(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167092
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】姿勢変更装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
B65G47/14 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077994
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】599069507
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100055
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 弘明
(72)【発明者】
【氏名】神戸 祐二
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 和紀
(72)【発明者】
【氏名】小寺 克義
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA13
3F080BC01
3F080CB02
3F080CB03
3F080CE11
3F080DA15
3F080DA18
(57)【要約】
【課題】 正規姿勢の搬送物は姿勢を保持でき、不良姿勢の搬送物は姿勢変更できる姿勢変更装置を提供する。
【解決手段】
振動式搬送装置10に搭載される姿勢変更装置50は、振動式搬送装置10の搬送路32の底部に開口する噴射孔50bと、噴射孔50bに圧縮空気を供給する空気供給手段とを有することを特徴とする。これにより、振動式搬送装置の振動と噴射孔から噴射される圧縮空気との両方によって搬送物を搬送方向に押し出すことができるとともに、噴射孔が搬送路の上方位置に配置される場合に比べて、噴射孔と搬送路上の搬送物とが接近するので、圧縮空気を所望の搬送物にピンポイントで当てることができるとともに、振動式搬送装置の使用中に噴射孔の向きが変わってしまうことを防止できる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動式搬送装置に搭載される姿勢変更装置であって、
前記振動式搬送装置の搬送路の底部に開口する噴射孔と、
前記噴射孔に圧縮空気を供給する空気供給手段と、
を有することを特徴とする姿勢変更装置。
【請求項2】
前記振動式搬送装置に搬送される搬送物は略直方体であり、長手方向が搬送方向に伸びる姿勢を正規姿勢とし、長手方向が搬送方向に対して直交する方向に伸びる姿勢を不良姿勢とする場合において、搬送物の長手方向の長さをLとし、搬送物の傾斜角度をαtとすると、搬送方向に連なる搬送物の間の距離がL/2・sinαtより大きくなるように前記噴射孔から圧縮空気が噴射することを特徴とする請求項1に記載の姿勢変更装置。
【請求項3】
前記噴射孔は搬送方向の上流側を0°として下方から15°~25°の角度範囲内の傾斜角度で前記搬送路の下側から底部に伸びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢変更装置。
【請求項4】
前記噴射孔は圧縮空気が常時噴射していることを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置。
【請求項5】
前記噴射孔は前記搬送路の底部に搬送方向に所定間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置。
【請求項6】
前記噴射孔は凹溝が形成された送り部材と対向部材とを突き合わせて構成されており、前記噴射孔は前記凹溝の底面と内面と前記対向部材の前記送り部材と当接する面とで囲まれていることを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置。
【請求項7】
前記噴射孔は圧縮空気が常時噴射していることを特徴とする請求項6に記載の姿勢変更装置。
【請求項8】
前記噴射孔は前記搬送路の底部に搬送方向に所定間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする請求項6に記載の姿勢変更装置。
【請求項9】
前記噴射孔は凹溝が形成された送り部材と対向部材とを突き合わせて構成されており、前記噴射孔は前記凹溝の底面と内面と前記対向部材の前記送り部材と当接する面とで囲まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢変更装置。
【請求項10】
前記噴射孔は圧縮空気が常時噴射していることを特徴とする請求項9に記載の姿勢変更装置。
【請求項11】
前記噴射孔は前記搬送路の底部に搬送方向に所定間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする請求項9に記載の姿勢変更装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動式搬送装置に用いる姿勢変更装置に関する。すなわち、振動によって搬送物(部品)を搬送する振動式搬送装置、いわゆるパーツフィーダ(Parts Feeder)に搭載する姿勢変更装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11(a)~(c)は振動式搬送装置によって搬送物が搬送される状態を示す説明図である。
図11(a)~(c)に示すように、一般的に、振動式搬送装置70は図示しない加振機によって搬送路72を振動Vによって振動させて搬送物CNを搬送方向Fへ搬送させるものである。この振動Vは搬送方向Fの下流側斜め上方と上流側斜め下方とを往復するものである。具体的には、搬送物CNは搬送路72の上の第1の位置P1から(
図11(a))、振動Vによって搬送路72から搬送方向Fの斜め上方である射出方向Tへ飛ばされて(
図11(b))、搬送路72の第2の位置P2に着地する(
図11(c))。これにより、搬送物CNは振動Vによって飛ばされるたびに第1の位置P1と第2の位置P2の間の距離dだけ搬送方向Fへ搬送されるようになっている。
【0003】
従来、このような振動式搬送装置に用いる従来の姿勢変更装置としては、搬送路の上方位置から搬送方向下流側へ斜め下方に圧縮空気を噴射させるとともに、搬送路の壁面に障害物を取り付けることにより、搬送物に推進力を与えつつ搬送物を障害物に引っ掛けて回転させて搬送物を不良姿勢から正規姿勢に変更させるように構成されてなる振動式搬送装置が考案されており、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
また、搬送路の左右両側から中央に向かって搬送方向下流側へ斜めに空気を噴射させて、搬送物の割れや欠けや停滞や詰まりを防止して搬送物を搬送するように構成されてなる振動式搬送装置が考案されており、例えば、特許文献2~3に記載されている。
【0005】
さらに、搬送路の底部から搬送方向下流側へ斜め上方に空気を噴射させて、搬送物を搬送路上に浮遊させながら正規姿勢に整えて搬送するように構成されてなる搬送装置が考案されており、例えば、特許文献4~6に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09-216719号公報
【特許文献2】特許第5013061号公報
【特許文献3】特開2003-63644号公報
【特許文献4】特許第3985799号公報
【特許文献5】特許第3882819号公報
【特許文献6】特許第2949946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の振動式搬送装置(部品搬送装置)は、搬送路の上方位置から搬送方向下流側へ斜め下方に圧縮空気を噴射させることにより、空気噴射口から搬送路まで所定の距離を有するので、空気噴射口から搬送物に当たるまでの間に圧縮空気が拡散してしまい、圧縮空気を所望の搬送物にピンポイントで当てることが難しいという問題があるとともに、空気噴射口が搬送路の上方位置に配置されていることにより、空気噴射口の向きが変更可能となっているので、空気噴射口の向きが設定姿勢から崩れてしまうと、空気噴射口の向きを元に戻すことが非常に難しいという問題がある。
【0008】
特許文献2~3に記載の振動式搬送装置(振動式パーツフィーダ、搬送装置)は、搬送路の左右両側から中央に向かって搬送方向下流側へ斜めに圧縮空気を噴射させることにより、搬送路周囲の構造が複雑化するので、振動式搬送装置が大型化してしまうとともに、製造コストが上昇してしまうという問題がある。特に、搬送物が電子部品である場合には、最近の電子部品は微細化が進んでいるので、振動式搬送装置の大型化は時代と逆行してしまう。
【0009】
特許文献4~6に記載の搬送装置(エアフロー式姿勢整理搬送装置、エアフロー整列キャップ供給器、容器の整列方法)は、空気流(airflow)によって搬送物を浮流させて搬送する搬送装置であるので、これを
図11(a)~(c)に示すような振動によって搬送物を搬送する振動式搬送装置に直接適用すると、搬送物が必要以上に打ち上げられてしまい、搬送物の正規姿勢が崩れてしまうおそれがあるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、搬送物の正規姿勢を保持しつつ、搬送物の不良姿勢を正規姿勢に変更できる姿勢変更装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、振動式搬送装置に搭載される姿勢変更装置であって、前記振動式搬送装置の搬送路の底部に開口する噴射孔と、前記噴射孔に圧縮空気を供給する空気供給手段とを有することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、振動式搬送装置に搭載される姿勢変更装置であって、前記振動式搬送装置の搬送路の底部に開口する噴射孔と、前記噴射孔に圧縮空気を供給する空気供給手段とを有することにより、前記振動式搬送装置の振動と前記噴射孔から噴射される圧縮空気との両方によって搬送物を搬送方向に押し出すことができるとともに、前記噴射孔が搬送路の上方位置に配置される場合に比べて、前記噴射孔と搬送路上の搬送物とが接近するので、圧縮空気を所望の搬送物にピンポイントで当てることができるとともに、前記振動式搬送装置の使用中に前記噴射孔の向きが変わってしまうことを防止できる。
【0013】
本発明において、前記振動式搬送装置に搬送される搬送物は略直方体であり、長手方向が搬送方向に伸びる姿勢を正規姿勢とし、長手方向が搬送方向に対して直交する方向に伸びる姿勢を不良姿勢とする場合において、搬送物の長手方向の長さをLとし、搬送物の傾斜角度をαtとすると、搬送方向に連なる搬送物の間の距離がL/2・sinαtより大きくなるように前記噴射孔から圧縮空気が噴射することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、前記振動式搬送装置に搬送される搬送物は略直方体であり、長手方向が搬送方向に伸びる姿勢を正規姿勢とし、長手方向が搬送方向に対して直交する方向に伸びる姿勢を不良姿勢とする場合において、搬送物の長手方向の長さをLとし、搬送物の傾斜角度をαtとすると、搬送方向に連なる搬送物の間の距離がL/2・sinαtより大きくなるように前記噴射孔から圧縮空気が噴射することにより、搬送方向前後の搬送物に当たることなく不良姿勢の搬送物を回転させることができる。なお、傾斜角度αtと距離L/2・sinαtとは時間tとともに変化する。
【0015】
本発明において、前記噴射孔は搬送方向の上流側を0°として下方から15°~25°の角度範囲内の傾斜角度で前記搬送路の下側から底部に伸びていることが好ましい。この発明によれば、前記噴射孔は搬送方向の上流側を0°として下方から15°~25°の角度範囲内の傾斜角度で前記搬送路の下側から底部に伸びていることにより、前記噴射孔を通って前記搬送路の底部から搬送方向の下流側を0°として上方へ15°~25°の角度範囲内の傾斜角度で圧縮空気が噴射されるので、圧縮空気を搬送方向の下流側へ鋭角に噴射でき、搬送物を搬送路の上方へ打ち上げてしまうことを抑制しつつ、搬送物を正規姿勢を保持した状態で搬送方向へ押し出すことができ、圧縮空気によって押し出される搬送物とその後続の搬送物との間の間隔を広げることができる。
【0016】
本発明において、前記噴射孔から圧縮空気が常時噴射していることが好ましい。この発明によれば、前記噴射孔から圧縮空気が常時噴射しているので、前記噴射孔の開口上に到達した搬送物を連続して搬送方向へ押し出すことができる。
【0017】
本発明において、前記噴射孔は前記搬送路の底部に搬送方向に所定間隔を空けて複数設けられていることが好ましい。この発明によれば、前記噴射孔は前記搬送路の底部に搬送方向に所定間隔を空けて複数設けられているので、同一の搬送物に対して姿勢変更の機会を複数回与えることができる。
【0018】
本発明において、前記噴射孔は凹溝が形成された送り部材と対向部材とを突き合わせて構成されており、前記噴射孔は前記凹溝の底面と内面と前記対向部材の前記送り部材と当接する面とで囲まれていることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、前記噴射孔は凹溝が形成された送り部材と対向部材とを突き合わせて構成されており、前記噴射孔は前記送り部材における前記凹溝の底面と内面と前記対向部材の前記送り部材と当接する面とで囲まれているので、1つのかたまりからなる部材を穿孔して前記噴射孔を形成する場合に比べて前記噴射孔を容易に形成できるとともに、前記噴射孔の傾斜角度や大きさを容易に設定できる。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように本発明によれば、振動式搬送装置の搬送路の底部に開口する噴射孔に空気供給手段によって圧縮空気を供給するので、振動式搬送装置の振動と噴射孔からの圧縮空気との両方によって、正規姿勢の搬送物の姿勢を保持しつつ、不良姿勢の搬送物を姿勢変更できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る実施形態の姿勢変更装置を搭載した振動式搬送装置を模式的に示す概略平面図である。
【
図2】ホッパーを省略した振動式搬送装置を示す概略平面図である。
【
図3】
図1と
図2の一点鎖線Aで囲む範囲内を模式的に示す拡大図である。
【
図4】
図2のB-B断面のうちの第1のリニアフィーダの搬送体の一部を模式的に示す拡大部分断面図である。
【
図5】
図2のC-C範囲のうちの第1のリニアフィーダの搬送体を模式的に示す拡大部分断面矢視図である。
【
図9】本実施形態の姿勢変更装置によって正規姿勢の搬送物が搬送される状態を示す説明図である(a)~(c)。
【
図10】本実施形態の姿勢変更装置によって不良姿勢の搬送物が姿勢変更される状態を示す説明図である(a)~(c)。
【
図11】振動式搬送装置によって搬送物が搬送される状態を示す説明図である(a)~(c)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態の姿勢変更装置をについて詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施形態の姿勢変更装置を搭載した振動式搬送装置を模式的に示す概略平面図である。
図2はホッパーを省略した振動式搬送装置を示す概略平面図である。
図1と
図2に示すように、振動式搬送装置10は循環式搬送装置であり、第1のリニアフィーダ(linear feeder)20と第2のリニアフィーダ30とホッパー(hopper)40とを有する。第1のリニアフィーダ20は一方向に伸びる搬送体21を備えており、この搬送体21は平行に伸びる直線状の2本の搬送路22,23を有する。第2のリニアフィーダ30は一方向に伸びる搬送体31を備えており、この搬送体31は直線状の1本の搬送路32を有する。第1のリニアフィーダ20と第2のリニアフィーダ30とは互いの搬送方向F,Rが反対となるように隣接配置されている。第1のリニアフィーダ20における一方の搬送路22は搬送体21の長手方向に伸びており、下流端22aが正規姿勢の搬送物を他の装置へ受け渡すことができるように構成されている。他方の搬送路23は一方の搬送路22と平行に伸びており、一方の搬送路22から姿勢不良によって排除された搬送物を一方の搬送路22と同一の搬送方向Fへ搬送するものである。第1のリニアフィーダ20の他方の搬送路23の下流端と第2のリニアフィーダ30の搬送路32の上流端とは搬送物を受け渡し可能に接続されている。第2のリニアフィーダ30の搬送路32の下流端と第1のリニアフィーダ20の一方の搬送路22の上流端とは搬送物を受け渡し可能に接続されている。これにより、搬送物は第1のリニアフィーダ20と第2のリニアフィーダ30との間を循環するように構成される。ホッパー40は搬送物を貯蔵し、第2のリニアフィーダ30の搬送路32へ少しずつ搬送物を投入するものである。
【0023】
図3は
図1と
図2の一点鎖線Aで囲む範囲内を模式的に示す拡大図である。
図3に示すように、振動式搬送装置10の搬送路22,23,32の上を搬送物CNが搬送される。この搬送物CNは特に限定されるものではないが、角が丸められた直方体であり、長手方向の長さLが短手方向の幅W及び厚さより大きいものを想定している(L>W)。一例として、搬送物CNは電気抵抗、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタなどの電子部品であり、長手方向の両端部に電極が設けられている。この搬送物CNの寸法は特に限定されず、0603(L=0.6mm×W=0.3mm)でもよいし、0402(L=0.4mm×W=0.2mm)でもよいし、0201(L=0.25mm×W=0.125)でもよい。
【0024】
図1と
図2に戻って、本実施形態の姿勢変更装置50は振動式搬送装置10の一点鎖線Aで囲まれる位置に設けられている。具体的には、姿勢変更装置50は第1のリニアフィーダ20の搬送体21に搭載されており、第1のリニアフィーダ20の搬送路22の中央部に配置されている。
【0025】
図4は
図2のB-B断面のうちの第1のリニアフィーダの搬送体の一部を模式的に示す拡大部分断面図である。
図5は
図2のC-C範囲のうちの第1のリニアフィーダの搬送体を模式的に示す拡大部分断面矢視図である。
図4と
図5に示すように、姿勢変更装置50は送り部材51と対向部材52と図示しない空気供給手段とを有する。
【0026】
ここで、
図3~
図7の中において、矢印Upで示す方向を上側とする。(
図3では紙面の正面側であり、
図4~
図7では紙面の上側である。)矢印Dwで示す方向を下側とする。(
図3では紙面の背面側であり、
図4~
図7では紙面の下側である。)矢印Upと矢印Dwで示す方向を上下方向とする。矢印Inで示す方向を奥側とする。(
図3では紙面の上側であり、
図4では紙面の左側であり、
図5では紙面の背面側であり、
図6と
図7では紙面の左上側である。)矢印Otで示す方向を手前側とする。(
図3では紙面の下側であり、
図4では紙面の右側であり、
図5では紙面の正面側であり、
図6と
図7では紙面の右下側である。)、矢印Inと矢印Otで示す方向を幅方向とする。矢印Usで示す方向を一端側とする。(
図3と
図5では紙面の左側であり、
図4では紙面の正面側であり、
図6と
図7では紙面の左下側である。)矢印Dsで示す方向を他端側とする。(
図3と
図5では紙面の右側であり、
図4では紙面の背面側であり、
図6と
図7では紙面の右上側である。)矢印Usと矢印Dsで示す方向を長手方向とする。これら方向は相対的な位置関係を示すものであり、重力方向に対する絶対的な位置関係を示すものではない。
【0027】
図6は送り部材を示す拡大斜視図である。
図6に示すように、送り部材51は一方向に伸びる略直方体であり、矢印Usと矢印Dsで示す長手方向に伸びている。この送り部材51は矢印Otで示す手前側に斜面51Aと正面51Bとが設けられている。この斜面51Aは傾斜した平坦面であり、矢印Dwで示す下側から矢印Upで示す上側まで手前側から矢印Inで示す奥側に向かって漸次傾斜している。正面51Bは平坦面であり、矢印Upと矢印Dwで示す上下方向に伸びている。この斜面51Aと正面51Bとは送り部材51の矢印Usで示す一端側の端部51Cから矢印Dsで示す他端側の端部51Dまで長手方向の全長に亘って形成されている。斜面51Aと正面51Bとは上下方向の上下に隣接配置されており、上下方向に連結している。言い換えると、正面51Bの上側に斜面51Aが接続されており、斜面51Aの下側に正面51Bが接続されている。
【0028】
この送り部材51には凹部51aと凹溝51bと締結孔51pとが設けられている。凹部51aは略矩形状の凹部であり、送り部材51の底面51Eから上側へ伸びており、送り部材51の正面51Bから奥側に凹んでいる。この凹部51aは上側が円弧状に湾曲しており、下側が送り部材51の底面51Eに開口している。また、凹部51aは手前側が送り部材51の正面51Bに開口している。
【0029】
凹溝51bは一方向に伸びる溝であり、凹部51aの上部から斜面51Aの下側部分まで斜めに伸びており、正面51Bから奥側に凹んでいる。すなわち、凹溝51bは手前側が送り部材51の正面51Bから斜面51Aまでに亘って開口している。この凹溝51bと凹部51aとは連通している。また、凹溝51bは送り部材51の長手方向に向かって斜め上方に伸びている。凹溝51bの傾斜角度θは、矢印Dsで示す送り部材51の他端側を0°として、矢印Upで示す上側へ15°から25°までの角度範囲内であり(15°≦θ≦25°)、より好ましくは約20°である(θ≒20°)。
【0030】
締結孔51pは円形であり、ネジやボルト等の締結具Btを挿入可能に構成されている。この締結孔51pは送り部材51の正面51Bから奥側の背面51Fまで貫通している。図示例では、締結孔51pは3個あり、送り部材51の長手方向に互いに間隔を空けて配置されている。これにより、締結具Btを締結孔51pにねじ込むことによって送り部材51を固定することができるようなっている(
図5参照)。
【0031】
図4に戻って、対向部材52は送り部材51と同様に略直方体であり、長手方向に伸びている。この対向部材52には奥側に斜面52Aと背面52Bとが設けられている。斜面52Aは傾斜した平坦面であり、下側から上側まで奥側から手前側へ漸次傾斜している。背面52Bは平坦面であり、上下方向に伸びている。この斜面52Aと背面52Bは対向部材52の図示しない一端側の端部から他端側の端部まで長手方向の全長に亘って形成されている。斜面52Aと背面52Bとは上下方向の上下に隣接配置されており、上下方向に連結している。言い換えると、背面52Bの上側に斜面52Aが接続されており、斜面52Aの下側に背面52Bが接続されている。
【0032】
送り部材51と対向部材52とは長手方向の長さが同一である。このため、送り部材51の斜面51Aと対向部材52の斜面52Aとは長手方向の長さが同一であり、送り部材51の正面51Bと対向部材52の背面52Bとは長手方向の長さが同一である。送り部材51の正面51Bの高さH1と対向部材52の背面52Bの高さH2とは同一である(H1=H2)(
図4と
図6参照)。これにより、送り部材51の正面51Bと対向部材52の背面52Bとを突き合わせると、送り部材51の正面51Bと対向部材52の背面52Bとが全面に亘って当接するとともに、送り部材51の斜面51Aと対向部材52の斜面52Aとが上側に向かって開くV字状に対向配置される。すなわち、送り部材51の斜面51Aと対向部材52の斜面52AとによってV字状の溝が構成される(
図4参照)。この溝は送り部材51と対向部材52の長手方向に伸びている。
【0033】
図3と
図4に示すように、送り部材51と対向部材52とは第1のリニアフィーダ20の搬送体21に搭載される。このとき、送り部材51と対向部材52とは奥側と手前側とに隣接配置されて幅方向に連結され、送り部材51の正面51Bと対向部材52の背面52Bとが突き合わされる。このため、送り部材51と対向部材52の間にそれぞれの斜面51A,52AからなるV字状の溝が形成される。この溝は搬送方向Fに伸びており、第1のリニアフィーダ20の搬送路22の一部を構成する。言い換えると、送り部材51の斜面51Aと対向部材52の斜面52Aとは搬送路22の一部を構成する。したがって、搬送物CNが搬送路22の上を搬送されると、斜面51Aと斜面52Aとからなる溝上を通過するようになっている。
【0034】
図6に示すように、この状態において、送り部材51と対向部材52との間に導入孔50aと噴射孔50bとが構成される。この導入孔50aは送り部材51の凹部51aの内面と底面と対向部材52の背面52Bとで囲まれており、気密に構成されている。噴射孔50bは送り部材51の凹溝51bの内面と底面と対向部材52の背面52Bとで囲まれており、気密に構成されている。対向部材52の背面52Bは上記送り部材と当接する面に相当する。
【0035】
この導入孔50aと噴射孔50bは連通している。具体的には、導入孔50aの上部と噴射孔50bの下端とが連通しており、導入孔50aの下端部は送り部材51の底面51Eに開口しており、噴射孔50bの上端部は斜面51Aの下側部分、すなわち、搬送路22の底部に開口している(
図3参照)。このため、圧縮空気を送り部材51の底面51Eから導入孔50aに投入すると、圧縮空気が導入孔50aを通って噴射孔50bへ供給されて、搬送路22の底部から噴射するようになっている。
【0036】
この噴射孔50bは導入孔50aより狭窄しており、より細長く形成されている。このため、噴射孔50bは導入孔50aに投入した圧縮空気の流速を加速させることができるようになっている。また、噴射孔50bは搬送方向Fに向かって斜め上方へ伸びている。この噴射孔50bの傾斜角度は、凹溝51bの傾斜角度θと同一であり、搬送方向F(水平方向)を0°としてその上方へ15°~25°の角度範囲内であり、より好ましくは約20°である。言い換えると、噴射孔50bは搬送方向Fの上流側を0°として下方へ15°~25°の角度範囲内の傾斜角度で搬送路22の底部から下側へ伸びている。このため、搬送路22の底部から圧縮空気を搬送方向Fに向かって斜め上方へ鋭角に噴射させることができるようになっている。この圧縮空気によって搬送物CNの正規姿勢が崩れることを防止でき、搬送物CNの正規姿勢を保持した状態で、搬送物CNを搬送方向Fへ押し出すことができる。
【0037】
空気供給手段は図示しない供給管とホースとコンプレッサー等の空気供給装置とを有する。この供給管の一端は送り部材51の底面51Eから導入孔50aに差し込まれる。供給管の他端はホースに接続される。このホースは空気供給装置と接続される。このため、導入孔50aと供給管とホースと空気供給装置とが連通している。すなわち、空気供給装置を駆動すると、圧縮空気が空気供給装置からホースと供給管とを順次通って導入孔50aへ投入され、導入孔50aから噴射孔50bへ供給されるようになっている。この空気供給装置は圧縮空気を常時供給するように構成されている。これにより、前記噴射孔50bから圧縮空気が常時噴射している。なお、これら供給管とホースと空気供給装置とのいずれかの間に圧縮空気の流量を調節可能な電磁弁が設けられていてもよい。空気供給手段は導入孔50aと供給管とホースと空気供給装置と電磁弁とを含む概念に相当する。
【0038】
図7は他の送り部材を示す拡大斜視図である。
図7に示すように、他の送り部材61は長手方向に伸びる略直方体であり、送り部材51と同一の寸法を備えている。送り部材51は凹部51aと凹溝51bとが1セット設けられているが、この他の送り部材61は凹部61a,61a′と凹溝61b,61b′とが2セット設けられている。一方のセットの凹部61aと凹溝61bと、他方のセットの凹部61a′と凹溝61b′とは他の送り部材61の手前側に長手方向に間隔を空けて設けられている。他の送り部材61の凹部61a,61a′は送り部材51の凹部51aと同一であり、他の送り部材61の凹溝61b,61b′は送り部材51の凹溝51bと同一である。他の送り部材61は送り部材51と同一部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
この他の送り部材61は送り部材51と同様に、その正面61Bに対向部材52の背面52Bを突き当てた状態で第1のリニアフィーダ20の搬送体21に搭載される。このとき、他の送り部材61と対向部材52の間に導入孔60a,60a′と噴射孔60b,60b′とが2セット構成される。一方のセットの導入孔60aと噴射孔60bと、他方のセットの導入孔60a′と噴射孔60b′とは第1のリニアフィーダ20の搬送方向Fに間隔を空けて配置される。この導入孔60a,60a′は上述の導入孔50aと同一であり、噴射孔60b,60b′は上述の噴射孔50bと同一である。
【0040】
この状態において、他の送り部材61の斜面61Aと対向部材52の斜面52AとはV字状に対向配置され、V字状の溝を構成する。この溝は第1のリニアフィーダ20の搬送路22′の一部を構成する。この溝の底部、すなわち、搬送路22′の底部には2つの噴射孔60b,60b′が搬送方向Fに間隔を空けて開口している。これにより、同一の搬送物CNに対して圧縮空気を2回当てることができるようになっている。
【0041】
図8は搬送物を回転させる際の説明図である。
図8に示すように、振動式搬送装置10では搬送物CNが搬送路上を連なって搬送される。このとき、搬送物CNの前後に隙間がないと搬送物CNを回転させることができない。ここで、搬送物CNの正規姿勢は搬送物CNの長手方向が搬送方向F(水平方向)に伸びる姿勢であり、搬送物CNの不良姿勢は搬送物CNの長手方向が搬送方向Fに対して直交する方向(上下方向)に伸びる姿勢である。
図8では、3つの搬送物CNのうち、両側2つの搬送物CN,CNの姿勢が正規姿勢であり、真ん中の搬送物CNの姿勢が不良姿勢である。
【0042】
搬送物CNを不良姿勢から正規姿勢へ回転させる場合、搬送物CNの長手方向の長さをLとし、搬送物CNの傾斜角度をαtとし、搬送物CNの前後の隙間の距離をFr,Bkとすると、この距離Fr,BkはL/2・sinαtとなる(Fr=L/2・sinαt、Bk=L/2・sinαt)。搬送物CNの前側の隙間の距離Frと搬送物CNの後側の隙間の距離Bkとは同一である(Fr=Bk)。この前後の距離Fr,BkがL/2・sinαtより小さいと、搬送物CNが前後に連なる搬送物CN,CNにぶつかるので搬送物CNを回転させることができない。このため、搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,BkはL/2・sinαtより大きくする必要がある(Fr≧L/2・sinαt、Bk≧L/2・sinαt)。ここで、搬送物CNの傾斜角度αtは時間tとともに変化する。このため、搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,Bkは時間tとともに変化する。
【0043】
より具体的には、搬送物CNを不良姿勢から正規姿勢まで回転させると、搬送物CNの傾斜角度αtは0°から90°まで変化する。搬送物CNの傾斜角度αtが0°のときは搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,Bkが0となる(Fr=0,Bk=0)。搬送物CNの傾斜角度αtが30°のときは搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,BrがL/4となる(Fr=L/4,Bk=L/4)。搬送物CNの傾斜角度αtが45°のときは搬送物CNの前後の距離Fr,Bkが√2/4・Lとなる(Fr=√2/4・L,Bk=√2/4・L)。搬送物CNの傾斜角度αtが60°のときは搬送物CNの前後の距離Fr,Bkが√3/4・Lとなる(Fr=√3/4・L,Bk=√3/4・L)。搬送物CNの傾斜角度αtが90°のときは搬送物CNの前後の距離Fr,BkがL/2となる(Fr=L/2,Bk=L/2)。このため、搬送物CNの傾斜角度αtが0°から90°まで漸次変化することに伴って、搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,Bkが漸次大きくなる。これにより、搬送物CNの回転をスムーズに行わせるためには、搬送物CNの中心Qの回りの回転に伴って搬送物CNの前後の隙間の距離Fr,Brを大きくする必要がある。言い換えると、搬送物CNの中心Qの回りの回転に伴って搬送物CNの前後の間隔を広げる必要がある。
【0044】
図9(a)~
図9(c)は本実施形態の姿勢変更装置によって正規姿勢の搬送物が搬送される状態を示す説明図である。
図9(a)~
図9(c)に示すように、振動式搬送装置10の搬送路22の上を3つの搬送物CN1,CN2,CN3が連なって搬送されている状態において、正規姿勢の搬送物CN1が噴射孔50bの開口上に到達すると(
図9(a))、搬送物CN1は振動Vと圧縮空気Arとの両方によって搬送路22の上から搬送方向Fの斜め上方へ飛ばされて(
図9(b))、正規姿勢を保持した状態で搬送路32の上に着地する(
図9(c))。これにより、搬送物CN1は振動式搬送装置10の振動Vと圧縮空気Arとの両方によって搬送方向Fへ押し出されるので、搬送物CN1と後続の搬送物CN2との間の距離を広げることができる。
図9では、搬送物CN1と搬送物CN2との間の距離が距離Fr1から距離Fr2となる。3つの搬送物CN1,CN2,CN3のうちの真ん中の搬送物CN2から見ると、搬送物CN2の搬送方向前側の隙間の距離が大きくなる。
【0045】
図10(a)~
図10(c)は本実施形態の姿勢変更装置によって不良姿勢の搬送物が姿勢変更される状態を示す説明図である。
図10(a)~
図10(c)に示すように、振動式搬送装置10の搬送路22の上を3つの搬送物CN1,CN2,CN3が連なって搬送されている状態において、真ん中の搬送物CN2が不良姿勢であり、この搬送物CN2が噴射孔50bの開口上に到達すると(
図10(a))、搬送物CN2は振動Vと圧縮空気Arとの両方によって搬送路22の上から搬送方向Fの斜め上方へ飛ばされるとともに、圧縮空気Arによって搬送物CN2の中心Qの回りに回転して(
図10(b))、正規姿勢となった状態で搬送路22の上に着地する(
図10(c))。これにより、搬送物CN2は振動Vのみによって搬送される場合に比べて、圧縮空気Arによる搬送方向の推進力と、中心Qの回りに回転させる回転力とが付与されるので、搬送物CN2と後続の搬送物CN3との間の距離を広げることができるとともに、搬送物CN2を姿勢変更させることができる。
図10では、搬送物CN2と搬送物CN3との間の距離が距離Bk1から距離Bk2を経て距離Bk3となる。すなわち、搬送物CN2の搬送方向後側の隙間の距離が大きくなる。
【0046】
上述のように構成された姿勢変更装置50は、空気供給装置から圧縮空気を供給すると、圧縮空気がホースと導入管と導入孔50aと噴射孔50bとを順次通って搬送路22の底部から搬送方向Fに向かって斜め上方へ噴射する。
【0047】
本実施形態においては、振動式搬送装置10の搬送路22の底部に開口する噴射孔50bと、噴射孔50bに圧縮空気を供給する空気供給手段と、を有することにより、振動式搬送装置10の振動と噴射孔50bから噴射される圧縮空気との両方によって、搬送物CNを搬送方向Fへ押し出すことができる。
【0048】
この実施形態においては、振動式搬送装置10に搬送される搬送物CNは略直方体であり、長手方向が搬送方向Fに伸びる姿勢を正規姿勢とし、長手方向が搬送方向Fに対して直交する方向に伸びる姿勢を不良姿勢とする場合において、搬送物CNの長手方向の長さをLとし、搬送物CNの傾斜角度をαtとすると、搬送方向Fに連なる搬送物CNの間の距離Fr,BkがL/2・sinαtより大きくなるように噴射孔50bから圧縮空気Arが噴射することにより、圧縮空気Arによって搬送方向Fに連なる搬送物CNの間の距離Fr,Bkを広げて、不良姿勢の搬送物CNを障害なく回転させることができる。
【0049】
本実施形態においては、噴射孔50bは搬送方向Fを0°として下方から15°~25°の角度範囲内の傾斜角度θで搬送路22の下側から底部に伸びていることにより、搬送方向Fを0°として上方へ15°~25°の角度範囲内の傾斜角度θで搬送路22の底部から圧縮空気Arを噴射させることができるので、搬送物CNを必要以上に打ち上げてしまうことなく、搬送物CNの正規姿勢を保持した状態で、正規姿勢の搬送物CNを搬送方向Fへ押し出すことができるとともに、不良姿勢の搬送物CNを回転させることができる。
【0050】
この実施形態においては、噴射孔50bは圧縮空気Arが常時噴射しているので、噴射孔50bの上に到達した搬送物CNを圧縮空気Arによって連続して搬送方向Fへ押し出すことができる。
【0051】
本実施形態においては、噴射孔50bは凹溝51bが形成された送り部材51と対向部材52とを突き合わせて構成されており、噴射孔50bは凹溝51bの底面と内面と対向部材52の背面52Bとで囲まれることにより、1つのかたまりからなる部材に穿孔して噴射孔50bを形成する場合に比べて、噴射孔50bを容易に形成できる。
【0052】
尚、本実施形態の姿勢変更装置50は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態の噴射孔50b,60b,60b′は圧縮空気Arが常時噴射しているが、噴射孔50b,60b,60b′は圧縮空気Arが常時噴射していなくてもよく、搬送物CNの不良姿勢を検知する検出器の信号に基づいて空気供給手段の電磁弁等を制御することによって噴射孔50b,60b,60b′から圧縮空気Arを適宜噴射させるように構成されていてもよい。
【0053】
また、本実施形態では噴射孔50b,60b,60b′が振動式搬送装置10の搬送路22,22′の底部に1つ又は2つ設けられているが、3つ以上搬送方向Fに間隔を空けて設けられていてもよい。
【0054】
なお、本実施形態の送り部材51と他の送り部材61とにはそれぞれ凹部51a,61a,61a′と凹溝51b,61b,61b′とが形成されているが、それぞれ凹溝51b,61b,61b′のみが形成されていてもよい。
【0055】
また、本実施形態の姿勢変更装置50は、循環式搬送装置10の第1のリニアフィーダ20の搬送体21に搭載されているが、第2のリニアフィーダ30の搬送体31に搭載されていてもよいし、循環式搬送装置10ではなく、ボウルフィーダとリニアフィーダを有する振動式搬送装置のリニアフィーダに設けられていてもよいし、リニアフィーダのみからなる振動式搬送装置のリニアフィーダに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10,70…振動式搬送装置、20…第1のリニアフィーダ、21,31…搬送体、22,22′,23,32,72…搬送路、22a…下流端、30…第2のリニアフィーダ、40…ホッパー、50…姿勢変更装置、50a,60a,60a′…導入孔、50b,60b,60b′…噴射孔、51,61…送り部材、51a,61a,61a′…凹部、51b,61b,61b′…凹溝、51p…締結孔、51A,52A,61A…斜面、51B,61B…正面、51C,51D…端部、51E…底面、51F,52B…背面、52…対向部材、A…一点鎖線、Ar…圧縮空気、CN,CN1,CN2,CN3…搬送物、d,Fr,Fr1,Fr2,Bk,Bk1,Bk2,Bk3…距離、F,R…搬送方向、H1,H2…高さ、L…長さ、P1…第1の位置、P2…第2の位置、Q…中心、V…振動、W…幅、Up,Dw,In,Ot,Us,Ds…矢印、θ,αt…傾斜角度、t…時間。