(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016720
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】ロボット用ケーブルホルダー
(51)【国際特許分類】
F16C 11/06 20060101AFI20230126BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20230126BHJP
F16C 11/10 20060101ALI20230126BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
F16C11/06 B
F16M13/02 W
F16C11/10 B
H05K7/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111619
(22)【出願日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2021120454
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591113437
【氏名又は名称】オーム電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 一見
【テーマコード(参考)】
3J105
4E352
【Fターム(参考)】
3J105AA23
3J105AB17
3J105AC10
3J105CA16
3J105CA33
3J105CB15
3J105CB33
3J105CB36
3J105CB62
3J105CD22
3J105DA02
4E352BB02
4E352BB20
4E352CC02
4E352CC12
4E352CC22
4E352CC33
4E352CC40
4E352DR02
4E352DR19
4E352DR39
4E352GG30
(57)【要約】
【課題】ロボットアームに沿って配置される被保持物を簡単にかつ保持の自由度が高くなるように保持できるロボットアーム用ケーブルホルダーを提供する。
【解決手段】ロボットアームに固定される基台24と、基台24に可動ジョイント33を介して回転可能かつ傾動可能に支持され、ケーブル(被保持物)を保持するホルダー本体26とを備える。ホルダー本体26が基台24に対して移動する際の抵抗の大きさを変える抵抗調整機構41を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに固定される基台と、
前記基台に可動ジョイントを介して回転可能かつ傾動可能に支持され、前記ロボットアームに沿って配置される被保持物を保持するホルダー本体と、
前記ホルダー本体が前記基台に対して移動する際の抵抗の大きさを変える抵抗調整機構とを備えていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項2】
請求項1記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記可動ジョイントは、前記ホルダー本体に設けられた球状体と、前記基台に設けられ、前記球状体を回転自在かつ傾動自在に支持する軸受とを有するボールジョイントによって構成され、
前記抵抗調整機構は、前記球状体との間に摩擦抵抗を付与するねじ部材を備え、前記ねじ部材のねじ込み量を変えることにより前記摩擦抵抗の大きさが変わるように構成されていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項3】
請求項2記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記軸受は、前記基台に設けられた雄ねじの軸心部に凹設され、
前記ホルダー本体は、前記球状体が一端に設けられた軸部を有し、
前記ねじ部材は、
前記軸部に通されて前記球状体に前記軸受とは反対側から嵌合するロックリングと、
前記軸部に通されて前記ロックリングに前記軸受とは反対側から接触する状態で前記雄ねじに螺着されるキャップとによって構成され、
前記キャップと前記ロックリングとは、前記キャップが前記雄ねじにねじ込まれることにより前記ロックリングを前記球状体に向けて押すカム機構が設けられていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項4】
請求項3記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ロックリングの軸線方向の一端部の内径は、前記球状体を挿入可能な径であり、
前記ロックリングの軸線方向の他端部の内径は、前記球状体を挿入することができない径であり、
前記ロックリングの内周部は、前記球状体の外周面に倣う凹曲面によって形成され、
前記ロックリングを周方向に2等分する位置には、前記他端部に開口するように切欠きがそれぞれ形成され、
前記ロックリングは、
前記切欠きが開くように前記切欠きを中心にして折り曲げられた状態で前記内周部の中に前記球状体を挿入し、前記折り曲げられた状態から初期の状態に戻すことによって、前記軸部に通されるものであることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項5】
請求項3記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記キャップは、前記雄ねじと同一軸線上に位置するリング部を有し、
前記リング部は、周方向に所定の間隔をおいて並ぶ多数の歯を有し、
前記基台は、前記歯に前記リング部の径方向外側から係合する弾性片を有していることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項6】
請求項1記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記基台は、
前記軸受に開口する大径部と、
前記ロボットアーム側の端面に開口する小径部とを含む貫通穴を有し、
前記大径部から前記小径部を通して前記ロボットアームに螺着する固定用ねじによって前記ロボットアームに固定されることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項7】
請求項1記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記基台は、前記ロボットアームの軸線とは直交する方向に延びる穴を有し、前記穴に通された結束バンドにより前記ロボットアームに固定されることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項8】
請求項1記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホルダー本体は、
前記基台に一端部が支持される第1のホルダー本体と、
前記第1のホルダー本体の他端部に前記基台との間隔を変更可能に取付けられた第2のホルダー本体とによって構成されていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか一つに記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホルダー本体は、ケーブルやホースを含む長尺物を通す空間が内部に形成される断面C字状のホールド片と、前記ホールド片の両端部に設けられて互いに噛み合う複数の歯からなる保持径変更機構とを備えていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項10】
請求項9記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホールド片の一端部と他端部は、前記ホールド片の径方向に重なるように形成され、
前記歯は、前記一端部と前記他端部との互いに対向する部分に設けられ、
前記一端部と他端部とのうち前記径方向の外側に位置する一方の端部には、他方の端部が露出する穴が形成され、
前記一方の端部に設けられた前記歯と、前記他方の端部に設けられた前記歯は、前記穴に挿入された工具で外側の前記一方の端部が内側の前記他方の端部とは反対方向に押されることによって噛み合い状態が解消されるように構成されていることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項11】
請求項9記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホールド片の内部に弾性材によって円柱状に形成されたケーブル保持用ブッシュが嵌め込まれ、
前記ケーブル保持用ブッシュは、ケーブルを挿通可能な穴を有していることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項12】
請求項1~請求項8の何れか一つに記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホルダー本体は、前記ロボットアームに沿わせて配置される部品の筐体が取付けられる部品取付部を有していることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項13】
請求項1~請求項8のいずれか一つに記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記ホルダー本体は、前記被保持物が結束バンドによって括り付けられる取付台を有していることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【請求項14】
請求項13記載のロボット用ケーブルホルダーにおいて、
前記取付台は、前記被保持物が重ねられる取付面と、前記取付面と隣接する位置に設けられて前記結束バンドが掛けられるバンド掛け部とからなる取付座を有し、
前記取付面は、前記取付台における、前記ロボットアームの軸線方向とは直交する方向の外面の一部を構成していることを特徴とするロボット用ケーブルホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームにケーブル類を沿わせて保持するロボット用ケーブルホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットのロボットアームは、各種の先端部品を備えている。先端部品としては、エアー駆動式の部品、モータ駆動式の部品、カメラや各種のセンサーなどがある。これらの先端部品からのケーブルやエアーホース等は、ロボットアームに沿って直接あるいはフレキシブルチューブ内に収容した状態で設置されている。
【0003】
先端部品からのケーブルやエアーホース等は、ロボットアームの動作と連動して移動するように、
図30~
図33に示すような固定構造1~4によってロボットアーム5に固定されている。
図30に示す固定構造1は、ロボットアーム5にエアーホース6とケーブル7とを結束バンド8によってくくりつけて固定する構造である。
図31に示す固定構造2は、ロボットアーム5に立設されたステー9と、このステー9にエアーホース6とケーブル7とを結束バンド10によってくくりつけて固定する構造である。ステー9は、ロボットアーム5の動作する方向に応じた形状に形成されている。
【0004】
図32に示す固定構造3は、ロボットアーム5に立設された高さ調整可能な棒状のスペーサ11と、このスペーサ11の先端部にケーブルクリップ12によってエアーホース6とケーブル7とをくくりつけて固定する構造である。
図33に示す固定構造4は、ロボットアーム5にケーブルホルダー13を介してフレキシブルチューブ14を支持させる構造である。ケーブルホルダー13は、ロボットアーム5に取付けられるベース13aと、このベース13aに回転自在に支持されたサドル13bとを備えている。サドル13bにフレキシブルチューブ14が通されて保持される。フレキシブルチューブ14は、ケーブル(図示せず)を収容するチューブである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図30に示す固定構造1では、エアーホース6やケーブル7がロボットアーム5に追従して動くことができず、無理に曲げられたり引っ張られたりして断線や破断が発生する要因になる。なお、エアーホース6やケーブル7がロボットアーム5に追従できるようにこれらに余裕を持たせ、保持の自由度を高くすると、ロボットアーム5が動作したときにロボットアーム5に引っかかるおそれがある。
【0006】
図31に示す固定構造2では、ロボットアーム5の動きに適合するようにステー9を製作するために、ステー9が一品物となり製造コストが高くなる。
図32に示す固定構造3では、スペーサ11をロボットアーム5に立てて取付けなければならず、スペーサ11の取付作業が難しい。また、汎用部品を組み合わせて使用しているために、エアーホース6やケーブル7を簡単に取付けることができず、取付作業の作業時間が長く必要になる。しかも、外観が悪いという問題もある。
【0007】
図33に示す固定構造4では、サドル13bが回転自在であるために、サドル13bの回転方向の位置を固定することができない。このため、ケーブルを保持するうえで自由度が低いという問題があった。また、ケーブルの高さを調節することができないし、ケーブルやホース以外の物(例えば端子箱やアンプ等の小型機器)を設置することができないという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、ロボットアームに沿って配置される被保持物を簡単にかつ保持の自由度が高くなるように保持できるロボット用ケーブルホルダーを安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために本発明に係るロボット用ケーブルホルダーは、ロボットアームに固定される基台と、前記基台に可動ジョイントを介して回転可能かつ傾動可能に支持され、前記ロボットアームに沿って配置される被保持物を保持するホルダー本体と、前記ホルダー本体が前記基台に対して移動する際の抵抗の大きさを変える抵抗調整機構とを備えているものである。
【0010】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、可動ジョイントは、前記ホルダー本体に設けられた球状体と、前記基台に設けられ、前記球状体を回転自在かつ傾動自在に支持する軸受とを有するボールジョイントによって構成され、前記抵抗調整機構は、前記球状体との間に摩擦抵抗を付与するねじ部材を備え、前記ねじ部材のねじ込み量を変えることにより前記摩擦抵抗の大きさが変わるように構成されていてもよい。
【0011】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記軸受は、前記基台に設けられた雄ねじの軸心部に凹設され、前記ホルダー本体は、前記球状体が一端に設けられた軸部を有し、前記ねじ部材は、前記軸部に通されて前記球状体に前記軸受とは反対側から嵌合するロックリングと、前記軸部に通されて前記ロックリングに前記軸受とは反対側から接触する状態で前記雄ねじに螺着されるキャップとによって構成され、前記キャップと前記ロックリングとは、前記キャップが前記雄ねじにねじ込まれることにより前記ロックリングを前記球状体に向けて押すカム機構が設けられていてもよい。
【0012】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ロックリングの軸線方向の一端部の内径は、前記球状体を挿入可能な径であり、前記ロックリングの軸線方向の他端部の内径は、前記球状体を挿入することができない径であり、前記ロックリングの内周部は、前記球状体の外周面に倣う凹曲面によって形成され、前記ロックリングを周方向に2等分する位置には、前記他端部に開口するように切欠きがそれぞれ形成され、前記ロックリングは、前記切欠きが開くように前記切欠きを中心にして折り曲げられた状態で前記内周部の中に前記球状体を挿入し、前記折り曲げられた状態から初期の状態に戻すことによって、前記軸部に通されるものであってもよい。
【0013】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記キャップは、前記雄ねじと同一軸線上に位置するリング部を有し、前記リング部は、周方向に所定の間隔をおいて並ぶ多数の歯を有し、前記基台は、前記歯に前記リング部の径方向外側から係合する弾性片を有していてもよい。
【0014】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記基台は、前記軸受に開口する大径部と、前記ロボットアーム側の端面に開口する小径部とを含む貫通穴を有し、前記大径部から前記小径部を通して前記ロボットアームに螺着する固定用ねじによって前記ロボットアームに固定されてもよい。
【0015】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記基台は、前記ロボットアームの軸線とは直交する方向に延びる穴を有し、前記穴に通された結束バンドにより前記ロボットアームに固定されてもよい。
【0016】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホルダー本体は、前記基台に一端部が支持される第1のホルダー本体と、前記第1のホルダー本体の他端部に前記基台との間隔を変更可能に取付けられた第2のホルダー本体とによって構成されていてもよい。
【0017】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホルダー本体は、ケーブルやホースを含む長尺物を通す空間が内部に形成される断面C字状のホールド片と、前記ホールド片の両端部に設けられて互いに噛み合う複数の歯からなる保持径変更機構とを備えていてもよい。
【0018】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホールド片の一端部と他端部は、前記ホールド片の径方向に重なるように形成され、前記歯は、前記一端部と前記他端部との互いに対向する部分に設けられ、前記一端部と他端部とのうち前記径方向の外側に位置する一方の端部には、他方の端部が露出する穴が形成され、前記一方の端部に設けられた前記歯と、前記他方の端部に設けられた前記歯は、前記穴に挿入された工具で外側の前記一方の端部が内側の前記他方の端部とは反対方向に押されることによって噛み合い状態が解消されるように構成されていてもよい。
【0019】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホールド片の内部に弾性材によって円柱状に形成されたケーブル保持用ブッシュが嵌め込まれ、前記ケーブル保持用ブッシュは、ケーブルを挿通可能な穴を有していてもよい。
【0020】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホルダー本体は、前記ロボットアームに沿わせて配置される部品の筐体が取付けられる部品取付部を有していてもよい。
【0021】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記ホルダー本体は、前記被保持物が結束バンドによって括り付けられる取付台を有していてもよい。
【0022】
本発明は、前記ロボット用ケーブルホルダーにおいて、前記取付台は、前記被保持物が重ねられる取付面と、前記取付面と隣接する位置に設けられて前記結束バンドが掛けられるバンド掛け部とからなる取付座を有し、前記取付面は、前記取付台における、前記ロボットアームの軸線方向とは直交する方向の外面の一部を構成していてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ロボットアームに沿って配置される被保持物を簡単にかつ保持の自由度が高くなるように保持できるロボット用ケーブルホルダーを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、ロボット用ケーブルホルダーを示す図である。
【
図3】
図3は、ロボット用ケーブルホルダーの断面図である。
【
図4】
図4は、ロボット用ケーブルホルダーの斜視図である。
【
図5】
図5は、ロボット用ケーブルホルダーの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、ロボット用ケーブルホルダーを分解して示す図である。
【
図8】
図8は、
図2(A)におけるVIII-VIII線断面図である。
【
図9】
図9は、ホールド部の可動を説明するための図である。
【
図10】
図10は、細い1本の結束バンドを使用してロボットアームに固定されたロボット用ケーブルホルダーの斜視図である。
【
図11】
図11は、幅広の結束バンドを使用してロボットアームに固定されたロボット用ケーブルホルダーの斜視図である。
【
図12】
図12は、ロックリングの取付手順を説明するためのホルダー本体と締付キャップおよびロックリングの斜視図である。
【
図14】
図14は、第1の歯と第2の歯の噛み合いを外す手順を説明するためのロボット用ケーブルホルダーの斜視図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーを示す図である。
【
図17】
図17は、ケーブル保持用ブッシュの使用形態を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、第3の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの正面図である。
【
図19】
図19は、第3の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの断面図である。
【
図20】
図20は、第4の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの断面図である。
【
図21】
図21は、第4の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの基台を分解して示す分解斜視図である。
【
図22】
図22は、第4の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの使用形態を示す斜視図である。
【
図23】
図23は、第4の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの使用形態を示す斜視図である。
【
図24】
図24は、第5の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーを示す図である。
【
図25】
図25は、第5の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの使用形態を示す斜視図である。
【
図26】
図26は、第6の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーを示す図である。
【
図27】
図27は、第6の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの変形例を示す図である。
【
図28】
図28は、第6の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの変形例を示す図である。
【
図29】
図29は、第6の実施の形態によるロボット用ケーブルホルダーの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るロボット用ケーブルホルダーの一実施の形態を
図1~
図15を参照して詳細に説明する。
図1に示すロボット用ケーブルホルダー21は、ロボットアーム22に結束バンド23によって固定された基台24と、ロボットアーム22に沿って配置される被保持物25を保持するホルダー本体26
とを備えている。基台24とホルダー本体26とを含めてこの実施の形態によるロボット用ケーブルホルダー21の各部品は、プラスチック材料によって形成されている。
【0026】
図1に示すロボットアーム22は、円柱状に形成されており、両端部において図示していない他のロボットアームに回動自在に連結されている。
図1に示す被保持物25は、ケーブルやエアーホースなどである。ケーブルは、ロボットアーム22の先端部に設けられている電気部品の給電用ケーブルや信号用ケーブルである。エアーホースは、ロボットアーム22の先端部に設けられているエアー駆動式の部品にエアーを供給するためのものである。なお、被保持物25は、図示してはいないが、複数のケーブルが内部に通されたフレキシブルケーブルであってもよい。
【0027】
この実施の形態によるケーブルホルダー21の基台24は、
図2(A)に示すように、ロボットアーム22の外周面に密着するように湾曲した底面24aを有している。また、基台24は、
図2(B)に示すように、ロボットアーム22の軸線方向とは直交する方向に{
図2(B)の紙面に対して垂直な方向}に延びる貫通穴27を有している。貫通穴27の開口形状は、ロボットアーム22の軸線方向{
図2(B)においては左右方向}に長い略長方形である。
【0028】
貫通穴27のロボットアーム22側の穴壁には、この穴壁を3つに分けるように2本の突条からなるリブ28が形成されている。これらのリブ28は、
図1に示すように2本の結束バンド23を貫通穴27の両側部に通す場合と、
図10に示すように1本の結束バンド23を貫通穴27の中央に通す場合とにおいてバンドの位置を決めるためのものである。なお、結束バンド23は、
図11に示すように、貫通穴27の開口幅と同等の幅のものを使用することもできる。
【0029】
基台24のロボットアーム22とは反対側には、
図3および
図5に示すように雄ねじ31と凸片32とが設けられている。
図3は
図2(B)におけるIII-III線断面図である。
雄ねじ31は、ロボットアーム22の軸線方向とは直交する方向に延びている。雄ねじ31の軸心部には、後述する可動ジョイント33の一部を構成する軸受34が形成されている。軸受34は、雄ねじ31の先端に開口する状態で雄ねじ31の軸心部に凹設されている。軸受34の開口形状は円形である。この軸受34は、球面からなる凹曲面(34a)を有している。
【0030】
凸片32は、
図2(A)、
図4および
図6(B)に示すように、基台24の一側部に突設されている。この実施の形態による凸片32は、基台24の一部が部分的に底面24aとは反対側に突出するような形状に形成されている。凸片32の説明は後述する。
ホルダー本体26は、
図3、
図5および
図6に示すように、基台24に近接する一端部に位置する球状体35と、基台24とは反対側となる他端部に位置する断面C字状のホールド片36と、球状体35とホールド片36との間に位置する連結軸37と、ホールド片36の端部に設けられた保持径変更機構38などを備えている。球状体35と、ホールド片36と、連結軸37と、保持径変更機構38の構成部品は、一体成形により一体に形成されている。
【0031】
球状体35は、基台24の軸受34と協働して可動ジョイント33を構成するもので、球面の一部となる突曲面35aを有し、基台24の軸受34に摺動自在に嵌合している。基台24の軸受34は、球状体35を回転自在かつ傾動自在に支持するように構成されている。可動ジョイント33は、ホルダー本体26に設けられた球状体35と、基台24に設けられた軸受34とを有するボールジョイントによって構成されている。このため、ホルダー本体26は、基台24に可動ジョイント33を介して回転自在かつ傾動自在に支持されることになる。
【0032】
この実施の形態によるロボット用ケーブルホルダー21は、ホルダー本体26が基台24に対して移動する際の抵抗の大きさを変える抵抗調整機構41(
図7参照)を備えている。
抵抗調整機構41は、球状体35との間に摩擦抵抗を付与するねじ部材42を備え、ねじ部材42のねじ込み量を変えることにより摩擦抵抗の大きさが変わるように構成されている。ねじ部材42は、ホルダー本体26の連結軸37に通されて球状体35に軸受34とは反対側から嵌合するロックリング43と、連結軸37に通されてロックリング43に軸受34とは反対側から接触する状態で雄ねじ31に螺着される締付キャップ44とによって構成されている。
【0033】
ロックリング43は、プラスチック材料によって円環状に形成されている。
図7(A)に示すように、ロックリング43の軸線方向の一端部43a(
図7においては下側の端部)の内径D1は、球状体35を挿入可能な径である。ロックリング43の軸線方向の他端部43bの内径D2は、球状体35を挿入することができない径である。このロックリング43の内周部43cは、球状体35の外周面(突曲面35a)に倣う凹曲面によって形成されている。
図5に示すように、ロックリング43を周方向に2等分する位置には、切欠き45がそれぞれ形成されている。この実施の形態による切欠き45は、
図6(A)に示すように、ロックリング43を径方向の外側から見て、上述した他端部43bに開口するV字状に形成されている。
また、ロックリング43の他端部43bの外周部には、
図6および
図7(A)に示すように、基台24から離れるにしたがって次第に外径が小さくなるようにテーパー面状の第1のカム面46が形成されている。
【0034】
ここで、他端部の内径が球状体35の外径より小さいロックリング43に球状体35を通す手順を
図12(A)~(E)を参照して説明する。ロックリング43に球状体35を通すためには、先ず、
図12(A)~(B)に示すように、ロックリング43を切欠き45が開くように切欠き45を中心にして折り曲げる。このようにロックリング43が折り曲げられることにより、ロックリング43の内周部43cが露出するようになる。内周部43cは、球状体35の外周面(突曲面35a)に倣う凹曲面によって形成されているから、
図12(C)に示すように内周部43cを球状体35に接近させることにより、内周部43cの中に球状体35が挿入されて内周部43cに球状体35が重なるようになる。
【0035】
次に、
図12(D)~(E)に示すように、ロックリング43を折り曲げられた状態から初期の状態に戻すことによって、内周部43cが球状体35の外周面(突曲面35a)に沿って滑り、他端部43bが連結軸37側に移動してロックリング43が軸部に通された状態となる。このように、他端部43bの内径が球状体35の外径より小さいにもかかわらず、ロックリング43に球状体35を通すことができる。
【0036】
締付キャップ44はプラスチック材料によってナット状に形成されている。
締付キャップ44の内周部には、
図7(A)に示すように、ロックリング43の第1のカム面46と同様に傾斜するテーパー面状の第2のカム面47が形成されている。これらの第1、第2のカム面46,47は、締付キャップ44が雄ねじ31にねじ込まれる過程で
図7(B)に示すように互いに接触する。第1、第2のカム面46,47が互いに接触している状態で締付キャップ44が更にねじ込まれることにより、締付キャップ44によってロックリング43が球状体35に強く押し付けられるようになり、ロックリング43と球状体35との間の摩擦抵抗が増大する。この実施の形態においては、第1のカム面46と第2のカム面47とが本発明でいう「カム機構」に相当する。
【0037】
締付キャップ44の基台24に近接する端部には、
図4および
図5に示すように、雄ねじ31と同一軸線上に位置するリング部48が設けられている。リング部48は、
図8に示すように、周方向に所定の間隔をおいて並ぶ多数の歯48aを有している。これらの歯48aには、上述した基台24の凸片32がリング部48の径方向外側から係合している。凸片32は、
図6(B)に示すように、基台24に立設された縦部32aと、縦部32aの先端から雄ねじ31に向けて延びる接触部32bとを有している。接触部32bの先端がリング部48の歯48aに係合している。
【0038】
この凸片32は、締付キャップ44が回る際に歯48aを乗り越えることができるように弾性変形可能に形成されている。この実施の形態においては、凸片32が本発明でいう「弾性片」に相当する。
このように凸片32がリング部48の歯48aに係合することにより、締付キャップ44が回るためには凸片32が歯48aを乗り越える必要があるから、締付キャップ44が緩められた状態であっても締付キャップ44の回転を凸片32で規制することができる。
【0039】
ホルダー本体26のホールド片36は、
図3に示すように、図示していないケーブルやエアーホース等を含む長尺物を通することが可能な広さの空間51を囲むように断面C字状に形成されている。このホールド片36は、図示していない作業者が指で容易に拡げられるように、柔軟性を有するように帯板を丸めたような形状に形成されている。
【0040】
ホールド片36の一端部36aと他端部36bとは、ホールド片36の径方向に重なるように形成されている。この実施の形態においては、ホールド片36の径方向において、一端部36aの外側に他端部36bが位置している。
この実施の形態によるホールド片36は、一端部36aと他端部36bとが連結軸37の軸線C1から大きく離れるように連結軸37に接続されている。ホールド片36の連結軸37と一端部36aとの間の第1の本体部36c長さは、ホールド片36の連結軸37と他端部36bとの間の第2の本体部36dの長さより長い。この構成を採ることにより、第1の本体部36cが第2の本体部36dと較べて撓み易くなり、一端部36aと他端部36bとの間を拡げて被保持物25を挿入する作業が容易になる。
【0041】
ホールド片36に設けられた保持径変更機構38は、ホールド片36の一端部36aにホールド片36の周方向に並ぶように設けられた複数の第1の歯52と、ホールド片36の他端部36bにホールド片36の周方向に並ぶように設けられた複数の第2の歯53とによって構成されている。第1の歯52と第2の歯53は、ホールド片36の一端部36aと他端部36bとの互いに対向する部分に互いに噛み合うように設けられている。
第1の歯52は、ホールド片36の湾曲した板状を呈する一端部36a{
図9(E)参照}の外側(断面C字状を呈するホールド片36の径方向の外側)に
図9(B)に示すように2列で列をなして並ぶように形成されている。
【0042】
ホールド片36の他端部36bは、
図13に示すように、2列となるように形成された第1の歯52に外側から重なる二つの爪片54,54と、これらの爪片54の先端部どうしを互いに連結する先端側連結片55と、二つの爪片54の基端部どうしを互いに連結する基端側連結片56とによって形成されている。
二つの爪片54の内側(断面C字状を呈するホールド片36の径方向の内側)に第2の歯53が形成されている。
【0043】
先端側連結片55は、ホールド片36の軸線方向(
図3においては紙面と直交する方向)に延びる柱状に形成されている。
基端側連結片56は、先端側連結片55と平行に延びるとともに、爪片54の基端からホールド片36の径方向の内側に延びてホールド片36の第2の本体部36dに接続されている。
このように形成された他端部36bには、
図14(A)に示すように、第1の歯52と第2の歯53とが噛み合った状態において一端部36aが露出する穴57が形成されている。
【0044】
第1の歯52と第2の歯53は、それぞれ鋸歯状に形成されて互いに噛み合うように形成されている。第1の歯52と第2の歯53は、ホールド片36の径が小さくなる方向においては一方の歯が他方の歯を容易に乗り越えることができるが、それとは反対方向においては、歯どうしの係合状態が維持されるように構成されている。
【0045】
ホールド片36は、
図3に示すように、一端部36aの外側に第1の板状片58を有しているとともに、他端部36bの内側に第2の板状片59を有している。第1の板状片58は、
図13に示すように、上述した二つの爪片54に外側から重なるように湾曲した一対の板片58a,58aと、これらの板片58aの基端部どうしを連結する一端部側連結片58bとによって構成されている。 一対の板片58aが爪片54に重なることにより、爪片54が不必要に外側に変位することを板片58aによって防ぐことができる。
第2の板状片59は、
図9(E)に示すように、湾曲した板状に形成され、爪片54との間に一端部36aを挿入できるように形成されている。この第2の板状片59は、被保持物25を一端部36aと協働して押すためのものである。
【0046】
ここで、ホールド片36を用いてケーブルやエアーホースなどの被保持物25を保持する手順を説明する。ケーブルやエアーホースを保持するためには、先ず、ホールド片36の一端部36aを他端部36bから外してホールド片36を開放させる。一端部36aが他端部36bに接続された状態、すなわち第1の歯52と第2の歯53とが噛み合っている状態においては、
図14(A)に示すように、ホールド片36の一端部36aが他端部36bの先端側連結片55と重なるようになる。
【0047】
このような連結状態から一端部36aを他端部36bから外すためには、
図14(B)に示すように、他端部36bの穴57に工具60を挿入して行う。この工具60は、例えばマイナスドライバーの先端部のように、先端が薄くなる板状に形成されているものである。工具60は、一端部36aと先端側連結片55との境界A{
図14(A)参照}に差し込む。境界Aに工具60を挿入し、
図14(C)中に矢印で示すように工具60を傾けて先端側連結片55を一端部36aとは反対方向に押すことにより、一端部36aと先端側連結片55との間に隙間が生じるようになってこれら両者が互いに離間する。一端部36aには第1の歯52が設けられ、先端側連結片55を有する他端部36bには第2の歯53が設けられている。このため、一端部36aと先端側連結片55との間に隙間が生じることにより、第1の歯52と第2の歯53との噛み合いが解消される。第1、第2の歯52,53の噛み合いが外れることにより、ホールド片36の第1の本体部36cのばね力で一端部36aが他端部36bから離れる。
【0048】
被保持物25をホールド片36によって保持するためには、図示してはいないが、一端部36aと他端部36bとの間を拡げ、その隙間に被保持物25を挿入する。そして、一端部36aを他端部36bに接続し、
図3中に矢印で示すように、ホールド片36の第1の板状片58の一端部側連結片58bと、他端部36bの基端側連結片56とを例えば指(図示せず)で挟むようにして互いに押し付けてホールド片36を縮径させ、ホールド片36によって被保持物25を緊縛する。このとき、第1の歯52と第2の歯53とは、ホールド片36の径に応じた歯数だけ噛み合うことになる。このように第1の歯52と第2の歯53とが噛み合うことにより、被保持物25がホールド片36に緊縛されてホルダー本体26に保持される。
【0049】
このように構成されたロボット用ケーブルホルダー21においては、締付キャップ44を緩めることによりホルダー本体26が基台24に対して移動可能になる。この状態においては、例えば
図9(A)~(F)に示すようにホルダー本体26が基台24に対して回転や傾動できるようになる。
図9(A)と
図9(B)は、ホルダー本体26を雄ねじ31の軸線C2に対して所定の回転角だけ回転させた状態を示す正面図と斜視図である。ホルダー本体26は、軸線C2を中心として自由に回転させることができる。
【0050】
図9(C)と
図9(D)は、ホルダー本体26を雄ねじ31の軸線C2に対して所定の角度だけ傾斜させた状態を示す正面図と斜視図である。ホルダー本体26は、軸線C2に対して自由に傾斜させることができる。
図9(E)と
図9(F)は、ホルダー本体26を雄ねじ31の軸線C2に対して所定の回転角だけ回転させるとともに所定角度だけ傾斜させた状態を示す正面図と斜視図である。
【0051】
このロボット用ケーブルホルダー21においては、締付キャップ44を締めることにより球状体35との間の摩擦抵抗が大きくなり、ホルダー本体26を基台24に対して回転、傾斜させる際に抵抗が付与されるようになる。この状態においては、ケーブルやエアーホースを任意の固さで保持できるようになる。そして、締付キャップ44を完全に締め付けることによって、ホルダー本体26が基台24に対して移動できないように基台24に固定される。
【0052】
このように、この実施の形態によるロボット用ケーブルホルダー21によれば、ロボットアーム22に沿って配置される被保持物25をロボットアーム22に対して回転自在かつ傾動自在に保持する形態と、被保持物25がロボットアーム22に対して固定される形態とを採ることができる。
したがって、この実施の形態によれば、保持の自由度が高いロボット用ケーブルホルダーを提供することができる。
【0053】
この実施の形態による可動ジョイント33は、ホルダー本体26に設けられた球状体35と、基台24に設けられ、球状体35を回転自在かつ傾動自在に支持する軸受34とを有するボールジョイントによって構成されている。抵抗調整機構41は、球状体35との間に摩擦抵抗を付与するねじ部材42を備え、ねじ部材42のねじ込み量を変えることにより摩擦抵抗の大きさが変わるように構成されている。
このため、ホルダー本体26を移動可能に支持する可動ジョイント33を使用して抵抗調整機構41を実現できるから、コンパクトで安価なロボット用ケーブルホルダーを提供することができる。
【0054】
この実施の形態による軸受34は、基台24に設けられた雄ねじ31の軸心部に凹設されている。ホルダー本体26は、球状体35が一端に設けられた連結軸37を有している。ねじ部材42は、連結軸37に通されて球状体35に軸受34とは反対側から嵌合するロックリング43と、連結軸37に通されてロックリング43に軸受34とは反対側から接触する状態で雄ねじ31に螺着される締付キャップ44とによって構成されている。締付キャップ44とロックリング43とには、締付キャップ44が雄ねじ31にねじ込まれることによりロックリング43を球状体35に向けて押すカム機構(第1のカム面46、第2のカム面47)が設けられている。
このため、ホルダー本体26が基台24に対して回転したり傾斜している状態であっても確実にホルダー本体26を基台24に固定することができる。
【0055】
この実施の形態によるロックリング43は、切欠き45が開くように切欠き45を中心にして折り曲げられた状態で内周部43cの中に球状体35を挿入し、折り曲げられた状態から初期の状態に戻すことによって、連結軸37に通されるものである。
このため、使用状態では球状体35を通すことができないロックリング43に球状体35を通すことができるから、連結軸37と球状体35とを分割可能に形成して連結軸37にロックリング43を通すような構成を採る場合と較べて、構造を簡略化することができ、連結軸37と球状体35とを一体成形によって形成することができる。
【0056】
この実施の形態による締付キャップ44は、雄ねじ31と同一軸線上に位置するリング部48を有している。リング部48は、周方向に所定の間隔をおいて並ぶ多数の歯48aを有している。基台24は、歯48aにリング部48の径方向外側から係合する凸片32を有している。
このため、締付キャップ44を完全に締めていない状態でも締付キャップ44が緩まないように保持できるから、ホルダー本体26が摩擦抵抗に抗して基台24に対して移動できるような形態を採ることができる。したがって、ケーブルやエアーホースに過度な力が加えられたときにホルダー本体26が回転あるいは傾斜してケーブルやエアーホースを保護することが可能になる。
【0057】
この実施の形態による基台24は、ロボットアーム22の軸線とは直交する方向に延びる貫通穴27を有している。この基台24は、貫通穴27に通された結束バンド23によりロボットアーム22に固定される。このため、ロボットアーム22に取付座等の取付構造を設ける必要がないから、ケーブルホルダー21を簡単にロボットアーム22に取付けることが可能になる。この結果、ロボットアーム22にケーブルホルダー21を取付ける際の作業時間が短時間でよい。しかも、ロボットアーム22に取付ける位置の制約を受けることがないから、どのようなロボットアーム22にも取付けることができる。このことは、ケーブルホルダー21の汎用性が高くなり、大量生産により製造コストを低く抑えて安価に提供することが可能になることを意味する。
【0058】
この実施の形態によるホルダー本体26は、ケーブルやエアーホースを含む長尺物を通す空間51が内部に形成される断面C字状のホールド片36と、ホールド片36の両端部に設けられて互いに噛み合う複数の歯(第1の歯52、第2の歯53)からなる保持径変更機構38とを備えている。
このため、任意のサイズのケーブル、エアーホース、フレキシブルケーブルなどを保持できるから、汎用性が高いケーブルホルダーを提供できる。
【0059】
この実施の形態によるホールド片36の一端部36aと他端部36bは、ホールド片36の径方向に重なるように形成されている。第1の歯52と第2の歯53は、一端部36aと他端部36bとの互いに対向する部分に設けられている。一端部36aと他端部36bとのうち径方向の外側に位置する一方の端部(他端部36b)には、他方の端部(一端部36a)が露出する穴57が形成されている。
前記一方の端部(他端部36b)に設けられた歯(第2の歯53)と、他方の端部(一端部36a)に設けられた歯(第1の歯52)は、穴57に挿入された工具60で外側の一方の端部(他端部36b)が内側の他方の端部(一端部36a)とは反対方向に押されることによって噛み合い状態が解消されるように構成されている。
このため、第1の歯52と第2の歯53との噛み合いを簡単に外すことができるから、ホールド片36から被保持物25を取外す作業を容易に行うことができる。
【0060】
(第2の実施の形態)
ケーブルホルダーには
図15(A),(B)~
図17(A),(B)に示すようにケーブル保持用ブッシュを使用することができる。これらの図において、
図1~
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0061】
図15(A),(B)に示すケーブルホルダー21は、ホールド片36の中にケーブル保持用ブッシュ61が挿入されている。
ケーブル保持用ブッシュ61は、
図16(A),(B)に示すように、ゴム材料などの弾性材によって円柱状に形成されている。このケーブル保持用ブッシュ61には、ケーブルを通すための第1~第4の貫通孔62~65が穿設されているとともに、貫通孔毎にスリット66が形成されている。第1~第4の貫通孔62~65のうち、第1および第2の貫通孔62,63の孔径は、第3および第4の貫通孔64,65の孔径より大きい。このため、太さが異なる複数種類のケーブルを通すことができるようになる。
【0062】
スリット66は、第1~第4の貫通孔62~65からケーブル保持用ブッシュ61の外周面まで延びるように形成されている。ケーブルは、スリットを拡げて生じた隙間を通して第1~第4の貫通孔62~65に挿入される。
このケーブル保持用ブッシュ61を使用する場合は、先ず、
図17(A)に示すように、ケーブル保持用ブッシュ61にケーブル67,68を通す。第1~第4の貫通孔62~65のうち、ケーブル67,68が通されていない貫通孔には、ケーブル67,68の代わりに円柱状の剛体からなるブラインドバー69を挿入する。
【0063】
次に、ケーブル67,68が通されたケーブル保持用ブッシュ61を
図17(B)に示すようにホールド片36の中に嵌め込み、保持径変更機構38によってホールド片36の径を縮める。このようにホールド片36でケーブル保持用ブッシュ61を緊縛することにより、ケーブル保持用ブッシュ61が圧縮されてケーブルホルダー21に対してケーブル67,68が固定される。
この実施の形態によれば、ケーブルをフレキシブルチューブに通すことなくケーブルホルダーに固定できるから、ケーブルをロボットアームに簡単に保持できるようになる。
【0064】
(第3の実施の形態)
ホルダー本体26は、
図18(A),(B)および
図19に示すように構成することができる。これらの図において、
図1~
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図18(A),(B)に示すホルダー本体26は、基台24に一端部が支持される第1のホルダー本体71と、第1のホルダー本体71の他端部に基台24との間隔を変更可能に取付けられた第2のホルダー本体72とによって構成されている。
【0065】
第1のホルダー本体71は、
図19に示すように、一端側の球状体35と、他端側の雄ねじ73とによって構成されている。
第2のホルダー本体72は、第1のホルダー本体71の雄ねじ73がねじ込まれる雌ねじ74を有する筒体75と、筒体75に接続されたホールド片36と、ホールド片36に設けられた保持径変更機構38などによって構成されている。
雄ねじ73には、筒体75と球状体35との間に位置するようにロックナット76が螺合している。
【0066】
この実施の形態によれば、第2のホルダー本体72の筒体75を雄ねじ73に対してねじ込んだり緩めたりすることによって、基台24とホールド片36との間隔を変えることができる。この間隔を所定の間隔とした後、ロックナット76を雄ねじ73に対して緩めて筒体75に押し付けることにより、いわゆるダブルナットの原理で筒体75が雄ねじ73に対して回ることができなくなり、第2のホルダー本体72を第1のホルダー本体71に対して固定することができる。
この実施の形態を採ることによりケーブルやホースとロボットアーム22との間隔を容易に調整することができるから、配線、配管の自由度が高くなる。
【0067】
(第4の実施の形態)
ケーブルホルダーをロボットアームに取付けるにあたっては
図20および
図21に示す取付構造を採ることができる。
図20および
図21において、
図1~
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図20に示すケーブルホルダー21の基台24は、軸受34と結束バンド挿入用の貫通穴27とを連通する第1の貫通穴81と、結束バンド挿入用の貫通穴27から底面24aまで延びる第2の貫通穴82とを有している。これらの第1の貫通穴81と第2の貫通穴82とは同一軸線上に位置付けられている。第1の貫通穴81の穴径は、第2の貫通穴82の穴径より大きい。この実施の形態においては、第1の貫通穴81と第2の貫通穴82とが本発明でいう「貫通穴」に相当し、また、第1の貫通穴81が「大径部」に相当し、第2の貫通穴82が「小径部」に相当する。
【0068】
これらの第1の貫通穴81と第2の貫通穴82とには、1本の固定用ねじ83が通される。第1の貫通穴81の穴径は、固定用ねじ83の頭部83aの外径より大きい。第2の貫通穴82の穴径は、頭部83aの外径より小さく、固定用ねじ83のねじ部83bの外径より大きい。
【0069】
固定用ねじ83は、
図21に示すように、基台24からホルダー本体26を外した状態で軸受34内の第1の貫通穴81から第2の貫通穴82に挿入され、
図20に示すように、ロボットアーム22のねじ孔84にねじ込まれる。固定用ねじ83は、頭部83aが結束バンド挿入用の貫通穴27の穴壁面に当接するまでねじ孔84にねじ込むことができる。このように固定用ねじ83を締め込むことによって、基台24がロボットアーム22に固定される。
【0070】
このため、この実施の形態によれば、基台24が固定用ねじ83によってロボットアーム22に固定されるから、結束バンド23を使用して基台24をロボットアーム22に固定する場合と較べると、ケーブルホルダー21をロボットアーム22に強固に固定できるとともに、ロボットアーム22の外観が向上するようになる。
【0071】
図21に示すケーブルホルダー21の基台24は、上述した各実施の形態を採る場合とは異なり、底面24aが平坦に形成されている。なお、底面24aがロボットアーム22の外周面に密着するように湾曲形成されている場合であっても、固定用ねじ83を用いて基台24をロボットアーム22に固定することができる。
底面24aが平坦に形成されている場合は、
図22および
図23に示すように、角柱状のロボットアーム85にケーブルホルダー21を取り付けることができる。
図22は、
図20に示す固定用ねじ83を使用して基台24がロボットアーム22に取付けられる場合を示し、
図23は、2本の結束バンド23によって基台24がロボットアーム22に取付けられる場合を示す。
【0072】
(第5の実施の形態)
本発明のケーブルホルダーは
図24(A)~(D)および
図25に示すように構成することができる。
図24(A)は正面図、
図24(B)は側面図、
図24(C)は平面図、
図24(D)は斜視図である。これらの図において、
図1~
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0073】
図24(A)~(D)に示すホルダー本体91は、第1の形態に示すホルダー本体26とは連結軸37の先端側の構成が異なっている。この実施の形態によるホルダー本体91は、連結軸37の先端に平板からなる部品取付板92が設けられており、ホールド片36は設けられていない。このホルダー本体91の部品取付板92を除く他の部分は、第1~第4の実施の形態に示した構成を採ることができる。このため、ホールド片36を有するホルダー本体26と、部品取付板92を有するホルダー本体91とで基台24を共有することが可能である。この実施の形態においては、部品取付板92が本発明でいう「部品取付部」に相当する。
【0074】
部品取付板92には、ロボットアーム22に沿わせて配置される部品(ケーブルやホースとは異なる被保持物25)が取付けられる。この部品としては、例えば
図25に示すような端子箱93や、アンプ等の小型機器(図示せず)が挙げられる。
部品取付板92の中央部には、ねじ孔94が形成されている。このねじ孔94には、部品取付板92に端子箱93や小型機器などの被保持物25を取付けるための取付用ねじ(図示せず)がねじ込まれる。
図25に示す端子箱93は、ケーブル95の途中に設けられるもので、角柱状の筐体93aを有している。この筐体93aは、その一側面が部品取付板92に重ねられ、図示していない取付用ねじによって部品取付板92に固定されている。
【0075】
このようにケーブルホルダー21に部品取付板92を備えることにより、端子箱や小型機器を取付けるための取付座が設けられていないロボットアームに端子箱や小型機器を簡単に取付けることができるようになる。
【0076】
(第6の実施の形態)
本発明のケーブルホルダーは
図26(A)~
図29(D)に示すように構成することができる。
図26(A)はケーブルホルダー単体の斜視図、
図26(B)は使用状態の斜視図、
図26(C)は斜視断面図である。
図27(A)はケーブルホルダー単体の斜視図、
図27(B)は使用状態の斜視図、
図27(C)は斜視断面図である。
図28(A)はケーブルホルダー単体の斜視図、
図28(B)は使用状態の斜視図、
図28(C)は使用状態の斜視図、
図28(D)は縦断面図である。
図29(A)はケーブルホルダー単体の斜視図、
図29(B)は平面図、
図29(C)は側面図、
図29(D)は斜視断面図である。これらの図において、
図1~
図14によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0077】
図26(A)~(C)に示すケーブルホルダー101は、
図1~
図14に示す第1の実施の形態によるケーブルホルダー21とは被保持物25を取り付ける部分の構成が異なり、その他の部分は同一の構成が採られている。
図26(A)~(C)に示すケーブルホルダー101は、上述したホールド片36の代わりに取付台102を備えている。取付台102は、連結軸37の先端部に一体成形によって一体に形成され、連結軸37を含むホルダー本体103の一部を構成している。ホルダー本体103は、上述したホルダー本体26とは被保持物25を取り付ける部分(ホールド片36)を除いて同一となるように構成されている。
【0078】
取付台102には、
図26(B)に示すように、被保持物25が結束バンド104によって括り付けられるものである。このケーブルホルダー101の取付台102を除く他の部分は、第1~第5の実施の形態を採るときの構成を採ることができる。このため、ホールド片36を有するホルダー本体26と、取付台102を有するホルダー本体103とで基台24を共有することが可能である。
【0079】
図26(A)~(C)に示す取付台102は、連結軸37とは直交する方向に延びる角柱状に形成されている。この取付台102には、結束バンド104を通すために、長手方向に貫通する貫通穴105{
図26(C)参照}が形成されている。
取付台102における連結軸37とは反対側の端部には、被保持物25としてのケーブルやエアーホースなどの外周面と重なる凹形状の取付面106が形成されている。取付面106は、取付台102における、ロボットアーム22の軸線方向とは直交する方向の外面の一部を構成している。ここでいうロボットアーム22の軸線方向とは、
図26(A)においては左下側から右上側を指向する方向である。
取付台102の取付面106と隣接する位置には、結束バンド104が掛けられるバンド掛け部107が設けられている。
図26に示すバンド掛け部107は、取付台102における、取付面106と貫通穴105との間の部位によって構成されている。この取付台102においては、取付面106とバンド掛け部107とからなる取付座108に被保持物25が結束バンド104によって取付けられる。
【0080】
図26に示すケーブルホルダー101においては、1本または複数本の被保持物25を取付台102の取付面106に重ね、貫通穴105に通した結束バンド104をこの被保持物25に巻き付けるようにして締めることによって、被保持物25を取付台102に括り付けることができる。このため、このケーブルホルダーは、結束バンド104の長さに応じた太さの被保持物25を取付けることができるから、断面C字状のホールド片36を使用する場合と較べて、使用可能な被保持物25の太さの範囲を拡げることができる。
【0081】
図27(A)~(C)に示すケーブルホルダー101のホルダー本体111は、複数の取付座108を有する取付台112を備えている。ホルダー本体111の取付台112を除いた他の構成は、上述したホルダー本体26と同一の構成が採られている。
複数の取付座108は、
図27(B)に示す使用状態の取付台112における、ロボットアーム22の軸線方向とは直交する方向の3箇所の端部にそれぞれ設けられている。すなわち、
図27に示す取付台112には、連結軸37の延長線上に位置する第1の取付座108Aと、連結軸37の軸線を挟んで両側に位置する第2、第3の取付座108B,Cとが設けられている。これらの第1~第3の取付座108A~108Cは、取付台112の外面の一部となる第1~第3の取付面106A~106Cを有している。第1~第3の取付面106A~106Cは、それぞれ被保持物25の外周面に沿うように凹形状に形成されている。
【0082】
図27(C)に示すように、取付台112の内部であって、第1~第3の取付面106A~106Cの裏側には、結束バンド104を通すための第1~第3の貫通穴105A~105Cが形成されている。第1の貫通穴105Aは、ロボットアーム22の軸線方向と直交する方向であってかつ連結軸37の軸線とも直交する方向に延びている。第1の貫通穴105Aは、取付台112の両側部に第1のバンド掛け部107Aが残るように取付台112に形成されている。第1のバンド掛け部107Aは、第1の取付座108Aで使用する結束バンド104を掛けるためのものである。
【0083】
第2の貫通穴105Bと第3の貫通穴105Cは、ロボットアーム22の軸線方向と直交する方向であってかつ連結軸37の軸線と平行な方向に延びている。第2の貫通穴105Bと第2の取付面106Bとの間に結束バンド104を掛けるための第2のバンド掛け部107Bが設けられている。また、第3の貫通穴105Cと第3の取付面106Cとの間に結束バンド104を掛けるための第3のバンド掛け部107Cが設けられている。
【0084】
取付台112を
図27に示すように形成することにより、
図27(B)に示すように複数の被保持物25を個々に結束バンド104によって取付台112に括り付けることができる。
図26に示すように1箇所の取付座108に複数の被保持物25を1本の結束バンド104で括り付ける場合は、1本の被保持物25を取り外す必要が生じたときに結束バンド104を切断すると、全ての被保持物25が取付台112から外れることになる。しかし、
図27に示す取付台112においては、外すことが必要な被保持物25のみを外すことができ、他の被保持物25を取付台112に取り付けられた状態に保つことができる。
また、
図27に示す取付台112においては、複数の被保持物25を種類毎に分け、これらの被保持物25を第1~第3の取付座108A~108Cに種類毎に括り付けることができる。このため、多くの被保持物25を種類別に整線することが可能になる。
【0085】
図28(A)~(D)に示すケーブルホルダー101のホルダー本体121は、
図26に示した取付台102をロボットアーム22の軸線方向に引き延ばしたような構造の取付台122を備えている。
図28に示す取付台122は、
図26に示す取付台102と同様に、連結軸37とは反対側の端部に取付座108の取付面106を有し、取付面106と隣接する位置にバンド掛け部107を有している。
図28に示す取付座108は、
図26に示した取付座108とはロボットアーム22の軸線方向の長さが異なるだけでその他は同一の構成が採られている。
【0086】
取付面106の裏側に形成されている貫通穴105の取付座108側に位置する穴壁には、基台24と同様に2本の突条からなるリブ123が形成されている。これらのリブ123は、
図28(B)に示すように2本の結束バンド104を貫通穴105の両側部に通す場合と、図示してはいないが1本の結束バンド104を貫通穴105の中央に通す場合とにおいて結束バンド104の位置を決めるためのものである。なお、結束バンド104は、
図28(C)に示すように、貫通穴105の開口幅と同等の幅のものを使用することもできる。
【0087】
図29(A)~(D)に示すケーブルホルダー101のホルダー本体131は、
図27に示した取付台112をロボットアーム22の軸線方向に引き延ばしたような構造の取付台132を備えている。
図29に示す取付台132は、
図27に示す取付台112と同様に、使用状態の取付台112における、ロボットアーム22の軸線方向とは直交する方向の3箇所の端部にそれぞれ取付座108(第1~第3の取付座108A~108C)を有している。
図29に示す第1~第3の取付座108A~108Cは、
図27に示した第1~第3の取付座108A~108Cとはロボットアーム22の軸線方向の長さが異なるだけでその他は同一の構成が採られている。
【0088】
図29に示す第1~第3の貫通穴105A~105Cの取付座108側に位置する穴壁には、
図29(B)および
図29(C)に示すように、
図28に示した穴壁と同様に2本の突条からなるリブ123が形成されている。このため、
図29に示す構成を採ることにより、被保持物25を取付台132の複数の取付座108(第1~第3の取付座108A~108C)にそれぞれ第1~第3の貫通穴105A~105Cの両側に通された2本の結束バンド104や中央に通された1本の結束バンド104で括り付けたり、
図28(C)に示す幅広の結束バンド104で括り付けることができる。
【符号の説明】
【0089】
21,101…ロボット用ケーブルホルダー、22…ロボットアーム22、23,104…結束バンド、24…基台、25…被保持物25、26,91,103,111,121,131…ホルダー本体、27…貫通穴、31…雄ねじ、32…凸片(弾性片)、33…可動ジョイント、34…軸受、35…球状体、35a…突曲面(外周面)、36…ホールド片、36a…一端部、36b…他端部、37…連結軸37、38…保持径変更機構、41…抵抗調整機構、42…ねじ部材、43…ロックリング、43a…一端部、43b…他端部、43c…内周部、44…締付キャップ、45…切欠き、46…第1のカム面(カム機構)、47…第2のカム面(カム機構)、48…リング部、48a…歯、52…第1の歯、53…第2の歯、57…穴、61…ケーブル保持用ブッシュ、67,68…ケーブル、71…第1のホルダー本体、72…第2のホルダー本体、81…第1の貫通穴、(大径部)、82…第2の貫通穴(小径部)、83…固定用ねじ、92…部品取付板(部品取付部)、93…端子箱、93a…筐体、102,112,122,132…取付台、105…貫通穴、105A…第1の貫通穴、105B…第2の貫通穴、105C…第3の貫通穴、106…取付面、106A…第1の取付面、106B…第2の取付面、106C…第3の取付面、107…バンド掛け部、107A…第1のバンド掛け部、107B…第2のバンド掛け部、107C…第3のバンド掛け部、108…取付座、108A…第1の取付座、108B…第2の取付座、108C…第3の取付座。