長さに合わせて、送出方向の位置を変更可能に構成されている。このように構成すれば、第2部材をストッパに対して送出方向に移動させることにより、部品の長さに対応するように、第2ガイド部の送出方向の長さを容易に調整することができる。
【0011】
上記第2ガイド部が第1部材および第2部材を含む部品供給装置において、好ましくは、第1部材は、第2部材とともに送出方向に位置を変更可能であるとともに、第2部材に対して幅方向に位置を変更可能に設けられている。このように構成すれば、第1部材の幅方向の位置および第2部材の送出方向の位置を変更することにより、第2ガイド部の送出方向の位置および幅方向の間隔を容易に調整することができる。
【0012】
上記第2ガイド部が第1部材および第2部材を含む部品供給装置において、好ましくは、第1部材は、係合部を含み、第2部材は、係合部に係合して第1部材の幅方向へのスライド移動をガイドする被係合部を含む。このように構成すれば、第2部材に対して第1部材を幅方向にスライド移動させる際に、第1部材が斜めに傾くのを抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、第1部材の係合部は、長孔を有し、第2部材の被係合部は、長孔に係合するピンを有する。このように構成すれば、第1部材を幅方向に容易にスライド移動させて幅方向の位置を容易に調整することが可能な構造を得ることができる。
【0014】
上記第2ガイド部がストッパを含む部品供給装置において、好ましくは、第1部材は、ストッパ側に設けられ、下方に折れ曲がる屈曲端部を含み、屈曲端部により第2部材に対する幅方向へのスライド移動がガイドされるように構成されている。このように構成すれば、第2部材に対して第1部材を幅方向にスライド移動させる際に、第1部材が斜めに傾くのを抑制することができる。
【0015】
上記第2ガイド部が第1部材および第2部材を含む部品供給装置において、好ましくは、第2部材は、マガジンスティック側の端部が下方に傾斜する傾斜部を含む。このように構成すれば、マガジンスティックから送出された部品が、傾斜部に乗り上げて第2部材に移動することができるので、部品が第2部材の端部に引っ掛かることに起因して、部品の移動が妨げられるのを抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、第1ガイド部は、マガジンスティックの幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。このように構成すれば、異なる複数の幅のマガジンスティックを、間隔が変更可能な第1ガイド部により保持することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、第1ガイド部は、幅方向に対向するとともに、幅方向の間隔を変更可能な一対のガイド部材を含み、一対のガイド部材は、互いに対向する面が上方に向かって狭まるように形成されている。このように構成すれば、間隔を変更可能な一対のガイド部材によりマガジンスティックを挟み込んだ場合に、マガジンスティックの上部の角を一対のガイド部材の上方に向かって狭まる部分に当接させて保持することができる。その結果、一対のガイド部材によりマガジンスティックが幅方向に移動するのを抑制することができるとともに、マガジンスティックが上方に移動するのを抑制することができる。
【0018】
上記第2ガイド部がストッパを含む部品供給装置において、好ましくは、第1ガイド部は、第1締結部材により締結されることにより幅方向の位置が固定され、第2ガイド部は、ストッパに締結される第2締結部材の先端に押圧されることにより、幅方向の位置が固定される。このように構成すれば、第1締結部材の締結により、第1ガイド部の位置を容易に固定することができるとともに、ストッパに第2締結部材を締結することにより、第2ガイド部の幅方向の位置を容易に固定することができる。
【0019】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、複数の第1ガイド部および複数の第2ガイド部を固定可能なベース部をさらに備える。このように構成すれば、異なる複数の幅を有するマガジンスティックを複数の第1ガイド部により保持することができるとともに、異なる複数の幅を有して送出される部品を、1つの部品供給装置に設けられた複数の第2ガイド部によりガイドすることができる。
【0020】
この発明の第2の局面による部品実装装置は、基板に部品を実装する部品実装部と、部品実装部に対して実装する部品を供給する部品供給部と、を備え、部品供給部は、部品が収容されたチューブ状のマガジンスティックを幅方向に挟み込む第1ガイド部と、第1ガイド部に挟み込まれたマガジンスティックの先端側に設けられ、マガジンスティックから送出された部品を、幅方向に挟み込むとともに、基板に実装するために供給する供給位置にガイドする第2ガイド部と、マガジンスティック内の部品を供給位置に送出する部品送出部と、を含み、第2ガイド部は、マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。
【0021】
この発明の第2の局面による部品実装装置では、上記のように、第2ガイド部は、マガジンスティック内の部品の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。これにより、第2ガイド部の幅方向の間隔を変更することにより、異なる複数の幅のマガジンスティックの部品に対応することができるので、異なる複数の幅の部品に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。その結果、異なる複数の幅のマガジンスティックから部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない部品実装装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、異なる複数の幅のマガジンスティックから部品を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による部品供給装置が設けられた部品実装装置の構成を示した平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による部品実装装置を示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による部品供給装置を示した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による部品供給装置の第1ガイド部および第2ガイド部を示した斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による部品供給装置の第1ガイド部および第2ガイド部を示した平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による部品供給装置の第1ガイド部を示した正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による部品供給装置の第2ガイド部を示した正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による部品供給装置の第2ガイド部を示した分解斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による部品供給装置の第2ガイド部の位置の変更の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10aが設けられた部品実装装置100の構成について説明する。
【0026】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板SをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Sに部品31を実装する部品実装装置である。部品実装装置100は、部品実装装置本体100aと、部品供給装置10aおよび10bとを備えている。なお、部品供給装置10aは、特許請求の範囲の「部品供給部」の一例である。
【0027】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。なお、ヘッドユニット4は、特許請求の範囲の「部品実装部」の一例である。
【0028】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Sを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0029】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、部品供給装置10aおよび10bが設けられている。部品供給部3の部品供給装置10aおよび10bは、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。部品供給部3には、マガジンスティック33により部品31を供給する部品供給装置10aや、部品供給テープにより部品31を供給する部品供給装置10bや、トレイにより部品31を供給する部品供給装置(図示せず)を配置することが可能である。本実施形態の例では、マガジンスティック33により部品31を供給する部品供給装置10aを、部品実装装置100のY2方向側かつX2方向側の部品供給部3に配置している。
【0030】
図1および
図2に示すように、部品供給装置10aは、複数の部品31が部品供給方向(Y方向)に並んで収容されたチューブ状のマガジンスティック33を保持している。部品供給装置10aは、マガジンスティック33および部品31をガイドするガイド部11を含んでいる。
【0031】
部品供給装置10aは、マガジンスティック33に収容された部品31を供給位置32に向けて送り出すように構成されている。部品供給装置10aは、部品供給装置10aのY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、コネクタなどの電子部品を含む。
【0032】
部品供給装置10bは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープが巻き付けられたリールを保持している。部品供給装置10bは、複数のテープフィーダ12を含んでいる。
【0033】
テープフィーダ12は、リールの部品供給テープを供給位置32に向けて送り出すように構成されている。部品供給装置10bのテープフィーダ12は、部品供給装置10bのY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。
【0034】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
【0035】
実装ヘッド42は、部品供給装置10aおよび10bから供給される部品31を基板Sに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Sに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給装置10aおよび10bから供給される部品31を吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0036】
基板認識カメラ43は、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
【0037】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0038】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0039】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0040】
制御部8は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア2による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。
【0041】
(部品供給装置の構成)
図3~
図9を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10aの構成について説明する。
【0042】
図3に示すように、部品供給装置10aは、ヘッドユニット4(実装ヘッド42)に対して実装する部品31を供給するように構成されている。部品供給装置10aは、基板Sに実装する部品31が収容されたチューブ状のマガジンスティック33から、部品31を供給する。
【0043】
部品供給装置10aは、ガイド部11と、部品送出部16と、を備えている。ガイド部11は、ベース部11aと、第1ガイド部13と、第2ガイド部14とを含んでいる。
【0044】
ベース部11aには、複数の第1ガイド部13および複数の第2ガイド部14を固定可能である。つまり、部品供給装置10aは、複数のマガジンスティック33を保持することが可能である。
【0045】
また、部品供給装置10aは、マガジンスティック33の先端の下方に配置するスペーサを備えている。スペーサは、マガジンスティック33の高さが低い場合に、用いられる。
【0046】
第1ガイド部13は、マガジンスティック33を幅方向(X方向)に挟み込んで保持する。また、第1ガイド部13は、マガジンスティック33の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。具体的には、第1ガイド部13は、幅方向に対向するとともに、幅方向の間隔を変更可能な一対のガイド部材を含んでいる。また、
図6に示すように、一対のガイド部材は、互いに対向する面が上方に向かって狭まるように形成されている。つまり、第1ガイド部13は、上方に向かって幅が広がるように傾斜する傾斜面131を有している。
【0047】
また、
図4および
図5に示すように、第1ガイド部13は、締結部材13aにより締結されることにより幅方向の位置が固定される。具体的には、
図6に示すように、第1ガイド部13は、ベース部11aにX方向に延びるように設けられた長孔13bを介して、締結部材13aがナット部材13cに締結されることにより、幅方向(X方向)の位置が固定される。なお、締結部材13aは、特許請求の範囲の「第1締結部材」の一例である。
【0048】
図4および
図5に示すように、第2ガイド部14は、第1ガイド部13に挟み込まれたマガジンスティック33の先端側に設けられている。また、第2ガイド部14は、マガジンスティック33から送出された部品31を、幅方向(X方向)に挟み込むとともに、基板Sに実装するために供給する供給位置32にガイドする。
【0049】
また、第2ガイド部14は、部品31を幅方向に挟み込むようにガイドする第1部材141および第2部材142を含んでいる。また、第2ガイド部14は、供給位置32に送出された部品31の送出方向下流側に設けられ、送出方向への部品31の移動を規制するストッパ15を含んでいる。
【0050】
ここで、本実施形態では、第2ガイド部14は、マガジンスティック33内の部品31の幅に合わせて、幅方向(X方向)の間隔を変更可能に構成されている。
【0051】
具体的には、
図9に示すように、第2ガイド部14の第1部材141は、第2部材142に対する幅方向の相対位置を変更可能に構成されている。つまり、部品31を挟み込むように対向する、第1部材141の対向面141aと、第2部材142の対向面142aとの間隔が変更可能である。たとえば、第2部材142は幅方向には移動せずに、第1部材141が幅方向に移動することにより、第1部材141および第2部材142により部品31を挟み込む間隔が変更される。
【0052】
また、
図9に示すように、第2ガイド部14の第2部材142は、部品31の送出方向の長さに合わせて、送出方向の位置を変更可能に構成されている。具体的には、
図7および
図9に示すように、第2部材142は、ストッパ15の下方において、2つの仕切部151の間に配置されている。そして、第2部材142は、2つの仕切部151により幅方向(X方向)の移動が規制されている。一方、第2部材142は、送出方向(Y方向)に移動可能である。
【0053】
また、
図4および
図5に示すように、第2部材142は、締結部材15bにより締結されることにより送出方向(Y方向)の位置が固定される。具体的には、第2部材142は、ストッパ15に締結される締結部材15bの先端に押圧されることにより、送出方向(Y方向)の位置が固定される。
【0054】
また、
図9に示すように、第2ガイド部14の第1部材141は、第2部材142とともに送出方向(Y方向)に位置を変更可能であるとともに、第2部材142に対して幅方向(X方向)に位置を変更可能に設けられている。
【0055】
また、
図4および
図5に示すように、第1部材141は、締結部材15cにより締結されることにより幅方向(X方向)の位置が固定される。つまり、第2ガイド部14は、締結部材15cにより締結されることにより幅方向の位置が固定される。具体的には、第1部材141は、ストッパ15に締結される締結部材15cの先端に押圧されることにより、幅方向(X方向)の位置が固定される。なお、締結部材15cは、特許請求の範囲の「第2締結部材」の一例である。
【0056】
また、
図8に示すように、第2ガイド部14の第1部材141は、係合部141bを含んでいる。また、第2部材142は、係合部141bに係合して第1部材141の幅方向へのスライド移動をガイドする被係合部142bを含んでいる。詳しくは、第1部材141の係合部141bは、長孔を有する。また、第2部材142の被係合部142bは、長孔に係合するピンを有する。これにより、第1部材141は、係合部141bが第2部材142の被係合部142bに係合しながら、X方向に沿ってスライド移動可能である。
【0057】
図8に示すように、第1部材141は、ストッパ15側(Y1方向側)に設けられ、下方に折れ曲がる屈曲端部141cを含んでいる。そして、第1部材141は、屈曲端部141cが第2部材142のストッパ15側の端部に当接することにより、第2部材142に対する幅方向へのスライド移動がガイドされるように構成されている。
【0058】
図8に示すように、第2部材142は、マガジンスティック33側(Y2方向側)の端部が下方に傾斜する傾斜部142cを含んでいる。
【0059】
ストッパ15は、
図4および
図7に示すように、ガイド部11の先端側(Y1方向側)に設けられている。また、ストッパ15は、第2ガイド部14によりガイドされる部品31に当接して、部品31の送出方向(Y方向)への移動を規制するように構成されている。つまり、ストッパ15は、マガジンスティック33から送出される部品31を供給位置32において止めるように構成されている。
【0060】
ストッパ15は、複数の仕切部151と、複数の部品止部152と、を含んでいる。また、ストッパ15は、第2ガイド部14の第1部材141および第2部材142の上方を覆うように設けられている。
【0061】
仕切部151は、複数の第1部材141および第2部材142を、仕切るように設けられている。また、部品止部152は、隣り合う仕切部151の間に配置されている。部品止部152は、部品31に当接して、部品31の送出方向(Y方向)への移動を規制するように構成されている。
【0062】
図3に示すように、部品送出部16は、マガジンスティック33内の部品31を供給位置32に送出するように構成されている。具体的には、部品送出部16は、振動発生部を含み、ガイド部11に保持されたマガジンスティック33に対して振動発生部により振動を付与する。マガジンスティック33に付与された振動により、マガジンスティック33内の部品31が送出方向(Y方向)に移動される。
【0063】
(第2ガイド部の調整手順)
図9を参照して、第2ガイド部14の調整手順について、説明する。
【0064】
図9(A)に示すように、第2ガイド部14の第1部材141および第2部材142が、送出方向(Y方向)に移動可能なように、締結部材15bおよび15c(
図5参照)の締結を緩めた状態にする。
図9(B)に示すように、第2ガイド部14の第1部材141および第2部材142の両方を、送出方向(Y方向)に移動させて、第2ガイド部14のY方向の位置を調整する。そして、締結部材15b(
図5参照)を締結することにより、第2部材142の位置を固定する。
【0065】
図9(C)に示すように、第2ガイド部14の第1部材141を、第2部材142に対して幅方向(X方向)に移動させて、第1部材141のX方向の位置を調整する。そして、締結部材15c(
図5参照)を締結することにより、第1部材141の位置を固定する。
【0066】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、第2ガイド部14は、マガジンスティック33内の部品31の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。これにより、第2ガイド部14の幅方向の間隔を変更することにより、異なる複数の幅のマガジンスティック33の部品31に対応することができるので、異なる複数の幅の部品31に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。その結果、異なる複数の幅のマガジンスティック33から部品31を供給する場合でも、各々の幅に対応する複数の部品供給装置を準備する必要がない。また、マガジンスティック33の先端の上部を切り取ることにより、マガジンスティック33から直接部品31を取り出すようにする場合と異なり、マガジンスティック33の先端を切り取る作業を行う必要がないので、作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、第2ガイド部14は、部品31を幅方向に挟み込むようにガイドする第1部材141および第2部材142を含んでいる。また、第1部材141は、第2部材142に対する幅方向の相対位置を変更可能に構成されている。これにより、第2部材142に対して第1部材141を幅方向に移動させることにより、第2ガイド部14の間隔を容易に調整することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、第2ガイド部14は、供給位置32に送出された部品31の送出方向下流側に設けられ、送出方向への部品31の移動を規制するストッパ15を含み、第2部材142は、部品31の送出方向の長さに合わせて、送出方向の位置を変更可能に構成されている。これにより、第2部材142をストッパ15に対して送出方向に移動させることにより、部品31の長さに対応するように、第2ガイド部14の送出方向の長さを容易に調整することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、第1部材141は、第2部材142とともに送出方向に位置を変更可能であるとともに、第2部材142に対して幅方向に位置を変更可能に設けられている。これにより、第1部材141の幅方向の位置および第2部材142の送出方向の位置を変更することにより、第2ガイド部14の送出方向の位置および幅方向の間隔を容易に調整することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、第1部材141は、係合部141bを含んでいる。また、第2部材142は、係合部141bに係合して第1部材141の幅方向へのスライド移動をガイドする被係合部142bを含んでいる。これにより、第2部材142に対して第1部材141を幅方向にスライド移動させる際に、第1部材141が斜めに傾くのを抑制することができる。また、係合部141bと被係合部142bとの係合により第1部材141がY1方向に移動して脱落するのを防止することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、第1部材141の係合部141bは、長孔を有する。また、第2部材142の被係合部142bは、長孔に係合するピンを有する。これにより、第1部材141を幅方向に容易かつスムースにスライド移動させて幅方向の位置を容易に調整することが可能な構造を得ることができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、第1部材141は、ストッパ15側に設けられ、下方に折れ曲がる屈曲端部141cを含み、屈曲端部141cにより第2部材142に対する幅方向へのスライド移動がガイドされるように構成されている。これにより、第2部材142に対して第1部材141を幅方向にスライド移動させる際に、第1部材141が斜めに傾くのを抑制することができる。また、これにより、係合部141bおよび被係合部142bを各々2つずつ設けなくても、第1部材141が斜めに傾くのを抑制することができるので、係合部141bおよび被係合部142bを各々1つずつ設けるようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、第2部材142は、マガジンスティック33側の端部が下方に傾斜する傾斜部142cを含んでいる。これにより、マガジンスティック33から送出された部品31が、傾斜部142cに乗り上げて第2部材142に移動することができるので、部品31が第2部材142の端部に引っ掛かることに起因して、部品31の移動が妨げられるのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、第1ガイド部13は、マガジンスティック33の幅に合わせて、幅方向の間隔を変更可能に構成されている。これにより、異なる複数の幅のマガジンスティック33を、間隔が変更可能な第1ガイド部13により保持することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、第1ガイド部13は、幅方向に対向するとともに、幅方向の間隔を変更可能な一対のガイド部材を含み、一対のガイド部材は、互いに対向する面が上方に向かって狭まるように形成されている。これにより、間隔を変更可能な一対のガイド部材によりマガジンスティック33を挟み込んだ場合に、マガジンスティック33の上部の角を一対のガイド部材に当接させて保持することができる。その結果、一対のガイド部材の上方に向かって狭まる傾斜面131によりマガジンスティック33が幅方向に移動するのを抑制することができるとともに、マガジンスティック33が上方に移動するのを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、第1ガイド部13は、締結部材13aにより締結されることにより幅方向の位置が固定される。また、第2ガイド部14は、ストッパ15に締結される締結部材15cの先端に押圧されることにより、幅方向の位置が固定される。これにより、締結部材13aの締結により、第1ガイド部13の位置を容易に固定することができるとともに、ストッパ15に締結部材15cを締結することにより、第2ガイド部14の幅方向の位置を容易に固定することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、複数の第1ガイド部13および複数の第2ガイド部14を固定可能なベース部11aを設ける。これにより、異なる複数の幅を有するマガジンスティック33を複数の第1ガイド部13により保持することができるとともに、異なる複数の幅を有して送出される部品31を、1つの部品供給装置10aに設けられた複数の第2ガイド部14によりガイドすることができる。
【0079】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0080】
たとえば、上記実施形態では、複数の第1ガイド部および第2ガイド部がベース部に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガイド部および第2ガイド部が1つずつベース部に設けられていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、振動を付与することによりマガジンスティック内の部品を送出する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、振動の付与以外によりマガジンスティック内の部品を送出してもよい。たとえば、コンベアによりマガジンスティック内の部品を送出してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、締結部材の締結により、第1ガイド部および第2ガイド部の位置を固定する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、締結部材の締結以外により第1ガイド部および第2ガイド部の位置を固定してもよい。たとえば、固定ピンの挿入や、磁力により、第1ガイド部および第2ガイド部の位置を固定してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、第1部材の係合部として長孔を設け、第2部材の被係合部としてピンを設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1部材の係合部としてピンを設け、第2部材の被係合部としてピンに係合する長孔を設けてもよい。また、係合部および被係合部は、それぞれ、1つ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、ヘッドユニット(部品実装部)が1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装部が複数設けてもよい。
【符号の説明】
【0085】
4 ヘッドユニット(部品実装部)
10a 部品供給装置(部品供給部)
11a ベース部
13 第1ガイド部
13a 締結部材(第1締結部材)
14 第2ガイド部
15 ストッパ
15c 締結部材(第2締結部材)
16 部品送出部
31 部品
32 供給位置
33 マガジンスティック
100 部品実装装置
141 第1部材
141b 係合部
141c 屈曲端部
142 第2部材
142b 被係合部
142c 傾斜部
S 基板