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特開2023-167156情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167156
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078111
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】593092482
【氏名又は名称】JR東日本メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】大槻 達男
(72)【発明者】
【氏名】渡部 泰匡
(72)【発明者】
【氏名】信定 俊英
(72)【発明者】
【氏名】田作 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原田 祐希
(72)【発明者】
【氏名】相原 朋治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】旅客の輸送に係る移動体の運行に伴う乗務員の負担をより好適な態様で軽減可能とする。
【解決手段】旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置であって、前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する目的地設定手段と、を備え、前記目的地設定手段は、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている前記乗降地と前記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する、情報処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置であって、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する目的地設定手段と、
を備え、
前記目的地設定手段は、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている前記乗降地と前記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離がより近い乗降地を対象として、当該距離が前記閾値以下となった場合に、当該乗降地を次の目的地として設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リストには、前記複数の乗降地それぞれに関する情報が、次の目的地として設定される順序に応じて記録されており、
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち以前に次の目的地として設定されていない乗降地の中でより順序の早い乗降地を特定し、前記移動体と当該乗降地との距離が前記閾値以下となった場合に、当該乗降地を次の目的地として設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、既に次の目的地として設定された乗降地を、以降において新たな次の目的地として設定する候補から除外する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記閾値は、前記移動体の位置情報の取得に係る誤差よりも大きい値が設定される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置であって、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうちのいずれかの乗降地を前記移動体の次の目的地として設定する目的地設定手段と、
を備え、
前記目的地設定手段は、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている第1の乗降地と前記移動体との間の第1の距離よりも、当該第1の乗降地とは異なる第2の乗降地と当該移動体との間の第2の距離が短くなった場合に、当該第2の乗降地を新たな次の目的地として設定する、
情報処理装置。
【請求項7】
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうちの前記第1の乗降地以外の他の乗降地の中で、前記移動体との距離がより近い乗降地を前記第2の乗降地として設定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記リストには、前記複数の乗降地それぞれに関する情報が、次の目的地として設定される順序に応じて記録されており、
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち以前に次の目的地として設定されていない乗降地の中でより順序の早い乗降地を前記第2の乗降地として設定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記目的地設定手段は、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、既に次の目的地として設定された乗降地を、以降において新たな次の目的地として設定する候補から除外する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち次の目的地として設定されている乗降地に関する情報に基づき、前記移動体への旅客の乗降に係る情報を記録する記録手段を備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち次の目的地として設定されている乗降地に関する情報に基づき、運賃の決済を行う決済手段を備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置は、前記移動体に搭載された搭載機器である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記移動体は、車両であり、
前記乗降地は、前記車両の停留所である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持ステップと、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する目的地設定ステップと、
を含み、
前記目的地設定ステップは、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている前記乗降地と前記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する、
情報処理方法。
【請求項15】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持ステップと、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうちのいずれかの乗降地を前記移動体の次の目的地として設定する目的地設定ステップと、
を備え、
前記目的地設定ステップは、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている第1の乗降地と前記移動体との間の第1の距離よりも、当該第1の乗降地とは異なる第2の乗降地と当該移動体との間の第2の距離が短くなった場合に、当該第2の乗降地を新たな次の目的地として設定する、
情報処理方法。
【請求項16】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置に、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持ステップと、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する目的地設定ステップと、
を実行させ、
前記目的地設定ステップは、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている前記乗降地と前記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する、
プログラム。
【請求項17】
旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置に、
前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持ステップと、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうちのいずれかの乗降地を前記移動体の次の目的地として設定する目的地設定ステップと、
を実行させ、
前記目的地設定ステップは、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている第1の乗降地と前記移動体との間の第1の距離よりも、当該第1の乗降地とは異なる第2の乗降地と当該移動体との間の第2の距離が短くなった場合に、当該第2の乗降地を新たな次の目的地として設定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バス等の公共交通機関において、ICカード等の媒体を利用して運賃等のようなサービスの利用に伴う料金の収受を自動で行うため、自動運賃収受システム(AFC:Automated Fare Collection)と称される仕組みが導入されている。自動運賃収受システムを導入しているバスでは、運行系統に沿って次の目的地となる停留所を順次設定しなら運行が行われる状況下で、当該停留所に関する情報が車載機器に設定される。このようにして車載機器に順次設定された情報が、例えば、利用者が乗車または降車した停留所の特定や、運賃の計算、利用者の動体データの収集等に利用される。従来の手法では、例えば、運行系統においてバスが停車予定の停留所に関する情報が車載機器のメモリに記録されており、バスが次の停留所に向けて出発する際に、乗務員によるボタン操作等により、当該情報がICカードリーダや運賃表示器等の車載機器に設定される。
【0003】
一方で、乗務員が停車予定の停留所に関する情報(以下、停留所情報とも称する)を手動で車載機器に設定する方法については、安全運転や運行ダイヤの確認及び遵守、乗客の安全確認等といった多くの業務を担う乗務員の業務負担を増加させる要因となり得る。また、手動での操作がトリガーとなるため、操作忘れや誤操作等が生じる可能性も想定され得る。そのため、近年では、上記に例示したように乗務員が手動で行っている停留所情報の設定に係る操作を自動化するための仕組みも各種検討されている。特許文献1には、バスに搭載された測位器を利用して当該バスの走行位置を運行管理センターに送信し、当該走行位置を運行管理センターで地図上にマッピングして当該バスの現在地を特定することで、当該バスが次に停車する停留所を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-102411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、バス等のような旅客の輸送に係る移動体においては、例えば、山間部の運行時に移動体無線回線の通信状態が悪化する等、運行経路に応じてその時々の状況が変化し、外部との通信が必ずしも安定的に利用可能な状態を維持できるとは限らない。このような背景から、その時々の状況に応じて通信回線の状態が変化し得る状況下においても、バス等のような旅客の輸送に係る移動体の運行に伴う乗務員の負担(例えば、自動運賃収受システムの利用に係る負担)をより軽減可能とする仕組みの実現が求められている。
【0006】
本発明は上記の問題を鑑み、旅客の輸送に係る移動体の運行に伴う乗務員の負担をより好適な態様で軽減可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置であって、前記移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する保持手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、前記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する目的地設定手段と、を備え、前記目的地設定手段は、前記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている前記乗降地と前記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、旅客の輸送に係る移動体の運行に伴う乗務員の負担をより好適な態様で軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの概略的なシステム構成の一例を示した図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
図3】情報処理システムの機能構成の一例を示したブロック図である。
図4】次の目的地の設定に利用される情報の一例を示した図である。
図5】次の目的地の設定に係る処理の一例について説明するための図である。
図6】情報処理システムの処理の一例を示したフローチャートである。
図7】次の目的地の設定に係る処理の他の一例について説明するための図である。
図8】次の目的地の設定に係る処理の他の一例について説明するための図である。
図9】停留所情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<概要>
本開示の一実施形態に係る情報処理システムについて概要を以下に説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、バス等のような移動体を利用した旅客の輸送に係るサービスにおいて自動運賃収受システム(AFC)が導入される状況下において、当該移動体の乗務員の負担をより好適な態様で軽減可能とする仕組みを提供する。なお、以降の説明では、本実施形態に係る情報処理システムの特徴をより分かりやすくするために、便宜上、旅客の輸送に係る移動体がバスの場合に着目して各種説明を行うものとする。
【0012】
前述したように、自動運賃収受システムを導入している場合には、運行系統(運行経路)に沿って次の目的地となる停留所を順次設定しなら運行が行われる状況下で、当該停留所に対応する停留所情報が、車両(バス)に関連付けられた車載機器に設定される。なお、移動体がバスの場合においては、停留所が移動体への旅客の乗降が行われる「乗降地」の一例に相当する。
従来の手法としては、例えば、この車載機器への停留所情報の設定が、対象となる車両の乗務員による手動での操作により行われる手法が挙げられる。具体的には、停留所に停車している車両が次の目的地となる他の停留所に向けて出発する際に、乗務員が操作卓のボタン等を操作することで、車載機器に対して当該次の目的地となる他の停留所に対応する停留所情報が設定される。
【0013】
一方で、前述したように、このような手動での停留所情報の設定に係る操作は、安全運転や運行ダイヤの確認及び遵守、乗客の安全確認等といった多くの業務を担う乗務員にとっては負担となる場合がある。そのため、近年では、車両の運行状況に応じた車載機器への停留所情報の設定を、自動化するための仕組みも各種検討されている。
【0014】
具体的な一例として、車載機器が測位器等を利用して取得した車両の走行位置を運行管理センターに送信することで、当該運行管理センターが当該走行位置に基づき当該車両が次に停車する停留所を特定する技術が挙げられる。このような技術を適用することで、例えば、車載機器は、運行管理センターから次の目的地となる停留所に関する情報を取得して設定することも可能となる。しかしながら、車両の運行経路によっては無線通信の環境が常に良好な状態で維持されているとは限らず、当該車両と運行管理センターとの間の通信を確立することが困難となる事態の発生も想定され得る。具体的な一例として、山間部の運行時には、移動体無線回線の通信状態が悪化するような状況も想定され、このような状況下では、車載機器と運行管理センターとの間の通信の確立が困難となる場合もある。
【0015】
また、測位衛星を利用した位置測定についても誤差が生じる可能性がある。具体的な一例として、高精度の測位には4つの測位衛星からの電波の受信が必要となるが、一部の測位衛星からの電波の受信が何らかの理由により困難となることで、数十メートルの誤差が発生するような場合もある。また、電離層の影響や、都会のビル群等において建物で反射された電波が受信される所謂マルチパスの影響等によっても、位置測定に誤差が生じる場合がある。このような状況下では、例えば、都会の特に交差点や駅等のような複数の停留所が密集しているような場所において、次の目的地となる停留所の位置(標柱の位置)を特定することが困難となる場合もある。
【0016】
また、近年では、停留所に無線通信装置を設けて、停留所に接近する車両に向けて当該停留所から停留所情報を送信するような仕組みも検討されている。このような仕組みを利用することで、車載機器は、車両が接近した停留所から無線通信を介して停留所情報を取得して設定することも可能となる。しかしながら、このような手法を適用する場合には、運行系統上に配置された一連の停留所それぞれに対して機器の設置が要求されるため、導入コストがより高くなる傾向にある。また、停留所に設置された機器への電源供給が要求されるため、電源確保に係るコストも生じ、バッテリーにより電源供給が行われる場合には、バッテリー交換に係るコストも生じ得る。また、各停留所に設置された機器に対するデータの設定が要求される場合もあり、この機器へのデータの設定に係る運用コストが生じる可能性もある。
【0017】
以上のような状況を鑑み、本開示では、旅客の輸送に係る移動体の運行に自動運賃収受システムが導入される状況下において、当該自動運賃収受システムを機能させるための乗務員の負担をより好適な態様で軽減可能とする仕組みを提案する。
【0018】
ここで、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は、車載機器100と、情報処理装置310とを含む。
車載機器100は、旅客の輸送に係る車両190に搭載されている。すなわち、車載機器100は、運行の対象となる車両190ごとに個別に設けられており、当該車両190に関連付けられている。また、車載機器100は、関連付けられている車両190の位置情報を取得可能に構成されている。なお、車両190の位置情報を取得するための構成や方法については、特に限定はされない。具体的な一例として、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)のような測位システムを利用することで、車両190の位置情報を取得することが可能である。なお、本開示では、車載機器100は、GPSやGNSSのように測位衛星330から送信される電波を利用して、自身が搭載された車両190の位置情報を取得するものとする。
【0019】
情報処理装置310は、各車両190の運行を管理するための役割を担う情報処理装置を模式的に示している。情報処理装置310は、例えば、所謂サーバ等のようなネットワークを介して他の装置(特に、車載機器100)と通信が可能な情報処理装置により実現され得る。情報処理装置310と車載機器100とは、無線の通信経路を介して相互に情報を送受信可能に接続される。
また、情報処理装置310は、運行系統ごとに、車両190が停車予定の一連の停留所それぞれの位置情報をリストとして少なくとも含む停留所情報D210を管理している。情報処理装置310は、車両190が運行される運行系統に応じて、当該車両190に関連付けられた車載機器100に当該運行系統に対応する停留所情報D210を送信する。
【0020】
車載機器100は、自身が関連付けられた車両190の運行の管理に係る各種処理を実行する。特に、本実施形態に係る情報処理システム1においては、車載機器100は、車両190の運行状況に応じて、当該車両190が次の目的地とする停留所の設定または更新を行う。
具体的には、車載機器100は、車両190の運行開始前に、情報処理装置310から当該車両190が運行される運行系統に対応する停留所情報D210を取得する。車載機器100は、取得した停留所情報D210を参照することで、車両190が運行時に逐次次の目的地として設定する停留所、すなわち運行時に車両190が停車予定の停留所を認識する。また、前述したように、車載機器100は、測位衛星330から送信される電波を利用して、その時々の車両190の位置情報(特に、運行中の車両190の位置情報)を取得する。そのうえで、車載機器100は、車両190の位置情報と、停留所情報D210に記録された各停留所の位置情報とを照合することで、当該車両190が次の目的地とする停留所の設定または更新を行う。なお、車載機器100の処理については詳細を別途後述する。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、図1に示した本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各種情報処理装置(例えば、車載機器100及び情報処理装置310)として適用可能な情報処理装置900のハードウェア構成の一例について説明する。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、インターフェース装置902と、HD(Hard Disk)903と、ROM(Read Only Memory)908と、RAM(Random Access Memory)909とを備える。また、情報処理装置900は、入力装置904と、出力装置905と、のうちの少なくともいずれかを備えてもよい。また、情報処理装置900は、記録媒体ドライブ装置906を備えてもよい。
【0022】
CPU901は、情報処理装置900の各種動作を制御する。ROM908は、CPU901で実行可能な制御プログラムやブートプログラム等を記憶する。RAM909は、CPU901の主記憶メモリであり、ワークエリアまたは各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。HD903は、各種データや各種プログラムを記憶する。
CPU901は、HD903に記憶されているプログラムを読み出してRAM909に展開し、当該プログラムを実行する。これにより、図4を参照して後述する各機能や、図6を参照して後述する処理が実現される。
なお、HD903に替えて、またはHD903とともに、SSD(Solid State Drive)に代表される不揮発性メモリ等のような、HD903以外の他の記憶装置が利用されてもよい。
【0023】
インターフェース装置902は、情報処理装置900を各種ネットワークに接続させるためのインターフェースである。インターフェース装置902として適用されるデバイスは、情報処理装置900を接続させるネットワークの種別や適用される通信方式に応じて適宜変更されてもよい。具体的な一例として、対象となるネットワークが有線のネットワークの場合には、インターフェース装置902は、伝送路として利用されるケーブルを接続するコネクタ、当該ケーブルを介したデータの受信に係るデバイス、及び当該ケーブルを介したデータの送信に係るデバイス等を含み得る。また、他の一例として、対象となるネットワークが無線のネットワークの場合には、インターフェース装置902は、アンテナ装置やRF回路等のような無線通信を実現するための各種デバイスを含み得る。
【0024】
入力装置904は、ユーザ(例えば、情報処理装置900の管理者)からの指示を受け付けるための装置である。入力装置904は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、及びペダル等の操作デバイスにより実現され得る。また、入力装置904として適用されるデバイスは、情報処理装置900に対してユーザが指示を行う方法(換言すると、情報処理装置900の操作方法)に応じて適宜変更されてもよい。例えば、情報処理装置900が、音声入力によりユーザからの指示を受け付ける場合には、入力装置904は、マイクロフォン等のような音声の入力を受け付ける集音デバイスにより実現され得る。
【0025】
出力装置905は、ユーザ(例えば、情報処理装置900の管理者)に対して各種情報を提示するための装置である。出力装置905は、例えば、ディスプレイ等のように、各種表示情報や画面等を表示することでユーザに情報を提示する表示デバイスにより実現され得る。また、出力装置905として適用されるデバイスは、ユーザに対して情報を提示する方法に応じて適宜変更されてもよい。例えば、音声や電子音等の音響によりユーザに対する情報の提示が行われる場合には、出力装置905は、スピーカ等のような音響を出力する音響出力デバイスにより実現され得る。
【0026】
情報処理装置900のプログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、及びICカードメモリ等の記録媒体907によって情報処理装置900に提供されるか、またはネットワーク等を介してダウンロードされる。記録媒体907によって情報処理装置900のプログラムが提供される場合には、記録媒体907が記録媒体ドライブ装置906にセットされることで、当該記録媒体907に記録されたプログラムが記録媒体ドライブ装置906を介してHD903にインストールされる。
【0027】
なお、図2に示す構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システム1を構成する情報処理装置のハードウェア構成を限定するものではない。具体的な一例として、入力装置904や出力装置905等のような一部の構成要素が含まれていなくてもよい。また、他の一例として、情報処理装置900が実現する機能に応じた構成要素が適宜追加されてもよい。
【0028】
以上、図2を参照して、図1に示した本実施形態に係る情報処理システム1を構成する車載機器100や情報処理装置310として適用可能な情報処理装置900のハードウェア構成の一例について説明した。
【0029】
<機能構成>
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例について、特に図1に示した車載機器100の構成に着目して説明する。図1に示すように、車載機器100は、通信部101と、位置情報取得部102と、制御部106と、記憶部104とを含む。また、車載機器100は、出力部105を含んでもよい。また、図3に示す例では、車載機器100は、第1のリーダ・ライタ103aと、第2のリーダ・ライタ103bとを含む。
【0030】
通信部101は、車載機器100の構成要素が、所定のネットワークを介して外部装置(例えば、図1に示す情報処理装置310)と各種情報を送受信するためのインターフェースである。なお、以降の説明では、車載機器100の各構成要素が、ネットワークを介して外部装置との間で情報の送受信を行う場合には、特に説明がない限りは、通信部101を介して当該情報の送受信が行われるものとする。また、通信部101は、例えば、インターフェース装置902により実現され得る。
【0031】
位置情報取得部102は、車載機器100が関連付けられた車両190の位置情報を取得するための構成要素を模式的に示している。なお、図1を参照して前述したように、車両190の位置情報を取得することが可能であれば、そのための方法は特に限定されず、当該方法に応じて位置情報取得部102の構成が適宜変更されてもよい。具体的な一例として、GPSやGNSSのような測位システムが車両190の位置情報の取得に利用されてもよく、この場合には、位置情報取得部102が測位衛星330から送信される電波を受信するための構成を有していてもよい。
【0032】
記憶部104は、各種データを記憶するための記憶領域を模式的に示している。例えば、記憶部104は、車載機器100の構成要素が処理を実行するためのデータやプログラムを記憶してもよい。具体的な一例として、記憶部104は、情報処理装置310からネットワークを介して送信される停留所情報D210を記憶してもよい。また、他の一例として、記憶部104は、位置情報取得部102により所定の契機ごとに逐次取得される車両190の位置情報を保持してもよい。記憶部104は、例えば、HD903により実現され得る。
【0033】
出力部105は、車両190の乗務員や当該車両190に乗車した旅客に対して各種情報を提示するための出力インターフェースを模式的に示している。具体的な一例として、旅客に対して各種案内(例えば、車両190が次の停留所で停車することを示す案内等)を報知するためのスピーカや表示パネルは、出力部105の一例に相当する。出力部105は、例えば、出力装置905により実現され得る。
【0034】
第1のリーダ・ライタ103a及び第2のリーダ・ライタ103bは、車両190への旅客の乗り降りに際して、乗車券として用いられる媒体からのデータの読み取りや、当該媒体へのデータの書き込み等を行う。なお、図3に示す例では、第1のリーダ・ライタ103aは、車両190の乗車口に設置され、当該車両190へ旅客が乗る際における上記媒体からのデータの読み取りや、当該媒体へのデータの書き込みを行う。また、第2のリーダ・ライタ103bは、車両190の降車口に設置され、当該車両190から旅客が降りる際における上記媒体からのデータの読み取りや、当該媒体へのデータの書き込みを行う。
上記媒体としては、例えば、非接触通信式のICカードが用いられ得る。この場合には、第1のリーダ・ライタ103a及び第2のリーダ・ライタ103bのそれぞれは、非接触通信とも称される短距離無線通信により、ICカードに埋め込まれたチップを対象としてデータの読み書きを行う。また、他の一例として、上記媒体として、バーコード(1次元コード)や2次元コードが利用されてもよい。この場合には、第1のリーダ・ライタ103a及び第2のリーダ・ライタ103bのそれぞれは、撮像装置やスキャナ等により、上記に例示したコードを読み取ったうえで、当該コードからデータを復号してもよい。もちろん、上記はあくまで一例であり、乗車券として用いられる媒体の種別は特に限定されず、当該媒体の種別に応じて、第1のリーダ・ライタ103a及び第2のリーダ・ライタ103bの構成が適宜変更されてもよい。
なお、以降では、便宜上、上記媒体として非接触通信式のICカードが用いられるものとして各種説明を行う。
【0035】
制御部106は、車載機器100が提供する機能の実現に係る各種処理の制御を行う。制御部106は、距離算出部107と、目的地設定部108と、乗降記録部109と、決済処理部110と、出力制御部111とを含む。
【0036】
距離算出部107は、位置情報取得部102により取得された車両190の位置情報と、事前に取得された停留所情報D210に記録された停留所の位置情報とに基づき、当該停留所と当該車両190との間の距離を算出する。
【0037】
目的地設定部108は、距離算出部107による車両190と停留所情報D210に位置情報が記録された停留所との間の距離の算出結果に基づき、当該車両190の次の目的地の設定や更新を行う。
例えば、目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、車両190との距離が閾値以下の停留所(すなわち、車両190の位置を基準として所定の範囲内の停留所)を、当該車両190の次の目的地として設定してもよい。また、目的地設定部108は、車両190の移動に伴い、次の目的地として設定されている停留所と当該車両190との間の距離が閾値を超えた場合には、当該停留所を次の目的地とする設定を解除してもよい。
なお、目的地設定部108による次の目的地の設定や更新に係る処理については、詳細を別途後述する。
【0038】
乗降記録部109は、車両190への旅客の乗り降りの記録に係る処理を実行する。具体的には、乗降記録部109は、旅客が車両190への乗車に際してICカードを第1のリーダ・ライタ103aに読み取らせると、そのときに次の目的地として設定されている停留所を示す情報を、当該旅客が当該車両190に乗った停留所として記録する。また、乗降記録部109は、旅客が車両190からの降車に際してICカードを第2のリーダ・ライタ103bに読み取らせると、そのときに次の目的地として設定されている停留所を示す情報を、当該旅客が当該車両190を降りた停留所として記録する。
なお、車両190への乗り降りに関する情報の記録方法については特に限定はされない。具体的な一例として、ICカードに埋め込まれたチップに上記情報が記録されてもよい。また、他の一例として、車載機器100に設けられた記憶領域(例えば、記憶部104)に上記情報が記録されてもよい。
【0039】
決済処理部110は、運賃の決済に係る処理を実行する。具体的には、決済処理部110は、乗降記録部109により車両190から旅客が降りた停留所が記録されると、当該停留所と、当該旅客が当該車両190に乗った停留所とのそれぞれの情報に基づき運賃を算出する。この際に、決済処理部110は、旅客が車両190への乗り降りに使用したICカードに記録された当該旅客に関する情報を、運賃の算出に利用してもよい。具体的な一例として、決済処理部110は、旅客が学生、老人、身体障害者等のように運賃の割引の対象となる場合に、当該旅客に関する情報に基づき運賃を割り引いてもよい。そして、決済処理部110は、算出された運賃の決済を行う。
【0040】
出力制御部111は、出力部105に各種情報を出力させることで、車両190の乗務員や当該車両190に乗っている旅客に対して当該情報を報知する。具体的な一例として、出力制御部111は、乗降記録部109により次の目的地として設定された停留所に関する情報を、車両190の車内に設置されたディスプレイやスピーカを介して、当該車両190に乗っている旅客に報知してもよい。また、他の一例として、出力制御部111は、乗降記録部109により次の目的地として設定された停留所に関する情報を、操作パネル等を介して、当該車両190の乗務員に通知してもよい。
【0041】
以上、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例について、特に図1に示した車載機器100の構成に着目して説明した。なお、上述した構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システムの機能構成を限定するものではない。具体的な一例として、車載機器100の一連の構成要素が、複数の装置が協働することで実現されてもよい。具体的な一例として、車載機器100の一連の構成要素のうち、一部の構成要素が当該車載機器100に対して外付けされていてもよい。また、他の一例として、車載機器100の一連の構成要素のうち、少なくとも一部の構成要素の処理に係る負荷が、複数の装置に分散されてもよい。また、他の一例として、車載機器100により提供される機能に応じて、構成要素が適宜追加されてもよい。
【0042】
<目的地の設定または更新処理>
図4及び図5を参照して、車載機器100が、車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地となる停留所を設定または更新する処理についてより詳細に説明する。
【0043】
まず、図4を参照して、車載機器100が車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新に利用する情報について説明する。
前述したように、車載機器100は、自身が関連付けられた車両190の運行開始前に、情報処理装置310からネットワークを介して、当該車両190が運行される運行系統に対応する停留所情報D210を取得する。当該停留所情報D210には、当該車両190が運行中に停車予定の一連の停留所がリストとして規定されており、当該一連の停留所それぞれについて位置情報が記録されている。
また、車載機器100は、車両190の運行が開始されると、所定の契機ごとに当該車両190の位置情報(以下、位置情報D230とも称する)を取得する。位置情報D230の取得は、例えば、測位システムを利用することで取得される。この場合には、車載機器100の位置情報取得部102は、測位衛星330から送信される電波を利用して、当該車載機器100が搭載された車両190の位置情報を取得することとなる。
車載機器100は、停留所情報D210に規定された停留所の位置情報と、車両190の位置情報D230と、に基づき、当該停留所と当該車両190の間の距離を算出する。そのうえで、車載機器100は、停留所情報D210に位置情報が規定された停留所と、車両190と、の間の距離の算出結果を利用して、当該車両190が次の目的地とする停留所(次に停車予定の停留所)の設定または更新を行う。
【0044】
次いで、図5を参照して、車載機器100による、車両190の運行状況に応じた、当該車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新に係る処理について具体的な例を挙げて説明する。図5では、車両190の運行状況を模式的に示している。
位置P11は、車両190に搭載された車載機器100により取得された当該車両190の位置情報が示す実空間における位置(換言すると、車両190の測位結果が示す位置)を模式的に示している。図5に示すように、車両190の測位結果には、当該車両190の実際の位置に対して誤差が生じる場合がある。
領域R12は、車両190の測位結果が示す位置P11を基点として距離が閾値以下となる範囲を模式的に示している。なお、当該閾値の設定方法の詳細については後述する。
停留所350a~350cのそれぞれは、領域R12内に位置する停留所を模式的に示している。図5に示す例では、停留所350aが車両190の運行系統において停車予定の停留所として規定されており、停留所350b及び350cについては停車予定の停留所として規定されていない。そのため、車両190に関連付けられた車載機器100が事前に取得した停留所情報D210には、停留所350aについて位置情報が記録されおり、停留所350b及び350cについては位置情報が記録されていないこととなる。
【0045】
車載機器100の目的地設定部108は、車両190の移動に伴い、図5に示すように、車両190と停留所情報D210に位置情報が記録された停留所350aとの間の距離が閾値以下となると、当該停留所350aを当該車両190の次の目的地として設定する。この際に、車両190との距離が閾値以下となる領域R12内には、停留所350aに加えて、停留所350b及び350cが存在している。しかしながら、停留所350b及び350cについては、従前に取得された停留所情報D210に位置情報が記録されていないため、車両190の次の目的地の設定対象となる候補から除外されることとなる。
そして、車両190が停留所350aに停車した後に、当該停留所350aから移動を開始すると、当該車両190の移動に伴い、当該車両190と当該停留所350aとの距離が閾値を超えることとなる。このように、次の目的地として設定されている停留所350aと車両190との間の距離が閾値を超えると、目的地設定部108は、当該停留所350aを次の目的地とする設定を解除する。
以上のようにして、目的地設定部108は、当該車載機器100が関連付けられた車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新を行う。
【0046】
また、目的地設定部108は、車両190との距離が閾値以下となる領域内に停車予定の停留所が存在しない状況下においても、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうちの一部を、以降における目的地の候補として設定してもよい。
例えば、目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、車両190との距離がより短い停留所を、以降における目的地の候補として設定してもよい。具体的な一例として、目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、車両190との距離が最も短い停留所を次の目的地の候補として設定し、当該停留所の次に車両190との距離が短い他の停留所を更に次の目的地の候補として設定してもよい。
この場合には、目的地設定部108は、次の目的地の候補として設定された停留所と車両190との距離が閾値以下となった場合に、当該停留所を次の目的地とする設定を確定させる。また、目的地設定部108は、車両190がさらに移動することで、次の目的地として設定された停留所と車両190との距離が閾値を超えた場合に、当該停留所を次の目的地とする設定を解除する。この際に、目的地設定部108は、更に次の目的地の候補として設定された停留所を、次の目的地の候補に更新したうえで、当該停留所の次に車両190との距離が短い他の停留所を、更に次の目的地の候補として設定することとなる。
【0047】
なお、前述したように、車両190の測位には誤差が生じる場合がある。そのため、目的地設定部108が車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新の判定に利用する、当該車両190と停留所との間の距離の閾値については、当該車両190の測位において想定される誤差よりも大きい値を適用することが望ましい。
例えば、運行系統上の停留所間の間隔が数百メートル以上あり、車両190の測位において想定される誤差が数十メートル程度である場合には、停留所間の間隔を超えない範囲で、車両190の測位に係る誤差よりも大きい値が上記閾値として適用されるとよい。このような閾値が適用されることで、車両190の測位結果と、当該車両190との位置との間に誤差が生じたとしても、当該誤差を許容したうえで、当該車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新を行うことが可能となる。
【0048】
また、目的地設定部108が車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新に係る判定を逐次行う時間間隔については、運行中の車両190の次の目的地となる停留所を正しく設定するために十分に短い時間間隔に設定されることが望ましい。
具体的な一例として、車両190が時速60キロメートルで走行中の場合には、30秒間に500メートル走行することとなる。この場合には、例えば、次に停車予定の停留所までの距離が500メートル以下の場合には、車両190が停留所を発車直後に次の目的地となる停留所の設定または更新に係る判定を行うと、次の停留所に車両190が到着するまで次の判定が行われないこととなる。このような場合には、車両190と次に停車予定の停留所との間の距離が閾値以下となったか否かの判定が行われない場合がある。このような場合においては、目的地設定部108が車両190の次の目的地となる停留所の設定または更新を正しく行うために、少なくとも30秒よりもさらに短い時間間隔で上記判定が行われることが要求される。そのため、目的地設定部108が上記判定を逐次行う時間間隔については、例えば、想定される車両190の運行速度や、次の目的地となる停留所の設定または更新の判定に利用される距離の閾値等に応じて決定されてもよい。
【0049】
以上、図4及び図5を参照して、車載機器100が、車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地となる停留所を設定または更新する処理についてより詳細に説明した。
【0050】
<処理>
図6を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例について、特に車載機器100の処理に着目して説明する。
【0051】
S101において、目的地設定部108は、情報処理装置310からネットワークを介して、対象となる車両190(すなわち、車載機器100が関連付けられた車両190)が運行される運行系統に対応する停留所情報D210を取得する。
なお、S101の処理は、車両190の運行開始前に実行される。そして、車両190の運行が開始されると、S102~S106の処理が実行される。
【0052】
S102において、距離算出部107は、車両190の現在位置の測位結果に応じた位置情報D230を取得する。
S103において、距離算出部107は、S102にて取得された車両190の位置情報D230と、S101にて取得された停留所情報D210に位置情報が記録された停留所と、の間の距離を算出する。
【0053】
S104において、目的地設定部108は、S103における距離の算出結果に基づき、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、車両190との間の距離が閾値以下となる停留所が検出されたか否かを判定する。
目的地設定部108は、S104において車両190との間の距離が閾値以下となる停留所が検出されたと判定した場合には、処理をS105に進める。この場合には、S105において、目的地設定部108は、車両190との間の距離が閾値以下と判定された停留所を、当該車両190の次の目的地として設定する。
一方で、目的地設定部108は、S104において車両190との間の距離が閾値以下となる停留所が検出されていないと判定した場合には、処理をS106に進める。この場合には、S105の処理はスキップされる。
【0054】
S106において、目的地設定部108は、車両190の運行が終了したか否かを判定する。
目的地設定部108は、S106において車両190の運行が終了していないと判定した場合には、処理をS102に進める。これにより、車両190の運行が終了するまで、S102~S106の処理が、所定の契機ごとに逐次実行されることとなる。
そして、目的地設定部108は、S106において車両190の運行が終了したと判定した場合には、図6に示す一連の処理を終了する。
【0055】
以上、図6を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例について、特に車載機器100の処理に着目して説明した。
【0056】
<変形例>
本実施形態に係る情報処理システムの変形例について以下に説明する。
【0057】
(変形例1)
まず、変形例に1に係る情報処理システムについて説明する。前述した実施形態では、車両190と停留所情報D210に位置情報が記録された停留所と間の距離が閾値以下となる場合に、当該停留所が当該車両190の次の目的地として設定される場合の一例について説明した。これに対して、変形例1では、車両190と、停留所情報D210に位置情報が記録された2つの停留所それぞれと、の間の位置関係に応じて、当該車両190の次の目的地の設定または更新が行われる場合の一例について説明する。
【0058】
本変形例に係る目的地設定部108は、次の目的地として設定されている第1の停留所と車両190との距離よりも、当該第1の停留所とは異なる第2の停留所と当該車両190との距離が短くなった場合に、当該第2の停留所を当該車両190の新たの次の目的地として設定する。
【0059】
ここで、図7を参照して、本変形例に係る目的地設定部108による、車両190の次の目的地の設定または更新に係る処理について、具体的な例を挙げてより詳しく説明する。図7において、停留所350d~350eのそれぞれは、車両190の運行系統に対応する停留所情報D210に位置情報が記録された停留所(すなわち、車両190が停車予定の停留所)を模式的に示している。なお、図7に示す例では、車両190は、停留所350d、350e、及び350fのそれぞれに対して、この順序で停車予定として運行が計画されているものとする。また、図7に示す例では、車両190と停留所350dとの間の距離を距離L11として示し、当該車両190と停留所350eとの間の距離を距離L12として示すものとする。
【0060】
例えば、車両190が停留所350dに向けて移動中の場合には、当該車両190と停留所350dとの間の距離L11と、当該車両190と停留所350eとの間の距離L12と、の間の大小関係はL11<L12となる。そのため、この場合には、目的地設定部108は、停留所350dを車両190の次の目的地の候補として設定し、停留所350eを更に次の目的地の候補として設定している。すなわち、車両190の移動に伴い、当該車両190と停留所350dとの間の距離がより短くなることで、当該停留所350dを当該車両190の次の目的地とする設定が確定されることとなる。
【0061】
そのうえで、車両190が停留所350dに停車した後に当該停留所350dを出発するか、もしくは車両190が停留所350dに停車せずに通過すると、車両190の移動に伴い、当該車両190と当該停留所350dとの間の距離がより長くなる。また、この際に、車両190は、更に次の目的地の候補となる停留所350eに向けて移動しているため、当該移動に伴い、当該車両190と当該停留所350eとの間の距離がより短くなる。このような状況下で、車両190が停留所350eに向けて更に移動すると、あるタイミングにおいて、距離L11と距離L12との間の大小関係がL11≧L12となる。
【0062】
このように、車両190の次の目的地として設定されている停留所350dとの間の距離L11よりも、他の停留所350eとの間の距離L12が短くなった場合に、目的地設定部108は、当該停留所350eを当該車両190の新たな次の目的地として設定する。また、この際に、目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうちの、その時点でまだ次の目的地として設定されていない停留所の中から、車両190との距離がより短い停留所を、更に次の目的地の候補として設定する。具体的な一例として、目的地設定部108は、その時点でまだ次の目的地として設定されていない停留所のうち、車両190との距離が最も短い停留所を、更に次の目的地の候補として設定してもよい。また、他の一例として、目的地設定部108は、車両190との距離がその時点で次の目的地として設定されている停留所に次いで短い他の停留所を、更に次の目的地の候補として設定してもよい。
【0063】
以上のような仕組みにより、例えば、停留所での旅客の乗降が発生しないため車両190が当該停留所に停車せずに通過するような状況下においても、車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地となる停留所を適宜更新することが可能なる。
以上、図7を参照して、変形例1に係る情報処理システムの一例について説明した。
【0064】
(変形例2)
次いで、変形例2に係る情報処理システムの一例について説明する。前述した実施形態では、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、車両190の距離がより近い停留所が、当該車両190の次の目的地の候補として設定される場合の一例について説明した。一方で、車両190の運行経路によっては、必ずしも当該車両190により近い停留所が、当該車両190の次の目的地となる停留所とは限らない。具体的には、屈曲した複雑な運行経路に沿って車両190が運行される状況下では、単純な位置情報の比較上における各停留所と車両190との距離の大小関係が、運行経路に沿って移動した場合の各停留所と車両190との距離との大小関係と一致するとは限らない。このような状況を鑑み、本変形例では、運行経路に沿って運行される車両190が停車する停留所の順序を考慮して、当該車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地となる停留所を設定する場合の一例について説明する。
【0065】
例えば、図8は、本変形例に係る目的地設定部108による、車両190の次の目的地の設定または更新に係る処理について、概要を説明するための説明図である。具体的には、図8は、車両190が屈曲する運行経路に沿って運行される状況を模式的に示している。図8に示す例では、車両190が停留所350g、350h、350i、及び350jのそれぞれにこの順序で停車するように運行が計画されており、次の目的地として設定されている停留所350hを車両190が発車した直後の状況を示している。すなわち、図8に示す例では、停留所350hを発車した車両190の次の目的地は、運行計画上では停留所350iとなる。
また、図8に示す例では、車両190と停留所350h、350i、350g、及び350jそれぞれとの間の位置情報の比較に基づく距離を、距離L21、L22、L23、及びL24として示している。なお、距離L23及びL24のそれぞれは、距離L22よりも短いものとする。
【0066】
図8に示すような状況下では、車両190と本来の次の目的地となる停留所350iとの距離L22によりも、車両190と停留所350jとの距離L24や、車両190と停留所350gとの間の距離L23の方が短くなっている。そのため、車両190との距離がより短い停留所が当該車両190の次の目的地として設定される場合には、本来の次の目的地となる停留所350iに替えて、停留所350gや停留所350jが次の目的地として設定されることとなり得る。そのため、本変形例では、運行経路に沿って運行される車両190が停車する停留所の順序を考慮して停留所情報D210が規定され、目的地設定部108は、当該停留所情報D210に基づき、車両190の運行状況に応じて、当該車両190の次の目的地を順次設定する。
【0067】
例えば、図9は、本変形例に係る情報処理システムにおいて適用される停留所情報D210の一例について説明するための説明図である。なお、図9に示す例では、車両190は、「BusStop_L」~「BusStop_Q」として示された一連の停留所それぞれに対して、この順序で停車するように運行が計画されているものとする。
図9(a)は、運行経路に沿って運行される車両190が停車する停留所の順序を考慮せずに規定された停留所情報D210の一例を示している。すなわち、図9(a)に示す停留所情報D210は、前述した実施形態において適用され得る停留所情報D210の一例に相当し、各停留所に関する情報がランダムに並べられたリストして規定されている。
これに対して、図9(b)及び図9(c)は、運行経路に沿って運行される車両190が停車する停留所の順序を考慮して規定された停留所情報D210の一例を示している。
【0068】
具体的には、図9(b)に示す例では、停留所情報D210には、各停留所に関する情報が、運行経路に沿って運行される車両190が停車する順序に従って並べられたリストとして記録されている。この場合には、目的地設定部108は、車両190の次の目的地となる停留所(または、次の目的地の候補となる停留所)を設定する契機において、停留所情報D210に規定された一連の停留所それぞれに関する情報を、リストとして並べられた順序に従って読み出せばよい。
【0069】
また、図9(c)に示す例では、停留所情報D210にリストとして記録された一連の停留所それぞれに関する情報に対して、運行経路に沿って運行される車両190が当該停留所に停車する順序を示す情報が紐付けられている。この場合には、目的地設定部108は、車両190の次の目的地となる停留所(または、次の目的地の候補となる停留所)を設定する契機において、上記順序を示す情報に従い、当該次の目的地となる停留所に関する情報を読み出せばよい。
【0070】
以上のような仕組みにより、図8に示すような複雑な運行経路が適用される場合においても、車両190の運行状況に応じて、その時々で当該車両190が次の目的地とする停留所を、運行計画として規定された順序に従って設定することが可能となる。
以上、図8及び図9を参照して、変形例2に係る情報処理システムの一例について説明した。
【0071】
(変形例3)
次いで、変形例3に係る情報処理システムの一例について説明する。前述したように、本実施形態に係る情報処理システムにおいて、停留所情報D210には、対象となる車両190の運行系統に応じて停車予定となる一連の停留所それぞれの位置情報がリストとして記録されている。一方で、車両190の運行が進むと、停留所情報D210には、既に次の目的地として設定されたうえで車両190が停車または通過した停留所に関する情報と、まだ次の目的地として設定されていない停留所に関する情報とが混在することとなる。そこで、本変形例に係る車載機器100の目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、既に次の目的地として設定された停留所を、以降において新たな次の目的地として設定する候補から除外する。
【0072】
具体的には、車両190が次の目的地として設定されている停留所に到着し、その後に、当該車両190が当該停留所から出発して、当該車両190と当該停留所との間の距離が閾値を超えると、当該停留所を当該車両190の次の目的地とする設定が解除される。この際に、本変形例に係る目的地設定部108は、次の目的地とする設定を解除した停留所を、以降に新たな次の目的地として設定する候補から除外する。
具体的な一例として、目的地設定部108は、次の目的地とする設定を解除した停留所に関する情報を、停留所情報D210から削除してもよい。また、他の一例として、目的地設定部108は、停留所情報D210に記録された一連の停留所それぞれに関する情報のうち、次の目的地とする設定を解除した停留所に関する情報に対して、除外対象とするフラグを設定してもよい。
【0073】
以上のような仕組みにより、目的地設定部108は、停留所情報D210に位置情報が記録された一連の停留所のうち、既に次の目的地として設定された停留所については、以降に新たな次の目的地として設定するか否かの判定の対象から除外することが可能となる。これにより、車載機器100の処理負荷をより軽減する効果が期待できる。
以上、変形例3に係る情報処理システムの一例について説明した。
【0074】
<むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システムにおいて、旅客の輸送に係る移動体に関連付けられた情報処理装置(例えば、車載機器100)は、移動体への旅客の乗降が行われる複数の乗降地それぞれについて位置情報が記録されたリストを保持する。また、情報処理装置は、上記移動体の位置情報を取得する。また、情報処理装置は、上記リストに位置情報が記録された前記複数の乗降地のうち、上記移動体との距離が閾値以下の乗降地を、当該移動体の次の目的地として設定する。そのうえで、情報処理装置は、上記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている上記乗降地と上記移動体との間の距離が閾値を超えた場合に、当該乗降地を次の目的地とする設定を解除する。
また、上記情報処理装置は、上記移動体の移動に伴い、次の目的地として設定されている第1の乗降地と上記移動体との間の第1の距離よりも、当該第1の乗降地とは異なる第2の乗降地と当該移動体との間の第2の距離が短くなった場合に、当該第2の乗降地を新たな次の目的地として設定してもよい。
【0075】
以上のような構成により、本変形例に係る情報処理システムに依れば、旅客の輸送に係る移動体の運行に自動運賃収受システムが導入される状況下においても、当該移動体の運行状況に応じて、次の目的地となる乗降地を自動で設定することが可能となる。すなわち、本変形例に係る情報処理システムに依れば、自動運賃収受システムを機能させるための乗務員の負担をより好適な態様で軽減することが可能となる。
また、本変形例に係る情報処理システムにおいては、上記移動体の次の目的地となる乗降地の設定を、当該移動体に関連付けられた情報処理装置(例えば、車載機器100)が、その時々の状況に応じて自律的に実行する。そのため、停留所に無線通信装置を設けることで、停留所に接近する車両に向けて当該停留所から停留所情報を送信するような仕組みを適用する場合に比べて、より簡素な構成により実現することが可能となり、実現に係るコストもより低く抑えることが可能となる。
また、移動体に関連付けられた情報処理装置が自律的に動作する特性上、当該情報処理装置が必ずしも外部装置(例えば、運行管理センター)と常に通信可能な状況を維持する必要が無い。そのため、例えば、山間部を移動体が運行される場合のように、移動体無線回線の通信状態が悪化するような状況下においても、自動運賃収受システムを機能させるための処理を安定的に動作させることが可能となる。
【0076】
なお、上記では、旅客の輸送に係る移動体としてバスが適用される場合の一例について説明したが、必ずしも本実施形態に係る情報処理システムの適用対象を限定するものではない。例えば、旅客の輸送に係る移動体として、電車等のようなバス以外の車両が適用されてもよく、車両のみに限らず、例えば、船舶や航空機等が適用されてもよい。すなわち、旅客の輸送に係る移動体の運行状況に応じて、当該移動体の次の目的地(例えば、バスにおける停留所等)が逐次設定または更新されるようなユースケースであれば、本実施形態に係る情報処理システムを適用することが可能である。
【0077】
また、上述した実施形態はあくまで一例であり、必ずしも本発明の構成や処理を限定するものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形や変更が加えられてもよい。
また、本発明には、上述した実施形態の機能を実現するプログラム、および、該プログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理システム、100 車載機器、101 通信部、102 位置情報取得部、103a 第1のリーダ・ライタ、103b 第2のリーダ・ライタ、104 記憶部、105 出力部、106 制御部、107 距離算出部、108 目的地設定部、109 乗降記録部、110 決済処理部、111 出力制御部、190 車両、310 情報処理装置、330 測位衛星
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