(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166942
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】マイクロ波加熱機
(51)【国際特許分類】
H05B 6/70 20060101AFI20231115BHJP
H05B 6/62 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
H05B6/70 E
H05B6/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022086427
(22)【出願日】2022-05-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】510219925
【氏名又は名称】谷 繁夫
(72)【発明者】
【氏名】谷 繁夫
【テーマコード(参考)】
3K090
【Fターム(参考)】
3K090AA01
3K090AA12
3K090AB02
3K090CA08
3K090NB05
3K090NB07
3K090PA01
(57)【要約】
【課題】植物蛋白原料より肉様食品を製造する加熱装置に於いてエクストルージョンクッキングに代る簡易な加熱機を提供する。
【解決手段】導波管式アプリケータに於いて、発振器に接続されたEベンド5の中心を貫通するように誘電損失の少ないパイプを取り付け、この部で定在波の高電界による原料を高温高圧にし、細径のダイより大気に放出するマイクロ波の構成。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波加熱装置に於いて、強電界が得られるシングルモードの導波管Eベンド5の中心を加熱パイプが貫通している事を特徴とするマイクロ波加熱機。
【請求項2】
3aフランジ及び3bフランジと5Eベンド導波管迄の距離を、2λ、4λ(λ=12.2cm)にする構造の請求項1に記載のマイクロ波加熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物蛋白原料より、肉様食品を製造する加熱装置に於いて、簡易でサニタリー性に富み、高温高圧の加工調理が出来るマイクロ波加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文献3、文献4の2軸エクストルーダーを用いて蒸気による間接加熱と、複雑なバレルの組み合わせ攪拌で、高温高圧を発生させる植物肉の製法は公知である。
【0003】
文献1、文献2、に開示されている、マルチモードのマイクロ波加熱の、オーブン方式及び電子レンジなどは加熱を函体内部の広い範囲に分散させて、被加熱物が吸収出来るマイクロ波が平均化するようにしたもの。
【0004】
文献5、は水分約50%の戻し餅を攪拌しながらマイクロ波加熱殺菌するのに、圧力調節弁を使用して温度に対応した圧力の制御をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公報 昭59-45198 マイクロ波加熱整形装置
【特許文献2】特許公報 平4-144657 戻し餅のリサイクル方法および装置
【特許文献3】特開 昭61-25457 丸大豆の組織化法
【特許文献4】特許公報 昭45-16778 蛋白質の製品製造方法
【特許文献5】特開 2000-60511 加熱殺菌方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のエクストルーダーは、その機能や高温高圧による、肉様食品が得られるが、間接加熱での高温による内壁面の過熱による焦げ防止するために原料水分が50%と多く必要になり、細径ダイを通じて低圧の環境下に押しだし処理をしたものの水分値が高くなる。
【0007】
産業用エクストルーダーに於ける機能、高い内部圧力を維持して均一に加熱するための、バレルやスクリュウの組み合わせには大きな動力と複雑な機構が必要、これらを改善して多品種少量、サニタリー性の良い機能を備えての製造が可能になる簡易な機械が望まれる。
【0008】
また電子レンジやマイクロ波加熱室でのマルチモードのマイクロ波を分散させた方式では加熱効率が悪いため、組織状蛋白に転化させる用途に適するマイクロ波加熱器が必要になる。
【0009】
電波漏洩の防止とEベンド部5での電界強度を高めるために導波管内に定在波を起こす構造が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わるマイクロ波加熱機は高温高圧による肉様組織を作る上記に代わる加熱源はマイクロ波であり、離型性の良いテフロンパイプにて直接加熱を行うことで、複雑なバレルやスクリュウが不要になり、少ない水分で加熱出来、外気へ放出した食品の水分が少なくなる。
【0011】
効率の良い高温高圧を得るために導波管式アプリケータによるシングルモードのマイクロ波加熱手段が有効である。
【0012】
発振器に近いEベンド5のフランジ3aとフイーダーに近い3bの導波管式アプリケータに於いて、電波漏洩の防止と、3bで反射し、定在波が発生して不均一な加熱が生じる。
【0013】
そのときのEベンド5と3a、3bの距離を、2λ、3λで導波管を形成する。
【発明の効果】
【0014】
マイクロ波により直接加熱され、複雑なバレルの組み合わせによる攪拌なしに、水分が約25%迄少なくても焦げ難く均一に加熱される事が出来る。
【0015】
離型性が良く、誘電損失の少ないテフロンパイプによりサニタリーが簡易で管内の圧力差に応じた高温が得られる結果、蛋白質の組織化が可能となり、多品種少量生産に適したマイクロ波加熱による肉様植物蛋白食品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係わるマイクロ波加熱装置の側面図一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明に係わるマイクロ波加熱機の実施例を示す。
図1に於いて1ホッパーにペースト状に配合された水分25%の植物蛋白原料が2軸スクリュウフィーダーにより金属パイプ2を通って圧送される。
【0018】
マイクロ波発振器6により発生したマイクロ波がEベンド5の導波管で電界が最も大きくなる集中加熱を与え、原料の持つ水蒸気による膨張で高圧力を発生させる。
【0019】
余剰のEベンド5を通過したマイクロ波はテフロンパイプ3の部分に於いて予備的加熱に供した後に、フランジ3bにて終端反射し、元の波とで定在波を構成してマイクロ波加熱を行っている。
【0020】
Eベンド5にて高温高圧に加熱された蛋白原料は温度計を備えたレジューサーに蓄えられ細径のダイより出口大気に放出される。
【符号の説明】
【0021】
1 原料供給ホッパー、2軸スクリュウフィーダー
2 金属製サニタリーパイプ
3 誘電損失の少ないテフロンパイプ
3a発振器側 金属製導波管
3b原料供給側 金属製導波管
4 金属製サニタリーレジューサー
5 Eベンド導波管
6 マイクロ波発振器