(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167245
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ボトル保持機構および炭酸ガス注入装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078281
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000113997
【氏名又は名称】株式会社アクリテック
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 勉
(72)【発明者】
【氏名】川崎 一真
(72)【発明者】
【氏名】隈本 正人
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082CC01
3E082FF05
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】ボトルが保持されたことが使用者にとって分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置を提供する。
【解決手段】ボトル保持機構は、ハウジングと、前記ハウジングを第1および第2回動方向に回動可能に保持するホルダと、前記ハウジングの中で第1および第2並進方向に並進移動可能に配置され、第1傾斜面を有する第1部材と、前記第1傾斜面に当接される第2傾斜面、ボトルの口部が挿入される開口、および、前記口部に設けられた突起が係合する溝を有する第2部材とを備え、前記ハウジングが前記第1回動方向に回動する動作に応じて前記第1部材が前記第2部材に押し付けられながら前記第1および前記第2部材が前記第2並進方向に移動し、前記ハウジングが前記第2回動方向に回動する動作に応じて前記第1傾斜面が前記第2傾斜面から離隔するように前記第1部材が前記第1並進方向に移動し、前記溝は前記口部が前記開口に対して所定深さまで挿入されたときに前記突起の位置を規制する規制部を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングを互いに反対方向である第1回動方向および第2回動方向に回動可能に保持するホルダと、
前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1並進方向および第2並進方向に並進移動可能に配置され、第1傾斜面を有する第1部材と、
前記第1傾斜面に当接される第2傾斜面、ボトルの口部が挿入される開口、および、前記口部に設けられた突起が係合する溝を有する第2部材と、
を備え、
前記ハウジングが前記第1回動方向に回動する動作に応じて前記第1部材が前記第2部材に押し付けられながら前記第1部材および前記第2部材が前記第2並進方向に移動し、前記ハウジングが前記第2回動方向に回動する動作に応じて前記第1傾斜面が前記第2傾斜面から離隔するように前記第1部材が前記第1並進方向に移動し、
前記溝は、前記口部が前記開口に対して所定深さまで挿入されたときに前記溝に対して前記口部が前記第2並進方向に移動しないように前記突起の位置を規制する規制部を含む、
ことを特徴とするボトル保持機構。
【請求項2】
前記溝は、前記口部が前記開口に挿入されたときに前記突起が前記溝に挿入されるように配置され、
前記溝は、前記口部が前記開口に対して前記所定深さまで挿入される操作に応じて、前記第2傾斜面が前記第1傾斜面に押し付けられ、これによって前記第2部材が前記第1並進方向に移動するとともに前記第1並進方向に平行な軸の周りで回動し、前記突起が前記規制部によって保持されるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項3】
前記口部が前記開口に対して前記所定深さまで挿入され、かつ、前記ハウジングが前記第1回動方向に所定角度にわたって回動された状態では、前記ハウジングが前記第2回動方向に回動されない限り、前記突起が前記規制部によって保持された状態が維持される、
ことを特徴とする請求項2に記載のボトル保持機構。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記口部が挿入される挿入孔を有しかつ前記第1部材を前記第2並進方向に関して規制する底面部と、前記第1部材および前記第2部材を少なくとも部分的に取り囲むように前記底面部から延びた側面部と、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のボトル保持機構。
【請求項5】
前記側面部は、角筒形状を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載のボトル保持機構。
【請求項6】
前記ハウジングの中で前記第1部材を保持する保持部材を更に備え、
前記保持部材は、前記ハウジングの前記側面部に設けられたスロットを通して突出する突出部を有し、
前記ホルダは、前記第1回動方向および前記第2回動方向における前記ハウジングの回動を可能にするように前記ハウジングを軸支する軸支部と、前記突出部をガイドするガイド溝とを有する、
ことを特徴とする請求項4に記載のボトル保持機構。
【請求項7】
前記第1回動方向および前記第2回動方向における前記ハウジングの回動は、前記ガイド溝を移動する前記突出部によって前記第1並進方向および前記第2並進方向における前記第1部材の移動に変換される、
ことを特徴とする請求項6に記載のボトル保持機構。
【請求項8】
前記第1部材は、複数の前記第1傾斜面が環状に配置された円筒形状を有し、
前記第2部材は、複数の前記第2傾斜面が環状に配置された円筒形状を有し、
複数の前記第1傾斜面の各々に対して複数の前記第2傾斜面のうちの1つの第2傾斜面が対向している、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項9】
前記突起が前記溝に位置決めされない状態で前記口部の押し付けによって前記第2部材が前記第1部材の方向に押し込まれることを防止する制限部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項10】
前記制限部は、前記第1部材に対して固定されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のボトル保持機構。
【請求項11】
前記第1部材と前記第2部材に対して、前記第1部材と前記第2部材とを相互に離隔する方向に力を作用させるコイルばねを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項12】
前記口部が前記所定深さまで挿入された状態において前記口部をシールするシール部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のボトル保持機構。
【請求項13】
前記第1部材および前記第2部材を貫通するチューブを更に備え、
前記シール部は、前記チューブに取り付けられている、
ことを特徴とする請求項12に記載のボトル保持機構。
【請求項14】
ボトルに炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置であって、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のボトル保持機構と、
前記ボトル保持機構によって保持されたボトルに対して炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、
を備えることを特徴とする炭酸ガス注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル保持機構および炭酸ガス注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、炭酸化装置に炭酸飲料の容器を取り付ける炭酸化ヘッドアッセンブリの一部を形成するクランプ器具が開示されている。このクランプ器具は、容器の口部を保持するように放射状に配置された複数のプロングと、使用者が炭酸化ヘッドアッセンブリに容器を非直立状態で位置決めし、容器を直立状態に動かしたときに複数のプロングによって容器の口部が保持されるように複数のプロングを締め付ける締め付けリングとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクランプ器具では、容器の口部を炭酸化ヘッドアッセンブリに非垂直状態で位置決めした後に容器を垂直状態に回動させることによって容器の口部が複数のクランプによって保持される。しかし、容器がどの時点で確実に保持されたのかが分かりにくく、使用者に不安感を与えうる。
【0005】
本発明は、ボトルが保持されたことが使用者にとって分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、ボトル保持機構に係り、前記ボトル保持機構は、ハウジングと、前記ハウジングを互いに反対方向である第1回動方向および第2回動方向に回動可能に保持するホルダと、前記ハウジングの中で互いに反対方向である第1並進方向および第2並進方向に並進移動可能に配置され、第1傾斜面を有する第1部材と、前記第1傾斜面に当接される第2傾斜面、ボトルの口部が挿入される開口、および、前記口部に設けられた突起が係合する溝を有する第2部材と、を備え、前記ハウジングが前記第1回動方向に回動する動作に応じて前記第1部材が前記第2部材に押し付けられながら前記第1部材および前記第2部材が前記第2並進方向に移動し、前記ハウジングが前記第2回動方向に回動する動作に応じて前記第1傾斜面が前記第2傾斜面から離隔するように前記第1部材が前記第1並進方向に移動し、前記溝は、前記口部が前記開口に対して所定深さまで挿入されたときに前記溝に対して前記口部が前記第2並進方向に移動しないように前記突起の位置を規制する規制部を含む。
【0007】
本発明の第2の側面は、ボトルに炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置に係り、第1の側面に係るボトル保持機構と、前記ボトル保持機構によって保持されたボトルに対して炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ボトルが保持されたことが使用者にとって分かりやすいボトル保持機構および炭酸ガス注入装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態の炭酸ガス注入装置の構成を例示する図。
【
図4】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の2つの状態を示す図。
【
図5】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図6】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図7】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図8】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図9】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【
図10】一実施形態の炭酸ガス注入装置あるいはボトル保持機構の構成および動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
図1には、一実施形態の炭酸ガス注入装置100の構成が例示的に示されている。
図2、
図3には、
図1に示された炭酸ガス注入装置100の一部が拡大して示されている。ここで、
図2には、炭酸ガス注入装置100にボトル1を取り付ける状態または炭酸ガス注入装置100からボトル1を取り外す状態が示されている。
図3には、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作の準備が完了した状態、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作を行っている状態、または、炭酸ガス注入装置100がボトル1に炭酸ガスを注入する動作が完了した状態が示されている。
【0012】
ボトル1の口部は、ボトル1の軸方向が鉛直方向に対して傾斜した状態、即ち傾斜状態でボトル保持機構BHMの開口に挿入され、取り付け方向(斜め上方向)Uに向けて押し込まれることによってボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100によって保持されうる。この状態は、
図2に例示されている。つまり、本実施形態によれば、ボトル1が傾斜状態でボトル保持機構BHMの開口に挿入され、1つの方向(取り付け方向U)に向けて押し込まれることにより、ボトル1がボトル保持機構BHMによって保持される。より簡潔に説明すれば、本実施形態によれば、ボトル1をボトル保持機構BHMの開口に押し込むだけで、ボトル1がボトル保持機構BHMによって保持される。よって、本実施形態によれば、ボトル1がボトル保持機構BHMによって保持されたことが使用者にとって分かりやすい。また、ボトル保持機構BHMによってボトル1が保持されるまでの動作が単純である。
【0013】
その後、ボトル1は、第1回動方向R1に回動され鉛直方向に平行な状態、即ち鉛直状態にされうる。この状態は、
図3に例示されている。この状態で、炭酸ガス供給部90によってチューブ85を通してボトル1に炭酸ガスが注入されうる。その後、ボトル1は、第1回動方向R1とは反対方向である第2回動方向R2に回動され、傾斜状態に戻されうる。この状態は、
図2に例示されている。その後、ボトル1は、取り付け方向Uの反対方向である取り外し方向(斜め下方向)Dに向けてボトル保持機構BHMから引き抜かれることにより、ボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100から取り外されうる。
【0014】
図4(a)には、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMがボトル1の取り付け(挿入)を待っている状態、あるいは、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMからボトル1が取り外された状態が模式的に示されている。
図4(b)には、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMにボトル1が取り付けられ、ボトル1が鉛直状態になった状態が模式的に示されている。ボトル保持機構BHMは、その軸方向が鉛直方向に対して傾斜した傾斜状態でボトル1を受け入れうる。
【0015】
図4(a)に模式的に示されているように、ボトル1は、突起3が設けられた口部2を有しうる。炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMは、突起3を利用してボトル1あるいはボトル1の口部2を保持しうる。ボトル1が鉛直状態でボトル保持機構BHMによって保持されているとき、ボトル保持機構BHMもその軸方向が鉛直方向に平行な鉛直状態でありうる。
【0016】
以下、
図4の他、
図5~
図10を参照しながらボトル保持機構BHMおよび炭酸ガス注入装置100の構成および動作を例示的に説明する。ボトル保持機構BHMは、ハウジング10と、ハウジング10を互いに反対方向である第1回動方向R1および第2回動方向R2に回動可能に保持するホルダ20と、を備えうる。また、ボトル保持機構BHMは、第1部材30および第2部材40を備えうる。第1部材30および第2部材40は、ハウジング10によって保持されうる。第1部材30および第2部材40は、ハウジング10に対する相対的な方向である第1並進方向S1および第2並進方向S2に並進移動可能なようにハウジング10によって保持されうる。ハウジング10およびボトル1が傾斜状態であるとき、第1並進方向S1および第2並進方向S2は、取り付け方向Uおよび取り外し方向Dと平行でありうる。ハウジング10およびボトル1が鉛直状態であるとき、第1並進方向S1および第2並進方向S2は、鉛直方向と平行でありうる。
【0017】
第1部材30は、第1傾斜面31を有しうる。第2部材40は、第1傾斜面31に当接される第2傾斜面42、ボトル1の口部2が挿入される開口43、および、口部2に設けられた突起3が係合する溝44を有しうる。ボトル保持機構BHMは、
図5等に模式的に示されるように、制限部70を備えうる。制限部70は、突起3が溝44に位置決めされない状態で口部2の押し付けによって第2部材40が第1部材30の方向に押し込まれることを制限しうる。具体的には、制限部70は、突起3が溝44に位置決めされない状態で第2部材40の第2傾斜面42が第1部材30の第1傾斜面31に当接されるように口部2の押し付けによって第2部材40が第1部材30の方向に押し込まれることを防止しうる。制限部70は、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に挿入されるときに口部2の突起3をガイドするように機能してもよい。制限部70は、例えば、第1部材30に対して固定されうる。
【0018】
ハウジング10が第1回動方向R1に回動する動作に応じて、第1部材30が第2部材40に押し付けられながら第1部材30および第2部材40が第2並進方向S2に移動しうる。また、ハウジング10が第2回動方向R2に回動する動作に応じて、第1傾斜面31が第2傾斜面42から離隔するように第1部材30が第1並進方向S1に移動しうる。
【0019】
第2部材40に設けられた溝44は、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入されたときに溝44に対してボトル1の口部2が第2並進方向S2に移動しないようにボトル1の突起3の位置を規制する規制部46を含みうる。第2部材40の溝44は、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に挿入されたときにボトル1の突起3が第2部材40の溝44に挿入されるように配置されうる。
【0020】
溝44は、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入される操作に応じて、第2部材40の第2傾斜面42が第1部材30の第1傾斜面31に押し付けられ、これによって第2部材40が第1並進方向S1に移動するとともに第1並進方向S1に平行な軸の周りで回動してボトル1の突起3が規制部46および制限部70によって保持されるように構成されうる。
【0021】
ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入され、かつ、ハウジング10が第1回動方向R1に所定角度にわたって回動された状態、即ち、
図3および
図4(b)に示された状態では、ハウジング10が第2回動方向R2に回動されない限り、突起3が規制部46および制限部70によって保持された状態が維持される。
【0022】
ハウジング10は、底面部12と、底面部12から(第1並進方向S1と平行な方向に)延びた側面部13とを含みうる。底面部12は、ボトル1の口部2が挿入される挿入孔11を有し、かつ、第1部材30を第2並進方向S2に関して規制するように構成されうる。側面部13は、第1部材30および第2部材40を少なくとも部分的に取り囲むように構成されうる。側面部13は、例えば、角筒形状を有しうる。
【0023】
ボトル保持機構BHMは、ハウジング10の中で第1部材30を保持する保持部材50を更に備えうる。
図5~
図10に模式的に示されるように、ハウジング10の側面部13には、スロット15が設けられうる。保持部材50は、ハウジング10の側面部13に設けられたスロット15を通して突出する突出部52を有しうる。ホルダ20は、
図4(a)、
図4(b)に模式的に示されるように、第1回動方向R1および第2回動方向R2におけるハウジング10の回動を可能にするようにハウジング10を軸支する軸支部22と、突出部52をガイドするガイド溝24とを有しうる。第1回動方向R1および第2回動方向R2におけるハウジング10の回動は、ガイド溝24を移動する突出部52によって、第1並進方向S1および第2並進方向S2における第1部材30の移動に変換されうる。
【0024】
第1部材30は、複数の第1傾斜面31が環状に配置された円筒形状を有しうる。同様に、第2部材40は、複数の第2傾斜面42が環状に配置された円筒形状を有しうる。複数の第1傾斜面31の各々に対して複数の第2傾斜面のうちの1つの第2傾斜面42が対向しうる。
【0025】
ボトル保持機構BHMは、第1部材30と第2部材40に対して、第1部材30と第2部材40とを相互に離隔する方向に力を作用させるコイルばね60を更に備えうる。
図10に模式的に示されるように、ボトル保持機構BHMは、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入された状態において口部2をシールするシール部80を備えうる。ボトル保持機構BHMは、第1部材30および第2部材40を貫通するチューブ85を更に備えうる。炭酸ガス注入装置100の炭酸ガス供給部90は、チューブ85を通してボトル1(ボトル1内の飲料)に対して炭酸ガスを注入するように構成されうる。シール部80は、チューブ85に取り付けられうる。
【0026】
以下、
図5~
図9を参照しながら炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMへのボトル1の取り付け、および、炭酸ガス注入装置100あるいはボトル保持機構BHMからのボトル1の取り外しについて例示的に説明する。
【0027】
図5には、第2部材40の開口43(ハウジング10の挿入孔11)にボトル1の口部2が挿入されて、第2部材40の溝44に対して口部2の突起3が係合した様子が示されている。
図5では、ボトル1のうち第2部材40の開口43に挿入された部分が一点鎖線で示され、制限部70のうち第2部材40に隠れた部分が点線で示されている。
図6には、
図5と同じ状態が示されているが、ボトル1のうち第2部材40の開口43に挿入された部分、および、制限部70のうち第2部材40に隠れた部分は示されていない。
【0028】
図7には、
図5および
図6に示された状態から、ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して押し込まれて、第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入された状態が示されている。ボトル1の口部2が第2部材40の開口43に対して所定深さまで挿入される操作に応じて、第2部材40の第2傾斜面42が第1部材30の第1傾斜面31に押し付けられる。これによって、第2部材40は、第1並進方向S1に移動するとともに第1並進方向S1に平行な軸の周りで(第1並進方向S1に対して右回りに)回動する。この動作にともなって、口部2に設けられた突起3は、制限部70によって移動が制限されるとともに第2部材40の溝44に係合しながら移動し、最終的に規制部46および制限部70によって保持される。
【0029】
図8には、
図7に示された状態から、ボトル1が第1回動方向R1に回動されて鉛直状態になった様子が示されている。
図8では、ボトル1のうち第2部材40の開口43に挿入された部分が一点鎖線で示され、制限部70のうち第2部材40に隠れた部分が点線で示されている。
図9には、
図8と同じ状態が示されているが、ボトル1のうち第2部材40の開口43に挿入された部分、および、制限部70は示されていない。
【0030】
ボトル1が第1回動方向R1に回動すると、ハウジング10も第1回動方向に回動する。ハウジング10が第1回動方向R1に回動する動作に応じて、第1部材30が第2部材40に押し付けられながら第1部材30および第2部材40が第2並進方向S2に移動し、
図8および
図9(
図3および
図4(b))に示された状態に至る。この状態では、ボトル1が第2回動方向R2に回動されることによってハウジング10が第2回動方向R2に回動されない限り、突起3が規制部46および制限部70によって保持された状態が維持され続ける。つまり、
図8、
図9に示された状態では、制限部70は、ボトル1を第1並進方向S1に対して左回りに回動させる操作ができないようにボトル1の回動を制限するように機能しうる。そのため、
図8、
図9に示された状態から、ボトル1を第1並進方向S1に対して左回りに回動させた後にボトル1を第2回動方向R2に回動させるような誤操作が防止されうる。また、制限部70によるボトル1の回動の制限により、以下で説明する炭酸ガスの注入時にボトル1を回動させる操作を防止することができ、これにより安全性を保障することができる。
【0031】
図8および
図9に示された状態において、炭酸ガス供給部90によってチューブ85を通してボトル1(ボトル1に充填された飲料)に炭酸ガスが注入されうる。ボトル1に対する炭酸ガスの注入は、不図示の操作ボタンが使用者によって操作されることに応じて実行されうる。あるいは、ボトル1に対する炭酸ガスの注入は、ハウジング10が
図8および
図9に示されたような鉛直状態になったことを検知するセンサの出力に応答して実行または中止されてもよい。
図8および
図9に示された状態になることを条件として炭酸ガス供給部90によってボトル1に炭酸ガスが注入される構成により、ボトル1がボトル保持機構BHMに対して正しい状態で取り付けられていないにも拘わらず炭酸ガス供給部90から炭酸ガスが噴射されることを防止することができる。
【0032】
炭酸ガス注入装置100は、ボトル1に対する炭酸ガスの注入が完了した後、例えば、不図示の報知部によって、ボトル1を傾斜状態に戻すように使用者に促しうる。ボトル1が傾斜状態に戻されると、即ち、ハウジング10が第2回動方向R2に回動されると、
図5および
図6に示されるように、第1傾斜面31が第2傾斜面42から離隔するように第1部材30が第1並進方向R1に移動しうる。これにより、規制部46および制限部70による突起3あるいは口部2の保持が解除される。使用者は、
図3および
図4(b)に示された状態からボトル1を第2回動方向R2に回動させて
図2及び
図4(a)に示される状態とすることによってボトル1をボトル保持機構BHMあるいは炭酸ガス注入装置100から取り外すことができる。
【0033】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1:ボトル、2:口部、3:突起、BHM:ボトル保持機構、U:取り付け方向、D:取り外し方向、10:ハウジング、11:挿入孔、12:底面部、13:側面部、20:ホルダ、22:軸支部、24:ガイド溝、30:第1部材、31:第1傾斜面、40:第2部材、42:第2傾斜面、43:開口、44:溝、46:規制部、50:保持部材、52:突出部、60:コイルばね、70:制限部、80:シール部、85:チューブ、90:炭酸ガス供給部、100:炭酸ガス注入装置、S1:第1並進方向、S2:第2並進方向