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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167262
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】背負い具および呼吸器
(51)【国際特許分類】
   A62B 9/00 20060101AFI20231116BHJP
   B63C 11/06 20060101ALN20231116BHJP
   B63C 11/16 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
A62B9/00 Z
B63C11/06
B63C11/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078310
(22)【出願日】2022-05-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】390010342
【氏名又は名称】エア・ウォーター防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 晋士
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA08
2E185BA13
2E185CA03
2E185CB02
(57)【要約】
【課題】縦穴への進入時に有用な背負い具を提供する。
【解決手段】ガスボンベ250が取り付けられる、着装者201が背負う背負い具300であって、ガスボンベ250が取り付けられる本体330と、本体330に取り付けられてガスボンベ250のガスを着装者201に取り付けられた面体11に送るための給気ライン210とを備える。給気ライン210は本体330内で湾曲可能であるように構成されており、着装者201が背負い具300を背負った状態で給気ライン210を用いて着装者201にガスを供給する第一の使用状態、および、給気ライン210を湾曲させて着装者201が背負い具300の下に位置する状態で給気ライン210を用いて着装者201にガスを供給する第二の使用状態において使用可能である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベが取り付けられる、着装者が背負う背負い具であって、
前記ガスボンベが取り付けられる本体と、
前記本体に取り付けられて前記ガスボンベのガスを着装者に取り付けられた面体に送るための給気ラインとを備え、
前記給気ラインは前記本体内で湾曲可能であるように構成されており、着装者が背負い具を背負った状態で前記給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第一の使用状態、および、前記給気ラインを湾曲させて着装者が前記背負い具の下に位置する状態で前記給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第二の使用状態において使用可能である、背負い具。
【請求項2】
着装者の面体内の圧力変動を検知する検圧ラインをさらに備え、
前記検圧ラインは前記本体内で湾曲可能であるように構成されており、
着装者が背負い具を背負った状態で前記検圧ラインを用いて前記面体内の圧力変動を検知する前記第一の使用状態、および、前記検圧ラインを湾曲させて着装者が前記背負い具の下に位置する状態で前記検圧ラインを用いて前記面体内の圧力変動を検知する前記第二の使用状態において使用可能である、請求項1に記載の背負い具。
【請求項3】
前記本体は、着装者の首側に位置する上部と着装者の腰側に位置する下部とを有し、前記給気ラインおよび前記検圧ラインは前記下部において湾曲可能である、請求項2に記載の背負い具。
【請求項4】
前記本体の上部には、第一の孔を有する第一突出部と、第二の孔を有する第二突出部とが設けられており、前記第一突出部と前記第二突出部とは互いに距離を隔てて配置されており、前記第一突出部と前記第二突出部との間の距離は前記給気ラインおよび前記検圧ラインの合計の幅よりも小さく、前記第一の使用状態から前記第二の使用状態へ移行するときに前記第一突出部および前記第二突出部の間の隙間を前記給気ラインおよび前記検圧ラインの一つずつ通過させて下方向に湾曲させる、請求項2または3に記載の背負い具。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の背負い具と、前記背負い具からガスが供給されて着装者の顔面を覆う面体とを備えた、呼吸器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、背負い具および呼吸器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
消防隊員は、火事が起こっている現場など危険な場所での救助活動を行う。そのため、消防隊員は、救助活動を行う際に呼吸器を有する背負い具を着装しておく。
【0003】
このような背負い具は、たとえば、特開2019-205784号公報(特許文献1)において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-205784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の背負い具では、マンホールなどの細い縦穴に進入することが困難であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある局面に従うと、ガスボンベが取り付けられる、着装者が背負う背負い具であって、ガスボンベが取り付けられる本体と、本体に取り付けられてガスボンベのガスを着装者に送るための給気ラインとを備える。給気ラインは本体内で湾曲可能であるように構成されており、着装者が背負い具を背負った状態で給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第一の使用状態、および、給気ラインを湾曲させて着装者が背負い具の下に位置する状態で給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第二の使用状態において使用可能である。
【0007】
このように構成された背負い具においては、給気ラインを湾曲させて着装者が背負い具の下に位置する状態で給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第二の使用状態において使用可能である。そのため、マンホールなどの細い縦穴に進入する場合において、着装者を先に進入させ、着装者の上に位置するように背負い具を位置決めすることで、着装者は縦穴に進入できる。
【0008】
好ましくは、背負い具は、着装者の面体内の圧力変動を検知する検圧ラインをさらに備え、検圧ラインは本体内で湾曲可能であるように構成されており、着装者が背負い具を背負った状態で検圧ラインを用いて面体内の圧力変動を検知する第一の使用状態、および、検圧ラインを湾曲させて着装者が背負い具の下に位置する状態で検圧ラインを用いて面体内の圧力変動を検知する第二の使用状態において使用可能である。
【0009】
この場合、検圧ラインを有する呼吸器を有する背負い具を提供することができる。その背負い具を用いて縦穴に進入することが可能である。
【0010】
好ましくは、本体は、着装者の首側に位置する上部と着装者の腰側に位置する下部とを有し、給気ラインおよび検圧ラインは下部において湾曲可能である。
【0011】
この場合、給気ラインおよび検圧ラインは下部において湾曲可能であるため、下部から、その下に位置する着装者に短い距離で接続することができる。
【0012】
本体の上部には、第一の孔を有する第一突出部と、第二の孔を有する第二突出部とが設けられており、第一突出部と二の突出部とは互いに距離を隔てて配置されており、第一突出部と第二突出部との間の距離は給気ラインおよび検圧ラインの合計の幅よりも小さく、第一の使用状態から第二の使用状態へ移行するときに第一突出部および第二突出部の間の隙間を給気ラインおよび検圧ラインの一つずつ通過させて下方向に湾曲させる。
【0013】
この場合、第一の使用状態では第一突出部および第二突出部において給気ラインおよび検圧ラインを保持し、第二の使用状態への移行時に隙間から給気ラインおよび検圧ラインを取り出すため、第一の使用状態において給気ラインおよび検圧ラインを確実に保護することが可能である。
【0014】
呼吸器は、上記のいずれかの背負い具と、背負い具からガスが供給されて着装者の顔面を覆う面体とを備える、
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施の形態に従う面体11および背負い具300を着装した着装者201の斜視図である。
図2図2は、実施の形態に従う面体11および背負い具300を着装した着装者201の斜視図である。
図3図3は、シコロ240を持ち上げた状態の着装者201の図である。
図4図4は、実施の形態に従う背負い具300を着装者201の側から見た、第一の使用状態を示す斜視図である。
図5図5は、実施の形態に従う背負い具300を着装者201の側から見た、第二の使用状態を示す斜視図である。
図6図6は、実施の形態に従う背負い具300を下部332のカバーを外してガスボンベ250の側から見た、第二の使用状態を示す正面図である。
図7図7は、実施の形態に従う背負い具300の上端に設けられた第一突出部336および第二突出部337を拡大して示す正面図である。
図8図8は、縦穴1000への進入時における第二の使用状態の背負い具300と着装者201との配置を示す図である。
図9図9は、縦穴1000への進入時における第一の使用状態の背負い具300と着装者201との配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0017】
図1および図2は、実施の形態に従う面体11および背負い具300を着装した着装者201の斜視図である。図3は、シコロ240を持ち上げた状態の着装者201の図である。
【0018】
図1から図3で示すように、実施の形態に従う面体11および背負い具300を着装した着装者201の斜視図である。着装者201は防護服200を着用している。着装者201の頭部は、ヘルメット230、面体11および、シコロ240により保護されている。着装者201は背負い具300を背負っている。背負い具300にはガスボンベ250が着装されている。防護服200の体前面241あるいは面体11にプレッシャーデマンド弁が設けられていない。
【0019】
背負い具300は上部331から下部332へ延びている。上部331から下部332に向かって延びる形状のガスボンベ250はバンド251により背負い具300に固定されている。背負い具300の2つの棒状部304,305の間にガスボンベ250の先端が挿入されている。酸素を含む呼吸用気体であるたとえば空気が、吸気ガスとして大気圧よりも高い圧力でガスボンベ250に圧縮充填される。
【0020】
背負い具300の下部332にはバイパス弁スイッチ301および陽圧ロックスイッチ302が設けられている。バイパス弁スイッチ301はガスボンベ250から排出された高圧のガスを、プレッシャーデマンド弁を経由せずに面体11へ導くためのスイッチである。
【0021】
陽圧ロックスイッチ302は、給気ライン210から面体11へ供給される陽圧を停止するためのものである。着装者201が面体11を取り外した状態では、給気ライン210からのガスが面体11は供給され続けるため、供給されたガスは何ら利用されず大気に放出されることになる。これを防止するために、陽圧ロックスイッチ302を操作して給気ライン210からのガスの供給を遮断することで、ガスが無駄に消費されることを抑制できる。
【0022】
背負い具300の下部332にはガードバー306が設けられる。ガードバー306は背負い具300の下部332を保護すると共に、背負い具300を地面上で自立させることができる。
【0023】
面体11は、人体の頭部に着装されて使用されるものであり、着装状態において、着装者の顔面を覆うように構成される面体本体21と、面体本体21を着装者の頭部に固定するための締め紐22とを含んで構成される。
【0024】
面体本体21は、人体の顔面を被覆可能なサイズを有する無色透明の板状部材である前面板31と、着装状態において、前面板31を、着装者の顔面の前方に、着装者の顔面から適度な間隔をあけて支持する支持体32とを含んで構成される。この前面板31は、アイピースとも称される部材である。
【0025】
面体11には、回転機構100が取り付けられる。回転機構100は、給気ライン210および検圧ライン220と前面板31との中間に位置する部材である。給気ライン210および検圧ライン220に回転機構100の一方端が接続される。前面板31に回転機構100の他方が接続される。
【0026】
図4は、実施の形態に従う背負い具300を着装者201の側から見た、第一の使用状態を示す斜視図である。図5は、実施の形態に従う背負い具300を着装者201の側から見た、第二の使用状態を示す斜視図である。図6は、実施の形態に従う背負い具300を下部332のカバーを外してガスボンベ250の側から見た、第二の使用状態を示す正面図である。
【0027】
図4から図6で示すように、背負い具300は、本体330を有する。
本体330は上部331から下部332へ長手方向に延びる。上部331には一対の第一突出部336および第二突出部337が設けられる。第一突出部336にベルト孔338が設けられる。第二突出部337にベルト孔339が設けられる。
【0028】
上部331は長手方向の上半分をいい、下部332は長手方向の下半分をいう。すなわち、本体330は、着装者の首側に位置する上部331と着装者の腰側に位置する下部332とを有する。
【0029】
本体330には、ボンベを位置決めするための4つのクッション307が設けられている。クッション307の間には蓋体335が設けられている。
【0030】
本体330には、接続具310が設けられる。接続具310は本体330に対して回転軸を回転中心として回転可能に設けられる。接続具310の先端には継手315およびコネクタ314が設けられる。コネクタ314はガスボンベ250に接続される。
【0031】
本体330には張出部303が設けられている。張出部303にはベルト孔309が形成されている。張出部303は、バイパス弁スイッチ301および陽圧ロックスイッチ302を覆うように設けられている。
【0032】
本体330にはホース312が接続されている。ホース312の先端には表示装置313が取り付けられている。表示装置313がガスボンベ250内の空気の残量または残圧を表示する。
【0033】
図4の第一の使用状態の背負い具300と図5の第二の使用状態の背負い具300との相違点は、給気ライン210と検圧ライン220との位置である。図4で示す第一の使用状態においては、給気ライン210と検圧ライン220とは、第一突出部336および第二突出部337の間に挟まれるように位置しているのに対して、図5で示す第二の使用状態においては、給気ライン210および検圧ライン220は、第一突出部336および第二突出部337間に挟まれていない。その結果、図5の第二の使用状態においては給気ライン210および検圧ライン220を自由に動かすことが可能である。給気ライン210および検圧ライン220は、いずれもこのような動きに対応できる材料で構成されている。給気ライン210および検圧ライン220は、ともに、可撓性を有する。また、給気ライン210および検圧ライン220は、金属管を自在継手により接続して構成してもよい。
【0034】
給気ライン210および検圧ライン220が曲がる場所は、本体330の上端から下端までの長さに対して下から2/3よりも下側であることが好ましい。より好ましくは、給気ライン210および検圧ライン220が曲がる場所は、上部331及び下部332の境界より下部332側であることが好ましい。上部331と下部332との境界は、本体の上端および下端の中間点である。
【0035】
第一の使用状態においては給気ライン210および検圧ライン220は、一対の案内板351,352間に位置決めされているのに対して、第二の使用状態においては給気ライン210および検圧ライン220は、一対の案内板351,352間に位置決めされていない。第一の使用状態においては、給気ライン210および検圧ライン220は第一突出部336および第二突出部337よりもガスボンベ250側において案内板351,352間に位置している。これに対して第二の使用状態では、第一の使用状態において案内板351,352間に位置していた部分が着装者201の側に移動している。
【0036】
第二の使用状態においては給気ライン210および検圧ライン220は下方向に延びている。
【0037】
プレッシャーデマンド弁380は呼吸に応じて、大気圧よりもわずかに高い圧力の空気を面体11に供給する機能を有する。
【0038】
プレッシャーデマンド弁380は検圧ライン220により面体11と接続されているため、着装者201の呼吸によってプレッシャーデマンド弁380のケース内の圧力が変動する。ケースの圧力が変動すると、ダイヤフラムが圧力の変動を受けて形状が変形する。プレッシャーデマンド弁380の給気口は、給気ライン210により面体11とつながっている。面体11に供給された空気によって面体11内の圧力が変動し、変動した圧力を検圧ライン220を介してプレッシャーデマンド弁380内の検圧口で検知し、この圧力変動によってダイヤフラムが動く。本体330にはドレインプラグが設けられている。ドレインプラグを開くことによってプレッシャーデマンド弁380内に溜まった水を排出することができる。
【0039】
図1および図2ではシコロ240が下されていたので、回転機構100が現れなかったが、図3ではシコロ240が持ち上げられているため、回転機構100、給気ライン210および検圧ライン220が露出する。給気ライン210および検圧ライン220は、好ましくは着装者201の左側に配置される。これは、着装者201は右肩で消火用のホースを担ぐからであり、右側に給気ライン210および検圧ライン220を設けると消火用のホースに干渉するからである。
【0040】
図7は、実施の形態に従う背負い具300の上端に設けられた第一突出部336および第二突出部337を拡大して示す正面図である。図7で示すように、第一の使用状態においては一対の案内板351,352間の空間に給気ライン210および検圧ライン220は、配置されている。この位置から給気ライン210および検圧ライン220がずれることを防止するために、第一突出部336および第二突出部337の間距離W1は、給気ライン210の幅W2と検圧ライン220の幅W3との合計よりも小さいことが好ましい。
【0041】
図8は、縦穴1000への進入時における第二の使用状態の背負い具300と着装者201との配置を示す図である。縦穴1000への進入時には着装者201から背負い具300を外す。そして背負い具300を第二の使用状態とする。ベルト孔338,339にロープ1010を通す。着装者201が縦穴1000に進入する。背負い具300は着装者201の上側に位置決めされる。背負い具300はロープ1010により懸架される。着装者201が下方向へ移動するとロープ1010を送り出すことで、着装者201の下方向への移動量に応じて背負い具300を下方向に移動させる。これにより、着装者201が入ることができる内径の縦穴1000であれば、背負い具300を進入させることができる。
【0042】
図9は、縦穴1000への進入時における第一の使用状態の背負い具300と着装者201との配置を示す図である。従来の背負い具300においては第一の使用状態のみが許容され、図8で示すような第二の使用状態が許容されていなかった。そのため、縦穴1000に進入する場合には、着装者201と背負い具300を横方向に並べる必要があった。その結果、内径の大きい縦穴1000であれば進入できるものの、内径の小さい縦穴1000には進入できない。
【0043】
この実施の形態における呼吸器は、いわゆる開放式の呼吸器である。開放式呼吸器においてはガスボンベ250内の空気は、減圧弁、プレッシャーデマンド弁380もしくはデマンド弁を経由して面体11へ供給される。面体11内の空気は大気へ排出されるため、プレッシャーデマンド弁380に戻されることはない。これに対して、閉鎖循環式呼吸器に上記の構成を適用することが可能である。閉鎖循環式の呼吸器では、閉鎖回路が設けられている。そのため、ガスボンベ250の酸素は減圧弁およびデマンド弁を介して閉鎖回路に供給されます。閉鎖回路から面体11にガスが供給され、面体11から閉鎖回路へガスが戻される。戻されたガスは二酸化炭素吸収剤によって二酸化炭素が吸収され、不足した量に応じたガスが閉鎖回路に供給される。
【0044】
この実施の形態では、給気ライン210および検圧ライン220が設けられる例を示したが、少なくとも給気ライン210が設けられていればよく、検圧ライン220は必ずしも設ける必要はない。
【0045】
付記1
ガスボンベ250が取り付けられる、着装者201が背負う背負い具300であって、前記ガスボンベ250が取り付けられる本体330と、前記本体330に取り付けられてガスボンベ250のガスを着装者201に取り付けられた面体11に送るための給気ライン210とを備える。前記給気ライン210は前記本体330内で湾曲可能であるように構成されており、着装者201が背負い具300を背負った状態で前記給気ライン210を用いて着装者201にガスを供給する第一の使用状態、および、前記給気ライン210を湾曲させて着装者201が前記背負い具300の下に位置する状態で前記給気ライン210を用いて着装者201にガスを供給する第二の使用状態において使用可能である。
【0046】
付記2
着装者201の面体11内の圧力変動を検知する検圧ライン220をさらに備え、前記検圧ライン220は前記本体330内で湾曲可能であるように構成されており、着装者201が背負い具300を背負った状態で前記検圧ライン220を用いて前記面体220内の圧力変動を検知する前記第一の使用状態、および、前記検圧ライン220を湾曲させて着装者201が前記背負い具300の下に位置する状態で前記検圧ライン220を用いて前記面体11内の圧力変動を検知する第二の使用状態において使用可能である、付記1に記載の背負い具300。
【0047】
付記3
前記本体330は、着装者201の首側に位置する上部331と着装者201の腰側に位置する下部332とを有し、前記給気ライン210および前記検圧ライン220は前記下部332において湾曲可能である、付記2に記載の背負い具。
【0048】
付記4
前記本体330の前記上部331には、第一の孔としてのベルト孔338を有する第一突出部336と、第二の孔としてのベルト孔339を有する第二突出部337とが設けられており、前記第一突出部336と前記第二突出部337とは互いに距離を隔てて配置されており、前記第一突出部336と前記第二突出部337との間の距離W1は前記給気ライン210および前記検圧ライン220の合計の幅W2+W3よりも小さく、前記第一の使用状態から前記第二の使用状態へ移行するときに前記第一突出部336および前記第二突出部337の間の隙間を前記給気ライン210および前記検圧ライン220の一つずつ通過させて下方向に湾曲させる、付記2または3に記載の背負い具。
【0049】
付記5
付記1から4のいずれか1項に記載の背負い具と、前記背負い具からガスが供給されて着装者の顔面を覆う面体とを備えた、呼吸器。
【0050】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0051】
11 面体、21 面体本体、22 締め紐、31 前面板、32 支持体、100 回転機構、200 防護服、201 着装者、210 給気ライン、220 検圧ライン、230 ヘルメット、240 シコロ、241 体前面、250 ガスボンベ、251 バンド、300 背負い具、301 バイパス弁スイッチ、302 陽圧ロックスイッチ、303 張出部、304,305 棒状部、306 ガードバー、307 クッション、309,338,339 ベルト孔、310 接続具、312 ホース、313 表示装置、314 コネクタ、315 継手、330 本体、331 上部、332 下部、336 第一突出部、337 第二突出部、380 プレッシャーデマンド弁、1000 縦穴、1010 ロープ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベが取り付けられる、着装者が背負う背負い具であって、
前記ガスボンベが取り付けられる本体と、
前記本体に取り付けられて前記ガスボンベのガスを着装者に取り付けられた面体に送るための給気ラインとを備え、
前記給気ラインは前記本体内で湾曲可能であるように構成されており、着装者が背負い具を背負った状態で前記給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第一の使用状態、および、前記給気ラインを湾曲させて着装者が前記背負い具の下に位置する状態で前記給気ラインを用いて着装者にガスを供給する第二の使用状態において使用可能であり、
着装者の面体内の圧力変動を検知する検圧ラインをさらに備え、
前記検圧ラインは前記本体内で湾曲可能であるように構成されており、
着装者が背負い具を背負った状態で前記検圧ラインを用いて前記面体内の圧力変動を検知する前記第一の使用状態、および、前記検圧ラインを湾曲させて着装者が前記背負い具の下に位置する状態で前記検圧ラインを用いて前記面体内の圧力変動を検知する前記第二の使用状態において使用可能であり、
前記本体の上部には、第一の孔を有する第一突出部と、第二の孔を有する第二突出部とが設けられており、前記第一突出部と前記第二突出部とは互いに距離を隔てて配置されており、前記第一突出部と前記第二突出部との間の距離は前記給気ラインおよび前記検圧ラインの合計の幅よりも小さく、前記第一の使用状態から前記第二の使用状態へ移行するときに前記第一突出部および前記第二突出部の間の隙間を前記給気ラインおよび前記検圧ラインの一つずつ通過させて下方向に湾曲させる、背負い具。
【請求項2】
前記本体は、着装者の首側に位置する上部と着装者の腰側に位置する下部とを有し、前記給気ラインおよび前記検圧ラインは前記下部において湾曲可能である、請求項に記載の背負い具。
【請求項3】
請求項1または2項に記載の背負い具と、前記背負い具からガスが供給されて着装者の顔面を覆う面体とを備えた、呼吸器。