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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167022
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20231116BHJP
   F24F 6/06 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
F24F6/00 E
F24F6/00 G
F24F6/06
F24F6/00 A
F24F6/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077824
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩平
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055AA07
3L055BA04
3L055DA03
3L055DA09
(57)【要約】
【課題】生乾き臭が発生することを抑制することができる加湿装置を提供する。
【解決手段】送風装置は、風を送るファンと、前記風により流される空気を通過させて前記空気を加湿する加湿フィルタと、を備える加湿部と、加湿を目的とする運転又は加湿を目的としない運転を行うことができる送風装置が前記加湿を目的としない運転を行う場合に、前記加湿フィルタが汚れているか否かに応じて、前記加湿部の状態を第1の状態と前記第1の状態とは異なる第2の状態とで切り替えることができる制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風を送るファンと、前記風により流される空気を通過させて前記空気を加湿する加湿フィルタと、を備える加湿部と、
加湿を目的とする運転又は加湿を目的としない運転を行うことができる送風装置が前記加湿を目的としない運転を行う場合に、前記加湿フィルタが汚れているか否かに応じて、前記加湿部の状態を第1の状態と前記第1の状態とは異なる第2の状態とで切り替えることができる制御部と、
を備える送風装置。
【請求項2】
前記加湿部は、前記加湿フィルタへ水を供給する供給部を備え、
前記第1の状態は、前記供給部に前記水を供給させない状態であり、
前記第2の状態は、前記供給部に前記水を供給させる状態である
請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記加湿部は、前記加湿フィルタを備える加湿ロータを備え、
前記供給部は、前記水を貯めるトレイと、前記加湿ロータを回転させる回転部と、を備え、
前記第1の状態は、前記回転部に、前記加湿フィルタが前記水に浸漬されない位置で前記加湿ロータを停止させる状態であり、
前記第2の状態は、前記回転部に、前記加湿ロータを回転させて前記加湿フィルタを前記水に浸漬させる状態である
請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記送風装置が前記加湿を目的とする運転を行う場合に、前記回転部に、前記加湿ロータを第1の頻度で回転させて前記加湿フィルタを前記水に浸漬させ、
前記第2の状態は、前記回転部に、前記加湿ロータを前記第1の頻度より低い第2の頻度で回転させる状態である
請求項3に記載の送風装置。
【請求項5】
前記加湿部は、前記加湿フィルタを備える加湿ロータを備え、
前記供給部は、前記水を貯めるトレイと、前記加湿ロータを回転させる回転部と、を備え、
前記第1の状態は、前記回転部に、前記加湿フィルタが前記水に浸漬されない位置で前記加湿ロータを停止させる状態であり、
前記第2の状態は、前記回転部に、前記加湿フィルタが前記水に浸漬される位置で前記加湿ロータを停止させる状態である
請求項2に記載の送風装置。
【請求項6】
報知部を備え、
前記加湿部は、前記加湿フィルタに供給される水を貯めるトレイを備え、
前記制御部は、前記水の水位を取得し、前記加湿フィルタが汚れていない場合は、前記水位が第1の水位以下となるのに連動して、前記報知部に前記水の追加を促す報知を行わせ、前記加湿フィルタが汚れている場合は、前記水位が前記第1の水位より高い第2の水位以下となるのに連動して、前記報知部に前記報知を行わせる
請求項1に記載の送風装置。
【請求項7】
報知部を備え、
前記制御部は、前記送風装置が前記加湿を目的としない運転を行う場合に、前記加湿フィルタが汚れているときは、前記加湿フィルタが汚れていることを知らせる報知を前記報知部に行わせる
請求項1に記載の送風装置。
【請求項8】
前記加湿部は、前記加湿フィルタに供給される水を貯めるトレイと、前記水が貯められているか否かを検知する検知部と、を備え、
前記制御部は、前記加湿フィルタが前記送風装置に取り付けられた後において前記検知部により前記水が貯められていると検知されていた時間に基づいて前記加湿フィルタが汚れているか否かを判定する
請求項1から7までのいずれかに記載の送風装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記送風装置が加湿を行った時間又は前記送風装置が行った加湿による加湿量に基づいて前記加湿フィルタが汚れているか否かを判定する
請求項1から7までのいずれかに記載の送風装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記送風装置の加湿力に基づいて前記加湿フィルタが汚れているか否かを判定する
請求項1から7までのいずれかに記載の送風装置。
【請求項11】
生乾き臭の強さを検知するセンサを備え、
前記制御部は、前記強さに基づいて前記加湿フィルタが汚れているか否かを判定する
請求項1から7までのいずれかに記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿装置において、空気を通過させる加湿フィルタに水が供給されることにより当該空気が加湿される場合がある。
【0003】
特許文献1は、加湿空気清浄機を開示する。当該加湿空気清浄機においては、送風機の吹出側から本体ケースの排気口を結ぶ排気経路と、送風機の吹出側から加湿器を介して本体ケースの排気口を結ぶ排気経路とが形成される。また、前者の排気経路と後者の排気経路とを選択的に閉成する閉成板が設けられる。これにより、臭気の抑制を図ることができる(要約)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-068005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加湿装置の購入、加湿フィルタの洗浄等の直後においては、加湿フィルタに供給される水が無くなっても、加湿フィルタを通過する空気中に生乾き臭は発生しない。しかし、加湿装置の購入、加湿フィルタの洗浄等から加湿装置が1ヶ月程度使用された場合は、加湿フィルタに供給される水が無くなったときに、加湿フィルタを通過する空気中に生乾き臭が発生する。
【0006】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、例えば、生乾き臭が発生することを抑制することができる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態の送風装置は、風を送るファンと、前記風により流される空気を通過させて前記空気を加湿する加湿フィルタと、を備える加湿部と、加湿を目的とする運転又は加湿を目的としない運転を行うことができる送風装置が前記加湿を目的としない運転を行う場合に、前記加湿フィルタが汚れているか否かに応じて、前記加湿部の状態を第1の状態と前記第1の状態とは異なる第2の状態とで切り替えることができる制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の空気清浄機を模式的に図示する分解斜視図である。
図2】第1実施形態の空気清浄機を模式的に図示する断面図である。
図3】第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータを模式的に図示する斜視図である。
図4】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御系のブロック図である。
図5】第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿部の状態の切り替えを説明する図である。
図6】第1実施形態の空気清浄機に備えられるファンにより送られる風の風量の時間変化の例を示すグラフである。
図7】第1実施形態の空気清浄機が常時加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
図8】第1実施形態の空気清浄機が断続加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
図9】第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータが停止するときの当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態を模式的に図示する断面図である。
図10】第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第1の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
図11】第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第2の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
図12】第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータが停止するときの当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態を模式的に図示する断面図である。
図13】第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第2の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
図14】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、空気清浄機に行わせる運転を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
図15】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿部の状態を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
図16】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、水の追加を促す報知を行わせる処理の流れを示すフローチャートである。
図17】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
図18】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
図19】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第3の例を示すフローチャートである。
図20】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第4の例を示すフローチャートである。
図21】第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第5の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
1 第1実施形態
1.1 空気清浄機
図1は、第1実施形態の空気清浄機を模式的に図示する分解斜視図である。図2は、第1実施形態の空気清浄機を模式的に図示する断面図である。
【0011】
図1及び図2に図示される第1実施形態の空気清浄機1は、風を送る。空気清浄機1は、送る風により流される空気を清浄にして周辺の空気を清浄にする空気清浄機能及び送る風により流される空気を加湿して周辺の空気を加湿する加湿機能を有する。このため、空気清浄機1は、空気清浄機能及び加湿機能を有する送風装置である。
【0012】
空気清浄機1は、加湿を目的とする運転又は加湿を目的としない運転を行う。空気清浄機1は、加湿を目的とする運転を行う場合は、周辺の空気の湿度と設定された湿度との湿度差を設定された湿度差以下にすることができる加湿力を発揮する。空気清浄機1は、加湿を目的としない運転を行う場合は、加湿力をまったく発揮しないか、又は当該湿度差を当該設定された湿度差以下にすることができる加湿力を発揮しない。
【0013】
図1及び図2に図示されるように、空気清浄機1は、吸い込み口11及び吹き出し口12を有する。
【0014】
空気清浄機1は、吸い込み口11から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を清浄にし、清浄にした空気を加湿し、加湿した空気を吹き出し口12から吹き出す。
【0015】
図1及び図2に図示されるように、空気清浄機1は、ハウジング21、後パネル22、脱臭フィルタ23、集塵フィルタ24及び加湿部25を備える。
【0016】
ハウジング21は、直方体状の外形形状を有する。ハウジング21は、ハウジング21の下面21Aが床に接するように床上に置かれる。ハウジング21の後面21Bには、吸い込み口11が形成される。ハウジング21の上面21Cには、吹き出し口12が形成される。ハウジング21の内部には、風路21Dが形成される。風路21Dは、吸い込み口11から吹き出し口12へ至り、吸い込み口11から吹き出し口12へ空気を導く。風路21Dは、収納空間21Eを含む。収納空間21Eは、吸い込み口11に沿って形成される。
【0017】
後パネル22は、板状の形状を有する。後パネル22は、吹き出し口12に着脱することができる。後パネル22には、複数の孔22Aが形成される。孔22Aは、後パネル22を厚さ方向に貫通する。孔22Aは、吸い込み口11に吸い込まれる空気を通過させる。
【0018】
脱臭フィルタ23は、板状の形状を有する。脱臭フィルタ23は、収納空間21Eに収納される。脱臭フィルタ23は、風路21Dを流れる空気を通過させ、通過させる空気に含まれるにおい成分を当該空気から除去する。除去されるにおい成分は、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等である。
【0019】
集塵フィルタ24は、板状の形状を有する。集塵フィルタ24は、収納空間21Eに収納される。集塵フィルタ24は、風路21Dを流れる空気を通過させ、通過させる空気に含まれるほこりを当該空気から除去する。
【0020】
加湿部25は、風路21D内に配置される。加湿部25は、風を送り、送る風により風路21Dを流れる空気を加湿する。
【0021】
1.2 加湿部
図1及び図2に図示されるように、加湿部25は、ファン31、供給部32及び加湿ロータ33を備える。
【0022】
ファン31は、風を送る。
【0023】
供給部32は、加湿ロータ33へ水41を供給する。
【0024】
加湿ロータ33は、風路21Dを流れる空気を通過させ、通過させる空気を供給される水41により加湿する。加湿ロータ33の下部は、供給部32に備えられるトレイ51内に配置される。これにより、加湿ロータ33の下部は、トレイ51に貯められた水41に浸漬される。これにより、加湿ロータ33の下部は、貯められた水41を吸収する。加湿ロータ33の上部は、風路21D内に配置される、これにより、加湿ロータ33の上部は、風路21Dを流れる空気を通過させる。
【0025】
1.3 供給部
図1及び図2に図示されるように、供給部32は、トレイ51及び回転部52を備える。
【0026】
トレイ51は、水41を貯める。
【0027】
回転部52は、加湿ロータ33を回転させる。これにより、水41を吸収した加湿ロータ33の下部が、風路21Dを流れる空気を通過させる加湿ロータ33の上部となる。これにより、加湿部25は、当該空気を水41に接触させて当該空気を加湿することができる。
【0028】
図2に図示されるように、回転部52は、モータ61及び歯車62を備える。
【0029】
モータ61は、歯車62を回転させる。
【0030】
歯車62は、加湿ロータ33の外周面91Bに備えられる歯101に噛み合う。歯車62は、回転させられた場合に加湿ロータ33を回転させる。
【0031】
これらにより、回転部52は、加湿ロータ33を回転させる。モータ61が、加湿ロータ33を直接的に回転させてもよい。モータ61が、歯車62以外の伝達機構を介して加湿ロータ33を回転させてもよい。例えば、モータ61が、プーリ及びベルトを介して加湿ロータ33を回転させてもよい。
【0032】
供給部32が、上述した構造と異なる構造を有してもよい。例えば、供給部32が、水41をくみ上げ、くみ上げた水41を加湿ロータ33へ向かって供給するポンプを備えてもよい。
【0033】
1.4 加湿ロータ
図3は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータを模式的に図示する斜視図である。
【0034】
図1から図3までに図示されるように、加湿ロータ33は、加湿フィルタ71及びフィルタ枠72を備える。
【0035】
加湿フィルタ71は、風路21Dを流れる空気を通過させ、通過させる空気を供給部32により供給される水41により加湿する。
【0036】
加湿フィルタ71は、円弧及び円弧の両端を結ぶ直線からなる輪郭を有する平面形状を有する。加湿フィルタ71は、加湿フィルタ71の直線を形成する部分が最下方の付近に配置された場合は、水41に浸漬されず、水41により湿らせられない。加湿フィルタ71は、当該部分が最下方の付近以外に配置された場合は、水41に浸漬され、水41により湿らせられる。加湿フィルタ71は、水41を浸透させることができる材料からなり、例えば、繊維集合体からなり、望ましくは、不織布からなる。
【0037】
加湿フィルタ71は、プリーツフィルタである。このため、加湿フィルタ71は、複数の折り目81を有するシート状の形状を有する。複数の折り目81は、同じ方向に伸びる。加湿フィルタ71は、各折り目81において折り曲げられる。隣接するふたつの折り目81における折り曲げ方向は、互いに逆方向である。これにより、加湿フィルタ71は、つづら折り状の側面形状を有する。
【0038】
フィルタ枠72は、加湿フィルタ71を保持する。
【0039】
図3に図示されるように、フィルタ枠72は、円筒状部91、板状部92、環状部93及び複数の棒状部94を備える。
【0040】
円筒状部91は、円筒状の形状を有する。円筒状部91には、収容空間91Aが形成される。図3に図示されるように、円筒状部91は、複数の歯101を備える。複数の歯101は、円筒状部91の外周面91Bに配置される。複数の歯101は、加湿ロータ33の周方向に均一に配列される。
【0041】
板状部92は、板状の形状を有する。板状部92は、円弧及び円弧の両端を結ぶ直線からなる輪郭を有する平面形状を有する。板状部92は、円筒状部91の径方向内側に配置される。板状部92の円弧を形成する部分は、円筒状部91の軸方向端部に接続される。これにより、板状部92は、円筒状部91の軸方向端部に囲まれる開口の一部を塞ぎ、トレイ51内に配置された場合に水41が収容空間91Aに侵入することを阻害する。
【0042】
環状部93は、環状の形状を有する。環状部93は、円筒状部91及び板状部92の径方向内側に配置される。
【0043】
各棒状部94は、加湿ロータ33の径方向に延びる。各棒状部94の一端は、円筒状部91の軸方向端部又は板状部92の直線を形成する部分に接続される。各棒状部94の他端は、環状部93に接続される。複数の棒状部94は、加湿ロータ33の周方向に均等に配置される。
【0044】
1.5 制御系
図4は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御系のブロック図である。
【0045】
図4に図示されるように、空気清浄機1は、水位センサ111、湿度センサ112、生乾き臭センサ113、操作部114、制御部115及び報知部116を備える。
【0046】
水位センサ111は、トレイ51に貯められている水41の水位121を検知する。水位センサ111は、水位121が0であるか否か、すなわち、トレイ51に水41が貯められているか否かも検知することができる。したがって、水位センサ111は、トレイ51に水41が貯められているか否かを検知する検知部でもある。トレイ51に水41が貯められているか否かがフロートにより検知されてもよい。
【0047】
湿度センサ112は、空気清浄機1の周辺の空気の湿度122を検知する。
【0048】
生乾き臭センサ113は、空気清浄機1により吹き出される空気の生乾き臭の強さ123を検知する。生乾き臭センサ113は、例えば、当該空気に含まれる、生乾き臭の原因となる成分の量を検知することにより、生乾き臭の強さ123を検知する。
【0049】
操作部114は、ユーザ131により行われる加湿運転開始操作141及び加湿運転終了操作142を受け付ける。加湿運転開始操作141及び加湿運転終了操作142は、それぞれ加湿運転を開始及び終了することを指示する操作である。加湿運転は、空気清浄機1の周辺の空気の湿度と設定された湿度との湿度差を設定された湿度差以下にするための運転である。操作部114は、ボタン、ダイヤル、スライダ、タッチパネル、タッチパッド等により構成される。
【0050】
報知部116は、報知を行う。報知部116は、ディスプレイ、ランプ、スピーカ、ブザー、バイブレータ等により構成される。
【0051】
制御部115は、水位121、湿度122及び生乾き臭の強さ123並びに加湿運転開始操作141及び加湿運転終了操作142の受け付けの有無を取得し、取得したこれらに基づいて加湿部25及び報知部116を制御する。制御部115は、マイクロコントローラ、周辺回路等により構成される。マイクロコントローラは、プロセッサ及びメモリを備える。プロセッサは、メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、マイクロコントローラ及び周辺回路を、加湿部25及び報知部116を制御する制御部115として動作させる。制御部115の全部又は一部が、専用回路により構成されてもよい。
【0052】
1.6 制御部による制御
制御部115は、空気清浄機1が運転を行う場合は、ファン31に風を送らせる。これにより、ファン31が、吸い込み口11から脱臭フィルタ23、集塵フィルタ24及び加湿フィルタ71を経由して吹き出し口12まで流れる空気の流れを生成する。脱臭フィルタ23及び集塵フィルタ24は、脱臭フィルタ23及び集塵フィルタ24を経由する空気を清浄にする。これにより、空気清浄機1は、清浄にされた空気を吹き出し口12から吹き出す。
【0053】
制御部115は、空気清浄機1が運転を行っている間に加湿を目的とする運転を行う場合は、ファン31に風を送らせながら、供給部32に水41を加湿フィルタ71へ供給させる。これにより、加湿フィルタ71は、加湿フィルタ71を経由する空気を供給された水41により加湿する。これにより、空気清浄機1は、清浄にされ加湿された空気を吹き出し口12から吹き出す。
【0054】
制御部115は、空気清浄機1が運転を行っている間に加湿を目的としない運転を行う場合は、ファン31に風を送らせながら、供給部32に、水41を加湿フィルタ71へ供給させないか、又は少量の水41を加湿フィルタ71へ供給させる。これにより、空気清浄機1は、清浄にされたが加湿されていない空気を吹き出し口12から吹き出す。
【0055】
1.7 加湿を目的としない運転を行う場合の加湿部の状態の切り替え
図5は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿部の状態の切り替えを説明する図である。
【0056】
図5に示されるように、制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行う場合に、加湿フィルタ71が汚れているか否かに応じて、加湿部25の状態を、第1の状態151と第2の状態152との間で切り替える。制御部115は、加湿フィルタ71が汚れておらず加湿フィルタ71が生乾き臭を発生させる可能性が低い場合は、加湿部25の状態を第1の状態151とする。制御部115は、加湿フィルタ71が汚れており加湿フィルタ71が生乾き臭を発生させる可能性が高い場合は、加湿部25の状態を第1の状態151とは異なる第2の状態152にする。
【0057】
第1の状態151は、加湿フィルタ71が生乾き臭を発生させることを抑制する動作を行わない状態であり、例えば、供給部32に水41を加湿フィルタ71へ供給させない状態161である。
【0058】
第2の状態152は、当該動作を行う状態であり、例えば、供給部32に少量の水41を加湿フィルタ71へ供給させる状態162である。加湿フィルタ71へ供給される少量の水41は、加湿フィルタ71が空気を加湿するのに十分ではない。しかし、当該水41は、加湿フィルタ71が生乾き臭を発生させることを抑制する。
【0059】
制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的とする運転及び加湿を目的としない運転のいずれを行う場合も、ファン31に風を送らせる。制御部115は、加湿部25の状態を第1の状態151及び第2の状態152のいずれにする場合も、ファン31に風を送らせる。制御部115が、加湿部25の状態を第2の状態152にする場合の風量を、加湿部25の状態を第1の状態151にする場合の風量より弱くしてもよい。制御部115が、加湿部25の状態を第2の状態152にする場合に、貯められた水41が無くなったときに、ファン31に、風を送ることを停止させてもよい。
【0060】
空気清浄機能を有しないが加湿機能を有する送風装置において、上述した加湿部25の状態の切り替えが行われてもよい。
【0061】
図6は、第1実施形態の空気清浄機に備えられるファンにより送られる風の風量の時間変化の例を示すグラフである。
【0062】
図6に示されるように、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定された第1の時刻の前の期間においては、トレイ51に貯められた水41が有る水有り期間及びトレイ51に貯められた水41が無い水無し期間のいずれにも、ファン31に、送る風の風量を第1の風量にさせる。
【0063】
また、制御部115は、当該第1の時刻の後であって加湿フィルタ71が洗浄された第2の時刻の前の期間においては、当該水有り期間には、ファン31に、送る風の風量を第1の風量にさせ、当該水無し期間には、ファン31に、送る風の風量を第1の風量より弱い第2の風量にさせる。第2の風量は、0であってもよい。
【0064】
1.8 加湿を目的とする運転が行われる場合の加湿ロータの回転
空気清浄機1は、加湿を目的とする運転を行うことができる。加湿を目的とする運転は、加湿を常時行う常時加湿モード及び/又は加湿を断続的に行う断続加湿モードを含む。
【0065】
図7は、第1実施形態の空気清浄機が常時加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0066】
図7に示されるように、制御部115は、空気清浄機1が常時加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合は、回転部52に、加湿ロータ33を第1の回転速度R1で回転させる。これにより、加湿フィルタ71が、トレイ51に貯められた水41に繰り返し浸漬される。これにより、水41が、加湿フィルタ71に浸透する。また、加湿フィルタ71を経由する空気が、浸透した水41により加湿される。
【0067】
図8は、第1実施形態の空気清浄機が断続加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0068】
図8に示されるように、制御部115は、空気清浄機1が断続加湿モードで加湿を目的とする運転を行う場合は、回転部52に、加湿ロータ33を、第1の回転速度R1で回転する状態及び停止した状態に交互にさせる。
【0069】
加湿ロータ33は、第1の回転速度R1で回転する状態にされた場合は、トレイ51に貯められた水41に繰り返し浸漬される。これにより、水41が、加湿フィルタ71に浸透する。また、加湿フィルタ71を通過する空気が、浸透した水41により加湿される。
【0070】
図9は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータが停止するときの当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態を模式的に図示する断面図である。
【0071】
図9に図示されるように、加湿ロータ33は、加湿フィルタ71がトレイ51に貯められた水41に浸漬されない位置で停止する。これにより、水41が加湿フィルタ71に浸透しなくなる。また、加湿フィルタ71を通過する空気が、加湿されなくなる。
【0072】
1.9 加湿を目的としない運転が行われる場合の加湿ロータの回転
空気清浄機1は、加湿を目的としない運転を行わせることができる。加湿部25の状態は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行う場合に、第1の状態151又は第2の状態152にされる。
【0073】
図10は、第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第1の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0074】
図10に図示されるように、制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25が第1の状態151にされる場合は、回転部52に、加湿ロータ33を停止させる。
【0075】
図9に図示されるように、加湿ロータ33は、加湿フィルタ71がトレイ51に貯められた水41に浸漬されない位置で停止する。これにより、これにより、水41が加湿フィルタ71に浸透しなくなる。また、加湿フィルタ71を通過する空気が、加湿されなくなる。
【0076】
図11は、第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第2の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0077】
図12は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる加湿ロータが停止するときの当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態を模式的に図示する断面図である。
【0078】
図11に示されるように、制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25が第2の状態152にされる場合は、回転部52に、加湿ロータ33を、上述した第1の回転速度R1より遅い第2の回転速度R2で回転する状態及び停止した状態に交互にさせる。加湿ロータ33が回転する状態にされた場合は、加湿フィルタ71が、トレイ51に貯められた水41に浸漬される。これにより、水41が加湿フィルタ71に浸透する。また、加湿フィルタ71を通過する空気が、浸透した水41により加湿される。加湿ロータ33は、停止した状態にされた場合は、図9に図示されるように、加湿フィルタ71が水41に浸漬されない位置で停止されてもよいし、図12に図示されるように、加湿フィルタ71が水41に浸漬される位置で停止されてもよい。制御部115は、例えば、設定された時間に1回の頻度で加湿ロータ33を回転する状態にする。設定された時間は、例えば、30分である。
【0079】
図13は、第1実施形態の空気清浄機が加湿を目的としない運転を行い当該空気清浄機に備えられる加湿部の状態が第2の状態にされる場合の、当該空気清浄機に備えられる加湿ロータの回転速度の時間変化を示すグラフである。
【0080】
図13に示されるように、制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25が第2の状態152にされる場合に、回転部52に、加湿ロータ33を停止させてもよい。加湿ロータ33は、図12に図示されるように、加湿フィルタ71が水41に浸漬される位置で停止される。
【0081】
加湿フィルタ71が水41に浸漬される位置で加湿ロータ33が停止した場合は、加湿フィルタ71の折り目81が、水41の水面41Aと交差し、望ましくは、水41の水面41Aと80°以上100°以下の角度をなして交差し、さらに望ましくは、水41の水面41Aと90°の角度をなして交差する。折り目81が水41の水面41Aと80°以上100°以下の角度をなして交差することにより、水41が上方へ向かって浸透する際に、水41が加湿フィルタ71の折り目81とほぼ平行に浸透する。これにより、水41が上方へ向かって浸透する際に水41が移動しなければならない距離を短くすることができる。これにより、水41を加湿フィルタ71に速く浸透させることができる。
【0082】
空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25の状態が第2の状態152にされる場合に加湿ロータ33を回転させる第2の頻度は、空気清浄機1が加湿を目的する運転を行う場合に加湿ロータ33を回転させる第1の頻度より低くなる。また、前者の場合に加湿ロータ33を回転させる第2の回転速度R2は、後者の場合に加湿ロータ33を回転させる第1の回転速度R1より遅くなる。このため、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25の状態が第2の状態152にされることにより、加湿部25により発せられる運転音を小さくすることができる。これにより、空気清浄機1の静音性を向上することができる。
【0083】
また、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25の状態が第2の状態152にされる場合の加湿フィルタ71による水41の吸収量は、空気清浄機1が加湿を目的する運転を行う場合の加湿フィルタ71による水41の吸収量より少なくなるものの、0にはならない。このため、前者の場合の加湿部25の加湿力は、後者の場合の加湿部25の加湿力より低くなるが、0にはならない。これにより、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行い加湿部25の状態が第2の状態152にされることにより、加湿部25により発せられる音を小さくしながら、弱い加湿を継続することができる。
【0084】
1.10 空気清浄機に行わせる運転の決定
図14は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、空気清浄機に行わせる運転を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
制御部115は、空気清浄機1に行わせる運転を決定する場合に、図14に示されるステップS101からS107までを実行する。
【0086】
ステップS101においては、制御部115は、操作部114により加湿運転開始操作141が受け付けられたか否かを判定する。加湿運転開始操作141が受け付けられたと判定された場合は、ステップS102が実行される。加湿運転開始操作141が受け付けられていないと判定された場合は、ステップS103が実行される。
【0087】
ステップS102においては、制御部115は、操作部114により加湿運転終了操作142が受け付けられたか否かを判定する。加湿運転終了操作142が受け付けられたと判定された場合は、ステップS104が実行される。加湿運転終了操作142が受け付けられていないと判定された場合は、ステップS105が実行される。
【0088】
ステップS103においては、制御部115は、空気清浄機1に加湿を目的としない運転を行わせる。
【0089】
ステップS104においては、制御部115は、空気清浄機1に加湿を目的としない運転を行わせる。
【0090】
ステップS104が実行された後には、再びステップS101が実行される。
【0091】
ステップS101からS104までにより、制御部115は、加湿運転開始操作141が受け付けられる前及び加湿運転終了操作142が受け付けられた後は、空気清浄機1に加湿を目的としない運転を行わせる。また、空気清浄機1は、加湿運転開始操作141が受け付けられた後であって加湿運転終了操作142が受け付けられる前は、ステップS105からS107までにしたがって、空気清浄機1に加湿を目的とする運転又は加湿を目的としない運転を行わせる。
【0092】
ステップS105においては、制御部115は、湿度センサ112により検知された湿度122を取得し、取得した湿度122と設定された湿度との湿度差が設定された湿度差以下であるか否かを判定する。湿度差が設定された湿度差以下であると判定された場合は、ステップS106が実行される。湿度差が設定された湿度差以下でないと判定された場合は、ステップS107が実行される。
【0093】
ステップS106においては、制御部115は、空気清浄機1に加湿を目的としない運転を行わせる。
【0094】
ステップS107においては、制御部115は、空気清浄機1に加湿を目的とする運転を行わせる。
【0095】
ステップS105からS107までにより、制御部115は、加湿運転開始操作141が受け付けられた後であって加湿運転終了操作142が受け付けられる前は、検知された湿度122と設定された湿度との湿度差が設定された湿度差以下である場合に、空気清浄機1に加湿を目的としない運転を行わせ、当該湿度差が当該設定された湿度差以下でない場合に、空気清浄機1に加湿を目的とする運転を行わせる。これにより、空気清浄機1は、湿度差が設定された湿度差以下であり加湿を行う必要性が低い場合に、加湿を目的としない運転を行い、湿度差が設定された湿度差以下でなく加湿を行う必要性が高い場合に、加湿を目的とする運転を行う。
【0096】
1.11 加湿部の状態の決定
図15は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿部の状態を決定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
制御部115は、加湿部25の状態を決定する場合に、図15に示されるステップS111からS114までを実行する。
【0098】
ステップS111においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定する。加湿フィルタ71が汚れていると判定された場合は、ステップS112が実行される。加湿フィルタ71が汚れていないと判定された場合は、ステップS114が実行される。
【0099】
ステップS112においては、制御部115は、加湿部25の状態を第2の状態152にする。
【0100】
ステップS112に続くステップS113においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていることを知らせる報知を報知部116に行わせる。
【0101】
ステップS114においては、制御部115は、加湿部25の状態を第1の状態151にする。
【0102】
ステップS113又はS114が実行された後は、再びステップS111が実行される。
【0103】
ステップS111からS114までにより、制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行う場合に、加湿フィルタ71が汚れていないときは、加湿部25の状態を第1の状態151にする。制御部115は、空気清浄機1が加湿を目的としない運転を行う場合に、加湿フィルタ71が汚れているときは、加湿部25の状態を第2の状態152にし、加湿フィルタ71が汚れていることを知らせる報知を報知部116に行わせる。
【0104】
1.12 水の追加を促す報知
図16は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、水の追加を促す報知を行わせる処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
制御部115は、水41の追加を促す報知を行わせる場合に、図16に示されるステップS121からS125までを実行する。
【0106】
ステップS121においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定する。加湿フィルタ71が汚れていると判定された場合は、ステップS122が実行される。加湿フィルタ71が汚れていないと判定された場合は、ステップS123が実行される。
【0107】
ステップS122においては、制御部115は、基準水位を第2の水位に設定する。設定される第2の水位は、下述する第1の水位より高い水位である。
【0108】
ステップS123においては、制御部115は、基準水位を第1の水位に設定する。
【0109】
ステップS122又はS123に続くステップS124においては、制御部115は、水位センサ111により検知された水位121を取得し、取得した水位121が基準水位以下であるか否かを判定する。水位121が基準水位以下であると判定された場合は、ステップS125が実行される。水位121が基準水位以下でないと判定された場合は、再びステップS121が実行される。
【0110】
ステップS125においては、制御部115は、水41の追加を促す報知を報知部116に行わせる。
【0111】
ステップS121からS125までにより、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていない場合は、検知された水位121が第1の水位121以下となるのに連動して、報知部116に水41の追加を促す報知を行わせる。一方、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れている場合は、水位121が第1の水位より高い第2の水位となるのに連動して、報知部116に当該報知を行わせる。これにより、加湿フィルタ71が汚れている場合に当該報知が行われるタイミングを、加湿フィルタ71が汚れていない場合に当該報知が行われるタイミングより早めることができる。これにより、水41が不足し加湿フィルタ71に水41を供給することができなくなることを抑制することができる。これにより、加湿フィルタ71が生乾き臭を発生することを抑制することができる。第1の水位が0であってもよく、第2の水位が0より大きい水位であってもよい。この場合は、加湿フィルタ71が汚れていないときに、水41が無くなるのに連動して報知が行われる。また、加湿フィルタ71が汚れているときに、水41が無くなる前に報知が行われる。
【0112】
制御部115により取得される水位が、水位センサ111により検知された水位121以外の水位であってもよい。例えば、制御部115により取得される水位が、空気清浄機1が加湿を行った加湿時間から演算される水位、空気清浄機1が行った加湿による加湿量から推測される水位等であってもよい。
【0113】
1.13 加湿フィルタが汚れているか否かの判定
図17は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
【0114】
当該第1の例においては、制御部115は、図17に示されるステップS131からS133までを実行する。
【0115】
ステップS131においては、制御部115は、加湿フィルタ71が空気清浄機1に取り付けられた後において水位センサ111により水41が貯められていると検知されていた貯水時間が設定された時間以上であるか否かを判定する。貯水時間が設定された時間以上であると判定された場合は、ステップS132が実行される。貯水時間が設定された時間以上でないと判定された場合は、ステップS133が実行される。加湿フィルタ71が空気清浄機1に取り付けられた後の期間は、空気清浄機1に取り付けられていた加湿フィルタ71が空気清浄機1から取り外され、取り外された加湿フィルタ71が洗浄され、洗浄された加湿フィルタ71が再び空気清浄機1に取り付けられた場合における、洗浄された加湿フィルタ71が再び空気清浄機1に取り付けられた後の期間である。又は、加湿フィルタ71が空気清浄機1に取り付けられた後の期間は、新品の空気清浄機1が購入された後の期間である。
【0116】
ステップS132においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0117】
ステップS133においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていないと判定する。
【0118】
ステップS131からS133までにより、制御部115は、貯水時間に基づいて加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定し、貯水時間が長くなり加湿フィルタ71が生乾き臭を発生する可能性が高い場合に、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0119】
図18は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
【0120】
当該第2の例においては、制御部115は、図18に示されるステップS141からS143までを実行する。
【0121】
ステップS141においては、制御部115は、空気清浄機1が加湿を行った加湿時間が設定された時間以上であるか否かを判定する。加湿時間が設定された時間以上であると判定された場合は、ステップS142が実行される。加湿時間が設定された時間以上でないと判定された場合は、ステップS143が実行される。
【0122】
ステップS142においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0123】
ステップS143においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていないと判定する。
【0124】
ステップS141からS143までにより、制御部115は、加湿時間に基づいて加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定し、加湿時間が長くなり加湿フィルタ71が生乾き臭を発生する可能性が高い場合に、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0125】
図19は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第3の例を示すフローチャートである。
【0126】
当該第3の例においては、制御部115は、図19に示されるステップS151からS153までを実行する。
【0127】
ステップS151においては、制御部115は、空気清浄機1が行った加湿による加湿量が設定された量以上であるか否かを判定する。加湿量が設定された量以上であると判定された場合は、ステップS152が実行される。加湿量が設定された量以上でないと判定された場合は、ステップS153が実行される。
【0128】
ステップS152においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0129】
ステップS153においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていないと判定する。
【0130】
ステップS151からS153までにより、制御部115は、加湿量に基づいて加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定し、加湿量が多くなり加湿フィルタ71が生乾き臭を発生する可能性が高い場合に、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0131】
図20は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第4の例を示すフローチャートである。
【0132】
当該第4の例においては、制御部115は、図20に示されるステップS161からS163までを実行する。
【0133】
ステップS161においては、制御部115は、空気清浄機1の加湿力を取得し、取得した加湿力が基準以上であるか否かを判定する。加湿力が基準以上であると判定された場合は、ステップS162が実行される。加湿力が基準以上でないと判定された場合は、ステップS163が実行される。制御部115は、例えば、空気清浄機1が加湿を目的とする運転を行った場合における、湿度センサ112により検知される湿度122の上昇から、空気清浄機1の加湿力を取得する。取得される加湿力は、湿度122の上昇が大きくなるほど大きくなる。
【0134】
ステップS162においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていないと判定する。
【0135】
ステップS163においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0136】
ステップS161からS163までにより、制御部115は、加湿力に基づいて加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定し、加湿力が小さくなり加湿フィルタ71が生乾き臭を発生する可能性が高い場合に、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0137】
図21は、第1実施形態の空気清浄機に備えられる制御部により行われる、加湿フィルタが汚れているか否かを判定する処理の流れの第5の例を示すフローチャートである。
【0138】
当該第5の例においては、制御部115は、図21に示されるステップS171からS173までを実行する。
【0139】
ステップS171においては、制御部115は、生乾き臭センサ113により検知された生乾き臭の強さ123を取得し、取得した生乾き臭の強さ123が設定された強さ以上であるか否かを判定する。生乾き臭の強さ123が設定された強さ以上であると判定された場合は、ステップS172が実行される。生乾き臭の強さ123が設定された強さ以上でないと判定された場合は、ステップS173が実行される。
【0140】
ステップS172においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0141】
ステップS153においては、制御部115は、加湿フィルタ71が汚れていないと判定する。
【0142】
ステップS171からS173までにより、制御部115は、検知された生乾き臭の強さ123に基づいて加湿フィルタ71が汚れているか否かを判定し、生乾き臭の強さ123が大きくなり加湿フィルタ71が生乾き臭を発生している可能性が高い場合に、加湿フィルタ71が汚れていると判定する。
【0143】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 空気清浄機、11 吸い込み口、12 吹き出し口、21 ハウジング、21A 下面、21B 後面、21C 上面、21D 風路、21E 収納空間、22 後パネル、22A 孔、23 脱臭フィルタ、24 集塵フィルタ、25 加湿部、31 ファン、32 供給部、33 加湿ロータ、41 水、41A 水面、51 トレイ、52 回転部、61 モータ、62 歯車、71 加湿フィルタ、72 フィルタ枠、81 折り目、91 円筒状部、91A 収容空間、91B 外周面、92 板状部、93 環状部、94 棒状部、101 歯、111 水位センサ、112 湿度センサ、113 生乾き臭センサ、114 操作部、115 制御部、116 報知部、121 水位、122 湿度、123 生乾き臭の強さ、131 ユーザ、141 加湿運転開始操作、142 加湿運転終了操作、151 第1の状態、152 第2の状態、161 水を加湿フィルタへ供給させない状態、162 少量の水を加湿フィルタへ供給させる状態。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21