(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167006
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】混合トポロジスイッチングレギュレータを使用する熱管理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
H02M3/155 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077335
(22)【出願日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】17/740,637
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨシモト, マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】メサロス, マーク ディー.
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA20
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB15
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD04
5H730FD31
5H730FD61
5H730FF09
5H730XX04
5H730XX19
5H730XX26
5H730XX38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体ダイ、半導体パッケージ、集積回路、プリント回路基板、システムレベルプリント回路基板又は電子デバイス例えば、スマートフォン又は他のコンピューティングデバイス)上のスイッチングレギュレータの熱及び電流管理を提供する。
【解決手段】混合トポロジスイッチングレギュレータ50は、半導体ダイ上に配置された1つ以上の電子部品を有するパッケージ52と、1つ以上の電力段(内部電力段)56A、56Bと、1つ以上の電力段に電気的に結合され、ダイの温度に関連するデータを判定するための1つ以上のセンサ55と、ダイの外部にある1つ以上のオフダイ電力段58A、58Bと、温度が温度閾値よりも高いことを示すデータに基づいて、1つ以上のオフダイ電力段をアクティブにさせる制御ユニット54と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
ダイと、
前記ダイ上に配置された1つ以上の電力段と、
前記1つ以上の電力段に電気的に結合され、前記ダイの温度に関連するデータを判定するように構成された1つ以上のセンサと、
前記ダイの外部の1つ以上のオフダイ電力段と、
前記温度が温度閾値よりも高いことを前記データが示すことに基づいて、前記1つ以上のオフダイ電力段をアクティブにするように構成された処理回路と、
を備える、電子デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上の電力段の各電力段は、前記1つ以上のオフダイ電力段の各オフダイ電力段よりもサイズが小さい、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、1つ以上の温度センサを含み、前記1つ以上の電力段の各電力段は、前記1つ以上の温度センサの個別の温度センサに結合されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記データは前記ダイ内の電流に関連付けられ、前記処理回路は、前記電流が電流閾値よりも大きいことを前記データが示すことに基づいて前記1つ以上のオフダイ電力段をアクティブにさせるように構成されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記処理回路は、前記電子デバイスの履歴性能値、前記ダイに関連付けられた履歴電流データ、前記1つ以上の電力段に関連付けられた履歴電流データ、前記1つ以上のオフダイ電力段に関連付けられた履歴電流データ、前記1つ以上の電力段の数、前記1つ以上のオフダイ電力段の数、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて、前記電流閾値を動的に決定するように構成されている、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記処理回路は、前記電流が電流閾値よりも大きいことを前記データが示すことに基づいて、前記ダイにおける前記電流を減少させるように構成されている、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記処理回路は、前記電流が前記電流閾値を超えないと判定したことに応答して、前記温度が前記温度閾値を超えるかどうかを判定するように構成されている、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記処理回路は、前記電子デバイスの履歴性能値、前記ダイに関連付けられた履歴温度データ、前記1つ以上の電力段に関連付けられた履歴温度データ、又はそれらの任意の組合せに基づいて前記温度閾値を動的に決定するように構成されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記温度閾値は所定の値である、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項10】
方法であって、
プロセッサを介して、ダイ上に配置された1つ以上の内部電力段に関連付けられたセンサデータを受信することと、
前記プロセッサを介して、第1の温度閾値よりも高い前記ダイの温度を前記センサデータが示すと判定することと、
前記プロセッサを介して、前記ダイの前記温度が前記第1の温度閾値よりも高いことを前記センサデータが示すことに基づいて、1つ以上の外部電力段をアクティブにさせることと、を含み、前記1つ以上の外部電力段は前記ダイの外部に配置される、方法。
【請求項11】
前記プロセッサを介して、電流制限よりも大きい前記ダイ上の電流負荷を前記センサデータが示すと判定することと、
前記プロセッサを介して、前記電流負荷が前記電流制限よりも大きいことを前記センサデータが示すことに基づいて、前記1つ以上の外部電力段をアクティブにさせることと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサを介して、前記1つ以上の内部電力段に関連付けられた追加のセンサデータを受信することと、
前記プロセッサを介して、前記電流制限以下である前記ダイの前記電流負荷を前記追加のセンサデータが示すと判定することと、
前記プロセッサを介して、前記電流負荷が前記電流制限よりも小さいことを前記追加のセンサデータが示すことに基づいて、前記1つ以上の外部電力段を非アクティブにさせることと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサを介して、前記ダイの前記温度が第2の温度閾値未満であることを前記追加のセンサデータが示すと判定することを含み、前記プロセッサを介して、前記1つ以上の外部電力段を非アクティブにさせることは、前記ダイの前記温度が前記第2の温度閾値未満であることを前記追加のセンサデータが示すことに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサを介して、前記1つ以上の内部電力段のうちのアクティブにされた電力段の数を受信することと、
前記プロセッサを介して、前記1つ以上の内部電力段の前記アクティブにされた電力段の数が前記1つ以上の内部電力段の電力段の総数に等しいことを判定することと、を含み、前記プロセッサを介して、前記1つ以上の外部電力段をアクティブにさせることは、前記1つ以上の内部電力段の前記アクティブにされた電力段の数が前記1つ以上の内部電力段の電力段の総数に等しいことに基づく、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
電子デバイスであって、
第1のセットの電力段を含む回路パッケージと、
前記第1のセットの電力段に結合された第2のセットの電力段と、を備え、前記第1のセットの電力段及び前記第2のセットの電力段は各々、入力電圧を出力電圧に変換するように構成されており、前記第2のセットの電力段は前記回路パッケージの外部に配置されており、前記第2のセットの電力段は前記第1のセットの電力段の温度に基づいてアクティブにされる、電子デバイス。
【請求項16】
前記回路パッケージは、第1のダイ上に配置されており、
前記第2のセットの電力段は、第2のダイ上に配置されている、
請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記第2のセットの電力段は、前記回路パッケージを含む同じダイ上に配置されている、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記第1のセットの電力段は第1のスイッチング周波数に関連付けられており、
前記第2のセットの電力段は第2のスイッチング周波数に関連付けられており、前記第1のスイッチング周波数は前記第2のスイッチング周波数よりも大きい、
請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記第2のセットの電力段は、1つ以上の電界効果トランジスタを備える、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記第1のセットの電力段及び前記第2のセットの電力段の各電力段は、前記第1のセットの電力段及び前記第2のセットの電力段の他の電力段とは独立してアクティブにされるように構成されている、請求項15に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体ダイ、半導体パッケージ、集積回路、プリント回路基板、システムレベルプリント回路基板、又は電子デバイス(例えば、スマートフォン又は他のコンピューティングデバイス)の熱管理に関し、より詳細には、そのような構成要素又はデバイス上のスイッチングレギュレータの熱及び電流管理に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイスにおいて、熱管理は重要な設計要素である。特に、電力管理又は発電に関連する構成要素は、より高いレベルの熱出力を生成することができる。これらの構成要素のうちの1つは、電力レギュレータ(例えば、スイッチングレギュレータ)であり得る。スイッチングレギュレータは、パッケージ内に配置された1つ以上の電力段を含み得る。しかしながら、1つ以上の電力段は、パッケージ上及び/又はパッケージ外の他の構成要素の設計又は組み込みを制限し得る熱を生成することがあり、その理由は、生成された熱が、パッケージ上及び/又はパッケージ外の構成要素の寿命を短縮し、性能を低下させ、更には損傷させることがあるからである。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、電子デバイスは、ダイと、ダイ上に配置された1つ以上の電力段と、1つ以上の電力段に電気的に結合され、ダイの温度に関連するデータを判定するための1つ以上のセンサとを含み得る。電子デバイスは、ダイの外部にある1つ以上のオフダイ電力段と、温度が温度閾値よりも高いことを示すデータに基づいて、1つ以上のオフダイ電力段をアクティブにさせるための処理回路とを含み得る。
【0004】
別の実施形態では、方法は、プロセッサを介して、ダイ上に配置された1つ以上の内部電力段に関連付けられたセンサデータを受信することと、プロセッサを介して、センサデータが第1の温度閾値よりも高いダイの温度を示すと判定することと、プロセッサを介して、ダイの温度が第1の温度閾値よりも高いことを示すデータに基づいて、1つ以上の外部電力段をアクティブにさせることと、を含んでもよく、1つ以上の外部電力段はダイの外部に配置される。
【0005】
更なる実施形態では、電子デバイスは、第1のセットの電力段を含む回路パッケージを含み得る。電子デバイスは、第1のセットの電力段に結合された第2のセットの電力段と、を含んでもよく、第1のセットの電力段及び第2のセットの電力段は各々、入力電圧を出力電圧に変換するように構成されており、第2のセットの電力段は回路パッケージの外部に配置されており、第2のセットの電力段は第1のセットの電力段の温度に基づいてアクティブにされる。
【0006】
本開示の様々な態様に関連して、上述の特徴の様々な改良が存在し得る。更なる特徴もまた、これらの様々な態様において、同様に組み込むことができる。これらの改良及び追加的特徴は、個別に、又は任意の組み合わせで存在し得る。例えば、例示される実施形態のうちの1つ以上に関連して以下で論じられる様々な特徴は、本開示の上述の態様のうちのいずれにも、単独で、又は任意の組み合わせで、組み込むことができる。上記で提示された概要は、特許請求される主題を限定することなく、本開示の実施形態の特定の態様及び文脈を読者に周知させることのみを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の「発明を実施するための形態」を読了し、かつ以下の図面を参照することにより、本開示の様々な態様を、より良好に理解することができる。以下の図面では、同様の番号は同様の部分を指す。
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る、電子デバイスを示すブロック図である。
【0009】
【
図2】本開示の一実施形態による、ノートブックコンピュータの形態の
図1の電子デバイスの斜視図である。
【0010】
【
図3】本開示の実施形態による、ハンドヘルドデバイスの形態の
図1の電子デバイスの正面図である。
【0011】
【
図4】本開示の実施形態による、ポータルタブレットコンピュータの形態の
図1の電子デバイスの正面図である。
【0012】
【
図5】本開示の一実施形態による、デスクトップコンピュータの形態の
図1の電子デバイスの正面図である。
【0013】
【
図6】本開示の一実施形態による、装着型電子デバイスの形態の
図1の電子デバイスの正面及び側面図である。
【0014】
【
図7】本開示の一実施形態による、
図1の電子デバイスの混合トポロジスイッチングレギュレータを示す概略図である。
【0015】
【
図8】本開示の一実施形態による、パッケージの温度に基づいて電力管理機能を1つ以上の外部電力段にオフロードすることによって、
図1の電子デバイスの半導体パッケージ上の温度を下げるための方法のフローチャートである。
【0016】
【
図9】本開示の一実施形態による、パッケージの電流及び温度に基づいて電力管理機能を1つ以上の外部電力段にオフロードすることによって、
図1の電子デバイスの半導体パッケージ上の温度を下げるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の1つ以上のある特定の実施形態を以下に述べる。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、本明細書に実際の実施態様の全ての特徴が示されるとは限らない。あらゆる工学的又は設計プロジェクトにおけるように、あらゆるこのような実際の実装形態の開発において、実装形態ごとに変動し得るシステム関連及びビジネス関連の制約への準拠などの開発者の具体的な目標を達成するために、実装形態に特有の多数の決定がなされなければならないことを理解されたい。また、このような開発努力は、複雑であり得時間がかかり得るが、本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の慣例的な仕事であることを理解されたい。
【0018】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ以上の要素があることを意味することが意図されている。用語「を備える、を含む(comprising)」、「を含む(including)」、及び「を有する(having)」は、包括的であることを意図し、列挙した要素以外の付加的な要素がある可能性があることを意味する。更に、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」の参照は、列挙した特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するように解釈されることを意図したものではないことを理解されたい。更に、特定の特徴、構造、又は特性が、1つ以上の実施形態において適切に組み合わせられてもよい。「およそ」、「近い」、「約」、「近接する」、及び/又は「実質的に」という用語の使用は、適切又は予想可能ないずれの誤差の許容範囲内(例えば、目標の0.1%以内、目標の1%以内、目標の5%以内、目標の10%以内、目標の25%以内など)なども、目標(例えば、設計、値、量)の近くを含むことを意味すると理解されるべきである。更に、理解すべきこととして、本明細書で提供される正確な値、数、測定などはいずれも、正確な値、数、測定などの近似値(例えば、適切又は予想可能な誤差の許容範囲内)を含むと意図される。
【0019】
上記で説明したように、スイッチングレギュレータは、アクティブであるときに熱エネルギー(例えば、熱)を生成する1つ以上の内部電力段を含み得る。すなわち、スイッチングレギュレータは、1つ以上の内部電力段が配置されるパッケージを含んでもよい。パッケージは、1つ以上の半導体デバイス及び/又は集積回路を有するケーシングを含んでもよい。例えば、パッケージは、回路基板に電気的に結合する電気接点を支持することができる。パッケージは、ダイ(例えば、集積回路ダイ)上に配置され、ダイ上の1つ以上の構成要素に結合され得る。いくつかの実施形態では、パッケージは、ダイの外部に配置された1つ以上の構成要素に結合されてもよい。パッケージ内の熱エネルギーが上昇するにつれてパッケージの性能及び/又は寿命が影響を受ける可能性があるので、パッケージ内の熱エネルギーの量は、設計における制限要因となり得る。
【0020】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、ダイ上のパッケージ上に配置された1つ以上の内部電力段と、パッケージ及び/又はダイの外部に位置する1つ以上の外部電力段とを有する混合トポロジスイッチングレギュレータを実装することを含む。すなわち、1つ以上の外部又はオフダイ電力段は、パッケージ上に配置されなくてもよく、及び/又はパッケージが配置されるダイとは異なる又は別個のダイ又は集積回路上に配置されてもよい。追加又は代替として、1つ以上の外部電力段は、ダイ及び/若しくはパッケージを含まない回路基板上に、又はダイ及び/若しくはパッケージを含むがダイ及び/若しくはパッケージ自体ではない回路基板上に配置され得る。更に、1つ以上の外部電力段は、1つ以上の内部電力段よりも大きい表面積を有することができる。したがって、パッケージの外部に1つ以上の外部電力段を配置することは、電力段の全表面積の周囲空気へのより大きい露出を可能にし得、したがって、より良好な冷却を可能にし得る。すなわち、1つ以上の外部電力段の各外部電力段のより大きい表面積は、熱がより容易に放散されること、及び空気が各外部電力段の間を流れて熱を更に放散することを可能にし得る。更に、1つ以上の外部電力段をアクティブにすることは、1つ以上の内部電力段によって処理される電流を1つ以上の外部電力段にオフロードし得る。パッケージの温度が温度閾値に達する及び/又は超えるとき、1つ以上の外部電力段がアクティブにされ得る。1つ以上の外部電力段を作動させることによって、パッケージ内で生成され得る熱エネルギーは、パッケージの外部に放散され得る。したがって、動作中のパッケージ内の熱エネルギーの量を低減することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の外部電力段は、パッケージの電流負荷に基づいてアクティブにされ得る。例えば、1つ以上の外部電力段は、熱エネルギーの量に基づいて1つ以上の外部電力段をアクティブにする前に、各アクティブ電力段によって処理される電流負荷に基づいてアクティブにされ得る。パッケージ上の電流負荷が電流負荷閾値に達する及び/又はそれを超えるとき、1つ以上の外部電力段がアクティブにされ得る。パッケージ上の電流負荷に基づく1つ以上の外部電力段のアクティブ化は、パッケージ内の熱エネルギーの量に基づく1つ以上の外部電力段のアクティブ化よりも優先され得る。
【0022】
上記を考慮して、回路内にスイッチング混合トポロジレギュレータを使用することができる適切な電子デバイスの一般的な説明を以下に提供する。最初に
図1に移ると、本開示の一実施形態に係る電子デバイス10は、特に、1つ以上のプロセッサ(単数又は複数)12、メモリ14、不揮発性記憶装置16、ディスプレイ18、入力構造22、入出力(I/O)インタフェース24、ネットワークインタフェース26、及び電源28を含んでもよい。
図1に示された様々な機能ブロックは、ハードウェア要素(回路を含む)、ソフトウェア要素(コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータコードを含む)、又はハードウェア要素とソフトウェア要素両方の組み合わせを含むことがある。
図1が、特定の実施態様の一実施例に過ぎず、電子デバイス10内にあることがある構成要素のタイプを示すものであることに注意されたい。
【0023】
例として、電子デバイス10は、
図2に示すノートブックコンピュータ、
図3に示すハンドヘルドデバイス、
図4に示すハンドヘルドデバイス、
図5に示すデスクトップコンピュータ、
図6に示すウェアラブル電子デバイス、又は類似デバイスのブロック図を表し得る。
図1のプロセッサ(単数又は複数)12及び他の関連項目は、全般的に、本明細書では「データ処理回路」と称され得る点に留意されたい。そのようなデータ処理回路は、全体的に又は部分的に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組み合わせとして実施されてもよい。更に、データ処理回路は、単一の収容された処理モジュールでもよく、全体的又は部分的に電子デバイス10内の他の要素のうちのいずれかの要素内に組み込まれてもよい。
【0024】
図1の電子デバイス10では、プロセッサ(単数又は複数)12は、メモリ14及び不揮発性記憶装置16と動作可能に結合されて、様々なアルゴリズムを実行することができる。プロセッサ12によって実行されるそのようなプログラム又は命令は、メモリ14及び不揮発性記憶装置16などの命令又はルーチンを少なくとも集合的に記憶する1個以上の実体のあるコンピュータ可読有機媒体を含む任意の適切な製品に記憶されてもよい。メモリ14及び不揮発性記憶装置16は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、書き換え可能フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び光ディスクなどの、データ及び実行可能命令を記憶するための任意の適切な製造物品を含み得る。更には、そのようなコンピュータプログラム製品上に符号化されているプログラム(例えば、オペレーティングシステム)はまた、様々な機能を電子デバイス10が提供することを可能にするためにプロセッサ(単数又は複数)12によって実行することが可能な、命令も含み得る。
【0025】
特定の実施形態では、ディスプレイ18が、電子デバイス10上で生成された画像をユーザが表示することを可能にし得る液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)であってもよい。一部の実施形態では、ディスプレイ18が、ユーザが電子デバイス10のユーザインタフェースと対話することを可能にし得るタッチスクリーンを含んでもよい。更に、一部の実施形態では、ディスプレイ18が、1つ以上の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又はLCDパネル及びOLEDパネルの何らかの組み合わせを含んでもよいことを理解されたい。
【0026】
電子デバイス10の入力構造体22は、ユーザが電子デバイス10と対話すること(例えば、ボタンを押すことにより音量レベルを増減させること)を可能にし得る。I/Oインタフェース24は、ネットワークインタフェース26と同様に、電子デバイス10が様々な他の電子デバイスとインタフェースすることを可能にし得る。ネットワークインタフェース26には、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)のためのインタフェース、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)若しくは802.11x Wi-Fiネットワークなどの無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)のためのインタフェース、及び/又は第3世代(3rdgeneration、3G)セルラーネットワーク、第4世代(4thgeneration、4G)セルラーネットワーク、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)セルラーネットワークなどの広域ネットワーク(wide area network、WAN)、ロングタームエボリューションライセンスアシストアクセス(LTE-LAA)セルラーネットワーク、第5世代(5G)セルラーネットワーク、若しくは新無線(NR)セルラーネットワークなどの広域ネットワーク(wide area network、WAN)のための1つ以上のインタフェースが含まれ得る。ネットワークインタフェース26は、例えば、ブロードバンド固定無線アクセスネットワーク(WiMAX(登録商標))、モバイルブロードバンド無線ネットワーク(モバイルWiMAX)、非同期デジタル加入者線(例えば、ADSL、VDSL)、地上デジタルビデオ放送(digital video broadcasting-terrestrial、DVB-T)及びその拡張版であるDVBハンドヘルド(DVB Handheld、DVB-H)、超広帯域(ultra Wideband、UWB)、交流(alternating current、AC)電力ラインなどのための1つ以上のインタフェースも含んでもよい。上述したようなネットワークインタフェース26は、本明細書で説明するような高分子コンデンサを含み得る同調回路、インピーダンス整合回路、及び/又はノイズフィルタリング回路の使用から利益を得ることができる。更に示されるように、電子デバイス10は電源28を含んでもよい。電源28が、再充電可能なリチウムポリマー(Li-poly)バッテリ及び/又は交流(AC)電力変換器などの任意の好適な電源を含んでもよい。
【0027】
ある特定の実施形態では、電子デバイス10は、コンピュータ、ポータブル電子デバイス、ウェアラブル電子デバイス、又は他の種類の電子デバイスの形を取ってもよい。このようなコンピュータには、一般的にポータブルなコンピュータ(例えば、ラップトップ、ノートブック、及びタブレットコンピュータ)並びに一般的に1つの場所で使用されるコンピュータ(従来のデスクトップコンピュータ、ワークステーション及び/又はサーバなど)が挙げられる。特定の実施形態では、コンピュータの形態の電子デバイス10は、Apple Inc.から入手可能なMacBook(登録商標)、MacBook(登録商標)Pro、MacBook Air(登録商標)、iMac(登録商標)、Mac(登録商標)mini、又はMac Pro(登録商標)のモデルであってもよい。例として、本開示の一実施形態に係る、ノートブックコンピュータ10Aの形態を取る電子デバイス10が、
図2に示される。示されたコンピュータ10Aは、筐体又はエンクロージャ36、ディスプレイ18、入力構造22、及びI/Oインタフェース24のポートを含んでもよい。一実施形態では、入力構造22(キーボード及び/又はタッチパッドなど)が、コンピュータ10Aと相互作用して、コンピュータ10A上で動作するGUI又はアプリケーションの起動、制御、又は操作などを行うために使用されてもよい。例えば、キーボード及び/又はタッチパッドは、ユーザが、ディスプレイ18に表示されたユーザインタフェース又はアプリケーションインタフェースを移動することを可能にする。
【0028】
図3は、電子デバイス10の一実施形態を表すハンドヘルドデバイス10Bの正面図を示す。ハンドヘルドデバイス10Bは、例えば、携帯電話、メディアプレーヤ、パーソナルデータオーガナイザ、ハンドヘルドゲームプラットフォーム、又はそのようなデバイスの任意の組み合わせを表す。例として、ハンドヘルドデバイス10Bは、Apple Inc.(Cupertino,California)から入手可能なiPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)のモデルである。ハンドヘルドデバイス10Bは、内部構成要素を物理的破損から守り、電磁干渉から遮蔽するエンクロージャ36を含んでもよい。エンクロージャ36は、ディスプレイ18を取り囲んでいてもよい。I/Oインタフェース24は、エンクロージャ36を通して開放されてもよく、かつ例えば、Apple Inc.によって提供されているLightning(登録商標)コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)などの標準的なコネクタ及びプロトコル、又は他の類似するコネクタ及びプロトコルを用いた充電及び/又は、コンテンツ操作のための配線接続を目的としたI/Oポートを含んでもよい。
【0029】
ユーザ入力構造22は、ディスプレイ18との組み合わせで、ユーザがハンドヘルドデバイス10Bを制御することを可能にしてもよい。例えば、入力構造22が、ハンドヘルドデバイス10Bを起動するか又は停止させ、ユーザインタフェースをホーム画面、ユーザ構成変更可能なアプリケーションスクリーンへとナビゲートし、及び/又はハンドヘルドデバイス10Bの音声認識機能をアクティブにしてもよい。別の入力構造22が、音量調節を行うか、又は振動モードと鳴音モードとの切換えを行ってもよい。入力構造22が、様々な音声関連機能のためにユーザの声を取得することの可能なマイクロフォン並びに、音声再生及び/又は何らかの電話機能を可能にするスピーカを更に有してもよい。入力構造22が、外部スピーカ及び/又はヘッドフォンへの接続を可能にするヘッドフォン入力を更に有してもよい。
【0030】
図4は、電子デバイス10の別の実施形態を表す別のハンドヘルドデバイス10Cの正面図を示す。ハンドヘルドデバイス10Cは、例えば、タブレットコンピュータ、又は各種ポータブルコンピューティングデバイスのうちの1つを表し得る。例として、ハンドヘルドデバイス10Cは、電子デバイス10のタブレットサイズの実施形態であってもよく、この実施形態は、例えば、カリフォルニア州クパチーノのApple Inc.から入手可能なiPad(登録商標)のモデルであってもよい。
【0031】
図5に移ると、コンピュータ10Dは、
図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。コンピュータ10Dは、デスクトップコンピュータ、サーバ、又はノートブックコンピュータなどの任意のコンピュータであってもよいが、スタンドアロンのメディアプレーヤ又はビデオゲーミングマシンであってもよい。例として、コンピュータ10Dは、iMac(登録商標)、MacBook(登録商標)、又はApple Inc.の他の同様のデバイスであってもよい。コンピュータ10Dは、別の製造業者のパーソナルコンピュータ(personal computer、PC)も表してもよいことに留意されたい。同様のエンクロージャ36が、ディスプレイ18などのコンピュータ10Dの内部構成要素を保護及び収容するために提供されてもよい。ある一定の実施形態では、コンピュータ10Dのユーザが、コンピュータ10Dに接続できるキーボード22A又はマウス22B(例えば入力構造22)などの様々な外付け入力デバイスを使用して、コンピュータ10Dとの対話を行ってもよい。
【0032】
同様に、
図6は、本明細書に記載の技術を使用して動作するように構成されていてもよい
図1の電子デバイス10の別の一実施形態を表す装着型電子デバイス10Eを図示している。例として、リストバンド43を含み得る装着型電子デバイス10Eは、Apple,Inc.のApple Watch(登録商標)を含んでもよい。ただし、他の実施形態では、装着型電子デバイス10Eが、例えば、装着型運動監視デバイス(例えば、歩数計、加速度計、心拍数モニタ)などの任意の装着型電子デバイス、又は別の製造業者の他のデバイスを含んでもよい。装着型電子デバイス10Eのディスプレイ18が、(例えばLCD、OLEDディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイなどの)タッチスクリーンディスプレイ18並びに、ユーザが装着型電子デバイス10Eのユーザインタフェースと相互作用を行うことを可能にする入力構造22を有してもよい。
【0033】
電子デバイス10は、様々なレベルの電圧で動作する1つ以上の構成要素を有することができる。したがって、電子デバイス10は、入力直流(DC)電圧の所望の出力DC電圧への変換を容易にするために、ダイ上に配置されたスイッチングレギュレータを含み得る。上記で説明したように、スイッチングレギュレータのメインパッケージの外部に配置された1つ以上の電力段を有するスイッチングレギュレータを実装することは、メインパッケージ内で生成された熱がメインパッケージの外部に放散されることを可能にし得る。
【0034】
上記を念頭に置いて、
図7は、本開示の実施形態による、電子デバイス10の混合トポロジスイッチングレギュレータ50を示す。混合トポロジスイッチングレギュレータ50は、パッケージ52を含むことができる。パッケージ52は、半導体ダイ上に配置された1つ以上の電子部品を有する密閉構造であってもよい。加えて、パッケージ52は、シリコンパッケージ、回路パッケージ、又は1つ以上の電子部品を含む又は組み込む任意の好適なパッケージを含んでもよい。パッケージ52は、制御ユニット54と、1つ以上の内部電力段56のセットを含むことができる。制御ユニット54は、降圧制御ユニット、昇圧制御ユニット、及び/又は昇降圧制御ユニットを含んでもよい。降圧制御ユニットは、所望の電圧レベルに一致又は相関するように入力電圧からより低い電圧レベルを有する出力電圧を生成することができ、昇圧制御ユニットは、所望の電圧レベルに一致又は相関するように入力電圧からより高い電圧レベルを有する出力電圧を生成することができ、昇降圧制御ユニットは、降圧制御ユニット及び昇圧制御ユニットの両方の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、混合トポロジスイッチングレギュレータ50は、電子デバイス10内に配置されたプロセッサ12に通信可能に結合され得る。プロセッサ12は、入力電圧から所望の電圧に等しい出力電圧を生成するために、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の制御ユニット54に1つ以上のコマンドを送信することができる。すなわち、プロセッサ12は、電子デバイス10内に配置された1つ以上の構成要素から所望の電圧の要求を受信することができ、その要求に基づいて1つ以上のコマンドを生成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ12は、制御ユニット54を含むことができる。
【0035】
更に、1つ以上のセンサ55がパッケージ52と物理的に接触するように配置された1つ以上のセンサ55があってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ55は、パッケージ52及び/又は混合トポロジスイッチングレギュレータ50の1つ以上の出力に結合されてもよい。特に、1つ以上のセンサ55は、パッケージ52を含むダイ上に、又はダイの外部に配置され得る。1つ以上のセンサ55は、温度センサ、電流センサ、抵抗センサ、電圧センサ、又はパッケージ52及び/又は混合トポロジスイッチングレギュレータ50に関するデータを検出及び/又は記録することができる任意の他の実行可能なセンサを含むことができる。
【0036】
1つ以上の内部電力段56は各々、入力直流(DC)電圧の所望の出力DC電圧への変換を容易にするために、逆バイアスの2つのトランジスタ57A、57B(集合的に57)(例えば、N型金属酸化膜半導体電界効果(NMOS)トランジスタ57A及びP型金属酸化膜半導体電界効果(PMOS)トランジスタ57B)を含み得る。いくつかの実施形態において、トランジスタ57AはPMOSトランジスタであってもよく、トランジスタ57BはNMOSトランジスタであってもよい。更に、トランジスタ57A及びトランジスタ57Bは、いずれもNMOSトランジスタであってもよいし、いずれもPMOSトランジスタであってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の内部電力段56は各々、特定のバイアスの1つのトランジスタ57(例えば、NMOS又はPMOSトランジスタ)と、非同期動作のためのダイオードとを含み得る。各内部電力段56は、互いに独立してアクティブ及び非アクティブにされ得る。例として、内部電力段56Aは、内部電力段56Bをアクティブにする前にアクティブにされてもよく、又はその逆であってもよい。1つ以上の内部電力段56は、動作中に熱を生成することがあり、それは、1つ以上の内部電力段56並びに/あるいはパッケージ52と同じダイ上及び/又はその周りに配置された追加の構成要素の性能及び/又は寿命を制限することがある。
【0037】
上記で説明したように、1つ以上の外部電力段58のセットは、パッケージ52から外部に熱を放散するために、混合トポロジスイッチングレギュレータ50内に実装され得る。1つ以上の外部電力段58は、パッケージ52の外部に配置され、パッケージ52の制御ユニット54に結合されてもよい。1つ以上の外部電力段58は各々、入力直流(DC)電圧の所望の出力DC電圧への変換を容易にするために、逆バイアスの2つのトランジスタ57(例えば、NMOSトランジスタ57A及びPMOSトランジスタ57B)を含み得る。2つのトランジスタ57は、入力電圧信号の同期整流を提供することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の外部電力段58は、特定のバイアスの1つのトランジスタ57(例えば、NMOSトランジスタ57A又はPMOSトランジスタ57B)と、非同期動作のためのダイオードとを含み得る。各外部電力段58は、互いに独立してアクティブ化及び非アクティブにされ得る。一例として、外部電力段58Aは、外部電力段58Bをアクティブにする前にアクティブにされてもよく、逆もまた同様である。
【0038】
いくつかの実施形態では、1つ以上の外部電力段58は、パッケージ52及び1つ以上の内部電力段56とは異なるダイ上に配置され得る。1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58は、異なるサイズであってもよく、異なるサイズのダイ上に配置されてもよいことに留意されたい。すなわち、1つ以上の外部電力段58は、1つ以上の内部電力段56よりもサイズが大きくてもよく、それにより、1つ以上の外部電力段58の各々は、より多くの熱エネルギーを放散し、パッケージ52の全体温度を低下させるために、1つ以上の内部電力段56と比較してより大きな表面積を有してもよい。更に、パッケージ52の外部に1つ以上の外部電力段58を配置することは、パッケージ52の空間の量を低減し、追加の構成要素がパッケージ52上に配置されることを可能にし、及び/又はパッケージ52のより小さいサイズに起因して、追加の構成要素が電子デバイス10内のパッケージ52外に配置されることさえ可能にし得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58は、同じダイ上にあってもよい。更に、1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58は、異なる製造技術によって製造することができる。すなわち、1つ以上の外部電力段58は、1つ以上の内部電力段56と比較して改善された冷却構成要素及び/又は追加の熱的改善を含むことができる。例として、1つ以上の外部電力段58は、1つ以上の内部電力段56の制限のために1つ以上の内部電力段56に利用できない冷却構成要素を含むことができる。すなわち、1つ以上の内部電力段56は、1つ以上の内部電力段56及び/又はパッケージ52内に配置され得る構成要素のタイプ及び/又は数を制限する1つ以上の構成要素(例えば、アナログ信号処理構成要素及び/又はデジタル信号処理構成要素)を含み得る。
【0039】
更に、パッケージ52の外部に及び/又はパッケージ52とは異なるダイ上に1つ以上の外部電力段58を配置することは、電子デバイス10の構成要素間の周囲空気流を可能にし得る。上記で説明したように、1つ以上の外部電力段58は、1つ以上の内部電力段56よりも大きい表面積を有することができ、より大きい表面積は、より良好な熱放散を可能にすることができる。更に、1つ以上の外部電力段58は、パッケージ52の外部に配置される。したがって、パッケージの外部に1つ以上の外部電力段を配置することは、電力段の全表面積の周囲空気へのより大きい露出を可能にし得、したがって、より良好な冷却を可能にし得る。更に、各外部電力段58は、電子デバイス10全体にわたって熱を効率的に放散するために、電子デバイス10内の異なる位置に配置することができる。例えば、1つ以上の外部電力段58は、パッケージ52を有する回路基板とは異なる電子デバイス10内の1つ以上の回路基板上に実装され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の外部電力段58は、パッケージ52とともに回路基板上に実装されてもよい。1つ以上の外部電力段58は、より良好な冷却を可能にするために、熱を1つ以上の回路基板に直接放散することができる。すなわち、パッケージ52内の各構成要素は、パッケージ52のモノリシックな性質に起因して、共有されたはんだ接続(例えば、はんだボール)及び/又はビアを通して熱を放散し得る。このようにして、1つ以上の外部電力段58は、共有されたはんだ接続及び/又はビアを通して熱を放散することに頼ることなく、回路基板に直接熱を放散することができる。更に、1つ以上の外部電力段58のトランジスタ57は、1つ以上の内部電力段56のトランジスタ57よりも低いスイッチング周波数で動作することができ、これは、より良好な電力効率をもたらすことができる。すなわち、トランジスタ57がアクティブ化と非アクティブ化との間でより頻繁に切り替わる(例えば、スイッチング周波数がより高い)ほど、より多くの電力が失われ得、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の効率がより低くなる。したがって、1つ以上の外部電力段58を実装することは、電力消費を減少させ、電力効率を増加させ得る。
【0040】
1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58は、出力電圧リップルを低減するために、1つ以上の容量性要素60A及び60B(集合的に60)に結合され得る。更に、内部電力段56Aは、接地接続64Aに結合された1つのトランジスタ57と、接地接続64Bに結合された第2のトランジスタ57とを有することができる。1つ以上の外部電力段58は、容量性要素60Bに結合され得る。更に、1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58は、1つ以上の誘導性要素62A、62B、62C、及び62D(集合的に62)に結合され得る。特に、内部電力段56Aは誘導性要素62Aに結合されてもよく、内部電力段56Bは誘導性要素62Bに結合されてもよい。更に、外部電力段58Aは誘導性要素62Cに結合されてもよく、外部電力段58Bは誘導性要素62Dに結合されてもよい。1つ以上の誘導性要素62は各々、接地接続64Cに結合され得る。1つ以上の誘導性要素62は、入力供給電圧に対抗し、供給電圧をより低い出力電圧にダウンコンバート、低減、又は「降圧」することができる。
【0041】
構成要素及びそれらの対応する接続の説明は単なる例であり、限定するものではないことに留意されたい。
図7に示されていない他の適切な構成要素の中でも、追加の又はより少ない内部電力段56、外部電力段58、容量性要素60、及び/又は誘導性要素62があってもよい。更に、混合トポロジスイッチングレギュレータのトポロジは、制御ユニット54のタイプに基づいて修正されてもよい。すなわち、混合トポロジスイッチングレギュレータのトポロジは、降圧制御ユニット、昇圧制御ユニット、及び/又は昇降圧制御ユニットの間で変化し得る。
【0042】
電子デバイス10の通常動作中、混合トポロジスイッチングレギュレータ50は、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58を利用して、入力DC電圧の所望の出力DC電圧への変換を容易にすることができる。上述したように、各内部電力段56は、アクティブにされるときに熱を発生する可能性がある。パッケージ52上の熱出力を低減するために、パッケージ52又は1つ以上の内部電力段56の温度が安全動作のための閾値を超えたことに応答して、追加の外部電力段58がアクティブにされ得る。パッケージ52の消費された熱出力を低減することによって、パッケージ52の構成要素の性能及び寿命、結果として、電子デバイス10の性能及び寿命を向上させることができる。
【0043】
上記を念頭において、
図8は、本開示の実施形態による、パッケージ52の温度に基づいて電力管理機能を1つ以上の外部電力段58にオフロードすることによってパッケージ52上の温度を低下させるための方法80のフローチャートである。制御ユニット54、プロセッサ12など、混合トポロジスイッチングレギュレータ50及び/又は電子デバイス10の構成要素を制御することができる任意の適切な構成要素が、方法80を実行することができる。いくつかの実施形態では、方法80は、制御ユニット54及び/又はプロセッサ12を使用して、メモリ14又は記憶装置16などの、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令を実行することによって、実施することができる。方法80は、特定の順序のステップを使用して説明されているが、本開示は、説明されているステップを、示されている順序とは異なる順序で実行することが可能であり、説明されている特定のステップを、省略するか又は全く実行しないことも可能であることが想到されている点を理解されたい。
【0044】
ブロック82において、制御ユニット54は、パッケージ52の温度を示す温度データを受信する。特に、1つ以上の内部電力段56の各段が1つ以上の温度センサのうちの1つの温度センサに関連付けられるように、ダイ上に配置された1つ以上の温度センサ(例えば、1つ以上のセンサ55)があってもよい。すなわち、1つ以上の温度センサは、各温度センサが各内部電力段56と物理的又はほぼ物理的に接触するように配置することができる。各温度センサは、個別の内部電力段56の温度、パッケージ52の温度、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の温度、及び/又はパッケージ52が配置されるダイの温度を検出することができる。いくつかの実施形態では、混合トポロジスイッチングレギュレータ50及び/又はパッケージ52は各々、混合トポロジスイッチングレギュレータ50及び/又はパッケージ52の温度を検出する個別の温度センサに関連付けられてもよい。温度センサは、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検出器、又は電子デバイス10の1つ以上の構成要素における温度を検出するのに適した任意の他の温度センサを含むことができる。更に、1つ以上の温度センサは、パッケージ52と同じダイ上、パッケージ52とは異なるダイ上、及び/又はパッケージ52が配置されるダイの上若しくは下に配置され得る。
【0045】
1つ以上の温度センサは、制御ユニット54に結合されてもよく、制御ユニット54は、1つ以上の温度センサによって検出された温度データを受信してもよい。温度データは、温度測定値、電流測定値、電圧測定値、抵抗測定値、及び/又は1つ以上の温度センサによって検出される任意の他の適切な測定値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニット54は、温度データを使用して温度測定値を導出することができる。
【0046】
ブロック84において、制御ユニット54は、パッケージの温度が第1の温度閾値を超えているかどうかを判定する。制御ユニット54は、ブロック82で受信された温度データに基づいて導出又は受信されたパッケージの温度を第1の温度閾値と比較することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ52の温度は、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の温度、パッケージ52の温度、1つ以上の内部電力段56の温度、及び/又はパッケージ52の1つ以上の追加の構成要素の温度のうちの1つ以上に基づいて算術関数(例えば、平均、合計、最大、最小、中央値など)を実行することによって決定され得る。第1の温度閾値は、メモリ14に記憶された所定の値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の温度閾値は、電子デバイス10の履歴性能値、パッケージ52の履歴温度データ、及び/又は1つ若しくは内部電力段56に基づいて動的に決定された値であり得る。更に、第1の温度閾値は、周期的に(例えば、毎日又はそれ以上の頻度で、毎週又はそれ以上の頻度で、毎月又はそれ以上の頻度で、毎年又はそれ以上の頻度でなど)決定され得る。代替的に、第1の温度閾値は、温度が第1の閾値を超えること、電子デバイス10がある期間にわたって(例えば、閾値期間を超える)高温で(例えば、第1の閾値を超える)動作すること、及び/又は温度が通常動作の温度を超えて上昇することなど、1つ以上の発生に基づいて決定され得る。例として、制御ユニット54などの制御回路は、閾値温度(例えば、接合動作温度)を超えないように集積回路のシリコンパッケージを動作させることができる。すなわち、接合動作温度は、パッケージ52内のドーパント元素の拡散速度、パッケージ52内の電荷キャリアのキャリア運動性、及び/又は電荷キャリアの熱生成がパッケージ52内で影響を受ける前にパッケージ52が動作し得る最高温度を含み得る。したがって、第1の温度閾値は、より高い又は最大温度閾値と呼ばれることがあり、接合動作温度を含むことがある。いくつかの実施形態では、第1の温度閾値は、90℃~150℃、100℃~140℃、110℃~130℃、例えば125℃を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、制御ユニット54は、ダイの温度が第1の温度閾値を超えているかどうかを判定する。制御ユニット54は、ブロック82で受信された温度データに基づいて導出又は受信されたダイの温度を第1の温度閾値と比較することができる。ダイの温度は、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の温度、パッケージ52の温度、1つ以上の内部電力段56の温度、パッケージ52の1つ以上の追加の構成要素の温度、及び/又は1つ以上の外部電力段58の温度のうちの1つ以上に基づいて算術関数(例えば、平均、合計、最大、最小、中央値など)を実行することによって決定され得る。制御ユニット54がダイの温度を第1の温度閾値と比較している場合、第1の温度閾値を調整することができることに留意されたい。
【0048】
ブロック86において、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第1の温度閾値を超えていると判定し、パッケージ52の外部の外部電力段58のうちの1つ以上をアクティブにする。いくつかの実施形態では、制御ユニット54は、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58を順次アクティブにすることができる。例として、制御ユニット54は、プロセッサ12によって制御ユニット54に送られたコマンドに応じて、任意の追加の内部電力段56及び/又は外部電力段58をアクティブにする前に、内部電力段56Aをアクティブにし得る(例えば、パッケージ52からの温度が第1の温度閾値を超えた場合)。更に、制御ユニット54は、第1の外部電力段58を起動する前に、1つ以上の内部電力段56の各内部電力段56をアクティブにすることができる。すなわち、1つ以上の内部電力段56の全てをアクティブにする際、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第1の温度閾値を超えるとき、1つ以上の外部電力段58をアクティブにし始めることができる。追加の外部電力段58がアクティブにされるとき、全てのアクティブにされた電力段(例えば、各アクティブにされた内部電力段56及び各アクティブにされた外部電力段58)の電流負荷は、追加の外部電力段58と共有され得、それは、1つ以上の内部電力段56の全体的な電流負荷及び/又はパッケージ52の温度を低減し得る。更に、制御ユニット54及び/又はプロセッサ12は、(例えば、1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58の全てがアクティブにされているとき)電子デバイス10に、電子デバイス10の熱出力を低減するために電流負荷を減少させ得る。
【0049】
ブロック88において、制御ユニット54は、温度が第1の温度閾値を超えていないと判定し、温度が第2の温度閾値未満であるかどうかを判定する。制御ユニット54は、ブロック82において受信された温度データから導出又は受信された温度を第2の温度閾値と比較することができる。特に、第2の温度閾値は、パッケージ52の寿命を減少させることなく、及び/又は混合トポロジスイッチングレギュレータ50の効率を低下させることなく、パッケージ52を動作させるのに適した温度範囲を含むことができる。例えば、第2の温度閾値は、45℃~75℃、55℃~70℃、60℃~65℃であってもよい。第2の温度閾値は、メモリ14に記憶された所定の値であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の温度閾値は、電子デバイス10の履歴性能値、パッケージ52の履歴温度データ、及び/又は1つ若しくは内部電力段56、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて動的に決定された値であり得る。更に、第2の温度閾値は、周期的に(例えば、毎日又はそれ以上の頻度で、毎週又はそれ以上の頻度で、毎月又はそれ以上の頻度で、毎年又はそれ以上の頻度でなど)決定され得る。代替的に、第2の温度閾値は、温度が第2の温度閾値を下回ること、電子デバイス10がある時間期間にわたって低温で動作すること(例えば、第2の閾値を下回ること)、温度が通常動作の温度を超えて低下すること、又はそれらの任意の組合せなど、1つ以上の発生に基づいて決定され得る。
【0050】
ブロック90において、制御ユニット54は、パッケージ52における温度が第2の温度閾値未満であると決定し、1つ以上の外部電力段58を非アクティブにする。すなわち、パッケージ52が冷却され、熱エネルギーを第2の温度閾値未満に放散したので、制御ユニット54は、1つ以上の外部電力段58を非アクティブにすることができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット54は、1つ以上の外部電力段58の各々がアクティブにされた順序とは逆の順序で、1つ以上の外部電力段58を非アクティブにすることができる。すなわち、制御ユニット54は、外部電力段58Aを非アクティブにする前に外部電力段58Bを非アクティブにすることができる。更に、制御ユニット54は、第1の内部電力段56を非アクティブにする前に、1つ以上の外部電力段58の各外部電力段58を非アクティブにすることができる。すなわち、1つ以上の外部電力段58の全てを非アクティブにする際、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第2の温度閾値を下回るとき、1つ以上の内部電力段56を非アクティブにし始めることができる。更に、制御ユニット54は、1つ以上の外部電力段58の全て及び/又は1つ以上の内部電力段56の全てが非アクティブにされたとき、電子デバイス10の追加の構成要素における電流負荷を増加させるために、電子デバイス10の残りの部分に信号を送信することができる。
【0051】
1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58をいつアクティブ化又は非アクティブにするかを決定するために温度を監視することに加えて、制御ユニット54はまた、(例えば、温度に起因して1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58をアクティブ化又は非アクティブにするときを決定する前に)各内部電力段56及び/又は各外部電力段58、パッケージ52、及び/又は混合トポロジスイッチングレギュレータ50内の電流を監視して、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58をアクティブ化又は非アクティブにすることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、制御ユニット54は、特定の内部電力段56及び/又は特定の外部電力段58の電流を電流制限に制限して、ダイがパッケージ52に結合された構成要素の故障などの特定の結果に遭遇することを回避することができる。したがって、前の電力段の電流が電流制限を超えることに基づいて次の電力段をアクティブにすることは、温度が第1の温度閾値(例えば、接合動作温度)を超えることに基づいて次の電力段をアクティブにすることよりも優先され得る。
【0052】
上記を念頭において、
図9は、パッケージ52の電流及び温度に基づいて電力管理機能を1つ以上の外部電力段58にオフロードすることによってパッケージ52上の温度を低下させるための方法92のフローチャートである。制御ユニット54及び/又はプロセッサ12など、電子デバイス10及び/又は混合トポロジスイッチングレギュレータ50の構成要素を制御することができる任意の適切な構成要素(例えば、プロセッサ)が、方法92を実行することができる。いくつかの実施形態では、方法92は、制御ユニット54を使用して、メモリ14又は記憶装置16などの、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令を実行することによって、実施することができる。方法92は、特定の順序のステップを使用して説明されているが、本開示は、説明されているステップを、示されている順序とは異なる順序で実行することが可能であり、説明されている特定のステップを、省略するか又は全く実行しないことも可能であることが想到されている点を理解されたい。
【0053】
ブロック94において、制御ユニット54は、パッケージ52上の電流負荷を示す電流データを受信する。電流データは、特定の電力段及び/又はパッケージ52の電流負荷を示し得る。すなわち、1つ以上の電流センサ(例えば、1つ以上のセンサ55)は、ダイ上に配置されてもよく、パッケージ52内に配置されてもよく、制御ユニット54内に組み込まれてもよく、又は1つ以上の内部電力段56、1つ以上の外部電力段58、パッケージ52、及び/又はダイの電流を検出するための任意の適切な位置に配置されてもよい。1つ以上の電流センサ55は、1つ以上の内部電力段56、1つ以上の外部電力段58、容量性要素60、誘導性要素62、及び/又は接地接続64などの1つ以上の構成要素を通って流れる電流を検出することができる。例として、1つ以上の電流センサ55は、1つ以上の内部電力段56及び1つ以上の外部電力段58の各段を流れる電流を検出し、電流データを制御ユニット54に送ることができる。更に、制御ユニット54は、電流測定値、電圧測定値、抵抗測定値、及び/又は1つ以上の電流センサ55によって検出された任意の他の適切な測定値に基づいて、電流データから電流負荷を導出することができる。
【0054】
ブロック96において、制御ユニット54は、パッケージ52上の電流負荷が電流制限を超えているかどうかを判定する。制御ユニット54は、ブロック94で受信された電流データから導出された電流を電流制限と比較することができる。パッケージ52及び現在アクティブにされている電力段の電流データは、各アクティブにされた内部電力段56及び/又は各アクティブにされた外部電力段58の電流負荷に基づいて算術関数(例えば、平均、合計、最大、最小、中央値など)を実行することによって決定され得る。電流制限は、メモリ14に記憶された所定の値であってもよい。いくつかの実施形態では、電流制限は、電子デバイス10の履歴性能値、パッケージ52及び/又は1つ以上の内部電力段56の履歴電流データ、外部電力段58の数、又はそれらの任意の組合せに基づいて動的に決定された値であり得る。いくつかの実施形態では、電流制限は、1つ以上の内部電力段56の電流制限と1つ以上の外部電力段58の電流制限との比に基づくことができる。例として、1つ以上の内部電力段56の電流制限は、1つ以上の外部電力段58の電流制限の0.75以下、0.5以下、0.25以下、又は任意の他の適切な比率若しくはパーセンテージ(例えば、1/3)に設定され得る。上述した比率は単に例示的な例であり、比率は任意の適切な値であってもよいことを理解されたい。更に、電流制限は、電力の各位相に対する平均電流制限、又は1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58に対する瞬時電流制限を指し得ることを理解されたい。
【0055】
ブロック98において、制御ユニット54は、パッケージ52からの電流が電流制限を超え、パッケージ52の外部に配置された1つ以上の電力段をアクティブにさせることを決定する。制御ユニット54が、電流データから導出された電流が電流制限を超えると判定するとき、制御ユニット54は、外部電力段58のうちの1つ以上をアクティブにさせることができる。上述したように、制御ユニット54は、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58の作動の順次の順番を含むことができる。例として、内部電力段56Aは、内部電力段56Bの前にアクティブにされてもよい。混合トポロジスイッチングレギュレータ50がアクティブであるとき、内部電力段56Aは、プロセッサ12から制御ユニット54によって受信される1つ以上のコマンドに応じて、任意の他の電力段をアクティブにすることなくアクティブにされる第1の電力段であり得る。追加の外部電力段58がアクティブにされるとき、各前の電力段の電流負荷は、追加の外部電力段58の間で共有される。いくつかの実施形態では、制御ユニット54は、全ての内部電力段56がまだアクティブにされていないときに、次の内部電力段56をアクティブにさせることができる。すなわち、制御ユニット54は、アクティブにされた内部電力段56の数に基づいて、内部電力段56を作動させるか外部電力段58を作動させるかを決定することができる。したがって、制御ユニット54は、アクティブにされた内部電力段56の数が内部電力段56の総数に等しいと制御ユニット54が判断したとき、1つ以上の外部電力段58をアクティブにしてもよい。
【0056】
ブロック82において、制御ユニット54は、ダイからの電流が電流制限を超えていないと判定し、ダイの温度を示す温度データを受信する。制御ユニット54が、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58の電流負荷が、追加の電力段がアクティブにされることにつながらないと判定したとき、制御ユニット54は、方法80において上記で説明した温度判定を開始することができる。上記で説明したように、1つ以上の内部電力段56の各段が温度センサに関連付けられるように、ダイ上に配置された1つ以上の温度センサ55があってもよい。すなわち、各温度センサは、個別の内部電力段56と物理的又はほぼ物理的に接触していてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサは、パッケージ52と物理的又はほぼ物理的に接触していてもよい。各温度センサは、個別の内部電力段56の温度、パッケージ52の温度、混合トポロジスイッチングレギュレータ50の温度、及び/又はパッケージ52が配置されるダイの温度を検出することができる。いくつかの実施形態では、混合トポロジスイッチングレギュレータ50及び/又はパッケージ52は各々、混合トポロジスイッチングレギュレータ50及び/又はパッケージ52の温度を検出する個別の温度センサに関連付けられてもよい。更に、1つ以上の温度センサは、パッケージ52と同じダイ上、パッケージ52とは異なるダイ上、及び/又はパッケージ52が配置されるダイの上若しくは下に配置され得る。制御ユニット54は、ブロック94、96、及び98において、電流負荷がパッケージ52からの電流制限を超えているかどうかを判定し、ブロック82、84、86、88、及び90において、互いに独立して、温度が第1の温度閾値を超えているか、及び/又は第2の温度閾値未満であるかどうかを判定することができることを理解されたい。すなわち、制御ユニット54は、ブロック82、84、86、88及び90と、ブロック94、96及び98とを平行又は連続して実行することができる。いくつかの実施形態において、制御ユニット54は、ファームウェア、ソフトウェアを介して、又はハードウェア状態マシンによって制御されてもよい。
【0057】
ブロック84において、制御ユニット54は、温度が第1の温度閾値を超えているか否かを判定する。
図9のブロック84は、上述した
図8のブロック84と同様であることに留意されたい。制御ユニット54は、ブロック82において受信された温度データに基づいて導出又は受信された温度を第1の温度閾値と比較することができる。
【0058】
ブロック86において、制御ユニット54は、ダイからの温度が第1の温度閾値を超えていると判定し、パッケージ52の外部の1つ以上の外部電力段58のうちの1つ以上をアクティブにする。
図9のブロック86は、上述した
図8のブロック86と同様であることに留意されたい。上述したように、制御ユニット54は、1つ以上の内部電力段56及び/又は1つ以上の外部電力段58を順次アクティブにすることができる。例として、制御ユニット54は、プロセッサ12によって制御ユニット54に送られたコマンドに応じて、任意の追加の内部電力段56及び/又は外部電力段58をアクティブにする前に、内部電力段56Aをアクティブにし得る(例えば、パッケージ52からの温度が第1の温度閾値を超えた場合)。更に、制御ユニット54は、第1の外部電力段58を起動する前に、1つ以上の内部電力段56の各内部電力段56をアクティブにすることができる。すなわち、1つ以上の内部電力段56の全てをアクティブにする際、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第1の温度閾値を超えるとき、1つ以上の外部電力段58をアクティブにし始めることができる。
【0059】
ブロック88において、制御ユニット54は、温度が第1の温度閾値を超えていないことを判定し、温度が第2の温度閾値未満であるかどうかを判定する。
図9のブロック88は、上述した
図8のブロック88と同様であることに留意されたい。制御ユニット54は、ブロック82において受信された温度データから導出又は受信された温度を第2の温度閾値と比較することができる。
【0060】
ブロック90において、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第2の温度閾値未満であると決定し、1つ以上の外部電力段58のうちの1つ以上の外部電力段58を非アクティブにする。
図9のブロック90は、上述した
図8のブロック90と同様であることに留意されたい。制御ユニット54は、1つ以上の外部電力段58の各々がアクティブにされた順序とは逆の順序で、1つ以上の外部電力段58を非アクティブにすることができる。すなわち、制御ユニット54は、外部電力段58Aを非アクティブにする前に外部電力段58Bを非アクティブにすることができる。更に、制御ユニット54は、第1の内部電力段56を非アクティブにする前に、1つ以上の外部電力段58の各外部電力段58を非アクティブにすることができる。すなわち、1つ以上の外部電力段58の全てを非アクティブにする際、制御ユニット54は、パッケージ52からの温度が第2の温度閾値を下回るとき、1つ以上の内部電力段56を非アクティブにし始めることができる。
【0061】
ブロック82、84、86、88、及び90の間の任意の時点で、制御ユニット54は、1つ以上のアクティブにされた電力段の電流が電流制限を超えていることを検出し得ることに留意されたい。制御ユニット54は、ブロック94、96、及び98において実行されるプロセスに基づいて、追加の電力段をアクティブにし始めることができる。すなわち、制御ユニット54は、各アクティブにされた電力段についての温度データを受信しながら、同時に各アクティブにされた電力段についての電流データを連続的に受信していてもよい。すなわち、制御ユニット54による電流制限検出及び温度検出は、平行又は連続して実行される2つの異なるループに分離されてもよい。例えば、制御ユニット54は、ブロック94、96、及び98を有する第1のループを実行することができ、ブロック98において、制御ユニット54が、電流が電流制限よりも大きいと判定した場合、制御ユニット54は、ブロック86において説明した動作を実行し、次いでブロック94に戻ることができる。そうでない場合、制御ユニット54は、ブロック90に記載された動作を実行し、次いでブロック94に戻ることができる。制御ユニット54はまた、第1のループの実行と並行して(例えば、同時又は一斉に)第2のループを実行することができ、第2のループは、ブロック82、84、86、88、及び90を有し、ブロック82に戻る。
【0062】
更に、追加の電力段の作動は、温度が第1の温度閾値を超える前、又は電流が電流制限を超える前に実行されてもよい。制御ユニット54は、電流制限を超える入力電流負荷が存在することを判定してもよく、各アクティブにされた電力段の電流が各電力段の電流制限を超えない(例えば、それ以下である)ように追加の電力段をアクティブにしてもよい。
【0063】
上記の具体的な実施形態は、例として示されており、これらの実施形態は、様々な修正形態及び代替形態が可能であり得ることを理解されたい。特許請求の範囲は、開示の特定の形態に限定されることは意図されておらず、むしろ、本開示の本旨及び範疇内の全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含することが意図されていることを更に理解されたい。
【0064】
本明細書に提示されており特許請求されている技法は、本技術分野を実証可能に改善する、実用的な性質の有形物(material object)及び実際の例に参照及び適用され、よって、抽象的な、無形の、又は純粋に理論的なものではない。更には、本明細書の末尾に添付されている、いずれかの特許請求の範囲が、「~[機能]を[実行]する手段」又は「~[機能]を[実行]するためのステップ」として指定されている1つ以上の要素を含む場合には、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるべきであることが意図されている。しかしながら、他の方法で示された要素を含む請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)下で解釈されるべきではないことが意図されている。
【0065】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシ及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図されていない、又は許可されていない、アクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理され、かつ取り扱われるべきであり、許可された使用の性質は、ユーザに明確に示されるべきである。
【外国語明細書】