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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167041
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】端子構造および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20231116BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231116BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20231116BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20231116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231116BHJP
【FI】
H01R13/24
F21V19/00 510
F21V23/06
F21Y101:00 300
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077881
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】貴家 学
(72)【発明者】
【氏名】長田 武
(72)【発明者】
【氏名】田坂 圭次郎
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA09
3K014AA01
3K014HA03
(57)【要約】
【課題】接続する相手側端子を安定して電気的に接続し、保持できる端子構造を提供する。
【解決手段】端子構造36は、連結部38と、一対の対向部39と、接点部40と、分離溝部42と、を備える。一対の対向部39は、連結部38から第1の方向Aに向けて折曲され、第2の方向Bに互いに対向するように設けられる。接点部40は、一対の対向部39のそれぞれの、第1の方向Aおよび第2の方向Bに交差する第3の方向Cの両側から、対向する対向部39の方向に折曲される。分離溝部42は、一対の対向部39それぞれの両側の接点部40間で、一対の対向部39の第1の方向Aの先端側から連結部38に向けて設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結部と;
前記連結部から第1の方向に向けて折曲され、第2の方向に互いに対向するように設けられた一対の対向部と;
前記一対の対向部のそれぞれの、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向の両側から、対向する前記対向部の方向に折曲された接点部と;
前記一対の対向部それぞれの両側の前記接点部間で、一対の前記対向部の前記第1の方向の先端側から前記連結部に向けて設けられた分離溝部と;
を備えることを特徴とする端子構造。
【請求項2】
絶縁部材と;
前記絶縁部材に配設される請求項1記載の端子構造と;
前記端子構造の一対の前記対向部の互いに対向する前記接点部間に差し込まれて電気的に接続される光源端子を有する光源部と;
前記端子構造と電気的に接続される電源部と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記端子構造は、前記連結部と電気的に接続され、角位置に接触部を有する断面形状の接続部を備え、
前記絶縁部材は、前記接続部が挿入される保持溝部を形成する保持壁部を備え、
前記保持溝部に挿入された前記接続部の前記接触部と、前記保持壁部と、が接触する
ことを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源部は、光源と、前記光源が配設され前記光源端子と電気的に接続される光源電極と、を備え、
前記端子構造と前記電源部とを接続する配線構造の少なくとも一部は、前記光源の光照射方向と反対側に、かつ、前記光源電極と前記光照射方向において重なるように配置される
ことを特徴とする請求項2または3記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端子構造および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連結部から互いに対向するように折曲された一対の把持部を設け、一対の把持部間に差し込まれる相手側端子を電気的に接続して保持する端子構造が知られている。
【0003】
この端子構造では、相手側端子の位置ずれなどによって一対の把持部間で傾きが生じると、一対の把持部が相手側端子と離反する箇所が生じる虞があるため、接続する相手側端子を安定して電気的に接続し、保持できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5986091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、接続する相手側端子を安定して電気的に接続し、保持できる端子構造および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の端子構造は、連結部と、一対の対向部と、接点部と、分離溝部と、を備える。一対の対向部は、連結部から第1の方向に向けて折曲され、第2の方向に互いに対向するように設けられる。接点部は、一対の対向部のそれぞれの、第1の方向および第2の方向に交差する第3の方向の両側から、対向する対向部の方向に折曲される。分離溝部は、一対の対向部それぞれの両側の接点部間で、一対の対向部の第1の方向の先端側から連結部に向けて設けられる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の端子構造によれば、接続する相手側端子を安定して電気的に接続し、保持することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示す照明装置の一部を省略した側面視の模式図である。
図2】同上照明装置の一部を省略した背面視の模式図である。
図3】同上照明装置の端子構造の斜視図である。
図4】同上照明装置の本体部の断面図である。
図5】第2の実施形態を示す端子構造の斜視図である。
図6】第3の実施形態を示す端子構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0010】
図1に照明装置10の一部を省略した側面視の模式図を示し、図2に照明装置10の一部を省略した背面視の模式図を示す。照明装置10は、光源部11と、この光源部11を交換可能、着脱可能、または取り外し可能に装着する本体部12と、を備える。
【0011】
光源部11は、光源筐体20と、この光源筐体20内に配設される光源21と、光源筐体20内に配設される一対の光源電極22と、光源筐体20の外部に配設される一対の光源端子23と、を備える。
【0012】
光源筐体20の前面側(図1の右側)には、光源21からの光を外部に照射する光源窓部が設けられる。
【0013】
光源21は、放電灯や、発光モジュールなどが用いられる。放電灯の場合、ガラス管の内部に放電ガスや放電物質などが封入され、ガラス管の内部両端に封止される一対の電極間に点灯電圧が印可されるか、またはガラス管の両端側外部に配置される一対の外部電極に高周波パルス電圧が印可されることで、内部で放電が生じて光を放射する。放電灯は、内部の封入物の種類に応じて、可視領域の光、紫外領域の光、赤外領域の光などの光を放射する。発光モジュールの場合、基板にLEDなどの発光素子が実装され、発光素子の種類に応じて、可視領域の光、紫外領域の光、赤外領域の光などの光を放射する。1つの光源21を、少なくともその一部が一対の光源電極22間に配置されるように配設してもよいし、複数の光源部21を、少なくともその一部が一対の光源電極22間に配置されるように配設してもよい。また、複数の光源部21を配置する場合は、複数の光源部21がそれぞれ並んで配置されてもよい。
【0014】
一対の光源電極22は、光源21が内部に電極を有する(例えば、放電灯)場合や、光源21が発光素子および電極パッドを有する(例えば、発光モジュール)場合には、光源21に電気的に接続されるように配置され、光源21が外部に電極を有する(例えば、内部に電極がない放電灯)の場合には、光源21の電極と接触するように外部電極として光源21の外部に配置される。一対の光源電極22の一方はプラス側(陽極側)の電極であり、一対の光源電極22の他方はマイナス側(陰極側)の電極である。一対の光源電極22は、例えば、一対の光源電極22が対向する方向かつ光源筐体20の前後方向に対してそれぞれ交差する方向に長尺に設けられる。一対の光源電極22は、それぞれの間に一定の絶縁距離を設けられていれば、その配置は上述した配置に限定されるものではない。
【0015】
一対の光源端子23は、例えばステンレスなどの金属製で、光源筐体20の背面側から突出するように構成される。また、一対の光源端子23は、光源筐体20の背面側から突出するとともに光源筐体20の一端側に向けて断面略Lの字形に折曲形成されてもよい。一対の光源端子23は、光源筐体20内の一対の光源電極22に電気的に接続される。一対の光源端子23の一方はプラス側(陽極側)の端子であり、一対の光源端子23の他方はマイナス側(陰極側)の端子である。一対の光源端子23は、光源部11を前面側から見た前面視または図2に示す背面側から見た背面視において、一対の光源電極22の背部側の領域内に配置される。また、一対の光源端子23は、光源部11を前面側(光照射側)から見た前面視において、視認できないように配設されることが好ましい。言い換えると、図2に示す背面側から見た場合、一対の光源端子23は、光源筐体20から上下左右方向に突出しないように配設されることが好ましい。
【0016】
また、本体部12は、光源部11が着脱可能に装着されるソケット部30と、このソケット部30に装着された光源部11の光源21を点灯させる電源部31と、これらソケット部30および電源部31を支持するとともに、ソケット部30に対して着脱可能に光源部11を支持する図示しない器具筐体と、を備える。
【0017】
ソケット部30は、一対の端子部材33と、一対の端子部材33を支持する絶縁部材34と、を備える。絶縁部材34は、照明装置10の器具筐体に配設される。なお、絶縁部材34は、器具筐体と同一の材質で、器具筐体と一体となるように構成されていてもよい。この場合、器具筐体は絶縁部材で構成されることとなる。
【0018】
一対の端子部材33のそれぞれは、例えばステンレスや銅などの金属製の板ばねによって形成される。一対の端子部材33の一方はプラス側(陽極側)の端子部材であり、一対の端子部材33の他方はマイナス側(陰極側)の端子部材である。図1ないし図4に示すように、端子部材33は、光源端子23を電気的に接続し、保持する端子構造36と、この端子構造36と電源部31とを電気的に接続するための接続部37と、を備える。端子構造36と、接続部37と、が一体に形成されている。端子構造36は、接続部37が一体に形成され、接続部37を備える。
【0019】
端子構造36は、平板状の連結部38と、この連結部38の対向する2辺から第1の方向Aに向けて折曲され、第1の方向Aに交差する対向方向である第2の方向Bに互いに対向するように設けられた一対の対向部39と、一対の対向部39の第1の方向Aの先端側で、第1の方向Aおよび第2の方向Bに交差する幅方向である第3の方向Cの両側から、対向する対向部39の方向に折曲された接点部40と、を備える。そして、端子構造36は、互いに対向する接点部40間に光源端子23が差し込まれることで、4つの接点部40が光源端子23を板厚方向から接触して挟み込み、光源端子23を電気的に接続し、保持する。なお、第1の方向Aと、第2の方向Bと、は直交することが望ましく、第1の方向Aと、第3の方向Cと、は第2の方向Bとは異なる方向で直交することが望ましい。つまり、第2の方向Bと、第3の方向Cと、は直交することが望ましい。
【0020】
連結部38は、対向部39よりも第3の方向Cに広く形成され、各対向部39の第3の方向Cの両側位置に対応して切欠き部41が設けられる。
【0021】
各対向部39の第1の方向Aの先端側には、両側の接点部40間で、対向部39の先端側から連結部38に向けて分離溝部42が設けられる。分離溝部42は、対向部39の先端側の第3の方向Cの両側部から中央に向けて窪むように略Vの字形に切り欠かれた形状に設けられる。分離溝部42は、両側の接点部40間を分離し、各接点部40を独立して変位しやすくする。
【0022】
各対向部39の第3の方向Cの両側には、連結部38と接点部40との間で、対向部39の第3の方向Cの寸法が小さくなるように窪み部43が設けられる。窪み部43は、連結部38から接点部40に向けて(第1の方向Aに向けて)対向部39の側部からの窪み量が大きくなるように傾斜状に設けられ、接点部40の近傍位置にて対向部39の側部からの窪み量が最大となる。つまり、対向部39は、接点部40の近傍位置にて最も幅が狭くなる。
【0023】
各対向部39には、分離溝部42と両側の窪み部43との間に、各接点部40を個別に支持するアーム状の支持部44が設けられる。各支持部44は、対向部39と、接点部40と、を接続する。そして、分離溝部42に加えて窪み部43を備えることで、各接点部40を個別に支持する支持部44を設け、各接点部40をより独立して変位しやすくする。
【0024】
各接点部40は、各対向部39の両側の支持部44の先端側から折曲される。一方の対向部39の各接点部40の先端面である接点面45と、他方の対向部39の各接点部40の先端面である接点面45と、がそれぞれ対向される。接点部40の接点面45は、光源端子23が差し込まれる方向に対して反対方向(第1の方向A)に向けて接点面45間の間隔が拡開するように傾斜する導入領域45aが設けられ、この傾斜する導入領域45aよりも光源端子23が差し込まれる方向の奥側つまり連結部38に近い側に、光源端子23に接触する接点領域45bが設けられる。接点領域45bは、略三角形状の頂点で構成されてもよいし、曲面や平面や複数の凹凸で構成されてもよい。一対の対向部39のうちの1つの対向部39において、それぞれの接点部40の折曲量(対向部39からの突出量)は、同一であることが望ましい。また、一対の対向部39のそれぞれにおいて、一方の対向部39における各接点部40の折曲量(対向部39からの突出量)は、他方の対向部39における各接点部40の折曲量(対向部39からの突出量)と同一であっても、異なっていてもよい。
【0025】
対向する接点部40の接点領域45b間の間隔は、光源端子23が差し込まれていない状態で光源端子23の板厚よりも小さく、光源端子23が差し込まれることで対向部39が弾性変形して光源端子23の板厚と同等まで拡大する。
【0026】
端子部材33の接続部37は、例えば図3に示すように、端子構造36の連結部38の一側から平行に所定長さ延設されるとともに延設方向の先端から略直角に折曲されて端子構造36の第3の方向Cの一側に所定の間隔を空けて延設される。また、端子部材33の接続部37は、端子構造36の連結部38の一側から直線状に延設されてもよい。
【0027】
接続部37は、板状で、図4に示すように、絶縁部材34に挿入される方向の縁部側で幅(厚み)方向の両側の角位置に、絶縁部材34と接触する接触部37aを有する略四角形の断面形状に形成されている。各接触部37aは、90度の角の頂点、曲面形状に面取りした面、所定の角度で面取りした面、のいずれであってもよい。接触部37aが頂点でない場合は、接続部37を構成する面(図4においては、鉛直方向の面、水平方向の面)とは異なる方向に構成された面が接触部37aに該当する。
【0028】
図2に示すように、接続部37の先端側(端子構造36が配設される側とは反対側の端部側)には、電源部31との間を電気的に接続するための配線46が電気的に接続される。配線46は、導電線を被覆材で被覆した被覆電線が用いられ、導電線の端部が接続部37の先端側に溶接などで接続されてもよいし、接続部37の先端側に導電線の端部が挿入されることで抜け止めする鎖錠端子構造を用いて接続されてもよい。
【0029】
端子部材33の接続部37および配線46によって、端子構造36と電源部31とを電気的に接続する配線構造47が構成される。図2に示すように、光源部11がソケット部30に装着されて光源端子23が端子構造36に接続された状態において、配線構造47の少なくとも一部は、光源21の光照射方向(光源部11の前方)と反対側に、かつ、光源電極22の背部側で光源電極22と光照射方向において重なるように配置される。
【0030】
また、絶縁部材34は、端子部材33を配置するソケット本体50と、このソケット本体50内に配置された端子部材33を覆って押える図示しないソケットカバーと、などを備える。
【0031】
ソケット本体50は、前面側または背面側である一面側が開口され、この一面側から端子部材33が挿入配置され、一面側を覆ってソケットカバーが取り付けられる。ソケット本体50には、端子部材33の端子構造36を配置する端子構造配置部51と、配線構造47の接続部37および配線46を含む配線構造47を配置する配線配置部52と、が区画形成される。さらに、ソケット本体50は、端子構造配置部51に対向して、光源部11の光源端子23が挿入されてスライド可能とする取付溝部53を備える。取付溝部53に挿入された光源端子23が端子構造36に向うように光源部11をスライドさせることで、光源端子23が端子構造36に接続される。
【0032】
ソケット本体50の配線配置部52には、端子部材33の接続部37が挿入される保持溝部54と、この保持溝部54を形成するように保持溝部54の溝の底方向両側に配設される一対の保持壁部55と、を備える。
【0033】
保持溝部54は、溝の底方向つまり接続部37の挿入方向に向けて溝幅が狭くなるように、傾斜面に形成される。保持壁部55は、保持溝部54に挿入された接続部37の挿入方向の両側の角位置の接触部37aを点接触または線接触した状態で保持する。そのため、保持溝部54の幅は接続部37の幅(厚み)より大きくなるように、一対の保持壁部55の間隔は接続部37の幅(厚み)と同等以下となるように構成されている。
【0034】
保持壁部55は、上述したように保持溝部54の両側の対向する位置に配設されてもよいし、保持溝部54の両側で保持溝部54の長手方向にずれた位置に配設されてもよい。つまり、保持溝部54と、保持壁部55は離間していてもよい。また、保持溝部54の一側または他側のみに保持壁部55を配設してもよい。また、保持壁部55は、保持溝部54に挿入された配線46を点接触または線接触した状態で保持してもよい。
【0035】
なお、端子構造配置部51にも、保持壁部55と同様に、端子構造36の連結部37などを点接触または線接触した状態で保持する保持壁部が設けられる。
【0036】
また、電源部31は、外部電力を入力し、光源21の種類に応じて所定の点灯電圧や高周波パルス電圧に変換して光源21に供給し、光源21を点灯させる。電源部31は、一対の配線46によってソケット部30の一対の端子部材33に電気的に接続される。
【0037】
また、本体部12の器具筐体は、例えば金属製で、内部に、ソケット部30および電源部31が配設されるとともに、ソケット部30に着脱可能に装着される光源部11が配設される。器具本体の前面側には、光源部11の光源窓部に対向し、光源部11からの光を外部に照射する照射開口が形成される。
【0038】
そして、光源部11を本体部12のソケット部30に装着するには、光源部11の背面側から突出する一対の光源端子23をソケット部30の取付溝部53に挿入し、一対の光源端子23が一対の端子部材33の端子構造36に向うように、光源部11をソケット部30の前面側に沿ってスライドさせることで、光源端子23が端子構造36に差し込まれる。
【0039】
光源端子23が端子構造36に差し込まれる際、光源端子23が端子構造36の対向する接点部40の導入領域45aに当接し、対向する接点部40間の間隔が開くように対向部39が弾性変形し、光源端子23が対向する接点部40の接点領域45b間に差し込まれる。
【0040】
このとき、各対向部39の両側の接点部40間は、対向部39の先端側から連結部38に向けて設けられる分離溝部42によって分離されているため、光源端子23との接触で各接点部40が独立して変位しやすく、一方の接点部40の変位に追従して他方の接点部40が変位しにくい。
【0041】
さらに、各対向部39の両側に窪み部43を備えることで、分離溝部42と窪み部43との間に、各接点部40を個別に支持するアーム状の支持部44を設けるため、各接点部40が独立して変位しやすく、一方の接点部40の変位に追従して他方の接点部40が変位しにくい。
【0042】
これにより、光源端子23が一対の対向部39間で斜めになるなどして、対向部39の一側の接点部40が他側の接点部40によりも光源端子23で押されて大きく変位した場合でも、他側の接点部40が追従して大きく変位することなく、つまり他側の接点部40が追従して大きく変位することで光源端子23から浮き上がって離反するようなことがなく、光源端子23に接触する。そのため、端子構造36の4つの接点部40が光源端子23に確実に接触し、光源端子23を挟み込むため、電気的な接続の信頼性が向上し、保持も確実になる。
【0043】
このように、端子部材33の端子構造36では、接続する光源端子23を安定して接続し、保持することができる。この端子部材33に端子構造36を光源部11の光源端子23との接続に用いることで、光源端子23と端子部材33との電気的な接続が確実で、信頼性の高い照明装置10を提供することが期待できる。
【0044】
また、端子部材33を配設する絶縁部材34は、高電位となる端子部材33と接地電位の器具筐体との間に配置されるために浮遊容量が生じ、この浮遊容量が多くなると、光源21に印可する高周波パルス電圧の波形の波高値が減衰し、発光効率が低下する虞がある。
【0045】
本実施形態では、絶縁部材34は、端子部材33の接続部37が挿入される保持溝部54を形成する保持壁部55を備え、この保持壁部55は、挿入された端子部材33の接続部37の挿入方向の両側の接触部37aを点接触または線接触した状態で保持し、接続部37との接触部分を最小限とするため、絶縁部材34に生じる浮遊容量を抑制し、発光効率の低下を防止できる。
【0046】
なお、端子部材33の端子構造36や配線46についても、保持壁部55と同様に、点接触または線接触した状態で保持することで、絶縁部材34に生じる浮遊容量を抑制し、発光効率の低下を防止できる。
【0047】
さらに、絶縁部材34には、浮遊容量を抑制するために、誘電正接が小さい絶縁材料を用いることが好ましい。
【0048】
また、光源21が放電管の場合であって、外部電極として光源21の外部に配置される一対の光源電極22に高周波パルス電圧を印可する場合、一対の光源電極22と電源部31とを電気的に接続する端子部材33の接続部37や配線46を含む配線構造47がアンテナとなり、高周波パルス電圧の印可に伴ってノイズを放射する虞がある。この場合、本体部12の器具筐体が金属製であっても、器具筐体には光を外部に照射させるための照射開口が設けられるため、この照射開口からノイズが外部に放射されやすい。ノイズは、一対の光源電極22から最も発生しやすいが、一対の光源電極22に接続された一対の端子部材33の端子構造36や、接続部37および配線46からも発生する。
【0049】
本実施形態では、図2に示すように、光源部11がソケット部30に装着されて光源端子23が端子構造36に接続された状態において、端子部材33の端子構造36が光源電極22の背部側に配置されるとともに、接続部37や配線46を含む配線構造47が光源電極22の背部側で光源電極22に沿って平行に配置され、すなわち、本体部12の器具筐体の照射開口の前方から見て、光源電極22の背部側に隠れる位置に配置されるため、端子構造36や配線構造47で発生するノイズが器具筐体の照射開口から外部に放射されることを抑制できる。
【0050】
また、光源端子23と端子構造36の接点部40との接点部分においては、例えば高温環境下などでの使用時に接点部分の表面に酸化が生じることで、接触抵抗が増加し、伝播特性が低下する虞がある。
【0051】
そこで、光源端子23を例えばステンレス、端子構造36の接点部40を例えば銅とし、光源端子23に接点部40よりも硬度の高い材料を用いることで、光源部11を交換する際、硬度の高い光源端子23で硬度の低い接点部40の表面を削って、表面の酸化部分を除去し、接点性能を回復できる。この場合、光源端子23の先端側の縁部に鋭角なエッジ状の突起部を突設しておくことで、光源部11の交換時に、突起部で接点部40の表面を削り、酸化部分を除去しやすくしてもよい。
【0052】
また、端子構造36の分離溝部42は、図5の第2の実施形態に示すように、各対向部39の両側の接点部40間で、対向部39の先端側から連結部38に向けて直線状に設けてもよく、また、図6の第3の実施形態に示すように、対向部39の先端側から連結部38に向けて直線状に設けるとともに、対向部39の先端側に向けて拡開するように設けてもよく、いずれの場合にも、上述したように、各接点部40が独立して変位しやすく、一方の接点部40の変位に追従して他方の接点部40が変位しにくくでき、接続する光源端子23を安定して接続し、保持することができる。
【0053】
なお、端子構造36の分離溝部42は、対向部39の先端側から連結部38との間の途中位置までに設けられることで、対向部39の剛性を確保し、光源端子23に対する接点部40の接触圧を高くできるが、対向部39の先端側から連結部38に亘って全域に連続して形成されてもよい。
【0054】
また、端子構造36は、照明装置10の電気的に接続する箇所に適用できる他に、他の電気機器の電気的に接続する箇所にも適用できる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
10 照明装置
11 光源部
21 光源
22 光源電極
23 光源端子
31 電源部
34 絶縁部材
36 端子構造
37 接続部
37a 接触部
38 連結部
39 対向部
40 接点部
42 分離溝部
47 配線構造
54 保持溝部
55 保持壁部
A 第1の方向
B 第2の方向
C 第3の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6