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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167223
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】開閉式看板
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/18 20060101AFI20231116BHJP
   E04F 10/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G09F7/18 Q
E04F10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078234
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】510248431
【氏名又は名称】有限会社サイン
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和利
【テーマコード(参考)】
2E105
【Fターム(参考)】
2E105AA04
2E105AA08
2E105BB01
2E105CC02
2E105DD04
2E105DD08
2E105DD26
2E105EE41
2E105FF03
2E105FF32
2E105FF45
2E105GG01
(57)【要約】
【課題】本発明は、宣伝広告的機能の他に有用な機能を発揮することのできる看板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一観点に係る開閉式看板1は、設置壁面Wに対して固定される中枠2と、中枠2に対して開閉自在に接続される前看板3と、中枠2と前看板3の開状態を支える支持部材4と、を備えるものである。また、本観点において、限定されるわけではないが、中枠2と前看板3を固定するための固定部材6と、枠部材31に固定される広告板部材32を有する前看板3と、を備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略垂直な設置壁面に対して固定される中枠と、
略水平方向の軸を回転中心として、前記中枠に対して開閉自在に接続される前看板と、
前記中枠と前記前看板に接続され、前記中枠と前記前看板の開状態を支えるために前記中枠と前記前看板の間に反発する力を生じさせるスプリングを有する第一の支持部材と、を備える開閉式看板。
【請求項2】
前記前看板と地面の間に設けられる棒状部材である第二の支持部材を有する請求項1記載の開閉式看板。
【請求項3】
前記中枠と前記前看板を固定するための固定部材を備える請求項1記載の開閉式看板。
【請求項4】
前記前看板は、枠部材と、前記枠部材に対して固定される広告板部材と、を備える請求項1記載の開閉式看板。
【請求項5】
前記中枠の枠内に設置される中看板を備える請求項1記載の開閉式看板。
【請求項6】
前記前看板が開状態である場合に、前記前看板を閉じるために前記前看板を引っ張る引張部材を有する請求項1記載の開閉式看板。
【請求項7】
前記棒状部材の長さは、前記中枠の縦方向より長い請求項2記載の開閉式看板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉式看板に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に対する商品若しくは店舗(以下「商品等」という。)の宣伝、又は、必要な情報を提供するため、商品等の内容を記載した広告板を掲載して表示する看板が一般的に用いられている。看板は広場や道路脇、建物壁面等に設置され広告宣伝的効果を発揮する。
【0003】
一般に屋外看板に関する技術としては、例えば下記非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://www.ogata-print.com/work/239/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献に関する一般的な屋外看板は、単に宣伝広告的機能のみを有し、これ以外の用途として用いることが殆ど無い。看板が他の機能を有することになれば、当該機能を発揮することによる相乗効果と付加価値の増加が期待できる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み宣伝広告的機能の他に有用な機能を発揮することのできる看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、建物などの壁面に看板を設置するとともに、この看板を中枠と分離して開閉式とすれば、例えば雨天時においては屋根としても活用できることに着目し本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、上記課題を解決する本発明の一観点に係る開閉式看板は、略垂直な設置壁面に対して固定される中枠と、略水平方向の軸を回転中心として、中枠に対して開閉自在に接続される前看板と、中枠と前看板に接続され、中枠と前看板の開状態を支えるために中枠と前看板の間に反発する力を生じさせるスプリングを有する第一の支持部材と、を備えるものである。
【0009】
また、本観点において、限定されるわけではないが、前看板と地面の間に設けられる棒状部材である第二の支持部材を有することが好ましい。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけではないが、中枠と前看板を固定するための固定部材を備えることが好ましい。
【0011】
また、本観点において、限定されるわけではないが、前看板は、枠部材と、枠部材に対して固定される広告板部材と、を備えることが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけではないが、中枠の枠内に設置される中看板を備えることが好ましい。
【0013】
また、本観点において、限定されるわけではないが、前看板が開状態である場合に、前看板を閉じるために前看板を引っ張る引張部材を有することが好ましい。
【0014】
また、本観点において、限定されるわけではないが、棒状部材の長さは、中枠の縦方向より長いことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上、本発明によって、宣伝広告的機能の他に有用な機能を発揮することのできる看板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る開閉式看板の斜視概略を示す図(閉状態)である。
図2】実施形態に係る開閉式看板の斜視概略を示す図(開状態)である。
図3】実施形態に係る開閉式看板の側面概略(閉状態)を示す図である。
図4】実施形態に係る開閉式看板の側面概略(開状態)を示す図である。
図5】実施形態に係る開閉式看板の前看板を省略した場合の斜視概略を示す図である。
図6】実施形態に係る開閉式看板の他の形態の例を示す図である。
図7】実施形態に係る開閉式看板の開閉を制御する蝶番及びその近傍の部分拡大を示す図である。
図8】実施形態に係る開閉式看板の前看板の溝の概略を示す図である。
図9】実施形態に係る開閉式看板のシール材の概略を示す図である
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載の具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0018】
図1は、本実施形態に係る開閉式看板(以下「本開閉式看板」という。)1の斜視概略を示す図であって閉状態となっている場合を、図2はその開状態をそれぞれ示す。また、図3は閉状態における側面図であり、図4はその開状態における側面図である。
【0019】
これらの図で示すように、本開閉式看板1は、略垂直な設置壁面Wに対して固定される中枠2と、略水平方向の軸を回転中心として、中枠2に対して開閉自在に接続される前看板3と、中枠2と前看板3に接続され、中枠2と前看板3の開状態を支えるために中枠2と前看板3の間に反発する力を生じさせるスプリングを有する第一の支持部材4と、を備えるものである。本開閉式看板1は、閉状態は通常の看板としての使用が可能であり、開状態となると、この部分が屋根となり、雨天時等において雨宿りが可能となり、晴天時には日除けとしての使用が可能となる。
【0020】
本開閉式看板1は、上記の通り略垂直な設置壁面Wに対して固定される中枠2を備える。中枠2は、本開閉式看板1を支える主要な骨格部材の一つであり、略垂直な設置壁面Wに対して固定される。ここで、「設置壁面」とは、典型的に看板を設置するための建物の壁面を例示することができるが、コンクリート等によって作られている塀、壁等も当然に含まれる。なおここで「略垂直」とは、完全なる垂直を含む概念であるが、製造上の誤差を含む概念であり、現実的には80度から100度のプラスマイナス10度程度の誤差を含む概念である(以下「略垂直」という場合において同じである。)。本開閉式看板1、より具体的には中枠2を略垂直な設置壁面Wに配置することで、この略垂直な面を看板設置スペースとして用いることができる。中枠2の形状については、設置壁面Wに固定でき、前看板3を支持することができる限りにおいて限定されるわけではないが、略垂直な方向で組み合わされるそれぞれが略平行な一対の縦枠部材及び一対の横枠部材によって構成される中空の四角形であることが好ましい。
【0021】
本開閉式看板1の中枠2は、設置壁面Wに対して固定し、前看板を含めて安定的に保持することができる限りにおいて限定されず、例えば釘、ボルト等の金属製の固定部材によって固定されていてもよく、また接着剤等によって固定されていてもよい。
【0022】
また、中枠2の材質は、本開閉式看板1の効果を得ることができる限りにおいて限定されるわけではないが、金属又は樹脂であることが好ましい。樹脂の場合は軽量性を確保することができるといった利点があるが、金属とすることで確実に強度を確保することができるため、金属であることがより好ましい。金属の場合、ステンレス等であれば錆を防止することができる効果があるが、アルミニウムやその合金であれば軽量性も確保することができる観点において好ましい。
【0023】
また、本開閉式看板1の中枠2の高さ及び幅(中枠2の縦方向及び横方向の長さ(中枠2の下辺から上辺までの長さ又は左辺から右辺までの長さ))は、適宜調整可能であるが、通行人が看板として視認し、その看板に記載された情報を理解できる程度の大きさを備えているとともに、前看板3を屋根として用いることができるようにある程度の高さの範囲になっていることが好ましく、例えば0.5m以上3m以下であることが好ましい。また、本開閉式看板1の中枠2の地面からの高さ(地面から中枠2の上辺までの長さ)としては、通行人が視認しやすく、また前看板を開いたときに屋根として機能できることを考慮すると、1.5m以上5m以下であることが好ましい。
【0024】
また、本開閉式看板1は、略水平方向の軸を回転中心として、中枠2に対して開閉自在に接続される前看板3を備える。前看板3は、本開閉式看板1の本質的な広告的機能を発揮することができる部材であり、閉状態においては、通行人がその広告内容を視認することができるよう広告コンテンツが表示される。なおここで「略水平」とは、完全なる水平を含む概念であるが、製造上の誤差を含む概念であり、現実的には10度から-10度のプラスマイナス10度程度の誤差を含む概念である。(以下「略水平」という場合において同じである。)
【0025】
また、本開閉式看板1において、前看板3は、枠部材31と、枠部材31に対し固定される広告板部材32と、を備えることが好ましい。
【0026】
前看板3における枠部材31は、広告板部材32を支持するとともに、上記の中枠2に接続させるために重要な部材である。具体的に枠部材31は、略垂直な方向で組み合わされるそれぞれが略平行な一対の縦枠部材及び一対の横枠部材によって構成される中空の四角形であることが好ましい。
【0027】
また、前看板3における枠部材31の材質は、本開閉式看板1が開状態すなわち跳ね上げられた状態となった場合でも、広告板部材32を安定的に形状を確保することができる限りにおいて限定されるわけではないが、金属又は樹脂であることが好ましい。樹脂の場合は軽量性を確保することができるといった利点があるが、金属とすることで確実に強度を確保することができるため、金属であることがより好ましい。金属の場合、ステンレス等であれば錆を防止することができる効果があるが、アルミニウムやその合金であれば軽量性も確保することができる観点において好ましい。
【0028】
また、前看板3の枠部材31の互いに直交する2辺によって囲まれる領域には、枠部材31の辺のいずれかに略平行に配置される前看板用梁部材33を設けていてもよい。このように梁となる部材を設けることで、枠部材31の補強及び広告板部材32に生じやすい撓みを防ぐことが可能となる。この場合の概略(広告板部材32を除いた前看板3の概略)について図5に示しておく。
【0029】
前看板3の枠部材31の大きさは適宜調整可能であり限定されるわけではないが、例えば幅としては、中枠2の高さ及び幅とほぼ同じ又はそれ以上であることが好ましい。
【0030】
また、前看板3は、中枠2の領域において分割されて複数設けられていてもよい。複数設けることでより多くの広告を行うことができるとともに、前看板3を1つで形成した場合に比べて一つ一つの軽量化を図ることができ、簡便に開閉状態を実現できるといった利点がある。この場合の概略について図6に示しておく。
【0031】
また、前看板3の枠部材31にはその囲まれた内側の部分に、広告板部材32が固定されている。広告板部材32に絵や文字等の広告内容(広告コンテンツ)を表示することで、通行人に対して広告内容を視認させることが可能となる。
【0032】
また、前看板3の広告板部材32の大きさは適宜調整可能であるが、枠部材31の内部にしっかりと収まる大きさとなっていることが好ましい。
【0033】
また、前看板3の広告板部材32は板状の部材であるがその材質は適宜選択可能であるが、木材、プラスチック、金属等を用いることができる。
【0034】
また、本開閉式看板1の前看板3は、上記の通り、略水平方向の軸を回転中心として、中枠2に対して開閉自在に接続される。これにより、閉状態と開状態を実現でき、閉状態では通常の広告看板としての機能を、開状態では屋根付きのテントとしての機能を発揮することができるようになる。ここで上記の記載からすでに明らかであるが「閉状態」とは、中枠2に対して前看板3が接触した状態をいい、「開状態」とは、中枠2に対して前看板3の広告面が離れた状態をいい、より具体的には中枠2の延伸軸方向に対して、広告板部材32の面が60度以上210度以下の角度範囲となっている状態をいう。
【0035】
また、本開閉式看板1の前看板3と中枠2の接続構造としては、上記の開状態及び閉状態を実現することができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば前看板3の上辺と略平行な方向に沿った少なくとも2枚の羽根板部材51と、この少なくとも2枚の羽根板部材に挿入される軸52とを有するいわゆる蝶番5であることが好ましい。この羽根板部材51のいずれか一方を支柱2に、他方を前看板3に接続することで、中枠2に対して前看板3を吊り下げ固定することが可能となるとともに、蝶番5の軸52を中心に前看板3を回転させることが可能となる。接続構造に係る蝶番5及びその近傍の拡大図について図7に示しておく。なお、蝶番5における軸52が、前看板と中枠2を開閉自在に接続するための略水平方向の軸として機能することになる。
【0036】
ところで、本開閉式看板1において、上記の開状態では前看板3は雨天時の屋根としても活用することができるが、大雨の場合、前看板3の上に雨が溜まってしまうおそれがある。そこで雨を排出するために、前看板3には溝33が形成されていることが好ましい。図8に、溝33の概略について示しておく。雨を排出する機能がある限り限定されるわけではないが、前看板3の枠部材31の四角形の四隅に複数の溝33が形成されていることが好ましい。このようにすることで、前看板3に雨が溜まり、雨の自重によって前看板3が損傷することを防ぐことができる。
【0037】
また、本開閉式看板1は、中枠2と前看板3に接続され、中枠2と前看板3の開状態を支えるために中枠2と前看板3の間に反発する力を生じさせるスプリングを有する第一の支持部材4を備える。第一の支持部材を設けることで、使用者は手を離したとしても前看板が上がった状態(開状態)を維持することができる。なお、ここで「第一」とあるのは、前看板の開状態を維持するための支持部材であるという意味において後述する棒状部材を有する支持部材と同じであり、これと区別するために用いる用語にすぎず、これ以外に技術的な意味は含まない。
【0038】
本開閉式看板1の第一の支持部材4は、上記の通り、適宜選択及び調整が可能であり限定されるわけではないが、中枠2と前看板3の間に配置されるものであり、これらの間に反発する力を生じさせることができるスプリングを有する。スプリングとしては、いわゆるスプリングダンパーであることが好ましい。スプリングダンパーとしては、限定されるわけでは無いが、中空の筒部と、この筒部内を摺動するシリンダと、その筒部とシリンダの間に反発力を生じさせる反発部材と、を有している構造を採用できる。このスプリングダンパーを用いることで、筒部を中枠2又は前看板3に固定し、他方のシリンダを前看板3又は中枠2に固定することが可能となり、開状態となった場合に、中枠2と前看板3の間の反発力を生じさせることができるようになる。なおここで反発する力を生じさせるための部材としては、金属バネであってもよいが、中空の筒部内にシリンダに対する反発力を生じさせるためのガスを高圧力で充填させておく構造(いわゆるガススプリング)とすることが好ましい。
【0039】
また、本開閉式看板1において、支持部材4は、前看板3と地面の間に設けられる棒状部材71であることも好ましい。このように棒状部材71を設けることで、より確実に開状態を維持することができるようになる。なおこの棒状部材71は、中枠2及び前看板3から完全に独立した単なる棒状部材であってもよいが、前看板3に回転可能に接続され、開状態の場合はその接続点を中心に回転し、設置面に接触する構造となっていてもよい。
【0040】
また、本開閉式看板1では、中枠2と前看板3を固定するための固定部材6を備えることも好ましい。上記のように、支持部材4は開状態において中枠2と前看板3を支えることができるようになっている。一方で、このように構成すると、閉状態にした場合においても中枠2と前看板3が反発して開状態になろうとしてしまうおそれがある。そのため、固定部材6を設けることで、勝手に開いてしまわないようにすることができる。この構造については特に限定されるわけではないが、前看板3の枠部材に設けられる孔と、この孔に挿入するための引掛鍵と、を有する構造としておくことが簡便である。ただし、この機能を有する限りにおいて限定されずこれ以外の構成についても当然可能である。
【0041】
また、本開閉式看板1において、限定されるわけでは無いが、中枠2の枠内に設置される中看板21を備えることが好ましい。前看板3を上げて「開状態」とした場合、前看板3が雨天時等において雨宿りが可能な屋根となる。そのため、この状態では前看板3の広告内容を通行人が視認できなくなる。そこで、「開状態」においても、中看板21を備えることで、中看板21に絵や文字等の広告内容(広告コンテンツ)を表示し、通行人に対して広告内容を視認させることが可能となる。なお、中枠2の中看板21の大きさは適宜調整可能であるが、中枠2の内部に収まる大きさとなっていることが好ましい。
【0042】
また、中枠2の中看板21は板状の部材であるがその材質は適宜選択可能であるが、前看板3の広告板部材32と同じく、木材、プラスチック、金属等を用いることができる。
【0043】
また、本開閉式看板1は、棒状部材71を有する第二の支持部材7を有することが好ましい。棒状部材71は、前看板3と地面の間に設けられるものである。上記第一の支持部材4によって前看板3を上げた状態にすることができるが、自重や風等によって徐々に前看板が下がってしまう場合があり、これが下にいる通行人に当たってしまうことは避けなければならない。そこで、本開閉式看板1では、第二の支持部材7によって支えることでこのおそれを可能な限り抑えることが可能となる。
【0044】
また、本開閉式看板1において、棒状部材71の長さは、中枠2における縦方向の長さよりも長くなっていることが好ましい。中枠2は設置壁面Wに設置されるものであり、中枠2の下辺は地面よりも高い位置に設置されている。そのため、中枠2の上辺及び前看板3の枠部材31はこの中枠2の縦方向の長さよりも十分長くなっている。この長さとしては、上記の通り中枠2の高さ等によって適宜調整可能であり特に限定されるわけでは無いが、1.5m以上5.5m以下の範囲にあることが好ましい。
【0045】
また、本開閉式看板1においては、前看板3が開状態である場合、前看板3を閉じるために、前看板3を引っ張るための引張部材34を備えておくことも好ましい。このように引張部材34を備えることで、人の手が届かない前看板3を引っ張ることができるようになり、前看板3を閉じる作業を簡便に実施することができるようになる。なお、引張部材34の具体的な構造については適宜選択可能であり限定されるわけでは無いが、前看板に接続されたひも状の引張糸であってもよく、また、棒状部材の先端に引っかけるための爪を備えた引張棒であってもよく限定されない。なお、引張棒の場合、上記の第二の支持部材7である棒状部材の一方の端に爪を設けておくものとしておくこともよい。
【0046】
ところで、本開閉式看板1においては、中枠2と前看板3を隙間なく接着するために、シール材35が配置されていることが好ましい。このようにすることで、雨天時に前看板3を開状態で屋根として用いた場合、中枠2と前看板3の隙間から漏れてくる雨を防ぐことができる。また、隙間からの雨を防止するという観点において、前看板3における枠部材31と広告板部材32を隙間なく接着するために、シール材35が配置されていることも好ましい。この場合のイメージ図について図9に示しておく。隙間からの雨を防ぐ限りにおいて限定されるわけではないが、シール材35の材質は樹脂などを例示することができる。
【0047】
以上、本開閉式看板1によって、宣伝広告的機能の他に有用な機能を発揮することができる。より具体的に説明すると、本開閉式看板1は、閉状態において通常の看板としての機能を発揮することができる一方、開状態とした場合、この広告板部材を屋根とすることが可能であり、例えば雨天時においてこの下で雨宿りをすることが可能となる。またイベント時においては、この屋根をテントとして活用し、売店や休憩等のスペースとして活用することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は看板として産業上の利用可能性がある。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9