IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 河村電器産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-充放電制御システム 図1
  • 特開-充放電制御システム 図2
  • 特開-充放電制御システム 図3
  • 特開-充放電制御システム 図4
  • 特開-充放電制御システム 図5
  • 特開-充放電制御システム 図6
  • 特開-充放電制御システム 図7
  • 特開-充放電制御システム 図8
  • 特開-充放電制御システム 図9
  • 特開-充放電制御システム 図10
  • 特開-充放電制御システム 図11
  • 特開-充放電制御システム 図12
  • 特開-充放電制御システム 図13
  • 特開-充放電制御システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167292
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】充放電制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20231116BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20231116BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231116BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231116BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20231116BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20231116BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20231116BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20231116BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J7/00 P
H02J3/00 170
B60L55/00
B60L58/13
B60L53/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078364
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】青野 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】生駒 愛理
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 瑛叶
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AA05
5G066AE09
5G066HA15
5G066HA17
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA01
5G066KD01
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC11
5H125BC12
5H125BC21
5H125BC24
5H125CC07
5H125CD03
5H125DD02
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】充放電の制御に係る負荷を軽減可能な技術を提供する。
【解決手段】太陽光発電装置と、蓄電池とを備え、系統電力に対して売電または買電可能な充放電制御システムであって、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する制御器と、前記制御器による検知結果に応じて、蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御端末と、を備えた。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置と、蓄電池とを備え、系統電力に対して売電または買電可能な充放電制御システムであって、
系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する制御器と、
前記制御器による検知結果に応じて、蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御端末と、
を備えた充放電制御システム。
【請求項2】
前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、売電を行っていることを示す場合には、前記太陽光発電装置により発電された電力によって前記蓄電池に充電を行うように制御する請求項1に記載の充放電制御システム。
【請求項3】
前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合には、前記蓄電池に放電を行うように制御する請求項1に記載の充放電制御システム。
【請求項4】
前記蓄電池は、車両に搭載される車載蓄電池であり、
前記蓄電池制御端末は、前記車載蓄電池に放電を行うように制御する場合には、車両を使用するための電力を確保するために定められた使用閾値を下回らないように放電を行うように制御する請求項3に記載の充放電制御システム。
【請求項5】
前記蓄電池の充電率の上限値と下限値とが予め定められており、前記蓄電池制御端末は、前記蓄電池の充電率が上限値と下限値で定まる範囲内に収まるように、前記蓄電池の充放電を制御する請求項1に記載の充放電制御システム。
【請求項6】
前記蓄電池は、車両に搭載される車載蓄電池であり、
前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合で、かつ前記車載蓄電池の充電率が車載用蓄電池下限値未満のときには、前記車載蓄電池に充電を行うように制御する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充放電制御システム。
【請求項7】
前記蓄電池として、車両に搭載される車載蓄電池と、定置型蓄電池とが設けられており、
前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合には、前記定置型蓄電池の放電量を、前記車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御する請求項1に記載の充放電制御システム。
【請求項8】
前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合であって、前記蓄電池に放電を行うように前記蓄電池制御端末により制御されている状態で、前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを使用者が設定することが可能である請求項3に記載の充放電制御システム。
【請求項9】
前記蓄電池制御端末は、前記蓄電池の充電率がアラート閾値となった場合に前記使用者にアラート閾値になったことを通知し、前記使用者からの応答内容に応じて前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを決定し、前記使用者からの応答がなかった場合には、前記蓄電池の充電率が0ではない予め定め定められた下限値となるまで放電させるように制御する請求項8に記載の充放電制御システム。
【請求項10】
前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合であって、前記蓄電池に放電を行うように前記蓄電池制御端末により制御されている状態において、前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを時間帯に応じて使用者が設定することが可能である請求項3に記載の充放電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車載バッテリと定置バッテリと商用電源とが負荷に接続された電源系統で、車載バッテリと定置バッテリの充放電電力を制御して、商用電源からの受電電力を制御する制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-202623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術において、制御装置は、車載バッテリの充電状態に応じて、車載バッテリと定置型バッテリの充電電力と放電電力の電力分配を決定する。そのため、EV(Electric Vehicle)の使用台数が変更されるたびに制御対象が変更されるため、制御装置を変更に合わせて更新する必要がある。また、制御装置が各センサにて検出した電力情報の取得したり、各機器と通信を行い車載バッテリの充電状態に応じて電力分配の決定も行うため、制御装置の負担が大きくなる。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、充放電の制御に係る負荷を軽減可能な技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、太陽光発電装置と、蓄電池とを備え、系統電力に対して売電または買電可能な充放電制御システムであって、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する制御器と、前記制御器による検知結果に応じて、蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御端末と、を備えた充放電制御システムである。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、売電を行っていることを示す場合には、前記太陽光発電装置により発電された電力によって前記蓄電池に充電を行うように制御する。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合には、前記蓄電池に放電を行うように制御する。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記(3)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池は、車両に搭載される車載蓄電池であり、前記蓄電池制御端末は、前記車載蓄電池に放電を行うように制御する場合には、車両を使用するための電力を確保するために定められた使用閾値を下回らないように放電を行うように制御する。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池の充電率の上限値と下限値とが予め定められており、前記蓄電池制御端末は、前記蓄電池の充電率が上限値と下限値で定まる範囲内に収まるように、前記蓄電池の充放電を制御する。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池は、車両に搭載される車載蓄電池であり、前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合で、かつ前記車載蓄電池の充電率が車載用蓄電池下限値未満のときには、前記車載蓄電池に充電を行うように制御する。
【0012】
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池として、車両に搭載される車載蓄電池と、定置型蓄電池とが設けられており、前記蓄電池制御端末は、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合には、前記定置型蓄電池の放電量を、前記車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御する。
【0013】
(8)本発明の一態様は、上記(3)に記載の充放電制御システムにおいて、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合であって、前記蓄電池に放電を行うように前記蓄電池制御端末により制御されている状態で、前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを使用者が設定することが可能である。
【0014】
(9)本発明の一態様は、上記(8)に記載の充放電制御システムにおいて、前記蓄電池制御端末は、前記蓄電池の充電率がアラート閾値となった場合に前記使用者にアラート閾値になったことを通知し、前記使用者からの応答内容に応じて前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを決定し、前記使用者からの応答がなかった場合には、前記蓄電池の充電率が0ではない予め定め定められた下限値となるまで放電させるように制御する。
【0015】
(10)本発明の一態様は、上記(3)に記載の充放電制御システムにおいて、前記制御器による検知結果が、買電を行っていることを示す場合であって、前記蓄電池に放電を行うように前記蓄電池制御端末により制御されている状態において、前記蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを時間帯に応じて使用者が設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】充放電制御システムを含む全体構成の一例を示す図である。
図2】各端末の構成例を示す図である。
図3】充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図4】変形例1における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】変形例1における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6】変形例1における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】変形例2における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8】変形例2における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図9】変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図10】変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図11】変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図12】変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図13】変形例4における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図14】変形例4における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態に係る充放電制御システムを、図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、充放電制御システムを含む全体構成の一例を示す図である。図1には、屋外用引込盤10、PV(太陽光発電装置:Photovoltaic)200、PCS(Power Conditioning System)210、310、定置型蓄電池300、EV400、EV充放電装置410、および住宅用分電盤500が示されている。
【0019】
屋外用引込盤10は、系統電力に対し、売電または買電可能である。屋外用引込盤10は、PCS210を介して電力線でPV200と接続される。屋外用引込盤10は、PCS310を介して電力線で定置型蓄電池300と接続される。屋外用引込盤10は、住宅用分電盤500と電力線で接続される。
【0020】
屋外用引込盤10は、EV充放電装置410を介して電力線でEV(Electric Vehicle)400と接続される。EV充放電装置410には、EV400の充放電を制御するEV用端末100が設けられる。EV用端末100は、蓄電池制御端末の一例である。なお、図1では、EV充放電装置410が2つ示されてるが、1つまたは3つ以上であってもよい。また、1台のEV400に1つのEV充放電装置410を対応させているが、複数台のEV400を接続可能としてもよい。この場合、EV充放電装置410に例えばEV400をN台接続可能としたとき、EV用端末100もN個設けられ、EV400の1台ごとにEV用端末100が1つ割り当てられることで、充放電を制御可能な構成とする。
【0021】
屋外用引込盤10は、主幹ブレーカー11、CT(Current Transformer)12、PV用ブレーカー13、蓄電池用ブレーカー14、EV用ブレーカー15、および住宅内用ブレーカー17を備える。さらに、屋外用引込盤10は、制御器20、HUB18、PV用端末31、および蓄電池用端末32を備える。以下の説明において、EV用端末100、PV用端末31、および蓄電池用端末32をまとめて「各端末」と表現することがある。また、定置型蓄電池300およびEV400の車載蓄電池をまとめて「蓄電池」と表現することがある。また、EV充放電装置410、PCS310は各端末の指示対象であるので、これらをまとめて「指示対象」と表現することがある。
【0022】
主幹ブレーカー11は、系統電力と電力線で接続する。主幹ブレーカー11は、PV用ブレーカー13、蓄電池用ブレーカー14、EV用ブレーカー15、および住宅内用ブレーカー17と電力線で接続する。主幹ブレーカー11とその他のブレーカーとの間にCT12が設けられる。PV200と接続するPCS210は、PV用ブレーカー13と電力線で接続する。定置型蓄電池300と接続するPCS310は、蓄電池用ブレーカー14と電力線で接続する。EV400と接続するEV充放電装置410は、EV用ブレーカー15と電力線で接続する。住宅用分電盤500は、住宅内用ブレーカー17と電力線で接続する。
【0023】
制御器20は、CT12と通信線で接続する。制御器20は、HUB18を介してEV用端末100と通信線で接続する。制御器20は、HUB18を介してPV用端末31と通信線で接続する。制御器20は、HUB18を介して蓄電池用端末32と通信線で接続する。なお、制御器20と各端末とは、無線で接続されていてもよい。
【0024】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する。検知タイミングは、例えば所定間隔で到来するものとしてもよいし、充放電制御システムを使用する使用者の指示に応じたタイミングであってもよい。制御器20による検知結果は、通信線により各端末に通知される。各端末は、制御器による検知結果に応じて、蓄電池の充放電を制御する。
【0025】
EV用端末100は、EV充放電装置410に対してEV400に搭載された車載蓄電池の充放電を指示することで、車載蓄電池を制御する。蓄電池用端末32は、定置型蓄電池300の充放電を制御する。PV用端末31は、PV200を制御する。
【0026】
次に、各端末の構成例について説明する。図2は、各端末の構成例を示す図である。各端末は、制御部110と、通信部120と、記憶部130とを備える。これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0027】
通信部120は、各種ネットワークに接続する通信インターフェースである。通信部120は、例えば制御器20や、指示対象などと通信する。例えば、通信部120は、イーサネット(登録商標)やLAN等のNIC(Network Interface Card)である。また、無線による通信を行う場合には、無線通信用のデバイスを含む。記憶部130は、例えば充放電の制御で参照される閾値情報を記憶する。具体的な閾値情報については後述する。
【0028】
制御部110は、各端末の各部を制御することにより、蓄電池の充放電を制御する。制御部110は、検知結果取得部111と、充電指示部112と、放電指示部113と、充電率取得部114と、全体制御部115とを備える。
【0029】
検知結果取得部111は、制御器20から、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを示す検知結果を取得する。充電指示部112は、指示対象に対して、充電の指示や、充電の終了指示を行う。放電指示部113は、指示対象に対して、放電の指示や、放電の終了指示を行う。充電率取得部114は、充放電制御対象の蓄電池の充電率を取得する。全体制御部115は、制御部110全体を制御する。
【0030】
上述した構成のうち、制御器20と各端末とが充放電制御システムを構成する。この構成を踏まえ、充放電制御システムの処理の流れについて説明する。図3は、充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。図3において、S00*は制御器20の処理を示し、S1**は、各端末の制御部110の処理を示す。
【0031】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0032】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS101)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS102)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS103)。検知結果が買電の場合には(ステップS103:YES)、制御部110は、充放電制御対象の蓄電池が定置型蓄電池300か否かを判定する(ステップS104)。
【0033】
充放電制御対象の蓄電池が定置型蓄電池300の場合には(ステップS104:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS105)。ここで、放電下限値は、記憶部130に記憶された閾値情報の一つであり、放電を行うことが可能な下限値を示す。
【0034】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS105:YES)、放電を行うことができないので、ステップS107において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0035】
上記ステップS105において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS105:NO)、制御部110は、放電を指示し(ステップS106)、ステップS001に戻る。充放電制御対象の蓄電池が定置型蓄電池300ではない場合には(ステップS104:NO)、制御部110は、充電率が使用閾値未満か否かを判定する(ステップS108)。使用閾値は、車載用蓄電池下限値の一例であり、また記憶部130に記憶された閾値情報の一つであり、車両を使用するための電力を確保するために定められた閾値である。例えば、明日使用する予定の電力を確保しておくための閾値である。
【0036】
充電率が使用閾値未満の場合には(ステップS108:YES)、放電を行うことができないので、ステップS110において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が使用閾値未満ではない場合には(ステップS108:NO)、制御部110は、放電を指示し(ステップS106)、ステップS001に戻る。
【0037】
上記ステップS103において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS103:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS111)。ここで、充電上限値は、記憶部130に記憶された閾値情報の一つであり、充電を行うことが可能な上限値を示す。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS111:NO)、十分に充電されているため、ステップS110において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS111:NO)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS113)、ステップS001に戻る。
【0038】
上記フローチャートに示されるように、蓄電池の充電率の上限値と下限値とが予め定められており、各端末は、蓄電池の充電率が上限値と下限値で定まる範囲内に収まるように、蓄電池の充放電を制御する。これにより必要以上に充電や放電を行うことを防止することができる。また、上限値と下限値は使用者によって設定可能である。
【0039】
以上説明したように、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0040】
(変形例1)
次に、検知結果が買電の場合でも、充電することがある変形例について説明する。具体的に、EV用端末100は、制御器20による検知結果が、買電を行っていることを示す場合で、かつ車載蓄電池の充電率が使用閾値未満のときには、車載蓄電池に充電を行うように制御する処理について説明する。
【0041】
図4は、変形例1における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図4は、定置型蓄電池300を充放電制御対象とする蓄電池用端末32の制御部110の処理を示す。また、図4において、S00*は制御器20の処理を示し、S2**は、各端末の制御部110の処理を示す。
【0042】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0043】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS201)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS202)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS203)。検知結果が買電の場合には(ステップS203:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS204)。
【0044】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS204:YES)、放電を行うことができないので、ステップS206において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0045】
上記ステップS204において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS204:NO)、制御部110は、放電を指示し(ステップS205)、ステップS001に戻る。
【0046】
上記ステップS203において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS203:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS207)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS207:NO)、十分に充電されているため、ステップS208において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS207:NO)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS209)、ステップS001に戻る。
【0047】
図5図6は、変形例1における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図5図6は、EV400の車載蓄電池を制御対象とするEV用端末100の制御部110の処理を示す。また、図5において、S00*は制御器20の処理を示し、S3**、S4**は、EV用端末100の制御部110の処理を示す。
【0048】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0049】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS301)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS302)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS303)。検知結果が買電の場合には(ステップS303:YES)、制御部110は、充電率が使用閾値以上か否かを判定する(ステップS304)。充電率が使用閾値以上の場合には(ステップS304:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否か判定する(ステップS305)。
【0050】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS305:YES)、ステップS307において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0051】
上記ステップS305において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS305:NO)、制御部110は、放電を指示し(ステップS306)、ステップS001に戻る。
【0052】
上記ステップS304において、充電率が使用閾値以上ではない場合には(ステップS304:NO)、制御部110は、充電を指示する(ステップS308)。制御部110は、充電率を取得し(ステップS309)、充電率が使用閾値以上か否かを判定する(ステップS310)。充電率が使用閾値以上ではない場合には(ステップS310:NO)、制御部110は、ステップS308に戻る。充電率が使用閾値以上である場合には(ステップS310:YES)、制御部110は、充電終了を指示し(ステップS311)、ステップS001に戻る。
【0053】
上記ステップS303において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS303:NO)、図6のステップS401において、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS401)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS401:NO)、ステップS402において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満である場合には(ステップS401:YES)、制御部110は、充電を指示し(ステップS403)、ステップS001に戻る。
【0054】
以上説明したように、変形例1においても、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0055】
さらに、買電や売電のいずれを行った場合であっても、EV200の車載蓄電池の充電率を使用閾値以上とすることができるので、EV200の使用できなくなることを防止することができる。
【0056】
(変形例2)
次に、定置型蓄電池の方をより多く放電させる実施形態について説明する。具体的に、EV用端末100と蓄電池用端末32は、制御器20による検知結果が、買電を行っていることを示す場合には、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御する場合の処理について説明する。
【0057】
図7は、変形例2における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7は、定置型蓄電池300を制御対象とする蓄電池用端末32の制御部110の処理を示す。また、図7において、S00*は制御器20の処理を示し、S5**は、各端末の制御部110の処理を示す。
【0058】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0059】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS501)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS502)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS503)。検知結果が買電の場合には(ステップS503:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS504)。
【0060】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS504:YES)、放電を行うことができないので、ステップS506において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0061】
上記ステップS504において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS504:NO)、制御部110は、放電量Aでの放電を指示し(ステップS505)、ステップS001に戻る。なお、放電量Aは、後述する放電量Bより大きい値である。
【0062】
上記ステップS503において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS503:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS507)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS507:NO)、十分に充電されているため、ステップS508において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS507:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS509)、ステップS001に戻る。
【0063】
図8は、変形例2における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8は、EV400の車載蓄電池を制御対象とするEV用端末100の制御部110の処理を示す。また、図8において、S00*は制御器20の処理を示し、S6**は、EV用端末100の制御部110の処理を示す。
【0064】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0065】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS601)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS602)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS603)。検知結果が買電の場合には(ステップS603:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS604)。
【0066】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS604:YES)、放電を行うことができないので、ステップS606において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0067】
上記ステップS604において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS604:NO)、制御部110は、放電量Bでの放電を指示し(ステップS605)、ステップS001に戻る。ここで、放電量Bは、上述したように放電量Aより小さい値である。すなわち、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御される。
【0068】
上記ステップS603において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS603:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS607)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS607:NO)、十分に充電されているため、ステップS608において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS607:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS609)、ステップS001に戻る。
【0069】
以上説明したように、変形例2においても、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0070】
さらに、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御するので、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくしない場合と比較して、EV200の電力不足により使用できなくなることを抑制することができる。
【0071】
(変形例3)
次に、蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを使用者が設定することが可能とする場合の処理について説明する。
【0072】
図9図10は、変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9図10は、定置型蓄電池300を制御対象とする蓄電池用端末32の制御部110の処理を示す。また、図9図10において、S00*は制御器20の処理を示し、S7**、S8**は、各端末の制御部110の処理を示す。
【0073】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0074】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS701)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS702)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS703)。検知結果が買電の場合には(ステップS703:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS704)。
【0075】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS704:YES)、放電を行うことができないので、ステップS706において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0076】
上記ステップS704において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS704:NO)、制御部110は、放電量Aでの放電を指示し(ステップS705)、後述するステップS801に進む。
【0077】
上記ステップS703において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS703:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS707)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS707:NO)、十分に充電されているため、ステップS708において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS707:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS709)、ステップS001に戻る。
【0078】
上記ステップS705に引き続き、図10に示される処理が行われる。制御部110は、充電率がアラート閾値に到達したか否かを判定する(ステップS801)。ここで、アラート閾値は、記憶部130に記憶された閾値情報の一つであり、使用者に空まで放電させるか否かを問い合わせるための閾値を示す。また、アラート閾値は、放電下限値より大きい。
【0079】
充電率がアラート閾値に到達していない場合には(ステップS801:NO)、図9のステップS001に戻る。充電率がアラート閾値に到達している場合には(ステップS801:YES)、制御部110は、使用者端末にアラート閾値に到達したことを通知する(ステップS802)。使用者端末は予め通信可能なように登録されており、例えば無線LANなどにより通信が行われる。
【0080】
制御部110は、使用者端末に通知してから所定時間(例えば5分など)経過したか否かを判定する(ステップS802)。所定時間経過した場合には(ステップS803:YES)、制御部110は、アラート閾値を無効化し(ステップS807)、ステップS001に戻る。ここで、アラート閾値の無効化とは、アラート閾値を-1など、充電率が0未満となる値にセットすることを意味する。これにより、上記ステップS801において、常に否定判定されるので、上記ステップS704で充電率が放電下限値未満となった場合に放電が終了することとなる。したがって、応答がない場合には、充電率が放電下限値となるまで放電される。
【0081】
所定時間経過していない場合には(ステップS803:NO)、制御部110は、使用者端末から応答があったか否かを判定する(ステップS804)。応答には、空まで放電する応答と、空まで放電せず、ステップS704の放電下限値まで放電する応答がある。使用者端末から応答がない場合には(ステップS804:NO)、制御部110は、ステップS803に戻る。
【0082】
使用者端末から応答があった場合には(ステップS804:YES)、制御部110は、空まで放電する応答であったか否かを判定する(ステップS805)。空まで放電する応答ではなかった場合には(ステップS805:NO)、制御部110は、上述したステップS807に進む。空まで放電する応答であった場合には(ステップS805:YES)、制御部110は、放電下限値を1とし、アラート閾値を無効化し(ステップS806)、ステップS001に戻る。放電下限値を1とすることで、ステップS704で充電率が0となった場合に放電が終了することとなる。
【0083】
図11図12は、変形例3における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11図12は、EV400の車載蓄電池を制御対象とするEV用端末100の制御部110の処理を示す。また、図11図12において、S00*は制御器20の処理を示し、S9**、S10**は、EV用端末100の制御部110の処理を示す。
【0084】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0085】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS901)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS902)。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS903)。検知結果が買電の場合には(ステップS903:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS904)。
【0086】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS904:YES)、放電を行うことができないので、ステップS906において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0087】
上記ステップS904において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS904:NO)、制御部110は、放電量Bでの放電を指示し(ステップS905)、後述するステップS1001に進む。
【0088】
上記ステップS903において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS903:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS907)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS907:NO)、十分に充電されているため、ステップS908において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS909:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS909)、ステップS001に戻る。
【0089】
上記ステップS905に引き続き、図12に示される処理が行われる。制御部110は、充電率がアラート閾値に到達したか否かを判定する(ステップS1001)。ここで、アラート閾値は、記憶部130に記憶された閾値情報の一つであり、使用者に空まで放電させるか否かを問い合わせるための閾値を示す。また、アラート閾値は、放電下限値より大きい。
【0090】
充電率がアラート閾値に到達していない場合には(ステップS1001:NO)、図11のステップS001に戻る。充電率がアラート閾値に到達している場合には(ステップS1001:YES)、制御部110は、使用者端末にアラート閾値に到達したことを通知する(ステップS1002)。
【0091】
制御部110は、使用者端末に通知してから所定時間(例えば5分など)経過したか否かを判定する(ステップS1002)。所定時間経過した場合には(ステップS1003:YES)、制御部110は、アラート閾値を無効化し(ステップS1007)、ステップS001に戻る。ここで、アラート閾値を無効化とは、アラート閾値を-1など、充電率が0未満となる値にセットすることを意味する。これにより、上記ステップS1001において、常に否定判定されるので、上記ステップS904で充電率が放電下限値未満となった場合に放電が終了することとなる。したがって、応答がない場合には、充電率が放電下限値となるまで放電される。
【0092】
所定時間経過していない場合には(ステップS1003:NO)、制御部110は、使用者端末から応答があったか否かを判定する(ステップS1004)。使用者端末から応答がない場合には(ステップS1004:NO)、制御部110は、ステップS1003に戻る。
【0093】
使用者端末から応答があった場合には(ステップS1004:YES)、制御部110は、空まで放電する応答であったか否かを判定する(ステップS1005)。空まで放電する応答ではなかった場合には(ステップS1005:NO)、制御部110は、上述したステップS1007に進む。空まで放電する応答であった場合には(ステップS1005:YES)、制御部110は、放電下限値を1%とし、アラート閾値を無効化し(ステップS1006)、ステップS001に戻る。放電下限値を1とすることで、ステップS904で充電率が0となった場合に放電が終了することとなる。
【0094】
以上説明したように、変形例3においても、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0095】
さらに、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくなるように制御するので、定置型蓄電池の放電量を、車載蓄電池の放電量より大きくしない場合と比較して、EV200の使用できなくなることを抑制することができる。また、使用者により空まで放電するか否かを設定可能であるため、柔軟に放電を行うことができる。
【0096】
(変形例4)
次に、蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを時間帯に応じて使用者が設定することを可能とする場合の処理について説明する。
【0097】
図13図14は、変形例4における充放電制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13図14は、EV400の車載蓄電池を制御対象とするEV用端末100の制御部110の処理を示す。また、図13図14において、S00*は制御器20の処理を示し、S11**、S12**は、EV用端末100の制御部110の処理を示す。
【0098】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する(ステップS001)。制御器20は、検知結果を各端末に通知する(ステップS002)。
【0099】
制御部110は、制御器20から検知結果を取得する(ステップS1101)。制御部110は、充電率を取得する(ステップS1102)。制御部110は、時間帯が昼か否かを判定する(ステップS1103)。ここで、時間帯が昼とは、昼は一般的に系統電力の料金が他の時間帯と比較して高い時間帯であることから、便宜的に昼としているであって、昼に限るものではない。すなわち、「昼」とは、「系統電力の料金が他の時間帯と比較して高い時間帯」を意味する。ステップS1103おける「昼」に対応する時間帯は、使用者により設定可能である。例えば使用者は、「昼」に代えて、17時から21時の時間帯を設定できる。
【0100】
時間帯が昼ではない場合には(ステップS1103:NO)、制御部110は、後述するステップS1201に進む。時間帯が昼である場合には(ステップS1103:YES)、制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS1104)。検知結果が買電の場合には(ステップS1104:YES)、制御部110は、充電率が0か否かを判定する(ステップS1105)。
【0101】
充電率が0の場合には(ステップS1105:YES)、放電を行うことができないので、ステップS1107において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0102】
上記ステップS1105において、充電率が0ではない場合には(ステップS1105:NO)、制御部110は、放電量Bでの放電を指示し(ステップS1106)、ステップS001に戻る。
【0103】
上記ステップS1104において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS1104:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS1108)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS1108:NO)、十分に充電されているため、ステップS1109において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS1108:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS1110)、ステップS001に戻る。
【0104】
上記ステップS1103において、時間帯が昼ではない場合には(ステップS1103:NO)、制御部110は、図14のステップS1201に進む。制御部110は、検知結果が買電か否かを判定する(ステップS1201)。検知結果が買電の場合には(ステップS1201:YES)、制御部110は、充電率が放電下限値未満か否かを判定する(ステップS1202)。
【0105】
充電率が放電下限値未満の場合には(ステップS1202:YES)、放電を行うことができないので、ステップS1204において、制御部110は、放電中であれば放電終了を指示し、ステップS001に戻り、放電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。
【0106】
上記ステップS1202において、充電率が放電下限値未満ではない場合には(ステップS1202:NO)、制御部110は、放電量Bで放電を指示し(ステップS1203)、ステップS001に戻る。
【0107】
上記ステップS1201において、検知結果が買電ではない場合には(ステップS1201:NO)、制御部110は、充電率が充電上限値未満か否かを判定する(ステップS1205)。充電率が充電上限値未満ではない場合には(ステップS1205:NO)、十分に充電されているため、ステップS1206において、制御部110は、充電中であれば充電終了を指示し、ステップS001に戻り、充電中ではない場合には、そのままステップS001に戻る。充電率が充電上限値未満の場合には(ステップS1205:YES)、十分に充電されていないため、制御部110は、充電を指示し(ステップS1207)、ステップS001に戻る。
【0108】
以上説明したように、変形例4においても、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0109】
さらに、蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを時間帯に応じて使用者が設定することができるので、電気料金などに応じて柔軟に充放電を行うことができる。具体的には、系統電力の料金が他の時間帯と比較して高い時間帯には、蓄電池の充電率が0となるまで放電させることで、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0110】
上述した実施形態における各端末の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0112】
12 CT
20 制御器
32 蓄電池用端末
100 EV用端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14