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  • 特開-光感知アセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167216
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】光感知アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/12 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G01V8/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078218
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田島 徹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 孝治
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB17
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH04
(57)【要約】
【課題】光感知ユニットが受ける電磁ノイズの影響を低減する手段を提供する。
【解決手段】光感知ユニット2は、光感知素子21、内部シールドケース22、及びリード23を有する。光感知素子21は、光を感知し、感知した光の強さを示す信号を出力する。内部シールドケース22は、光感知素子21を収容する金属の部材であり、外部から光感知素子21に向かう電磁波を減衰させる。光感知ユニット2は絶縁性のホルダ6に収容された状態で基板1の上に配置されている。光感知ユニット2を収容したホルダ6は、金属の部材であり、外部から光感知素子21に向かう電磁波を減衰させる外部シールドケース3により覆われている。内部シールドケース22はグランドに接続され、外部シールドケース3はアースに接続されている。ホルダ6は、外部シールドケース3と基板1に挟まれた状態で保持され、内部シールドケース22と外部シールドケース3の短絡を防止する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
光を感知し感知した光の強さを示す信号を出力する素子である光感知素子と、前記光感知素子を収容し前記光感知素子に向かう光が透過する透過部を有する第1のシールドケースとを有する光感知ユニットと、
前記基板の上に配置された前記光感知ユニットを覆うように前記基板に取り付けられ、前記光感知素子に向かう光が透過する透過部を有する第2のシールドケースと
を備える光感知アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のシールドケースと前記第2のシールドケースの電位が異なる
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【請求項3】
前記光感知素子が出力する信号を増幅する増幅器を備え、
前記増幅器のバイアスと前記第1のシールドケースが同一の電位である
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のシールドケースには直流電圧が印加されており、
前記第2のシールドケースはグランドに接続されていない
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【請求項5】
前記光感知素子が出力する信号を増幅する増幅器を備え、
前記増幅器は前記第1のシールドケースと前記第2のシールドケースの間の空間において前記基板に取り付けられている
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【請求項6】
前記光感知素子が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する変換器を備え、
前記変換器は前記第1のシールドケースと前記第2のシールドケースの間の空間において前記基板に取り付けられている
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【請求項7】
前記光感知ユニットを収容し前記光感知ユニットを保持する絶縁性の部材であるホルダを備え、
前記ホルダが前記光感知ユニットを収容する収容空間の深さは前記光感知ユニットの高さより深く、
前記ホルダは、前記光感知ユニットを収容した状態で前記基板と前記第2のシールドケースの天板との間に配置される
請求項1に記載の光感知アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を感知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光感知素子を筐体に収めた部品(以下、光感知ユニットという)がある。なお、光感知素子によって感知される光は可視光に限られず、赤外光や紫外光を感知してもよい。光感知ユニットは、例えば火災の発生を検知する火災検知器に利用される。
【0003】
光感知ユニットに関する技術を開示している特許文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1に記載の赤外線センサモジュール(光感知ユニットの例)は、赤外線を受信する赤外線センサを基板に配置し、この基板上にシールドカバー及び金属ケースをそれぞれ搭載したものである。特許文献1におけるシールドカバーは、赤外線が通過するレンズが取り付けられた開口部が形成された天壁と、赤外線センサの周囲を覆う側壁とを有する。また、特許文献1における金属ケースは、赤外線センサ及びシールドカバーを収納し、シリコン窓の付いた開口部がレンズの位置に合うように設けられ、基板と接合されて赤外線センサを中空封止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-055819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話通信網の普及、Wi-Fi(登録商標)等の規格に従う無線通信の普及等に伴い、光感知ユニットが電磁ノイズの影響を受け易くなっている。
【0006】
上記の事情に鑑み、本発明は、光感知ユニットが受ける電磁ノイズの影響を低減する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、基板と、光を感知し感知した光の強さを示す信号を出力する素子である光感知素子と、前記光感知素子を収容し前記光感知素子に向かう光が透過する透過部を有する第1のシールドケースとを有する光感知ユニットと、前記基板の上に配置された前記光感知ユニットを覆うように前記基板に取り付けられ、前記光感知素子に向かう光が透過する透過部を有する第2のシールドケースとを備える光感知アセンブリを提案する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る光感知アセンブリにおいては、光感知素子が受ける電磁ノイズの影響が、第1のシールドケースと第2のシールドケースにより低減される。そして、第1のシールドケースを備える光感知ユニットの基板上の位置と、基板に対する第2のシールドケースの位置は自由に設計できる。そのため、それらのシールドケースの位置を適切に設計することで、光感知素子が受ける電磁ノイズの影響を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】光感知アセンブリ9の構成を示した分解図。
図2】光感知ユニット2の断面の例を示す図。
図3】変形例における光感知ユニット2の断面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る光感知アセンブリ9を説明する。以下、図において、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、円の中に点を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表す。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を-x方向という。また、部材の+x方向の側を+x側といい、-x方向の側を-x側という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、-y方向、+y側、-y側、z軸方向、+z方向、-z方向、+z側、-z側を定義する。以下の説明において、「上」は+z方向を意味し、「下」は-z方向を意味するものとする。
【0011】
図1は、光感知アセンブリ9の構成を示した分解図である。光感知アセンブリ9は、基板1、光感知ユニット2、及び外部シールドケース3(第2のシールドケースの例)を備える。また、図1に示す光感知アセンブリ9は、増幅器4、変換器5、及びホルダ6を備える。
【0012】
基板1は、いわゆるプリント基板である。基板1は、片側基板(一層基板)であってもよいし、両側基板(二層基板)であってもよい。また、基板1は、四層基板等の多層基板であってもよい。図1に示す基板1は、少なくとも+z側に部品を配置することが可能である。
【0013】
光感知ユニット2は、+z側に存在する光源から-z方向に照射される光を感知するユニットである。
【0014】
図2は、光感知ユニット2の断面の例を示す図である。図2には、yz平面に平行な平面により光感知ユニット2を切断した断面が示されている。図2に示す通り、光感知ユニット2は、光感知素子21、内部シールドケース22(第1のシールドケースの例)、リード23、及び、フィルタ24を有する。光感知素子21は、光を感知し、感知した光の強さを示す信号を出力する素子である。
【0015】
内部シールドケース22は、光感知素子21を収容するシールドケースである。この内部シールドケース22は、例えば、アルミ、鋼、ブリキ、鉛等の金属、又は他の導電性材料で形成されたケースである。図2に示す内部シールドケース22は、z軸方向に伸びる筒形状の側壁と、その筒形状の+z側、及び-z側の底面の一部を塞ぐ平板とを有する。なお、内部シールドケース22を平面視した形状は、円、多角形等のいずれであってもよい。内部シールドケース22の+z側の平板は、フィルタ24で塞がれる大きさの孔の開けられた環形状をしている。なお、+z側の平板に開けられている孔の形状は、円、多角形等のいずれであってもよい。内部シールドケース22の-z側の平板は、平面視した場合の大きさが、筒形状の側壁の大きさよりもやや大きい形状をしており、その一部が側壁の-z側縁部から外側に鍔状に突出している。この-z側の平板には、リード23を通す小さな孔が開けられている。内部シールドケース22は光感知ユニット2に向かう電磁波を低減する。
【0016】
フィルタ24は、内部シールドケース22の+z側に開けられた孔を下側から塞ぐように配置された状態で、例えば樹脂等の封止材兼接着剤によって、内部シールドケース22に取り付けられている。フィルタ24は、例えば、所定の波長帯域の光のみを透過するフィルタである。内部シールドケース22の+z側に開けられた孔と、フィルタ24のうち内部シールドケース22によって光が遮断されていない部分は、透過部20を構成する。すなわち、光感知素子21に向かう光は透過部20を透過する。
【0017】
内部シールドケース22の内側から-z方向の外部に向かい、リード23が伸びている。リード23は、基板1にプリントされた回路上に半田付けされて、光感知素子21が出力する信号を基板1上の他の部品に伝達する役割を果たす。なお、図2に示されているリード23の本数は1本であるが、リード23の本数は複数であってもよい。また、リード23は光感知素子21に接続されているが、図2においてはリード23のうち内部シールドケース22内の部分は省略されている。
【0018】
外部シールドケース3は、例えば、アルミ、鋼、ブリキ、鉛等の金属、又は他の導電性材料で形成されたケースである。この外部シールドケース3は、-z側が開口している箱形状を有する。外部シールドケース3は、-z側の端部が、基板1に搭載されたオンボードクリップ、半田付け等を介して、基板1に固定されている。
【0019】
図2に示す例において、外部シールドケース3は、ホルダ6ごと光感知ユニット2の周囲(側方及び上方)を覆う。外部シールドケース3は、光感知ユニット2に向かう電磁波を低減する。
【0020】
外部シールドケース3は、天板に透過部30を有する。透過部30は、例えば、光が透過するように開けられた孔である。透過部30は、外部シールドケース3が基板1に固定された状態で、光感知ユニット2の内部シールドケース22に設けられた透過部20とx軸方向、及びy軸方向の位置が重なる。これにより、光感知アセンブリ9の外部の+z側に位置する光源から光感知アセンブリ9に向かう光は、外部シールドケース3の透過部30を透過し、さらに、内部シールドケース22の透過部20を透過して、光感知素子21に届く。
【0021】
ホルダ6は、基板1上に配置され、光感知ユニット2を収容して保持する絶縁性の部材である。図2に示すホルダ6は、概ね+z側の底面が開口し、-z側の底面が塞がれた筒形状の部材であり、-z側の底面から-z方向に突起する脚部60A及び脚部60Bを有している。ホルダ6は、+z側の開口を通って-z方向に挿入される光感知ユニット2を収容する。なお、ホルダ6を平面視した形状は、収容する光感知ユニット2に応じた形状である限り、円、多角形等のいずれであってもよい。
【0022】
ホルダ6の-z側の底面には、-z側に光感知ユニット2のリード23を通すための孔が設けられている。この孔を通ってホルダ6の外部に引き出されたリード23は、基板1の-z側にプリントされた回路に半田付けされる。
【0023】
図2に示す高さHは、リード23を除く光感知ユニット2のz軸方向の長さである。また、図2に示す深さDは、ホルダ6が光感知ユニット2を収容する収容空間のz軸方向の長さである。この深さDは、高さHより大きい。例えば、図2に示す深さDは、差Δz1だけ高さHよりも大きい。このため、光感知ユニット2の底面外側がホルダ6の収容空間の底面内側に接するように、光感知ユニット2がホルダ6に収容されていれば、外部シールドケース3は、ホルダ6の上面61に阻まれて、光感知ユニット2の内部シールドケース22に接触することはない。従って、内部シールドケース22と外部シールドケース3が短絡することはない。
【0024】
ホルダ6の上面61は、外部シールドケース3の天板により基板1に対し-z方向に押さえ付けられる。これにより、光感知ユニット2を収容した状態のホルダ6は、基板1と外部シールドケース3の天板との間に配置された状態で保持される。
【0025】
ホルダ6が有する脚部60A及び脚部60Bは、ホルダ6が基板1の+z側表面を占有する面積を小さくする役割を果たす。ホルダ6の脚部60A及び脚部60Bが基板1に接することで、ホルダ6の下面62と基板1の+z側面の間には、差Δz2だけの隙間が生じる。従って、基板1の+z側表面のうち、ホルダ6により占有され回路がプリントできない領域は、脚部60が基板1に接する領域に限られる。
【0026】
なお、図2に例示の脚部60Aは、基板1に対するホルダ6の位置決めの役割も果たす。脚部60Aは-z側に突起するピンを有し、このピンが基板1に設けられた位置決め用の孔に嵌め込まれることで、基板1に対するホルダ6の位置決めが行われる。
【0027】
図1に示す増幅器4は、光感知ユニット2の光感知素子21が出力する信号を増幅する電子部品であり、例えば、トランジスタ等を含む増幅回路である。この増幅器4は、半田付けによって基板1に取り付けられており、かつ、図2に示す領域R1のいずれかに配置されている。領域R1は、基板1の+z側であって、外部シールドケース3と基板1とで囲われている空間であり、かつ、光感知ユニット2の内部シールドケース22よりも外側の空間である。つまり、領域R1は、内部シールドケース22と外部シールドケース3の間の領域である。
【0028】
増幅器4は、例えば、予め決められた直流(DC:Direct Current)電圧が固定バイアスとして印加されている交流増幅回路である。すなわち、この固定バイアスは、増幅器4の基準電位(グランド)となる。
【0029】
内部シールドケース22は、この増幅器4のグランドに接続されている。これにより、内部シールドケース22の電位は、増幅器4の固定バイアスと同一の電位になる。
【0030】
一方、外部シールドケース3は、上述した増幅器4のグランドではなく、アースに接続されている。なお、ここで言うアースとは光感知アセンブリ9を格納する筐体又は光感知アセンブリ9に電力を供給する電源線の-(マイナス)と同じ電位を指す。
【0031】
内部シールドケース22が増幅器4のグランドに接続され、外部シールドケース3がアースに接続されることで、外部から入る電磁ノイズを外部シールドケース3が吸収しアースに逃すことで電磁ノイズを遮断すると同時に、遮断しきれずに領域R1に侵入してしまった電磁ノイズを内部シールドケース22が同様に吸収する。しかし内部シールドケース22上部の開口部から侵入してきた電磁ノイズは光感知素子21が吸収してしまう。ここで前述の内部シールドケース22が吸収した電磁ノイズはグランドに流れ込み増幅器4の基準電位を揺らし、一方、光感知素子21が吸収した電磁ノイズは同様に増幅器4の入力を揺らす。故に領域R1に侵入してきた電磁ノイズにより増幅器4の基準電位と入力は同相で揺れてしまうが、同相であるために打消し合い光感知素子21が吸収してしまった電磁ノイズの影響を最小限に抑えることができる。その結果、内部シールドケース22と外部シールドケース3を同じ電位にする場合と比べて、電磁ノイズによる影響をより遮断又は減衰させることができる。
【0032】
図1に示す変換器5は、光感知ユニット2が有する光感知素子21が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する変換器である。変換器5は、半田付けによって基板1に取り付けられており、かつ、図2に示す領域R1のいずれかに配置されている。
【0033】
上述した光感知アセンブリ9において、光感知素子21は、内部シールドケース22、及び外部シールドケース3によって外部からの電磁ノイズの影響を受けにくい。
【0034】
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0035】
(1)上述した実施形態において、内部シールドケース22は、この増幅器4のグランドに接続され、かつ、外部シールドケース3は、アースに接続されている。内部シールドケース22、及び外部シールドケース3の少なくとも一方が、他の電位に保たれてもよい。例えば、内部シールドケース22がアースに接続され、外部シールドケース3が増幅器4のグランドに接続されていてもよい。
【0036】
(2)上述した実施形態において、内部シールドケース22は、増幅器4のグランドに接続されている。これに代えて、内部シールドケース22が、増幅器4のグランド以外のグランド(増幅器4のグランドとは異なる直流電圧が印加されているグランド)に接続されてもよい。また、外部シールドケース3が、いかなるグランドにも接続されていなくてもよい。その場合、外部シールドケース3の電位は不定となるが、外部シールドケース3と内部シールドケース22の電位は通常異なる。従って、光感知素子21に影響を与える電磁ノイズを、広い波長帯域において遮断又は減衰させることができる。
【0037】
(3)上述した実施形態において、変換器5は、基板1に取り付けられ、かつ、図2に示す領域R1のいずれかに配置されている。これに代えて、変換器5の一部の構成が内部シールドケース22の内側に配置されてもよい。例えば、変換器5を構成するトランジスタは上述した図2に示す領域R1に配置されており、変換器5を構成する抵抗は光感知ユニット2の内部シールドケース22の内側に配置されていてもよい。
【0038】
(4)上述した実施形態において、外部シールドケース3は、-z側の端部が、基板1に搭載されたオンボードクリップ等を介して、基板1に接続している。ここで、基板1のうち、オンボードクリップを介さずに、直接、外部シールドケース3と接触する部分に、例えば、ライン状の金属メッキが施されていてもよい。金属メッキには、例えば、金、半田等が用いられる。なお、半田に比べると金の方が、平滑な表面を有し、外部シールドケース3との接触性が高いので望ましい。
【0039】
(5)オンボードクリップは、基板1に塗布されたソルダーマスク(ソルダーレジストとも呼ばれる)によって遊動を防止されてもよい。
【0040】
(6)光感知ユニット2は、光感知素子21とグランドとの間に配置されるコンデンサを有してもよい。この場合、コンデンサにより、例えば内部シールドケース22及び外部シールドケース3では十分に低減されない波長帯域の電磁ノイズが低減される。
【0041】
(7)光感知アセンブリ9が、光感知素子21に対する電磁ノイズの影響を低減するためのフェライトコア、フェライトビーズ等のフェライトを備えてもよい。
【0042】
(8)基板1が両側基板(二層基板)である場合、-z側の面にも部品が配置されてよい。この場合、外部シールドケース3は、基板1の-z側の面に接続された部品を含めて基板1を覆ってもよい。この場合、外部シールドケース3は、基板1の+z側及び-z側の両側を覆う複数の部材で構成されてもよい。
【0043】
図3は、この変形例に係る光感知ユニット2の断面の例を示す図である。図3に示す外部シールドケース3は、外部シールドケース3a、及び外部シールドケース3bを有する。外部シールドケース3aは、-z側が開口している箱形状を有し、基板1の+z側を覆う。そして、外部シールドケース3bは、+z側が開口している箱形状を有し、基板1の-z側を覆う。この場合、領域R1は、基板1の+z側、及び-z側の区別なく、内部シールドケース22と外部シールドケース3の間の空間を示す領域である。外部シールドケース3a、及び外部シールドケース3bは、いずれも、例えばオンボードクリップ等を介して基板1に固定される。
【0044】
(9)基板1に、電磁ノイズを低減させるためのグランドパターンが印刷されてもよい。
【0045】
(10)上述した実施形態において、光感知ユニット2の透過部20は、内部シールドケース22の+z側に開けられた孔と、フィルタ24のうち内部シールドケース22によって光が遮断されていない部分によって構成されている。透過部20の構成は、光感知素子21に向かう光が透過する限りこれに限られない。
【0046】
透過部20は、例えば、単なる孔(開口)であってもよい。この場合、光感知ユニット2は、フィルタ24を有しない。また、透過部20は、全波長帯域、又は広い波長帯域の光を透過する板状又はフィルム状の部材で塞がれた孔(開口)であってもよい。これらの場合、外部シールドケース3の透過部30に、所定の波長帯域の光のみを透過するフィルタが配置されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…基板、2…光感知ユニット、20…透過部、21…光感知素子、22…内部シールドケース、23…リード、24…フィルタ、3…外部シールドケース、30…透過部、4…増幅器、5…変換器、6…ホルダ、60…脚部、61…上面、62…下面、9…光感知アセンブリ。
図1
図2
図3