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特開2023-167231化粧品コンパクト容器ならびに化粧品コンパクト容器およびレフィルのキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167231
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】化粧品コンパクト容器ならびに化粧品コンパクト容器およびレフィルのキット
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20231116BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A45D33/00 640
A45D33/00 615D
B65D77/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078248
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マリーン・ルアルデス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・デルボーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ヌオー
(72)【発明者】
【氏名】ルシア・リュウ
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA22
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA01C
3E067BA07B
3E067BB13C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC02B
3E067BC07C
3E067CA04
3E067EB17
3E067FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レフィルを気密状態に封止できる、化粧品コンパクト容器およびレフィルのキットを提供すること。
【解決手段】化粧品コンパクト容器はベースと蓋アセンブリとシール部材とを備える。ベースはレフィルを着脱可能に受け入れ保持する保持部を備える。蓋アセンブリは保持部に被せられる。蓋アセンブリは、外筒と内筒とを備え、同軸状に配置され、内筒は外筒に対して制限された回転範囲内で軸線回りに回転可能であり、外筒に対する軸線に沿った垂直方向への微動が許容されている。シール部材は、レフィルと蓋アセンブリとの間に配置される。内筒およびベースには、スレッドが設けられており、ツイスト動作によって、シール部材がレフィルの上部周面に押し付けられた封止状態とシール部材の封止が解除された解除状態との間で切り替えられる。内筒には、内筒のツイスト動作を手動で実行するための外筒に画定された開口部から露出される操作部が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レフィルを中に着脱可能に収容して保持するための保持部を備えるベースと、
前記保持部に被せられる蓋アセンブリであって、前記ベースにヒンジ結合された外筒と、前記外筒の内側に配設された内筒とを備え、前記外筒および前記内筒が軸線に沿って同軸状に配置され、前記内筒が、前記外筒に対して、制限された回転範囲内で、前記軸線回りに回転可能であり、且つ、前記外筒に対する前記軸線に沿った垂直方向への微動が許容されている、蓋アセンブリと、
前記保持部の中に収容された前記レフィルと前記蓋アセンブリとの間に配置されたシール部材と
を備える、化粧品コンパクト容器であって、
前記内筒および前記ベースには、前記内筒が前記制限された回転範囲内でツイスト動作することを可能にするスレッドが設けられており、前記ツイスト動作によって、前記シール部材が前記レフィルの上部周面に押し付けられて封止された封止状態と前記シール部材の前記封止が解除された解除状態との間で切り替えられるようになっており、
前記内筒には、前記内筒の前記ツイスト動作を手動で実行するための操作部が設けられ、前記操作部は、前記外筒に画定される開口部から露出される、化粧品コンパクト容器。
【請求項2】
前記ツイスト動作のツイスト角は、90°以下であり、好ましくは45°から60°の間である、請求項1に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項3】
前記保持部は、前記レフィルを前記保持部から上向きに取り外しできるように前記レフィルを係止する係止構造を備える、請求項1または2に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項4】
前記スレッドは、周方向に間隔を置いて配設される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項5】
前記シール部材は、発泡材料またはバイインジェクションされた軟性材料で作られる、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項6】
前記外筒の周囲壁は、周方向に延びる前記開口部を有し、前記操作部は、前記外筒の前記周囲壁の外部に配置されたツマミと、前記開口部における前記ツマミと前記内筒との間の接続部とを備え、前記ツマミは、前記内筒を前記外筒に対して前記軸線回りに回転させるように、前記開口部に沿って前記周方向にスライド可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項7】
前記内筒は、頂壁を備え、前記シール部材は、ディスク形状を有し、前記内筒の前記頂壁の下面に取り付けられる、請求項6に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項8】
前記蓋アセンブリは、前記保持部分に装着される中蓋として機能し、前記化粧品コンパクト容器は、前記中蓋に被せられる外蓋をさらに備え、前記外蓋は、前記ベースにヒンジ結合される、請求項6または7に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項9】
前記外筒のヒンジ構造および前記外蓋のヒンジ構造は、前記周方向において互いに対してずらされる、請求項8に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項10】
前記外蓋は、前記外筒上に設けられた係合部分に着脱可能にスナップ嵌合するスナップつめを備える、請求項8または9に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項11】
前記外筒の頂壁は、前記開口部を有し、前記操作部は、前記開口から露出された前記内筒の頂壁に取り付けられたハンドルを備え、前記ハンドルは、前記内筒を前記外筒に対して前記軸線回りに回転させるように前記軸線を中心に回すことができる、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項12】
前記ハンドルは、前記ハンドルが内筒の前記頂壁の上面に横たわった横臥位置と前記ハンドルが前記内筒の前記頂壁の前記上面から起立する起立位置との間で上下に回転するように、前記内筒の前記頂壁にヒンジ結合される、請求項11に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項13】
前記保持部分に装着される中蓋をさらに備え、前記中蓋は、前記ベースにヒンジ結合され、前記蓋アセンブリは、前記中蓋に被せられる外蓋として機能する、請求項11または12に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項14】
前記外筒のヒンジ構造および前記中蓋のヒンジ構造は、前記周方向において互いに対してずらされる、請求項13に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項15】
前記シール部材は、環状を有し、前記中蓋は、前記環状シール部材が嵌め込まれた環状嵌め込み構造を備える、請求項13または14に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項16】
前記中蓋は、パフを収容するパフハウジングを画定する、請求項8から10および13から15のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項17】
前記外蓋の内面に取り付けられた鏡をさらに備える、請求項8から10および13から16のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の化粧品コンパクト容器と、前記化粧品コンパクト容器の前記ベースの前記保持部に着脱可能に装着され得るレフィルとのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品コンパクト容器ならびに化粧品コンパクト容器およびレフィルのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な容器が、ファンデーションなどの化粧組成物を収容する化粧品コンパクト容器として知られている。
【0003】
たとえば、米国特許第5353818号は、カバーがケース本体に枢動可能に取り付けられた化粧品コンパクト容器を開示している。多条ねじ部の雄ねじ部およびねじなし部が、ケース本体の化粧容器部分の周囲壁上に交互に形成されている。リングがカバーに回転可能に取り付けられ、外部から周囲壁に嵌め合わされている。リングは、間欠的に形成された多条ねじの雌ねじ部を有する。雌ねじ部と雄ねじ部は、係合可能であり離脱可能である。弾性材料で作られた内側カバーが、カバーの下部に取り付けられ、それによって、内側カバーは、周囲壁の開放縁部に押し付けられている。カバーと内側カバーの間に空間が形成され、それによって、内側カバーは弾性的に変形され拡張される。雌ねじ部と雄ねじ部を互いに係合させ、リングを閉位置に回転させると、カバーがケース本体に接近し、それによって、内側カバーが周囲壁の開放縁部に押し付けられる。化粧容器部分内の温度が高くなると、内側カバーが弾性的に上向きに拡張して化粧容器部分内部の体積が増大する。
【0004】
米国特許第9220332号は、ベースと、ベースにヒンジによって接続された窓を有する蓋アセンブリとを有する化粧コンパクトを開示している。蓋アセンブリおよび窓は、開位置と閉位置との間で移動可能である。プラットフォーム部材が化粧品を保持し、ベースと蓋アセンブリとの間で浮きのように移動することができる。懸垂ラグの形態をした窓上のカム機構が、プラットフォーム部材上のカミングランプと協働する。プラットフォーム部材に接続された、外部から取扱い可能であり、手動で係合可能な把持部材が、プラットフォーム部材を閉じた蓋アセンブリとともに回転させるのを可能にする。
【0005】
米国特許出願公開第2018/0177277号は、コンパクトケースにおいて使用される揮発性組成物用の封止可能な容器を開示しており、この容器は、上部リムおよび雄ねじセグメントを有する容器と、雌ねじセグメントを有する環状壁を有するシールカバーと、容器の上部リムとシールカバーのカバープレートとの間に配設された環状シールとを有する。環状シールは、上面を有する上部シール部材と、上部シール部材と位置合わせされ、シールが容器を覆うときに容器の上部リムに係合する下部シール部材とを有する。上部シール部材は、シールカバーを第2の回転位置まで回転させるときに上部シール部材の上面に加えられた回転力が、下方の下部シール部材に加えられるのを防止するための手段を含む。
【0006】
米国特許第10092081号は、生成物を保持するように設計された、蓋と、上部ハウジング部と、下部ハウジング部とを有するコンパクトを開示している。上部ハウジング部および下部ハウジング部は、互いに対してツイスト可能であり、蓋が、上部ハウジング部に固定され、上部ハウジング部とともにねじられる。蓋および下部ハウジング部は、係合構造であり、それぞれの係合構造が互いに位置合わせされたときに蓋を閉位置に固定する。
【0007】
米国特許第8678222号は、使用時まで揮発性生成物を含む気密コンパクトを開示している。気密コンパクトは、ベースアセンブリによって部分的に覆われた半透明の脆弱なポットを含み、ベースアセンブリは、ベースアセンブリに枢動可能に結合された回転可能な蓋アセンブリを有する。回転可能な蓋アセンブリは、ベースによって部分的に覆われた脆弱なポットのリムを直接封止する中蓋にオーバーモールドされたライナを備える。脆弱なポットは、半透明のガラスで形成されてもよく、このガラスは、ベースおよび回転可能な蓋アセンブリによって保護される。
【0008】
WO2008/050926号は、化粧品を保持するための保持部を有する円筒形の下部ケーシングと、下部ケーシングの上端に結合されたキャップとを含む化粧容器を開示している。キャップは、一端において下部ケーシングにヒンジ結合されたディスク形状の内側キャップ部分と、側壁を有する円筒形状を有し、内側キャップ部分に対して回転しつつ上下に動く外側キャップ部分とを含む。端部において開放されている結合空間が、下部ケーシングの外周面に形成されており、結合突起が、外側キャップ部から結合空間に挿入されるように突き出ている。
【0009】
米国特許第6923335号は、ケース本体上に蓋を回して締めることによってケース本体の口部の開口部を気密に閉じることができ、ケース本体に対して蓋を回して締めるかまたは回して外すときに蓋を周方向に円滑に回転させることができるケースを開示ししている。ケースは、口部を有するケース本体と、口部の開口部を閉じるように口部に着脱可能に締め付けられ、口部を開閉する方向に枢動するように開閉ヒンジを介してケース本体に接続された蓋とを含む。ケースには、周方向に回転するように口部の周りに嵌め込まれて保持された回転リングが設けられており、回転リングは、蓋が回転リングとともに回転するように開閉ヒンジをして蓋に接続されている。
【0010】
そのような化粧品コンパクト容器では、レフィルを高度な気密状態に封止してレフィルケースに収容された化粧組成物を保護してその劣化を防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5353818号
【特許文献2】米国特許第9220332号
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0177277号
【特許文献4】米国特許第10092081号
【特許文献5】米国特許第8678222号
【特許文献6】WO2008/050926号
【特許文献7】米国特許第6923335号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、レフィルを高度な気密状態に封止することができる、化粧品コンパクト容器ならびに化粧品コンパクト容器およびレフィルのキットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を実現するために、本発明の一態様は、ベースと、蓋アセンブリと、シール部材とを備える化粧品コンパクト容器を備える提供する。ベースは、レフィルを中に着脱可能に収容して保持する保持部を備える。蓋アセンブリは、保持部に被せられる。蓋アセンブリは、ベースにヒンジ結合された外筒と、外筒の内部に配設された内筒とを備える。外筒および内筒は、軸線に沿って同軸状に配置される。内筒は、外筒に対して、制限された回転範囲内で軸線回りに回転可能であり、且つ、外筒に対する軸線に沿った垂直方向への微動が許容されている。シール部材は、保持部に受け入れられるレフィルと蓋アセンブリとの間に配置される。内筒およびベースには、内筒が制限された回転範囲内でツイスト動作することを可能にするスレッドが設けられており、ツイスト動作によって、シール部材がレフィルの上部周面に押し付けられて封止された封止状態とシール部材の封止が解除された解除状態との間で切り替えられるようになっている。内筒には、内筒のツイスト動作を手動で実行するための操作部が設けられている。操作部は、外筒に画定された開口部から露出される。
【0014】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、前記ツイスト動作のツイスト角は、90°以下、好ましくは45°から60°の間であってもよい。
【0015】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、保持部は、レフィルを保持部から上向きに取り外しできるようにレフィルを係止する係止構造を備えてもよい。
【0016】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、スレッドは、周方向に間隔を置いて配設されてもよい。
【0017】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、シール部材は、発泡材またはバイインジェクションされた軟性材料で作られてもよい。
【0018】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、外筒の周囲壁は、周方向に延びる開口部を有してもよい。操作部は、外筒の周囲壁の外部に配置されたツマミと、開口部におけるツマミと内筒との間の接続部を備えてもよい。ツマミは、内筒を外筒に対して軸回りに回転させるように、開口部に沿って周方向にスライド可能であってもよい。
【0019】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、内筒は頂壁を備えてもよい。シール部材は、ディスク形状を有してもよく、内筒の頂壁の下面に取り付けられてもよい。
【0020】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、蓋アセンブリは、保持部に装着される中蓋として機能してもよい。化粧品コンパクト容器は、中蓋に被せられる外蓋をさらに備えてもよい。外蓋は、ベースにヒンジ結合されてもよい。
【0021】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、外筒のヒンジ構造および外蓋のヒンジ構造は、周方向において互いに対してずらされてもよい。
【0022】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、外蓋は、外筒上に設けられた係合部分に着脱可能にスナップ嵌合するスナップつめを備える。
【0023】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、外筒の頂壁は、開口部を有してもよい。操作部は、開口部から露出された内筒の頂壁に取り付けられたハンドルを備えてもよい。ハンドルは、内筒を外筒に対して軸回りに回転させるように、軸線を中心に回すことができてもよい。
【0024】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、ハンドルは、ハンドルが内筒の頂壁の上面に横たわった横臥位置とハンドルが内筒の頂壁の上面から起立する起立位置との間で上下に回転するように、内筒の頂壁にヒンジ結合されてもよい。
【0025】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、化粧品コンパクト容器は、保持部に装着される中蓋をさらに備えてもよい。中蓋は、ベースにヒンジ結合されてもよい。蓋アセンブリは、中蓋に被せられる外蓋として機能してもよい。
【0026】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、外筒のヒンジ構造および中蓋のヒンジ構造は、周方向において互いに対してずらされてもよい。
【0027】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、シール部材は、環状を有してもよく、中蓋は、環状シール部材が嵌め込まれる環状嵌め込み構造を備えてもよい。
【0028】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、中蓋は、パフを収容するためのパフハウジングを画定してもよい。
【0029】
化粧品コンパクト容器の一態様によれば、化粧品コンパクト容器は外蓋の内面上に取り付けられた鏡をさらに備えてもよい。
【0030】
本発明の別の態様は、上記の態様のうちのいずれか1つによる化粧品コンパクト容器およびレフィルのキットを提供する。レフィルは、化粧品コンパクト容器のベースの保持部に着脱自在に装着されることができる。
【0031】
本発明の非限定的で代表的な実施形態について、本発明がよりよく理解され得るように、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態による、化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図2図1の反対側から見た第1の実施形態による、化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図3図1に示す線A-A'に沿って切り取られた第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の断面図である。
図4図1に示す線B-B'に沿って切り取られた第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の部分断面図である。
図5】第1の実施形態による、化粧品コンパクト容器の外筒の斜視図である。
図6】第1の実施形態による、化粧品コンパクト容器の内筒の斜視図である。
図7】使用時の、特に、外蓋が開かれた状態の、第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図8】使用時の、特に、パフがパフハウジングから取り出され、ツマミが滑らされた状態の、第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図9】使用時の、特に、中蓋が開かれた状態の、第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図10】詰め替え動作中の、第1の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図11】第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図12図11に示す線C-C'に沿って切り取られた第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の断面図である。
図13図11に示す線D-D'に沿って切り取られた第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の部分断面図である。
図14】使用時の、特に、ハンドルを回した状態の、第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図15】使用時の、特に、外蓋が開かれ、パフがパフハウジングから取り出された状態の、第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
図16】使用時の、特に、中蓋が開かれた状態の、第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施形態について、詳細に説明する。XYZ座標系が、図面に示されているように定義されるが、これは、本発明を限定することを意図するものではない。X軸方向とY軸方向はどちらも水平面に沿って延びており、互いに直交している。Z軸方向は、垂直面に沿って延び、X軸およびY軸の各々に直交している。
【0034】
以下の実施形態では、「軸線O」という用語は、化粧品コンパクト容器の中心を通ってZ軸方向によって延びる仮想の中心線を意味し、単なる軸方向成分ではない。「垂直方向」という用語は、軸線Oに平行に延びるZ軸方向を意味する。「周方向」という用語は、軸線O回りに回る方向を意味する。「半径方向」という用語は、軸線Oから放射し、すなわち、軸線Oに直交する方向を意味する。
【0035】
化粧品コンパクト容器ならびに化粧品コンパクト容器およびレフィルのキットについて、以下に例として説明する。
【0036】
第1の実施形態
(化粧品コンパクト容器)
第1の実施形態による化粧品コンパクト容器10について、図1図10を参照しながら説明する。図1は、この実施形態による化粧品コンパクト容器10の斜視図である。図2は、図1の反対側から見た、この実施形態による化粧品コンパクト容器10の斜視図である。図3は、図1に示す線A-A'に沿って切り取られたこの実施形態による化粧品コンパクト容器10の断面図である。図4は、図1に示す線B-B'に沿って切り取られたこの実施形態による化粧品コンパクト容器10の部分断面図である。図5は、この実施形態による、化粧品コンパクト容器10の外筒40の斜視図である。図6は、この実施形態による化粧品コンパクト容器10の内筒50の斜視図である。図7図9は、使用時の、この実施形態による化粧品コンパクト容器10の斜視図である。図10は、詰め替え動作時の、この実施形態による化粧品コンパクト容器10の斜視図である。
【0037】
図1および図2を参照すると、化粧品コンパクト容器10は、ベース20と、ベース20上に取り付けられた中蓋30と、中蓋30に被せられる外蓋60とを備える。中蓋30は、ベース20にヒンジ結合されており、外蓋60も、ベース20にヒンジ結合されている。中蓋30のヒンジ構造44はおよび外蓋60のヒンジ構造62は、周方向において互いにずれている。詳細には、中蓋30のヒンジ構造44の周方向位置は、外蓋60のヒンジ構造62の周方向位置から約90°ずれている。
【0038】
(ベース)
図1図3を参照すると、ベース20は、ベース本体21と、レフィル80を中に着脱可能に収容して保持するための保持部22と、外蓋60を支持する側壁23とを備える。ベース本体21は、水平面上に配設された平板形状を有する。詳細には、ベース本体21は、平面図において角が丸くされた実質的な方形を有する。ベース本体21は、軸線Oを中心とする円形開口部24を画定する。保持部22は、垂直方向に延びる円筒形状を有する。保持部22は、軸線Oを中心として配設され、ベース本体21の上面上に設置されている。側壁23は、垂直面上に配設された平板状を有し、ベース本体21の外周から上向きに延びている。すなわち、側壁23の下端は、方形のベース本体21の一方の側に接続されている。側壁23は、保持部22の上端の高さレベルから上方に延びている。側壁23の上端部は、外蓋60の一方の側を側壁23の上端に接続するヒンジ構造62を備える。ベース20は、任意の種類の材料で作られてもよい。ベース20は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。ベース本体21、保持部22、および側壁23は、互いに組み合わされて一体となっているが、これらの構成要素は、ベース部材を構成するように組み立てられる別々の部品であってもよい。
【0039】
保持部22は、レフィル80を保持部22から上向きに取り外すことができるようにレフィル80を係止する係止構造を含む。具体的には、保持部22は、レフィル80を支持するための環状段差を画定するように、内径がベース本体21の開口部24の直径よりもわずかに大きくなっている。さらに、保持部22の内周面は、レフィル80のレフィルカップ81を支持するための段差表面25を画定する。段差表面25は、保持部22の全内周に沿って連続的に延び、レフィルカップ81の外周上に設けられた係止部分81aに係合するように構成されている。さらに、図10に示すように、保持部22は、保持部22の上部から垂直方向下向きに段差表面25を越えて延びるスリット26の対を含み、スリット26は、周方向に互いに間隔を置いて配置されている。スリット26の対間の断面は、半径方向に揺動することができるスナッピング部27として機能する。保持部22は、互いに対向して位置付けられた2つのスナッピング部27を含む。すなわち、保持部22には2対のスリットがあり、2対のスリットは互いに対向して位置付けられている。各スナッピング部27には、レフィルカップ81を係止するための係止部28が設けられている。係止部28は、レフィルカップ81の係止部分81aに係合するように構成され配置された突出部である。詳細には、係止部28は、周方向においてスリット26の対間の断面の端部間を延びており、スナッピング部27の段差表面25の上方に位置している。保持部22からレフィル80を取り外す/保持部22にレフィル80を取り付ける間、スナッピング27は、外側に揺動し、それによって、係止部28がレフィルカップ81の係止部分81aから切り離される。
【0040】
図4を参照すると、保持部22は、その外周面上にスレッド29が設けられている。図10に示すように、スレッド29は、垂直方向において傾斜する保持部22の外周に沿って延びる山部である。スレッド29は、保持部22の全外周の4分の1の長さよりも短い長さを有し、大雑把に言えば、スレッド29の長さは、保持部22の全外周の約1/6~1/10に等しい。スレッド29は、周方向に間隔を置いて配設されている。詳細には、保持部22の外周上に4つのスレッド29があり、スリット26の対の各側にスレッド29が配置されている。
【0041】
再び図1図3を参照すると、側壁23は、垂直面上に配設された平板状を有し、ベース本体21の外周から上向きに延びている。すなわち、側壁23の下端は、方形のベース本体21の一方の側に接続されている。側壁23は、保持部22の上端の高さレベルから上方に延びている。ヒンジ構造62は、側壁23の上端部に設けられている。
【0042】
(中蓋/蓋アセンブリ)
図3および図4を参照すると、中蓋30は、保持部22に装着され、外蓋60によって覆われている。中蓋30は、ベース本体21と外蓋60との間にはさまれている。中蓋30は、外筒40と内筒50とを備える蓋アセンブリである。外筒40は、軸線Oを中心として配設されている。内筒50は、軸線Oを中心として外筒40の内部に配設されている。すなわち、外筒40および内筒50は、軸線Oに沿って同軸状に配置されている。外筒40は、凹凸嵌め合いによって内筒50に係合して、外筒40が内筒50から取り外されるのを防止している。したがって、外筒40および内筒50はともに蓋として機能する。それにもかかわらず、内筒50は、外筒40に対して、制限された回転範囲内で軸線O回りに回転可能であり、一方、内筒50は、外筒40に対する垂直方向への微動が許容されている。外筒40および内筒50は、任意の種類の材料で作られてもよい。外筒40および内筒50は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0043】
中蓋(蓋アセンブリ)30の上部31は、パフ90を収容するためのパフハウジング32を画定する。パフハウジング32は、内筒50の頂壁52、ならびに外筒40の頂壁42および直立壁43によって画定されるキャビティである。頂壁42および直立壁43については以下で説明する。パフハウジング32は、外蓋60によって覆われている。
【0044】
(外筒)
図5を参照すると、外筒40は、垂直方向に延びる円筒形状周囲壁41、周囲壁41の上端上に配設された頂壁42、周囲壁41の上端から直立している直立壁43を含む。周囲壁41は、軸線Oを中心として配設されている。周囲壁41には、下端にスライディングスリットを画定するように開口部46が設けられている。開口部46は、周方向に細長い凹状を有する切り欠きである。開口部46は、周囲壁41の全外周の4分の1の長さ(周方向の寸法)よりも短い長さを有し、大雑把に言えば、開口部46の長さは、周囲壁41の全外周の約1/8に等しい。すなわち、開口部46は、平面図において円弧状に延び、円弧の中心角は90°以下であり、より具体的には約45°である。周囲壁41は、その内周面上に突起47が設けられている。突起47は、周囲壁41の内周面に沿って周方向に延びる山部である。突起47は、平坦な上端面と傾斜した下端面とを有する。
【0045】
頂壁42は、水平面上に配設された円形の平板形状を有する。頂壁42は、軸線Oを中心とする円形の開口部48を画定する。したがって、頂壁42は環状を有する。頂壁42の内周の上面は、軸線Oに向かって下向きに傾斜している。直立壁43は、軸線Oを中心とする円筒形状を有する。直立壁43は、周囲壁41と同じ直径を有し、したがって、直立壁43の外周は、周囲壁41とともに単一の円筒を形成するように段差なしに周囲壁41の外周に滑らかに連続的に接続されている。直立壁43は、直立壁43のその内周上に係合部分45が設けられている。係合部分45は、ヒンジ構造62の反対側の位置に配設された突起である。
【0046】
外筒40にはヒンジ構造44が設けられており、ヒンジ構造44によって、中蓋30がベース20にヒンジ結合される。ヒンジ構造44は、周囲壁41の下端に形成されており、周囲壁41の上述の開口部46の概ね反対側の位置に配置されている。ヒンジ構造44は、周方向においてベース本体21の外周の一部に設けられている。ヒンジ構造44は、側壁23の位置から軸線O回りに約90°回転させた位置に配置される。したがって、中蓋30がヒンジ構造44によって開かれ回転させられるとき、中蓋30がベース20の側壁23および/または外蓋60に干渉するのが回避される。
【0047】
(内筒)
図6を参照すると、外筒50は、垂直方向に延びる円筒形状周囲壁51、周囲壁51の上端上に配設された頂壁52を含む。周囲壁51は、軸線Oを中心として配設されている。頂壁52は、水平面内に配設されている。
【0048】
内筒50の内部にシール部材70が取り付けられている。シール部材70は、レフィル80と中蓋30との間に配置され、レフィル80の上部周面86aを封止している。具体的には、シール部材70は、ディスク形状を有し、内筒50の頂壁52の下面に取り付けられている。シール部材70は、周囲壁51にぴったりと嵌め込むことによって頂壁52の下面上に保持されてもよく、または接着剤によって頂壁52の下面上に固定されてもよい。シール部材70は、発泡材、たとえば、ポリエチレン(PE)で作られている。シール部材の材料は、発泡PE材料に限定されない。発泡材料の代わりに、シール部材70は、バイインジェクションされた軟性材料で作られてもよく、良好な気密が達成されるように閉じられた後、硬質プラスチックによって干渉させることができる。たとえば、軟性材料には、LDPE、TPE、TPU、Hytrel、またはこれらのような同様のタイプが含まれる。シール部材70は、エラストマなどの任意の種類の材料で作られてもよい。
【0049】
周囲壁51は、その外周面上に凹状溝54が設けられている。凹状溝54は、周囲壁51の外周面に沿って周方向に延びている。凹状溝54は、平坦な上端面と傾斜した下端面とを有する。凹状溝54は、外筒40上で突起47を受け入れる。凹状溝54の断面形状は、外筒40上の突起47の断面形状に類似しているが、凹状溝54のサイズは、突起47のサイズよりもわずかに大きい。上述の構成および配置によれば、内筒50は、外筒40に対して軸線O回りに回転可能であり、一方、内筒50は、外筒40に対する垂直方向への微動が許容されている。
【0050】
内筒50は、その内周面上にスレッド56が設けられている。スレッド56は、垂直方向において傾斜する周囲壁51の内周面に沿って延びる山部である。スレッド56は、周囲壁51の全内周の4分の1の長さよりも短い長さを有し、大雑把に言えば、スレッド56の長さは、周囲壁51の全内周の約1/6~1/10に等しい。スレッド56は、周方向に間隔を置いて配設されている。詳細には、周囲壁51の内周上に4つのスレッド56がある。内筒50上のスレッド56は、保持部22上のスレッド29に係合する。これらのスレッド29および56は、内筒50が軸線O回りに回転する間、内筒50を保持部22に対してらせん状に誘導する。すなわち、スレッド29および56が互いに係合されると、内筒50のツイスト動作が可能になる。このツイスト動作によって、シール部材70がレフィル80の上部周面86aに押し付けられて封止された封止状態と、シール部材70の封止が解除された解除状態との間で切り替えられるようになっている。
【0051】
内筒には、内筒50のツイスト動作を手動で実行するための操作部55が設けられている。操作部55は、外筒40の周囲壁41の開口部46から露出されている。詳細には、操作部55はツマミ57を含む。ツマミ57は、外筒40の周囲壁41の外部に配置されている。ツマミ57は、実質的に三角柱形状を有する中空構造を有する。ツマミ57の外面の一方は、ベース本体21の一辺(X軸に沿った辺)に平行であり、他方は、ベース本体21の別の辺(Y方向に沿った辺)に平行である。外筒40の外周に面するツマミ57の後面は、外筒40の外周に沿って緩やかに屈曲した凹面である。ツマミ57は、内筒50の周囲壁51を接続部58に接続する。ツマミ57と周囲壁51との間の接続部58は、外筒40の周囲壁41の開口部46を通過する。この接続部58は、周囲壁41の開口部46内で移動可能である。したがって、ツマミ57は、内筒50を外筒40に対して軸線O回りに回転させるように、開口部46に沿って周方向にスライド可能である。ツマミ57のスライド動作は、接続部58を開口部46の端部に当てることによって停止させられる。したがって、ツマミ57の移動が、所定の範囲内に制限され、それによって、内筒50の回転が特定の回転範囲内に制限される。ツイスト動作のツイスト角は90°以下であり、より具体的には、約45°である。
【0052】
(外蓋)
図7を参照すると、外蓋60は、水平面上に配設された平板形状を有する蓋本体61を含む。詳細には、蓋本体61は、平面図において角が丸くされた実質的な方形を有する。蓋本体61は、ベース本体21の平面形状に実質的に等しい平面形状を有する。外蓋60は、ベース20の側壁23にヒンジ結合される。外蓋60は、蓋本体61の内面上に環状突起63が設けられている。環状突起63は、鏡Mが取り付けられた領域を画定する。鏡Mは、環状突起63内に取り付けられる。この環状突起63は、鏡M用のフレームとして機能する。
【0053】
図3を参照すると、外蓋60には、係止時に外筒40上に設けられた係合部分45に着脱可能にスナップ嵌めすることができるフックとして、スナップつめ65が設けられている。スナップつめ65は、環状突起63から突き出ている。さらに、外蓋60は、蓋本体61の内面上に保持突起66が設けられている。保持突起66は、外蓋60が閉じられるときにツマミ57が非意図的に滑るのを防止するようにツマミ57を保持するための突起である。保持突起66は、ツマミ57の外面の形状に対応する形状を有する。外蓋60は、任意の種類の材料で作られてもよい。外蓋60は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0054】
(レフィル)
レフィル80は、保持部22に着脱自在に取り付けられている。レフィル80は、レフィルケース81と、レフィルケース81の上端に取り付けられたレフィルリング82とを含む。レフィルケース81およびレフィルリング82は、任意の種類の材料で作られてもよい。レフィルケース81およびレフィルリング82は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0055】
レフィルカップ81は、化粧組成物Cを収容するリセプタクルであり、化粧組成物Cが充填されている。レフィルカップ81は、円形を有する底壁83と、底壁83の周囲に上向きに直立する内壁84と、半径方向に間隔を置いて内壁84を囲む外壁85とを含む。底壁83および内壁84は、化粧組成物Cを充填されるキャビティを画定している。内壁84と外壁85を接続する接続部85aが、外壁85の下端と内壁84の下部との間に設けられ、ベース20に画定された環状段差に係合するための環状段差を画定している。外壁85は、その外周面上に係止部分81aが設けられている。係止部分81aは、全周に沿って連続的に延びる環状突起であり、保持部22の係止突起25に係合するように構成されている。
【0056】
外壁85は、その上端にフランジ部86が設けられている。フランジ部86は、外壁85の上端から半径方向外側に延びており、保持部22の上端の上方に配置されている。フランジ部86は、環状を有する上部周面86aを含む。上部周面86aは、レフィルリング82の上面の高さレベルの上方に位置する。フランジ部86は、その上部周面86a上に環状突起86bが設けられている。突起86bは、フランジ部86の外周縁に沿って周方向に延びている。操作部55を滑らせることによって中蓋30が閉じられ係止されると、上部周面86aがシール部材70の下側にぴったりと接触し、突起がシール部材70の下側に押し込まれ、気密が確保され、レフィル80が封止される。
【0057】
レフィルリング82は、環状上部87と、上部87の外周から懸垂された円筒部分88と、上部87の内周から下向きに傾斜したテーパ部89とを含む。上部87は、レフィルカップ81の内壁84上に取り付けられている。円筒部分88は、レフィルカップ81の内壁84と外壁85との間に挿入されている。円筒部分88は、凹凸嵌め合いによって外壁85に固定されている。テーパ部分89は、化粧組成物Cが充填されるキャビティまで延びている。レフィルリング82は、化粧組成物Cを透過させることができる、プラスチックスクリーンなどのスクリーン、織物タイプのメッシュを構成することができる。
【0058】
化粧組成物Cが充填されたレフィルカップ81は、レフィルリング82から分離され、化粧組成物Cが充填されたレフィルカップ81がシールラベルで封止された状態で市場に出される。シールラベルは、アルミニウム積層フィルムで作られてもよい。シールラベルは、レフィルカップ81のフランジ部86から手で取り外すことができるようにレフィルカップ81のフランジ部86の上部周面86a上に貼り付けられている。
【0059】
(化粧品組成物C)
化粧品組成物Cは、任意の種類の化粧品材料で作られてもよい。ユーザは、パフ90を使用する際、化粧組成物Cを直接取り出すかまたは化粧組成物C上のスクリーンを通して取り出して、皮膚に塗布する。化粧品組成物Cは、液体形態、クリーム形態、液体クリーム状ファンデーション、粉末形態(たとえば、熱注入粉末、圧縮粉末、もしくはルースパウダー)、または固体形態など、どんな形態であってもよい。化粧組成物Cは、レフィルリング82によって構成されるスクリーンもしくは織物メッシュ、またはNBR、PU、PETファイバエンジン、PEファイバエンジンなどのレフィルカップ81に充填されたスポンジエンジンによって分散させることができる。
【0060】
(キットの使用)
化粧品コンパクト容器10およびレフィル80のキットの使用時には、図7に示されているように、ユーザは、自分の手で外蓋60を持ち上げることによって外蓋60を開くことができる。この瞬間に、化粧品コンパクト容器10は、シール部材70がレフィル80の上部周面86aに押し付けられて封止された封止状態のままである。
【0061】
次に、図8に示されているように、ユーザは、パフハウジング32からパフ90を取り出すことができ、次いでユーザは、ツマミ57を自分の指で操作し、ツマミ57をベース20の側壁23の方へ滑らせることができる。ツマミ57のスライド移動とともに、スレッド29および56の機能によって内筒50のツイスト動作が生じる。ツイスト動作が行われると、内筒50の高さレベルが上昇し、それによって、シール部材70とレフィル80との間のシールが解除される。
【0062】
次に、図9に示されるように、ユーザは、自分の手で中蓋30を持ち上げることによって中蓋30を開くことができる。中蓋30が開いた後、ユーザは、レフィルカップ81に充填された化粧組成物Cを取り出すことができる。ユーザは、パフ90を使用して化粧品組成物Cを取り出して、皮膚に塗布することができる。
【0063】
化粧組成物Cの塗布が終了した後、ユーザは、自分の手で中蓋30を降ろすことによって中蓋30を閉じることができる。その後、ユーザは、自分の指でツマミ57を操作して、ツマミ57がベース20の側壁23から離れる方向にツマミ57を滑らせることができる。ツマミ57のスライド移動とともに、スレッド29および56の機能によって内筒50のツイスト動作が生じる。ツイスト動作の結果として、内筒50の高さレベルが低下し、それによって、シール部材70がレフィル80の上部周面86aに押し付けられて封止される。その後、ユーザは、パフ90をパフハウジング32内に入れることができ、自分の手で外蓋60を降ろすことによって外蓋60を閉じることができる。
【0064】
図10に示されているように、レフィル80が空になるか、またはレフィルカップ81内の化粧組成物Cが使い尽くされたとき、ユーザは、空のレフィル80または使い尽くされたレフィル80を、化粧組成物Cが充填された新しいレフィル80Aと交換することができる。詳細には、上述のステップに従って中蓋30を開いた後、ユーザはレフィルカップ81の下側を押し上げることができ、それによって、レフィル80が保持部22から取り出される。その後、ユーザは、新しいレフィル80Aを保持部22の上側から保持部22に挿入することができる。ユーザは、レフィル80Aの挿入を完了した後、中蓋30および外蓋60を閉じて、上述のステップに従ってツマミ57を操作することができる。
【0065】
第2の実施形態
(化粧品コンパクト容器)
第2の実施形態による化粧品コンパクト容器100について、図11図16を参照しながら説明する。図11は、第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。図12は、図11に示す線C-C'に沿って切り取られた第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の断面図である。図13は、図11に示す線D-D'に沿って切り取られた第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の部分断面図である。図14図16は、使用時の、第2の実施形態による化粧品コンパクト容器の斜視図である。
【0066】
図11図13を参照すると、化粧品コンパクト容器100は、ベース120と、ベース120上に取り付けられた中蓋160と、中蓋160に被せられる外蓋130とを備える。中蓋160は、ベース120にヒンジ結合されており、外蓋130も、ベース120にヒンジ結合されている。中蓋160のヒンジ構造163および外蓋130のヒンジ構造144は、周方向において互いにずれている。詳細には、中蓋160のヒンジ構造163の周方向位置は、外蓋130のヒンジ構造144の周方向位置から約90°ずれている。
【0067】
(ベース)
図12を参照すると、ベース120は、レフィル180を中に着脱可能に収容して保持するための保持部122を含むベース本体121と、ベース蓋121の下側を覆うベースカバー123とを備える。ベース本体121およびベースカバー123は、ともに組み立てられ超音波溶接などによって接合された個々の構成要素である。
【0068】
保持部122は、垂直方向に延びる円筒形状を有し、レフィル180を係止し、レフィル180を保持部122から上向きに取り外すのを可能にするための係止構造を含む。具体的には、保持部122は、垂直方向に延びる下部円筒部分122aと、垂直方向に延びる上部円筒部分122bとを含む。下部円筒部分122aおよび上部円筒部分122bは、軸線Oに沿って同軸状に配置されている。下部円筒部分122aの直径は、上部円筒部分122bの直径よりも小さく、下部円筒部分122aの上端は、上部円筒部分122bの内側に位置している。下部円筒部分122aの上端は接続部122cを介して上部円筒部分122bの内周に接続され、レフィル180のレフィルカップ181を支持するための段差表面122dを画定している。段差表面122dは、保持部122の全内周に沿って連続的に延び、レフィルカップ181の外周上に設けられたフランジ部186に係合するように構成されている。
【0069】
下部円筒部分122aは、垂直方向において下部円筒部分122aの下端から上端まで延びるスリットの対(図示せず)を含み、スリットの対は、周方向に互いに間隔を置いて配置されている。スリットの対間の断面は、半径方向に揺動することができるスナッピング部(図示せず)として機能する。保持部122は、互いに対向して位置付けられた2つのスナッピング部を含む。すなわち、保持部には2対のスリットがあり、2対のスリットは互いに対向して位置付けられている。各スナッピング部には、レフィルカップ181を係止するための係止部(図示せず)が設けられている。係止部は、レフィルカップ181の外周上に設けられた係止部分(図示せず)に係合するように構成され配置された突出部である。保持部分122からレフィル180を取り外す/保持部分122にレフィル180を取り付ける間、上述のスナッピング部は、外側に揺動し、それによって、スナッピング部上の上述の係止部は、レフィルカップ181の上述の係止部分から切り離される。
【0070】
ベース本体121は、環状を有する外側フランジ部124と、円筒形状を有する外周部125とをさらに含む。外側フランジ部124は、軸線Oを中心として配設され、上部円筒部分122bの下端から外側に延びている。外周部125は、軸線Oを中心として配設され、外側フランジ部124の外周から懸垂している。ベース本体121は、任意の種類の材料で作られてもよい。ベース本体121は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0071】
保持部122は、その外周面上にスレッド129が設けられている。スレッド129は、垂直方向において傾斜する上部円筒部分122bの外周に沿って延びる山部である。スレッド129は、上部円筒部分122bの全外周の4分の1の長さよりも短い長さを有し、大雑把に言えば、スレッド129の長さは、上部円筒部分122bの全外周の約1/12~1/16に等しい。スレッド129は、周方向に間隔を置いて配設されている。詳細には、上部円筒部分122bの外周上に5つのスレッド129がある。
【0072】
ベースカバー123は、下部126と、下部126の外周から上向きに延びるテーパ部127と、テーパ部127の上端から直立する直立部128とを含む。下部126は、水平面上に配設された円形の平板形状を有する。下部126は、軸線Oを中心とする円形の開口部126aを画定している。すなわち、下部126は、軸線Oを中心とする環状を有している。テーパ部127は、徐々に上向きに広がる形状を有する。すなわち、テーパ部127の直径は、下端から上端まで徐々に大きくなる。直立部128は、垂直方向に延びる円筒形状を有する。直立部128は、ベース本体121の外周部125に嵌め込まれる。さらに、ベースカバー123は、外蓋130のヒンジ構造144が位置付けられる凹状部123aを画定している。ベースカバー123は、任意の種類の材料で作られてもよい。ベースカバー123は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0073】
(中蓋)
図12を参照すると、中蓋160は、レフィル180と外蓋130との間にはさまれた蓋本体161を含む。蓋本体161は、軸線Oを中心として水平面に配設された平板形状を有する。蓋本体161には、パフ190を受け入れるための凹状ポケット164が設けられている。凹状ポケット164は、蓋本体161の中心領域に画定された窪みであり、平面図で円形を有する。凹状ポケット164は、パフ190を収容するためのパフハウジング162を画定する。パフハウジング162は、外蓋130の内筒150の頂壁152および環状突起159によって画定されたキャビティである。頂壁152および環状突起159については以下で説明する。パフハウジング162は、外蓋130によって覆われている。
【0074】
蓋本体161は、その外周に周囲リブ166が設けられている。周囲リブ166は、軸線Oを中心とする円筒形状を有し、蓋本体161の外周から懸垂している。中蓋160をベース本体121にヒンジ結合するための図13に示されているヒンジ構造163は、蓋本体161の外周の一部に周方向に設けられている。
【0075】
蓋本体161には、シール部材170を保持するためのシール保持壁167が設けられている。シール保持壁167は、軸線Oを中心とする円筒形状を有し、蓋本体161から懸垂している。シール保持壁167の内径は、凹状ポケット164の外径よりも大きく、シール保持壁167は、凹状ポケット164を囲み、半径方向において凹状ポケット164から間隔を置いて配置されている。凹状ポケット164の外周とシール保持壁167の内周との間の空間は、環状シール部材170が嵌め込まれる環状嵌め込み構造165を画定している。
【0076】
シール部材170は、レフィル180と中蓋160との間に配置され、レフィル180の上部周面187aを封止している。具体的には、シール部材170は、環状を有し、環状嵌め込み構造165に嵌め込まれている。シール部材170は、ぴったりと嵌め込むことによって環状嵌め込み構造165に保持されてもよく、または接着剤によって環状嵌め込み構造165に固定されてもよい。シール部材170は、発泡材、たとえば、ポリエチレン(PE)で作られている。シール部材の材料は、発泡PE材料に限定されない。発泡材料の代わりに、シール部材70は、バイインジェクションされた軟性材料で作られてもよく、良好な気密が達成されるように閉じられた後、硬質プラスチックによって干渉させることができる。たとえば、軟性材料には、LDPE、TPE、TPU、Hytrel、またはこれらのような同様のタイプが含まれる。シール部材70は、エラストマなどの任意の種類の材料で作られてもよい。
【0077】
(外蓋/蓋アセンブリ)
図11および図12を参照すると、中蓋130は、保持部122に装着されている。外蓋130は、外筒140と内筒150とを備える蓋アセンブリである。外筒140は、軸線Oを中心として配設されている。内筒150は、軸線Oを中心として外筒140の内部に配設されている。すなわち、外筒140および内筒150は、軸線Oに沿って同軸状に配置されている。外筒140は、凹凸嵌め合いによって内筒150に係合して、外筒140が内筒150から取り外されるのを防止している。したがって、外筒140および内筒150はともに蓋として機能する。それにもかかわらず、内筒150は、外筒140に対して、制限された回転範囲内で軸線O回りに回転可能であり、一方、内筒150は、外筒140に対する垂直方向への微動が許容されている。外筒140および内筒150は、任意の種類の材料で作られてもよい。外筒140および内筒150は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0078】
(外筒)
外筒140は、垂直方向に延びる円筒形周囲壁141と、周囲壁141の上方に配設された頂壁142と、周囲壁141の上端を頂壁142の外周に接続するテーパ部143とを含む。周囲壁141は、軸線Oを中心として配設されている。図13を参照すると、周囲壁141は、その内周面上に凹状溝147が設けられている。凹状溝147は、周囲壁141の内周面に沿って周方向に延びている。凹状溝147は、平坦な上端面と傾斜した下端面とを有する。
【0079】
頂壁142は、水平面上に配設された円形の平板形状を有する。頂壁142は、軸線Oを中心とする円形の開口部148を画定する。したがって、頂壁142は環状を有する。テーパ部143は、徐々に下向きに広がる形状を有する。すなわち、テーパ部143の直径は、上端から下端まで徐々に大きくなる。外筒140には、外蓋130の一方の側をベース本体121の外側フランジ部分124および外周部125に接続しているヒンジ構造144が設けられている。ヒンジ構造144は、ヒンジ構造163の位置から軸線O回りに約90°回転させた位置に配置され、中蓋160をベース本体121にヒンジ結合している。したがって、中蓋160がヒンジ構造163によって開かれ回転させられるとき、中蓋160と外蓋130との間の干渉が回避される。
【0080】
(内筒)
図12を参照すると、内筒150は、垂直方向に延びる円筒形周囲壁151と、周囲壁151の上方に配設された頂壁152と、周囲壁151の上端を頂壁152の外周に接続するテーパ部153とを含む。周囲壁151は、軸線Oを中心として配設されている。図13を参照すると、周囲壁151は、その外周面上に突起154が設けられている。突起154は、周囲壁151の外周面に沿って周方向に延びる山部である。突起154は、平坦な下端面と傾斜した上端面とを有する。突起154は、外筒140の凹状溝147に受け入れられる。突起154の断面形状は、外筒40の凹状溝147の断面形状に類似しているが、突起154のサイズは、凹状溝147のサイズよりもわずかに小さい。上述の構成および配置によれば、内筒150は、外筒140に対して軸線O回りに回転可能であり、一方、内筒150は、外筒140に対する垂直方向への微動が許容されている。
【0081】
内筒150は、頂壁152の下面上に環状突起159が設けられている。環状突起159は、軸線Oを中心として配設され、鏡Mが取り付けられた領域を画定している。鏡Mは、環状突起159内に取り付けられている。この環状突起159は、鏡M用のフレームとして機能する。環状突起159は、中蓋160の蓋本体161の上面に当接する先端部を有する。環状突起159の直径は、環状シール部材170の直径に実質的に等しく、それによって、環状突起159は、環状シール部材170の真上に位置する。この配置は、加えられた押圧力を環状突起159を通して内筒150からシール部材170に効率的に伝達することができる。
【0082】
内筒150は、その内周面上にスレッド156が設けられている。スレッド156は、垂直方向において傾斜する周囲壁151の内周面に沿って延びる山部である。スレッド156は、周囲壁151の全内周の4分の1の長さよりも短い長さを有し、大雑把に言えば、スレッド156の長さは、周囲壁151の全内周の約1/12~1/16に等しい。スレッド156は、周方向に間隔を置いて配設されている。詳細には、周囲壁151の内周上に5つのスレッド156がある。内筒150上のスレッド156は、保持部122上のスレッド129に係合する。これらのスレッド129および156は、内筒150が軸線O回りに回転する間、内筒150を保持部122に対してらせん状に誘導する。すなわち、スレッド129および156が互いに係合されると、内筒150のツイスト動作が可能になる。このツイスト動作は、中蓋160を環状突起159に押し付けて、蓋本体161の上面への当接を可能にするか、または中蓋の押圧を解除することを可能にする。したがって、ツイスト動作によって、シール部材170がレフィル180の上部周面187aに押し付けられて封止された封止状態と、シール部材170の封止が解除された解除状態との間の切り替えられるようになっている。ツイスト動作における動作角は、所定の角度範囲に制限され、ツイスト動作のツイスト角は、90°以下、より具体的には、約60°である。ツイスト動作における動作角の制限は、凹状溝147と突起154との長さの差によって達成されるか、または任意の他のストッパ部によって達成される。
【0083】
内筒150には、内筒150のツイスト動作を手動で実行するための操作部155が設けられている。操作部155は、外筒140の頂壁142の開口部148から露出されている。詳細には、操作部155は、内筒150の頂壁152の上方に配置され、頂壁152にヒンジ結合されたハンドル157を含む。ハンドル157は、内筒150を外筒140に対して軸線O回りに回転させるように、軸線Oを中心に回すことができてもよい。ハンドル157は、手で容易に掴めるように構成された半弧状グリップを含む。ハンドル157は、開口部148から露出される頂壁142の上面にヒンジ構造158を介して取り付けられている。ヒンジ構造158は、ハンドル157が頂壁152の上面に横たわった横臥位置とハンドル157が頂壁152の上面から起立する起立位置との間で、ハンドル157が上下に回転するのを可能にする。
【0084】
(レフィル)
レフィル180は、保持部122に着脱自在に取り付けられている。レフィル180は、レフィルケース181と、レフィルケース181の上端に取り付けられたレフィルリング182とを含む。レフィルケース181およびレフィルリング182は、任意の種類の材料で作られてもよい。レフィルケース181およびレフィルリング182は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレ蓋ラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル蓋ジエンスチレン(ABS)、樹脂、PCR-PP、PCR-PET、PCR-ABS、PCR-PEなどのポストコンシューマーリサイクル材料(PCR)ベースの熱可塑性物質、金属、ガラス(バージンガラスまたはPCRガラス)、木材、セラミクス、ファイバモールド、パルプモールド、および白紙成形積層材料などからなる群から選択される少なくとも1つの材料で作られてもよい。
【0085】
レフィルカップ181は、化粧組成物Cを収容するリセプタクルであり、化粧組成物Cが充填されている。レフィルカップ181は、円形を有する底壁183と、底壁183の周囲に上向きに直立する内壁184と、半径方向に間隔を置いて内壁184を囲む外壁185とを含む。底壁183および内壁184は、化粧組成物Cを充填されるキャビティを画定している。内壁184と外壁185を接続する接続部185aが、外壁185の下端と内壁184の下部との間に設けられ、ベースカバー123の下部126の内周に係合するための環状段差を画定している。外壁185は、その内周面上に突起185bが設けられている。突起185bは、全周に沿って連続的に延びる環状突起である。外壁185は、その上端にフランジ部186が設けられている。フランジ部186は、外壁185の上端から半径方向外側に延びており、保持部122における段差面123d上に係合されている。
【0086】
レフィルリング182は、環状上部187と、上部187の外周から懸垂された円筒部分188と、上部187の内周から下向きに傾斜したテーパ部189とを含む。上部187は、レフィルカップ181の内壁184上に取り付けられている。上部187は、環状を有する上部周面187aを含む。操作部155を回すことによって中蓋160および外蓋130が閉じられ、次いで係止されると、上部周面187aがシール部材170の下側とぴったりと接触する。
【0087】
円筒部分188は、レフィルカップ181の内壁184と外壁185との間に挿入されている。円筒部分188は、その下端にフランジ部188aが設けられている。フランジ部188aは、円筒部分188の下端から半径方向外側に延びており、レフィルカップ181の外壁185上の突起185bに係合されている。さらに、円筒部分188は、凹凸嵌め合いによって内壁184に固定されている。テーパ部分189は、化粧組成物Cが充填されるキャビティまで延びている。レフィルリング182は、化粧組成物Cを透過させることができる、プラスチックスクリーンなどのスクリーン、織物タイプのメッシュを構成することができる。
【0088】
化粧組成物Cが充填されたレフィルカップ181は、レフィルリング182から分離され、化粧組成物Cが充填されたレフィルカップ181がシールラベルで封止された状態で市場に出される。シールラベルは、アルミニウム積層フィルムで作られてもよい。シールラベルは、レフィルカップ181のフランジ部186から手で取り外すことができるようにレフィルカップ181のフランジ部186の上部周面上に貼り付けられている。
【0089】
(化粧品組成物C)
化粧品組成物Cは、任意の種類の化粧品材料で作られてもよい。ユーザは、パフ90を使用する際、化粧組成物Cを直接取り出すかまたは化粧組成物C上のスクリーンを通して取り出して、皮膚に塗布する。化粧品組成物Cは、液体形態、クリーム形態、液体クリーム状ファンデーション、粉末形態(たとえば、熱注入粉末、圧縮粉末、もしくはルースパウダー)、または固体形態など、どんな形態であってもよい。化粧組成物Cは、レフィルリング82によって構成されるスクリーンもしくは織物メッシュ、またはNBR、PU、PETファイバエンジン、PEファイバエンジンなどのレフィルカップ81に充填されたスポンジエンジンによって分散させることができる。
【0090】
(キットの使用)
化粧品コンパクト容器100およびレフィル180のキットを使用する際、図14に示されているように、ユーザは、ハンドル157を持ち上げ、次いで自分の手でハンドル157を操作して軸線O回りに一方向に回すことができる。前記ツイスト動作のツイスト角は、90°以下であり、好ましくは30°から60°の間である。ハンドル157の回転とともに、スレッド129および156の機能によって内筒150のツイスト動作が生じる。ツイスト動作が行われると、内筒150の高さレベルが上昇し、それによって、シール部材170とレフィル180との間のシールが解除される。さらに、ハンドル157のヒンジ構造158は、回転を所定の角度で停止するように構成されている。詳細には、ハンドル157の停止角度は、約93度に設定されている。
【0091】
次に、図15に示されているように、ユーザは、自分の手で外蓋130を持ち上げることによって外蓋130を開くことができ、次いで、パフハウジング162からパフ190を取り出すことができる。外蓋130が開くと、外蓋130の外筒140の周囲壁141は、ベースカバー123の凹部123aの縁部に当接し、それによって、外蓋130の回転が所定の角度で回転して停止する。詳細には、外蓋130の停止角度は、約140度に設定されている。
【0092】
次に、図16に示されるように、ユーザは、自分の手で中蓋160を持ち上げることによって中蓋160を開くことができる。中蓋160が開いた後、ユーザは、レフィルカップ181に充填された化粧組成物Cを取り出すことができる。ユーザは、パフ190を使用して化粧品組成物Cを取り出して、皮膚に塗布することができる。
【0093】
化粧組成物Cの塗布が終了した後、ユーザは、自分の手で中蓋160を降ろすことによって中蓋160を閉じることができる。その後、ユーザは、パフ190をパフハウジング162内に入れることができ、自分の手で外蓋130を降ろすことによって外蓋130を閉じることができる。その後、ユーザは、自分の手でハンドル157を操作して軸線O回りに逆回転させることができる。前記ツイスト動作のツイスト角は、90°以下であり、好ましくは30°から60°の間である。ハンドル157の回転とともに、スレッド129および156の機能によって内筒150のツイスト動作が生じる。ツイスト動作の結果として、内筒150の高さレベルが低下し、それによって、シール部材170がレフィル180の上部周面187aに押し付けられて封止される。
【0094】
レフィル180に空になるか、またはレフィルカップ181内の化粧組成物Cが使い尽くされたとき、ユーザは、空のレフィル180または使い尽くされたレフィル180を、化粧組成物Cが充填された新しいレフィルと交換することができる。詳細には、上述のステップに従って中蓋160を開いた後、ユーザはレフィルカップ181の下側を押し上げることができ、それによって、レフィル180が保持部122から取り出される。その後、ユーザは、新しいレフィルを保持部122の上側から保持部122に挿入することができる。ユーザは新しいレフィルの挿入を完了した後、中蓋160および外蓋130を閉じて、上述のステップに従ってハンドル157を操作することができる。
【0095】
効果
上述の実施形態のうちの少なくとも1つによれば、操作部を操作することによって、シール部材は、レフィルの上部周面に押し付けられて封止される。したがって、そのような化粧品コンパクト容器では、レフィルを高度な気密状態に封止してレフィルケースに収容された化粧組成物を保護してその劣化を防止することが可能である。
【0096】
本発明の好ましい実施形態を例示目的で開示しているが、様々な修正形態、追加形態、および置換形態が、添付の特許請求の範囲に開示されている本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく可能であることを当業者は認識するであろう。
【符号の説明】
【0097】
10 化粧品コンパクト容器
20 ベース
21 ベース本体
22 保持部
23 側壁
24 円形開口部
25 段差面
26 スリット
27 スナッピング部
28 係止部
29 スレッド
30 中蓋
31 上部
32 パフハウジング
40 外筒
41 周囲壁
42 頂壁
43 直立壁
44 ヒンジ構造
45 係合部
46 開口部
47 突起
48 円形開口部
50 内筒
51 周囲壁
52 頂壁
54 凹状溝
55 操作部
56 スレッド
57 ツマミ
58 接続部
60 外蓋
61 蓋本体
62 ヒンジ構造
63 環状突起
65 スナップつめ
66 保持突起
70 シール部材
80、80A レフィル
81 レフィルカップ
81a 係止部分
82 レフィルリング
83 底壁
84 内壁
85 外壁
85a 接続部
86 フランジ部
86a 上部周面
86b 環状突起
87 環状上部
88 円筒部分
89 テーパ部
90 パフ
100 化粧品コンパクト容器
120 ベース
121 ベース本体
122 保持部
122a 下部円筒部分
122b 上部円筒部分
122c 接続部
122d 段差面
123 ベースカバー
123a 凹状部
123d 段差面
124 外側フランジ部
125 外周部
126 下部
127 テーパ部
128 直立部
129 スレッド
130 外蓋
140 外筒
141 円筒状周囲壁
142 頂壁
143 テーパ部
144 ヒンジ構造
147 凹状溝
148 円形開口部
150 内側円筒部分
151 周囲壁
152 頂壁
153 テーパ部
154 突起
155 操作部
156 スレッド
157 ハンドル
158 ヒンジ構造
159 環状突起
160 中蓋
161 蓋本体
162 パフハウジング
163 ヒンジ構造
164 凹状ポケット
165 環状嵌め込み構造
166 周囲リブ
167 シール保持壁
170 シール部材
180 レフィル
181 レフィルカップ
182 レフィルリング
183 下壁
184 内壁
185 外壁
185a 接続部
185b 突起
186 フランジ部
187 環状上部
187a 上部周面
188 円筒部分
188a フランジ部
189 テーパ部
190 パフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】