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特開2023-167040下荷重式の折畳み扉装置及び下桟との隙間シール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167040
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】下荷重式の折畳み扉装置及び下桟との隙間シール構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/48 20060101AFI20231116BHJP
   E05D 15/26 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
E06B3/48
E05D15/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077875
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000220929
【氏名又は名称】株式会社TOKO
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】清水 和幸
(72)【発明者】
【氏名】初一 貴臣
【テーマコード(参考)】
2E015
2E034
【Fターム(参考)】
2E015AA01
2E015BA05
2E015DA00
2E034JA02
2E034JB02
2E034JC01
2E034KA00
(57)【要約】
【課題】 枠体に装着された折畳み扉において、伸長した場合に下桟との間を塞ぐことが出来る回転シール体を回転可能に軸支した折畳み扉装置の提供。
【解決手段】 折畳み扉1は主継手5の下端に戸車6を備えて下桟8に設けた移動面18を転動し、上端にスライダー7を設けて上桟9のガイド溝に沿って移動することが出来るようにし、伸長した場合に下桟8との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る回転シール体11を回転可能に備えている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に装着された折畳み扉であって、折畳み扉は主継手の下端に戸車を備えて下桟に設けた移動面を転動し、上端にスライダーを設けて上桟のガイド溝に沿って移動することが出来るようにし、伸長した場合に下桟との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る回転シール体を回転可能に備えたことを特徴とする折畳み扉装置。
【請求項2】
枠体に装着された折畳み扉であって、折畳み扉は主継手の下端に戸車を備えて下桟に設けたガイド溝の移動面を転動し、上端にスライダーを設けて上桟のガイド溝に沿って移動することが出来る折畳み扉装置において、伸長した場合に下桟との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る回転シール体を回転可能に備え、該回転シール体は下桟に設けた軸部に軸支され、回転シール体が倒れた場合には下桟の収容溝に収容されて平坦な上面が床面と同一面を成し、起立した場合には伸長した折畳み扉の表面に当接して上記隙間を塞ぎ、起立手段を解除するならば自重の作用で倒れて収容溝に収容されるようにしたことを特徴とする折畳み扉装置。
【請求項3】
上記回転シール体の起立手段として副継手に設けたロッドを用い、該ロッドが降下することで回転シール体が回転起立するようにした請求項2記載の折畳み扉装置。
【請求項4】
枠体に装着された折畳み扉であって、折畳み扉は主継手の下端に戸車を備えて下桟に設けたガイド溝の移動面を転動し、上端にスライダーを設けて上桟のガイド溝に沿って移動することが出来、折畳み扉が伸長した場合に下桟との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る回転シール体を回転可能に備えた隙間シール構造において、該回転シール体は下桟に設けた軸部に軸支され、回転シール体が倒れた場合には下桟の収容溝に収容されて平坦な上面が床面と同一面を成し、起立した場合には伸長した折畳み扉の表面に当接して上記隙間を塞ぐことを特徴とする隙間シール構造。
【請求項5】
上記回転シール体は筒形をなし、倒れた場合には床面と同一面となる平坦な上面を有し、底面は収容溝の底に当接し、外側面は滑らかな曲面を有している請求項4記載の隙間シール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折畳み扉が装着される枠体を構成する下桟上面をフラット面で形成した折畳み扉装置、及び下桟と折畳み装置の間の隙間を塞ぐシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
間口を開閉する装置として複数枚の扉(パネル)を折畳み可能に連結して構成した折畳み扉や折戸が多用されている。
ところで、折畳み扉の継手部の中で、折畳み操作の際にレールから張り出さない主継手部上端には吊車が取付けられて上桟のレールに吊設され、下端にはスライダーが突出して下桟に設けているガイド溝に沿って移動することが出来る。そして、伸長して間口を閉じた場合にはロック棒が突出してガイド溝へ嵌入し、折畳み扉が開かないようにロックされる。
【0003】
折畳み扉が装着される枠体の上下桟にはシール材を沿設したシール体が設けられ、閉じた折畳み扉の内面がシール体に当接することが出来、シール材を介して気密性及び水密性が確保される構造と成っている。
その為に、上記枠体の下桟上面はフラットでなく、内側(室内側)には上記シール体が起立していて、間口を閉じて伸長した折畳み扉の内面が当接することが出来るように成っている。これは、折畳み扉と下桟との気密性・水密性を保つ為に必要な形態として従来から採用されて来ている。
【0004】
図7は吊車(ロ)によって吊設された折畳み扉(イ)の縦断面を表している。吊車(ロ)は上桟(ハ)に載って折畳み扉(イ)を吊設している。吊車(ロ)は扉(パネル)を繋ぐ主継手(ニ)の上端に取付けられ、そして主継手(ニ)の下端にはスライダー(ホ)を設け、該スライダー(ホ)は下桟(ヘ)に設けたガイド溝(ト)に嵌っている。
【0005】
同図に示しているように下桟(ヘ)には回転シール体が取付けられ、回転シール体が回転して起立することでシール材(チ)は上記折畳み扉(イ)の表面に当接し、その為に外側から雨風が内側へ侵入することはない。
このように従来の折畳み扉は、天井に設けた上桟(ハ)に吊車(ロ)が載って吊下げられる為に、上桟(ハ)の高さが基準となって折畳み扉(イ)が配置される。
そこで、同図(b)に示しているように天井が高くなって上桟(ハ)の位置がHだけ高くなった場合、折畳み扉の高さ寸法が同じであるならば、床面側に設けた回転シール体のシール材(チ)は折畳み扉(イ)の表面に当接することが出来なく、その為にシールされることはなく外から風雨が侵入する。
【0006】
折畳み扉(イ)の上端に吊車(ロ)を備えるならば、上桟(ハ)が基準となって据え付けられるが、折畳み扉(イ)の下端に戸車を備えて構成するならば、床面が基準となる。
図8は下端に戸車(リ)を取付けた折畳み扉(イ)を表し、戸車(リ)は床面に敷設した下桟(ヌ)に載って移動することが出来る。その為に、床面に設けた段差面に取付けたシール材(チ)は折畳み扉(イ)の表面に当接してシールすることが出来る。このように、床面を基準として折畳み扉(イ)を据え付けるならば、床面の高さが如何様であっても床面側のシールは可能である。
【0007】
ところが、近年ではバリアフリーと称されて床面に段差を設けることなく、車椅子が自由に動き易いようなフラットな床面が普及している。この考えは室内のみならず外部との仕切りとして用いられている折畳み扉装置としても例外ではなく、例えば部屋の床面とベランダ面とを同一にすることで車椅子が自由にベランダへ移動することが出来る。
この場合、部屋とベランダとの境界に段差のある下桟を設けるならば車椅子の移動が阻害されてしまう。しかし、フラットな下桟にすれば段差が無くなってしまい、その結果シール材を取付けることが出来ず、外から雨水が侵入すると共に外気との気密性が損なわれてしまう。
【0008】
上記図8(b)はフラットな床面に戸車を備えた折畳み扉(イ)を据え付けた場合を示している。このようにフラットな床面とするならば、シール材(チ)を取付けることが出来ず、折畳み扉(イ)と床面との間に形成される隙間を風雨が通過し、室内の気密性及び水密性を確保することは出来ない。このような問題は吊車(ロ)を有して上吊り式の折畳み扉(イ)の場合も同じである。
特開2006-037424号に係る「折畳み扉装置」は、折畳み扉が装着される枠体の下桟上面をフラット面で形成している。
下端に形成される隙間を塞ぐ為の回転シール体を備えた上吊り式の折畳み扉装置である。
【0009】
すなわち、下桟の上面をフラットにすると共に溝空間を連続して長手方向に設け、該溝空間には回転可能に取付けた回転シール体を収容し、折畳み扉に取付けたロッド棒を降下した際に、該ロック棒の降下と連動して回転シール体が回転・起立することで折畳み扉の下框に当接するように構成している。
折畳み扉が折畳まれて間口が開口状態にある場合には、下桟はフラット面と成り、車椅子に乗って自由に通過することが出来る。そして、折畳み扉を伸長して間口を閉じた場合には、回転シール体が回転・起立して下桟に当接し、隙間をシールすることが出来、外からの雨水の侵入を防止すると共に気密性が保たれる。
このように、上端に吊車を備えた折畳み扉の場合、床面との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る回転シール体を備えることが出来る。
【特許文献1】特開2006-037424号に係る「折畳み扉装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
吊車を上端に備えた折畳み扉の場合、伸長して間口が閉じた場合には回転シール体によって下端に形成される隙間が塞がれ、逆に折畳み扉が折畳まれて間口が開口した際には回転シール体の回転によって床面はフラットになるように構成している。しかし、吊車にて折畳み扉を吊設する場合、該吊車が移動する上桟の高さによっては回転シール体が機能しないといった問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、戸車を備えた下荷重式の折畳み扉を対象とし、フラットな床面との間に形成される隙間を塞ぐことが出来るようにした折畳み扉装置及び下桟との隙間シール構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る折畳み扉装置は、枠体に折畳み扉を装着して構成したものであり、基本構造は従来と共通しているが、折畳み扉の下端に戸車を備えた下荷重式構造としている。
そして、枠体の下桟上面をフラット面として形成し、該下桟を挟む床面との間に段差がないように成っている。下桟にはガイド溝が沿設されて、該ガイド溝には折畳み扉の下端に設けた戸車が転がり移動することで折畳み扉は伸縮することが出来るように成っている。
【0012】
折畳み扉が伸長した際に、下桟との間に形成される隙間を塞ぐ為に、回転シール体を下桟に軸支していて、この回転シール体を必要に応じて回転・起立する構造としている。すなわち、折畳み扉が伸長して閉じた場合に、回転シール体が回転・起立して折畳み扉の下側表面に当接することで隙間が塞がれて気密性及び水密性が保たれる。逆に回転シール体が倒れるならば、下桟に設けている収容溝に嵌って上面はフラット面と成り、倒れた場合の上面はフラットで床面と同一面となる。
【0013】
回転シール体は所定の断面をした長尺材であって、一方側は下桟に軸支されて回転・揺動することが出来、先端側には圧縮変形することが出来るゴム質などのシール材を設けている。
そして、折畳み扉は伸長して間口を閉じた場合には、ロックする為に上桟及び下桟から外側へ張り出している副継手に設けたロッドが降下して開かないようにロックされる。そこで、降下するロッドによって回転シール体が回転して起立することが出来る起立手段を備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る折畳み扉はその下端に回転シール体を軸支しており、該回転シール体はロッドを押下げることで回転して下桟(下レール)との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る。しかも、回転シール体はロッドに押し下げられて回転することで、ほぼ垂直を成すように起立し、折畳み扉の表面に当接することが出来る。したがって、折畳み扉と下桟との間に形成される隙間は完全に塞がれ、室内の気密性及び水密性は確保される。
【0015】
そして、回転シール体の先端には弾性変形するシール材を設け、該シール材は折畳み扉の表面に接することで隙間を塞ぐことが出来る。
本発明の折畳み扉装置は、折畳み扉を戸車にて支える下荷重式であり、その為に床面側に設けた回転シール体は回転・起立することで折畳み扉の表面に当接してシールすることが出来る。すなわち、回転・起立した回転シール体が折畳み扉の下端部表面に当接してシールされる。
そして、回転シール体が倒れるならば、床面と同一面でフラット面と成り、車椅子に乗って自由に通過することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る折畳み扉装置を示す具体例であり、(a)は折畳み扉が伸長して間口を閉じている場合、(b)は折畳み扉が折畳まれて間口を開口している場合。
図2】回転シール体を示す具体例。
図3】回転シール体を下端に取付けた場合で、(a)は回転シール体が倒れて収容溝に収容されている場合、(b)は回転シール体が起立して隙間を塞いだ場合。
図4】本発明に係る折畳み扉装置に備えた回転シール体の動作を、従来の上吊り式折畳み扉装置の回転シール体と比較した場合の説明図。
図5図2図3とは異なる回転シール体を備えた折畳み扉装置の戸車部分の断面図。
図6図2図3とは異なる回転シール体を備えた折畳み扉装置のロッド部分の断面図。
図7】吊車を介して折畳み扉を上桟に吊設した場合で、(a)は下桟に取付けたシール材が折畳み扉の表面に当接し、(b)は上桟の高さがH高くなって下桟に取付けたシール材が折畳み扉の表面に当接出来ない場合。
図8】折畳み扉の下端に戸車を取付けた場合であり、(a)は下桟に取付けたシール材が折畳み扉の表面に当接し、(b)は下桟にシール材を取付けできなくて折畳み扉と下桟の間に隙間を形成している場合。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明に係る折畳み扉装置の外観図を表し、(a)は折畳み扉1が伸長して間口2が閉じている場合、(b)は折畳み扉1が折畳まれて間口2が開口している場合である。
折畳み扉装置は四角形をした枠体3に折畳み扉1が装着され、伸長することで間口は閉じ、逆に折畳まれることで間口2は開口することが出来る。
【0018】
折畳み扉1は複数枚のパネル4,4・・・が継手を介して連結し、継手は主継手5,5・・・と副継手10,10・・・を有している。主継手5,5・・・の下端には戸車6,6・・・が取付けられ、戸車6,6・・・は枠体3を構成する下桟8に載って移動し、折畳み扉1は複数の戸車6,6・・・を介して支持されている。そして、主継手5,5・・・の上端にはスライダー7,7・・・が上方へ突出し、スライダー7,7・・・は枠体3を構成している上桟9に設けているガイド溝に沿って移動することが出来る。
【0019】
ここで、パネル4,4・・・を繋いでいる副継手10,10・・・は、折畳み扉1が折畳まれる際には枠体3の下桟8及び上桟9から外側へ張り出すことが出来る。
本発明の下桟8の上面には回転シール体が設けられ、該回転シール体が回転して起立することで伸長して間口2を閉じた折畳み扉1の下端と下桟8との間に形成される隙間を塞ぐことが出来る。
【0020】
図2は回転シール体11を表している実施例である。同図に示す回転シール体11は筒状をした長尺材であり、上面12は平坦面を、外側面13は滑らかな曲面を、底面は上面と平行な平坦面をしている。そして、上面12の外側にはゴムなどの弾性変形する材質からなって細長く延びるシール材14を取付けている。
上面12の内側には軸受け部15を有し、下桟8に設けている軸部に嵌って回転・揺動することが出来る。
【0021】
図3は折畳み装置の下端部の断面拡大図であり、下桟8に上記回転シール体11を取付けた場合の実施例である。(a)は回転シール体11が倒れている場合、(b)は回転シール体11が起立している場合をそれぞれ表わしている。
折畳み扉1の下端には戸車6が設けられ、該戸車6はパネル4,4・・・を連結している主継手5の下端に取付けられている。そして、戸車6は下桟8に形成しているガイド溝16の移動面18に載って転動することで移動することが出来る。
【0022】
そして、戸車6が転動するガイド溝16の隣には収容溝17が設けられ、この収容溝17に回転シール体11が収容される。(a)に示す回転シール体11は倒れている状態であって、平坦な上面12が床面と同一面を成し、底面は収容溝17の底に当接している。したがって、折畳み扉1が折畳まれた場合には、床面は回転シール体11の平坦な上面12と連続して車椅子は自由に移動することが出来る。
【0023】
同図の(b)は回転シール体11が回転して起立した状態であって、折畳み扉1が伸長して間口2を閉じた場合で、回転シール体11は回転して起立し、折畳み扉1の表面に当接する。回転シール体11の表面に設けているシール材14は折畳み扉1の表面に隙間なく密着し、その為に外からの風雨が侵入することはなく、気密性及び水密性が保たれる。
【0024】
ところで、上記回転シール体11は間口2を開いている場合には倒れ、折畳み扉1が伸長して間口2を閉じた場合に起立することが出来るように構成している。
本発明はこの回転シール体11を回転・起立する為の具体的な手段に関しては限定しない。例えば、折畳み扉1は開かないようにロックされるが、副継手10に設けているロッドを操作して降下することで、回転シール体11が回転・起立するようにすることが出来る。そして、起立した回転シール体11は起立手段を解除するならば、自重の作用で倒れて収容溝17に収容される。
【0025】
図4は本発明に係る戸車を備えた折畳み扉装置(下戸車の場合)の効果を、上吊りした折畳み扉装置(上吊りの場合)と比較して表している。
[上吊りの場合]
折畳み扉1は上桟9を移動する吊車によって吊下げられ為に、下桟8との隙間20は変化する。その為に、
a・間口2の高さ寸法によって回転シール体11を起き上がらせるロッドの出量調整が必要となる。
b・間口2に高さ寸法が大きくなると、ロッドの調整をしないと回転シール体11の起き上がり量が少なくなり、折畳み扉1と回転シール体11のシール性が悪くなって、気密性や水密性が損なわれる。
(b)は間口2の高さ寸法が大きい場合で、ロッド21が降下しても回転シール体11が完全に起立することが出来ず、折畳み扉1の表面に当接しない場合である。
【0026】
[下戸車の場合]
折畳み扉1は下桟8のガイド溝16を移動する戸車6によって支持される為に、間口2の高さ寸法に左右されず、下桟8との隙間20は変化することなく一定となる。
a・下桟8との隙間20が一定になる為、ロッドの出量調整の必要が無い。
b・折畳み扉1と下桟8の間隔が一定になる為、回転シール材11の起立量を安定させることが出来、気密性や水密性が確保される。
【0027】
図5図6は前記図2図3とは異なる形態の回転シール体11を下桟8に取付けた場合であり、図5は戸車6を備えている箇所の断面を、図6はロッド21を取付けている箇所の断面を夫々表している。
(a)、(b)に示す回転シール体11は外周面22が滑らかな円弧面を成し、軸受け部15は下桟8に設けている軸部19に軸支されている。
(c)、(d)に示す回転シール体11は概略L形断面をなし、軸受け部15は下桟8に設けている軸部19に軸支されている。
【0028】
そして、戸車6はガイド溝16に嵌って移動面に載置され、また、水平車輪23を有している。水平車輪23はガイド溝16に遊嵌して戸車6が所定の移動面から外れないようにガイドしている。
したがって、折畳み扉1は複数の戸車6,6・・・によって支持されると共に、水平車輪23,23・・・によってガイドされることで、スムーズな伸縮動作を行うことが出来る。
【0029】
ところで、折畳み扉1が伸長することで間口2は閉じられ、副継手10に設けているロッド21が降下するならば折畳み扉は開かないようにロックされる。ロッド21の下端部にはスリット溝24が設けられ、降下するロッド21のスリット溝24に仕切り板25が嵌入することが出来る。したがって、ロッド21は拘束されて副継手10は下桟8に固定され、折畳み扉1を折畳んで間口2を開くことは出来なくなる。
【0030】
そして、上記ロッド21の降下に伴って回転シール体11は起立することが出来、起立した回転シール体11に取付けているシール材14は折畳み扉1の表面に当接し、折畳み扉1と下桟8との間に形成される隙間20を塞ぐことが出来る。
回転シール体11は軸受け部15から押え片26が延び、回転シール体11が倒れて収容溝27に嵌っている状態では、上記押え片26は仕切り板25側へほぼ水平に延びている。
ロッド21が降下するならば、水平状態の押え片26は押し下げられて回転し、垂直下方を向く。その結果、回転シール体11は反時計方向に回転し、シール材14は折畳み扉1の表面に当接する。
【0031】
図6の(a)、(b)に示す滑らかな外周面22を有す回転シール体11、及び図6(c)、(d)に示す概略L形をした回転シール体11の場合も、ロッド21の降下に伴う動作は同じである。
ロッド21が降下することで押え片26は押し下げられて回転し、垂直下方を向いた状態で軸部19を上端に設けている起立板28との間に挟まれて固定される。したがって、回転シール体11が逆転(時計方向)してシール材14が折畳み扉1から離れることはない。
【符号の説明】
【0032】
1 折畳み扉
2 間口
3 枠体
4 パネル
5 主継手
6 戸車
7 スライダー
8 下桟
9 上桟
10 副継手
11 回転シール体
12 上面
13 外側面
14 シール材
15 軸受け部
16 ガイド溝
17 収容溝
18 移動面
19 軸部
20 隙間
21 ロッド
22 外周面
23 水平車輪
24 スリット溝
25 仕切り板
26 押え片
27 収容溝
28 起立板














図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8