(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167227
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231116BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q30/06 340
G06Q30/02 398
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078242
(22)【出願日】2022-05-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇崎 正俊
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】ユーザ及び購入補助者のメリットを考慮しつつ、広告の視聴を希望するユーザに対してのみ広告を表示する。
【解決手段】情報処理装置10は、商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付け、商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、商品の購入に関する情報である商品購入情報と、商品の購入の補助の有無に関する情報である購入補助情報と、商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける受付部と、
前記受付部で前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助の有無に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する発行部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記商品の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ前記購入補助者情報を読み出す読出部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記商品の購入をした購入者の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ前記購入補助者情報を読み出す読出部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行部で発行した前記NFTの情報に基づいて、ブロックチェーン外の領域に保存されているデータを送信する送信部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける工程と、
前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける手順と、
前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する手順と、
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WEBサイト上で商品を取引する時に、取引対象の販売を促進するための技術が提案されている。例えばEC(Electronic Commerce)サイト上で訪問者、利用者又は購入者(以下、「ユーザ」)に商品購入を促すための販促活動として、購入補助者による広告の表示やクーポンの配布等が提案されている。
【0003】
加えて、WEBサイト上での広告表示は、ユーザに商品を認知もしくは購買してもらうことを目的に配信しており、近年の技術ではユーザ属性や嗜好等のユーザ情報や購入商品情報に基づいて、ユーザに親和性の高い広告の選択的な配信が行われる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-041055号公報
【特許文献2】特開2021-089485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザ及び購入補助者のメリットを考慮しつつ、広告の視聴を希望するユーザに対してのみ広告を表示することができないという課題があった。例えば、ECサイトで商品を購入したユーザが広告視聴を希望しない場合であっても、広告を強制視聴させる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、受付部にて商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付け、前記受付部で前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助の有無に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行部にて発行する、ことを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザ及び購入補助者のメリットを考慮しつつ、広告の視聴を希望するユーザに対してのみ広告を表示することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るブロックチェーンネットワークの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の装置構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る記憶部が保持する購入補助に関する情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る記憶部が保持する商品購入に関する情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る記憶部が保持する購入者に関する情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る記憶部が保持する購入補助者に関する情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るブロックチェーンの構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態の説明は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを限定するものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
本発明は、購入者が選択した購入補助の有無に関する情報である購入補助情報13aと、商品に関する情報である商品購入情報13bと、購入者に関する情報である購入者情報13cと、購入補助者に関する情報である購入補助者情報13dと、を紐づけたNFT(Non Fungible Token)102を発行し、前述のNFT102に紐づけられた情報に基づいて商品と広告の両方もしくはどちらか一方を表示する情報処理装置10である。以下では、ECサイト上で取引される商品が、静止画像、動画像、音声、音楽、アプリケーションプログラム等のデジタルコンテンツである場合を例に挙げ説明する。
【0011】
なお、ECサイトを例に説明するが、ECサイトに限定されるものではなく、例えばWEBサイトやアプリケーションプログラム等であってもよい。また、前述の取引される商品は一例であり、静止画像、動画像、音声、音楽、アプリケーションプログラム等のデジタルコンテンツに限定されるものではない。
【0012】
〔2.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、情報処理装置10が行う情報処理方法の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
図1では、ECサイトの商品購入画面101を、端末装置100が表示する。購入者は、端末装置100の画面上に表示された商品購入画面101上で、購入補助の有無を選択する(工程S10)。この時、情報処理装置10の受付部12aが、購入者の購入補助の有無についての選択を受け付ける(工程S11)。例えば、購入者は、
図1の商品購入画面101上に表示される「商品A」を「1,000円」で購入する際に、「スポンサー割引を利用する(〇〇%引きで購入)」というチェックボックスにチェックを入れ、購入補助を受けることを選択する。
【0013】
続いて、情報処理装置10の発行部12cが、工程S11で受付部12aが受け付けた購入補助の有無に関する情報である購入補助情報13aと、記憶部13が保持する商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、に基づいて、前述の情報を紐づけたNFT102を発行する(工程S12)。例えば、
図1のNFT102は、商品名は「商品A」で、購入者は「ユーザA」で、購入補助は「あり」で、購入補助者の名称は「ABC株式会社」で、という情報を含んでいる。
【0014】
続いて、情報処理装置10の発行部12cは、工程S12で発行したNFT102をユーザーウォレット103に格納する(工程S13)。次に、情報処理装置10の送信部12dは、発行部12cが工程S13で格納したNFT102の情報に基づいて商品や広告を端末装置100に表示する。例えば、
図1のユーザーウォレット103は、購入者が購入した商品Aと、購入補助者が提供する広告Bと、が表示される。なお、
図1には例示をしていないが、購入者が購入補助を受けないことを選択した場合は、ユーザーウォレット103には購入商品のみが表示され、広告は表示されない。
【0015】
〔3.情報処理システムの構成〕
次は、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す説明図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置100と、ブロックチェーンネットワーク20と、を含む。本実施形態では、情報処理装置10と、端末装置100と、ブロックチェーンネットワーク20とは、所定の通信網(ネットワークNW)を介して、有線又は無線により相互に通信可能に接続される。端末装置100及びブロックチェーンネットワーク20は、
図4に示す情報処理装置10の通信部11と連携する。なお、
図2に示した情報処理システム1は、複数台の情報処理装置10、複数台の端末装置100又は複数のブロックチェーンネットワーク20が含まれ構成されていてもよい。
【0016】
情報処理装置10は、端末装置100と、ブロックチェーンネットワーク20と、からネットワークNWを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。なお、情報処理装置10は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータ等であってよい。
【0017】
端末装置100は、利用者が利用するスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPCやノートPC等、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。なお、本実施形態では、端末装置100がスマートフォンである場合を示している。
【0018】
ブロックチェーンネットワーク20は、複数の通信ノード端末NXによって構成される分散型ネットワークである。また、通信ノード端末NXは、ブロックチェーンネットワーク20を構成する通信ノード装置である。なお、通信ノード端末NXは、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークへの接続手段、種々の入出力装置等を備えた一般的なコンピュータ装置で、例えばIA(Intel Architecture)サーバ、デスクトップ型PC、ノート型PC等であってよい。
【0019】
〔3-1.ブロックチェーンネットワークの構成〕
次は、実施形態に係るブロックチェーンネットワーク20の構成について説明する。
図3は、実施形態に係るブロックチェーンネットワーク20の構成例を示す説明図である。
図3に示すブロックチェーンネットワーク20は、P2P(Peer to Peer)ネットワークであり、通信ノード端末N1からN8と、ネットワークNWを有する。なお、
図3に示す通信ノード端末N1からN8は、例示であって、ブロックチェーンネットワーク20はこれ以上の数の通信ノード端末NXを備えてもよい。
【0020】
通信ノード端末NXは、公開鍵を含む固有アドレスをそれぞれ有し、複数の通信ノード端末NXがそれぞれ共同してブロックチェーンネットワーク20の維持を行う。例えば、通信ノード端末NXの補助記憶装置には、後述の
図9に示すような情報処理装置10のブロックチェーンデータ13fに含まれるブロックと同じブロックが記憶される。したがって、ブロックチェーンネットワーク20を利用して商品の購入や購入代金、割引代金、広告表示回数、広告表示期間等の情報処理の履歴を分散共有しかつ監視し合うことにより、通信ノード端末NXの間での処理の存在及び正当性を担保することができる。
【0021】
ネットワークNWは、通信ノード端末NXを相互に通信可能に接続する有線又は無線の通信網である。
【0022】
〔4.情報処理装置の構成〕
次は、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す説明図である。
図4に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を有する。なお、
図4に図示していないが、情報処理装置10は、情報処理装置10の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0023】
(通信部11について)
通信部11は、ネットワークNWと有線又は無線で接続され、端末装置100と、情報処理装置10と、ブロックチェーンネットワーク20と、の間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークアダプタ(Network Adapter)やネットワークインタフェースカード(Network Interface Card)等によって実現される。
【0024】
(記憶部13について)
記憶部13は、
図4に示すように購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、メタデータ13eと、ブロックチェーンデータ13fと、を有する。例えば、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0025】
(購入補助情報13aについて)
購入補助情報13aは、購入補助に関する情報である。購入補助情報13aに含まれる情報の一例を、
図5を用いて説明する。
図5の例では、記憶部13は、購入補助ID「SD001」により識別された購入者IDが「U001」であり、購入補助が「あり」であり、割引率が「5%」であり、広告表示期間が「1日間」であり、広告表示回数が「1回」である、と記憶している。なお、購入補助情報13aに含まれる情報は、「購入補助ID」、「購入者ID」、「購入補助」、「割引率」、「広告表示期間」、「広告表示回数」、という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の購入補助に関係する情報が含まれていてよい。
【0026】
(商品購入情報13bについて)
商品購入情報13bは、購入商品に関する情報である。商品購入情報13bに含まれる情報の一例を、
図6を用いて説明する。
図6の例では、記憶部13は、商品ID「P0001」により識別された商品名が「商品A」であり、分類が「スポーツ」であり、購入者IDが「U001」であり、商品URIが「https://aaa…」である、と記憶している。なお、商品購入情報13bに含まれる情報は、「商品ID」、「商品名」、「分類」、「購入者ID」、「商品URI」、という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の購入商品情報に関係する情報が含まれていて良い。
【0027】
(購入者情報13cについて)
購入者情報13cは、商品を購入した購入者に関する情報である。購入者情報13cに含まれる情報の一例を、
図7を用いて説明する。
図7の例では、記憶部13は、購入者ID「U001」により識別された購入者名が「AAA」であり、性別が「男性」であり、年齢が「35」であり、居住地域が「東京都〇〇区」であり、興味関心が「投資」である、と記憶している。なお、購入者情報13cに含まれる情報は、「購入者ID」、「購入者名」、「性別」、「年齢」、「居住地域」、「興味関心」、という項目に係る情報に限定されるものではなく、例えば購入者の持つ人口統計学的属性と、心理学的属性と、地理的属性と、行動属性と、等に関係する情報が含まれていてよい。
【0028】
(購入補助者情報13dについて)
購入補助者情報13dは、購入補助を提供する者に関する情報である。購入補助者情報13dに含まれる情報の一例を、
図8を用いて説明する。
図8の例では、記憶部13は、購入補助者ID「SP001」により識別された名称が「ABC株式会社」であり、広告URIが「https://xxx…」であり、補助者分類が「スポーツ」であり、広告分類が「スポーツ」である、と記憶している。なお、購入補助者情報13dに含まれる情報は、「購入補助者ID」、「名称」、「広告URI」、「補助者分類」、「広告分類」、という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の購入補助者情報に関係する情報が含まれていてよい。なお、購入補助者情報13dは事前に登録するか、もしくは入札形式で受け付けても良い。
【0029】
(メタデータ13eについて)
メタデータ13eには、商品や広告のデータが含まれる。メタデータ13eに含まれるデータは、NFT102内に含まれる前述の「商品URI」もしくは「広告URI」と紐づいている。送信部12dは、前述のURI情報に基づいてメタデータ13eに含まれる商品や広告のデータを、ユーザーウォレット103内で表示する。なお、メタデータ13eに含まれる情報は、前述の商品や広告に関するデータに限定されるものではなく、その他の任意の情報が含まれていてよい。
【0030】
(ブロックチェーンデータ13fについて)
ブロックチェーンデータ13fには、ブロックチェーンBCが含まれる。ブロックチェーンデータ13fに含まれるブロックチェーンBCについて、
図9を用いて説明する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置10のブロックチェーンデータ13fに記憶されるブロックチェーンBCのデータ構造を示す説明図である。
図9に示すように、ブロックチェーンデータ13fは、1ブロック、2ブロック…、(n-1)ブロック、(n)ブロック、(n+1)ブロック、…を含む、ブロックと呼ばれるデータの時系列連鎖によって構成されるブロックチェーンBCを含む。このブロックチェーンBCを構成する各ブロックは、直前のブロックのハッシュ値の情報を含む。この為、ブロックチェーンBCのいずれかのブロックの改ざんが行われた場合は、データの連鎖関係に不整合が生じる。
【0031】
(制御部12について)
図4に示すように、制御部12は、受付部12aと、読出部12bと、発行部12cと、送信部12dと、を有する。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等が、RAMを作業領域として情報処理装置10の記憶装置に記憶されている各種プログラムを実行することにより、実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0032】
(受付部12aについて)
受付部12aは、商品購入時に購入者が選択した商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける。なお、受付部12aで受け付ける情報は、前述の購入補助の有無の選択に関する情報に限定されるものではない。例えば、受付部12aは、購入補助の方式、広告の表示期間、広告の表示回数、購入者自身のユーザ属性情報の提供の有無、等の選択を受け付けても良い。
【0033】
例えば、受付部12aは、前述の購入補助の方式について、一定金額の割引く「割引金額」、付録やおまけ等の主要な商品とは別に付属物を添付する「付録」、次回以降の購入で任意の商品に使用できる「次回購入補助」、ECサイト内で商品購入時の割引やキャッシュバック等に使用できる「疑似通貨(ポイント)」、購入補助を有りの場合のみ購入可能な「限定購入権利」、等の選択を受け付けても良い。
【0034】
また、受付部12aは、購入者による前述の広告の表示期間又は表示回数の選択を受け付けて、購入補助の方式、割引率又は割引代金の金額等に差異を設定しても良い。もしくは、受付部12aは、前述の購入者自身のユーザ属性情報の提供の有無の選択を受け付けて、購入補助の方式、割引率又は割引代金の金額等に差異を設定しても良い。
【0035】
(読出部12bについて)
読出部12bは、記憶部13が保持する購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、を読み出す。
【0036】
さらに、読出部12bは、商品の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ購入補助者情報13dを読み出す。例えば、読出部12bは、購入商品がスポーツに関するものであれば、スポーツに関する購入補助者もしくは購入補助者が提供する広告の情報を読み出す。
【0037】
また、読出部12bは、商品の購入をした購入者の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ購入補助者情報13dを読み出す。例えば、読出部12bは、購入者が旅行に関する興味関心を持つ属性であり、旅行に関する販売商品を購入した際は、旅行に関する購入補助者もしくは購入補助者が提供する広告を読み出す。
【0038】
なお、前述した購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、以外の情報を読み出しても良い。さらに、前述した購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、以外の情報に基づいて購入補助者情報13dを読み出しても良い。
【0039】
(発行部12cについて)
発行部12cは、読出部12bで読み出した情報に基づいて、受付部12aで商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、商品の購入の補助の有無に関する情報である購入補助情報13aと、商品の購入に関する情報である商品購入情報13bと、商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報13cと、商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報13dと、が紐づけられたNFT102を発行し、ユーザーウォレット103に格納する。また、受付部12aで商品の購入の補助を無しとして受け付けた場合は、発行部12cは、購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、が紐づけられたNFT102を発行し、ユーザーウォレッ103トに格納する。
【0040】
なお、前述した情報以外にもNFT102に含まれる情報を追加しても良い。また、商品購入情報13bと購入補助者情報13dは、異なるNFT102に紐づけられて発行されてもよい。
【0041】
(送信部12dについて)
送信部12dは、発行部12cで発行したNFT102の情報に基づいて、ブロックチェーン外の領域に保存されているデータを送信する。例えば、送信部12dは、ユーザーウォレット103内に格納されているNFT102の情報に基づいて、購入商品のデータや広告のデータを送信する。端末装置100は、送信部12dが送信したデータに基づいて、商品又は広告のいずれか一つもしくはその両方を表示する。
【0042】
〔5.処理手順〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置10による情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図10の例では、情報処理装置10の受付部12aは、購入者が商品購入をした際に購入補助の有無の選択についての情報を購入補助情報13aとして受け付ける(工程S101)。次に、情報処理装置10の読出部12bは、購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、を記憶部13から読み出す(工程S102)。なお、情報処理装置10の読出部12bは、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、に基づいて購入補助者情報13dを読み出してしてもよい。
【0044】
続いて、情報処理装置10の発行部12cは、前述した購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、が紐づけられたNFT102を発行する(工程S103)。そして、情報処理装置10の送信部12dは、NFT102に紐づけられた情報に基づいて、商品又は広告を表示する。なお、購入補助の有無によりこの先の工程が分岐する。(工程S104)。購入者が購入補助を受けないことを選択していた場合、情報処理装置10の送信部12dは、工程S103で発行したNFT102の情報に基づいてメタデータ13eから商品データを送信し、表示する(工程S105)。一方、購入者が補助を受けることを選択していた場合、情報処理装置10の送信部12dは、工程S103で発行したNFT102の情報に基づいてメタデータ13eから商品データと購入補助者が提供する広告データを送信し、表示する(工程S106)。
【0045】
なお、表示するデータは商品データもしくは商品データと広告データという組み合わせに限定されるものではなく、広告データのみを表示してもよいし、広告データ以外の任意のデータを表示させても良い。
【0046】
〔6.効果〕
前述してきたように、実施形態に係る情報処理装置10は、購入補助情報13aと、商品購入情報13bと、購入者情報13cと、購入補助者情報13dと、を含むNFT102を発行し、ユーザーウォレット103に商品データもしくは広告データのどちらか一方又はその両方を表示させる。それにより、情報処理装置10は、後述するような購入補助及び広告視聴の有無の選択、購入補助の方式や補助割合等の組み合わせの自由度の向上、商品や購入者の属性と同一もしくは類似する広告の表示、等の効果を提供する。
【0047】
〔6-1.購入補助及び広告表示の有無の選択〕
例えば、情報処理装置10は、NFT102に含まれる情報に基づいて、購入補助を希望する購入者のみに購入補助を提供し、また広告の視聴を希望する購入者のみに広告を表示することができる。
【0048】
〔6-2.商品ごとに購入補助及び広告表示の有無を選択〕
例えば、情報処理装置10は、購入補助情報13aと商品購入情報13bを含むNFT102を発行することで、購入者が選択した購入補助を受けるか否かの選択に基づいて、商品ごとの購入補助及び広告表示の有無を設定する。それにより、情報処理装置10は、購入者が広告の表示を希望する商品のみで、広告を表示することができる。
【0049】
〔6-3.広告表示期間や回数の選択〕
例えば、情報処理装置10は、購入補助情報13aと購入者情報13cを含むNFT102を発行することで、購入者が選択した広告の表示回数や表示する期間、購入者自身の情報を購入補助者に提供するか否かの選択情報に基づいて購入補助の提供又は広告表示ができる。
【0050】
〔6-4.購入補助の方式の選択〕
例えば、情報処理装置10は、購入補助情報13aに含まれる割引率に関する情報以外の購入補助に関する情報も保持することで、運営者による購入補助の方式もしくは購入者による購入補助の方式の選択の自由度を向上させることができる。
【0051】
〔6-5.商品属性による広告の表示〕
例えば、情報処理装置10は、商品購入情報13bに含まれる商品の属性情報に基づいて、購入補助者が提供する広告の表示を変更することで、購入者が購入した商品の属性に類似もしくは同一の属性を持つ広告を購入者に表示させることができる。
【0052】
〔6-6.購入者の属性による広告の表示〕
例えば、情報処理装置10は、購入者情報13cに含まれる購入者の属性情報に基づいて、購入補助者が提供する広告の表示を変更することで、購入者の趣味や嗜好、居住地域等の購入者属性に類似もしくは同一の属性を持つ広告を購入者に表示させることができる。
【0053】
〔6-7.代金の割引と割引代金の回収〕
例えば、情報処理装置10は、NFT102に含まれる情報に基づいて購入補助金額の情報を提供できる。その情報に基づいて、運営者は、割り引いた代金を購入補助者に纏めて請求し、回収することができる。それにより、代金の割引から代金の回収までの情報をNF102T上で一貫して管理することができる。
【0054】
〔6-8.購入補助者の募集〕
上述した例では、あらかじめ購入補助者が購入対象に紐づけられている例について記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、ユーザが購入補助者の募集を行ってもよい。
【0055】
例えば、ユーザが、広告表示期間や割引の割合を指定して、購入補助者の募集を行う。このような場合に、情報処理装置10は、購入対象の種別や内容、購入しようとするユーザの情報を購入補助者の候補に提供する。そして、情報処理装置10は、購入対象の種別や内容、ユーザの属性等に応じて、よりユーザと関連性が高いと推定される購入補助者を選択し、選択した購入補助者に購入費用の負担を購入補助者に提案してもよい。また、購入補助者が、所定期間内に購入費用の負担を許諾した場合は、上述した処理により、購入補助付きのNFTの発行処理を行う。
【0056】
〔7.ハードウェア構成〕
前述した、実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0057】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0058】
出力I/F1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0059】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0060】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNWを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNWを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0061】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0062】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置10の制御部12の機能を実現する。
【0063】
〔8.その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0064】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0065】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0066】
また、前述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0067】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 受付部
12b 読出部
12c 発行部
12d 送信部
13 記憶部
13a 購入補助情報
13b 商品購入情報
13c 購入者情報
13d 購入補助者情報
13e メタデータ
13f ブロックチェーンデータ
20 ブロックチェーンネットワーク
NX 通信ノード端末
NW ネットワーク
BC ブロックチェーン
100 端末装置
101 商品購入画面
102 NFT
103 ユーザーウォレット
1000 コンピュータ
1010 出力装置
1020 入力装置
1030 演算装置
1040 一次記憶装置
1050 二次記憶装置
1060 出力I/F
1070 入力I/F
1080 ネットワークI/F
1090 バス
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける受付部と、
前記受付部で前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助の有無に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する発行部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記商品の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ前記購入補助者情報を読み出す読出部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記商品の購入をした購入者の属性に関する情報と、同一又は類似の属性情報を持つ前記購入補助者情報を読み出す読出部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行部で発行した前記NFTの情報に基づいて、ブロックチェーン外の領域に保存されているデータを送信する送信部、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける工程と、
前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
商品の購入の補助を受けることの有無についての選択を受け付ける手順と、
前記商品の購入の補助を有りとして受け付けた場合は、前記商品の購入の補助に関する情報である購入補助情報と、前記商品の購入に関する情報である商品購入情報と、前記商品を購入する購入者に関する情報である購入者情報と、前記商品の購入の補助を提供する者に関する情報である購入補助者情報と、が紐づけられたNFTを発行する手順と、
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。