(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023166988
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】吸着剤、成形体、組成物、化合物の製造方法および化合物
(51)【国際特許分類】
B01J 20/22 20060101AFI20231115BHJP
C25B 3/23 20210101ALI20231115BHJP
C25B 3/07 20210101ALI20231115BHJP
C07C 46/06 20060101ALI20231115BHJP
C07C 50/08 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
B01J20/22 A
C25B3/23
C25B3/07
C07C46/06 CSP
C07C50/08
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073295
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2022077740
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(72)【発明者】
【氏名】山口 修平
(72)【発明者】
【氏名】小森 政二
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 優子
(72)【発明者】
【氏名】岸川 洋介
(72)【発明者】
【氏名】山内 昭佳
(72)【発明者】
【氏名】青山 博一
(72)【発明者】
【氏名】田中 義人
(72)【発明者】
【氏名】生越 友樹
(72)【発明者】
【氏名】大西 克知
(72)【発明者】
【氏名】大谷 俊介
(72)【発明者】
【氏名】稲木 信介
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 智紀
【テーマコード(参考)】
4G066
4H006
4K021
【Fターム(参考)】
4G066AB05B
4G066CA33
4G066CA51
4G066CA56
4G066DA01
4G066FA40
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB99
4H006AC44
4K021AC04
4K021AC06
4K021AC24
4K021BA06
4K021BA17
4K021BB01
4K021BB03
4K021BB05
4K021DA13
4K021DB18
4K021DB28
4K021DC15
(57)【要約】
【課題】本開示は、新規な吸着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示は、式(3)で表される化合物を含む。
[式(3)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(3)で表される化合物を含む、吸着剤。
【化1】
[式(3)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【請求項2】
R1およびR2は、水素原子である、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
n1は、5または6である、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項4】
炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスを吸着する、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項5】
前記ハロゲン化炭化水素が、フルオロカーボンである、請求項4に記載の吸着剤。
【請求項6】
前記フルオロカーボンが、ジフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンまたはクロロジフルオロメタンである、請求項5に記載の吸着剤。
【請求項7】
前記ハロゲン化炭化水素が、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の吸着剤。
【請求項8】
前記炭化水素は、炭素数1~8の炭化水素である、請求項4に記載の吸着剤。
【請求項9】
前記アルコールは、炭素数1~8のアルコールである、請求項4に記載の吸着剤。
【請求項10】
以下の式
2×(3V/4π)1/3
[ただし、Vは、Fedorsの方法により計算されるモル分子容を表す。]
で計算される、前記炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはアルコールのモル分子径Rが、6.8cm/mol以下である、請求項4に記載の吸着剤。
【請求項11】
さらに、式(1)で表される化合物を含む請求項1に記載の吸着剤。
【化2】
[式(1)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【請求項12】
さらに、式(2)で表される化合物を含む請求項1に記載の吸着剤。
【化3】
[式(2)中、
R
3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
4は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
5は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
R
6は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
n3は、4~20の整数である。]
【請求項13】
さらに、式(4)で表される化合物を含む請求項1に記載の吸着剤。
【化4】
[式(4)中、
R
7は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
8は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
9は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n4は、1~19の整数、n5は、1~19の整数であり、n4とn5の合計は、4~20である。
ただし、n4またはn5を付して括弧で括られた単位の存在順序は式(4)中において任意である。]
【請求項14】
さらに、式(5)で表される化合物を含む請求項1に記載の吸着剤。
【化5】
[式(5)中、
R
1aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
3aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
4aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
m1は、4~20の整数である。
ただし、R
1a、R
2a、R
3aおよびR
4aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。]
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の吸着剤を含む成形体。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の吸着剤と;炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、組成物。
【請求項17】
式(1)で表される化合物を、電気化学的に酸化することにより、
【化6】
[式(1)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
式(3)で表される化合物を得ることを含む、製造方法。
【化7】
[式(3)中、
R
1、R
2およびn1は、上記と同意義である。]
【請求項18】
R1およびR2は、水素原子である、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
n1は、5である、請求項17または18に記載の製造方法。
【請求項20】
式(1a)で表される化合物を酸化することにより、
【化8】
[式(1a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
式(3a)で表される化合物を得ることを含む、製造方法。
【化9】
[式(3a)中、
R
1、R
2およびn2は、上記と同意義である。]
【請求項21】
R1およびR2は、水素原子である、請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
n2は、6である、請求項20または21に記載の製造方法。
【請求項23】
式(3a)で表される化合物。
【化10】
[式(3a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
【請求項24】
R1およびR2は、水素原子である、請求項23に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸着剤、成形体、組成物、化合物の製造方法および化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
環状化合物として、ピラーアレーン、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレーン、ククルビットウリル等の化合物が知られている。特許文献1では、環状構造を有するポリマーとして、ピラーアレーンが提案されている。また、特許文献2には、ピラーアレーンを部分的に酸化した化合物を焼成することで、多孔質炭素材料を得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-221893号公報
【特許文献2】特開2016-164107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、新規な吸着剤を提供することを目的とする。また、本開示は、該吸着剤を含む組成物、吸着剤として作用しうる化合物の製造方法および該化合物の提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下を含む。
[1]
式(3)で表される化合物を含む、吸着剤。
【化1】
[式(3)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
[2]
R
1およびR
2は、水素原子である、[1]に記載の吸着剤。
[3]
n1は、5または6である、[1]または[2]に記載の吸着剤。
[4]
炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスを吸着する、[1]~[3]のいずれか1つに記載の吸着剤。
[5]
前記ハロゲン化炭化水素が、フルオロカーボンである、[4]に記載の吸着剤。
[6]
前記フルオロカーボンが、ジフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンまたはクロロジフルオロメタンである、[5]に記載の吸着剤。
[7]
前記ハロゲン化炭化水素が、ジクロロメタン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[4]に記載の吸着剤。
[8]
前記炭化水素は、炭素数1~8の炭化水素である、[4]~[7]のいずれか1つに記載の吸着剤。
[9]
前記アルコールは、炭素数1~8のアルコールである、[4]~[8]のいずれか1つに記載の吸着剤。
[10]
前記炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはアルコールの原子団ユニット当たりの平均モル体積が、10cm
3/mol以上70cm
3/mol以下である、[4]~[9]のいずれか1つに記載の吸着剤。
[11]
さらに、式(1)で表される化合物を含む[1]~[10]のいずれか1つに記載の吸着剤。
【化2】
[式(1)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
[12]
さらに、式(2)で表される化合物を含む[1]~[11]のいずれか1つに記載の吸着剤。
【化3】
[式(2)中、
R
3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
4は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
5は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
R
6は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
n3は、4~20の整数である。]
[13]
さらに、式(4)で表される化合物を含む[1]~[12]のいずれか1つに記載の吸着剤。
【化4】
[式(4)中、
R
7は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
8は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
9は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n4は、1~19の整数、n5は、1~19の整数であり、n4とn5の合計は、4~20である。
ただし、n4またはn5を付して括弧で括られた単位の存在順序は式(4)中において任意である。]
[14]
さらに、式(5)で表される化合物を含む[1]~[13]のいずれか1つに記載の吸着剤。
【化5】
[式(5)中、
R
1aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
3aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
4aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
m1は、4~20の整数である。
ただし、R
1a、R
2a、R
3aおよびR
4aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。]
[15]
[1]~[14]のいずれか1つに記載の吸着剤を含む成形体。
[16]
[1]~[14]のいずれか1つに記載の吸着剤と;炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、組成物。
[17]
式(1)で表される化合物を、電気化学的に酸化することにより、
【化6】
[式(1)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
式(3)で表される化合物を得ることを含む、製造方法。
【化7】
[式(3)中、
R
1、R
2およびn1は、上記と同意義である。]
[18]
R
1およびR
2は、水素原子である、[17]に記載の製造方法。
[19]
n1は、5である、[17]または[18]に記載の製造方法。
[20]
式(1a)で表される化合物を酸化することにより、
【化8】
[式(1a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
式(3a)で表される化合物を得ることを含む、製造方法。
【化9】
[式(3a)中、
R
1、R
2およびn2は、上記と同意義である。]
[21]
R
1およびR
2は、水素原子である、[20]に記載の製造方法。
[22]
n2は、6である、[20]または[21]に記載の製造方法。
[23]
式(3a)で表される化合物。
【0006】
【化10】
[式(3a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
[24]
R
1およびR
2は、水素原子である、[23]に記載の化合物。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、新規な吸着剤を提供することができる。また、本開示によれば、該吸着剤を含む組成物、吸着剤として作用しうる化合物の製造方法および該化合物も提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において用いられる場合、「一価の有機基」とは、炭素を含有する1価の基を意味する。1価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基またはその誘導体であり得る。炭化水素基の誘導体とは、炭化水素基の末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有している基を意味する。なお、単に「有機基」という場合、1価の有機基を意味する。
【0009】
また、本開示において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基であって、炭化水素から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、C1-20炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。
【0010】
本開示において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子;1個また2個以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、C6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
【0011】
第一の形態において、本開示の吸着剤は、式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう)を含む。特定の理論に拘束されないが、化合物(3)は、キノン環がメチレン基を介して環状に結合した構造を有しており、キノン環のカルボニル基の電気陰性度は高い。そのため、酸性度が高く、プラスに帯電したプロトンと静電的な相互作用を形成するためか、良好な吸着作用を発揮できると考えられる。
【0012】
【0013】
[式(3)中、
R1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【0014】
式(3)中、R1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
【0015】
R1またはR2で表される有機基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルエーテル基、トシル基、トリフラート基またはフェニル基等が挙げられ、これらの基は、置換基を有していてもよい。
【0016】
R1またはR2で表される有機基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、イソシアネート基、ニトリル基、エポキシ基、アセチル基等の反応性官能基;アルキル基、ビニル基、エチニル基等の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0017】
R1またはR2で表されるアルキル基は、好ましくはC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。別の態様において、C1-30アルキル基は、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、より好ましくはC26-30アルキル基であり得る。
【0018】
上記アルキルオキシ基は、典型的には、-O-R21(式中、R21は、アルキル基である。)で表される基である。
【0019】
R21におけるアルキル基は、上記した置換基により置換されていてもよく、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。かかるアルキル基は、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよいC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。
【0020】
上記アルキルエーテル基は、上記アルキル基の分子鎖中に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する化合物である。かかるアルキルエーテル基は、典型的には、-R26-R27-(O-R28)m-R29で表される基である。式中、R26は、単結合または酸素原子である。R27は、単結合またはC1-10アルキレン基である。R28は、C1-10アルキレン基である。R29は、C1-10アルキル基である。
【0021】
一の態様において、上記有機基は、末端が反応性官能基により置換されたアルキル基、アルキルオキシ基、またはアルキルエーテル基であり得る。なお、かかる基は、さらに別の置換基により置換されていてもよい。
【0022】
上記反応性官能基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、イソシアネート基、ビニル基、アセチレン基、ニトリル基、エポキシ基等が挙げられる。
【0023】
一の態様において、R1およびR2は、水素原子である。
【0024】
n1は、4~20であり、好ましくは4~10、より好ましくは4~7、さらに好ましくは5~6である。一の態様において、n1は5である。また、別の態様において、n1は6である。
【0025】
上記吸着剤において、化合物(3)の含有率は、例えば1~100質量%であり、さらに50~99質量%、とりわけ60~90質量%であってよい。
【0026】
本開示の吸着剤は、式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0027】
【化12】
[式(1)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【0028】
式(1)において、R1、R2およびn1は、式(3)におけるR1、R2およびn1と同意義である。
【0029】
上記吸着剤において、化合物(1)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0030】
本開示の吸着剤は、式(2)で表される化合物(以下、化合物(2))ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0031】
【化13】
[式(2)中、
R
3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
4は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
5は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
R
6は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
n3は、4~20の整数である。]
【0032】
式(2)中、R3は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R4は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R5は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表し、R6は、各出現においてそれぞれ独立して、有機基を表す。
【0033】
R3、R4、R5またはR6で表される有機基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルエーテル基、トシル基、トリフラート基またはフェニル基等が挙げられ、これらの基は、置換基を有していてもよい。
【0034】
R3、R4、R5またはR6で表される有機基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、イソシアネート基、ニトリル基、エポキシ基、アセチル基等の反応性官能基;アルキル基、ビニル基、エチニル基等の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0035】
R3、R4、R5またはR6で表されるアルキル基は、好ましくはC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。別の態様において、C1-30アルキル基は、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、より好ましくはC26-30アルキル基であり得る。
【0036】
上記アルキルオキシ基は、典型的には、-O-R31(式中、R31は、アルキル基である。)で表される基である。
【0037】
R31におけるアルキル基は、上記した置換基により置換されていてもよく、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。かかるアルキル基は、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよいC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。
【0038】
上記アルキルエーテル基は、上記アルキル基の分子鎖中に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する化合物である。かかるアルキルエーテル基は、典型的には、-R36-R37-(O-R38)m-R39で表される基である。式中、R36は、単結合または酸素原子である。R37は、単結合またはC1-10アルキレン基である。R38は、C1-10アルキレン基である。R39は、C1-10アルキル基である。
【0039】
一の態様において、上記有機基は、末端が反応性官能基により置換されたアルキル基、アルキルオキシ基、またはアルキルエーテル基であり得る。なお、かかる基は、さらに別の置換基により置換されていてもよい。
【0040】
上記反応性官能基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、イソシアネート基、ビニル基、アセチレン基、ニトリル基、エポキシ基等が挙げられる。
【0041】
一の態様において、R3およびR4は、水素原子であり、R5およびR6は、メチル基である。
【0042】
n3は、4~20であり、好ましくは4~10、より好ましくは4~7、さらに好ましくは5~6である。一の態様において、n3は5である。また、別の態様において、n3は6である。
【0043】
上記吸着剤において、化合物(2)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0044】
本開示の吸着剤は、式(4)で表される化合物(以下、「化合物(4)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0045】
【化14】
[式(4)中、
R
7は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
8は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
9は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n4は、1~19の整数、n5は、1~19の整数であり、n4とn5の合計は、4~20である。
ただし、n4またはn5を付して括弧で括られた単位の存在順序は式(4)中において任意である。]
【0046】
式(4)中、R7は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R8は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R9は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R10は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R11は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、R12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
【0047】
R7、R8、R9、R10、R11またはR12で表される有機基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルエーテル基、トシル基、トリフラート基またはフェニル基等が挙げられ、これらの基は、置換基を有していてもよい。
【0048】
R7、R8、R9、R10、R11またはR12で表される有機基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、イソシアネート基、ニトリル基、エポキシ基、アセチル基等の反応性官能基;アルキル基、ビニル基、エチニル基等の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
【0049】
R7、R8、R9、R10、R11またはR12で表されるアルキル基は、好ましくはC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。別の態様において、C1-30アルキル基は、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、より好ましくはC26-30アルキル基であり得る。
【0050】
上記アルキルオキシ基は、典型的には、-O-R41(式中、R41は、アルキル基である。)で表される基である。
【0051】
R41におけるアルキル基は、上記した置換基により置換されていてもよく、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。かかるアルキル基は、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよいC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。
【0052】
上記アルキルエーテル基は、上記アルキル基の分子鎖中に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する化合物である。かかるアルキルエーテル基は、典型的には、-R46-R47-(O-R48)m-R49で表される基である。式中、R46は、単結合または酸素原子である。R47は、単結合またはC1-10アルキレン基である。R48は、C1-10アルキレン基である。R49は、C1-10アルキル基である。
【0053】
一の態様において、上記有機基は、末端が反応性官能基により置換されたアルキル基、アルキルオキシ基、またはアルキルエーテル基であり得る。なお、かかる基は、さらに別の置換基により置換されていてもよい。
【0054】
上記反応性官能基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、イソシアネート基、ビニル基、アセチレン基、ニトリル基、エポキシ基等が挙げられる。
【0055】
一の態様において、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、水素原子である。
【0056】
n4は、1~19であり、好ましくは1~9、より好ましくは1~6、さらに好ましくは1~5である。n5は、1~19であり、好ましくは1~9、より好ましくは1~6、さらに好ましくは1~5である。n4+n5は、4~20であり、好ましくは4~10、より好ましくは4~7、さらに好ましくは5~6である。
【0057】
上記吸着剤において、化合物(4)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0058】
本開示の吸着剤は、式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0059】
【0060】
[式(5)中、
R1aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R2aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R3aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R4aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
m1は、4~20の整数である。
ただし、R1a、R2a、R3aおよびR4aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。]
【0061】
上記式(5)中、R1aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基であり、R2aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基であり、R3aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基であり、R4aは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基であり、R1a、R2a、R3a、およびR4aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。
【0062】
化合物(5)は、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基を有することにより、高い相溶性および耐熱性を有し得る。
【0063】
上記有機基としては、置換基により置換されていてもよい、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルエーテル基、トシル基、トリフラート基またはフェニル基等が挙げられる。
【0064】
上記置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基、および5~10員のヘテロアリール基、ならびに反応性官能基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる
【0065】
上記反応性官能基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、イソシアネート基、ビニル基、アセチレン基、ニトリル基、エポキシ基等が挙げられる。
【0066】
上記アルキル基は、好ましくはC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。別の態様において、C1-30アルキル基は、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、より好ましくはC26-30アルキル基であり得る。
【0067】
上記アルキルオキシ基は、典型的には、-O-R51(式中、R51は、アルキル基である。)で表される基である。
【0068】
R51におけるアルキル基は、上記した置換基により置換されていてもよく、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよい。かかるアルキル基は、好ましくはフッ素原子により置換されていてもよいC1-30アルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。一の態様において、C1-30アルキル基は、C1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-30アルキル基であり得る。
【0069】
R51は、好ましくは-R52-R53(式中、R52は、非置換のC1-30アルキレン基、好ましくはC1-20アルキレン基、より好ましくはC1-10アルキレン基であり、R53は、C1-10パーフルオロアルキル基、好ましくはC1-6パーフルオロアルキル基である。)で表される基である。
【0070】
上記アルキルエーテル基は、上記アルキル基の分子鎖中に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する化合物である。かかるアルキルエーテル基は、典型的には、-R56-R57-(O-R58)m-R59で表される基である。式中、R56は、単結合または酸素原子である。R57は、単結合またはC1-10アルキレン基である。R58は、C1-10アルキレン基である。R59は、フッ素原子により置換されていてもよいC1-10アルキル基である。
【0071】
一の態様において、上記有機基は、末端が反応性官能基により置換されたアルキル基、アルキルオキシ基、またはアルキルエーテル基であり得る。なお、かかる基は、さらに別の置換基により置換されていてもよい。
【0072】
一の態様において、R1aおよびR3aは、それぞれ独立して、有機基であり、R1aおよびR3aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であるか、あるいは、R2aおよびR4aは、それぞれ独立して、有機基であり、R2aおよびR4aの少なくとも1つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。
【0073】
一の態様において、R1a、R2a、R3a、およびR4aの少なくとも2つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。
【0074】
一の態様において、R1a、R2a、R3a、およびR4aのうちの2つは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。
【0075】
一の態様において、R1aおよびR3aは、それぞれ独立して、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であるか、あるいは、R2aおよびR4aは、それぞれ独立して、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基である。
【0076】
一の態様において、R2aおよびR4aは、水素原子であるか、あるいは、R1aおよびR3aは、水素原子である。
【0077】
好ましい態様において、R1aおよびR3aは、それぞれ独立して、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であり、R2aおよびR4aは、水素原子であるか、あるいは、R2aおよびR4aは、それぞれ独立して、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であり、R1aおよびR3aは、水素原子である。
【0078】
より好ましい態様において、R1aおよびR3aは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であり、R2aおよびR4aは、水素原子であるか、あるいは、R2aおよびR4aは、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基であり、R1aおよびR3aは、水素原子である。
【0079】
上記フルオロアルキル基は、好ましくはC1-10フルオロアルキル基、より好ましくはC1-6フルオロアルキル基である。かかるフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。かかるフルオロアルキル基は、好ましくはパーフルオロアルキル基である。
【0080】
一の態様において、上記フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基は、下記式:
-(Op1-R11a
q1)-Rfa
[式中:
R11aは、各出現においてそれぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfaは、C1-10フルオロアルキル基を表す。
p1は、0~2の整数である。
q1は、0~3の整数である。
(Op1-R11a
q1)中、OおよびR11aの存在順序は限定されない。]
で表される基である。
【0081】
R11aにおけるC1-10アルキレン基は、好ましくはC1-6アルキレン基、より好ましくはC2-6アルキレン基である。かかるアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。
【0082】
RfaにおけるC1-10フルオロアルキル基は、好ましくはC1-6フルオロアルキル基である。かかるフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。かかるフルオロアルキル基は、好ましくはパーフルオロアルキル基である。
【0083】
p1は、0~2の整数、好ましくは1または2である。一の態様において、p1は1である。別の態様において、p1は2である。
【0084】
q1は、0~3の整数、好ましくは1~3の整数、より好ましくは1または2である。一の態様において、q1は1である。別の態様において、q1は2である。
【0085】
好ましい態様において、上記フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基は、
-O-R11a-(O-R11a)r1-Rfa
[式中:
R11aは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfaは、C1-10フルオロアルキル基を表す。
r1は、0または1である。]
で表される基である。
【0086】
より好ましい態様において、上記フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基は、
-O-R11a-(O-R11a)r1-Rfa
[式中:
R11aは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfaは、C1-10パーフルオロアルキル基を表す。
r1は、0または1である。]
で表される基である。
【0087】
m1は、4~20の整数であり、好ましくは4~6の整数であり、より好ましくは5または6である。
【0088】
特に好ましい態様において、
R1aおよびR3aは、-O-R11a-(O-R11a)r1-Rfaであり、R2aおよびR4aは、水素原子であるか、あるいは
R2aおよびR4aは、-O-R11a-(O-R11a)r1-Rfaであり、R1aおよびR3aは、水素原子であり、
R11aは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基、好ましくはC1-6アルキレン基であり、
Rfaは、C1-10パーフルオロアルキル基、好ましくはC1-6パーフルオロアルキル基であり、
r1は、0または1であり、
m1は、4~6の整数、好ましくは5または6である。
【0089】
化合物(5)は、ピラー[n]アレーンの置換基を、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基に変換することにより得ることができる。典型的には、化合物(5)、ピラー[n]アレーンの所定の位置にヒドロキシル基を導入し、該ヒドロキシル基と、フルオロアルキル基を有する炭素数2以上の有機基のトシル化物、ハロゲン化物等とを反応させることにより得ることができる。
【0090】
上記吸着剤において、化合物(5)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0091】
本開示の吸着剤は、式(6)で表される化合物(以下、「化合物(6)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0092】
【化16】
[式(6)中、
R
1bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R
2bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R
3bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R
4bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
ただし、R
1b、R
2b、R
3b、およびR
4bの少なくとも1つは、フッ素原子を有する有機基である。
m2は、4~20の整数である。]
【0093】
上記式(6)中、R1bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R2bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R3bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R4bは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R1b、R2b、R3b、およびR4bの少なくとも1つは、フッ素原子を有する有機基である。
【0094】
式(6)で表される化合物は、フッ素原子を有する有機基を有することにより、高い相溶性および耐熱性を有し得る。
【0095】
上記有機基は、上記した式(5)における有機基と同意義である。
【0096】
一の態様において、R1bおよびR3bは、それぞれ独立して、有機基であって、R1bおよびR3bの少なくとも1つは、フッ素原子を有する有機基であるか、あるいは、R2bおよびR4bは、それぞれ独立して、有機基であって、R2bおよびR4bの少なくとも1つは、フッ素原子を有する有機基である。
【0097】
一の態様において、R1b、R2b、R3b、およびR4bの少なくとも2つは、フッ素原子を有する有機基である。
【0098】
一の態様において、R1b、R2b、R3b、およびR4bのうちの2つは、フッ素原子を有する有機基である。
【0099】
R1bおよびR3bは、それぞれ独立して、フッ素原子を有する有機基であるか、あるいは、R2bおよびR4bは、それぞれ独立して、フッ素原子を有する有機基である。
【0100】
一の態様において、R2bおよびR4bは、水素原子であるか、あるいは、R1bおよびR3bは、水素原子である。
【0101】
好ましい態様において、R1bおよびR3bは、それぞれ独立して、フッ素原子を有する有機基であり、R2bおよびR4bは、水素原子であるか、あるいは、R2bおよびR4bは、それぞれ独立して、フッ素原子を有する有機基であり、R2bおよびR4bは、水素原子である。
【0102】
より好ましい態様において、R1bおよびR3bは、フッ素原子を有する有機基であり、R2bおよびR4bは、水素原子であるか、あるいは、R2bおよびR4bは、フッ素原子を有する有機基であり、R1bおよびR3bは、水素原子である。
【0103】
好ましい態様において、上記フッ素原子を有する有機基は、C1-10フルオロアルキル基を有する。かかるフルオロアルキル基は、好ましくはC1-6フルオロアルキル基である。かかるフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。かかるフルオロアルキル基は、好ましくはパーフルオロアルキル基である。
【0104】
一の態様において、上記フッ素原子を有する有機基は、下記式:
-(Op2-R11b
q2)-Rfb
[式中:
R11bは、各出現においてそれぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfbは、C1-10フルオロアルキル基を表す。
p2は、0~2の整数である。
q2は、0~3の整数である。
(Op2-R11b
q2)中、OおよびR11bの存在順序は限定されない。]
で表される基である。
【0105】
R11bにおけるC1-10アルキレン基は、好ましくはC1-6アルキレン基、より好ましくはC2-6アルキレン基である。かかるアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。
【0106】
RfbにおけるC1-10フルオロアルキル基は、好ましくはC1-6フルオロアルキル基である。かかるフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは直鎖である。かかるフルオロアルキル基は、好ましくはパーフルオロアルキル基である。
【0107】
p2は、0~2の整数、好ましくは1または2である。一の態様において、p2は1である。別の態様において、p2は2である。
【0108】
q2は、0~3の整数、好ましくは1~3の整数、より好ましくは1または2である。一の態様において、q2は1である。別の態様において、q2は2である。
【0109】
好ましい態様において、上記フッ素原子を有する有機基は、
-O-R11b-(O-R11b)r2-Rfb
[式中:
R11bは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfbは、C1-10フルオロアルキル基を表す。
r2は、0または1である。]
で表される基である。
【0110】
より好ましい態様において、上記フッ素原子を有する有機基は、
-O-R11b-(O-R11b)r2-Rfb
[式中:
R11bは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基を表す。
Rfbは、C1-10パーフルオロアルキル基を表す。
r2は、0または1である。]
で表される基である。
【0111】
m2は、4~20の整数であり、好ましくは4~6の整数であり、より好ましくは5または6である。
【0112】
特に好ましい態様において、
R1bおよびR3bは、-O-R11b-(O-R11b)r2-Rfbであり、R2bおよびR4bは、水素原子であるか、あるいは
R2bおよびR4bは、-O-R11b-(O-R11b)r2-Rfbであり、R1bおよびR3bは、水素原子であり、
R11bは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基、好ましくはC1-6アルキレン基であり、
Rfbは、C1-10パーフルオロアルキル基、好ましくはC1-6パーフルオロアルキル基であり、
r2は、0または1であり、
m2は、4~6の整数、好ましくは5または6である。
【0113】
上記式(6)で表される化合物は、上記式(5)で表される化合物と同様の方法により製造することができる。例えば、上記式(6)で表される化合物は、ピラー[n]アレーンの所定の位置にヒドロキシル基を導入し、該ヒドロキシル基と、フッ素原子を有する有機基のトシル化物、ハロゲン化物等とを反応させることにより得ることができる。
【0114】
上記吸着剤において、化合物(6)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0115】
本開示の吸着剤は、式(7)で表される化合物(以下、「化合物(7)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0116】
【0117】
[式(7)中、
R1cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R2cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R3cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R4cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
ただし、R1c、R2c、R3c、およびR4cの少なくとも1つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であり、
m3は、4~20の整数である。]
で表される化合物を提供する。
【0118】
式(7)中、R1cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R2cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R3cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R4cは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R1c、R2c、R3c、およびR4cの少なくとも1つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基である。
【0119】
式(7)で表される化合物は、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基を有することにより、高い相溶性および耐熱性を有し得る。
【0120】
上記有機基は、上記した式(5)における有機基と同意義である。
【0121】
上記長鎖アルキル基の炭素数は、好ましくは17~30、より好ましくは18~30、さらに好ましくは26~30である。
【0122】
上記長鎖アルキル基を有する有機基は、好ましくは-O-R12c(式中、R12cは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基、好ましくはC17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、C26-30アルキル基である)で表される基である。
【0123】
上記長鎖アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。
【0124】
一の態様において、R1cおよびR3cは、それぞれ独立して、有機基であり、R1cおよびR3cの少なくとも1つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であるか、あるいは、R2cおよびR4cは、それぞれ独立して、有機基であり、R2cおよびR4cの少なくとも1つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基である。
【0125】
一の態様において、R1c、R2c、R3c、およびR4cの少なくとも2つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基である。
【0126】
一の態様において、R1c、R2c、R3c、およびR4cのうちの2つは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基である。
【0127】
一の態様において、R1cおよびR3cは、それぞれ独立して、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基、好ましくは-O-R12cであるか、あるいは、R2cおよびR4cは、それぞれ独立して、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基、好ましくは-O-R12cである。
【0128】
一の態様において、R2cおよびR4cは、水素原子であるか、あるいは、R1cおよびR3cは、水素原子である。
【0129】
好ましい態様において、R1cおよびR3cは、それぞれ独立して、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であり、R2cおよびR4cは、水素原子であるか、あるいは、R2cおよびR4cは、それぞれ独立して、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であり、R1cおよびR3cは、水素原子である。
【0130】
より好ましい態様において、R1cおよびR3cは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であり、R2cおよびR4cは、水素原子であるから、あるいは、R2cおよびR4cは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基であり、R1cおよびR3cは、水素原子である。
【0131】
m3は、4~20の整数であり、好ましくは4~6の整数であり、より好ましくは5または6である。
【0132】
特に好ましい態様において、
R1cおよびR3cは、-O-R12cであり、R2cおよびR4cは、水素原子であるか、あるいは、
R2cおよびR4cは、-O-R12cであり、R1cおよびR3cは、水素原子であり、
R12cは、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、C26-30アルキル基であり、
m3は、4~6の整数、好ましくは5または6である。
【0133】
上記式(7)で表される化合物は、上記式(5)で表される化合物と同様の方法により製造することができる。例えば、上記式(7)で表される化合物は、ピラー[n]アレーンの所定の位置にヒドロキシル基を導入し、該ヒドロキシル基と、炭素数が17以上の長鎖アルキル基を有する有機基のトシル化物、ハロゲン化物等とを反応させることにより得ることができる。
【0134】
上記吸着剤において、化合物(7)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0135】
本開示の吸着剤は、式(8)で表される化合物(以下、「化合物(8)」ともいう)を
さらに含んでいてもよい。
【0136】
【0137】
[式(8)中、
R1dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R2dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R3dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
R4dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表す。
ただし、R1d、R2d、R3d、およびR4dの少なくとも1つは、アルキル基を有する有機基であり、
m4は、4~20の整数である。]
で表される化合物を提供する。
【0138】
上記式(8)中、R1dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R2dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R3dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R4dは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、または有機基を表し、R1d、R2d、R3d、およびR4dの少なくとも1つは、アルキル基を有する有機基である。
【0139】
式(8)で表される化合物は、アルキル基を有する有機基を有することにより、高い相溶性および耐熱性を有し得る。
【0140】
上記有機基は、上記した式(5)における有機基と同意義である。
【0141】
一の態様において、R1dおよびR3dは、それぞれ独立して、有機基であって、R1dおよびR3dの少なくとも1つは、アルキル基を有する有機基であるか、あるいは、R2dおよびR4dは、それぞれ独立して、有機基であって、R2dおよびR4dの少なくとも1つは、アルキル基を有する有機基である。
【0142】
一の態様において、R1d、R2d、R3d、およびR4dの少なくとも2つは、アルキル基を有する有機基である。
【0143】
一の態様において、R1d、R2d、R3d、およびR4dのうちの2つは、アルキル基を有する有機基である。
【0144】
一の態様において、R1dおよびR3dは、それぞれ独立して、アルキル基を有する有機基であるか、あるいは、R2dおよびR4dは、それぞれ独立して、アルキル基を有する有機基である。
【0145】
一の態様において、R2dおよびR4dは、水素原子であるか、あるいは、R1dおよびR3dは、水素原子である。
【0146】
好ましい態様において、R1dおよびR3dは、それぞれ独立して、アルキル基を有する有機基であり、R2dおよびR4dは、水素原子であるか、あるいは、R2dおよびR4dは、それぞれ独立して、アルキル基を有する有機基であり、R1dおよびR3dは、水素原子である。
【0147】
より好ましい態様において、R1dおよびR3dは、アルキル基を有する有機基であり、R2dおよびR4dは、水素原子であるか、あるいは、R2dおよびR4dは、アルキル基を有する有機基であり、R1dおよびR3dは、水素原子である。
【0148】
好ましい態様において、アルキル基を有する有機基は、好ましくは-O-R12d(式中、R12dは、炭素数が17以上の長鎖アルキル基、好ましくはC17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、C26-30アルキル基である)で表される基である。
【0149】
上記長鎖アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。
【0150】
m4は、4~20の整数であり、好ましくは4~6の整数であり、より好ましくは5または6である。
【0151】
特に好ましい態様において、
R1dおよびR3dは、-O-R12dであり、R2dおよびR4dは、水素原子であるか、あるいは
R2dおよびR4dは、-O-R12dであり、R1dおよびR3dは、水素原子であり、
R12dは、C17-30アルキル基、好ましくはC18-30アルキル基、C26-30アルキル基であり、
m4は、4~6の整数、好ましくは5または6である、
【0152】
上記式(8)で表される化合物は、上記式(5)で表される化合物と同様の方法により製造することができる。例えば、上記式(8)で表される化合物は、ピラー[n]アレーンの所定の位置にヒドロキシル基を導入し、該ヒドロキシル基と、アルキル基を有する有機基のトシル化物、ハロゲン化物等とを反応させることにより得ることができる。
【0153】
上記吸着剤において、化合物(8)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0154】
本開示の吸着剤は、式(9)で表される化合物(以下、「化合物(9)」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0155】
【化19】
[式(9)中、
R
1e、R
2e、R
3e、およびR
4eは、それぞれ独立して、水素原子または有機基であり、
m5は、5または6である。]
【0156】
R1e、R2e、R3e、およびR4eで表される有機基は、好ましくは炭素原子数1~30、より好ましくは炭素原子数1~20の有機基である。
【0157】
上記吸着剤において、化合物(9)の含有量は、100質量部の化合物(3)に対して、例えば1~100質量部、さらに5~90質量部であってよい。
【0158】
本開示の吸着剤は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のガス(以下、「吸着ガス」ともいう)を吸着しうる。
【0159】
上記炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素または芳香族炭化水素が挙げられる。上記炭化水素の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは2~6である。
【0160】
上記脂肪族炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等のアルケン;アセチレン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチン等のアルキン等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素は、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。上記脂肪族炭化水素の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~6である。
【0161】
脂環式炭化水素としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカンが挙げられる。上記脂環式炭化水素は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基等が挙げられる。該置換基としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3である。脂環式炭化水素の炭素数(置換基を有する場合、置換基を含めた脂環式炭化水素の炭素数)は、好ましくは3~10、より好ましくは3~6である。
【0162】
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン等が挙げられる。上記芳香族炭化水素は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。該置換基としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは1~4、より好ましくは1~3である。芳香族炭化水素の炭素数は、好ましくは6~10である。
【0163】
上記ハロゲン化炭化水素としては、フルオロカーボン、フルオロカーボン以外のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0164】
上記フルオロカーボンとしては、ジフルオロメタン(R32)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(R125)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(R1234yf)、2,2,3,3-テトラフルオロペンタン、クロロジフルオロメタン(R22)が挙げられる。
【0165】
上記フルオロカーボン以外のハロゲン化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のクロロカーボンが挙げられる。
【0166】
上記ハロゲン化炭化水素の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~5である。
【0167】
上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコールが挙げられる。上記アルコールは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。上記アルコールの炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~6である。
【0168】
上記吸着ガスとしては、ハロゲン化炭化水素が好ましく、フルオロカーボンがより好ましい。
【0169】
以下の式
2×(3V/4π)1/3
[ただし、Vは、Fedorsの方法により計算されるモル分子容を表す。]
で計算される、上記吸着ガスのモル分子径Rは、好ましくは6.8cm/mol以下、より好ましくは3cm/mol以上6.8cm/mol以下、さらに好ましくは3.5cm/mol以上6.5cm/mol以下である。吸着ガスにおいて、上記モル分子径は、吸着ガスのモル分子容に基づき、吸着ガスの形状を球と仮定して算出した仮想的なモル分子径であり、吸着剤における吸着部位との適合性を表す指標になると考えられ、モル分子径が上記範囲にあることで、本開示の吸着剤への吸着性が良好でありうる。
【0170】
上記吸着ガスのモル分子容Vは、A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids, R. F. Fedors, Polymer Engineering and Science, 1974, vol. 14, No. 2, pp.147-154.に記載の方法により算出できる。
【0171】
吸着剤と吸着ガスとを接触させて、吸着ガスを吸着剤に吸着させることを含む、吸着方法も本開示の技術的範囲に包含される。上記吸着剤と上記吸着ガスとを接触させる際の温度は、例えば10~40℃、さらに15~35℃、とりわけ20~30℃であってよい。また、吸着時の圧力は、例えば10~500kPaであってよく、さらに20~200kPaであってよく、とりわけ50~150kPaであってよい。
【0172】
上記吸着方法は、吸着ガスを吸着剤に吸着させた後、吸着剤から吸着ガスを脱着することをさらに含んでいてもよい。吸着ガスの脱着は、減圧、昇温等により実施でき、好ましくは減圧により実施できる。これにより、吸着剤を再生し、吸着ガスを回収することができる。
【0173】
本開示の吸着剤を含む組成物も、本開示の技術的範囲に包含される。
【0174】
上記組成物における吸着剤の含有率は、例えば1~99質量%、さらに5~95質量%であってよい。
【0175】
上記組成物は、乳化剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、粘弾性調整剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
【0176】
本開示の吸着剤を含む成形体も、本開示の技術的範囲に包含される。
【0177】
上記成形体における吸着剤の含有率は、例えば1~99質量%、さらに5~95質量%であってよい。
【0178】
上記成形体は、乳化剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、粘弾性調整剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
【0179】
上記成形体の形状は、特に限定されず、板状、シート状、フィルム状、粒状、粉末状、多孔質状等であってよい。
【0180】
上記成形体は、上記組成物から形成され得る。
【0181】
本開示の吸着剤と、吸着ガスとを含む組成物も、本開示の技術的範囲に包含される。
【0182】
前記吸着ガスとしては、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスが挙げられる。炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびアルコールは、上記と同意義である。
【0183】
上記吸着剤の最大ガス吸着量は、例え10~200cm3(STP)/gであってよく、さらに20~180cm3(STP)/gであってよく、とりわけ30~150cm3(STP)/gであってよい。
【0184】
上記吸着剤の最大ガス吸着量は、吸着ガスの圧力0.1~100kPaの範囲における最大吸着量として測定でき、吸着量を測定する際の温度は、20~30℃としてよい。
【0185】
一実施態様において、式(3)で表される化合物の製造方法は、
【0186】
式(1)で表される化合物を、電気化学的に酸化することにより、
【0187】
【0188】
[式(1)中、
R1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n1は、4~20の整数である。]
【0189】
式(3)で表される化合物を得ることを含む。
【0190】
【0191】
[式(3)中、R1、R2およびn1は、上記と同意義である。]
【0192】
上記電気化学的酸化は、アノード電極と、カソード電極と、化合物(1)を含む電解液とを有する電気化学装置において、化合物(1)を電解酸化することにより実施してよい。
【0193】
上記電解酸化は、通常、電解槽にて行われる。該電解槽は、1室型、2室型、PEM型(固体高分子膜型)、フロー型、バイポーラ型のいずれであってもよい。
【0194】
上記アノード電極としては、例えば、Pt、導電性金属酸化物、グラッシーカーボン、ボロンドープダイヤモンド等の電極が挙げられる。導電性金属酸化物電極としては、例えば、ITO電極と呼ばれるインジウムとスズの混合酸化物をガラス上に製膜した透明導電性電極や、DSA電極(デノラ・ペルメレック電極株式会社商標)と呼ばれるルテニウム、イリジウム等の白金族の金属の酸化物をチタン等の基材上に成膜した電極等が使用できる。
【0195】
好ましい態様において、上記アノード電極は、Pt電極であり得る。アノード電極としてPt電極を用いることにより、電解酸化の効率が向上し、長期間にわたって安定な電解酸化が可能になる。
【0196】
上記カソード電極としては、特に限定されないが、例えば、Ag、Cu、Ni、Pb、Hg、Tl、Bi、In、Sn、Cd、Au、Zn、Pd、Ga、Ge、Ni、Fe、Pt、Pd、Ru、Ti、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、及びZr、ならびにこれらの合金の電極、及びグラッシーカーボン、熱分解グラファイト、プラスチックフォームドカーボン、導電性ダイヤモンド等のカーボン材料の電極が挙げられる。
【0197】
好ましい態様において、上記カソード電極は、Pt電極であり得る。カソード電極としてPt電極を用いることにより、電解酸化の効率が向上し、より少ないエネルギーで目的とする炭化水素の製造が可能になる。
【0198】
好ましい態様において、上記アノード電極及び/又は上記カソード電極は、板状電極である。好ましくは、上記カソード電極は、板状電極であり、より好ましくはアノード電極及びカソード電極の両方は、板状電極である。
【0199】
上記電解液は、少なくとも化合物(1)と溶媒とを含む。該溶媒としては、例えば、アセトニトリル、メタノール、ジクロロメタン、水が挙げられる。
【0200】
上記電解液における、化合物(1)の濃度は、例えば、0.1~30質量%、さらに0.5~20質量%、特に1~10質量%であってよい。
【0201】
別の態様において、上記電解液は、化合物(1)および溶媒に加え、添加物をさらに含んでよい。
【0202】
上記添加物としては、電解液の電気伝導度を上げる効果のある支持電解質等が挙げられる。
【0203】
一の態様において、上記電解液は、化合物(1)、溶媒および支持電解質からなる。化合物(1)、溶媒および支持電解質から成る電解液を用いることにより、電解酸化が、低い槽電圧で長時間にわたり安定的、かつ、効率的に進行する。
【0204】
上記支持電解質は、特に限定されないが、上記溶媒に溶解可能であり、電気化学的に安定な化合物が挙げられる。具体的には、KOH、LiClO4、Bu4NClO4、Bu4NPF6等が挙げられる。
【0205】
電解酸化を行う際の電解液の温度は、好ましくは0~100℃、より好ましくは0~80℃、さらに好ましくは10~50℃、さらにより好ましくは20~40℃であり得る。
【0206】
電解酸化を行う際のアノード電極の電位は、例えば、0.5~1.5V、さらに0.7~1.3Vであってよい。なお、かかる電位は、飽和カロメル電極を基準電極としたときの電位である。
【0207】
上記電解酸化により、化合物(1)が酸化され、化合物(3)がアノード電極上に析出し、化合物(3)が得られる。
【0208】
一実施態様において、式(3a)で表される化合物の製造方法は、式(1a)で表される化合物を、酸化することにより、
【0209】
【化22】
[式(1a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
式(3a)で表される化合物を得ることを含む。
【0210】
【化23】
[式(3a)中、R
1、R
2およびn2は、上記と同意義である。]
【0211】
式(1a)、式(3a)におけるR1、R2は、式(1)、式(3)におけるR1、R2と同意義である。
【0212】
n2は、6~20であり、好ましくは6~10、より好ましくは6~7、さらに好ましくは6である。
【0213】
上記酸化は、電気化学的酸化であってもよく、化学的酸化であってもよい。
【0214】
上記電気化学的酸化は、アノード電極と、カソード電極と、化合物(1a)を含む電解液とを有する電気化学装置において、化合物(1a)を電解酸化することにより実施してよい。
【0215】
化合物(1a)の電解酸化は、化合物(1)の電解酸化と同様に実施でき、上記電解酸化において、化合物(1)を化合物(1a)に、化合物(3)を化合物(3a)に置き換えた構成がいずれも適用され得る。
【0216】
上記化学的酸化は、化合物(1a)と酸化剤とを反応させることにより実施してよい。
【0217】
上記酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)]ベンゼン、オキソン、Pb(OAc)4、ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン等が挙げられる。
【0218】
化合物(1a)と酸化剤との反応は、反応溶媒の共存下で実施してよい。かかる反応溶媒としては、ヘキサフルオロ-2-プロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール等のフルオロアルコール;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0219】
上記酸化剤は、化合物(1a)1モルに対し、例えば1~5モルであってよく、さらに1.5~4モルであってよく、とりわけ2~3.5モルであってよい。
【0220】
上記化合物(1a)および上記酸化剤の合計の含有量は、上記反応溶媒100mLに対して、例えば0.1~2gであってよく、0.4~1.5gであってよい。
【0221】
上記化合物(1a)と上記酸化剤とを反応させる際の温度は、例えば10~40℃であってよく、さらに15~35℃であってよい。
【0222】
式(3a)で表される化合物も、本開示の技術的範囲に包含される。
【0223】
【化24】
[式(3a)中、
R
1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
R
2は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または有機基を表す。
n2は、6~20の整数である。]
【0224】
式(3a)で表される化合物の同定は、飛行時間型質量分析装置(ESI-TOF-MS)、1HNMRおよび13CNMRにより可能である。
【0225】
本開示で例示する化合物には、その互変異性体も含まれ、本開示で例示する各成分および官能基は、それぞれ、単独で、或いは組み合わせて使用できる。
【実施例0226】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0227】
実施例1
作用電極としてITO板(10mm×10mm)、対電極としてPt板、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)を備えた電解セルを、0.1mol/LのBu4NPF6/MeOHで満たし、1mmol/Lの濃度となるように、式(1-1)で表される化合物を添加した。
【0228】
【0229】
Arガスによるバブリングを行った後、0.9V(vs.SCE)または1.2V(vs.SCE)の定電圧で電気量が100mCとなるまで通電を行い、電解還元を実施した。電解還元の後、電極表面に微細な黄色結晶の析出が確認され、約0.1mgを採取して、アセトニトリルで洗浄し、電気化学的に酸化することにより、式(3-1)で表される化合物を得た。
【0230】
【0231】
式(3-1)で表される化合物が得られたことを、1H NMR、13C NMR、飛行時間型質量分析装置(ESI-TOF-MS)、融点測定およびIR測定により確認した。
1H NMR (500.13 MHz, TFA-d, ppm): δ= 6.86(s, 12H, CH), 3.61(s, 12H, CH2).
13C NMR (125.72 MHz, TFA-d, ppm): δ= 190.5(s, C=O), 148.1(s, C-CH2), 137.8(s, CH), 30.1(s, CH2).
HRMS (ESI-TOF-MS): m/z [M+Na]+ calculated for C42H24O12Na: 743.1160; found: 743.1159
融点: 融点を示さず260℃超で分解
IR (KBr, cm-1): 1653, 1615, 1355, 1293, 1249, 1125, 937, 845
【0232】
実施例2
2Lの1ツ口丸底フラスコに、25.0gの式(1-2)で表される化合物と、350mLのMeCNを入れ、122.9gのオキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4)を350mLの水に溶解させた溶液を添加した。
【0233】
【0234】
次いで、7.5mLのヨードベンゼンを添加し、室温で48時間、激しく撹拌した。その後、反応液を水中に注ぎ、吸引ろ過した。得られた黄色の析出物を多量の水及びメタノールで洗浄し、乾燥させた。
【0235】
洗浄および乾燥させた析出物18.264gを、まず沸騰させた1,1,2,2-テトラクロロエタン350mLに溶解させ、不溶物を吸引ろ過により除去した。得られた赤色透明のろ過液を室温で6時間静置し、次いで、6~10℃で8時間静置した。析出した微細な結晶を吸引ろ過し、少量の1,1,2,2-テトラクロロエタンで3回洗浄し、さらに、少量のメタノールで3回洗浄し、乾燥させて、式(3-2)で表される化合物を得た。
【0236】
【0237】
式(3-2)で表される化合物が得られたことを、1H NMR、13C NMR、飛行時間型質量分析装置(ESI-TOF-MS)、融点測定およびIR測定により確認した。
1H NMR (500.13 MHz, TFA-d, ppm): δ= 6.93(s, 10H, CH), 3.61 (s, 10H, CH2).
13C NMR (125.72 MHz, TFA-d, ppm): δ= 190.5 (s, C=O), 146.8(s, C-CH2), 138.1 (CH), 28.0 (CH2).
HRMS (ESI-TOF-MS):
m/z [M+Na]+ calculated for C35H21O10: 601.1129; found: 601.1132
m/z [M + Na]+ calcd for C35H20O10Na: 623.0949; found: 623.0930
融点: 融点を示さず250℃超で分解
IR (Nujol mull, cm-1): 1654, 1610, 1461, 1377, 1286, 1250, 1125, 921, 722
【0238】
実施例3
式(3-1)で表される化合物および式(1-1)で表される化合物の粉末を、モル比が1:1となるようにドライブレンドして、吸着試験に供した。
【0239】
実施例4
式(3-1)で表される化合物および下記式
【化29】
で表される化合物の粉末を、モル比が1:1となるようにドライブレンドして、吸着試験に供した。
【0240】
比較例1、2
比較例1の化合物として式(1-1)で表される化合物を用い、比較例2の化合物として式(1-2)で表される化合物を用い、比較例3の化合物として下記式
【0241】
【化30】
で表される化合物を用い、比較例4の化合物として下記式
【0242】
【0243】
実施例、比較例の化合物について、以下の試験を実施した。
【0244】
[吸着試験]
吸着試験装置(日本ベル社製、「BELSORP-max-12-N-VP-K」)を用い、測定温度30℃において、吸着ガスの圧力が0kPaから100kPa(飽和蒸気圧が100kPa以上のガス)もしくは飽和蒸気圧まで吸着、100kPa(飽和蒸気圧が100kPa以上のガス)もしくは飽和蒸気圧から0KPaまで脱着を行った。300-500秒間の圧力変化が圧力計の読み値の0.3%以内で次の点の測定を行い、吸着等温線を得て、各化合物への各吸着ガスの最大吸着量を測定した。結果を表1に示す。
なお、表1において、「-」は、測定データが存在しないことを表す。
【0245】
【0246】
実施例1~4では、いずれも優れた吸着性能を有することが確認された。
比較例1~4は、式(3)で表される化合物を含まない例であり、吸着性能が十分に満足できるものではなかった。
前記フルオロカーボンが、ジフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンまたはクロロジフルオロメタンである、請求項5に記載の吸着剤。