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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167319
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】低温貯蔵タンク及び船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20231116BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B63B25/16 101A
B65D88/12 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078402
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】三好 崇公
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】関 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 梨花子
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA09
3E170AB29
3E170DA01
3E170NA03
3E170NA05
3E170RA02
3E170RA10
3E170VA20
(57)【要約】
【課題】船舶の上甲板に配置された低温貯蔵タンクであって、タンク本体の上方にタンク上甲板が配置されたものにおいて、タンク上甲板の高さを抑え得る構造を提案する。
【解決手段】低温貯蔵タンクは、タンク本体と、タンク本体を包囲する防熱層と、タンク本体の上方に配置されたタンク上甲板と、タンク上甲板と接合された上サポート部材と、タンク本体と接合された下サポート部材とを、備える。上サポート部材と下サポート部材が上下方向に突き合わされて結合されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体と、
前記タンク本体を包囲する防熱層と、
前記タンク本体の上方に配置されたタンク上甲板と、
前記タンク上甲板と接合された上サポート部材と、
前記タンク本体と接合された下サポート部材とを、備え、
前記上サポート部材と前記下サポート部材が上下方向に突き合わされて結合されている、
低温貯蔵タンク。
【請求項2】
前記上サポート部材と前記下サポート部材との間に配置された断熱シートを、更に備える、
請求項1に記載の低温貯蔵タンク。
【請求項3】
前記下サポート部材が低温用鋼からなる、
請求項1又は2に記載の低温貯蔵タンク。
【請求項4】
前記下サポート部材が放熱フィンを有する、
請求項1又は2に記載の低温貯蔵タンク。
【請求項5】
上甲板を有する船体と、
前記上甲板の上に設置されたサドルと、
前記サドルに支持された、請求項1又は2に記載の低温貯蔵タンクとを、備える、
船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に搭載されて低温の流体を貯蔵する低温貯蔵タンクの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上甲板の上に低温貯蔵タンクが配置された船舶が知られている。このような低温貯蔵タンクには、液化ガスなどの低温の燃料を貯蔵するものや、低温の貨物を貯蔵するものがある。例えば、特許文献1に記載の船舶は、船体の上甲板上にサドルを介して設置された燃料貯蔵用のタンクを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-133855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低温貯蔵タンクは、タンク本体と、タンク本体への入熱を抑制するためにタンク本体を囲う防熱層とを備える。また、低温貯蔵タンクのタンク本体の頂部には、マンホールや、タンク本体内部へ通す配管や配線の貫通部が配置されている。マンホールへアクセスする人の足場となったり、貫通部や貫通部に通された配管に対して作業を行う人の足場となったりする甲板(以下、「タンク上甲板」と称する)が、タンク本体の上方に配置されている。タンク上甲板は、タンク本体の頂部に立設された複数の支柱に支持されている。
【0005】
一般に、船体の上甲板上に冷熱タンクを設置する方法は、次の(I)乃至(IV)の工程を含む。(I)タンク本体に複数の支柱が溶接接合され、複数の支柱にタンク上甲板が溶接接合される、(II)船体の上甲板にサドルが設置される、(III)船体に(I)のタンク本体が搬入されサドル上に載置される、(IV)タンク本体が防熱施工される。防熱施工では、例えば、タンク本体の外表面へ発泡ウレタン材が吹き付けられる。タンク本体にタンク上甲板が設置された状態で防熱施工が行われるため、作業者はタンク上甲板を回避しながら作業を行わなければならず、タンク本体とタンク上甲板との間に十分な作業空間を確保する結果、タンク上甲板の高さが高くなってしまう。一方で、船橋視界(ビジビリティ)を確保するため船体の上甲板に配置される低温貯蔵タンクではタンク上甲板の高さを抑えることが望ましい。
【0006】
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、船舶の上甲板に配置された低温貯蔵タンクであって、タンク本体の上方にタンク上甲板が配置されたものにおいて、タンク上甲板の高さを抑え得る構造を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る低温貯蔵タンクは、
タンク本体と、
前記タンク本体を包囲する防熱層と、
前記タンク本体の上方に配置されたタンク上甲板と、
前記タンク上甲板と接合された上サポート部材と、
前記タンク本体と接合された下サポート部材とを、備え、
前記上サポート部材と前記下サポート部材が上下方向に突き合わされて結合されているものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、船舶の上甲板に配置された低温貯蔵タンクであって、タンク本体の上方にタンク上甲板が配置されたものにおいて、タンク上甲板の高さを抑え得る構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る低温貯蔵タンクを備える船舶の概略側面図である。
図2図2は、図1に示す船舶の概略平面図である。
図3図3は、低温貯蔵タンクの側面断面図である。
図4図4は、支柱の拡大図である。
図5図5は、低温貯蔵タンクの設置方法を説明する図である。
図6図6は、低温貯蔵タンクの設置方法を説明する図である。
図7図7は、低温貯蔵タンクの設置方法を説明する図である。
図8図8は、変形例に係る支柱の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る低温貯蔵タンク3を備える船舶1の概略側面図であり、図2は、図1に示す船舶1の概略平面図である。図1及び図2に示す船舶1は、貨物を運搬する貨物船であり、燃料タンクとしての低温貯蔵タンク3が搭載されている。但し、本開示に係る低温貯蔵タンク3の適用対象は、低温の液化ガスや低温ガスを貯蔵するものであれば特に限定されず、燃料タンクに代えて、貨物としての低温の液化ガスや低温ガスを収容する貨物タンクであってもよい。
【0011】
〔船舶1の構成〕
先ず、低温貯蔵タンク3が搭載される船舶1の概略構成を説明する。船舶1は、船底、側壁、及び上甲板18などにより構成された船体2を備える。船体2の船尾には、プロペラ28と舵29が配置されている。
【0012】
船体2の船長方向略中央部には貨物を収容するホールド21が配置されている。例えば、船舶1が液化ガス運搬船である場合は、ホールド21に液化ガスタンクが配置される。
【0013】
船体2のホールド21よりも船尾側には機関室35が配置されている。機関室35には、主機関19、発電機、ボイラなどの機械類が据え付けられている。主機関19は、プロペラ28と推進軸で接続されている。
【0014】
機関室35の上方には、船橋構造物12が配置されている。船橋構造物12は複数の階層を有し、最上層は船橋13となっている。船橋13は、航海及び操船のための場所をいい、操舵室と船橋ウイングを含む。船橋構造物12には、船橋13の他に、船橋13の下に配置された居住区14が設けられている。
【0015】
船橋構造物12の船尾側には、エンジンケーシング36が配置されている。エンジンケーシング36は機関室35の上方まで配置されるボイラや主機関19の排気管を覆い囲んでおり、この排気管と接続された煙突17がエンジンケーシング36の頂部から突出している。
【0016】
船橋構造物12よりも船首側であって上甲板18上には、低温貯蔵タンク3が配置されている。本開示に係る船舶1では、船舶1の左舷側と右舷側の両方に低温貯蔵タンク3がそれぞれ配置されている。但し、低温貯蔵タンク3の配置や数は本実施形態に限定されない。低温貯蔵タンク3は、上甲板18に設置されたサドル25に支持されている。以下、低温貯蔵タンク3の構成について詳細に説明する。
【0017】
〔低温貯蔵タンク3の構成〕
図3は、低温貯蔵タンク3の側面断面図である。図3に示す低温貯蔵タンク3は、略水平な長手方向Lに延びる円筒状の胴部と、胴部の両端に配置された鏡板部を有する。低温貯蔵タンク3は、長手方向Lが船長方向と平行となるように、上甲板18に設置されたサドル25に載置される。
【0018】
低温貯蔵タンク3は、低温の気体又は液体が収容されるタンク本体31と、タンク本体31の外表面を包囲する防熱層32とを備える。
【0019】
タンク本体31の頂部には、タンク本体31から上方へ延びる筒体33が接続されている。筒体33の内部はタンク本体31の内部と連通されている。筒体33は上方へ向けて開口する上端開口を有し、この上端開口がタンク本体31内部への人のアクセスに使用されるマンホール34である。マンホール34は、定常時は蓋体37等で閉塞されている。
【0020】
また、タンク本体31の上部には、タンク本体31を貫通する配管及び/又は配線(以下、「配管類39」と称する)が通る貫通部38が設けられている。配管類39は、貫通部38を通ってタンク本体31内から上方へ引き出されている。
【0021】
タンク本体31の上方には、タンク上甲板40が配置されている。本実施形態では、タンク上甲板40は低温貯蔵タンク3の一部分の上方に配置されているが、タンク上甲板40の広さや配置は特に限定されない。タンク上甲板40は、上面に平らな床を有し、床には筒体33や配管類39が通される開口が設けられている。筒体33はタンク上甲板40を上下方向に貫いており、マンホール34はタンク上甲板40の床面よりも上方に位置する。また、配管類39の一部は、タンク上甲板40を上下方向に貫いたあと、タンク上甲板40の床を通って敷設されている。タンク上甲板40の床は、マンホール34へアクセスする人の足場として使用されたり、貫通部38に通された配管類39やこれに接続されたバルブに対して操作やメンテナンス作業を行う人の足場として使用される。
【0022】
タンク上甲板40は、複数の支柱45によってタンク本体31に支持されている。図4は支柱45の拡大図である。図4に示すように、各支柱45は、上サポート部材47と下サポート部材46が上下方向に接合されて成る。上サポート部材47は、タンク上甲板40の下面に溶接で接合されている。下サポート部材46は、タンク本体31に溶接で接合されている。
【0023】
下サポート部材46の側面には放熱フィン49が設けられている。放熱フィン49は下サポート部材46と外気との熱交換面積を拡張し、これらの間の熱交換を促進する。
【0024】
上サポート部材47の下端部には上フランジ47aが設けられており、下サポート部材46の上端部には下フランジ46aが設けられている。上フランジ47aと下フランジ46aとが上下方向に突合せられ、両者を貫くボルト51と当該ボルト51に螺合されたナット52とにより上フランジ47aと下フランジ46aが締結されている。上フランジ47a又は下フランジ46aとナット52との間には、断熱ワッシャ53が配置されている。断熱ワッシャ53は、例えば、耐寒性プラスチックや耐寒性ゴムなどの耐寒性及び断熱性を有する材料で構成されたワッシャである。
【0025】
上フランジ47aと下フランジ46aの間には断熱シート48が介装されている。断熱シート48は、上サポート部材47と下サポート部材46の両者間の熱伝導を抑制するシート状部材である。断熱シート48として、例えば、ポリエチレンやフェノール樹脂等が採用されてよい。断熱ワッシャ53及び断熱シート48は、上サポート部材47と下サポート部材46の間のサーマルブレーキとして機能する。なお、上サポート部材47と下サポート部材46との結合方法は、上記のように間に断熱シート48を介装し得るという点と異材結合であるという点から締結が望ましいが、溶接や爆着であってもよい。
【0026】
上サポート部材47は、常温用鋼で構成されている。タンク上甲板40も、常温用鋼で構成されていてよい。但し、上サポート部材47が低温用鋼で構成され、タンク上甲板40も低温用鋼で構成されていてもよい。下サポート部材46は、低温用鋼で構成されている。下サポート部材46は、タンク本体31と同じ材料で構成されていてよい。低温用鋼は、低温貯蔵タンク3と同程度の温度で使用できる鋼材であり、例えば、-10℃以下の温度域での使用に適した鋼材である。低温用鋼は、タンク本体31に収容される流体の温度域で十分な機械的性質(低温靱性)を有することが望ましい。このような低温用鋼の例として、JISに規定されている低温圧力容器用鋼板が採用されてよい。
【0027】
下サポート部材46と上サポート部材47の長さの比は、特に限定されない。但し、常温用鋼と比較して高価な低温用鋼の使用量を減らす観点からは、下サポート部材46よりも上サポート部材47が長いことが望ましい。また、上サポート部材47が、下サポート部材46と比較して極端に短くてもよい。図8に示す変形例に係る支柱45では、上サポート部材47はタンク上甲板40の下面に接合された上フランジ47aで構成され、上サポート部材47は下サポート部材46と比較して極端に短い構成となっている。
【0028】
ここで、上記構成の低温貯蔵タンク3の船体2への設置方法について説明する。図5乃至図7は低温貯蔵タンク3の設置方法を説明する図である。低温貯蔵タンク3の設置方法は次の(i)乃至(iv)の工程を含む。
【0029】
(i)図5に示すように、船体2へ搬入する前のタンク本体31に支柱45の下サポート部材46が接合される。下サポート部材46のタンク本体31への接合方法は、例えば、溶接である。
(ii)クレーン等でタンク本体31を吊り上げて船体2へ搬入して、船体2の上甲板18に設けられたサドル25にタンク本体31が載置される。
(iii)図6に示すように、タンク本体31に防熱施工が施される。この防熱施工ではタンク本体31の表面へ発泡ウレタン材が吹き付けられる。ここで、タンク本体31にタンク上甲板40は未だ結合されていないので、タンク上甲板40によって防熱施工の作業は妨げられない。
(iv)図7に示すように、支柱45の上サポート部材47が予め接合されたタンク上甲板40がタンク本体31の上方へ搬入され、下サポート部材46と上サポート部材47とが結合される。ここで、上サポート部材47の上フランジ47aと下サポート部材46の下フランジ46aとが、間に断熱シート48を挟んで上下方向に突き合わされたうえ、両者がボルト51及びナット52で締結される。
【0030】
〔総括〕
以上に説明した通り、本開示の第1の項目に係る低温貯蔵タンク3は、
タンク本体31と、
タンク本体31を包囲する防熱層32と、
タンク本体31の上方に配置されたタンク上甲板40と、
タンク上甲板40と接合された上サポート部材47と、
タンク本体31と接合された下サポート部材46とを、備え、
上サポート部材47と下サポート部材46が上下方向に突き合わされて結合されているものである。
【0031】
上記構成の低温貯蔵タンク3によれば、タンク上甲板40を支える支柱45が上サポート部材47と下サポート部材46に分割構成されているので、タンク本体31に防熱施工をして防熱層32を形成したあとで、下サポート部材46と上サポート部材47とを結合してタンク上甲板40をタンク本体31の上方へ設置できる。よって、タンク上甲板40に阻害されずにタンク本体31の防熱施工を行うことが可能となり、作業性が向上する。また、防熱施工の作業領域の確保のためにタンク上甲板40とタンク本体31とを上下方向に離さずに済むので、タンク上甲板40とタンク本体31とを上下方向に近づけることができ、結果として、タンク上甲板40の高さ(例えば、上甲板18を基準とする高さ)が抑えられ、船橋13からのビジビリティを確保しやすくなる。
【0032】
本開示の第2の項目に係る低温貯蔵タンク3は、第1の項目に係る低温貯蔵タンク3において、上サポート部材47と下サポート部材46との間に配置された断熱シート48を更に備えたものである。
【0033】
これにより、上サポート部材47と下サポート部材46との間の伝熱を抑制できる。従来は、タンク本体31からの冷熱の影響を避けるために、タンク上甲板40がタンク本体31から上方へ十分に離して配置されていた。これに対し、本開示の低温貯蔵タンク3では、上サポート部材47と下サポート部材46との間で伝熱が抑制されることから、上サポート部材47及び下サポート部材46を含む支柱45の高さを抑えることができる。このように支柱45の高さが抑えられる結果、タンク上甲板40の高さが抑えられ、船橋13からのビジビリティを確保しやすくなる。
【0034】
本開示の第3の項目に係る低温貯蔵タンク3は、第1又は第2の項目に係る低温貯蔵タンク3において、下サポート部材46が低温用鋼からなるものである。ここで、上サポート部材は、常温用鋼で構成されていてもよい。
【0035】
このようにタンク上甲板40を支持する支柱45が上サポート部材47と下サポート部材46に二分割構成とされたうえ、下サポート部材46のみに低温用鋼が用いられることによって、支柱45の全体を低温用鋼で構成する場合と比較して低温用鋼の使用量を抑えることができる。このように常温用鋼と比較して高価な低温用鋼の使用量が抑えられることから、低温貯蔵タンク3の製造コストを抑えることができる。
【0036】
本開示の第4の項目に係る低温貯蔵タンク3は、第1乃至第3のいずれかの項目に係る低温貯蔵タンク3において、下サポート部材46が放熱フィン49を有するものである。
【0037】
このように、タンク上甲板40からより離れて配置された下サポート部材46において空気との熱交換が促進されることによって、タンク上甲板40の温度低下や凍結を効果的に抑制できる。
【0038】
本開示の第5の項目に係る船舶1は、
上甲板18を有する船体2と、
上甲板18の上に設置されたサドル25と、
サドル25に支持された、第1乃至第4のいずれかの項目に係る低温貯蔵タンク3とを備えるものである。
【0039】
以上の本開示の議論は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、本開示を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で1つの実施形態に纏められているが、幾つかの特徴が組み合わされてよい。また、本開示に含まれる複数の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 :船舶
2 :船体
3 :低温貯蔵タンク
18 :上甲板
25 :サドル
31 :タンク本体
32 :防熱層
40 :タンク上甲板
45 :支柱
46 :下サポート部材
46a :下フランジ
47 :上サポート部材
47a :上フランジ
48 :断熱シート
49 :放熱フィン
51 :ボルト
52 :ナット
53 :断熱ワッシャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8