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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016692
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】電動ツール
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/10 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
B25B23/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090136
(22)【出願日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0096006
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 鎔 鐵
(72)【発明者】
【氏名】金 炯 鍾
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA04
3C038AA09
3C038BB00
3C038BC00
3C038EA05
(57)【要約】
【課題】互いに異なるコンポーネントに対する選択的なグリップおよび回転のための構造を単純化することで、相対的に軽くコンパクトな構成を有する電動ツールを提供する。
【解決手段】本発明の電動ツールは、回転可能な回転ソケットを含むレンチヘッドと、回転ソケットに装着されたスパナツールとを含むことができる。回転ソケットおよびスパナツールは、隣接した第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを個別にグリップするように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な回転ソケットを含むレンチヘッドと、
前記回転ソケットに装着されたスパナツールと、を含み、
前記回転ソケットおよび前記スパナツールは、隣接した第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを個別にグリップするように構成される、ことを特徴とする電動ツール。
【請求項2】
前記回転ソケットは、第1開放溝と、前記第1開放溝を限定する複数の内側平坦面を有し、
前記第1コンポーネントは、複数の平坦面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電動ツール。
【請求項3】
前記スパナツールは、前記回転ソケットに装着されたツールハウジングと、前記ツールハウジングで前記第2コンポーネントをアングリップするアングリップ位置と前記第2コンポーネントをグリップするグリップ位置との間に移動可能に装着されたスパナ部材とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の電動ツール。
【請求項4】
前記ツールハウジングは第2開放溝を有し、前記スパナ部材は第3開放溝を有し、前記第2開放溝は前記第1開放溝に整列され、前記第2開放溝は、前記第3開放溝より相対的に大きいサイズを有する、ことを特徴とする請求項3に記載の電動ツール。
【請求項5】
前記ツールハウジングは、前記スパナ部材が移動可能に収容されるスロットを有し、前記スロットは、前記スパナ部材に対応する形状を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の電動ツール。
【請求項6】
前記スパナツールは、前記スパナ部材を前記アングリップ位置に偏向させるバネをさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の電動ツール。
【請求項7】
前記スパナツールは、前記スパナ部材を前記アングリップ位置に規制するストッパ部材をさらに含み、
前記ストッパ部材は、前記ツールハウジングに装着される、ことを特徴とする請求項5に記載の電動ツール。
【請求項8】
前記スパナ部材はガイド溝を有し、前記ガイド溝の上端はストッパ面を有し、前記ストッパ部材は前記ガイド溝に収容されるストッパ突起を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の電動ツール。
【請求項9】
前記ストッパ部材は装着突起を有し、前記ストッパ突起は前記装着突起から突出し、前記ツールハウジングは前記ストッパ部材の前記装着突起が結合する装着孔を有し、前記装着孔は前記スロットと通じ、前記ガイド溝は前記装着孔と部分的に重なる、ことを特徴とする請求項8に記載の電動ツール。
【請求項10】
前記スパナツールの外周面をアングリップおよびグリップするように構成された第1グリッパをさらに含み、
前記第1グリッパが前記スパナツールの外周面をアングリップすることで、前記スパナ部材は前記アングリップ位置に移動し、前記第1グリッパが前記スパナツールの外周面をグリップすることで、前記スパナ部材は前記グリップ位置に移動するように構成される、ことを特徴とする請求項3に記載の電動ツール。
【請求項11】
前記第1グリッパは、第1アクチュエータと、前記第1アクチュエータによって移動するように構成された一対の第1グリップ部材とを含み、
前記一対の第1グリップ部材は、前記スパナツールの外周面をアングリップする前記アングリップ位置と前記スパナツールの外周面をグリップする前記グリップ位置との間に移動するように構成される、ことを特徴とする請求項10に記載の電動ツール。
【請求項12】
前記一対の第1グリップ部材は、前記スパナツールの外周面を囲むように互いに対向して配置される、ことを特徴とする請求項11に記載の電動ツール。
【請求項13】
前記第1グリッパは、前記一対の第1グリップ部材の上部に個別に提供された一対の第1ガイド部をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の電動ツール。
【請求項14】
各第1ガイド部は、それに対応する各第1グリップ部材の上端に一体に提供され、前記第1ガイド部は、前記スパナ部材によってグリップされる第2コンポーネントをガイドする第1テーパ面を有する、ことを特徴とする請求項13に記載の電動ツール。
【請求項15】
前記各第1ガイド部は、それに対応する前記第1グリップ部材の上端から前記レンチヘッドの上部をカバーするように延びる、ことを特徴とする請求項14に記載の電動ツール。
【請求項16】
前記第1コンポーネントに隣接した第3コンポーネントをグリップおよびアングリップするように構成された第2グリッパをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電動ツール。
【請求項17】
前記第2グリッパは、第2アクチュエータと、前記第2アクチュエータによって移動するように構成された一対の第2グリップ部材とを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の電動ツール。
【請求項18】
前記一対の第2グリップ部材は、前記第3コンポーネントの外面を囲むように互いに対向して配置される、ことを特徴とする請求項17に記載の電動ツール。
【請求項19】
前記第2グリッパは、前記一対の第2グリップ部材の上部に個別に提供された一対の第2ガイド部をさらに含み、
各第2ガイド部は、それに対応する第2グリップ部材の上端に一体に提供され、各第2ガイド部は、前記第3コンポーネントをガイドする第2テーパ面を有する、ことを特徴とする請求項17に記載の電動ツール。
【請求項20】
前記レンチヘッドから延びたサポーティングボディをさらに含み、
前記レンチヘッドおよび前記サポーティングボディは、ブラケット組立体を介してロボットのアームに装着される、ことを特徴とする請求項1に記載の電動ツール。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に軽く、単純な構造で実現された電動ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールアライメントは、車両の走行中に前輪の操向性を調節するためのものであり、ホイールアライメントがずれた場合、タイヤの寿命が短くなり、車両と燃費性能が低下する。
【0003】
基本的に、ホイールアライメントには、キャスタ(caster)、キャンバ(camber)、トー(toe)などがある。
【0004】
キャスタは、車両を横から見た時に、垂直線に対してステアリング(Steering)軸が前方または後方に傾斜した角度を指す。キャスタは、直進安定性の確保のために必ず必要な要素であり、キャスタが減少するほどハンドルの復元力を向上させ、不安定な走行方向を防止することができる。しかし、迅速なコーナリング性能は低下する。
【0005】
キャンバは、タイヤの摩耗を防止し、ハンドル操作を向上させるためのものである。自動車が垂直線上でタイヤの上の部分または下の部分が内側と外側に変形する角度に応じて、ネガティブキャンバ(Negative Camber)と、ポジティブキャンバ(Positive Camber)と、ニュートラルキャンバ(Neutral Camber)とに分けられる。最近の車両は、サスペンションと車体技術の発達に伴い、ほとんどがネガティブキャンバを適用する。ネガティブキャンバの場合、車両のコーナリング時に遠心力によって車体が傾くが、この際、外側タイヤの接地面積が増加し、安定的なコーナリングが可能である。
【0006】
トー(toe)は、車両を上から見た時に、車両の進行方向へのタイヤの前方を指す。タイヤの前の部分が内側に傾く場合、トーイン(Toe-In)、外側に傾く場合、トーアウト(Toe-Out)と言う。トーアウトが大き過ぎる場合、タイヤの内側の摩耗が進み、トーインが大き過ぎる場合、タイヤの外側の摩耗が進む。二つの場合、いずれも路面の抵抗を多く受けて走行質感が低下し、燃費の低下が現れる。適切なトーインは、直進安定性を高め、ネガティブキャンバによる内側の摩耗を相殺する。
【0007】
周知のように、ステアリングメカニズムのタイロッド組立体の長さが調節されることで、車両のトー(toe)は調節されセッティングされる。ステアリングメカニズムは、ステアリングラックアンドピニオン(またはステアリングセンターリンク)と、ステアリングラックアンドピニオンの両端にピボット可能に連結された一対のタイロッド組立体を含む。各タイロッド組立体は、力をステアリングラックアンドピニオンから車両のナックル(knuckle)に伝達するように構成され、各タイロッド組立体は、インナータイロッドおよびアウタータイロッドを含む。インナータイロッドは、その端部に提供された雄ねじ部および雄ねじ部に隣接した六角部(hex portion)を有し、アウタータイロッドは、その端部に提供された雌ねじ部を有し、インナータイロッドの雄ねじ部がアウタータイロッドの雌ねじ部に螺合する。インナータイロッドの雄ねじ部が、インナータイロッドの回転によって、アウタータイロッドの雌ねじ部の軸線方向に沿って移動することで、各タイロッド組立体の全長が調節される。ロックナットがインナータイロッドの雄ねじ部に螺合し、ロックナットがインナータイロッドの雄ねじ部およびアウタータイロッドの雌ねじ部をロックする時に、インナータイロッドの雄ねじ部およびアウタータイロッドの雌ねじ部が相対的に回転することが防止される。具体的には、ナットランナ(nut runner)などの電動ツール(power tool)がステアリングメカニズムのタイロッド組立体のロックナット(lock nut)およびインナータイロッド(inner tie rod)の六角部を選択的にグリップし回転させることで、タイロッド組立体の全長を調節することができ、これにより、車両のトーは調節されセッティングされる。
【0008】
しかし、従来技術による電動ツールは、アウタータイロッド、インナータイロッドの六角部、およびロックナットを選択的にグリップし、インナータイロッドおよびロックナットを選択的に回転させるように構成される。特に、ロックナットおよびインナータイロッドは、その外径が互いに異なるため、ロックナットおよびインナータイロッドに対する選択的なグリップのための構造が非常に複雑になる。すなわち、従来の電動ツールは、その構造が非常に複雑であり、相対的に多くの部品を要し、そのため、相対的に重い重量および相対的に大きいサイズを有する。そのため、従来の電動ツールは、可搬荷重(payload)が大きいロボットとともに協同(cooperate with)するように構成され、電動ツールおよびロボットは、全体的に大きく重くてホイールアライメント測定設備の狭い空間への設置が難しく、ホイールアライメント測定設備の狭小な空間でそのメンテナンス時間が相対的に長くなって生産性が低下する欠点があった。
【0009】
また、従来のトー調整ツールは、相対的に多くの部品を要するため、故障発生可能性が高く、ホイールアライメント時間も相対的に長くかかる欠点があった。
【0010】
本背景技術部分に記載の事項は、発明の背景に関する理解を容易にするために作成されたものであって、本技術が属する分野において通常の知識を有する者にとって周知の従来技術ではない事項を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2020-093720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような点に鑑みて導き出されたものであり、互いに異なるコンポーネントに対する選択的なグリップおよび回転のための構造を単純化することで、相対的に軽くコンパクトな構成を有する電動ツールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための本発明の実施形態による電動ツールは、回転可能な回転ソケットを含むレンチヘッドと、前記回転ソケットに装着されたスパナツールと、を含むことができる。前記回転ソケットおよび前記スパナツールは、隣接した第1コンポーネントおよび第2コンポーネントを個別にグリップするように構成されることができる。
【0014】
このように、前記スパナツールが前記回転ソケットに装着され、前記スパナツールと前記回転ソケットは、隣接した前記第1コンポーネントおよび前記第2コンポーネントを個別にグリップすることができることから、様々なコンポーネントの組立、調節、およびセッティングなどを効率よく簡単に行うことができ、単純な構造および軽い重量を有する電動ツールを実現することができる。
【0015】
前記回転ソケットは、第1開放溝と、前記第1開放溝を限定する複数の内側平坦面を有することができる。前記第1コンポーネントは、複数の平坦面を有することができる。
【0016】
これにより、前記第1コンポーネントが前記第1開放溝に収容される時に、前記複数の内側平坦面は、前記第1コンポーネントの平坦面を正確にグリップすることができる。
【0017】
前記スパナツールは、前記回転ソケットに装着されたツールハウジングと、前記ツールハウジングで前記第2コンポーネントをアングリップするアングリップ位置と前記第2コンポーネントをグリップするグリップ位置との間に移動可能に装着されたスパナ部材とを含むことができる。
【0018】
このように、前記スパナ部材が前記ツールハウジングで前記アングリップ位置と前記グリップ位置との間に移動することで、前記第2コンポーネントに対するグリップおよび前記アングリップを容易にすることができ、特に、前記回転ソケットが前記第1コンポーネントをグリップした状態で、前記スパナ部材が前記第2コンポーネントをグリップまたはアングリップすることができる。
【0019】
前記ツールハウジングは第2開放溝を有することができ、前記スパナ部材は第3開放溝を有することができ、前記第2開放溝は前記第1開放溝に整列されることができる。前記第2開放溝は、前記第3開放溝より相対的に大きいサイズを有することができる。前記スパナ部材が前記アングリップ位置に位置する時に、前記第3開放溝は前記第2開放溝から逸脱することができる。前記スパナ部材が前記グリップ位置に位置する時に、前記第3開放溝は前記第2開放溝内に位置することができる。
【0020】
このように、前記ツールハウジングの前記第2開放溝が前記回転ソケットの前記第1開放溝に整列されていることから、前記第1開放溝が前記第1コンポーネントをグリップする時に、前記第2開放溝は、前記第2コンポーネントを収容することができるが、前記第2コンポーネントをグリップしない。また、前記スパナ部材が前記アングリップ位置と前記グリップ位置との間に移動することで、前記スパナ部材は、前記第2開放溝内に収容された前記第2コンポーネントをアングリップおよびグリップすることができる。
【0021】
前記ツールハウジングは、前記スパナ部材が移動可能に収容されるスロットを有することができ、前記スロットは、前記スパナ部材に対応する形状を有することができる。
【0022】
このように、前記スパナ部材が前記ツールハウジングの前記スロットに沿って前記アングリップ位置と前記グリップ位置との間に移動することで、前記スパナ部材の移動を正確にガイドすることができる。
【0023】
前記スパナツールは、前記スパナ部材を前記アングリップ位置に偏向させるバネをさらに含むことができる。
【0024】
これにより、前記第2コンポーネントに対するグリップが必要ではない時に、前記スパナツールは、前記バネによって前記アングリップ位置に維持されることができ、前記第2コンポーネントに対するグリップが必要な時にのみ、前記スパナ部材が前記アングリップ位置から前記グリップ位置に移動することができる。
【0025】
前記スパナツールは、前記スパナ部材を前記アングリップ位置に規制するストッパ部材をさらに含むことができ、前記ストッパ部材は、前記ツールハウジングに装着されることができる。
【0026】
前記スパナ部材は、ガイド溝を有することができ、前記ガイド溝の上端は、ストッパ面を有することができ、前記ストッパ部材は、前記ガイド溝に収容されるストッパ突起を有することができ、前記ストッパ突起が前記ストッパ面と接触することで、前記スパナ部材は、前記アングリップ位置で規制されることができる。
【0027】
このように、前記ストッパ部材が前記スパナ部材の位置を前記アングリップ位置に規制することで、前記スパナ部材が前記ツールハウジングから離脱することが防止されることができる。
【0028】
前記ストッパ部材は装着突起を有することができ、前記ストッパ突起は前記装着突起から突出することができ、前記ツールハウジングは前記ストッパ部材の前記装着突起が結合する装着孔を有することができ、前記装着孔は前記スロットと通じることができ、前記ガイド溝は前記装着孔に向かうことができる。
【0029】
これにより、前記ストッパ部材の前記装着突起が前記ツールハウジングの前記装着孔に嵌合することで、前記ストッパ突起が前記スパナ部材の前記ガイド溝に収容されることができ、前記ストッパ部材は、前記ツールハウジングに簡単かつ正確に装着されることができる。
【0030】
本発明の実施形態による電動ツールは、前記スパナツールの外周面をアングリップおよびグリップするように構成された第1グリッパをさらに含むことができ、前記第1グリッパが前記スパナツールの外周面をアングリップすることで、前記スパナ部材は前記アングリップ位置に移動することができ、前記第1グリッパが前記スパナツールの外周面をグリップすることで、前記スパナ部材は、前記グリップ位置に移動することができる。
【0031】
このように、前記第1グリッパが、前記スパナツールの外周面をアングリップおよびグリップすることで、前記スパナツールの前記スパナ部材は、前記アングリップ位置および前記グリップ位置に正確に移動することができる。
【0032】
前記第1グリッパは、第1アクチュエータと、前記第1アクチュエータによって移動するように構成された一対の第1グリップ部材とを含むことができる。前記一対の第1グリップ部材は、前記スパナツールの外周面をアングリップする前記アングリップ位置と前記スパナツールの外周面をグリップする前記グリップ位置との間に移動することができる。
【0033】
前記一対の第1グリップ部材は、前記スパナツールの外周面を囲むように互いに対向して配置されることができる。
【0034】
このように、前記一対の第1グリップ部材が、前記スパナツールの外周面を全体的にグリップおよびアングリップすることができ、これにより、前記スパナ部材の移動が正確に行われることができる。
【0035】
前記第1グリッパは、前記一対の第1グリップ部材の上端に個別に提供された一対の第1ガイド部をさらに含むことができる。
【0036】
各第1ガイド部およびそれに対応する各第1グリップ部材の上端に一体を形成され、前記第1ガイド部は、前記スパナ部材によってグリップされる第2コンポーネントをガイドする第1テーパ面を有することができる。
【0037】
このように、前記第2コンポーネントは、前記第1ガイド部の第1テーパ面を介して前記スパナ部材側に正確にガイドされ位置決めされることができ、これにより前記スパナ部材は、前記第2コンポーネントを正確にグリップすることができる。
【0038】
前記各第1ガイド部は、それに対応する前記第1グリップ部材の上端から前記レンチヘッドの上部をカバーするように延びることができる。
【0039】
このように、前記第1ガイド部が、前記第1グリップ部材の上端から前記レンチヘッドの上部まで延びることで、前記第2コンポーネントを前記スパナ部材側にガイドするだけでなく、前記第1コンポーネントを前記回転ソケット側にガイドすることができる。
【0040】
本発明の実施形態による電動ツールは、前記第1コンポーネントに隣接した第3コンポーネントをグリップおよびアングリップするように構成された第2グリッパをさらに含むことができる。
【0041】
このように、前記第2グリッパが前記第3コンポーネントをグリップする時に、前記レンチヘッドは、前記第1コンポーネントをより正確かつ安定的に回転させることができる。
【0042】
前記第2グリッパは、第2アクチュエータと、前記第2アクチュエータによって移動するように構成された一対の第2グリップ部材とを含むことができる。
【0043】
前記一対の第2グリップ部材は、前記第3コンポーネントの外面を囲むように互いに対向して配置されることができる。
【0044】
このように、前記一対の第2グリップ部材が、前記第3コンポーネントの外面を全体的にグリップおよびアングリップすることができ、これにより、前記回転ソケットは、前記第1コンポーネントをより正確かつ安定的に回転させることができる。
【0045】
前記第2グリッパは、前記一対の第2グリップ部材の上端に個別に提供された一対の第2ガイド部を含むことができる。各第2ガイド部およびそれに対応する第2グリップ部材は単一体を形成し、各第2ガイド部は前記第3コンポーネントをガイドする第2テーパ面を有することができる。
【0046】
これにより、前記第3コンポーネントは、前記第2ガイド部の前記第2テーパ面を介して前記一対の第2グリップ部材の間に正確にガイドされ位置決めされることができる。
【0047】
前記レンチヘッドから延びたサポーティングボディをさらに含み、前記レンチヘッドおよび前記サポーティングボディは、ブラケット組立体を介してロボットのアームに装着されることができる。
【0048】
これにより、前記スパナツールが前記レンチヘッドの前記回転ソケットに装着されることで、互いに異なる2以上のコンポーネントをグリップするための構造が全体的にコンパクトになることができ、これにより、その重量が相対的に軽くなることができ、ロボットは、可搬荷重が相対的に小さな小型ロボットを用いることができる。これにより、前記電動ツールは、小型ロボットとともに全体的に小さなサイズで構成されることができるため、ホイールアライメント測定設備の狭小な空間での設置が容易であるという利点がある。
【発明の効果】
【0049】
本発明によると、互いに異なるコンポーネントに対する選択的なグリップおよび回転のための構造を単純化することで、相対的に軽くコンパクトな電動ツールを実現することができる。特に、電動ツールが相対的に軽く単純な構造で実現されることで、電動ツールが装着されるロボットは、可搬荷重が相対的に小さな小型ロボットが用いられることができ、これにより、電動ツールは、小型ロボットとともに全体的に小さなサイズで構成されることができ、ホイールアライメント測定設備の狭小な空間での設置が容易である。
【0050】
また、電動ツールの構造が単純であることからそのメンテナンスが簡単であり、その修理時間が相対的に短くなり、必要となる部品の個数が少ないことからその構造が全体的に単純化することができ、これにより、故障発生可能性が相対的に低く、設置費用が全体的に低減することができる。特に、本発明の電動ツールによってホイールアライメントを行う場合、そのホイールアライメント時間が全体的に短くなることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の実施形態による電動ツールを図示した斜視図である。
図2図1の矢印A方向から見た図である。
図3図1の矢印B方向から見た図である。
図4】本発明の実施形態による電動ツールのレンチヘッドを図示した図である。
図5】本発明の実施形態による電動ツールでレンチヘッドがブラケット組立体から分解されたことを図示した分解斜視図である。
図6】本発明の実施形態による電動ツールでレンチヘッドがブラケット組立体に装着されたことを図示した斜視図である。
図7】本発明の実施形態による電動ツールでスパナツールがレンチヘッドの回転ソケットに装着されたことを図示した図である。
図8】本発明の実施形態による電動ツールで第1グリッパがブラケット組立体を介してレンチヘッドの第1面に近接して装着されたことを図示した図である。
図9】本発明の実施形態による電動ツールで第2グリッパがブラケット組立体を介してレンチヘッドの第2面に近接して装着されたことを図示した図である。
図10】本発明の実施形態による電動ツールのスパナツールを図示した斜視図である。
図11】本発明の実施形態による電動ツールのスパナツールの構成要素を分解したことを図示した分解斜視図である。
図12】本発明の実施形態による電動ツールのスパナツールの内部を図示した断面図である。
図13図12のC-C線に沿って図示した断面図である。
図14】本発明の実施形態による電動ツールのツールハウジング内でスパナ部材がアングリップ位置に位置したことを図示した図である。
図15】本発明の実施形態による電動ツールのツールハウジング内でスパナ部材がグリップ位置に位置したことを図示した図である。
図16】本発明の実施形態による電動ツールがロボットによってタイロッド組立体に対して離隔したことを図示した図である。
図17】本発明の実施形態による電動ツールがロボットによってタイロッド組立体に位置決めされたことを図示した図である。
図18図17の矢印D部分を拡大した図である。
図19図18の矢印E部分から見た図であり、スパナツールがインナータイロッドの平坦部をアングリップした状態を図示する。
図20図18の矢印E部分から見た図であり、スパナツールがインナータイロッドの平坦部をグリップした状態を図示する。
図21】本発明の実施形態による電動ツールが適用可能な車両のホイールアライメント自動調整システムを例示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一部の実施形態について例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるに際し、同じ構成要素に対しては、異なる図面上に表示されていても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明の実施形態を説明するに際し、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に関する理解を妨げると判断した場合には、その詳細な説明は省略する。
【0053】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに際し、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、他に定義され限り、技術的もしくは科学的な用語をはじめ、ここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的もしくは過剰に形式的な意味に解釈されない。
【0054】
図1を参照すると、本発明の実施形態による電動ツール10は、回転ソケット12を有するレンチヘッド11と、回転ソケット12に装着されたスパナツール15とを含むことができる。
【0055】
図4および図5を参照すると、レンチヘッド11は、サポーティングボディ13の上端に装着され、レンチヘッド11は、回転可能な回転ソケット12を含むことができる。回転ソケット12は、第1開放溝12a(first open recess)を有する円形状であることができ、回転ソケット12の第1開放溝12aは、第1コンポーネントを収容し、グリップするように構成されることができる。回転ソケット12は、第1開放溝12aを限定する複数の内側平坦面12b、12c、12d、12eを有することができ、回転ソケット12の内側平坦面12b、12c、12d、12eは、平坦部の平坦面をグリップすることができる。これにより、第1コンポーネントが第1開放溝12aに収容される時に、複数の内側平坦面12b、12c、12d、12eは、第1コンポーネントをグリップすることができる。一例によると、第1開放溝12aは、六角部をグリップ可能な4個の内側平坦面12b、12c、12d、12eによって限定されることができる。
【0056】
回転ソケット12の第1開放溝12aは、第1コンポーネントのサイズおよび形状に合致するサイズおよび形状を有することができ、これにより、回転ソケット12は、ナット、ボルトなどのように複数の平坦面を有する第1コンポーネントを回転させることで、第1コンポーネントを緩めるか締めるように構成されることができる。
【0057】
一例によると、第1コンポーネントは、六角部(hex portion)などのように、複数の平坦面を有する平坦部(flatted portion)であることができる。例えば、図16のように、第1コンポーネントは、ステアリングメカニズム1のタイロッド組立体3のロックナット4であることができる。ロックナット4は、6個の平坦面を有する六角部を有することができる。これにより、回転ソケット12の第1開放溝12aは、ステアリングメカニズム1のタイロッド組立体3のロックナット4を収容することができ、これにより、回転ソケット12の第1開放溝12aがロックナット4を収容する時に、回転ソケット12の内側平坦面12b、12c、12d、12eがロックナット4をグリップすることができる。
【0058】
レンチヘッド11は、第1方向に向かう第1面41と、第1方向と逆方向である第2方向に向かう第2面42を有することができる。これにより、レンチヘッド11の第1面41および第2面42は、互いに対して対向することができる。回転ソケット12は、第1方向に向かう第1面51と、第1方向と逆方向である第2方向に向かう第2面52を有することができる。これにより、回転ソケット12の第1面51と第2面52は、互いに対して対向することができる。図4図5、および図6を参照すると、回転ソケット12の第1面51は、レンチヘッド11の第1面41と同一平面上に位置(is flush with)することができる。図9を参照すると、回転ソケット12の第2面52は、レンチヘッド11の第2面42と同一平面上に位置することができる。
【0059】
レンチヘッド11は、その内部に提供された駆動メカニズム(図示せず)を含むことができ、駆動メカニズムは、回転ソケット12を時計回りおよび反時計回りに回転させるように構成されることができる。一例によると、駆動メカニズムは、レンチヘッド11の内部に提供された歯車列(図示せず)および駆動アクチュエータなどを含むことができ、回転ソケット12は、その外周面に歯車列(図示せず)の一部の歯車と噛み合う複数の歯型を有することができる。
【0060】
レンチヘッド11は、サポーティングボディ13の上端に装着されることができ、サポーティングボディ13は、レンチヘッド11から所定の長さで延びることができる。一例によると、駆動アクチュエータがサポーティングボディ13内に提供されることができる。
【0061】
サポーティングボディ13は、所定の半径を有する円筒形状を有することができ、装着部13aがサポーティングボディ13の中間部に提供されることができる。装着部13aの外径がサポーティングボディ13の外径より大きいことができ、装着部13aは、平坦な装着面13bを有することができる。装着部13aは、後述するブラケット組立体20に結合することができる。
【0062】
図1図3を参照すると、本発明の実施形態による電動ツール10は、ブラケット組立体20に装着されることができる。図5を参照すると、ブラケット組立体20は、スロット21aを有する第1ブラケット21と、第1ブラケット21に対して直交する第2ブラケット22と、第2ブラケット22に分離可能に装着された第3ブラケット23とを含むことができる。
【0063】
図5および図6を参照すると、第1ブラケット21は、所定の面積を有する平坦なプレート形状であることができる。図6を参照すると、レンチヘッド11の下部が第1ブラケット21のスロット21aに挿入されることができる。
【0064】
第2ブラケット22は、第1ブラケット21の一側端と隣接した部分から延びた平坦なプレート形状であることができる。特に、第2ブラケット22は、第1ブラケット21に対して直交する方向に延びることができる。サポーティングボディ13の装着部13aの装着面13bは、第2ブラケット22の一部分に複数の締結具(スクリュー)を介して分離可能に装着されることができる。
【0065】
第2ブラケット22は、上側装着部22aおよび下側装着部22bを有することができる。上側装着部22aは、四角形状であることができ、図6のように、第3ブラケット23が複数の締結具(スクリュー)を介して上側装着部22aに分離可能に装着されることができる。下側装着部22bは、円形状であることができ、図16および図17のように、下側装着部22bは、複数の締結具(スクリュー)を介してロボット9のアームに分離可能に装着されることができる。
【0066】
第3ブラケット23は、サポーティングボディ13を包むように、「U」字状の断面を有することができ、これにより、第3ブラケット23は、2個の端部を有することができる。図6のように、第3ブラケット23がサポーティングボディ13の上部を包み、第3ブラケット23の2個の端部が複数のスクリュー(例えば、4個のスクリュー)を介して第2ブラケット22の上側装着部22aに結合することができる。これにより、サポーティングボディ13は、第2ブラケット22の上側装着部22aおよび第3ブラケット23によって支持されることができる。
【0067】
図16および図17を参照すると、ブラケット組立体20は、ロボット9などの移動メカニズムに装着されることができる。具体的には、電動ツール10は、ブラケット組立体20を介してロボット9のアームに装着されることで、電動ツール10をロボット9によって移動することができる。本発明の実施形態による電動ツール10は、スパナツール15がレンチヘッド11の回転ソケット12に装着されることで、互いに異なる2以上のコンポーネントをグリップするための構造が全体的にコンパクトになることができ、これにより、その重量が相対的に軽いことができ、ロボット9は、可搬荷重が相対的に小さい小型ロボットであることができる。このように、電動ツール10は、小型ロボットとともに全体的に小さなサイズで構成されることができ、ホイールアライメント測定設備の狭小な空間での設置が容易であるという利点がある。
【0068】
図7を参照すると、スパナツール15は、複数の締結具(スクリュー)を介してレンチヘッド11の回転ソケット12に分離可能に装着されることができ、スパナツール15は、第1コンポーネントに隣接した第2コンポーネントをグリップおよびアングリップするように構成されることができる。これにより、スパナツール15は、回転ソケット12とともに同一方向に回転することができる。スパナツール15の回転軸線は、回転ソケット12の回転軸線に整列されるか偏心されることができる。
【0069】
図10図12を参照すると、スパナツール15は、回転ソケット12に装着されたツールハウジング31と、ツールハウジング31でアングリップ位置(ungrip position)とグリップ位置(grip position)との間に移動可能に装着されたスパナ部材32とを含むことができる。
【0070】
ツールハウジング31は、締結具などを介して回転ソケット12の第1面51に分離可能に装着されることができる。ツールハウジング31は、第2開放溝31aを有することができ、ツールハウジング31は、回転ソケット12と類似する円形状を有することができる。ツールハウジング31は、第2開放溝31aを限定する2個の内側平坦面31b、31cおよび内側カーブ面31d(inner curved surface)を有することができる。内側カーブ面31dは、2個の内側平坦面31b、31cの下端を連結することで、内側カーブ面31dおよび2個の内側平坦面31b、31cは、U字形状を形成することができる。ツールハウジング31の第2開放溝31aは、回転ソケット12の第1開放溝12aに整列されることができる。
【0071】
ツールハウジング31は、スパナ部材32を収容するスロット33を有することができ、スパナ部材32がスロット33内に移動可能に収容されることができ、スロット33は、スパナ部材32の形状に合致する形状を有することができる。これにより、スパナ部材32は、ツールハウジング31のスロット33内で移動可能に装着されることができ、スパナ部材32の移動が、スロット33に沿ってガイドされることができ、スパナ部材32は、ツールハウジング31でアングリップ位置とグリップ位置との間に正確に移動することができる。
【0072】
スパナ部材32は、第3開放溝32aを有することができ、第3開放溝32aは、ツールハウジング31の第2開放溝31aと類似する形状を有することができる。スパナ部材32は、第3開放溝32aを限定する2個の内側平坦面32b、32cおよび内側カーブ面32d(inner curved surface)を有することができる。内側カーブ面32dは、2個の内側平坦面32b、32cの下端を連結することで、内側カーブ面32dおよび2個の内側平坦面32b、32cは「U」字形状を形成することができ、これにより、スパナ部材32は、2個の上端を有することができる。特に、スパナ部材32は、外形的に実質的な「U」字形状を有することができる。第2コンポーネントが第3開放溝32aに収容される時に、複数の内側平坦面32b、32cは、第2コンポーネントをグリップすることができる。
【0073】
第1コンポーネントのサイズおよび第2コンポーネントのサイズが互いに異なる場合に、スパナ部材32の第3開放溝32aは、回転ソケット12の第1開放溝12aと互いに異なるサイズを有することができる。例えば、第1コンポーネントであるロックナット4のサイズが第2コンポーネントであるインナータイロッド3aの平坦部5のサイズより大きい場合に、第1開放溝12aのサイズが第3開放溝32aのサイズより大きいことができる。
【0074】
スパナ部材32の第3開放溝32aは、第2コンポーネントに合致するサイズを有することができ、ツールハウジング31の第2開放溝31aは、第2コンポーネントの外径より相対的に大きいサイズを有することができる。これにより、ツールハウジング31の第2開放溝31aは、スパナ部材32の第3開放溝32aより相対的に大きいサイズを有することができ、ツールハウジング31の第2開放溝31aは、第2コンポーネントを収容することができるが、第2コンポーネントをグリップすることができない。
【0075】
スパナ部材32は、第1コンポーネントに隣接した第2コンポーネントをグリップし回転させるように構成されることができる。例えば、図16のように、第2コンポーネントは、ステアリングメカニズム1のタイロッド組立体3のインナータイロッド3aの平坦部5であることができ、平坦部5は、6個の平坦面を有する六角部であることができる。これにより、スパナ部材32の第3開放溝32aは、インナータイロッド3aの平坦部5を収容することができ、これにより、スパナ部材32の第3開放溝32aがインナータイロッド3aの平坦部5を収容する時に、スパナ部材32の内側平坦面32b、32cがインナータイロッド3aの平坦部5をグリップすることができる。
【0076】
具体的には、スパナ部材32は、第2コンポーネントをアングリップするアングリップ位置(図14および図19参照)と第2コンポーネントをグリップするグリップ位置(図15および図20参照)との間に移動するように構成されることができる。図14および図19を参照すると、スパナ部材32がアングリップ位置に位置する時に、スパナ部材32の第3開放溝32aがツールハウジング31の第2開放溝31aから逸脱することができ、スパナ部材32の少なくとも一部は、ツールハウジング31の外周面から突出することができる。図15および図20を参照すると、スパナ部材32がグリップ位置に位置する時に、スパナ部材32は、ツールハウジング31の中心に向かって移動することで、スパナ部材32の第3開放溝32aがツールハウジング31の第2開放溝31a内に位置することができ、スパナ部材32の下端は、ツールハウジング31のスロット33内に完全に収容されることができる。このように、第2コンポーネントがツールハウジング31の第2開放溝31aに収容される時に、スパナ部材32がアングリップ位置とグリップ位置との間に移動することによって、スパナ部材32の第3開放溝32aは、第2開放溝31aに収容された第2コンポーネントをアングリップおよびグリップすることができる。
【0077】
スパナツール15は、スパナ部材32をアングリップ位置に偏向(bias)させるバネ35をさらに含むことができる。これにより、その保管および待機時に、スパナツール15は、バネ35によってアングリップ位置に維持されることができ、第2コンポーネントに対するグリップが必要な時にのみスパナ部材32がアングリップ位置からグリップ位置に移動することで、スパナ部材32は、第2コンポーネントを正確にグリップすることができる。
【0078】
一例によると、2個のバネ35がツールハウジング31のスロット33内で左右対称に配置されることができ、2個のバネ35は、スパナ部材32をアングリップ位置に押し出す方向にバネ力を提供するように配置されることができる。スパナ部材32は、上端から個別に上向き突出した2個のリテーナ突起32fを有することができ、各バネ35の下端は、それに対応するリテーナ突起32fによって個別に支持されることができる。
【0079】
図10および図11を参照すると、スパナツール15は、ツールハウジング31に装着されたストッパ部材34をさらに含むことができる。ストッパ部材34がスパナ部材32をアングリップ位置に規制するように構成されることで、スパナ部材32は、ツールハウジング31のスロット33から完全に離脱することを防止することができる。スパナ部材32は、ガイド溝36を有することができ、ガイド溝36は、スパナ部材32の移動方向に沿って延びることができ、ストッパ面36aがガイド溝36の上端に提供されることができる。ストッパ部材34は、スパナ部材32のガイド溝36に収容されるストッパ突起38を有することができ、ストッパ突起38がスパナ部材32のストッパ面36aと接触することで、スパナ部材32は、アングリップ位置で規制されることができ、これにより、スパナ部材32は、ツールハウジング31のスロット33に完全に離脱することが防止されることができる。
【0080】
ストッパ部材34は、装着突起34fを有することができ、ストッパ突起38は、装着突起34fから突出することができる。ツールハウジング31は、装着孔31fを有することができ、装着孔31fは、スロット33と直接的に通じることができ、スパナ部材32のガイド溝36は、装着孔31fに向かうことができる。これにより、ストッパ部材34の装着突起34fがツールハウジング31の装着孔31fに嵌合されることで、ストッパ突起38がスパナ部材32のガイド溝36の上部に正確に収容されることができ、ストッパ部材34は、装着突起34fおよび装着孔31fを介してツールハウジング31に簡単且つ正確に装着されることができる。
【0081】
さらに、一つ以上の締結具(スクリュー)がストッパ部材34およびツールハウジング31を締結することで、ストッパ部材34は、ツールハウジング31により強固に装着されることができる。
【0082】
一例によると、スパナ部材32は、2個のガイド溝36を有することができ、2個のガイド溝36は、スパナ部材32上で左右対称に配置されることができ、これにより、スパナ部材32は、2個のストッパ面36aを有することができる。ストッパ部材34は、2個の装着突起34fを有することができ、これにより、ストッパ部材34は、2個のストッパ突起38を有することができる。2個のストッパ突起38が2個のストッパ面36aと個別に接触することで、スパナ部材32は、ストッパ部材34によって安定的に支持されることができる。ツールハウジング31は、2個の装着孔31fを有することができ、2個の装着孔31fは、ツールハウジング31に対称に提供されることができる。2個の装着孔31fは、スロット33と通じることができる。ストッパ部材34の各装着突起34fは、それに対応するツールハウジング31の各装着孔31fに個別に締りばめされることができる。
【0083】
電動ツール10は、レンチヘッド11を挟んで対向するように配置された第1グリッパ60および第2グリッパ70をさらに含むことができる。第1グリッパ60は、レンチヘッド11の第1面41に隣接し、第2グリッパ70は、レンチヘッド11の第2面42に隣接することができる。第1グリッパ60および第2グリッパ70は、ブラケット組立体20の第1ブラケット21の上面に配置されることができる。
【0084】
第1グリッパ60は、スパナツール15の外周面を選択的にグリップすることで、スパナ部材32をツールハウジング31の中心に向かって移動させるように構成されることができる。具体的には、第1グリッパ60がスパナツール15の外周面を全体的にグリップする時に、ツールハウジング31の外周面から突出したスパナ部材32は、第1グリッパ60のグリッピングによってツールハウジング31の中心に向かって移動することができる。
【0085】
具体的には、第1グリッパ60は、第1アクチュエータ61と、第1アクチュエータ61によって移動するように構成された一対の第1グリップ部材62と、一対の第1グリップ部材62の上部に個別に提供された一対の第1ガイド部63とを含むことができる。
【0086】
第1アクチュエータ61は、電動アクチュエータ、空圧アクチュエータ、油圧アクチュエータのうち少なくとも一つであることができる。第1アクチュエータ61は、第1アクチュエータハウジング61aと、第1アクチュエータハウジング61a内に提供された駆動メカニズム(図示せず)とを含むことができる。第1アクチュエータハウジング61aは、第1ブラケット21の上面に固定されることができる。また、第1アクチュエータハウジング61aの上部に提供されたガイド溝61bを有することができ、ガイド溝61bは、一対の第1グリップ部材62の移動をガイドするように構成されることができる。
【0087】
一対の第1グリップ部材62は、スパナツール15の外周面を囲むように互いに対向して配置されることができる。各第1グリップ部材62は、スパナツール15の半分に合致する半円形のグリップ溝62aを有することができ、これにより、一対の第1グリップ部材62のグリップ溝62aは、スパナツール15の外周面に合致する円形を形成することができる。また、各第1グリップ部材62は、第1アクチュエータハウジング61aに向かって突出したガイド突起62bを有することができ、各第1グリップ部材62のガイド突起62bは、第1アクチュエータハウジング61aのガイド溝61bに沿って移動することができる。
【0088】
一対の第1グリップ部材62は、第1アクチュエータ61によってスパナツール15の外周面をアングリップするアングリップ位置(図14参照)とスパナツール15の外周面をグリップするグリップ位置(図15参照)との間に移動するように構成されることができる。
【0089】
図14を参照すると、一対の第1グリップ部材62がアングリップ位置に位置する時に、一対の第1グリップ部材62が互いに離れることで、各第1グリップ部材62のグリップ溝62aは、スパナツール15の外周面から離隔することができ、これにより、一対の第1グリップ部材62は、スパナツール15の外周面をアングリップすることができる。一対の第1グリップ部材62がスパナツール15の外周面をアングリップする時に、スパナ部材32がバネ35のバネ力(spring force)によってツールハウジング31の外側に向かって移動することで、スパナ部材32は、アングリップ位置に移動することができる。
【0090】
図15を参照すると、一対の第1グリップ部材62がグリップ位置に位置する時に、一対の第1グリップ部材62が互いに近づくことで、各第1グリップ部材62のグリップ溝62aは、スパナツール15の外面と接触することができ、これにより、一対の第1グリップ部材620は、スパナツール15の外面をグリップすることができる。一対の第1グリップ部材62がスパナツール15の外面をグリップする時に、スパナ部材32は、ツールハウジング31の中心に向かって移動することで、スパナ部材32は、グリップ位置に移動することができる。この際、バネ35は、スパナ部材32によって圧縮されることができる。
【0091】
各第1ガイド部63は、それに対応する第1グリップ部材62の上端に一体に提供されることができ、第1ガイド部63は、スパナ部材32によってグリップされる第2コンポーネントをガイドする第1テーパ面63aを有することができる。これにより、第2コンポーネントは、第1ガイド部63の第1テーパ面63aを介してスパナ部材32側に正確にガイドされることができ、これにより、スパナ部材32は、第2コンポーネントを正確にグリップすることができる。
【0092】
図1および図3を参照すると、各第1ガイド部63は、それに対応する第1グリップ部材62の上端からレンチヘッド11の上部をカバーするように延びることができる。このように、第1ガイド部63が第1グリップ部材62の上端からレンチヘッド11の上部まで延びることで、第2コンポーネントがスパナ部材32側にガイドされるだけでなく、第1コンポーネントが回転ソケット12側にガイドされることができる。特に、第1テーパ面63aの面積が相対的に増加することができ、第1コンポーネントおよび第2コンポーネントに対する位置決め(positioning)がより正確に行われることができる。
【0093】
第1グリッパ60は、スパナ部材32が第2コンポーネントを正確にグリップしたか否かを判断するセンサ65をさらに含むことができる。センサ65は、第1アクチュエータハウジング61a内に組み込まれることができる。一例によると、センサ65は、電流センサであることができ、電流センサは、一対の第1グリップ部材62がスパナツール15をグリップすることで、スパナ部材32が第2コンポーネントをグリップすることによって出力される電流値をセンシングすることで、スパナ部材32が第2コンポーネントを正確にグリップしたか否かを判断することができる。他の例によると、センサ65は、力センサであることができ、力センサは、一対の第1グリップ部材962がスパナツール15をグリップすることで、スパナ部材32が第2コンポーネントをグリップすることによって出力される力をセンシングすることで、スパナ部材32が第2コンポーネントを正確にグリップしたか否かを判断することができる。
【0094】
第2グリッパ70は、レンチヘッド11の回転ソケット12がグリップする第1コンポーネントに隣接した第3コンポーネントをグリップおよびアングリップするように構成されることができ、第3コンポーネントは、第2コンポーネントの反対側に位置することができる。すなわち、第2コンポーネントおよび第3コンポーネントは、第1コンポーネントを挟んで対向するように配置されることができる。
【0095】
第2グリッパ70が第3コンポーネントをグリップする時に、レンチヘッド11の回転ソケット12は、第1コンポーネントをより正確且つ安定的に回転させることができる。例えば、図16のように、第3コンポーネントは、ステアリングメカニズム1のタイロッド組立体3のアウタータイロッド3bであることができる。これにより、第2グリッパ70がアウタータイロッド3bをグリップする時に、レンチヘッド11の回転ソケット12は、ロックナット4を正確に回転させることができる。
【0096】
具体的には、第2グリッパ70は、第2アクチュエータ71と、第2アクチュエータ71によって移動するように構成された一対の第2グリップ部材72と、一対の第2グリップ部材72の上部に個別に提供された一対の第2ガイド部73とを含むことができる。
【0097】
第2アクチュエータ71は、電動アクチュエータ、空圧アクチュエータ、油圧アクチュエータのうち少なくとも一つであることができる。第2アクチュエータ71は、第2アクチュエータハウジング71aと、第2アクチュエータハウジング71a内に提供された駆動メカニズム(図示せず)とを含むことができる。第2アクチュエータハウジング71aは、第1ブラケット21の上面に装着されることができる。また、第2アクチュエータハウジング71aの上部に提供されたガイド溝71bを有することができ、ガイド溝71bは、一対の第2グリップ部材72の移動をガイドするように構成されることができる。
【0098】
一対の第2グリップ部材72は、第3コンポーネントの外面を囲むように互いに対向して配置されることができる。各第2グリップ部材72は、第3コンポーネントの外面に対応するグリップ溝72aを有することができ、これにより、一対の第2グリップ部材72のグリップ溝72aは、第3コンポーネントの外面に合致するように三角形を形成することができる。また、各第2グリップ部材72は、第2アクチュエータハウジング71aに向かって突出したガイド突起72bを有することができ、各第2グリップ部材72のガイド突起72bは、第2アクチュエータハウジング71aのガイド溝71bに沿って移動することができる。
【0099】
一対の第2グリップ部材72は、第2アクチュエータ71によって第3コンポーネントの外面をアングリップするアングリップ位置(図18の実線参照)と第3コンポーネントの外面をグリップするグリップ位置(図18の一点鎖線参照)との間に移動するように構成されることができる。
【0100】
図18の実線を参照すると、一対の第2グリップ部材72がアングリップ位置に位置する時に、一対の第2グリップ部材72が互いに離れることで、各第2グリップ部材72は、第3コンポーネントであるアウタータイロッド3bの外面から離隔することができ、これにより、一対の第2グリップ部材72は、第3コンポーネントであるアウタータイロッド3bの外面をアングリップすることができる。
【0101】
図18の一点鎖線を参照すると、一対の第2グリップ部材72がグリップ位置に位置する時に、一対の第2グリップ部材72が互いに近づくことで、各第2グリップ部材72のグリップ溝72aは、第3コンポーネントであるアウタータイロッド3bの外面と接触することができ、これにより、一対の第2グリップ部材72は、アウタータイロッド3bの外面をグリップすることができる。
【0102】
各第2ガイド部73は、それに対応する第2グリップ部材72の上端に一体に提供されることができ、第2ガイド部73は、第3コンポーネントをガイドする第2テーパ面73aを有することができる。これにより、第3コンポーネントは、第2ガイド部73の第2テーパ面73aを介して一対の第2グリップ部材72の間に正確にガイドされ位置決めされることができる。
【0103】
図16および図17を参照すると、本発明の実施形態による電動ツール10は、ブラケット組立体20を介してロボット9に装着されることができ、電動ツール10は、ロボット9の動きによって様々な作業対象物に近づくか離隔することができる。
【0104】
図16図20を参照すると、本発明の実施形態による電動ツール10は、ステアリングメカニズム1のタイロッド組立体3の長さを調節することで、車両のトー(toe)を調節し、セッティングするトー調節ツールであることができる。
【0105】
ステアリングメカニズム1は、ステアリングセンターリンクまたはステアリングラックアンドピニオン2と、ステアリングラックアンドピニオン2の両端にピボット可能に連結された一対のタイロッド組立体3とを含むことができる。各タイロッド組立体3は、力をステアリングラックアンドピニオン2から車両ホイールのナックル(knuckle)に伝達するように構成されることができる。
【0106】
図16を参照すると、各タイロッド組立体3は、インナータイロッド3aと、アウタータイロッド3bとを含むことができる。インナータイロッド3aは、雄ねじ部3cおよび雄ねじ部3cに隣接した平坦部5を有することができ、平坦部5は、6個の平坦面を有する六角部であることができる。アウタータイロッド3bは、その内周面に提供された雌ねじ部3dおよびその外周面に提供された四角形突起3fを有することができる。インナータイロッド3aの雄ねじ部3cがアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dに螺合することができる。インナータイロッド3aの雄ねじ部3cがアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dの軸線方向に沿って移動することで、各タイロッド組立体の全長が調節されることができる。ロックナット4がインナータイロッド3aの雄ねじ部3cに螺合し、ロックナット4がインナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dをロックする時に、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dが互いに対して相対的に回転することが防止されることができる。すなわち、ロックナット4が締められる場合、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dはロックされることができ、ロックナット4が緩む場合、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dは、アンロックされることができる。ロックナット4は、6個の平坦面を有する六角部のような平坦部を有することができる。各タイロッド組立体3の長さが調節されることで、車両のトー(toe)が調節されセッティングされることができる。具体的には、ロックナット4が緩んだ後に、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cがインナータイロッド3aの回転によってアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dの軸線方向に沿って移動することで、タイロッド組立体3の長さが調節され、ロックナット4がまた締まることで、タイロッド組立体3の調節された長さがセッティングされることができる。
【0107】
一対の第2グリップ部材72がグリップ位置に位置する時に、第2グリップ部材72のグリップ溝72aは、アウタータイロッド3bの四角形突起3fをグリップすることができる。一対の第2グリップ部材72のグリップ溝72aがアウタータイロッド3bの四角形突起3fをグリップし、ロックナット4が締まるか緩む時に、アウタータイロッド3bの回転が防止されることができる。
【0108】
図17図20は本発明の実施形態による電動ツール10がタイロッド組立体3の長さを調節する過程を図示する。
【0109】
図17を参照すると、本発明の実施形態による電動ツール10は、ロボット9により、各タイロッド組立体3に向かって近づく。電動ツール10のレンチヘッド11の回転ソケット12が各タイロッド組立体3のロックナット4を収容する時に、回転ソケット12の内側平坦面12b、12c、12d、12eらがロックナット4をグリップすることができる。
【0110】
図18を参照すると、回転ソケット12がロックナット4をグリップした状態で、第2グリッパ70は、アウタータイロッド3bの外面をグリップし、これにより、アウタータイロッド3bは、第2グリッパ70によって回転が防止される。このような状態で、回転ソケット12がロックナット4を緩み方向に回転させることで、ロックナット4は緩み、これにより、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dはアンロックされる。
【0111】
図19を参照すると、回転ソケット12がロックナット4を収容する時に、スパナツール15は、インナータイロッド3aの平坦部5を収容することができる。図20を参照すると、第1グリッパ60がスパナツール15をグリップすることで、スパナツール15のスパナ部材32は、インナータイロッド3aの平坦部5をグリップすることができる。
【0112】
ロックナット4が緩んだ後に、第2グリッパ70は、インナータイロッド3aの外面をアングリップする。その後、回転ソケット12がゆっくり回転するとともに、第1グリッパ60がスパナツール15をグリップすることで、第1グリッパ60の第1ガイド部63の第1テーパ面63aがインナータイロッド3aの平坦部5をガイドし、これにより、インナータイロッド3aの平坦部5は、スパナツール15のスパナ部材32の第3開放溝32aに正確に位置決めされることができ、これにより、スパナ部材32の内側平坦面32b、32cは、インナータイロッド3aの平坦部5を正確にグリップすることができる。スパナ部材32がインナータイロッド3aの平坦部5をグリップした後に、回転ソケット12が時計回りまたは反時計回りに回転することで、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cは、アウタータイロッド3bの雌ねじ部3dの軸線に沿って移動することができ、これにより、タイロッド組立体3の長さが調節されることができる。
【0113】
タイロッド組立体3の長さが調節された後に、第1グリッパ60がスパナツール15をアングリップすることで、スパナツール15のスパナ部材32は、インナータイロッド3aの平坦部5をアングリップする。その後、回転ソケット12が締め方向に回転することで、ロックナット4は締められ、これにより、インナータイロッド3aの雄ねじ部3cおよびアウタータイロッド3bの雌ねじ部3dはロックされる。
【0114】
図21は本発明の実施形態による電動ツール10が適用可能な車両のホイールアライメント自動調整システム100を例示したブロック図である。
【0115】
図21を参照すると、ホイールアライメント自動調整システム100は、ホイールアライメント測定設備110と、位置測定用カメラ120と、フロントホイール調整器具130と、リヤホイール調整器具140とを含むことができる。
【0116】
ホイールアライメント測定設備110は、接触式センサ(コンタクタなど)または非接触式センサ(レーザセンサなど)を用いて、車両のホイール角度、車両のホイール整列状態、トーおよびキャンバの整列などを測定するように構成されることができる。
【0117】
位置測定用カメラ120は、電動ツール10がタイロッド組立体3に対して正確に位置決めされるようにタイロッド組立体3の様々なコンポーネントの位置を測定するように構成されることができる。特に、位置測定用カメラ120はインナータイロッド3aの雄ねじ部3cの位置を正確に測定することで、スパナツール15がインナータイロッド3aの平坦部5を正確にグリップすることができる。
【0118】
フロントホイール調整器具130は、電動ツール10と、電動ツール10が装着されたフロントロボット9と、フロントロボット9の位置を調節するフロントロボット位置調節部133と、フロントロボット位置調節部133を支持するフロントテーブル134とを含むことができる。
【0119】
電動ツール10は、上述のように、タイロッド組立体3の長さを調節するように構成されることができ、フロントロボット9は、様々なロボットモーションにより、電動ツール10をタイロッド組立体3に位置決めすることができる。フロントロボット位置調節部133は、三次元直交座標系を用いて、フロントロボット9の位置を3軸方向に多様に調節することができる。フロントテーブル134は、フロントロボット9を支持するように構成されることができ、特に、フロントロボット位置調節部133は、フロントテーブル134上で移動することができる。電動ツール10が故障した場合、フロントロボット9は、フロントロボット位置調節部133を介してフロントテーブル134の端に移動することができ、作業者が手動でタイロッド組立体3の長さを調節することができる。
【0120】
リヤホイール調整器具140は、リヤ調節ツール141と、リヤ調節ツール141が装着されたリアロボット142と、リアロボット142の位置を調節するリアロボット位置調節部143と、リアロボット位置調節部143を支持するリアテーブル144とを含むことができる。
【0121】
リヤ調節ツール141は、リヤホイールのキャンバおよびトーなどを調節するように構成されることができ、リアロボット142は、様々なロボットモーションにより、リヤ調節ツール141をリヤホイールのタイロッド組立体などに位置決めすることができる。リアロボット位置調節部143は、三次元直交座標系を用いて、リアロボット142の位置を3軸方向に多様に調節することができる。リアテーブル144は、リアロボット142を支持するように構成されることができ、特に、リアロボット位置調節部143は、リアテーブル144上で移動することができる。リヤ調節ツール141が故障した場合、リアロボット142は、リアロボット位置調節部143を介してリアテーブル144の端に移動することができ、作業者が手動でリヤホイールのキャンバおよびトーなどを調節およびセッティングすることができる。
【0122】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。
【0123】
したがって、本明細書に開示している実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈すべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0124】
1 ステアリングメカニズム
2 ステアリングラックアンドピニオン
3 タイロッド組立体
3a インナータイロッド
3b アウタータイロッド
3c 雄ねじ部
3d 雌ねじ部
3f 四角形突起
4 ロックナット
5 平坦部
9 ロボット
10 電動ツール
11 レンチヘッド
12 回転ソケット
12a 第1開放溝
12b、12c、12d、12e 内側平坦面
13 サポーティングボディ
13a 装着部
13b 装着面
15 スパナツール
20 ブラケット組立体
21 第1ブラケット
21a スロット
22 第2ブラケット
22a 上側装着部
22b 下側装着部
23 第3ブラケット
31 ツールハウジング
31a 第2開放溝
31b、31c、32b、32c 内側平坦面
31d、32d 内側カーブ面
31f 装着孔
32 スパナ部材
32a 第3開放溝
32f リテーナ突起
33 スロット
34 ストッパ部材
34f 装着突起
35 バネ
36 ガイド溝
36a ストッパ面
38 ストッパ突起
41 レンチヘッドの第1面
42 レンチヘッドの第2面
51 第1面
52 第2面
60 第1グリッパ
61 第1アクチュエータ
61a 第1アクチュエータハウジング
61b、71b ガイド溝
62 第1グリップ部材
62a グリップ溝
62b、72b ガイド突起
63 第1ガイド部
63a 第1テーパ面
65 センサ
70 第2グリッパ
71 第2アクチュエータ
71a 第2アクチュエータハウジング72 第2グリップ部材73 第2ガイド部
73a 第2テーパ面
110 ホイールアライメント測定設備
120 位置測定用カメラ
130 フロントホイール調整器具
133 フロントロボット位置調節部
134 フロントテーブル
140 リヤホイール調整器具
141 リヤ調節ツール
142 リアロボット
143 リアロボット位置調節部
144 リアテーブル


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21