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  • 特開-臀部深層筋押圧具及びその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166937
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】臀部深層筋押圧具及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
A61F5/01 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077819
(22)【出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】518456443
【氏名又は名称】株式会社ベストバランス
(72)【発明者】
【氏名】中村 篤史
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB05
4C098BB08
4C098BC28
4C098BD02
(57)【要約】
【課題】臀部深層筋に効果的にアプローチするととともに他の作業中にも整体治療ができるようにすること。
【解決手段】平行に対向させて配した一対の臀部押圧手段と、当該一対の臀部押圧手段間を連結する連結手段とを有する臀部深層筋押圧具。
【選択図】図1







【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に対向させて配した一対の臀部押圧手段と、当該一対の臀部押圧手段間を連結する連結手段とを有する臀部深層筋押圧具。
【請求項2】
前記一対の臀部押圧手段は、人の仙骨の左右方向の幅に相当する所定の間隔を空けて設けられることを特徴とする請求項1に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項3】
前記所定の間隔は、90mm~100mmであることを特徴とする請求項2に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項4】
前記臀部押圧手段は、当該連結手段の厚み方向に60mm~100mmの幅を有していることを特徴とする請求項1から3項に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項5】
前記臀部押圧手段は、略菱形柱状であることを特徴とする請求項1から4に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項6】
前記臀部押圧手段の角部は略円弧状となっていることを特徴とする請求項1から5に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項7】
前記臀部押圧手段の角部には、突起が設けられていることを特徴とする請求項1から5に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項8】
前記臀部押圧手段を二つの部分から構成し、その一方又は各々が前記連結手段上を摺動し、所望の位置で係止手段によって係止できることを特徴とする請求項1から7に記載の臀部深層筋押圧具。
【請求項9】
平行に対向させて配した一対の臀部押圧手段と、当該一対の臀部押圧手段間を連結する連結手段とを有する臀部深層筋押圧具を用いる臀部深層筋押圧方法であって、
前記臀部深層筋押圧具の底面を比較的平らな水平面に当接させるとともに、前記臀部深層筋押圧具の背面を当該水平面と垂直または垂直に近い所定の角度をなす縦面に当接させるステップと、
ヒトが臀部を前記水平面に位置させて座るステップと、
ヒトが仙骨の左右の位置において臀部深層筋を前記臀部深層筋押圧具の各臀部押圧手段に押し当てるステップと、
使用者が電子通信機器を用いて臀部押圧手段の押圧状態を写真又は動画にて整体師に送信するステップと、
送信されてきた写真又は動画を整体師がコンピュータに蓄積された写真又は動画データと照合するステップと、
前記照合結果をもとに整体師が使用者に臀部押圧手段の位置及び押圧強度についてアドヴァイスを行うステップと、
前記アドヴァイスをもとに使用者が臀部押圧手段の位置と押圧強度とを調整するステップと
を備える臀部深層筋押圧方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕事、その他の時間的、環境的制約から、整体治療に容易に通うことのできない腰痛罹患者が、自宅にて、簡単かつ作業中においても使用することのできる臀部深層筋押圧具、および、その使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛の悩みを抱える者は全国で2800万人以上も居ると言われており、その85%は原因不明とされている。病院やマッサージでもよくならないケースが多くみられる。これは筋力が足りないことや腰の関節をうまく動かせていないなど、関節機能を使いこなせていないことに原因があると言われてきた。そこで、筋肉ストレッチ法、電気治療法、牽引ケア法等様々な方法が提案されてきたが、十分効果を発揮できるには至ってない。
【0003】
発明者らは、腰痛は、臀部深層筋が柔軟性を失い、伸縮できないことによって引き起こされることを発見した。さらに発明者らは、臀部深層筋の特定のツボ(中村ポイント、図6の7参照)にアプローチしこれを押圧すれば、筋肉がほぐれ、腰痛が改善されることを見い出した。しかしながら、おしりの肉は、比較的に厚みがあるため、奥の筋肉にまで外部からは届きにくく、触れにくい。そのため、これまで臀部深層筋特に中村ポイントに十分アプローチすることができなかった。
【0004】
また、昨今、新型コロナウイルス感染症の発生により、勤務形態が大きく変更され、多くの従業者がテレワークを行うようになった。テレワークでは、通常、パソコンを長時間使用することになるため、腰痛を引き起こしやすく、また時間的制約から腰痛治療に行くことも困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-345863号公報
【0006】
【特許文献2】特開2022-54359号公報
【0007】
特許文献1には、中寸楔形マットなどを使用する整体治療用補助具が開示されている(例えば、特許文献1の図1参照)。
【0008】
特許文献2には、臀部下部奥の筋肉に効果的にアプローチする整体治療補助具が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら特許文献1の補助具では、単に筋肉にストレッチ効果を与えるにすぎなかった。
【0010】
また特許文献2の補助具は、使用者が仰向けに使用するものであり、他の作業中に使用することが難しかった。
【0011】
そこで本発明の臀部深層筋押圧具によれば、臀部深層筋の中村ポイントに効果的にアプローチすることができる。また椅子の背もたれに立て掛けて簡単に使用することができ、テレワーク中のパソコン作業等他の作業を中断することなく、椅子に座った状態で整体治療をすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る臀部深層筋押圧具は、平行に対向させて配した一対の臀部押圧手段と、当該一対の臀部押圧手段間を連結する連結手段とを有することを特徴とする。
【0013】
臀部深層筋押圧具の一対の臀部押圧手段は、人の仙骨の左右方向の幅に相当する所定の間隔を空けて設けられるようにしてもよい。
【0014】
臀部深層筋押圧具の一対の臀部押圧手段間の所定の間隔は、好ましくは、90mm~100mmである。
【0015】
臀部深層筋押圧具の臀部押圧手段は、当該連結手段の厚み方向に60mm~100mmの幅を有するようにしてもよい。
【0016】
臀部深層筋押圧具の臀部押圧手段は、略菱形柱状であるようにしてもよい。
【0017】
臀部深層筋押圧具の臀部押圧手段の角部は、略円弧状であるようにしてもよい。
【0018】
臀部深層筋押圧具の臀部押圧手段の角部には、突起が設けてもよい。
【0019】
臀部深層筋押圧具の臀部押圧手段を二つの部分から構成し、その一方又は各々が前記連結手段上を摺動し、所望の位置で係止できるようにしてもよい。
【0020】
本初枝委はまた、平行に対向させて配した一対の臀部押圧手段と、当該一対の臀部押圧手段間を連結する連結手段とを有する臀部深層筋押圧具を用いる臀部深層筋押圧方法であって、前記臀部深層筋押圧具の底面を比較的平らな水平面に当接させるとともに、前記臀部深層筋押圧具の背面を当該水平面と垂直または垂直に近い所定の角度をなす縦面に当接させるステップと、ヒトが臀部を前記水平面に位置させて座るステップと、ヒトが仙骨の左右の位置において臀部深層筋を前記臀部深層筋押圧具の各臀部押圧手段に押し当てるステップと、使用者が電子通信機器を用いて臀部押圧手段の押圧状態を写真又は動画にて整体師に送信するステップと、送信されてきた写真又は動画を整体師がコンピュータに蓄積された写真又は動画データと照合するステップと、前記照合結果をもとに整体師が使用者に臀部押圧手段の位置及び押圧強度についてアドヴァイスを行うステップと、前記アドヴァイスをもとに使用者が臀部押圧手段の位置と押圧強度とを調整するステップとを備える臀部深層筋押圧方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一対の臀部押圧手段が、使用者の仙骨の左右方向幅に相当する幅に配置されているため、臀部深層筋の中村ポイントに効果的にアプローチすることができる。また椅子の背もたれに立て掛けて簡単に使用することができるため、テレワーク中の作業を中断することなく、椅子に座ったまま整体治療をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】斜視図である。
図2】正面図である。
図3】側面図である。
図4】底面図である。
図5】側面図である。
図6】使用状態を示す図である。
図7】臀部の押圧ポイント(中村ポイント)を示す図である。
図8】臀部押圧手段2の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明における臀部深層筋押圧具100の好適な実施の形態について、図1から図7を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態が適用される臀部深層筋押圧具100の斜視図である。
【0024】
臀部深層筋押圧具100は、連結手段1と一対の臀部押圧手段2とを備えている。臀部深層筋押圧具1の材質として、ABS樹脂(Acylonitrile Butadiene Styrene)等の樹脂を用いることができる。ABS樹脂以外にも、アルミニウム等の金属も使用することができる。高級感を出すため、樹脂にメッキ等を施したものであっても良い。
【0025】
以下、連結手段1を垂直に立てた状態、すなわち、臀部深層筋押圧具100を使用状態にして、臀部深層筋押圧具100を説明する。本実施例に係る臀部深層筋押圧具100の寸法は、幅110mm、奥行き60mm 、高さ83mmである(図1を参照)。
【0026】
〔連結手段1〕
連結手段1は後述する一対の臀部押圧手段2を連結する為のものである。本実施例においては、連結手段1と臀部押圧手段2とが一体成型されているが(従い連結の概念には、一体成型することも含む)、連結手段1と臀部押圧手段2とをそれぞれ組み合わせた分割構造とすることも可能である。連結手段1は長方形状をしており、寸法は幅80mm 、高さ83mmである(図2参照)。連結手段1の厚さは10mmである。連結手段1は、長方形の短辺に臀部押圧手段2が連結されている。なお、長方形の中には正方形も含むものとする。
【0027】
〔臀部押圧手段2〕
臀部押圧手段2は臀部深層筋を押圧する為のものである。この臀部押圧手段2について、図1図3を参照して説明する。図1図3においては、一対の臀部押圧手段2が対向させて平行に配され、連結手段1の対向する両辺に連結されている。本実施例において臀部押圧手段2は、菱形柱を立てた形状となっている(図1及び図4参照)。菱形柱形状とすることで、強度を担保することができ、鋭角な角部により臀部深層筋へのアプローチを効果的に行うことができる。菱形柱の中心軸は、前記連結手段1が構成する面と平行となるよう構成されている。
【0028】
臀部押圧手段2の上部の角部3は、使用者10の臀部11に当たる部分である。使用者10に痛みを感じさせないために、角部3はやや丸みをつけられ構成されている(図1図3参照)。臀部押圧手段2には、角部3の代わりに突起を設けても良い(図5参照)。その場合安定的に差位置できるようにするため下部も突出した形状とするのがよい。角部3は使用者10の仙骨の左右方向幅に相当する幅に配置され、その幅は90mmとなっている(図2参照)
【0029】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。図6は本実施例に係る臀部深層筋押圧具100の使用を説明する図である。使用者10は臀部深層筋押圧具100を略垂直な壁に沿わせて置き、臀部深層筋押圧具100の両臀部押圧手段2の角部3が、臀部深層筋の中村ポイント(図7参照)付近に来るように調節する。図6については、臀部深層筋押圧具100を椅子の背もたれに立て掛けた例として説明している。使用者10 は、臀部深層筋押圧具100を臀部11と椅子の背もたれの間に挟んで座る(図6参照)。使用者10が臀部11を臀部押圧手段2方向に押圧することにより、臀部押圧手段2の角部3が臀部深層筋の中村ポイントを効果的に押圧することとなる。このとき、使用者10は、両角部3がそれぞれお尻のえくぼの内側の位置に当たるようする。使用者は軽く背筋を伸ばした状態で、臀部深層筋押圧具100にゆっくり臀部11を押圧する。使用者10は臀部押圧手段2の両角部3が仙骨の下部を挟み込む位置になっていることに注意する。使用者10は、1分を目安に、深呼吸をしながら、リラックスした状態で姿勢を維持する。なお臀部深層筋押圧具1の背面に略垂直壁がない場合又は立て掛けることが難しい場合には、臀部深層筋押圧具100を手で保持して使用するようにしても良い。
【0030】
なお、お尻のえくぼの内側とは、仙腸関節の浅部にあたる部位であり、人体の背面下部、臀裂のちょうど上にしばしば見られる、矢状面に対照的なくぼみのことを言う。上記が、臀部深層筋押圧具100の基本動作である。
【0031】
〔数値範囲〕
臀部深層筋押圧具100の接地面から臀部押圧手段2の角部3の中心部までの高さは75mmとしている。角部3は指の代わりをする。指での施術の実績から、角部3の高さの効果的な数値を決めている。安定性とポイント探し、あとは携帯性の観点から現状がある。
【0032】
両角部3の幅は大きすぎたり小さすぎたりすると、体の中心から両側にある臀部深層筋の両方を効果的に押圧できず、ツボ(中村ポイント)から外れる。そこで本実施例では、前述したように、二つの角部3の幅(離れ)については90mmとしている。仙骨を含む骨の大きさ等を考慮すると、二つの角部3の幅は80~110mmの範囲で、1mm刻みで適当な値をとることができる。
【0033】
臀部押圧手段2の奥行については、60mmとしているが50mm~80mmの範囲で、1mm刻みで適当な値をとることができる。奥行は、大きすぎたり小さすぎたりすると、体の中心から両側にある臀部深層筋を効果的に押圧できず、心地よいポイントから外れる。そのため、角部の奥行は、55mm~65mmが好適である。
以上説明したように本実施形態の臀部深層筋押圧具1によれば、角部3は、使用者10の仙骨の左右方向幅に相当する幅に配置されているため、臀部深層筋の中村ポイントに効果的にアプローチすることができる。
【0034】
本発明に係る臀部深層筋押圧具100の使用に際しては、使用者が電子通信機器を用いて臀部押圧手段2の押圧状態を写真又は動画にて整体師に送り、送られてきた写真又は動画を整体師がコンピュータに蓄積された写真又は動画データと照合し、照合結果をもとに整体師が使用者に臀部押圧手段の位置及び押圧強度について使用者にアドヴァイスを行い、使用者が臀部押圧手段の位置と押圧強度とを調整するといった使い方も可能である。
【0035】
以上、本発明の臀部深層筋押圧具100における実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。例えば、説明した実施形態では、二つの角部3の高さ、幅、奥行きは固定としたが、調整できるようにしてもよい。この場合個人の好みに合わせて効果的に使用することができる。臀部押圧手段2の形状は菱形の柱状としたが、健康サンダルのようにとびとびに突起を設けてもよく、また突起の存在する位置が一直線上にならず、一定の幅を持たせてもよい。また、臀部押圧手段2は波状やジグザク形状の板を正面からみて波等の形状が分かる方向に来るように使ってもよい。これにより、強度が保てたり、波等の振幅の幅の範囲の広い範囲を押圧できる効果が期待できる。正面からみて波等の形状が分かる方向にした場合は、臀部押圧手段2に適度な弾性を与えられる効果が期待できる。
【0036】
さらに、臀部押圧手段2を二つの部分から構成するものとし、一方又は各々の部分が連結手段1上を摺動し、所望の位置で係止手段によって係止できるようにすることも可能である(図8参照)。
【符号の説明】
【0037】
1 連結手段
2 臀部押圧手段
3 角部
10 使用者
11 臀部
100 整体治療用補助具


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8