(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167029
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】膝軌跡情報生成装置、膝軌跡情報生成方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
A61B5/11 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077836
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】井原 和紀
(72)【発明者】
【氏名】福司 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】オウ シンイ
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 浩司
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 史行
(72)【発明者】
【氏名】黄 晨暉
(72)【発明者】
【氏名】野崎 善喬
(72)【発明者】
【氏名】中原 謙太郎
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA12
4C038VB14
4C038VC05
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる膝軌跡情報生成装置等を提供する。
【解決手段】対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する取得部と、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する第1計算部と、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する第2計算部と、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算し、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する情報生成部と、生成された膝軌跡情報を出力する出力部と、を備える膝軌跡情報生成装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する取得手段と、
前記歩行データに含まれる前記足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する第1計算手段と、
前記歩行データに含まれる前記膝位置の時系列データを用いて、前記歩行周期の始点と終点との間における前記膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する第2計算手段と、
前記第1移動経路と前記第2移動経路との差分を計算し、算出された前記差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する情報生成手段と、
生成された前記膝軌跡情報を出力する出力手段と、を備える膝軌跡情報生成装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
連続する踵接地を前記歩行周期の始点および終点とする前記対象者の前記歩行データを取得し、
前記第1計算手段は、
水平面内における前記歩行周期の始点と終点とを結ぶ前記第1移動経路を計算し、
前記第2計算手段は、
前記水平面内における前記歩行周期の始点と終点との間における前記膝位置の軌跡に相当する前記第2移動経路を計算し、
前記情報生成手段は、
前記歩行周期に含まれる歩行フェーズに対応付けて、前記水平面内における前記差分を計算し、
前記歩行フェーズに前記差分が対応付けられた前記視覚情報を含む前記膝軌跡情報を生成する請求項1に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項3】
前記情報生成手段は、
前記差分の向きおよび大きさを示す矢印が、前記歩行周期に含まれる歩行フェーズに対応付けられた前記視覚情報を生成する請求項1に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項4】
前記情報生成手段は、
前記膝位置の高さを示す第1標識と、前記差分の向きおよび大きさとを示す第2標識とを組み合わせた標識を、前記対象者の歩行状態を示す映像を構成するフレームに重ねた前記視覚情報を生成する請求項1に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項5】
前記情報生成手段は、
前記フレームに表示された前記対象者の前記膝位置に、前記標識が重ねられた前記視覚情報を生成する請求項4に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項6】
前記情報生成手段は、
前記フレームに表示された前記対象者から離れた位置に、前記標識が表示される前記視覚情報を生成する請求項4に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項7】
前記情報生成手段は、
前記第1移動経路を示す直線と前記標識とが組み合わされた前記視覚情報を生成する請求項4に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項8】
前記出力手段は、
前記対象者に関する前記膝軌跡情報を端末装置に出力し、
前記膝軌跡情報に関する表示情報を、前記端末装置の画面に表示させる請求項1乃至7のいずれか一項に記載の膝軌跡情報生成装置。
【請求項9】
コンピュータが、
対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得し、
前記歩行データに含まれる前記足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算し、
前記歩行データに含まれる前記膝位置の時系列データを用いて、前記歩行周期の始点と終点との間における前記膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算し、
前記第1移動経路と前記第2移動経路との差分を計算し、
算出された前記差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成し、
生成された前記膝軌跡情報を出力する膝軌跡情報生成方法。
【請求項10】
対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する処理と、
前記歩行データに含まれる前記足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する処理と、
前記歩行データに含まれる前記膝位置の時系列データを用いて、前記歩行周期の始点と終点との間における前記膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する処理と、
前記第1移動経路と前記第2移動経路との差分を計算する処理と、
算出された前記差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する処理と、
生成された前記膝軌跡情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歩行における膝軌跡に関する情報を生成する膝軌跡情報生成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケアへの関心の高まりに伴って、歩行パターンに含まれる特徴(歩容とも呼ぶ)に応じた情報に注目が集まっている。歩容に応じた情報を活用できれば、人々が抱える様々な症状に応じたヘルスケアサービスを提供できる。歩行における膝の動きを示す情報は、変形性膝関節症等の診断にとって有用である。特に、左右方向への膝の挙動を把握できれば、変形性膝関節症の早期発見や予防を実現できる可能性がある。
【0003】
特許文献1には、被験者の歩行動作の評価に用いられる歩行パラメータを算出する歩行解析システムについて開示されている。特許文献1のシステムは、被験者の下肢部分に装着された3軸加速度センサおよび3軸角速度センサを用いて、加速度および角速度を測定する。特許文献1のシステムは、測定された加速度および角速度に基づき、歩行中の下肢部分の姿勢を算出する。特許文献1のシステムは、算出された姿勢にある下肢部分を互いに連結して、関節の運動軌跡を含む3次元モデルを構築する。特許文献1のシステムは、矢状面において、踵接地時における関節の加速度ベクトルが運動軌跡に対してなす角を、歩行パラメータとして算出する。
【0004】
特許文献2には、生物の周期動作を表示する動作情報表示装置について開示されている。特許文献2の装置は、対象生物の動画から、対象生物の動作情報を取得する。特許文献2の装置は、動作情報の基準により、特定部位の並進運動の影響を補正する。特許文献2の装置は、補正された特定部位の位置情報を、動画の複数フレームに亘って記憶する。特許文献2の装置は、特定部位の軌跡を動画に重畳して、軌跡が重畳された動画を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-023436号公報
【特許文献2】特開2021-176347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の手法では、下肢部分に装着された3軸加速度センサおよび3軸角速度センサを用いて、踵接地時における関節の加速度ベクトルが運動軌跡に対してなす角(膝の角度に相当)を、歩行パラメータとして算出する。しかしながら、特許文献1の手法では、左右方向への膝の挙動を把握できる情報を生成できなかった。
【0007】
特許文献2の手法によれば、対象生物の動画に基づいて、横方向の視座から見た足首の関節の軌跡を2次元的に表示できる。しかしながら、特許文献2の手法では、正面の視座から見た膝の挙動を把握できる情報を表示できなかった。
【0008】
本開示の目的は、左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる膝軌跡情報生成装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様の膝軌跡情報生成装置は、対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する取得部と、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する第1計算部と、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する第2計算部と、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算し、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する情報生成部と、生成された膝軌跡情報を出力する出力部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様の膝軌跡情報生成方法においては、対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得し、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算し、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算し、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算し、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成し、生成された膝軌跡情報を出力する。
【0011】
本開示の一態様のプログラムは、対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する処理と、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する処理と、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する処理と、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する処理と、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する処理と、生成された膝軌跡情報を出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる膝軌跡情報生成装置等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における歩行イベントの一例について説明するための概念図である。
【
図3】第1の実施形態における人体面の一例について説明するための概念図である。
【
図4】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が計算する第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データの一例を示すグラフである。
【
図5】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が計算する第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データの別の一例を示すグラフである。
【
図6】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第一例について説明するための概念図である。
【
図7】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第二例について説明するための概念図である。
【
図8】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第三例について説明するための概念図である。
【
図9】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第四例について説明するための概念図である。
【
図10】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第五例について説明するための概念図である。
【
図11】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第五例について説明するための概念図である。
【
図12】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置が生成する視覚情報の第六例について説明するための概念図である。
【
図13】第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図14】第1の実施形態に関する適用例1-1について説明するための概念図である。
【
図15】第1の実施形態に関する適用例1-1について説明するための概念図である。
【
図16】第1の実施形態に関する適用例1-2について説明するための概念図である。
【
図17】第1の実施形態に関する適用例1-2について説明するための概念図である。
【
図18】第1の実施形態に関する適用例1-3について説明するための概念図である。
【
図19】第1の実施形態に関する適用例1-3について説明するための概念図である。
【
図20】第1の実施形態に関する適用例1-3について説明するための概念図である。
【
図21】第2の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図22】各実施形態に係る処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置の構成について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る膝軌跡情報生成装置は、対象者の歩行に応じて計測された歩行データを取得する。歩行データは、足位置データと膝位置データとを含む。本実施形態に係る膝軌跡情報生成装置は、歩行データを用いて、膝の動きを示す膝軌跡に関する情報(膝軌跡情報とも呼ぶ)を生成する。
【0016】
本実施形態においては、膝の中心位置を、膝位置と呼ぶ。膝軌跡の検証に影響がない程度であれば、膝位置は、膝の中心位置からずれていてもよい。また、本実施形態においては、足の中心位置を、足位置と呼ぶ。膝軌跡の検証に影響がない程度であれば、足位置は、足の中心位置からずれていてもよい。
【0017】
(構成)
図1は、本実施形態に係る膝軌跡情報生成装置10の構成を示すブロック図である。膝軌跡情報生成装置10は、取得部11、第1計算部12、第2計算部13、情報生成部15、および出力部17を備える。
【0018】
取得部11は、対象者の歩行データを取得する。歩行データは、対象者の足位置データおよび膝位置データを含む。足位置データは、3次元的な足位置の時間変化である。膝位置データは、3次元的な膝位置の時間変化である。足位置データおよび膝位置データの計測方法については、特に限定を加えない。
【0019】
例えば、足位置データおよび膝位置データは、モーションキャプチャによって計測される。モーションキャプチャでは、対象者の身体の各部位に、マーカが付けられる。例えば、マーカは、足や膝を含む部位に付けられる。歩行する対象者をカメラで撮影し、撮影された画像(映像)におけるマーカの位置に応じて、足位置および膝位置が計測される。モーションキャプチャによれば、足位置および膝位置を直接計測できるため、精度が高い足位置データおよび膝位置データが得られる。
【0020】
例えば、足位置データおよび膝位置データは、カメラによって撮影された画像(映像)を解析することによって、計測される。OpenPoseなどのソフトウェアを用いれば、画像に写った人物から検出された骨格や関節の位置に基づいて、足位置および膝位置を計算することによって、足位置データおよび膝位置データが計測される。
【0021】
例えば、足位置データおよび膝位置データは、膝に装着された慣性センサによって計測された加速度や角速度を用いて、計測される。慣性センサを用いる場合、加速度や角速度を積分することによって、足位置および膝位置を計算できる。例えば、足位置データおよび膝位置データは、全身の各部位に慣性センサが装着されたスマートアパレルを用いて、計測されてもよい。
【0022】
例えば、足位置データは、履物に設置された慣性センサを用いて計測された足位置に応じて計測される。その場合、膝位置データは、計測された足位置に応じて推定される。
【0023】
取得部11は、所定歩行区間における歩行データを取得する。例えば、所定歩行区間は、一歩行周期である。所定歩行区間は、複数の歩行周期であってもよい。以下においては、右足の踵が着地してから、その右足の踵が再び着地するまでの期間を、右足の一歩行周期と定義する。同様に、左足の踵が着地してから、その左足の踵が再び着地するまでの期間を、左足の一歩行周期と定義する。踵が着地する事象を、踵接地と呼ぶ。歩行周期の始点および終点は、踵着地以外の事象のタイミングに設定されてもよい。
【0024】
図2は、右足を基準とする一歩行周期において検出される歩行イベントについて説明するための概念図である。
図2の横軸は、右足の一歩行周期を100パーセント(%)として正規化された歩行周期である。右足の踵が地面に着地した時点を起点(0%)とし、次に右足の踵が地面に着地した時点を終点(100%)とする。一歩行周期に含まれる複数のタイミングの各々を、歩行フェーズと呼ぶ。片足の一歩行周期は、足の裏側の少なくとも一部が地面に接している立脚相と、足の裏側が地面から離れている遊脚相とに大別される。
図2の例では、立脚相が60%を占め、遊脚相が40%を占めるように、歩行周期が正規化される。立脚相は、立脚初期T1、立脚中期T2、立脚終期T3、遊脚前期T4に細分される。遊脚相は、遊脚初期T5、遊脚中期T6、遊脚終期T7に細分される。一歩行周期の歩行波形は、踵が地面に着地した時点を起点としなくてもよい。例えば、一歩行周期の歩行波形の起点は、立脚相の中央の時点などに設定されてもよい。
【0025】
歩行イベントE1は、一歩行周期の始まりの踵接地(HC:Heel Contact)を表す。踵接地は、遊脚相において地面から離れていた右足の踵が、地面に着地する事象である。歩行イベントE2は、反対足爪先離地(OTO:Opposite Toe Off)を表す。反対足爪先離地は、右足の足裏の接地面が接地した状態で、左足の爪先が地面から離れる事象である。歩行イベントE3は、踵持ち上がり(HR:Heel Rise)を表す。踵持ち上がりは、右足の足裏の接地面が接地した状態で、右足の踵が持ち上がる事象である。歩行イベントE4は、反対足踵接地(OHS:Opposite Heel Strike)を表す。反対足踵接地は、左足の遊脚相において地面から離れていた左足の踵が、地面に着地する事象である。歩行イベントE5は、爪先離地(TO:Toe Off)を表す。爪先離地は、左足の足裏の接地面が接地した状態で、右足の爪先が地面から離れる事象である。歩行イベントE6は、足交差(FA:Foot Adjacent)を表す。足交差は、左足の足裏の接地面が接地した状態で、左足と右足が交差する事象である。歩行イベントE7は、脛骨垂直(TV:Tibia Vertical)を表す。脛骨垂直は、左足の足裏が接地した状態で、右足の脛骨が地面に対してほぼ垂直になる事象である。歩行イベントE8は、一歩行周期の終わりの踵接地(HS:Heel Strike)を表す。歩行イベントE8は、歩行イベントE1から始まる歩行周期の終点に相当するとともに、次の歩行周期の起点に相当する。
【0026】
図3は、人体に対して設定される面(人体面とも呼ぶ)について説明するための概念図である。本実施形態では、身体を左右に分ける矢状面、身体を前後に分ける冠状面、身体を水平に分ける水平面が定義される。本実施形態においては、x軸を回転軸とする矢状面内の回転をロール、y軸を回転軸とする冠状面内の回転をピッチ、z軸を回転軸とする水平面内の回転をヨーと定義する。また、x軸を回転軸とする矢状面内の回転角をロール角、y軸を回転軸とする冠状面内の回転角をピッチ角、z軸を回転軸とする水平面内の回転角をヨー角と定義する。本実施形態において、冠状面内に関して、右足に関しては右側が正と定義され、左足に関しては左側が正と定義される。
【0027】
第1計算部12は、所定歩行周期における足位置データを取得する。足位置データには、歩行周期ごとの始点と終点における足位置が含まれる。本実施形態では、連続する踵接地の時点を、歩行周期ごとの始点/終点に設定する。例えば、足位置データには、踵接地を始点/終点とする一歩行周期における足位置が含まれる。例えば、足位置データには、所定歩行周期に関して、始点(踵接地)の時点における水平面内の足位置と、終点(踵接地)の時点における水平面内の足位置とが含まれる。
【0028】
第1計算部12は、足位置データに含まれる始点と終点とを結ぶ歩行移動経路(第1移動経路とも呼ぶ)を計算する。本実施形態では、始点(踵接地)の時点における水平面内の足位置と、終点(踵接地)の時点における水平面内の足位置とを結ぶ直線が、第1移動経路と定義される。
【0029】
第2計算部13は、所定歩行周期における膝位置データを取得する。膝位置データには、歩行周期ごとの始点と終点における膝位置が含まれる。例えば、膝位置データには、踵接地を始点/終点とする一歩行周期における膝位置が含まれる。膝位置データには、所定歩行周期に関して、始点(踵接地)の時点における水平面内の膝位置と、終点(踵接地)の時点における水平面内の膝位置とが含まれる。
【0030】
第2計算部13は、膝位置データに含まれる始点と終点とを結ぶ膝移動経路(第2移動経路とも呼ぶ)を計算する。本実施形態では、始点(踵接地)の時点における水平面内の膝位置と、終点(踵接地)の時点における水平面内の膝位置とを結ぶ曲線が、第2移動経路と定義される。第2移動経路は、膝軌跡に相当する。
【0031】
情報生成部15は、所定歩行周期における、第1移動経路および第2移動経路を取得する。情報生成部15は、所定歩行周期ごとに、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。本実施形態において、情報生成部15は、水平面内における、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。情報生成部15は、所定歩行区間に含まれる歩行フェーズに対応付けて、水平面内における第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。第1移動経路と第2移動経路との差分は、右足に関しては、右側が正である。第1移動経路と第2移動経路との差分は、左足に関しては、左側が正である。例えば、情報生成部15は、一歩行周期分の水平面内における第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。例えば、情報生成部15は、算出された差分を、一歩行周期分の矢状面内における位置(進行方向位置)に対応付ける。例えば、一歩行周期分の進行方向位置を歩行周期に変換して、差分に対応付ける。
【0032】
図4は、一歩行周期分の水平面内における第1移動経路と第2移動経路との差分を、一歩行周期分の進行方向位置に対応付けたグラフである。
図4は、右足に関する差分である。差分が正の場合、第1移動経路から右方向に向けて、膝位置がすれている。すなわち、差分が正の場合、体の中心から外側に向けて、膝位置がずれている。それに対し、差分が負の場合、第1移動経路から左方向に向けて、膝位置がすれている。すなわち、差分が負の場合、体の中心から内側に向けて、膝がずれている。差分の絶対値が大きいほど、体の中心からの膝位置のずれ量が大きい。
【0033】
図5は、一歩行周期分の水平面内における第1移動経路と第2移動経路との差分を、歩行周期に対応付けたグラフである。
図5は、
図4のグラフの横軸(進行方向位置)を歩行周期に正規化したグラフである。
図5のように、差分の時系列データの横軸を歩行周期に変換すれば、複数の歩行周期に亘る膝軌跡の変動を、歩行フェーズごとに比較できる。
【0034】
膝軌跡情報生成装置10は、第1移動経路と第2移動経路との差分に応じた膝軌跡情報を生成する。膝軌跡情報は、対象者の歩行に応じた膝軌跡を表現する視覚情報を含む。
例えば、膝軌跡に関する視覚情報は、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きおよび大きさを示す矢印である。例えば、膝軌跡に関する視覚情報は、複数の歩行周期に亘る第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データを重ねたグラフである。例えば、膝軌跡に関する視覚情報は、膝の高さを示す目印(第1標識とも呼ぶ)である。例えば、膝軌跡に関する視覚情報は、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きおよび大きさを表す矢印(第2標識とも呼ぶ)である。例えば、膝軌跡に関する視覚情報は、第1標識と第2標識とを組み合わせた標識である。例えば、標識は、歩行する対象者(キャラクター)の映像に合わせて表示される。膝軌跡情報は、膝軌跡に関する視覚情報を含めば、特に限定を加えない。
【0035】
図6は、膝軌跡に関する視覚情報の第一例である。
図6は、進行方向位置に対応付けて、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きおよび大きさを表す矢印を、画面100に表示させる例である。矢印の向きが、差分の向きを示す。矢印の長さが、差分の大きさを示す。矢印は、差分の大きさに応じた長さに設定される。例えば、矢印は、差分の大きさと一致する長さに設定される。例えば、矢印は、差分の大きさを逓倍した長さに設定される。第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データを表示させずに、差分の向きおよび大きさを表す矢印だけを表示させてもよい。
図6の視覚情報によれば、進行方向位置に対応付けられた矢印の向きおよび長さによって、膝軌跡の変化を直感的に把握できる。
【0036】
図7は、膝軌跡に関する視覚情報の第二例である。
図7は、歩行周期に対応付けて、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きおよび大きさを表す矢印を、画面100に表示させる例である。
図7は、
図6のグラフの横軸を歩行周期に変換したグラフである。第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データを表示させずに、差分の向きおよび大きさを表す矢印だけを表示させてもよい。
図7の視覚情報によれば、歩行周期に対応付けられた矢印の向きおよび大きさによって、歩行フェーズに応じた膝軌跡の変化を直感的に把握できる。
【0037】
図8は、膝軌跡に関する視覚情報の第三例である。
図8の例では、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きおよび大きさを表す矢印を、歩行周期に対応付けて、画面100に表示させる。
図8のグラフは、
図7のグラフと同じである。また、
図8の例では、歩行周期に対応付けて、歩行イベントに応じた歩行状態を示すキャラクターを、画面100に表示させる。キャラクターは、人物の歩行を模した概念的なものであってもよいし、歩行する人物の画像であってもよい。第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データを表示させずに、差分の向きおよび大きさを表す矢印だけを表示させてもよい。
図8の視覚情報によれば、歩行周期に対応付けられた矢印の向きおよび大きさと、歩行イベントに応じた歩行状態を示すキャラクターとによって、歩行イベントに応じた膝軌跡の変化を直感的に把握できる。
【0038】
図9は、膝軌跡に関する視覚情報の第四例である。
図9は、複数の歩行周期に亘る第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データを、画面100に重ねて表示させる例である。
図9の視覚情報によれば、複数の歩行周期に亘る差分の時系列データを比較することによって、膝軌跡の変動を直感的に把握できる。例えば、複数の歩行周期に亘る膝軌跡(膝位置)に関する相加平均や相乗平均、分散、標準偏差などの統計値を導出してもよい。複数の歩行周期に関する膝軌跡(膝位置)の相加平均や相乗平均などの平均値を用いれば、複数の歩行周期における膝の動きを平均的に把握できる。また、複数の歩行周期に関する膝軌跡(膝位置)の分散や標準偏差などを用いれば、複数の歩行周期における膝の動きの変動を把握できる。
【0039】
図10~
図11は、膝軌跡に関する視覚情報の第五例について説明するための概念図である。
図10は、歩行する人物(キャラクター)を正面から見た概念図である。
図10の人物(キャラクター)は、左足を支持脚として、右足が地面から離れた状態である。
図10には、冠状面内における膝位置K、冠状面内における膝高さH、第1移動経路W、第1移動経路Wと第2移動経路(膝位置K)との差分d、第1移動経路Wの直上における膝高さHの位置K
0を示す。
【0040】
図11は、人物(キャラクター)が歩行する状態を表す映像に合わせて、膝軌跡に関する視覚情報を画面100に表示させる一例を示す概念図である。
図11には、左右の足の各々に関して、連続する踵接地の位置(始点H1、終点H2)と、始点H1と終点H2を結ぶ第1移動経路Wとを示す。また、
図11では、第1移動経路Wの直上における膝高さHの位置(
図10の位置K
0)にヘッドを有するピンPを、第1移動経路Wに立てる。ピンPは、左右の足の各々に関する歩行フェーズに対応付けられて、第1移動経路Wに立てられる。ピンPを立てる位置は、第1移動経路Wからずれていてもよい。また、ピンPを立てた第1移動経路Wを、始点H1および終点H2を結ぶ直線上からずらしてもよい。
図11の例において、第1移動経路Wを示す直線は、進行方向を示す矢尻を含む。第1移動経路Wを示す直線は、進行方向を示す矢尻を含まなくてもよい。
【0041】
図11の例では、ピンPのヘッドを始点として、第1移動経路Wと第2移動経路(
図10の膝位置K)との差分の向きおよび大きさを示す矢印Aを表示させる。
図7~
図8の矢印と同様に、矢印Aの向きは、第1移動経路と第2移動経路との差分の向きを示す。矢印Aの長さが、差分の大きさを示す。例えば、矢印Aは、差分の大きさ一致する長さに設定される。例えば、矢印Aは、差分の大きさを逓倍した長さに設定される。矢印Aの向きおよび長さは、人物(キャラクター)の歩行フェーズに連動させて、変化させる。例えば、映像には、人物(キャラクター)の全身ではなく、腰から下の部分(下半身)だけが表示されてもよい。
図11の視覚情報によれば、人物(キャラクター)の映像に合わせて変動するピンPおよび矢印Aの動きに応じて、歩行に応じた膝軌跡の変動を直感的に把握できる。
【0042】
図12は、人物(キャラクター)が歩行する状態を表す映像に合わせて、膝軌跡に関する視覚情報を画面100に表示させる第六例を示す概念図である。
図12には、左右の足の各々に関して、連続する踵接地の位置(始点H1、終点H2)と、始点H1と終点H2を結ぶ第1移動経路Wとを示す。また、
図12では、膝の動きに連動させて、膝軌跡Tを表示させる。膝軌跡Tは、
図7~
図8における、第1移動経路と第2移動経路との差分の時系列データに相当する。
図12の例では、膝位置に対応付けて、膝軌跡Tが表示される。膝軌跡が表示される位置は、膝位置からずれていてもよい。例えば、人物(キャラクター)の歩行フェーズに連動させて、膝軌跡Tにおける膝位置を変化させる。
図12の視覚情報によれば、人物(キャラクター)の映像に合わせて表示される膝軌跡Tに応じて、歩行に応じた膝軌跡の変動を直感的に把握できる。
【0043】
出力部17は、情報生成部15によって生成された膝軌跡情報を出力する。例えば、出力部17は、画面を有する端末装置に、膝軌跡情報を出力する。端末装置に出力された膝軌跡情報は、端末装置の画面に表示される。例えば、出力部17は、対象者(ユーザ)の携帯端末の画面に、膝軌跡情報を表示させる。例えば、出力部17は、対象者の身体状態を検証する医師や理学療法士、介護福祉士などの専門家に用いられる端末装置の画面に、膝軌跡情報を表示させる。専門家は、端末装置の画面に表示された膝軌跡情報に応じた診断や助言を、その対象者に対して出すことができる。例えば、出力部17は、膝軌跡情報を使用する外部システム等に対して、その膝軌跡情報を出力してもよい。出力部17から出力された膝軌跡情報の使用に関しては、特に限定を加えない。
【0044】
例えば、膝軌跡情報生成装置10は、対象者(ユーザ)が携帯する携帯端末(図示しない)を介して、クラウドやサーバに構築された外部システム等に接続される。携帯端末は、携帯可能な通信機器である。例えば、携帯端末は、スマートフォンや、スマートウォッチ、携帯電話等の通信機能を有する携帯型の通信機器である。
【0045】
例えば、膝軌跡情報生成装置10は、対象者(ユーザ)の身体状態を検証する人物が使用する端末装置(図示しない)に接続される。端末装置には、膝軌跡情報を処理したり、膝軌跡情報に応じた画像を表示させたりするソフトウェアがインストールされる。例えば、端末装置は、据え置き型のパーソナルコンピュータや、ノート型のパーソナルコンピュータ、タブレット、携帯端末などの情報処理装置である。端末装置は、膝軌跡情報を処理する専用端末であってもよい。
【0046】
例えば、膝軌跡情報生成装置10は、ケーブルなどの有線を介して、携帯端末や端末装置に接続される。例えば、膝軌跡情報生成装置10は、無線通信を介して、携帯端末や端末装置に接続される。例えば、膝軌跡情報生成装置10は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)などの規格に則した無線通信機能(図示しない)を介して、携帯端末や端末装置に接続される。なお、膝軌跡情報生成装置10の通信機能は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)以外の規格に則していてもよい。膝軌跡情報は、携帯端末や端末装置にインストールされたアプリケーションによって使用されてもよい。その場合、携帯端末や端末装置は、それの装置にインストールされたアプリケーションソフトウェア等によって、膝軌跡情報を用いた処理を実行する。また、膝軌跡情報生成装置10は、携帯端末や端末装置に実装されてもよい。
【0047】
(動作)
次に、膝軌跡情報生成装置10の動作の一例について図面を参照しながら説明する。
図13は、膝軌跡情報生成装置10の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図13のフローチャートに沿った説明においては、膝軌跡情報生成装置10を動作主体とする。
【0048】
図13において、まず、膝軌跡情報生成装置10は、所定歩行周期における歩行データを取得する(ステップS11)。歩行データには、足位置の時系列データ(足位置データ)と膝位置の時系列データ(膝位置データ)とが含まれる。例えば、膝軌跡情報生成装置10は、一歩行周期の歩行データを取得する。膝軌跡情報生成装置10は、複数の歩行周期に亘る歩行データを取得してもよい。
【0049】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、歩行データに含まれる足位置データから踵接地を検出する(ステップS12)。膝軌跡情報生成装置10は、一歩行周期の足位置データの始点/終点に相当する踵接地を検出する。複数の歩行周期に亘る場合、膝軌跡情報生成装置10は、足位置データの始点/終点に相当する踵接地を、歩行周期ごとに検出する。
【0050】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、連続する踵接地における足位置を結ぶ第1移動経路を計算する(ステップS13)。第1移動経路は、膝軌跡の基準になる直線である。
【0051】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、連続する踵接地を始点/終点とする膝位置データを、歩行データから抽出する(ステップS14)。複数の歩行周期に亘る場合、膝軌跡情報生成装置10は、連続する踵接地を始点/終点とする歩行周期ごとの膝位置データを、歩行データから抽出する。
【0052】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、抽出された腰位置データを用いて、第2移動経路を計算する(ステップS15)。第2移動経路は、膝軌跡に相当する曲線である。複数の歩行周期に亘る場合、膝軌跡情報生成装置10は、歩行周期ごとの第2移動経路を計算する。
【0053】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、第2移動経路と第1移動経路との差分を計算する(ステップS16)。第2移動経路と第1移動経路との差分は、第1移動経路を基準とする膝軌跡に相当する曲線である。複数の歩行周期に亘る場合、膝軌跡情報生成装置10は、歩行周期ごとに差分を計算する。
【0054】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、算出された差分に応じた膝軌跡情報を生成する(ステップS17)。膝軌跡情報は、膝軌跡に関する視覚情報を含む。例えば、膝軌跡情報生成装置10は、上述した第一例~第六例(
図6~
図12)のうちいずれかに応じた視覚情報を生成する。
【0055】
次に、膝軌跡情報生成装置10は、生成した膝軌跡情報を出力する(ステップS18)。膝軌跡情報生成装置10は、膝軌跡に関する視覚情報を含む膝軌跡情報を出力する。出力された膝軌跡情報に含まれる視覚情報は、膝軌跡情報を用いるユーザが使用する端末装置(図示しない)等の画面に表示される。
【0056】
(適用例)
次に、膝軌跡情報生成装置10に関する適用例について図面を参照しながら説明する。適用例では、
図10~
図11の第五例に関する膝軌跡情報を、端末装置の画面に表示させる例をあげる。以下の適用例においては、歩行する対象者を斜め上方から見下ろした映像に、視覚情報を含む膝軌跡情報(表示情報とも呼ぶ)を重ねて表示させる例をあげる。対象者の映像は、実際の映像であってもよいし、対象者の動きを模した仮想的な人物(キャラクター)であってもよい。以下においては、映像中にキャラクターを表示させる例をあげる。以下に示す表示情報は、膝軌跡情報生成装置10によって生成されてもよいし、膝軌跡情報を取得した別の装置やシステムによって生成されてもよい。
【0057】
〔適用例1-1〕
図14~
図15は、膝軌跡情報生成装置10に関する適用例1-1に関する概念図である。
図14~
図15は、第1表示パターンD1である。第1表示パターンD1では、第1移動経路Wの直上にピンPを立てる膝軌跡情報を、画面100に表示させる。
【0058】
画面100の右上隅の位置には、表示パターンを切り替えるボタンを含む表示切替領域110が表示される。
図14~
図15は、第1表示パターンD1が選択された状態である。第2表示パターンD2および第3表示パターンD3については、後述する。
【0059】
画面100の左上隅の位置には、視座を切り替えるボタンを含む視座切替領域111が表示される。視座切替領域111には、人物(キャラクター)を中心として、正面の視座(第1視座V1)と左斜め前方の視座(第2視座V2)とで視座を切り替えるためのボタンが表示される。視座は、画面100を見るユーザの視座に対応する。表示切替領域110および視座切替領域111は、ユーザの操作を受け付けるインターフェース領域である。
【0060】
図14は、人物(キャラクター)を中心として、正面の視座(第1視座V1)から見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図14では、表示切替領域110において、第1表示パターンD1が選択されている。また、視座切替領域111において、第1視座V1が選択されている。第1視座V1から見ると、冠状面内における膝軌跡を把握しやすい。すなわち、第1視座V1から見ると、左右方向(冠状面内)における膝の挙動を把握しやすい。
【0061】
図15は、人物(キャラクター)を中心として、左斜め前方の視座(第2視座V2)から見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図15は、視座切替領域111において、第2視座V2の選択に応じて、第1視座V1(
図14)から第2視座V2に、視座が切り替わった状態である。第2視座V2のように、人物(キャラクター)の進行方向に対して斜め前方の視座から見ると、膝軌跡を3次元的に把握しやすい。
【0062】
〔適用例1-2〕
図16~
図17は、膝軌跡情報生成装置10に関する適用例1-2に関する概念図である。
図16~
図17は、第2表示パターンD2である。第2表示パターンでは、冠状面内において第1移動経路Wから離れた位置にピンPを立てた膝軌跡情報を、画面100に表示させる。例えば、膝位置から、体の重心と膝位置との距離の逓倍離れた位置に、ピンPが表示される。
【0063】
画面100の右上隅の位置には、表示パターンを切り替えるボタンを含む表示切替領域110が表示される。
図16は、第2表示パターンD2の選択に応じて、第1表示パターンD1(
図15)から第2表示パターンD2に、表示パターンが切り替わった状態である。第2表示パターンD2では、冠状面内において第1移動経路Wから離れた位置に、ピンPが立てられる。
【0064】
画面100の左上隅の位置には、視座を切り替えるボタンを含む視座切替領域112が表示される。例えば、第1表示パターンD1から第2表示パターンD2への表示パターンの切替に応じて、視座切替領域111が視座切替領域112に切り替わるように設定されてもよい。また、第1表示パターンD1において視座切替領域112が設定されてもよいし、第2表示パターンD2において視座切替領域111が設定されてもよい。
【0065】
視座切替領域112には、視座を選択するための9個のボタンが表示される。視座切替領域112の上段には、人物(キャラクター)を中心として、右斜め後方の視座BR、背面の視座B、および左斜め後方の視座BLを選択するためのボタンが表示される。視座切替領域112の中段には、人物(キャラクター)を中心として、右方の視座R、上方の視座U、および左方の視座Lを選択するためのボタンが表示される。視座切替領域112の下段には、人物(キャラクター)を中心として、右斜め前方の視座FR、正面の視座F、および左斜め前方の視座FLを選択するためのボタンが表示される。
図16~
図17は一例であって、視座切替領域112で選択できる視座を限定するものではない。表示切替領域110および視座切替領域112は、ユーザの操作を受け付けるインターフェース領域である。
【0066】
図16は、人物(キャラクター)を中心として、正面の視座(視座F)から見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図16は、表示切替領域110における第2表示パターンD2の選択に応じて、第1表示パターンD1(
図15)から第2表示パターンD2に、表示パターンが切り替わった状態である。
図16では、表示切替領域110において、第2表示パターンD2が選択されている。また、視座切替領域112において、視座Fが選択されている。視座Fは、第1視座V1(
図14)と同じ視座である。視座Fから見ると、左右方向(冠状面内)における膝の挙動を把握しやすい。
【0067】
図17は、人物(キャラクター)を中心として、左斜め前方の視座(視座FL)から見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図17は、視座切替領域112における視座FLの選択に応じて、視座F(
図16)から視座FLに、視座が切り替わった状態である。視座FLは、第2視座V2(
図15)と同じ視座である。視座FLから見ると、3次元的な膝軌跡を把握しやすい。
【0068】
本適用例では、冠状面内において第1移動経路Wから離れた位置に、ピンPを立てた膝軌跡情報を、画面100に表示させる。本適用例によれば、ピンPおよび矢印Aが人物(キャラクター)と重ならないため、ピンPおよび矢印Aの変化に応じて、膝軌跡を把握しやすい。
【0069】
〔適用例1-3〕
図18~
図19は、膝軌跡情報生成装置10に関する適用例1-3に関する概念図である。
図18~
図19は、第3表示パターンD3である。第3表示パターンD3では、人物(キャラクター)から離れた位置に、第1移動経路Wが設定された膝軌跡情報を、画面100に表示させる。また、第3表示パターンD3では、第1移動経路Wの直上にピンPを立てた膝軌跡情報を表示させる。例えば、膝位置から、体の重心と膝位置との距離の逓倍離れた位置に、第1移動経路Wが表示される。
【0070】
画面100の右上隅の位置には、表示パターンを切り替えるボタンを含む表示切替領域110が表示される。
図18は、第3表示パターンD3の選択に応じて、第2表示パターンD2(
図17)から第3表示パターンD3に、表示パターンが切り替わった状態である。第3表示パターンD3では、人物(キャラクター)から離れた位置に、第1移動経路Wを表示させる。また、第3表示パターンD3では、第1移動経路Wの直上に、ピンPが立てられる。
【0071】
画面100の左上隅の位置には、視座を切り替えるためのユーザインターフェースを含む視座切替領域113が表示される。例えば、第2表示パターンD2から第3表示パターンD3への表示パターンの切替に応じて、視座切替領域112が視座切替領域113に切り替わるように設定されてもよい。また、第1表示パターンD1や第2表示パターンD2において、視座切替領域113が設定されてもよい。
【0072】
視座切替領域113には、視座を切り替えるためのサークル状のユーザインターフェース(以下、サークルと呼ぶ)が表示される。サークルには、視座を選択するためのスライダー(ハッチング)が表示される。スライダーは、サークルの円周に沿って移動する。所望の視座の位置にスライダーを合わせることによって、視座が選択される。ユーザインターフェースを通じて選択される視座は、人物(キャラクター)を中心とした視座である。
図18~
図19の例の場合、スライダーの位置は、水平面内における視座に対応付けられる。サークルにおいて、下方が正面の視座F、右方が左方の視座L、上方が背面の視座B、左方が右方の視座Rに対応する。スライダーの位置をサークルの円周に沿って移動させることによって、水平面内における360度の視座が切り替わる。表示切替領域110および視座切替領域113は、ユーザの操作を受け付けるインターフェース領域である。
図18~
図19は一例であって、視座切替領域113で選択できる視座を限定するものではない。
【0073】
図18は、人物(キャラクター)を中心として、正面の視座Fから見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図18は、表示切替領域110における第3表示パターンD3の選択に応じて、第2表示パターンD2(
図17)から第3表示パターンD3に、表示パターンが切り替わった状態である。
図18では、表示切替領域110において、第3表示パターンD3が選択されている。また、視座切替領域113において、視座Fが選択されている。視座Fは、第1視座V1(
図14)と同じ視座である。視座Fから見ると、左右方向(冠状面内)における膝の挙動を把握しやすい。
【0074】
図19は、人物(キャラクター)を中心として、正面の視座Fと左方の視座Lとの間の左斜め前方の視座から見た人物(キャラクター)の映像を、画面100に表示させた例である。
図19は、視座切替領域113におけるサークルのスライダーの操作に応じて、人物(キャラクター)を中心として、正面上方の視座F(
図18)から左斜め前方の視座に、視座が切り替わった状態である。人物(キャラクター)を中心として左斜め前方の視座は、第2視座V2(
図15)と同じ視座である。人物(キャラクター)の進行方向に対して左斜め前方の視座から見ると、3次元的な膝軌跡を把握しやすい。
【0075】
図20は、適用例1-3における第1移動経路W、ピンP、および矢印Aを、動画に対応付けて表示させる一例を示す概念図である。
図20は、人物(キャラクター)を中心として、右斜め前方の視座から見た様子を表す。
図20には、人物(キャラクター)の歩行に関する映像に含まれる複数のフレームのうち、三つのフレームを抽出して示す。実際の映像は、より多くのフレームで構成される。
図20の三つのフレームは、左上から右下に向けて、時間(歩行周期)が進行する。時間(歩行周期)の進行に応じて、人物(キャラクター)の歩行状態を示す映像が変化する。人物(キャラクター)の歩行における歩行フェーズに合わせて、第1移動経路W、ピンP、および矢印Aが変化する。
【0076】
本適用例では、人物(キャラクター)から離れた位置に、第1移動経路Wが表示される。また、本適用例では、第1移動経路Wの直上に、ピンPが立てられる。本適用例では、第1移動経路W、ピンP、および矢印Aが、人物(キャラクター)と重ならない。そのため、第1移動経路の直上を移動するピンPおよび矢印Aの移動に応じて、第1移動経路に対する膝軌跡の変化を把握しやすい。
【0077】
以上のように、本実施形態の膝軌跡情報生成装置は、取得部、第1計算部、第2計算部、情報生成部、および出力部を備える。取得部は、対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する。第1計算部は、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する。第2計算部は、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する。情報生成部は、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。情報生成部は、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する。出力部は、生成された膝軌跡情報を出力する。
【0078】
本実施形態では、対象者の膝軌跡を表す視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する。対象者の膝軌跡を表す視覚情報は、膝の左右方向への挙動を含む。すなわち、本実施形態によれば、左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる。
【0079】
本実施形態の一態様において、取得部は、連続する踵接地を歩行周期の始点および終点とする対象者の歩行データを取得する。第1計算部は、水平面内における歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する。第2計算部は、水平面内における歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する。情報生成部は、歩行周期に含まれる歩行フェーズに対応付けて、水平面内における差分を計算する。情報生成部は、歩行フェーズに差分が対応付けられた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する。本態様によれば、連続する踵接地を始点および終点とする歩行周期に関して、左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる。
【0080】
本実施形態の一態様において、情報生成部は、差分の向きおよび大きさを示す矢印が、歩行周期に含まれる歩行フェーズに対応付けられた視覚情報を生成する。本態様によれば、歩行フェーズに対応付けられた矢印の向きおよび長さに応じて、膝の挙動を直感的に把握できる。
【0081】
本実施形態の一態様において、情報生成部は、膝位置の高さを示す第1標識と、差分の向きおよび大きさとを示す第2標識とを組み合わせた標識を、対象者の歩行状態を示す映像を構成するフレームに重ねた視覚情報を生成する。本態様によれば、対象者の歩行に連動する変化する標識に応じて、膝の挙動を直感的に把握できる。
【0082】
本実施形態の一態様において、情報生成部は、フレームに表示された対象者の膝位置に、標識が重ねられた前記視覚情報を生成する。本態様によれば、対象者の膝位置に表示された標識に応じて、膝の挙動を直感的に把握できる。
【0083】
本実施形態の一態様において、情報生成部は、フレームに表示された対象者から離れた位置に、標識が表示される視覚情報を生成する。本態様によれば、対象者から離れた位置に表示された標識に応じて、膝の挙動を直感的に把握できる。
【0084】
本実施形態の一態様において、情報生成部は、第1移動経路を示す直線と標識とが組み合わされた視覚情報を生成する。本態様によれば、対象者の歩行フェーズに合わせて、膝の挙動を直感的に把握しやすくなる。
【0085】
本実施形態の一態様において、出力部は、対象者に関する膝軌跡情報を端末装置に出力する。出力部は、膝軌跡情報に関する表示情報を、端末装置の画面に表示させる。本態様によれば、端末装置の画面に表示された表示情報を視認することによって、膝の挙動を直感的に把握できる。
【0086】
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨の退化変性により、膝関節に炎症等が発生する症状である。変形性膝関節症は、疾患の早期発見や予防が重要である。変形性膝関節症に関しては、主に、医師の主観による診断が行われている。そのため、医師による診断をサポートする情報の提供が求められる。特に、立脚初期における膝の挙動は、変形性膝関節症などの診断指標の一つとして重要である。早期発見や予防の観点から、変形性膝関節症などの膝に関する疾患の予兆が早期に発見されることが望ましい。本実施形態の手法によれば、対象者の膝軌跡を表す視覚情報によって、左右方向への膝の挙動を明確に観察できる。そのため、本実施形態の手法によれば、軽度なラテラルスラストを、画像に表示された視覚情報に応じて見つけやすくなる。本実施形態の手法は、膝に関する症状であれば、変形性膝関節症以外にも適用できる。本実施形態の手法は、脚に関する症状の診断やリハビリ、フレイルの予防、転倒リスクの判定など、各種の分野に適用できる。
【0087】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る膝軌跡情報生成装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の膝軌跡情報生成装置は、第1の膝軌跡情報生成装置を簡略化した構成である。
【0088】
図21は、本実施形態に係る膝軌跡情報生成装置20の構成の一例を示すブロック図である。膝軌跡情報生成装置20は、取得部21、第1計算部22、第2計算部23、情報生成部25、および出力部27を備える。
【0089】
取得部21は、対象者の足位置および膝位置の時系列データを含む歩行データを取得する。第1計算部22は、歩行データに含まれる足位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点とを結ぶ第1移動経路を計算する。第2計算部23は、歩行データに含まれる膝位置の時系列データを用いて、歩行周期の始点と終点との間における膝位置の軌跡に相当する第2移動経路を計算する。情報生成部25は、第1移動経路と第2移動経路との差分を計算する。情報生成部25は、算出された差分に応じた視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する。出力部27は、生成された膝軌跡情報を出力する。
【0090】
本実施形態では、対象者の膝軌跡を表す視覚情報を含む膝軌跡情報を生成する。対象者の膝軌跡を表す視覚情報は、膝の左右方向への挙動を含む。すなわち、本実施形態によれば、左右方向への膝の挙動を含む膝軌跡に関する情報を生成できる。
【0091】
(ハードウェア)
ここで、本開示の各実施形態に係る処理を実行するハードウェア構成について、
図22の情報処理装置90(コンピュータ)を一例としてあげて説明する。なお、
図22の情報処理装置90は、各実施形態の処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0092】
図22のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図22においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0093】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る処理を実行する。
【0094】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0095】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0096】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0097】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0098】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0099】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0100】
以上が、本発明の各実施形態に係る処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図22のハードウェア構成は、各実施形態に係る処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。
【0101】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0102】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0103】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0104】
10、20 膝軌跡情報生成装置
11、21 取得部
12、22 第1計算部
13、23 第2計算部
15、25 情報生成部
17、27 出力部