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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166962
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】模型玩具、及び関節構造
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/46 20060101AFI20231115BHJP
   A63H 3/36 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
A63H3/46 B
A63H3/36 D
A63H3/36 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197355
(22)【出願日】2022-12-09
(62)【分割の表示】P 2022077680の分割
【原出願日】2022-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 翔一
(72)【発明者】
【氏名】生頼 卓也
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA01
2C150DA27
2C150DA28
2C150EH07
2C150EH08
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】本発明は、例えば模型玩具において、自然な印象で動作を行う可動機構を実現する仕組みを提供する。
【解決手段】本模型玩具は、模型玩具の第1部分(102)に対して第2部分(103a、103b)を回動可能に連結する連結部材(206)と、円筒形状の凹部(301)を有し、関節の基部となる基部材(201)と、一端に凹部に回転可能に連結される第1連結部(303)と、他端に連結部材に連結される第2連結部(304)とを有する軸部材(202)とを備える。また、第2部分は、連結部材による回動動作に加えて、第1連結部を中心とする軸部材の回転に従って第1部分に対して回転する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具であって、
前記模型玩具の第1部分に対して第2部分を回動可能に連結する連結部材と、
円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、
一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、
前記第2部分は、前記連結部材による回動動作に加えて、前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転に従って前記第1部分に対して回転することを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記第2部分を構成するパーツであって、前記軸部材が連結された前記基部材を挟持する第1パーツ及び第2パーツをさらに備え、
前記基部材は、さらに、前記第1パーツ及び前記第2パーツに回転可能に連結される第3連結部及び第4連結部を備え、
前記第2部分は、前記第3連結部及び第4連結部を中心とした前記基部材の回転に従って、前記第1部分に対して上下方向に動作することを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第1パーツ及び前記第2パーツには、それぞれ下部に第1連結部分と第2連結部分とを備え、
前記第1パーツ及び前記第2パーツが前記基部材を挟持して組み合わされると、前記第1連結部分と前記第2連結部分とが組み合わされて第5連結部を形成し、
前記第5連結部は、前記第2部分を構成する第3パーツに回転可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記連結部材の一端は球形状の第6連結部を有し、
前記軸部材の前記第2連結部は、前記第6連結部を受け入れる円筒形状の凹部であり、
前記第2部分は、球形状の前記第6連結部を中心に全方向に回動可能であることを特徴とする請求項3に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記第1部分は前記模型玩具の胴体部であり、
前記第2部分は前記模型玩具の腕部であり、
前記第1パーツ及び前記第2パーツは肩パーツを構成することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転に従って、前記第2部分である腕部が前記第1部分である胴体部に対して、前記模型玩具における前後方向にひねられることを特徴とする請求項5に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記軸部材はL字形状で形成されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項8】
関節構造であって、
一端が球形状で形成される連結部材と、
円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、
一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材の一端に回動可能に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、
前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転による第1可動機構と、
前記連結部材の一端を中心とする前記軸部材の回動による第2可動機構と
を有することを特徴とする関節構造。
【請求項9】
前記軸部材が連結された前記基部材を挟持する第1パーツ及び第2パーツをさらに備え、
前記基部材は、さらに、前記第1パーツ及び前記第2パーツに回転可能に連結される第3連結部及び第4連結部を備え、
前記第3連結部及び第4連結部を中心とした前記基部材の回転による第3可動機構をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の関節構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具、及び関節構造に関する。
【背景技術】
【0002】
人間や動物の動きに近い動作やポージングを実現すべく、人形玩具(模型玩具)には種々の関節や可動部が含まれる。これらの機構により様々なポージングを実現することができる。しかし、人形玩具に人間等と同数の関節等を設けることは、多数の部材が必要となり、精巧な人形玩具であってもその数には限りがあり実現は困難である。従って、上述のような動作やポージングを実現するためには、より少ない関節や部材で構成しつつ、関節やそれに連結される部位の可動域を拡大させることが重要である。可動域を拡大させることによって、より自由度の高い動作や多彩なポージングを行うことができる。特許文献1には、現実の動物と同様なリアルな動きを可能とした関節構造を有している四足動物人形が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-17264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、多彩な動作を実現するために種々の関節が含まれ、各関節は複数のパーツから構成されている。しかし、小型の人形型玩具においては、その空間的な制限からできる限り少ない数のパーツで多彩な動作を行うことが求められる。
【0005】
本発明は、例えば、模型玩具において、自然な印象で動作を行う可動機構を実現する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば模型玩具であって、前記模型玩具の第1部分に対して第2部分を回動可能に連結する連結部材と、円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、前記第2部分は、前記連結部材による回動動作に加えて、前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転に従って前記第1部分に対して回転することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば関節構造であって、一端が球形状で形成される連結部材と、円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材の一端に回動可能に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転による第1可動機構と前記連結部材の一端を中心とする前記軸部材の回動による第2可動機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、模型玩具において、自然な印象で動作を行う可動機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る模型玩具の外観正面及び外観側面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る腕部を分解した様子を示す斜視図。
図3】一実施形態に係る肩関節を分解した斜視図。
図4】一実施形態に係る肩関節の第1動作を示す斜視図。
図5】一実施形態に係る第1動作に従った腕部の動作を示す平面図。
図6】一実施形態に係る肩関節の第2動作を示す正面図及び断面図。
図7】一実施形態に係る上腕部の動作を示す側面図及び断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<模型玩具の外観>
まず図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の外観構成の一例について説明する。図1(a)は模型玩具100の外観正面を示し、図1(b)は模型玩具100の外観側面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における模型玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0012】
模型玩具100は、本体部を構成する頭部101、胴体部102、腕部103及び脚部105を備える。本実施形態では模型玩具の一例として人型ロボットを例に説明するが、本発明を限定する意図はなく、本発明は人、動物、ロボット、昆虫、恐竜、武具、装飾具等、様々な模型に適用することができる。頭部101は、第1部分である胴体部102に連結される。胴体部102には、さらに側部において第2部分である右腕部103b及び左腕部103aが球形状の連結部材によって連結され、下部において右脚部104b及び左脚部104aが連結される。つまり、左腕部103a及び右腕部103bは、胴体部102に対して、他のパーツとの空間制限の範囲内で全方向へ回動可能に取り付けられる。このような構成をボールジョイントと称する。
【0013】
<腕部の組立構成>
次に図2を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の腕部103の組立構成について説明する。図2(a)は模型玩具100から左腕部103aを外した様子を示す。図2(b)は左腕部の分解斜視図を示す。ここでは、左腕部103aの構成について説明する。なお、右腕部103bの構成も左腕部103aと同様であるため説明は省略する。
【0014】
図2(a)に示すように、左腕部103aは、連結部材206によって胴体部102へ連結される。連結部材206の一端には球形状に形成された連結部が設けられ、当該連結部は左腕部103aに連結される。したがって、左腕部103aは胴体部102に対して、他の部材の制限の範囲内で全方向に回動可能に連結される。
【0015】
図2(b)に示すように、左腕部103aは、肩関節、上腕部、及び前腕部205によって構成される。肩関節及び上腕部は、肩関節の基部材201、軸部材202、肩パーツ203a、203b、及び部材204を含んで構成される。これらのパーツの組立構成としては、肩関節の基部材201に対して軸部材202が挿入され肩関節が形成される。また、肩パーツ203a、203bが、当該肩関節を挟持するように組み合わされ、さらに装飾部である部材204が組み付けられる。これにより、肩関節及び上腕部が組み立てられる。なお、肩パーツ203a、203bは、それぞれ第1パーツ、第2パーツの一例である。さらに、肩関節及び上腕部は、肩パーツ203a、203bが組み合わされることにより、その下部に形成される連結部が前腕部205に対して連結される。当該連結部についての詳細は図7を用いて後述する。
【0016】
<肩関節の詳細構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る肩関節の詳細構成について説明する。図3は、左腕部103aの一部を構成する肩関節と、左腕部103aを胴体部102へ連結する連結部材206との分解斜視図を示す。右腕部103bの構成は、左腕部103aの構成と同様であるため説明を省略する。
【0017】
肩関節の基部材201には、その中央上部に軸部材202を受け入れる円筒形状の凹部301と、両側面に円筒部302a、302b(第3連結部、第4連結部)とを含んで形成される。また、軸部材202は、L字形状で形成され、上部に棒部(第1連結部)303と、下部に横方向から連結部材206を受け入れる円筒形状の凹部(第2連結部)304とを含んで形成される。軸部材202の棒部303は、基部材201の凹部301に回転可能に連結される。また、軸部材202の凹部304には、連結部材206の球形状の連結部(第6連結部)306が全方向に回動可能に接続される。このように、軸部材202と連結部材206によって第2可動機構が実現される。
【0018】
肩パーツ203bには内部に基部材201の円筒部302bを受け入れるための円筒形状の凹部305が形成される。不図示ではあるが、同様に肩パーツ203aには、円筒部302aを受け入れるための筒形状の凹部が形成される。基部材201及び軸部材202で構成される肩関節は、肩パーツ203a、203bによって挟持されるように組み付けられる。その際、肩パーツ203a、203bの凹部305は、基部材201のそれぞれの円筒部302a、302bを回転可能に受け入れる。
【0019】
また、肩パーツ203a、203bを組み付けた後も、軸部材202の凹部304は露出しており、連結部材206の一端に形成された連結部306を連結することができる。連結部材206の他端に形成されたドーナツ形状の連結部307は、胴体部102を構成する1つのパーツ(例えば、連結部307を嵌め込む凸部を有する)に対して回転可能に連結される。本実施形態では、連結部307は内側に空洞を有する円筒形状で形成される例について説明するが、本発明を限定する意図はなく、他の形状の連結部であってもよい。
【0020】
<肩関節の第1動作>
次に図4及び図5を参照して、本実施形態に係る肩関節の第1動作(第1可動機構)について説明する。本実施形態に係る肩関節の第1動作は、腕部のひねり動作を実現するものである。図4は肩関節において軸部材202を回転させた様子を示す斜視図を示す。実線で示す軸部材202は通常位置の状態を示し、点線で示す軸部材202は通常位置から回転させた状態を示す。
【0021】
図4(a)に示すように、軸部材202は、棒部303を軸として、基部材201に形成された凹部301の内側で、基部材201に対して模型玩具100の後方向へ回転することができる。また、図4(b)に示すように、同様に、基部材201に対して模型玩具100の前方向へも回転することができる。
【0022】
図5図4に示す肩関節の第1動作に従った模型玩具100の左腕部103aの動作を示す。図5(a)は図4(a)の動作に対応し、図5(b)は図4(b)の動作に対応する。
【0023】
図5(a)に示すように、図4(a)に示す軸部材202の模型玩具100の後方向への回転に伴い、左腕部103aは模型玩具100の前方向に、かつ胴体部102に近づく方向にひねるような動作を行うことができる。一方、図5(b)に示すように、図4(b)に示す軸部材202の模型玩具100の前方向への回転に伴い、左腕部103aは模型玩具100の後方向に、かつ胴体部102に近づく方向にひねるような動作を行うことができる。
【0024】
このように、本実施形態によれば、肩関節における軸部材202の回転動作に従って、模型玩具100における腕部103のひねり動作を実現することができる。また、右腕部103bも左腕部103aと同様にひねり動作を実現することができる。これにより、本実施形態に係る模型玩具100はより自然な動作と、より多彩なポージングとを実現することができる。なお、ひねり動作(第1動作)を実現する構成を胴体部102側に設けることも考えられる。しかし、その場合においては、胴体側の接続ブロックが肥大化してしまい、外観を損ねる可能性がある。したがって、本実施形態によれば、ひねり動作を肩関節で実現することにより、そのような胴体部の肥大化を防ぐことができる。さらに、腕部103は胴体部102に対して球形状の連結部306を有する連結部材206によって連結されていることから、これらのひねり動作に加えて、さらに、他のパーツの空間的な制限の範囲内で全方向に回動することができ、より可動域を広げることができる。
【0025】
<肩関節の第2動作>
次に図6を参照して、本実施形態に係る肩関節の第2動作(第3可動機構)について説明する。本実施形態に係る肩関節の第2動作は、腕部の上下方向への動作を実現するものである。図6(a)は肩パーツ203bに対する肩関節の回転動作を示し、図6(b)、(c)はそれぞれ上腕部の断面を含む腕部を示す。
【0026】
図6(a)では、基部材201及び軸部材202によって構成される肩関節が肩パーツ203bに対して連結された様子を示す。具体的には、肩パーツ203bの凹部305に基部材201の円筒部302bが回転可能に挿入されることにより連結される。従って、肩パーツ203bに連結された状態で、肩関節は点線及び点線の矢印で示すように他のパーツによる干渉の範囲内で回転可能となる。
【0027】
図6(b)は肩関節が模型玩具100の円筒部302bを中心に時計回りに回転した様子を示す。肩関節が時計回りに回転すると、それに伴い肩関節に連結されている連結部材206も同様に動作する。ここで、連結部材206は胴体部102に固定された連結部307を中心に回転され、それに伴い反対側の連結部306は下方向へ動作することになる。この連結部材の動作に従って腕部103aは下方向へ動作する。
【0028】
図6(b)は肩関節が模型玩具100の円筒部302bを中心に反時計回りに回転した様子を示す。肩関節が反時計回りに回転すると、それに伴い肩関節に連結されている連結部材206も同様に動作する。ここで、連結部材206は胴体部102に固定された連結部307を中心に回転され、それに伴い反対側の連結部306は上方向へ動作することになる。この連結部材の動作に従って腕部103aは上方向へ動作する。
【0029】
このように、本実施形態によれば、肩関節における肩パーツ203a、203bへ連結される円筒部302a、302bを中心とした回転により、腕部103a、103bを上下方向に動作させることができ、上記第1の動作や連結部材206のボールジョイントによる回動動作と合わせて、より自然な動作と、より多彩なポージングとを実現することができる。
【0030】
<前腕部の回転動作>
次に図7を参照して、本実施形態に係る前腕部205の回転動作について説明する。図7(a)は肩関節の分解側面図を示す。図7(b)は図7(a)に示すパーツを組み立てられた側面図を示す。図7(c)は上腕部の断面を含む腕部を示す。
【0031】
図7(a)に示すように、基部材201及び軸部材202によって構成される肩関節に対して模型玩具100の前後方向から肩パーツ203a、203bが組み付けられる。肩パーツ203a、203bの下部にはそれぞれ連結部(第5連結部)702を構成する部分701a、701b(第1連結部分、第2連結部分)が形成されている。部分701a、701bはそれぞれが半円形上に形成されている。
【0032】
図7(b)に示すように、図7(a)に示す各パーツが組み立てられると、部分701a、701bが組み合わされて連結部702が形成される。連結部702は、円形部702aと、円形部702aよりも外径が小さい円筒部702bとで形成される。連結部702は上腕パーツ703に連結される。上腕パーツ703は第3パーツの一例である。
【0033】
図7(c)に示すように、上腕パーツ703は円形部702aと、円筒部702bを両側から挟持するように組み立てられる。従って、円形部702aと円筒部702bとの外径の差により上腕パーツ703からの抜けを防止するとともに、上腕パーツ703が連結部702に対して回転可能に連結される。また、上腕パーツ703にはその下部に前腕部205が連結される。従って、上腕パーツ703の回転に従って前腕部205も同様に回転する。
【0034】
このように、本実施形態によれば、肩関節における肩パーツ203a、203bによって構成される連結部702に対して上腕パーツ703が回転可能に連結され、更には上腕パーツの下部に連結された前腕部205も同様に回転動作を行うことができる。これにより、上記第1の動作や、第2動作、連結部材206のボールジョイントによる回動動作と合わせて、より自然な動作と、より多彩なポージングとを実現することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る模型玩具は、模型玩具の第1部分(102)に対して第2部分(103a、103b)を回動可能に連結する連結部材(206)と、円筒形状の凹部(301)を有し、関節の基部となる基部材(201)と、一端に凹部に回転可能に連結される第1連結部(303)と、他端に連結部材に連結される第2連結部(304)とを有する軸部材(202)とを備える。また、第2部分は、連結部材による回動動作に加えて、第1連結部を中心とする軸部材の回転に従って第1部分に対して回転する。これにより、本実施形態によれば、模型玩具において、より少ないパーツで複数の可動機構を実現することができる。また、本発明は、自然な印象で動作を行う可動機構を実現することができる。
【0036】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば模型玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【0037】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具、及び関節構造を少なくとも開示する。
【0038】
(1)模型玩具であって、
前記模型玩具の第1部分に対して第2部分を回動可能に連結する連結部材と、
円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、
一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、
前記第2部分は、前記連結部材による回動動作に加えて、前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転に従って前記第1部分に対して回転することを特徴とする模型玩具。
【0039】
(2)前記第2部分を構成するパーツであって、前記軸部材が連結された前記基部材を挟持する第1パーツ及び第2パーツをさらに備え、
前記基部材は、さらに、前記第1パーツ及び前記第2パーツに回転可能に連結される第3連結部及び第4連結部を備え、
前記第2部分は、前記第3連結部及び第4連結部を中心とした前記基部材の回転に従って、前記第1部分に対して上下方向に動作することを特徴とする(1)に記載の模型玩具。
【0040】
(3)前記第1パーツ及び前記第2パーツには、それぞれ下部に第1連結部分と第2連結部分とを備え、
前記第1パーツ及び前記第2パーツが前記基部材を挟持して組み合わされると、前記第1連結部分と前記第2連結部分とが組み合わされて第5連結部を形成し、前記第5連結部は、前記第2部分を構成する第3パーツに回転可能に連結されることを特徴とする(2)に記載の模型玩具。
【0041】
(4)前記連結部材の一端は球形状の第6連結部を有し、
前記軸部材の前記第2連結部は、前記第6連結部を受け入れる円筒形状の凹部であり、
前記第2部分は、球形状の前記第6連結部を中心に全方向に回動可能であることを特徴とする(1)から(3)の何れか一つに記載の模型玩具。
【0042】
(5)前記第1部分は前記模型玩具の胴体部であり、
前記第2部分は前記模型玩具の腕部であり、
前記第1パーツ及び前記第2パーツは肩パーツを構成することを特徴とする(2)乃至(4)の何れか一つに記載の模型玩具。
【0043】
(6)前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転に従って、前記第2部分である腕部が前記第1部分である胴体部に対して、前記模型玩具における前後方向にひねられることを特徴とする(5)に記載の模型玩具。
【0044】
(7)前記軸部材はL字形状で形成されることを特徴とする(1)乃至(6)の何れか一つに記載の模型玩具。
【0045】
(8)関節構造であって、
一端が球形状で形成される連結部材と、
円筒形状の凹部を有し、関節の基部となる基部材と、
一端に前記凹部に回転可能に連結される第1連結部と、他端に前記連結部材の一端に回動可能に連結される第2連結部とを有する軸部材とを備え、
前記第1連結部を中心とする前記軸部材の回転による第1可動機構と、
前記連結部材の一端を中心とする前記軸部材の回動による第2可動機構と
を有することを特徴とする関節構造。
【0046】
(9)前記軸部材が連結された前記基部材を挟持する第1パーツ及び第2パーツをさらに備え、
前記基部材は、さらに、前記第1パーツ及び前記第2パーツに回転可能に連結される第3連結部及び第4連結部を備え、
前記第3連結部及び第4連結部を中心とした前記基部材の回転による第3可動機構をさらに有することを特徴とする(8)に記載の関節構造。
【0047】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
100:模型玩具、101:頭部、102:胴体、103a、103b:腕部、104a、104b:脚部、201:基部材、202:軸部材、203a、203b:肩パーツ、204:部材、205:前腕部、206:連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7