(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167282
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
F25D19/00 530A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078342
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】森 治
(72)【発明者】
【氏名】望月 修
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拓也
(57)【要約】
【課題】冷媒配管の接続構成を簡略化できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成される貯蔵室と、貯蔵室を冷却する冷凍サイクル16と、冷凍サイクル16で用いられる冷媒が流通する冷媒配管30と、を具備する。冷媒配管30は、断熱箱体11の前面に沿って引き回される前面配管部31と、断熱箱体11の側面に沿って引き回される側面配管部32と、前面配管部31と側面配管部32とを接続する第1接続配管部33と、を有する。第1接続配管部33と、側面配管部32とが接続する接続領域を、幅方向の一端側に配設する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体と、
前記断熱箱体に区画形成された機械室と、
前記断熱箱体の内部に形成される貯蔵室と、
前記貯蔵室を冷却する冷凍サイクルを構成する圧縮機と、
前記冷凍サイクルで用いられる冷媒が流通する冷媒配管と、を具備し、
前記冷媒配管は、前記断熱箱体の前面に沿って引き回される前面配管部と、前記断熱箱体の側面に沿って引き回される側面配管部と、前記前面配管部と前記側面配管部とを接続する第1接続配管部と、を有し、
前記第1接続配管部と、前記側面配管部とが接続する接続領域は、幅方向の一端側に配設されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1接続配管部は、幅方向の一端側に配置され、前後方向に沿って伸びることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記接続領域および前記圧縮機は、前記機械室の内部において、幅方向の一端側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記側面配管部は、幅方向の一端側に配置される第1側面配管部と、幅方向の他端側に配置される第2側面配管部と、前記第1側面配管部と前記第2側面配管部とを接続する第2接続配管部と、を有し、
前記第2接続配管部は、2つが形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、外箱に沿って配設される冷媒配管を有する冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、冷凍サイクルの蒸発器で冷却した空気を各貯蔵室に送風することで、各貯蔵室を所望の冷蔵温度帯域または冷凍温度帯域に冷却している。冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張手段および蒸発器を有し、これらの機器の間で冷媒が循環する。また、冷凍サイクルを構成する各機器は冷媒配管により接続され、冷媒は冷媒配管の内部を流通する。冷媒配管の一部は、断熱箱体の外箱に沿って引き回される。このようにすることで、外箱および冷媒配管を経由して高温冷媒を冷却することができる。更に、外箱の表面を昇温させ、外箱の表面における結露を防止できる。係る構成は、例えば特許文献1に記載される。
【0003】
図7は、背景技術に係る冷蔵庫100において、冷媒配管103の接続構成を示す斜視図である。
図7では、冷蔵庫100の後方下端に形成される機械室106を、後方から示している。
【0004】
機械室106の内部には圧縮機101および電装ボックス105が配設される。圧縮機101は、冷凍サイクルで用いられる冷媒を圧縮する。電装ボックス105には、冷蔵庫100の動作を制御する回路基板等が収納される。
【0005】
機械室106の左端近傍には、冷媒配管103が配設される。また、冷媒配管103の途中部分には、配管接続部104が配設される。配管接続部104は、冷蔵庫100の製造工程において、溶接により配管接続部104が接続される部分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した特許文献に記載された発明では、冷媒配管の接続構成の観点から改善の余地があった。
【0008】
具体的には、
図7を参照して、冷蔵庫100の製造工程において、配管接続部104にて冷媒配管103を接続する際には、溶接が行われる。この溶接を行う際に、配管接続部104の近傍において、外箱102が溶接の熱的影響を受けると、外箱102が局所的に変色または変形する恐れがあった。また、電装ボックス105は合成樹脂から成る。このことから、前述した溶接作業の熱的影響が電装ボックス105に及ぶと、電装ボックス105が変形する恐れがあった。また、このような制約が存在する状況で溶接を行うためには、熟練した技術を有する作業員が必要とされ、製造コストが高くなる課題があった。また、機械室106の左端および右端の両方において、溶接作業が必要とされ、このことも溶接による接続作業を煩雑にしていた。
【0009】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷媒配管の接続構成を簡略化できる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体と、前記断熱箱体の内部に形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を冷却する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルで用いられる冷媒が流通する冷媒配管と、を具備し、前記冷媒配管は、前記断熱箱体の前面に沿って引き回される前面配管部と、前記断熱箱体の側面に沿って引き回される側面配管部と、前記前面配管部と前記側面配管部とを接続する第1接続配管部と、を有し、前記第1接続配管部と、前記側面配管部とが接続する接続領域を、幅方向の一端側に配設することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、前記第1接続配管部は、幅方向の一端側に配置され、前後方向に沿って伸びることを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、前記接続領域および前記圧縮機は、前記機械室の内部において、幅方向の一端側に配設されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、前記側面配管部は、幅方向の一端側に配置される第1側面配管部と、幅方向の他端側に配置される第2側面配管部と、前記第1側面配管部と前記第2側面配管部とを接続する第2接続配管部と、を有し、前記第2接続配管部は、2つが形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体と、前記断熱箱体の内部に形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を冷却する冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルで用いられる冷媒が流通する冷媒配管と、を具備し、前記冷媒配管は、前記断熱箱体の前面に沿って引き回される前面配管部と、前記断熱箱体の側面に沿って引き回される側面配管部と、前記前面配管部と前記側面配管部とを接続する第1接続配管部と、を有し、前記第1接続配管部と、前記側面配管部とが接続する接続領域を、幅方向の一端側に配設することを特徴とする。本発明によれば、冷媒配管の接続構成および接続工程を簡略化できる冷蔵庫を提供することができる。具体的には、第1接続配管部と側面配管部とが接続する接続領域を、幅方向の一端側に配設することにより、接続のための溶接作業を一端側で一括して行うことができ、溶接時の作業性を向上することができる。
【0015】
また、本発明では、前記第1接続配管部は、幅方向の一端側に配置され、前後方向に沿って伸びることを特徴とする。本発明によれば、第1接続配管部を、接続領域と同様に、幅方向の一端側に配置することにより、冷媒配管の長さを抑制することができる。
【0016】
また、本発明では、前記接続領域および前記圧縮機は、前記機械室の内部において、幅方向の一端側に配設されることを特徴とする。本発明によれば、圧縮機を、機械室の内部において幅方向一端側に配設することにより、冷媒配管の接続領域と圧縮機とが接近する。一般に圧縮機は鉄などの金属から成ることから、接続領域が溶接により形成される際に、溶接の影響が圧縮機に及んだ場合であっても、圧縮機に悪影響が及ぶ恐れを小さくできる。
【0017】
また、本発明では、前記側面配管部は、幅方向の一端側に配置される第1側面配管部と、幅方向の他端側に配置される第2側面配管部と、前記第1側面配管部と前記第2側面配管部とを接続する第2接続配管部と、を有し、前記第2接続配管部は、2つが形成されることを特徴とする。本発明によれば、2つの第2接続配管部を有することで、接続領域を幅方向一方側に集約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を、前方右側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を全体的に示す側方断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷媒配管を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷媒配管および外箱を示す斜視図であり、前方左方および前方右方から見た場合を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷媒配管を示す分解斜視図である。
【
図6A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷媒配管の接続構成を示す斜視図である。
【
図6B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷媒配管の接続構成を別の視点から示す斜視図である。
【
図7】背景技術に係る冷蔵庫の冷媒配管の接続構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。また、本実施形態では、冷蔵庫10として冷凍室および冷蔵室を有するものを例示するが、冷蔵庫10としては、冷凍室のみを有するもの、または、冷蔵室のみを有するものも採用できる。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を、前方右側から見た斜視図である。冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有している。貯蔵室として、上方側から、冷蔵室12および冷凍室13を有している。冷蔵室12の前方開口は、上段部分が断熱扉18で閉鎖され、下段部分が断熱扉19で閉鎖される。冷凍室13の前方開口は、上段部分が断熱扉20で閉鎖され、下段部分が断熱扉21で閉鎖される。断熱扉18は回転式の扉であり、断熱扉19、断熱扉20および断熱扉21は引出式の扉である。
【0021】
図2は、冷蔵庫10を全体的に示す側方断面図である。断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成される。また、冷蔵室12と冷凍室13とは区画壁25により区画される。区画壁25は、断熱箱体11と同様に、断熱構成を有する部材である。
【0022】
冷凍室13の奥側には、冷却室115が形成されており、冷凍室13と冷却室115とは区画板17で区画される。冷却室115の内部には、冷却器である蒸発器162が配設される。冷蔵庫10の下端側後方には機械室14が区画形成される。
【0023】
冷蔵庫10の後方下端には、機械室14が区画形成される。機械室14は、断熱箱体11の右端側から左端側に至るまで連続して形成された収納空間である。機械室14には、圧縮機161が配置される。蒸発器162および圧縮機161は、冷媒圧縮式の冷凍サイクル16を形成している。具体的には、冷凍サイクル16は、圧縮機161、図示しない凝縮器、図示しない膨張手段および蒸発器162を備えている。冷凍サイクル16を運転することで、蒸発器162により冷却室115の内部の空気を冷却し、この冷気を送風機27が各貯蔵室に送風し、各貯蔵室の庫内温度を所定の冷却温度帯域とする。具体的には、冷蔵室12を冷蔵温度帯域に冷却し、冷凍室13を冷凍温度帯域に冷却する。冷凍サイクル16を構成する各構成機器は、銅管などの金属管から成る冷媒配管により相互に接続される。
【0024】
冷却室115の内部において、蒸発器162の上方側には送風機27が配置される。送風機27は、軸流送風機または遠心送風機であり、蒸発器162が冷却した冷却室115の内部の冷気を、冷蔵室12および冷凍室13に向けて送風する。
【0025】
冷却室115の内部であって、蒸発器162の下方には、除霜用加熱部117が配置される。除霜用加熱部117は、除霜運転時に通電することで発熱する加熱ヒータである。
【0026】
冷却室115から上方に向かって送風路118が形成される。送風路118には、冷気を冷蔵室12に吹き出すための開口が形成される。冷蔵室12を冷却した冷気は、ここでは図示しない帰還風路を経由して冷却室115に帰還し、これにより冷蔵室12は所定の冷蔵温度帯域に冷却される。
【0027】
送風された冷気の一部は、区画板17の上部に形成された開口を介して冷凍室13に送風され、冷凍室13を冷却した冷気は、区画板17の下部に形成された開口から冷却室115に帰還する。これにより、冷凍室13は所定の冷凍温度帯域に冷却される。
【0028】
冷凍サイクル16による冷蔵室12および冷凍室13の冷却を継続すると、蒸発器162に多くの着霜が生じて蒸発器162の伝熱および気流を阻害するので、定期的に蒸発器162の除霜運転を行う。除霜運転では、圧縮機161を停止することで冷凍サイクル16による冷蔵室12および冷凍室13の冷却を停止し、送風機27による送風を停止し、除霜用加熱部117により冷却室115の内部の空気を加熱することで、蒸発器162を除霜する。除霜運転が終了した後は、前述した冷蔵室12および冷凍室13の冷却動作を再開する。
【0029】
図3は、冷媒配管30を示す斜視図である。冷媒配管30は、前述した冷凍サイクル16で用いられる冷媒が流通する導管であり、銅やアルミニウムなどの熱伝導性に優れる金属から成る。冷媒配管30は、前述した圧縮機161により圧縮されることで高温高圧状態とされた冷媒が流通する。冷媒配管30は、前面配管部31と、側面配管部32と、第1接続配管部33と、第2接続配管部34と、を主要に有する。ここで、側面配管部32は、凝縮器として機能することから、クレストコンデンサと称される。また、前面配管部31は、前述した外箱111の前面を昇温することにより結露を防止するフレームパイプと称される。
【0030】
前面配管部31は、断熱箱体11の前面に沿って引き回される。具体的には、前面配管部31は、前述した外箱111の前面周縁部に沿って引き回される。また、前面配管部31の一部は、
図2に示した区画壁25の前面近傍にも引き回される。
【0031】
側面配管部32は、外箱111の側面に沿って引き回される。ここでは、側面配管部32は、左方側に蛇行形成された第1側面配管部321と、右方側に蛇行形成された第2側面配管部322と、を有する。
【0032】
第1接続配管部33は、前面配管部31と側面配管部32とを接続する。ここでは、第1接続配管部33は、幅方向の一端側である下側左端に配置され、前後方向に沿って略直線状に伸びる。
【0033】
第2接続配管部34は、第1側面配管部321と第2側面配管部322とを接続する。第2接続配管部34は、左右方向に沿って、2つ形成される。係る構成により、第1側面配管部321および第2側面配管部322の両方に関して、前面配管部31との接続部を形成する必要が無い。即ち、側面配管部32と前面配管部31との接続領域23を、左端側に集約できる。更には、冷媒配管30の、総延長距離を極力短くできる。
【0034】
図3では、側面配管部32と第1接続配管部33とが溶接により接続される接続領域23を点線で囲んで示している。本実施形態では、接続領域23は後方左端側に集約される。係る構成により、後述するように、第1接続配管部33と側面配管部32とが接続する接続領域23を、幅方向の一端側に集約することができるので、接続のための溶接作業の安全化および効率化を図れる。
【0035】
図4は、冷媒配管30および断熱箱体11を示す斜視図であり、前方左方および前方右方から見た場合を示す斜視図である。
【0036】
外箱111は、外箱左側面1111と、外箱右側面1112とを有する。外箱左側面1111は、断熱箱体11の左方側の外面を形成する。外箱右側面1112は、断熱箱体11の右方側の外面を形成する。第1側面配管部321は、外箱左側面1111の内面に沿って蛇行形成される。第2側面配管部322は、外箱右側面1112の内面に沿って蛇行形成される。第2接続配管部34は、外箱左側面1111の下端から、外箱右側面1112の下端の間に、架設して配設される。第1接続配管部33は、外箱左側面1111の下側辺に沿って配設される。
【0037】
図5は、冷媒配管30を示す分解斜視図である。
図5では、冷媒配管30を構成する各部位を離して示し、冷媒配管30の内部において冷媒が流動する方向を矢印で示している。
【0038】
冷媒配管30の内部における冷媒の流れを説明する。先ず、前述した圧縮機161により圧縮されて高温となった冷媒は、端部3421から第2接続配管部342に流入する。第2接続配管部342の内部を右方に向かって流れた冷媒は、端部3422から端部3222を経由して、第2側面配管部322に流入する。第2側面配管部322に沿って蛇行しつつ流動した冷媒は、端部3221および端部3412を経由して、第2接続配管部341に流入する。
【0039】
第2接続配管部341の内部を左方に向かって流動した冷媒は、端部3411および端部3211を経由して、第1側面配管部321に流入する。第1側面配管部321に沿って蛇行しつつ流動した冷媒は、端部3212および端部3312を経由して、第1接続配管部331に流入する。第1接続配管部331の内部を前方に向かって流動した冷媒は、端部3311および端部312を経由して、前面配管部31に流入する。
【0040】
前面配管部31の内部を流動した冷媒は、端部311および端部3321を経由して、第1接続配管部332に流入する。第1接続配管部332の内部を後方に向かって流動した冷媒は、端部3322から、後述するドライヤ22および膨張手段を経由して、前述した蒸発器162に流入する。
【0041】
このように、本実施形態では、2つの第2接続配管部341および第2接続配管部342を有することで、前面配管部31と側面配管部32とを接続する箇所である接続領域23を、後方左端側に集約することができる。接続領域23における接続構成は、
図6Aおよび
図6Bを参照して後述する。
【0042】
図6Aおよび
図6Bを参照して、前述した側面配管部32における接続構成を説明する。
図6Aは、冷媒配管30の接続構成を後方右側から見た斜視図である。
図6Bは、冷媒配管30の接続構成を後方左側から見た斜視図である。
【0043】
前述したように、接続領域23には、
図3に示した側面配管部32と前面配管部31との接続箇所を集約している。具体的には、接続領域23には、配管接続部37、配管接続部38および配管接続部39が形成される。冷蔵庫を製造する工程においては、配管接続部37、配管接続部38および配管接続部39では、溶接による管接続が行われる。
【0044】
配管接続部37は、第2接続配管部342の端部3421と、接続配管部36との接続箇所である。接続配管部36は、圧縮機161の冷媒吹出口と接続された配管である。換言すると、配管接続部37は、圧縮機161と冷媒配管30との接続箇所である。
【0045】
配管接続部38は、第1接続配管部331の端部3312と、第1側面配管部321の端部3212とを接続する。換言すると、配管接続部38は、
図5を参照して、外箱111に沿って引き回された側面配管部32と、前後方向に沿って伸びる第1接続配管部33とを接続する接続箇所である。
【0046】
配管接続部39は、第1接続配管部332の端部3322と、ドライヤ22とを接続する。ドライヤ22の下端には接続配管部35が接続している。接続配管部35は、ここでは図示しないキャピラリーチューブや膨張弁等の膨張手段を経由して、前述した蒸発器162に接続する。換言すると、配管接続部39は、冷媒配管30とドライヤ22とを接続する接続箇所である。
【0047】
本実施形態では、溶接による配管接続を行う接続領域23を、前述した機械室14の内部において左端近傍に集約している。このようにすることで、溶接時の作業性を向上できる。即ち、接続領域23の近傍には、
図6A等に示す圧縮機161は存在するものの、伝送ボックスやハーネスのような電装機器は配設されていない。よって、溶接時に発生する熱により電装機器が損傷することを防止できる。また、溶接時に発生する熱の影響が圧縮機161に及ぶこともあり得るが、圧縮機161は鉄などの金属から成る構成機器であるため、溶接時の熱により圧縮機161が損傷する恐れは小さい。
【0048】
更に、本実施形態によれば、
図6Bに示すように、接続領域23を機械室14の右端部に集約することができる。よって、図示しない電装ボックスを機械室14の左端側に配置すれば、冷媒配管30と電装ボックスとが運転時に接触することで発生するビビリ音の発生を防止できる。更に、接続領域23を機械室14の右端部に配置することにより、大多数である右利きの作業者による溶接作業を容易化することができる。
【0049】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
1111 外箱左側面
1112 外箱右側面
112 内箱
113 断熱材
115 冷却室
117 除霜用加熱部
118 送風路
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
16 冷凍サイクル
161 圧縮機
162 蒸発器
17 区画板
18 断熱扉
19 断熱扉
20 断熱扉
21 断熱扉
22 ドライヤ
23 接続領域
25 区画壁
27 送風機
30 冷媒配管
31 前面配管部
311 端部
312 端部
32 側面配管部
321 第1側面配管部
3211 端部
3212 端部
322 第2側面配管部
3221 端部
3222 端部
33 第1接続配管部
331 第1接続配管部
3311 端部
3312 端部
332 第1接続配管部
3321 端部
3322 端部
34 第2接続配管部
341 第2接続配管部
3411 端部
3412 端部
342 第2接続配管部
3421 端部
3422 端部
35 接続配管部
36 接続配管部
37 配管接続部
38 配管接続部
39 配管接続部
100 冷蔵庫
101 圧縮機
102 外箱
103 冷媒配管
104 配管接続部
105 電装ボックス
106 機械室