(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167010
(43)【公開日】2023-11-22
(54)【発明の名称】入力データ符号化方法、伝送データ復号方法、入力データ符号化用遷移符号器および伝送データ復号用遷移復号器
(51)【国際特許分類】
H04L 25/49 20060101AFI20231115BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20231115BHJP
H04L 7/033 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
H04L25/49 A
H04L1/00 F
H04L7/033 700
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078195
(22)【出願日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】63/340,351
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/806,706
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】アバスファー アリアザム
【テーマコード(参考)】
5K014
5K029
5K047
【Fターム(参考)】
5K014FA16
5K029FF10
5K029HH13
5K029HH21
5K047AA05
5K047MM38
(57)【要約】
【課題】クロック埋め込み直列リンクにおいて遷移符号化および復号化を確保するための方法とシステムを提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態による入力データ符号化方法は、ビットストリームの複数のデータビットを受信することと、前記複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成することと、前記第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化することと、前記符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割することと、前記各ブロック内にある前記符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成することとを含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビットストリームの複数のデータビットを受信することと、
前記複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成することと、
前記第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化することと、
前記符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割することと、
前記各ブロック内にある前記符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成することと、
を含む、入力データ符号化方法。
【請求項2】
前記符号化ワードは、いずれも0ワードではない、請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項3】
前記符号化することは、前記第1データパケットのワードを固有のキーワードを用いてワード別排他的論理和演算することを含み、
前記固有のキーワードは、オーバーヘッド(overhead)ワードと定義される、
請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項4】
前記固有のキーワードは、前記第1データパケット内のすべてのワードと異なる、請求項3に記載の入力データ符号化方法。
【請求項5】
前記符号化することは、前記第1データパケットの基数法を第1基数法から第2基数法に変換して基数変換パケットを生成することを含み、
前記第2基数法の基数は、前記第1基数法の基数より小さい、
請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項6】
前記第1データパケットは、X=[x1x2...xN]2qで表されるN桁(digit)2q進数であり、
各データビットx1、x2...xNは、0以上2q-1以下の値を有し、
前記基数変換パケットは、X=[y0y1y2...yN]2q-1で表される(N+1)桁(2q-1)進数であり、
複数のデータビットy1...yNは、0以上2q-2以下の値を有する、
請求項5に記載の入力データ符号化方法。
【請求項7】
前記符号化データパケットは、[y0+1、y1+1、y2+1...yN+1]で表され、
複数のワードy1+1...yN+1それぞれは、1~2q-1の値を有する、
請求項6に記載の入力データ符号化方法。
【請求項8】
前記第1データパケットの基数法を第1基数法から第2基数法に変換することは、反復過程である、請求項5に記載の入力データ符号化方法。
【請求項9】
前記複数のブロックのうち、第1ブロック内の前記符号化ワードは、第1ワード、第2ワードおよび第3ワードを含み、
前記第1ワード、前記第2ワードおよび前記第3ワードは、それぞれ少なくとも最上位ビット(most significant bit)、次の上位ビット(second most significant bit)、次々の上位ビット(third most significant bit)および最下位ビット(least significant bit)を含み、
前記符号化データパケットを生成することは、
a)前記第1ブロックに隣接し、前記第1ブロックの前に位置した前のブロックの前のデータビットの最後の排他的論理和演算(XOR:exclusive OR)結果と前記第1ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、
b)前記第1ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、
c)前記第2ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、
d)前記第3ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第1ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
e)前記第1ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
f)前記第2ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
g)前記第3ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第1ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
h)前記第1ワードの次々の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
i)前記第2ワードの次々の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することと、
を含む、
請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項10】
前記各ブロックサイズは、ブロックサイズ=W×M(Wは、ワードサイズと定義し、Mは、サンプリング間引き率(decimation ratio)と定義する)で定義する、請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項11】
前記符号化することは、任意のワードサイズとサンプリング間引き率に対して毎データビットごとに遷移を発生させる、請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項12】
前記符号化データパケットは、保障された限界ラン長を有する、請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項13】
前記符号化は、任意のワードサイズとサンプリング間引き率に対して毎データビットごとに遷移を発生させる、請求項1に記載の入力データ符号化方法。
【請求項14】
伝送データの複数の順次データビットを受信することと、
前記順次データビットを分割して第1符号化データパケットを含む複数の符号化データパケットを生成することと、
サンプリング間引き率に基づいて前記第1符号化データパケットの前記順次データビットを間引きサンプリングして間引きサンプリングデータワードを生成することと、
2つの隣接した間引きサンプリングデータワードをビット別排他的論理和演算して補助ワードを生成することと、 を含む、伝送データ復号方法。
【請求項15】
前記伝送データを生成する時に用いた符号化法の逆を用いて前記補助ワードを復号化することをさらに含む、請求項14に記載の伝送データ復号方法。
【請求項16】
プロセッサと、
前記プロセッサに連結され、命令を格納するプロセッサメモリと
を含み、
前記プロセッサは、前記命令を実行して、
ビットストリームの複数のデータビットを受信することと、
前記複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成することと、
前記第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化することと、
前記符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割することと、
前記各ブロック内にある前記符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成することと
を行う、 入力データ符号化用遷移符号器。
【請求項17】
前記符号化ワードは、いずれも0ではない、請求項16に記載の入力データ符号化用遷移符号器。
【請求項18】
プロセッサと、
前記プロセッサに連結され、命令を格納するプロセッサメモリと
を含み、
前記プロセッサは、前記命令を実行して、
伝送データの複数の順次データビットを受信することと、
前記順次データビットを分割して複数の符号化データパケットを生成することと、
サンプリング間引き率に基づいて第1符号化データパケットの前記順次データビットを間引きサンプリングして間引きサンプリングデータワードを生成することと、
2つの隣接した間引きサンプリングデータワードをビット別排他的論理和演算することと、
を行う、伝送データ復号用遷移復号器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力データ遷移符号化方法、伝送データ復号方法、入力データ符号化用遷移符号器および伝送データ復号用遷移復号器に関する。
【0002】
本出願は、2022年5月10日付で出願した米国特許出願番号第63/340,351号を優先権主張し、米国特許出願番号第63/340,351号の出願の全体内容は本出願に参照として引用される。
【背景技術】
【0003】
直列リンクデータ伝送システムでは、受信機が伝送チャネルまたはバスを介して順次に一度に1ビットずつデータを受信できるように、送信機がデータを直列に受信機に伝送することができる。この場合、送信機は、クロック信号を別に伝送せず、ローカルクロック信号をデータと共にデータストリームに埋め込むことができる。これによって、受信機は、データストリームからのデータを適切にサンプリングするために、データストリームから埋め込みクロック信号を復旧することができる。このようなクロックおよびデータ復旧(CDR:clock and data recovery)回路は、無遷移(no transition)が無更新(no update)に対応するようにデータストリームの遷移(例:ビット遷移)に基づくことができる。サンプリング間引き(decimation)CDRは、任意の初期位相でM個のビットごとに1ビット(例:間引きサンプリングデータ)ずつ調べるため、所与のサンプリング間引き率(decimation ratio)(M)で遷移を発生させる方法が必要である。
【0004】
背景技術に記載した情報は本発明の背景技術の理解を高めるためのものであって、従来技術ではない内容を含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、クロック埋め込み直列リンクにおいて遷移符号化および復号化を確保するための方法とシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による入力データ符号化方法は、ビットストリームの複数のデータビットを受信することと、前記複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成することと、前記第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化することと、前記符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割することと、前記各ブロック内にある前記符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成することとを含む。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化ワードは、いずれも0ワードでなくてよい。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化ことは、前記第1データパケットのワードを固有のキーワードを用いてワード別排他的論理和演算することを含み、前記固有のキーワードは、オーバーヘッド(overhead)ワードと定義されてよい。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記固有のキーワードは、前記第1データパケット内のすべてのワードと異なっていてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化ことは、前記第1データパケットの基数法を第1基数法から第2基数法に変換して基数変換パケットを生成することを含み、前記第2基数法の基数は、前記第1基数法の基数より小さくてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記第1データパケットは、X=[x1x2...xN]2qで表されるN桁(digit)2q進数であり、各データビットx1、x2...xNは、0以上2q-1以下の値を有し、前記基数変換パケットは、X=[y0y1y2...yN]2q-1で表される(N+1)桁(2q-1)進数であり、複数のデータビットy1...yNは、0以上2q-2以下の値を有してよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化データパケットは、[y0+1、y1+1、y2+1...yN+1]で表され、複数のワードy1+1...yN+1それぞれは、1以上2q-1以下の値を有してよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記第1データパケットの基数法を第1基数法から第2基数法に変換することは、反復過程であってもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記複数のブロックのうち、第1ブロック内の前記符号化ワードは、第1ワード、第2ワードおよび第3ワードを含み、前記第1ワード、前記第2ワードおよび前記第3ワードは、それぞれ少なくとも最上位ビット(most significant bit)、次の上位ビット(second mostsignificant bit)、次々の上位ビット(third most significant bit)および最下位ビット(least significant bit)を含み、前記符号化データパケットを生成することは、a)前記第1ブロックに隣接し、前記第1ブロックの前に位置した前のブロックの前のデータビットの最後の排他的論理和演算(XOR:exclusive OR)結果と前記第1ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、b)前記第1ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、c)前記第2ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの最上位ビットとを排他的論理和演算することと、d)前記第3ワードの最上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第1ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、e)前記第1ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、f)前記第2ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの次の上位ビットとを排他的論理和演算することと、g)前記第3ワードの次の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第1ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することと、h)前記第1ワードの次々の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第2ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することと、i)前記第2ワードの次々の上位ビットの排他的論理和演算結果と前記第3ワードの次々の上位ビットとを排他的論理和演算することとを含んでよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記各ブロックサイズは、ブロックサイズ=W×M(Wは、ワードサイズと定義し、Mは、サンプリング間引き率(decimation ratio)と定義する)で定義されてよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化することは、任意のワードサイズとサンプリング間引き率に対して毎データビットごとに遷移を発生させてよい。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記符号化データパケットは、保障された限界ラン長を有してよい。
【0019】
本発明の一実施形態による伝送データ復号方法は、伝送データの複数の順次データビットを受信することと、前記順次データビットを分割して第1符号化データパケットを含む複数の符号化データパケットを生成することと、サンプリング間引き率に基づいて前記第1符号化データパケットの前記順次データビットを間引きサンプリングして間引きサンプリングデータワードを生成することと、2つの隣接した間引きサンプリングデータワードをビット別排他的論理和演算して補助ワードを生成することとを含む。
【0020】
本発明の一実施形態による伝送データ復号方法は、前記伝送データを生成する時に用いた符号化法の逆を用いて前記補助ワードを復号化することをさらに含んでよい。
【0021】
本発明の一実施形態による入力データ符号化用遷移符号器は、プロセッサと、前記プロセッサに連結され、命令を格納するプロセッサメモリとを含み、前記プロセッサは、前記命令を実行して、ビットストリームの複数のデータビットを受信することと、前記複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成することと、前記第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化することと、前記符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割することと、前記各ブロック内にある前記符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成することとを行う。
【0022】
本発明の一実施形態による伝送データ復号用遷移復号器は、プロセッサと、前記プロセッサに連結され、命令を格納するプロセッサメモリとを含み、前記プロセッサは、前記命令を実行して、伝送データの複数の順次データビットを受信することと、前記順次データビットを分割して複数の符号化データパケットを生成することと、サンプリング間引き率に基づいて第1符号化データパケットの前記順次データビットを間引きサンプリングして間引きサンプリングデータワードを生成することと、2つの隣接した間引きサンプリングデータワードをビット別排他的論理和演算することとを行う。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化ワードは、いずれも0でなくてよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記符号化は、任意のワードサイズとサンプリング間引き率に対して毎データビットごとに遷移を発生させてよい。
【発明の効果】
【0025】
このようにすることによって、本発明の一実施形態による入力データ遷移符号化方法、伝送データ復号方法、入力データ符号化用遷移符号器および伝送データ復号用遷移復号器は、クロック埋め込み直列リンクにおいて遷移符号化および復号化を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】本発明の一実施形態による直列データ通信システムのブロック図である。
【
図1B】本発明の一実施形態による直列データ通信システムの送信機/受信機のブロック図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による多数のワードに分割されたデータパケットを示す。
【
図2B】本発明の一実施形態による多数の符号化ワードに分割された符号化データパケットを示す。
【
図3】本発明の一実施形態による二段符号化法(two-stage encoding method)を用いてNワードパケットを符号化して、
図1Aの伝送データビットを生成することを示す。
【
図4】本発明の一実施形態による
図3の受信ビットを復号化することを示す。
【
図5】本発明の一実施形態による受信ビットストリームの間引きサンプリングデータビットとビットストリームの遷移の存在または不存在を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による入力データ符号化過程を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による伝送データ復号過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
後述される詳細な説明は、例えば、直列通信におけるデータ遷移符号化/復号化システムおよび方法の各実施形態に関するものであって、以下で説明される各実施形態は本発明によって実現または利用される唯一の形態を示すものではない。
【0028】
以下において、添付した図面を参照して、本発明の各実施掲載について詳細に説明する。本発明の各実施形態の図面および明細書全体おいて、特に言及しない限り、同一または類似の構成要素については同一の符号が付されている。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明される実施形態に限定されるものではない。以下において説明される実施形態は、本発明をより明確にし、当業者に本発明の形態および特徴を十分に示すために、例示される。したがって、当業者が本発明の形態および特徴を明確に理解するために、省略可能な方法、構成要素および技術については説明を省略する場合がある。特に言及しない限り、添付した図面と詳細な説明において、同一の符号は同一の構成要素を示し、重複する説明は省略される場合がある。
【0029】
図1Aを参照すると、本発明の一実施形態による直列データ通信システム1は、入力データストリーム4と、送信機10と、通信チャネル(つまり、直列通信チャネル)15と、伝送データ16と、受信機20と、出力データストリーム26とを含むことができる。送信機10は少なくとも、入力データストリーム4の圧縮を行うデータ圧縮器12と、入力データストリーム4を符号化し、通信チャネル15を介して受信機20に伝送する伝送データ16を生成する遷移符号器(transition encoder)100とを含むことができる。受信機20は少なくとも、受信機20が受信したデータストリームを圧縮解除することが可能なデータ圧縮解除器22と、データストリームを復号化して出力データストリーム26を生成する遷移復号器201と、を含むことができる。受信機20はまた、クロック復旧回路またはクロックおよびデータ復旧回路24を含むことができる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、遷移符号器100は、少なくとも特定の周波数により(例えば、
図3に示されるデータパケット346において、)遷移を発生させることで伝送データストリーム16を符号化することができる。ここで、特定の周波数は、例えば、受信機20が通信チャネル15を介して伝送された(例えば、遷移符号化された)符号化データストリームからクロック信号を抽出できるようにする周波数である。つまり、(例えば、
図3に示されるデータパケット346に対して示されるように、)遷移符号器100は、符号化データストリームのラン長を制限してもよい。
【0031】
本発明の一実施形態では、伝送データビットストリームが任意の位相のサンプリング間引き(decimation)位置にある時、遷移符号器100は、所定のビットサイズであるビットストリームに対して、ある所与のサンプリング間引き率(decimation ratio)(M)に対して、少なくとも1回、ビットストリームに遷移が発生するように構成される。例えば、
図3では、データパケット346を互いに異なるハッチング(hatching)パターンで表示したが、各パターンは、1つの間引きサンプリングされたデータワードのビット(例えば、ビット330a、330bなど)を示す。互いに異なるパターンは、互いに異なる位相で互いに異なるように間引きサンプリングされた(decimated)データワードを示す。1つのハッチングパターンを有するビット集合(つまり、間引きサンプリングされたビット)で少なくとも1回遷移が発生することが保証される。これについては、
図3を参照してさらに詳しく説明される。
【0032】
間引きサンプリングされたビットストリームの所定のビットサイズは、データパケットにあるワードサイズ(W)と同一であってもよい。換言すると、間引きサンプリングされたワードをなすビット(例えば、ビットストリームの同等ビット)には、少なくとも1つの遷移が必要である。
【0033】
遷移は、単に間引きサンプリングされたビットのうちの隣接ビット間の差を意味するものではない場合がある。代わりに、遷移は、例えば、任意の位相を有するサンプリング間引き位置で見られる、符号器出力端における1つのビットとその前のビットとの差、つまり、伝送データビット間の差として理解される。
【0034】
本発明の一実施形態では、ビットストリームのブロックサイズをブロックサイズ=W×Mで表すことができる。ここで、Wは、ワードサイズと定義され、Mは、サンプリング間引き率と定義される。本発明の一実施形態では、遷移符号器100が、ある所与のサンプリング間引き率(M)に対しても変わりのない遷移を1つのビットストリームに発生させる。サンプリング間引き率(M)が4、ワードサイズ(W)が8である例を考えると、結果として、ブロックサイズは32ビットになり、所与のブロックは1101_1111_0000_0011_0001_1100_1101_1011になる。ビットストリームが間引きサンプリングされる時、サンプリング間引き率が4であれば、4ビットごとに1回ずつビットストリームがサンプリングされる。こうすることで、間引きサンプリングを開始するビットに依存する4間引きサンプリングされたワードを得ることができる。第1ビットから開始されると、間引きサンプリングされたワードは11000111になり、これは第1位相で間引きサンプリングされたワードである。第2ビットから開始されると、間引きサンプリングされたワードは11000110を得ることができる。これと同様に、第3ビットから開始されると、間引きサンプリングされたワードは01010001を得て、第4ビットから開始されると、間引きサンプリングされたワードは11011011を得る。
【0035】
図1Bに示される送信機10および受信機20が実行する動作は、「処理回路」または「処理器」または「プロセッサ」30で実現可能である。「処理回路」は、ハードウェア、ファームウエア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを用いて実現することができる。処理回路は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、汎用または専用中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理器(DSP)、グラフィック処理装置(GPU)、FPGAなどのプログラム可能論理装置を含むことができる。処理回路において、それぞれの関数は、その機能を行う有線ハードウェアまたは非一時的(non-transitory)記憶媒体に格納された命令を行うCPUなどの汎用ハードウェアで行われる。処理回路は、1つの印刷配線基板(PWB:printed wiring board)に作製されるか、互いに連結されたPWBに分散配置される。処理回路は、他の処理回路を含むことができ、例えば、PWB上で互いに連結されたFPGAとCPUとを含むことができる。プロセッサ30に従属したプロセッサメモリ32は、命令を含むことができ、プロセッサ30は、この命令を実行すると、
図1A、
図2~
図7を参照して説明する動作を実行することができる。
【0036】
図2Aは、本発明の一実施形態による多数のワード204に分割されたデータパケット200を示す。本発明の一実施形態では、データパケット200が多数のワードをそれぞれ含む複数のブロックに分割される。例えば、データパケットの1つが119個の8ビットワードを含む場合、符号化されたデータパケットの1つは、(8ビット)オーバーヘッド(overhead)+119個の符号化(された)(8ビット)ワード=計120ワードを含むことができる。この例において、データパケットは、計120個のワードに対して4個のワードをそれぞれ含む30個のブロックを含むことができる。
【0037】
図1Aを参照すると、本発明の一実施形態では、遷移符号器100が(例えば、遷移符号器アルゴリズムを用いて)入力データパケットを多数のデータパケット(例えば、ビットストリーム)に分割する。データパケット200は、符号206、208、210で表された連続したいくつかのワード(word)を含むことができる。データパケット200は、N個のワード(word)(例えば、桁(digit))に分割され、各ワードは、q個のビットを含む。入力データパケット(X)は、次の数式1のように表現することができる。
【0038】
【0039】
ここで、x
1、x
2、...、x
Nは、入力データパケットをなすN個のワードを示す。各ワードは、0と2
q-1との間の値を有する桁を示すことができる。
図2Aの例において、各ワードが6ビットを含む場合には(つまり、q=6の場合)、各ワード/桁は、[0:63]の範囲の値を有する。
【0040】
データパケット200の第1データビット集合212は、ビット0 1 2 ... q-1を含むことができる。第1データビット集合212は、分割されて第1ワード206をなすことができる。第2データビット集合214は、ビットq、q+1 ... 2q-1を含むことができる。第2データビット集合214は、第2ワード208をなすことができる。時間によりデータが進行するほど、所与のデータパケット200内に生成されるワードの数が送信/受信されたデータ量に基づいて多くなり得る。本発明の一実施形態では、例えば、データパケット200内のワード数が制限される。本発明の他の実施形態では、例えば、データパケット200内のワード数が無制限である。データパケット200全体にわたって1つのワード内にあるビット数は同一であってもよい。本発明の他の実施形態では、例えば、1つのワードをなすビット数が互いに異なってもよい。
【0041】
図2Bは、本発明の一実施形態による多数の符号化(された)ワードに分割された1つの符号化(された)データパケットを示す。重要なのは、符号化(された)データパケット250が(例えば、
図2Aのデータパケット200と比較すると、)符号化(された)ビット218と符号化(された)ワード220以外にオーバーヘッドビット222として知られた追加データビットを含むという点である。オーバーヘッドビット222は、受信機が符号化データパケットを復号化することを助ける情報を載せるために、符号器が生成して追加したビットと定義される。
【0042】
図1Aを参照すると、本発明の一実施形態では、遷移符号器100が(データ圧縮器および/または符号器によって圧縮および/または符号化された)データパケットを符号化データパケット250に符号化する。本発明の一実施形態では、遷移符号器100がデータパケットを符号化することによって、ビットストリーム内に遷移を発生させる。
図3を参照して、符号化方法についてさらに詳しく説明する。
【0043】
例えば、符号化データパケット250は、第1データビット集合230、つまり、オーバーヘッドビット、第2データビット集合232、第3データビット集合234、第4データビット集合236および第5データビット集合238を含む。第1データビット集合230は、データビット0 1 2...v-1を含み、第2データビット集合232は、01 2...q-1を含み、第3データビット集合234は、q q+1...2q-1を含むことができる。第1データビット集合230は、分割されてオーバーヘッドワード222をなすことができ、第2データビット集合232は、分割されて第1符号化ワード224をなすことができ、第3データビット集合234は、分割されて第2符号化ワード226をなすことができる、などである。時間が流れるほど、符号化されたビットが多くなって符号化ワードの数が増える。
【0044】
図3は、二段符号化法(two-stage encoding method)を用いてNワードパケット302を符号化してzで表示した符号化データパケット346を生成することを示す。
図3では、Nワードパケット302、符号化第1段304、符号化ワードパケット306、第1符号化ワード320、第2符号化ワード322、第3符号化ワード324および第4符号化ワード326を含む分割符号化ワード、および生成された符号化データパケット346が示される。
【0045】
遷移符号器100は、Nワードパケット302を受信することができる。Nワードパケット302は、{x1、x2...、xN}で表される。ここで、x1は、最上位ワードであり、xNは、最下位ワードである。遷移符号器100は、Nワードパケット302の符号化のための符号化第1段304を用いてNワードパケット302を符号化することができる。この時、符号化されたワードにいずれも0(all-zero)パターンがないようにする。符号化第1段304は、符号化ワードパケット306を生成する。符号化ワードパケット306は、{y0、y、y、...、yN}で表される。ここで、y0は、オーバーヘッドビットである。
【0046】
[符号化第1段]
遷移符号器100は、符号化第1段304で多数の互いに異なる符号化法を用いてNワードパケット302のワードを符号化ワードパケット306に符号化することができる。この時、符号化ワードパケット306の符号化ワードのいずれもが0にならないようにする。
【0047】
使用可能な符号化法の一番目の例は、XOR符号化法である。この例において、遷移符号器100は、固有のワードまたは固有のキー値(D)を用いてNワードパケット302のワードを符号化することができる。本発明の一実施形態では、固有のキーワード(D)は、Nワードパケット302にあるすべてのワードと異なる値である。このように、遷移符号器100は、Nワードパケット302の各ワードを固有のキーワード(D)とビット別XOR演算することによって、Nワードパケット302を符号化することができる。
【0048】
例えば、q=6、N=31、データパケット{x1、x2...、x31}={0、1、...、30}の場合、このデータパケットにあるすべてのワードと異なるD=31をキーワードとすることができる。符号化ワードは、データパケットのワードをD=31とビット別XOR演算したものであって、{31、30、...、1}である。符号化ワードがいずれも0パターン、つまり、0値を有しないことが分かる。
【0049】
使用可能な符号化法の二番目の例は、算術符号化(arithmetic encoding)(例えば、其数変換法(base conversion method))である。この方法では、遷移符号器100がNワードパケット302に対して第1基数法(base system)(例えば、2qの第1基数)から第2基数法(例えば、2q-1の第2基数)に基数変換して基数変換(された)パケットを生成する。換言すると、算術符号化法は、Nワード/桁パケットを2qの第1基数から2q-1の第2基数に変換することによって、N+1個のワード/桁を生成する。本発明の一実施形態によると、第2基数法の基数は、第1基数法の基数より小さい。
【0050】
例えば、Nワードパケット302は、X={x1、x2、...、xN}2qで表されるN桁(digit)2q進数である。換言すると、表記2qは、Nワードパケット302の基数を示す。このように、Nワードパケット302をN桁2q進数と見なす。ここで、x1は、最上位桁(most significant digit)であり、xNは、最下位桁(least significant digit)であり、qは、ビット数である。例えば、Nワードパケット302に対してq=8であれば、2q=256である。このように、Nワードパケット302の各ワードは、8ビット数を示し、これは0-255の値を有する。ここで、Xは、256進法の複数桁(multi-digit)である。このような基数変換法を符号化に用いると、基数変換(された)パケットは、次の数式2で表される(N+1)桁2q-1進数である。
【0051】
【0052】
例えば、q=8の場合、複数のワード(例えば、y0~yN)のそれぞれは、0以上254以下の値を有する。つまり、254は、各桁の最大値である。最終符号化データパケットは、次の数式3のように表現することができる。
【0053】
【0054】
ここで、複数のワード(y0+1...yN+1)のそれぞれは、1以上2q-1以下の値を有する。
【0055】
つまり、符号化桁は、0を除く。
【0056】
送信機10(例えば、遷移符号器100)は、符号化パケットを伝送データストリーム16として受信機20に伝送する。通信チャネル15を介して受信した符号化パケットからクロック信号を復旧する時、受信機20のクロック復旧回路24は、符号化パケットをN回(例えば、ワード/桁あたり1回)更新することができる。
【0057】
ここで、より複雑でない特定の基数変換法について説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。当業者は、遷移符号器100(および遷移復号器201)が、適切な基数変換法であれば使用可能であることを理解することができる。例えば、64進法から63進法にデータパケットを変換する時、遷移符号器100は、データパケットを先に64進法から10進法に変換した後、10進法から63進法に再び変換することができる。
【0058】
[符号化第2段]
符号化法第2段は、符号化ワードパケット306をM個のワードをそれぞれ含む複数の符号化ブロックに分割し、各ブロックを出力データストリームの1ブロックに符号化する。例えば、第1符号化ワード320、第2符号化ワード322、第3符号化ワード324および第4符号化ワード326は、第1符号化ブロック350に分割される。ブロック1つの大きさは、次の数式4のように定義される。
【0059】
【0060】
ここで、例えば、Wは、ワードサイズと定義され、Mは、サンプリング間引き率と定義される。第1符号化ブロック350の前後に多数の他の符号化ブロックが生成される。説明の便宜のために、他の符号化データブロックは省略される。なお、第1符号化ブロック350を参照して説明した方法および特徴を他のデータブロックにも適用可能である。
【0061】
符号化ワード320、322、324、326を複数のブロックに分割した後、符号化過程の二番目の段階は、符号化ワード320、322、324、326を所定の順序で各ブロックにインターリーブする方式で統合して通信チャネル15を介した伝送のための出力データストリームの符号化データパケット346を生成することである。インターリーブ(interleaving)はまず、各ワード320、322、324、326の最上位ビット、その次は次の上位ビットなどの順序で反復し、各ワードのビットをすべてインターリーブするまで進行させる。また、符号化ワード320、322、324、326の統合は、排他的論理和(XOR:exclusive OR)演算を含む。具体的には、入力データビットそれぞれを前のデータビットの最後のXOR結果と排他的論理和演算する。つまり、各ビットがインターリーブ過程に入ると、データパケット346に入った前のビットの結果と排他的論理和演算され、その排他的論理和演算値はデータパケット346に入る。この過程についてより詳しく説明する。
【0062】
インターリーブ順序で符号化ワード320、322、324、326を統合する、例えば、遷移符号器100は、第1符号化ワード320、第2符号化ワード322、第3符号化ワード324および第4符号化ワード326の最上位ビットから開始することができ、遷移符号器100は、各符号化ワード320、322、324、326の入力データビットを符号化データパケット346の前のビットに対する最後の排他的論理和演算値と排他的論理和演算して、符号化データパケット346の最初の4つの符号化ビット330a、330b、330c、330dを生成することができる。その最初のビットがデータパケット346の開始であれば、排他的論理和演算をしなくてもよい。しかし、ブロックの最初のビットがパケット346の開始でなければ、前のブロックによって生成された最後のビットと排他的論理和演算することができる。
【0063】
例えば、遷移符号器100は、第1符号化(された)データブロック350の第1符号化ワード320の最上位ビット308aを選択し、選択したビット308aを前のデータブロック(図示せず)の前のデータビットの結果と排他的論理和演算することによって、符号化データパケット346に統合することができる。データビット308aと符号化データパケット346の前のデータブロックの最後のデータビットの結果との排他的論理和演算から、符号化データビット330aが生成される。第2符号化ワード322の最上位ビット310aに移動すると、データビット310aを前のデータビット330aの結果と排他的論理和演算することによって、符号化データパケット346の符号化データビット330bを生成する。次に、この過程が反復過程であるため、第3符号化ワード324の最上位ビット312aに移動して、そのビット312aを前のデータビット330bの最後の排他的論理和演算値の結果と排他的論理和演算することによって、符号化データパケット346の符号化データビット330cを生成する。次に、第4符号化ワード326の最上位ビット314aに移動して、そのデータビット314aを前のデータビット330cの最後の排他的論理和演算値の結果と排他的論理和演算することによって、次のビット330dを生成する。符号化ワード320、322、324、326の最上位ビットをすべてインターリーブしたため、この過程は、符号化ワード320、322、324、326の次の上位ビット308b、310b、312b、314bに移動して、符号化ストリームビット332a-332dを生成する。符号化ワード320、322、324、326のすべてのビットをインターリーブ順序で符号化データブロック350に統合して符号化データパケット346の符号化ビット330a-344dを生成する。
【0064】
図4は、本発明の一実施形態による復号化のための符号化データストリームを示す。本発明の一実施形態では、後述するが、復号過程が
図3を参照して説明した符号化過程の反対である。本発明の一実施形態によると、復号過程は、
図3を参照して説明した符号化法の逆過程を1つ以上含む。
【0065】
受信機20の復号器201は、複数の順次(sequential)データビット(例えば、330a~344d)を受信することができる。
図4に示されるように、符号化データストリーム400は、複数の順次データビット(例えば、データビット330a、330b、330c、330d、332a、332b、332c、332d、334a、334b、334c、334d、336a、336b、336c、336d、338a、338b、338c、338d、340a、340b、340c、340d、342a、342b、342c、342d、344a、344b、344c、334d、以下、順次データビット330a-344dと表記することもある)、複数の順次データビット330a-344dから生成された符号化データパケット(例えば、第1符号化データパケット450)、少なくともサンプリング間引き率に基づいて生成された間引きサンプリング(された)データワード(例えば、第1間引きサンプリングデータワード412、第2間引きサンプリングデータワード414、第3間引きサンプリングデータワード416、第4間引きデータワード418)、そして、
図3に示された符号化第1段304に用いた符号化法の逆に基づいて生成された補助ワード(auxiliary words)(例えば、第1補助ワード460、第2補助ワード470、第3補助ワード480、第4補助ワード490)を含む。本発明の一実施形態では、第1符号化データブロック350の大きさが補助ワード460、470、480、490より小さい。
【0066】
[復号化第1段]
以下、
図4を参照して、復号方法について詳しく説明する。遷移復号器201は、複数の順次データビット(例えば、順次データビット330a-344d)を受信することができる。本発明の一実施形態では、順次データビットが(分割点線411a、411bで表したように)分割されて複数の符号化データパケット(例えば、データブロック)449、450をなす。便宜上、符号化データパケット449、450だけを示したが、符号化データパケット449、450の前後に数多くの符号化データパケットが生成される。符号化データパケット450の順次データビット330a-344dを間引きサンプリングして間引きサンプリング(された)データワードを得ることができる。例えば、
図4では、サンプリング間引き率はM=4であり、これによって、4ビットごとに1ビットを間引くことによって、順次データビット330a-344dを間引きサンプリングする。例えば、復号器201は、(z
iで表記した)第1符号化データワード412を生成するために、第1順次データビット330aを取り、順次データビット330aの次は、最後の順次データビット344dに至るまで4データビットごとに1ビットずつ間引きすることができる。こうすることで、順次データビット330a、順次データビット332a、順次データビット334a、順次データビット336a、順次データビット338a、順次データビット340a、順次データビット342aおよび順次データビット344aからなる(z
iで表記する)第1間引きサンプリングデータワード412を生成する。これと同様の方式により、順次データビット330b、332b、334b、336b、338b、340b、342b、344bを含むか、これらからなる(z
i+1で表記する)第2間引きサンプリングデータワード414を生成する。これと同様の方式により、順次データビット330c、332c、334c、336c、338c、340c、342c、344cからなる(z
i+2で表記する)第3間引きサンプリングデータワード416を生成する。これと同様の方式により、順次データビット330d、332d、334d、336d、338d、340d、342d、344dからなる(z
i+3で表記する)第4間引きサンプリングデータワード418を生成する。本発明の一実施形態では、遷移復号器201が隣接したすべての対の間引きサンプリングデータワードに対してビット別排他的論理和演算を行って両者の差を取ることによって、間引きサンプリングデータワードの差(difference of decimated data words)を求める。このような方式で、復号方法は、隣接した2つの間引きサンプリングデータワードにビット別排他的論理和演算を行って両者の差を取ることによって、補助ワード(y
i)を生成または形成することができる。このように、補助ワードは、隣接した間引きサンプリングデータワード間の差であってもよい。
【0067】
間引きサンプリングデータワード412-418は、次の数式5のように表現することができる。
【0068】
【0069】
ここで、zi、zi+1...zi+M-1は、データパケット450の互いに異なる符号化ビットであってもよい。
【0070】
隣接した2つの間引きサンプリングデータワードに排他的論理和演算を行う例は、以下に示される数式6~8の通りである。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
zワード間の差は、{yi、yi+1、yi+2、...、yi+M-1}で表される。ここで、Mは、サンプリング間引き率である。本発明の一実施形態では、第1データパケット450の最後のワード418の遷移も確保するために、符号化データストリーム400にzi’を導入する。
【0075】
[復号化第2段]
復号化第2段は、補助ワードをデータパケットのNワードに復号化する。例えば、間引きサンプリングワードのデータパケットは、{y0、y1、y2、...、yN}で表すことができる。符号化第1段304で用いた符号化法(排他的論理和符号化法または算術符号化法)の逆を用いて、Nワードのデータパケットを生成し、これは{x1、x2、...、xN}で表すことができる。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態によるサンプリング間引き率M=2に対する受信ビットストリームの間引きサンプリングデータビットとビットストリーム全体の遷移の有無を示したものである。ビットストリーム506は、複数のデータビット506a~506kを含む。サンプリング間引き率が2であるので、2個の位相、つまり、第1位相502と第2位相504とを有し、これによって、第1位相の間引きサンプリングビット500と第2位相の間引きサンプリングビット512とが生成される。
図3を参照して上述した符号化法は、すべてのワードサイズに対して、またはすべてのサンプリング間引き率に対してすべての位相の間引きサンプリングビットに遷移が発生するようにする。例えば、
図5に示されるように、所与のサンプリング間引き率M=2に対して、第1位相502は、データビット506a、データビット506c、データビット506iおよびデータビット506kに示したように、ビットストリームに遷移を有する。これと同様に、第2位相504は、データビット506b、データビット506d、データビット506eおよびデータビット506lに発生する遷移で示したように、ビットストリームに遷移を有する。
【0077】
こうすることで、ここで説明する方法が提供する改善内容の1つは、受信機20のCDR24がサンプリング間引き率Mとして間引きサンプリングされたデータに作用するということである。このように、
図1AのCDR24は、受信したデータストリームにおいてMビットごとに1つのビットだけを調べる。これにより、データビットの1/Mだけを処理し残りは無視されるため、CDR24がより一層効率的になる。この方法では、受信したすべてのデータビットを調べるため、非効率的な既存の解法とは異なる。本発明の一実施形態によると、ここで提示された方法が復号器201の入力ビットを間引きサンプリングするため、すべての位相に対して間引きサンプリングワードを収集することによって、すべてのビットを効率的に処理する。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態による入力データの符号化方法600を示すフローチャートである。方法600の動作は、遷移符号器(例えば、
図1Aの遷移符号器100)または(例えば、
図1Aおよび
図1Bを参照して上述した)1つ以上の構成要素によって実行される。この方法の態様については、
図3を参照してすでに上述されている。したがって、便宜上、すでに説明した態様についての説明は省略される。
【0079】
方法600は、ビットストリームの複数のデータビットを受信する段階602を含む。
【0080】
方法600は、複数のデータビットを用いてワードを形成して第1データパケットを含む複数のデータパケットを生成する段階604をさらに含む。
【0081】
方法600は、第1データパケットのワードを符号化ワードに符号化する段階606をさらに含む。この時、符号化ワードのいずれもが0ワードにならないようにする。本発明の一実施形態によれば、ワードを符号化する段階は、各ワードの各データビットを各データビットの累乗(exponentiation)のための固有のキー値に上げるものであって、固有のキー値は、オーバーヘッドビットの値である。固有のキー値は、データパケット内のすべてのワードと異なっていてもよい。本発明の他の実施形態によれば、符号化する段階は、第1データパケットの基数法を第1基数法から第2基数法に変換して基数変換パケットを生成する段階を含み、第2基数法の基数は、第1基数法の基数より小さくてもよい。本発明の一実施形態によれば、データパケットは、X=[x
1x
2...x
N]2
qで表されるN桁(digit)2
q進数であり、各データビットx
1、x
2...x
Nは、0以上2
q-1以下の値を有し、基数変換パケットは、X=[y
0 y
1 y
2...y
N]2
q-1で表される(N+1)桁(2
q-1)進数であり、複数のデータビットy
1...y
Nは、0以上2
q-2以下の値を有することができる。本発明の一実施形態によれば、符号化データパケットは、[y
0+1、y
1+1、y
2+1...y
N+1]で表し、複数のワードy
1+1...y
N+1のそれぞれは、1以上2
q-1以下の値を有することができる。本発明の一実施形態によれば、
図3を参照して説明したように、基数法の変換は、反復過程であってもよい。本発明の一実施形態によれば、符号化する段階は、任意のワードサイズとサンプリング間引き率に対して毎データビットごとに遷移を発生させることができる。本発明の一実施形態によれば、符号化データパケットは、保障された限界ラン長を有することができる。
【0082】
方法600は、符号化ワードをそれぞれM個のワードを含む複数のブロックに分割する段階608をさらに含む。本発明の一実施形態によれば、各ブロックサイズは、ブロックサイズ=W×M(Wは、ワードサイズと定義し、Mは、サンプリング間引き率(decimation ratio)と定義する)と定義できる。本発明の一実施形態では、隣接した符号化ワードが互いに異なる値を有することができる。
【0083】
方法600は、各ブロック内にある符号化ワードをインターリーブ順序(interleaved order)で統合して通信チャネルを介した伝送のための符号化データパケットを生成する段階610をさらに含む。本発明の一実施形態によれば、符号化ワードの統合段階は、入力データビットそれぞれを前のデータビットの最後の排他的論理和演算値と排他的論理和演算する段階を含む。本発明の一実施形態によれば、各ブロック内にある符号化ワードをインターリーブされた順序で統合すると、間引きサンプリングデータが生成される。間引きサンプリングデータは、Z={zi、zi+1、zi+2...zi+M-1}であり、ここで、zi、zi+1...zi+M-1は、符号化ワード(Z)の互いに異なる符号化ビットである。本発明の一実施形態によれば、第1データパケットの最後のワードにも遷移が発生できるように、第1データパケットにzi’を導入する。
【0084】
図7は、本発明の一実施形態による伝送データ復号方法700を示すフローチャートである。この方法700の動作は、
図1Aに示した遷移復号器201または(例えば、
図1Aおよび
図1Bを参照して上述した)1つ以上の構成要素によって実行される。この方法の態様については、
図4を参照してすでに上述されている。したがって、便宜上、すでに説明した態様についての説明は省略される。
【0085】
方法700は、複数の順次データビット(例えば、順次データビット330a-344d)を受信する段階702を含む。本発明の一実施形態によれば、受信機20が受信した複数の順次データビットは、ほとんど定義されていない量または無限の量(infinite amount)である。本発明の他の実施形態によれば、複数の順次データビットは、一定量である。方法700は、順次データビットを分割して第1符号化データパケットを含む複数の符号化データパケットを生成する段階704をさらに含む。
【0086】
方法700は、サンプリング間引き率に基づいて第1符号化データパケットの順次データビットをインターリーブ順序(interleaved order)で間引きサンプリングして間引きサンプリングデータワードを生成する段階706をさらに含む。
【0087】
方法700は、ビット別排他的論理和演算を用いて2つの隣接した間引きサンプリングデータワードの差を生成して間引きサンプリングデータワード間の差を求める。本発明の一実施形態では、補助ワードがデータパケットの符号化ワードである。本発明の一実施形態では、データパケットが補助ワードから復号化ワードを生成する。本発明の一実施形態では、データパケットの大きさが補助ワードの大きさより小さい。
【0088】
方法700は、符号化第1段(例えば、符号化第1段304)の符号器が用いた符号化法の逆を用いて補助ワードをデータパケットのNワードに復号化する段階をさらに含む。
【0089】
特定の実施形態が異なって実施される場合、特定の段階の順序が、説明された順序と異なっていてもよい。例えば、2つの連続する段階を説明したならば、その2つの段階は同時にまたは実質的に同時に行ってもよく、説明した順序と反対の順序で行ってもよい。
【0090】
便宜上、図面において、構成要素、層、領域の大きさは誇張および/または省略される場合がある。また、説明の便宜のために、図面に示されたある部分または特性に対する他の部分または特性の関係を示すために、「下」、「下部」、「上」などの空間に関係する用語を使用することができる。このような空間関係の用語は、図面に示した使用または動作する装置の互いに異なる位置および/または方向を示すためのものである。例えば、図面において、装置の「下」または「下部」にあると示された部分は、装置が上下反転すると、「上」または「上部」にあるものになる。そのため、例えば、「下」および「下部」は、上と下をすべて示すことができる。装置が、例えば、90度回転してよく、他の方向を向いてもよく、この場合、空間関係の用語はこれに合わせて解釈されなければならない。
【0091】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、様々な構成要素、部品、領域、層、部分などに使用されるが、様々な構成要素、部品、領域、層、部分などは「第1」、「第2」、「第3」などの修飾語によって限定されない。「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、ある構成要素、部品、領域、層、部分を、他の構成要素、部品、領域、層、部分と区別するために使用されるものである。したがって、例えば、第1構成要素、部品、領域、層、部分は、本発明の趣旨と範囲を逸脱しない範囲で、第2構成要素、部品、領域、層、部分としてもよい。
【0092】
成分や層が他の成分や層の「上に」ある、または、「連結されて」いると記載する場合には、「直」上にある、または、「直接」連結されている場合だけでなく、中間に他の成分や層がさらに挟まれている場合も含む。「真上に」ある、または、「直接連結」されていると記載する場合には、中間に他の部分がないことを意味する。層、領域または構成要素が他の層、領域、構成要素と「電気的に連結」される場合には、層、領域または構成要素が、他の層、領域、構成要素と直接電気的に連結されてよく、層、領域または構成要素が、中間に挟まれた1つ以上のさらに他の層、領域、構成要素を介して間接的に電気的に連結されてもよい。また、ある成分や層が他の2つの成分や層の「間」にあると表現された場合には、2つの成分と層の間に当該ある成分や層のみが含まれてよく、1つ以上の他の成分や層がさらに含まれてもよい。
【0093】
本発明の実施形態の説明において使用された用語は、特定の実施形態を説明する目的で使用されるだけであり、本発明を制限しようとするものではない。ここで、数を特に言及しない場合、単数または複数の場合をすべて含む。ある特徴、整数、段階、動作、部分、成分などを「含む」または「有する」という表現は、当該部分以外に他の特徴、整数、段階、動作、部分、成分なども包含できる。「および/または」という表現は、その前後に並べられた用語の1または2以上のすべての組み合わせを含む。例えば、「Aおよび/またはB」などの表現は、A、B、またはAとBを含む。並べられた用語に先立って記載された「少なくとも1つ」などの表現は、並べられた用語全体を修飾するものであって、並べられた用語内のそれぞれを修飾するものではない。例えば、「a、bまたはcの少なくとも1つ」は、a単独、b単独、c単独、aとbのすべて、aとcのすべて、bとcのすべて、a、b、cのすべてまたはその変形を示す。
【0094】
本発明の実施形態の説明において、「実質的に」、「約」、「概して」およびこれに類似する表現が使用される場合には、実質的に」、「約」、「概して」およびこれに類似する表現は近似を示す表現に過ぎず、「程度」を示すものではなく、当業者に知ることが可能な測定値または計算値の固有の偏差を含むものとする。また、本発明の実施形態の説明において、「できる」という表現が使用される場合には、「本発明の1つ以上の実施形態」に適用可能であるということを意味し、「使用」、「利用」などは、これと類似する他の表現と共に類似する意味で使用できる。また、本発明の実施形態の説明において、「例示的な」という用語は、例または図面を示す。
【0095】
特に言及がない限り、ここで使用する(技術的、科学的用語を含む)すべての用語は、この発明の属する技術分野における当業者が一般に知っている用語と同一の意味を含む用語である。一般に使用される辞書に定義された用語などの用語は、関連技術分野および/または本明細書における意味と一致する意味を有していると解釈し、特別な明示がない限り、理想的なまたは過度に厳格な意味で解釈してはならない。
【0096】
本発明の一実施形態によれば、ビットストリームの効率的な遷移符号化が保障されたシステムおよび方法が提供される。
【0097】
本発明の各実施形態で説明された電子、電気装置および/または他の関連装置または部分は、適切なハードウェア、ファームウエア(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit))、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを用いて実現することができる。例えば、これら装置の様々な構成要素を1つの集積回路チップに形成してもよく、互いに異なる集積回路チップで実現してもよい。また、これら装置の様々な構成要素を可撓性印刷回路フィルム、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、印刷回路基板などに形成してもよく、1つの基板上に形成してもよい。また、これら装置の様々な構成要素をここで説明した様々な機能を実行するためにコンピュータプログラム命令を実行し、他のシステム要素と相互作用する1つ以上のコンピュータ装置内にある1つ以上のプロセッサで実行可能なプロセスまたはスレッド(thread)であってもよい。コンピュータプログラム命令は、RAM(random access memory)などの標準メモリ装置を用いるコンピュータ装置に実現されたメモリに格納される。また、当業者は、本発明の実施形態の概念と範囲を逸脱することなく様々なコンピュータ装置の機能を1つのコンピュータ装置に結合または統合してよく、特定のコンピュータ装置の機能を1つ以上の他のコンピュータ装置に分散してもよい。
【0098】
様々な実施形態について説明したが、当業者であれば本発明の概念と範囲を逸脱しない範囲で各実施形態を様々に変更可能である。各実施形態において特徴(feature)または形態(aspect)に関する説明は、特に言及がない限り、一般に他の実施例の他の類似の特徴または形態に適用されると見なさなければならない。したがって、特定の実施形態に関連して説明された特徴、特性(characteristics)および/または構成要素(element)は、特に言及がない限り、独立して使用されてよく、他の実施形態に関連して説明された特徴、特性および/または構成要素と結合して使用可能であることが当業者にとって自明である。そのため、上述した各実施形態は様々な実施形態のうちの一例を示したものであり、上述した特定の実施形態に限定されるものではない。また、上述した各実施形態および他の実施形態の変更は、以下において示される特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の概念と範囲内に含まれる。