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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167048
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231116BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20231116BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231116BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20231116BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231116BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1334
G02F1/13357
G02F1/1335
G09F9/00 350Z
G09F9/30 349Z
G09F9/00 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077900
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】若林 祐太
(72)【発明者】
【氏名】花澤 康行
(72)【発明者】
【氏名】野口 通一
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕理
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
2H391
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA52
2H189AA53
2H189AA55
2H189AA57
2H189AA58
2H189AA62
2H189AA74
2H189AA75
2H189AA83
2H189AA86
2H189HA02
2H189HA06
2H189LA02
2H189LA07
2H189LA20
2H291FA56X
2H291FA56Z
2H291FA71X
2H291FA71Z
2H291FA85X
2H291FA85Z
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FA96X
2H291FA96Z
2H291GA02
2H291GA08
2H291GA19
2H291GA21
2H291JA02
2H291LA02
2H291LA04
2H291MA20
2H291NA62
2H391AA15
2H391AA23
2H391AA25
2H391AB04
2H391AC03
2H391AC09
2H391AC53
2H391CA24
2H391CB03
2H391FA01
2H391FA02
5C094AA34
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094EB02
5C094ED13
5G435AA12
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE05
5G435EE13
5G435EE27
5G435EE50
(57)【要約】
【課題】LED及びドライバICの発熱に起因する、LEDの発光効率の低下、ドライバICの誤動作、構造物の熱膨張による歪を低減し、消費電力を抑えた、高画質の透明液晶表示装置を実現する。
【解決手段】画素電極を有するTFT基板と、対向基板との間に液晶が挟持された構成の液晶パネルを有する液晶表示装置であって、前記TFT基板と前記対向基板が重なっている部分に表示領域1000が形成され、前記TFT基板において、前記対向基板と重なっていない部分において、前記対向基板の第1の方向に延在する第1の辺に沿って端子領域が形成され、前記対向基板の上には第2カバーガラス500が配置し、前記TFT基板の下には第1カバーガラス400が配置し、前記第1カバーガラス400の前記第1の方向の幅は、前記第2カバーガラス500の前記第1の方向の幅よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極を有するTFT基板と、対向基板との間に液晶が挟持された構成の液晶パネルを有する液晶表示装置であって、
前記TFT基板と前記対向基板が重なっている部分に表示領域が形成され、前記TFT基板において、前記対向基板と重なっていない部分において、前記対向基板の第1の方向に延在する第1の辺に沿って端子領域が形成され、
前記対向基板の上には第2カバーガラスが配置し、
前記TFT基板の下には第1カバーガラスが配置し、
前記第1カバーガラスの前記第1の方向の幅は、前記第2カバーガラスの前記第1の方向の幅よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1カバーガラスは、前記第1の方向の両側において、前記第1の方向の幅は、前記第2のカバーガラスの幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1の方向と直角方向の前記第2カバーガラスの幅は、前記第1カバーガラスの幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記TFT基板の前記端子領域の裏側には、第1の放熱板が配置していることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第2カバーガラスの端部には、レンズの第1の端部が配置し、
前記レンズの、前記第1の端部と反対側の第2の端部には、光源としてのLEDが配置し、ドライバICと前記LEDは別部品に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記ドライバICは前記端子領域に配置していることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記TFT基板の前記端子領域の裏側には、第1の放熱板が配置し、
前記レンズ及び前記LEDを覆って第2の放熱板が配置し、前記第2の放熱板は、前記第1の放熱板に接続し、前記第2の放熱板は、前記第2カバーガラスとは接着していないことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記液晶はポリマー内に液晶分子を含む微粒子が分散した構成であり、前記対向基板にはコモン電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
画素電極を有するTFT基板と、対向基板との間に液晶が挟持された構成の液晶パネルを有する液晶表示装置と、前記液晶表示装置を載置する支持部と、前記液晶表示装置を囲む枠体を有する表示装置であって、
前記TFT基板と前記対向基板が重なっている部分に表示領域が形成され、前記TFT基板において、前記対向基板と重なっていない部分において、前記対向基板の第1の方向に延在する第1の辺に沿って端子領域が形成され、
前記対向基板の上には第2カバーガラスが配置し、
前記TFT基板の下には第1カバーガラスが配置し、
前記第1カバーガラスの前記第1の方向の幅は、前記第2カバーガラスの前記第1の方向の幅よりも大きく、
前記第1のカバーガラスの前記第1の方向で幅が広くなった部分が前記支持部によって支えられていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記第2カバーガラスは、前記支持部には支えられていないことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1カバーガラスの前記第1の方向で幅が広くなった部分は第1枠体と第2枠体によって挟持されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2のカバーガラスは、前記第1枠体及び前記第2枠体によって挟持されていないことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1枠体と前記第2枠体は、前記第1カバーガラスが存在していない部分において、スペーサを挟持していることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1枠体と前記第2枠体は透明材料で形成されていることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記支持部は、平面で視て、内側に矩形の孔部が形成され、前記孔部の前記第1の方向と直角方向の幅は、前記液晶表示装置の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2カバーガラスは、前記支持部と接触していないことを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記支持部の前記孔部の内側と前記第2カバーガラスの間には、前記支持部及び前記第2カバーガラスよりも柔らかい材料によるバッファー材が挿入されていることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記支持部と前記第2枠体とは、支柱によって共通に固定されていることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項19】
前記支持部と前記第2枠体とは、板状の第3枠体によって共通に固定されていることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項20】
前記液晶はポリマー内に液晶分子を含む微粒子が分散した構成であり、前記対向基板にはコモン電極が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に液晶表示装置を用いた透明ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスのように、背景が見える透明ディスプレイに対する需要が存在する。透明ディスプレイでは、画像を表示する場合、表側と裏側でそれぞれの背景に画面を重ねて表示することが出来る。画像が表示されていない部分では、ガラスを通して背景を視認することが出来る。このような透明ディスプレイは例えば、液晶表示装置を用いて実現することが出来る。特に液晶表示装置を透明ディスプレイとして用いる場合、配線やトランジスタの数の多い有機EL表示装置を用いた透明ディスプレイに比べ高い透明度を実現できる。
【0003】
透明液晶表示装置では、LEDもドライバICも高温になるので、二つの部品を近接して配置すると、この部分が高温になる。特許文献1は、端子領域において、2個の部品が極端に近づかないよう、複数のLEDの配置をインライン配置からずれた配置とする構成が記載されている。
【0004】
一方、透明液晶表示装置では、表示装置の種類によって、透明液晶表示パネルの配置方法が問題となる。特許文献2及び特許文献3には、比較的小型の表示装置において、透明液晶表示パネルを配置する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-184052号公報
【特許文献2】特開2021-4975号公報
【特許文献3】特開2020-112686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
透明液晶表示装置では、直下型バックライトを使用することが出来ない。したがって、光源を基板の側面に配置するサイドライト型光源になる。実際の光源は、LEDが使用されるが、LEDは発光と同時に熱も発生する。サイドライト方式では、多数のLEDが例えば基板の側面のように、限られた領域に存在するので、光源における温度上昇が問題となる。
【0007】
また、透明液晶表示装置では、光効率を上げるために、カラーフィルタは使用しない。すなわち、カラーフィルタの使用はそれだけで光の利用効率を1/3に低下させる。さらに、カラーフィルタは、光の透過の妨げになる。フィールドシークエンシャル方式を用いればカラーフィルタを使用しなくとも済むが、駆動周波数が高くなるために、ドライバICの発熱が問題になる。
【0008】
本発明の課題は、サイドライト方式を用いた透明液晶表示装置において、LED及びドライバIC等における温度上昇を抑え、LEDの発光効率の低下、ドライバICの誤動作、熱膨張による周辺部品の劣化等を抑制することである。
【0009】
本発明の他の課題は、透明液晶表示パネルを表示装置に組み込む際、光の導光作用を受け持つカバーガラス、レンズ、LED等に筐体からの機械的なストレスが及ばないようにし、LEDからの光の光路を正確に維持することができる透明液晶表示装置を実現することである。これによって、高画質であり、かつ、光の利用効率を向上させた透明液晶表示装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を克服するものであり、代表的な手段は次のとおりである。
【0011】
(1)画素電極を有するTFT基板と、対向基板との間に液晶が挟持された構成の液晶パネルを有する液晶表示装置であって、前記TFT基板と前記対向基板が重なっている部分に表示領域が形成され、前記TFT基板において、前記対向基板と重なっていない部分において、前記対向基板の第1の方向に延在する第1の辺に沿って端子領域が形成され、前記対向基板の上には第2カバーガラスが配置し、前記TFT基板の下には第1カバーガラスが配置し、前記第1カバーガラスの前記第1の方向の幅は、前記第2カバーガラスの前記第1の方向の幅よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【0012】
(2)画素電極を有するTFT基板と、対向基板との間に液晶が挟持された構成の液晶パネルを有する液晶表示装置と、前記液晶表示装置を載置する支持部と、前記液晶表示装置を囲む枠体を有する表示装置であって、前記TFT基板と前記対向基板が重なっている部分に表示領域が形成され、前記TFT基板において、前記対向基板と重なっていない部分において、前記対向基板の第1の方向に延在する第1の辺に沿って端子領域が形成され、前記対向基板の上には第2カバーガラスが配置し、前記TFT基板の下には第1カバーガラスが配置し、前記第1カバーガラスの前記第1の方向の幅は、前記第2カバーガラスの前記第1の方向の幅よりも大きく、 前記第1のカバーガラスの前記第1の方向で幅が広くなった部分が前記支持部によって支えられていることを特徴とする表示装置。
【0013】
(3)前記第2カバーガラスは、前記支持部には支えられていないことを特徴とする(2)に記載の表示装置。
【0014】
(4)前記第1カバーガラスの前記第1の方向で幅が広くなった部分は第1枠体と第2枠体によって挟持されていることを特徴とする(2)に記載の表示装置。
【0015】
(5)前記第2のカバーガラスは、前記第1枠体及び前記第2枠体によって挟持されていないことを特徴とする請求項(2)に記載の表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】透明液晶表示装置の正面図である。
図2】透明液晶表示装置の側面図である。
図3】透明液晶表示パネルの動作を示す断面図である。
図4】液晶層の詳細を示す断面図である。
図5】パーテーション付き透明液晶表示装置の使用状態の例を示す断面図である。
図6】パーテーション付き透明液晶表示装置の斜視図である。
図7】透明液晶表示装置(透明液晶表示パネル)の正面図である。
図8図7のA-A断面図である。
図9図7のB-B断面図である。
図10】支持部を有する透明液晶表示装置の正面図である。
図11】支持部による透明液晶表示装置の支持構造を示す斜視図である。
図12】支持部の平面図である。
図13図10の側面図である。
図14図10のC-C断面図である。
図15】支柱に取り付ける前の透明液晶表示装置の斜視図である。
図16図15のD-D断面図である。
図17図15を上(A方向)から視た図である。
図18図15のE-E断面図である。
図19】第1透明板の正面図である。
図20】第2透明板、第3透明板が取り付けられた状態における第1透明板の正面図である。
図21】第2透明板及び第3透明板図の斜視図である。
図22】枠体に透明液晶表示装置が組み込まれた状態における正面図と側面図である。
図23】枠体に透明液晶表示装置が組み込まれた状態における裏面図と側面図である。
図24】枠体と支持部を板状部材で共通に固定した構成を示す正面図と側面図である。
図25】枠体と支持部を板状部材で共通に固定した構成を示す裏面図と側面図である。
図26】不透明の枠体を使用した場合の液晶表示装置の正面図と側面図である。
図27】不透明の枠体を使用した場合の液晶表示装置の裏面図と側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に実施例を用いて本発明の内容を詳細に説明する。
【実施例0018】
図1は透明液晶表示装置4000の正面図であり、図2は側面図である。図1及び図2は透明液晶表示装置の一例である。透明液晶表示装置の他の使用方法の例は、例えば図5に記載されている。図1及び図2において、表示領域1000の背面には、バックライトは存在しておらず、基板は、透明なガラスで出来ているので、通常は光が透過し、透明液晶表示装置4000の背面を視ることが出来る。
【0019】
サイドライトとしての光源や駆動回路領域を含む駆動部2000は、下側の筐体3000内に配置されている。表示パネルの表示領域1000に表示された画像は、裏側、表側のいずれからも視認することが出来る。また、透明液晶表示装置に表示された画像は、背景の中に浮かび上がったような印象を与えることが出来る。
【0020】
図3は、透明液晶表示装置4000の動作を示す断面図である。図3は、透明液晶表示装置の基本的な構造である。図3において、画素電極130、信号線、TFT等が配置したTFT基板100とコモン電極140が形成された対向基板200との間に液晶300が挟持されている。図3はいわゆるフィールドシークエンシャル(Field sequential)で駆動されるので、カラーフィルタは存在していない。TFT基板100と対向基板200が重なっている部分に表示領域が形成され、TFT基板100において、対向基板200と重なっていない部分に端子領域が形成されている。
【0021】
図3において、TFT基板100と対向基板200はシール材150で接着し、内部に液晶300が封入されている。シール材150は透明樹脂で形成されている。図3の液晶300はいわゆる高分子分散型液晶と呼ばれるものであり、図4にその構成を示す。図4は、図3の液晶部分の拡大断面図である。図4において、画素電極130とその上に配向膜160が形成されたTFT基板100と、コモン電極140とその上に配向膜160が形成された対向基板200の間に液晶300が挟持されている。図4において、画素電極130に対応して画素Pixが形成されている。
【0022】
この液晶300は高分子分散型液晶と呼ばれているものであり、高分子(ポリマー)によって形成されたバルク301と液晶分子を含む微粒子302で構成されている。画素電極130とコモン電極140との間に電圧が印加されると、液晶分子を含む微粒子302が電界によって回転し、光を散乱する。画素電極130とコモン電極140との間に電圧が印加されなければ光は散乱されない。光の散乱を画素毎に制御するので、画像が形成される。そして、この画像は、液晶表示パネルの表面からも背面からも視認することが出来る。
【0023】
図3に戻り、TFT基板100は対向基板200よりも大きく形成されており、TFT基板100と対向基板200が重複していない部分は端子領域となっている。端子領域には、対向基板200の側面と対向して光源であるLED10が配置している。LED10からの光は対向基板200の側面あるいは、シール材150を通して液晶表示パネルの内部に入射する。入射した光は全反射を繰り返しながら液晶層300中の、液晶分子を含む微粒子302に衝突する。
【0024】
光が、画素電極130とコモン電極140との間に電圧が印加されている画素内の微粒子302に衝突すると、図3に示すように散乱する。一方、画素電極130とコモン電極140との間に電圧が印加されていない画素内では、光は直進する。これによって、液晶300内に入射した光は、画素毎に散乱を制御されるので、画像が形成される。
【0025】
図3に示す透明液晶表示装置は、図5に示すように、パーテーション2を挟んで、二人の人が対面しているような場合に、パーテーション2に透明液晶表示装置3を組み込むことによって、共通の情報を共有して議論を進めることが出来る手段として使用することが出来る。図5において、テーブル5000を挟んで対面した2人の間にパーテーション2が配置し、パーテーション2中に透明液晶表示装置3が組み込まれている。図5において、透明液晶表示装置3は支持部4によって支えられているが、この支持部4は、色々な構成をとり得る。
【0026】
図6は、パーテーションの中に透明液晶表示装置4100を配置した、パーテーション付き透明液晶表示装置1の例である。図6において、透明液晶表示装置4100は、パーテーションを構成する透明板700によって上限左右の3方を囲まれ、駆動部等を収容した支持部600の上に載置されている。
【0027】
図6において、透明液晶表示装置4100は、第1カバーガラス400と第2カバーガラス500とで構成され、第1カバーガラス400の幅が第2カバーガラス500の幅よりも、片側でx1だけ大きくなっており、この部分(以後拡張部410ということもある)が支持部600の上に載置されることによって、透明液晶表示装置4100を支えている。また、この部分を、パーテーションを構成する透明板710、730によって、挟むことによって、前後の固定を行っている。そして、透明板710、730はベース6取り付けられて支柱5にビス止めして固定している。なお、図6では、ベース6の構成は、詳細は記載していないが、ベース6に給電ダクトのようなものを使用することによって、電力や信号を透明液晶表示装置4100に供給することも可能である。
【0028】
ところで、図3は透明液晶表示装置の基本的な動作を示す構成であるが、この透明液晶表示装置は以下に示すような課題を有している。すなわち、熱源であるドライバIC40と光源であるLED10が端子領域において近接して配置している。図3の透明液晶表示装置は、フィールドシークエンシャルで駆動されるので、ドライバIC40の発熱が大きい。また、光源であるLED10は、図3の紙面垂直方向に多数配列している。したがって、この部分の端子領域は、非常に高温になる。高温になると、LED10の発光効率が低下する、ドライバIC40が誤動作する、周辺部品に熱膨張による歪が発生し、寸法に狂いが生ずるなどである。また、光の入射部分が対向基板200だけなので、面積が小さく、十分な入射光を確保することが困難である。
【0029】
本発明では、図7乃至図9に示す構成の透明液晶表示装置4100を用いることによって、上記課題を解決している。図7は実施例1における透明液晶表示装置4100の正面図である。図7において、透明液晶表示装置4100は表示領域1000と駆動領域とで構成されている。駆動領域は、光源及びドライバICを含む駆動部と、プリント配線基板(PCB、Printed Circuit Board)550と、これを接続するフレキシブル配線基板50とから構成されている。図7において、駆動部は金属で形成された第2放熱板70で覆われている。実施例1では、第2放熱板70はアルミニウムで形成される。
【0030】
図7において、第2放熱板70には、ソケット25が2か所取り付けられている。このソケット25は、第2放熱板70の内側に配置しているLED基板と導通し、各LEDに電力を供給する。図7において、6個のフレキシブル配線基板50が配置している。6個のうち、両側の2個は、走査線駆動用ドライバICと接続し、中央側の4個が映像信号線駆動用のドライバICと接続する。映像信号線駆動用ドライバICのほうが、走査線駆動用ドライバICよりも発熱が大きいので、互いに、より大きな間隔をもって配置している。
【0031】
図8図7のA-A断面図である。図8において、画素電極やTFTが配置するTFT基板100に対向してコモン電極を有する対向基板200が配置している。TFT基板100と対向基板200の間の液晶層は、図8では省略されている。図8において、TFT基板100の裏側には、第1カバーガラス400が配置し、対向基板200の表側には第2カバーガラス500が配置している。図8の特徴は、第1カバーガラス400の幅が第2カバーガラス500の幅よりも片側でx1だけ大きいことである。x1の大きさは、例えば、横幅が300mm程度の第2カバーガラスに対して15mm程度である。以後この部分を拡張部410と呼ぶこともある。
【0032】
図9で説明するように、本発明による透明液晶表示装置は、第2カバーガラス500に光源10やレンズ30からの光が入射するので、仮に、第2カバーガラス500に熱ストレスや機械的なストレスが加わって、第2カバーガラス500が変形すると、光の経路が影響を受け、画質を維持できなくなる。そこで、第1カバーガラス500の拡張部410を用いて透明液晶表示装置4100を支え、かつ、透明液晶表示装置4100の前後動きを抑えて、固定している。したがって、光の導光板としての役割を有する第2カバーガラス500には、ストレスが加わらないので、光の光路は影響を受けず、画質を維持することが出来る。
【0033】
図9は、図7のB-B断面図であり、駆動部の構成を示す断面図である。図9の中央よりもx方向右側が表示領域1000側である。図9において、TFT基板100と対向基板200がシール材150によって接着し、内部に液晶300が封止されている。TFT基板100の下側には、表示領域1000に対応する部分には、第1カバーガラス400が配置し、駆動部に対応する部分においては、第1放熱板60が配置している。第1放熱板60は金属で形成されており、実施例1では、アルミニウムで形成され、厚さは1mm程度である。第1放熱板60はTFT基板100と接着し、さらに左側に延在する。
【0034】
図9において、対向基板200の上側には、第2カバーガラス500が配置している。第2カバーガラス500は、対向基板200よりも大きく形成され、平面で視て、第2カバーガラス500の端部は、TFT基板100の端部とx方向でほぼ同程度の位置になっている。TFT基板100と第1カバーガラス400との接着及び対向基板200と第2カバーガラス500との接着は、例えば、光学カップリンングを考慮してOCA(Optical Clear Adhesive)が使用されている。但し、第1放熱板60とTFT基板100とは、放熱性を考慮して、いわゆる導電シート33が使用されている。
【0035】
図9において、TFT基板100と第2カバーガラス500との間、すなわち、TFT基板100の端子部には、ドライバIC40が配置し、また、端子部の端部には、液晶表示パネルに信号や電源を供給するために、フレキシブル配線基板50が接続している。また、TFT基板100と第2カバーガラス500との間には、スペーサ110が配置している。スペーサ110は、TFT基板100と接着することによって、TFT基板100の機械的な強度を補強している。
【0036】
図9において、TFT基板100の厚さは0.5mm、対向基板200の厚さは0.7mm、第1カバーガラス400の厚さは3mm、第2カバーガラス500の厚さは3mm程度である。液晶層300の層厚は10μm以下であるので、他の部品の厚さに比べれば、無視できる程度の厚さである。スペーサ110の厚さは、対向基板200と同程度である。
【0037】
図9において、TFT基板100の厚さが対向基板200の厚さよりも小さいのは、ドライバIC40で発生した熱が、TFT基板100を介して、TFT基板100の下側に配置した第1放熱板60に伝わりやすくするためである。TFT基板100と第1放熱板60を接着している導電シート33は、基材が樹脂であるから、TFT基板100及び第1カバーガラス400と柔軟に接触して、第1放熱板60への熱の移動を容易にしている。なお、対向基板200の厚さをTFT基板100よりも厚い、0.7mm、とすることによって、TFT基板100と第2カバーガラス500との間隔を大きく出来、ドライバIC40等の配置のためのスペースに余裕をとることが出来る。
【0038】
導電シート33は電気を導通させるとともに、高い熱伝導性を有する。また、導電シート33は、導電テープ33と表現することもでき、両面に接着性を有し、後述するようにTFT基板100と第1放熱板60とを接着・固定させている。本実施例において、導電シート33は、熱伝導シートとして用いている。導電シート33は多くのメーカーによって提供されている。導電シート33の構造は、例えば、細い金属繊維をメッシュ状に形成したものを、基材である樹脂によって固めたもの、さらに、基材である樹脂内に金属微粒子あるいは炭素微粒子を分散させて導電性及び熱伝導性を向上させたもの、等が存在する。
【0039】
第1放熱板60は、厚さ1mmのアルミニウムで形成されているので、ヒートシンクとして作用する。また、アルミニウムは熱伝導に優れているので、外部への熱放散も効率的におこなうことが出来る。このように、ドライバIC40で発生する熱は、主に、第1放熱板60に吸収され、ドライバIC40の温度上昇を緩和する。
【0040】
図9において、第2カバーガラス500の端部には、レンズ30が付き合わせの状態で配置している。レンズ30の逆側の端部には、光源としてのLED10が配置している。LED10からの光は、レンズ30によって、表示領域1000側に向かうように、導かれる。したがって、レンズ30は、導光板と呼ばれることもあるが、本明細書はレンズという名称を用いる。
【0041】
図9における、レンズ30の縦方向(z方向)の厚さは、第2カバーガラス500の厚さと同じ3mm程度である。したがって、LED10からの光の、レンズ30、ひいては、第2カバーガラス500への光の入射は、面積的には、十分な余裕をもって行うことが出来る。また、入射面が大きい分、光の量を増すことができるので、コントラストの高い画像を得ることが出来る。
【0042】
図9において、レンズ30の上側の面は、断面が屈曲し、金属で形成された第2放熱板70に接着して固定されている。実施例1では、金属としてアルミニウムが使用されている。レンズ30は第2放熱板70の、対向基板200の主面と平行方向である、第1の面に懸垂した形で配置しており、レンズ30の位置合わせも第2放熱板70を介して行われる。したがって、第2放熱板70の寸法精度、及び、他の部品との組み立て精度は重要である。第2放熱板の厚さは、例えば、0.5mmである。
【0043】
第2放熱板70との接着のために、レンズ30の上側には、反射シートを配置し、その上に両面粘着材を配置したもの(以後この構成を接着シート31とも呼ぶ)を使用している。なお、レンズ30は熱源となるLED10と接近して配置するので、高温となることも予想される。この場合は、接着シート31として、例えばレンズ側に反射シートを用い、第2放熱板70側に導電シートを配置した、ラミネート材としてもよい。導電シートを用いれば、レンズ30の熱を第2放熱板70に伝導しやすくすることが出来る。なお、レンズ30の下側は、反射面としての機能のみが要求されるので、レンズ30と接着あるいは粘着することが出来る例えば、反射シート32を用いればよい。
【0044】
図9において、第2カバーガラス500に対向する側と反対側の、レンズ30の側面には、光源としてのLED10が配置されている。LED10は、LED基板20に取り付けられている。LED基板20は、第2放熱板70の第2の面に密着して配置している。なお、第2放熱板70の第2の面は第1の面と直角方向である。したがって、LED10で発生する熱は、LED基板20を介して、第2放熱板70に放出される。なお、熱カップリングを向上させるために、LED10と第2放熱板70との接着には、導電シート33が使用されている。このように、LED10で発生する熱は、主に、第2放熱板70に放熱される。
【0045】
LED10には、LED基板20を介して電流が供給される。LED基板20には、第2放熱板70の外側に配置したソケット25を介し、外部から電源が供給される。ソケット25に対応して、第2放熱板70には、孔、あるいは切り欠きが形成されてソケット25とLED基板20を接続可能としている。
【0046】
図9では、LED10とレンズ30の入射面とは密着しているように見えるが、実際には、10μm程度の小さな間隔が形成されている。このような、細かな寸法の精度は、第2放熱板70自体の寸法精度、第2放熱板70へのLED基板20及びレンズ10の取り付け精度、LED基板20へのLED10の取り付け精度等によって決められる。第2放熱板70へのLED基板20及びレンズ30の接着は、第2放熱板70を表示装置に取り付ける前、すなわち、第2放熱板70単体の状態において行うので、寸法精度は出しやすい。また、実施例1では、第2放熱板70は、厚さが0.5mm程度のアルミニウムで形成されているが、放熱性、加工精度の条件を考慮して、厚さは調整してもよい。ところで、第2放熱板70をプレスで製造すれば、高い寸法精度で形成することが出来る。
【0047】
図9において、LED10からレンズ30に入射した光は、第2カバーガラス500の側面から第2カバーガラス500に入射する。光は、第2カバーガラス500に入射後、全反射を繰り返しながら、表示領域1000に導かれる。レンズ30の出射面から、表示領域1000までは、TFT基板100の端子領域に相当する距離が存在する。この領域において、全反射をせずに、外部に放出される光を防止するために、実施例1では、TFT基板100の端子側において、スペーサ110に例えば白色のPET(Polyethilene Terephthalate)を用いることによって、光を反射させ、光の利用効率を向上させている。
【0048】
図9において、レンズ30から出射した光は、スペーサ110の表面で反射し、さらに、第2カバーガラス500で全反射して液晶層300に入射する。なお、スペーサ110としては、PETの代わりに、上側に反射フィルムを形成した樹脂のブロックをTFT基板100の端子領域に貼り付けてもよい。すなわち、実施例1において、スペーサ110は、TFT基板100の機械的な強度を補強するとともに、光の利用効率を向上させるための、反射部品を兼ねている。
【0049】
一方、第2カバーガラス500の上側においては、平面で視て、TFT基板100の端子領域に対向する部分は、第2放熱板70によって覆われており、この放熱板70が、第2カバーガラス500から、全反射せずに上方向に向かう光を反射して第2カバーガラス500側に戻し、光の利用効率を向上させる。但し、図6では、第2放熱板70は、第2カバーガラス500とは、接触するのみで、接着していない。第2カバーガラス500へのストレスを防止するためである。このように、第2カバーガラス500には、レンズ30、LED10、第2放熱板70等を含むレンズユニットは接着しておらず、レンズユニットに起因する熱ストレスが第2カバーガラス500に伝わるのを防止している。これによって、第2カバーガラス500の変形による画質への影響を防止することが出来る。言い換えれば、レンズ30、LED10、第2放熱板70等を含むレンズユニットは、TFT基板100に導電シート33により接着されている第1放熱板60及び後述する第3放熱板80を介してTFT基板100に固定されている。
【0050】
本実施例の他の特徴は、熱源であるLED10とドライバIC40との距離d1を大きくとれることである。従来のように、TFT基板100の端子領域にLED10とドライバIC40が小さな距離を置いて並んで配置されていると、相乗効果によって、単独で配置される場合よりもさらに温度が上昇する。したがって、LED10の発光効率の低下がより深刻になり、また、ドライバIC40の誤動作の確率も増加する。
【0051】
これに対して、本実施例では、平面で視て、レンズ30を介してLED10とドライバIC40との間に大きな距離をとることが出来るので、相乗効果による温度上昇は抑えることが出来る。さらに、LED10、ドライバIC40については、個別に温度上昇を抑える手段が形成されているので、LED10、ドライバIC40の温度上昇は、抑えることが出来る。
【0052】
図9において、第1放熱板60と、第2放熱板70の第3の面は、x方向左側に延在し、第3放熱板80を介して接続する。第3放熱板80は、フレキシブル配線基板50を避けて、y方向に飛び飛びに配置されている。したがって、外へ延在するフレキシブル配線基板50が第3放熱板80によって止められることは無い。第3放熱板80と第1放熱板60及び第2放熱板70とは、面接触しているので、これらの放熱板間の熱抵抗は小さい。また、第3放熱板80と第1放熱板60及び第2放熱板70との間に導電シート33を挟むことによって、これらの部品間の熱接触をさらに向上させている。
【0053】
したがって、図9の構成によれば、透明液晶表示装置の駆動部の温度上昇を抑えるとともに、駆動部全体として温度を均一化することが出来る。したがって、駆動部に起因する熱ストレスを小さくすることが出来る。つまり、第2カバーガラス500等の熱ストレスによる変形を抑え、画質の低下を抑えることが出来る。
【0054】
図10は、透明液晶表示装置4100を下側(x方向)から支持する構成を示す正面図である。図10において、支持部600は前カバー610を有しているが、図10では省略され、透明液晶表示装置4100の駆動部が見えるようになっている。図10において、透明液晶表示装置4100は第1カバーガラス400と第2カバーガラス500で構成されており、第1カバーガラス400のほうが、第2カバーガラス500よりも片側でx1だけ幅が広い。この部分が支持部600に載置され、透明液晶表示装置4100を支えている。第2カバーガラス500には、支持のための機械的なストレスは加わらない。
【0055】
図11は、透明液晶表示装置4100を支持部600で支えている状態を示す斜視図である。図11において、透明液晶表示装置4100は、TFT基板100と対向基板200で構成される液晶パネル4200を第1カバーガラス400と第2カバーガラス500で挟んだ構成となっている。支持部600は前カバー610、スペーサ620、後カバー630で構成されている。透明液晶表示装置4100の第1カバーガラス400の拡張部410が支持部600の後カバーの630上に載置されることによって、透明液晶表示装置4100が支えられている。
【0056】
図12は支持部600を上から視た平面図である。支持部600は前カバー610、スペーサ620、後カバー630で構成され、内側に長方形の孔部が形成されている。この孔部に透明液晶表示装置4100が挿入される。図12において、後カバー630の点線で囲まれた領域631に透明液晶表示装置4100の第1カバーガラス400の拡張部410が載置されることによって、透明液晶表示装置4100が支えられる。より正確には、第1カバーガラス400の拡張部410と左右2つの拡張部410の間の第1カバーガラス400の一部が後カバー630で支持されることで透明液晶表示装置4100が支えられる。
【0057】
図12において、支持部600の中に形成された孔部のz方向の幅は、透明液晶表示装置4100の厚さよりも十分に大きい。透明液晶表示装置4100のTFT基板100の端子部の裏面に取り付けられた第1放熱板60は後カバー630の内壁にほぼ接触した形で配置されるので、第2カバーガラス500と前カバー610の内壁との間には、隙間が存在する。したがって、組み立て時、あるいは動作時の熱膨張等によって、支持部600から第2カバーガラス500にストレスが与えられることはない。しかし、この隙間からレンズユニットからの光が外部に漏れる可能性あるため、これを防止するために、図11に示すように、機械的なストレスが加わらないような、柔らかいバッファー材650を挿入している。バッファー材650は、例えば、ウレタンで形成されたスポンジのようなものであり、支持部600を構成する材料や第2カバーガラス500よりは格段に柔らかい。
【0058】
図13は、図10の側面図である。図13において、支持部600の後カバー630の上に透明液晶表示装置の第1カバーガラス400が載置されている。透明液晶表示装置4100を構成するTFT基板100、対向基板200、第2カバーガラス500、レンズ30、等は、支持部600のスペーサ620で形成された内部空間に挿入されている。
【0059】
図14は、図10のC-C断面図である。この部分は、支持部600に孔部が形成された部分であり、支持部600のスペーサ620は存在していない。この孔部には、TFT基板100、対向基板200、第1放熱板60、第2放熱板70、レンズ30、LED10等の光学部品等が配置されている。図14において、導光板を構成する第2カバーガラス500は、支持部600とは直接接触していない。バッファー材650とは接触しているが、バッファー材650は極めて柔らかい物質で形成されているので、第2カバーガラスに対して機械的なストレスを与えるものではない。ここからまた、光学部品である、レンズ30、LED10、LED基板20等を支える第2放熱板70も、第2カバーガラス500と接触するが、接着はしていないので、第2カバーガラス500にストレスを与えることは無い。
【0060】
図11乃至図14に示すように、透明液晶表示装置4100は、第1カバーガラス400を用いて支持部600によって支持されている。しかし、これだけでは、図13に示すような、θ方向、すなわち、前後への倒れこみには対処できない。本実施例では、図15に示すように、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730を用いて透明液晶表示装置の第1カバーガラス400の拡張部410を挟持し、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730を、図6に示すように、ビス800によって支柱5に固定することによって、透明液晶表示装置4100を固定している。この場合も、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730が接触する部分は、透明液晶表示装置の第1カバーガラス400拡張部410のみなので、第2カバーガラス500や、他の光学部品にストレスがかかることはない。
【0061】
図16は、図15のD-D断面図である。図16において、透明液晶表示装置4100の第1カバーガラス400の拡張部410は第1透明板710及び第3透明板730によって挟持されて固定されている。第1透明板710及び第3透明板730は図15及び図6に示すように、ビス800によって支柱5に固定される。つまり、透明液晶表示装置4100全体が第1カバーガラス400の拡張部410を用いて固定されることになる。
【0062】
図17図15のE-E断面図である。図17において、透明液晶表示装置4100は第1カバーガラス400、TFT基板100、対向基板200、第2カバーガラス500で構成されている。第1カバーガラス400の拡張部410を第1透明板710と第3透明板730で挟持して固定している。第1カバーガラス400の拡張部410の端部よりも右側には、スペーサとしての第2透明板720が第1透明板710と第3透明板730で挟持されている。第1透明板710、第2透明板720、第3透明板には、共通にビス用の孔810が形成されている。
【0063】
図18図15に示す透明液晶表示装置の組み立て体を、A方向、すなわち、上方向から視た上面図である。図18において、第1カバーガラスの拡張部410を第1透明板710と第3透明板730で挟持して固定している。図18において、第1透明板710はさらに、透明液晶表示装置を構成するTFT基板100、対向基板200、第2カバーガラス500の一部を上方向から覆って左方向(-y方向)に延在している。第2カバーガラス500の一部は、第1透明板710よりも前面(-z方向)に突出している。
【0064】
図19は、前面から透明液晶表示装置を支えるための第1透明板710の正面図である。第1透明板710は、コの字型をしており、コの字型で囲まれた矩形の部分に透明液晶表示装置4100の表示領域1000が配置される。第1透明板710の外側端部付近には、ビス800で支柱5に固定するためのビス孔810が形成されている。
【0065】
図20は第1透明板710の裏面図である。図20はコの字のx方向に延在する部分には、透明液晶表示装置の第1カバーガラス400の拡張部410を第1透明板710とで挟み込むための、第3透明板730が配置している。第2透明板720は、第1カバーガラス400が存在しない部分を埋めるスペーサである。
【0066】
図21は第3透明板730と第2透明板720の斜視図である。図21に示すように、第3透明板730と第2透明板720も単純な板材であるが、第3透明板730の幅は、第2透明板720の幅よりも広い。第2透明板200と第3透明板300の幅の差が、透明液晶表示装置の第1カバーガラス400の拡張部410の幅x1に該当する。
【0067】
図22は第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730を用いて透明液晶表示装置を挟持した状態を示す正面図及びその側面図である。図22の左側の側面において、支持部600の上に、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730が載置されている。図22の正面図において、第1透明板710で囲まれた部分に透明液晶表示装置の第2カバーガラス500、すなわち、表示領域1000が配置している。第1カバーガラス400の拡張部410は第1透明板710と、裏側に配置する第3透明板730で挟持されている。
【0068】
図23は、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730を用いて透明液晶表示装置を挟持した状態を示す裏面図及びその側面図である。図23の左側の側面図は、左右が異なるだけで、図22と同じである。図23に裏面図において、透明液晶表示装置の第1カバーガラス400の拡張部410を第1透明板710と第3透明板730によって挟持している。
【0069】
図22及び図23において、第1透明板710、第2透明板720、第3透明板730はビス800によって支柱5に固定される。透明板710、720、730、は、例えば、アクリル、ポリカーボネート等で形成することが出来る。透明板710、720、730の厚さは、各々、例えば3mm程度である。
【0070】
以上のように、本発明によれば、透明液晶表示装置における導光板としての役割を有する第2カバーガラス500への組み立て時の機械的なストレスや熱的なストレスを小さくできるので、第2カバーガラス500における光路のばらつきを小さくすることが出来る。したがって、画像品質のばらつきを抑えることが出来る。
【実施例0071】
実施例1では、透明板700と支持体600を共通に支えるための構造体として、図6に示すように、支柱5を用いている。ところで、本発明の透明液晶表示装置の用途は、図6に示すようなパーテーションには限らない。例えば、ショウウィンドウの一部にはめ込んで使用することも可能である。あるいは大きな窓の一部に組み込むことも可能である。
【0072】
このような用途においては、図6に示すような支柱5は使用しにくい場合がある。実施例2では、支柱5の代わりに、透明板700と支持体600を共通に支えるための構造体として図24及び図25に示すように、第4透明板740を用いる。
【0073】
図24は、透明液晶表示装置を有する組み立て体を、第3透明板730及び後カバー830の背面から第4透明板740によって共通に支持した状態を示す正面図及び側面図である。第4透明板740と、他の透明板700及び支持部600とは、例えばビス800で固定されている。その他の構成は実施例1の図22と同じである。
【0074】
図25は、第3透明板730及び後カバー630の背面から第4透明板740によって共通に支持した状態を示す裏面図及び側面図である。第4透明板740と、他の透明板700及び支持部600とは、例えばビス800で固定されている。その他の構成は実施例1の図23と同じである。
【0075】
図24及び図25に示す構成であれば、透明表示装置全体がフラットな形状を維持できるので、透明表示装置を必要とする、いろいろな場所に使用することが出来る。
【実施例0076】
実施例1及び実施例2では、透明液晶表示装置4100の表示領域100を囲む枠部分は透明板700で構成されている。しかし、透明表示装置4100を窓のように使用したい場合もある。すなわち、通常は窓として使用し、必要な場合に画像を表示する表示装置として使用する場合である。このような場合は、枠体は不透明であるほうが好まれる場合がある。
【0077】
図26は、枠体として不透明な第1枠体910、第2枠体920、第3枠体930、第4枠体940を使用した場合の正面図及び側面図、図27は、裏面図および側面図である。図26の構成は、枠体として不透明な枠体910、920、930,940を使用している他は、実施例2の図24と同じであり、図27の構成は、実施例2の図25と同じである。
【0078】
不透明枠体として使用する材料としては、金属、樹脂等、色々な材料を用いることが出来る。また、枠体の幅を必要に応じて変えることによって、色々な用途に使用することが出来る。
【符号の説明】
【0079】
1…パーテーション付き透明表示装置、 2…パーテーション、 3…透明表示装置、 4…支持部、 5…支柱、 6…ベース、 10…LED、 20…LED基板、 30…レンズ、 31…接着シート、 32…反射シート、 33…導電シート、 40…ドライバIC、 50…フレキシブル配線基板配線、 60…第1放熱板、 70…第2放熱板、 80…第3放熱板、 100…TFT基板、 110…スペーサ、 130…画素電極、 140…コモン電極、 150…シール材、 160…配向膜、 200…対向基板、 301…バルク、 300…液晶層、 302…液晶分子を含む微粒子、 400…第1カバーガラス、 410…第1カバーガラス拡張部、 500…第2カバーガラス、 550…プリント配線基板(PCB)、 600…支持部、 610…前カバー、 620…スペーサ、 630…後カバー、 650…バッファー、 700…透明板、 710…第1透明板、 720…第2透明板、 730…第3透明板、 740…第4透明板、 800…ビス、 810…ビス孔、 910…第1枠体、 920…第2枠体、 930…第3枠体、 940…第4枠体、 1000…表示領域、 2000…駆動部、 3000…筐体、 4000…透明液晶表示装置、 4100…透明液晶表示装置(透明液晶表示パネル)、 4200…液晶パネル、 5000…テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18
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図20
図21
図22
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