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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167326
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/26 20060101AFI20231116BHJP
   G01N 30/86 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G01N30/26 Z
G01N30/86 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078420
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】中間 勇二
(57)【要約】
【課題】
キャリアガスに水素を使用した場合でも爆発の危険性が無く、キャリアガスを排気するチューブや配管を不要にしたガスクロマトグラフを提供すること。
【解決手段】
気化した試料をキャリアガスと共に分離カラム4に導入する試料導入部(2)と、該分離カラムから排出されるガスを検出する検出部(5)とを含むガスクロマトグラフにおいて、該試料導入部又は該検出部から排出される該キャリアガスを含むガスを導入し、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部(10)を有するガスクロマトグラフである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化した試料をキャリアガスと共に分離カラムに導入する試料導入部と、該分離カラムから排出されるガスを検出する検出部とを含むガスクロマトグラフにおいて、
該試料導入部又は該検出部から排出される該キャリアガスを含むガスを導入し、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部を有するガスクロマトグラフ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスクロマトグラフにおいて、該キャリアガスは水素であるガスクロマトグラフ。
【請求項3】
請求項1に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部には、酸素を含むガスが供給されるガスクロマトグラフ。
【請求項4】
請求項1に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部には、触媒を加熱又は冷却する手段を有するガスクロマトグラフ。
【請求項5】
請求項4に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部以外の部材で使用される熱源を備え、該熱源が供給する熱量の一部を該触媒処理部の加熱に使用するガスクロマトグラフ。
【請求項6】
請求項5に記載のガスクロマトグラフにおいて、該熱源が、該分離カラムを加熱するカラムオーブンを含み、該カラムオーブンを取り囲む筐体内に該触媒処理部を配置するガスクロマトグラフ。
【請求項7】
請求項6に記載のガスクロマトグラフにおいて、該カラムオーブンの天板上に、該触媒処理部及び該カラムオーブン以外の他の熱源を一カ所に集めて配置するガスクロマトグラフ。
【請求項8】
請求項1に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部に導入する前記キャリアガスを含むガスが該触媒に接触する前に、該ガスから該キャリアガス以外の成分の少なくとも一部を除去するフィルタを有するガスクロマトグラフ。
【請求項9】
請求項1に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部から排出されるガスの中から該キャリアガスを検出するキャリアガス検出手段を有し、該キャリアガス検出手段が該キャリアガスを検出した際は、該ガスクロマトグラフへの該キャリアガスの供給を停止する制御を行う制御手段を備えたガスクロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスクロマトグラフに関し、特に、水素をキャリアガスとして使用するガスクロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフは、気化した試料をキャリアガスと共にカラムに導入し、カラムで分離された試料を検出器で検出するものである。試料を分離するキャリアガスとしては、一般に不活性ガスが利用され、主に、ヘリウム、アルゴン、窒素、水素などが利用されている。
【0003】
カラムに試料を導入する試料導入部では、特許文献1に示すように、カラムに導入する試料量を制御するため、不要なキャリアガスや試料をガスクロマトグラフの外部に排出する構成を備えている。
【0004】
また、カラムから排出されるガスを検出する検出器においても、特許文献2に示すように、試料を含むキャリアガスは、検出器を通過した後は、一般に外部に排出されている。
【0005】
キャリアガスに水素を使用した場合は、使用済みのキャリアガスをガスクロマトグラフの外部に排出し、排出された水素が試験室内に溜まり爆発を起こす懸念があった。そのためガス排出口にチューブや配管を取り付けて、屋外またはドラフトチャンバー等の排気システムに水素を排出する対策が取られてきた。
【0006】
しかしながら、チューブや配管を考慮してガスクロマトグラフを設置する必要があり、ガスクロマトグラフの設置場所が制限されたり、チューブや配管が占めるスペースで他の装置の設置や作業スペースが制限されるという問題を生じていた。また、ドラフトチャンバー等の排気システムを用いて水素を排気する場合は、排気システム由来の圧力変動がチューブや配管を通してガスクロマトグラフに伝わり、振動ノイズで分析性能が悪化するといった問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-118616号公報
【特許文献2】特開平7-43356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、キャリアガスに水素を使用した場合でも爆発の危険性が無く、キャリアガスを排気するチューブや配管を不要にしたガスクロマトグラフを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明に係るガスクロマトグラフの一態様は、次のとおりである。
気化した試料をキャリアガスと共に分離カラムに導入する試料導入部と、該分離カラムから排出されるガスを検出する検出部とを含むガスクロマトグラフにおいて、該試料導入部又は該検出部から排出される該キャリアガスを含むガスを導入し、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部を有するガスクロマトグラフである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るガスクロマトグラフの上記態様によれば、試料導入部又は検出部から排出されるキャリアガスを含むガスを、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部に導入するため、水素ガスは、酸化されて水に変換される。これによりガスクロマトグラフから水素が排出されないため、チューブや配管など設備も不要となり、ガスクロマトグラフの設置場所の制限や、振動ノイズによる分析性能の悪化も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のガスクロマトグラフに係る第1の実施例を説明する概略図。
図2】本発明のガスクロマトグラフに係る熱量の移動を説明する概略図。
図3】本発明のガスクロマトグラフに係る第2の実施例を説明する概略図。
図4】本発明のガスクロマトグラフに係る第3の実施例を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のガスクロマトグラフについて、図1乃至図4を用いて詳細に説明する。
本発明の特徴は、気化した試料をキャリアガスと共に分離カラムに導入する試料導入部と、該分離カラムから排出されるガスを検出する検出部とを含むガスクロマトグラフにおいて、該試料導入部又は該検出部から排出される該キャリアガスを含むガスを導入し、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部を有するガスクロマトグラフである。
【0013】
試料導入部は、試料気化室2を備え、試料を気化すると共に、該気化室に導入されるキャリアガスと気化した試料とを混合し、カラム4に導入する役割を担う。気化室2には、試料を導入する注入口(インジェクタ)1やキャリアガス導入部(不図示)が接続されている。
【0014】
試料気化室の構成は、特許文献1に示すものなど、種々のものが採用できる。通常、注入口などは、高温(150~250℃、最大450℃)に保持され、注入された試料を瞬時に気化する。気化された試料はキャリアガスと混合される。高濃度成分や、不揮発性又は残留性の高い夾雑成分を含む試料の場合は、全部の試料やキャリアガスをカラムに導入するのではなく、その一部のみ導入しカラムに導入する試料量を制御する。カラムに導入されない資料やキャリアガス等は気化室2の外部に排出する。
【0015】
本発明では、気化室2から排出されるキャリアガスを含むガスは、配管(流路)7により、触媒処理部10に導入される。気化室2からのガスは、直接、触媒処理部10に導入することも可能であるが、図1に示すように、後述する検出器5からの排気(配管6)と併せて、配管8により触媒処理部10に導入しても良い。
【0016】
試料導入部である気化室2からカラム4に導入された試料等は、カラム内を通過する際に試料含まれる成分毎に分離し、検出部である検出器5に到達する。分離性能を安定化又は促進するため、カラム4は温度制御可能なオーブン(「カラムオーブン」とも言う。)3内に保持され、恒温状態又は高温状態に維持される。
【0017】
カラム4から排出されるガスは、検出器5で試料成分に関する同定及び定量を行う。検出器5としては、特許文献2に示す熱伝導型検出器や、炎イオン化検出器、誘電体バリア放電イオン化検出器など種々の検出器が使用される。熱伝導型検出器では、基準ガス(例えば、キャリアガス)と比較した化合物の熱伝導率の差を検出する。試料やキャリアガスはフィラメント素子で加熱され高温状態となる。試料やキャリアガスを含むガスは、検出器5から排出され、配管6及び8により触媒処理室10に導入される。
検出器が基準ガスを必要とする場合は、検出器5には、不図示の基準ガス供給管が接続される。
【0018】
気化室2や検出器5から排出されるキャリアガス(水素)を含むガスは、触媒処理部10に導入する前に、ガス中の水分や有機物、不純物を除去するフィルタ9を通過させたり、他の不純物除去方法で前処理したガスを導入するよう構成している。
【0019】
触媒処理部10では、配管8から導入されるキャリアガスを含むガスと、ポンプ11から導入される空気(酸素を含むガス)とを混合し、水素を酸化する触媒に接触させる。
触媒は、メッシュ状などの通気性を有する構造体の表面に付着して使用される。触媒材料としては、水素を酸化反応させるものであれば良く、典型例として白金(Pt)が使用されるが、その他の物質であっても良い。触媒による酸化反応により水素は水(水蒸気)に変換され装置外(大気中)に放出される。
【0020】
触媒処理部10への空気源(酸素源)の導入は、ポンプ11を使用して空気を導入するだけでなく、ガスボンベやコンプレッサー等を用いて導入してもよい。また、空気ではなく酸素を含んでいるガス供給源、例えば純酸素を触媒処理部10に導入しても良い。またポンプ、ガスボンベ、コンプレッサーなどを使用せず、例えばガスの拡散によって酸素を含むガスを触媒処理部10に供給しても良い。
【0021】
触媒処理部10において、触媒は室温で使用しても良いし、ヒーター等で温度調節したり、またファン等で冷却して使用してもよい。例えば、触媒に白金を使用する場合は、数百度(℃)の温度環境で使用することで触媒活性を高めることが可能となる。またこのような高温な環境に触媒を配置することで、触媒を劣化させる不純物の吸着を抑えることができ、触媒の長寿命化にも繋がる。
【0022】
触媒処理部における触媒を加熱する熱源としては、触媒処理部専用のヒータを用いることも可能であるが、図2に示すように、触媒処理部以外の部材(気化室2、カラムオーブン3、検出器5)で使用される熱源を利用することも可能である。これらの熱源が供給する熱量の一部(h1~h3)を触媒処理部10の加熱に使用する。また、ガスクロマトグラフ以外の部材から熱量の一部(h4)を触媒処理部10に供給することも可能である。当然、カラムオーブン3の余剰熱量(h20,h22)を気化室2や検出器5に用いることも可能である。
【0023】
例えば、気化室2、オーブン3、検出器5等の熱源部に近接又は接触して触媒処理部10を配置したり、気化室2等を保持する保持部材を熱伝導性の高い材料で構成し、同一保持部材上に触媒処理部10を配置することも可能である。また、ガスクロマトグラフの本体ケースの天板に触媒処理部10を設けることで、安全かつ省スペース化が図れる。また、オーブン3からの熱で天板が加熱され、触媒処理部に熱が伝わることにより触媒処理部を加熱するための消費電力が抑えられる。一方でオーブン内に触媒処理部を配置する方法も考えられるが、オーブン内は密閉空間であるため万が一水素ガスが漏れた時に水素濃度が上昇し危険であるため設置は好ましくない。
【0024】
ガスクロマトグラフでは、カラムオーブン3、気化室2、検出器5等は剥き出しで配置されず、図3に示すように筐体CAで覆われている。この筐体CAにより、内部の熱が容易に外部に放出されるのを抑制すると共に、外部から操作者等が高温のカラムオーブン等に直接接触することを防止することができる。
【0025】
カラムオーブン3を取り囲む筐体の内部に、触媒処理部10を配置することで、カラムオーブンから放出される熱量を効率的に触媒処理部10に提供することが可能となる。しかも、カラムオーブン3の天板上に触媒処理部10を直接配置することで、カラムオーブン3から触媒処理部10への熱伝達をより効率的に行うことができる。
【0026】
カラムオーブン3の天板上に配置する部材としては、触媒処理部10だけでなく、気化室2や検出器5など他の高温となる部材も一緒に配置することで、近接する部材間での熱伝達効率を高めることができる。しかも高温となる部材を一カ所に集めることで、これらの部材をバラバラに配置した場合と比較し、操作者が各部材に接触する機会を大幅に減らすことも可能となり、安全性が高まる。さらに、気化室2や検出器5は触媒処理部10と配管で繋がっているため、各部材を近接して配置することで、配管もコンパクト化でき、配管に残留するキャリアガスの量も少なくなる。
【0027】
図4に示すように、触媒処理部10の処理ガスの排出流路の一部に水素検知センサ(HS)を設け、触媒処理部10で処理したガスの中に、未処理の水素ガスが残留しているか否か、又はその残留濃度を検出するように構成できる。この検出結果を利用して、制御手段CUでは、水素ガスが残留している場合に、キャリアガス(CG)の配管バルブ(GV)を動作させ、キャリアガス(水素)の供給を遮断するよう制御することも可能である。
【0028】
制御手段CUは、ガスクロマトグラフのキャリアガス供給と連動させ、触媒処理部10から排出される水素濃度を常にモニターするシステムを構築して、触媒活性低下などの原因で水素が水(水蒸気)に変換されず大気中に放出される危険な状態になった場合、直ぐにキャリアガスを停止できるようにし、より安全性を高めてもよい。
【0029】
本発明のガスクロマトグラフに関する上述の説明は、実施形態の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、追加、修正を行っても本発明の技術的範囲に属することは明らかである。
また、上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが、当業者により理解される。
【0030】
(第1項)
気化した試料をキャリアガスと共に分離カラムに導入する試料導入部と、該分離カラムから排出されるガスを検出する検出部とを含むガスクロマトグラフにおいて、該試料導入部又は該検出部から排出される該キャリアガスを含むガスを導入し、水素ガスを酸化させる触媒を備えた触媒処理部を有する。
【0031】
水素ガスは、触媒処理部で水に転換されるため、水素ガスを排出するためのチューブや配管などの設備が不要となり、ガスクロマトグラフの設置場所の制限や、振動ノイズによる分析性能の悪化も抑制できる。
【0032】
(第2項)
上記第1項に記載のガスクロマトグラフにおいて、該キャリアガスは水素である。
【0033】
本発明のクロマトグラフは、キャリアガスに水素を用いる場合に、特に好適に利用可能である。そして、水素ガスが爆発するなどの危険な状態も容易に回避することが可能である。
【0034】
(第3項)
上記第1項又は上記第2項に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部には、酸素を含むガスが供給される。
【0035】
水素(キャリアガス)を含む排気ガスと酸素を含むガスとを触媒に接触させることで、効率的に水に転換させることができる。
【0036】
(第4項)
上記第1項乃至上記第3項のいずれかに記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部には、触媒を加熱又は冷却する手段を有する。
【0037】
触媒を最適な温度環境に配置することで、触媒の活性を最大限に高めることも可能となる。また、高温な環境に触媒を配置する場合には、触媒を劣化させる不純物の吸着を抑えることができ、触媒の長寿命化にも繋がる。
【0038】
(第5項)
上記第4項に記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部以外の部材で使用される熱源を備え、該熱源が供給する熱量の一部を該触媒処理部の加熱に使用する。
【0039】
これにより、触媒処理部の触媒を加熱するための消費電力を抑えることができる。
【0040】
(第6項)
上記第5項に記載のガスクロマトグラフにおいて、該熱源が、該分離カラムを加熱するカラムオーブンを含み、該カラムオーブンを取り囲む筐体内に該触媒処理部を配置する。
【0041】
カラムオーブンを取り囲む筐体により、カラムオーブンが放出する熱量を効率よく触媒処理部に伝達することが可能となる。しかも、操作者がカラムオーブンや触媒処理部など高い熱を有する部材に接触する機会を防止することができる。
【0042】
(第7項)
上記第6項に記載のガスクロマトグラフにおいて、該カラムオーブンの天板上に、該触媒処理部及び該カラムオーブン以外の他の熱源を一カ所に集めて配置する。
【0043】
気化室や検出器など熱源となる部材をカラムオーブンの天板上に集約することで、各部材間の熱伝達効率をより高くするだけでなく、各部材がバラバラに存在するより、操作者が各部材に接触する危険性を回避でき、安全性を高くすることができる。
【0044】
(第8項)
上記第1項乃至上記第7項のいずれかに記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部に導入する前記キャリアガスを含むガスが該触媒に接触する前に、該ガスから該キャリアガス以外の成分の少なくとも一部を除去するフィルタを有する。
【0045】
触媒処理部の前段にフィルターを設けることで有機物、不純物による触媒の劣化を防ぎ、触媒の寿命を長くする。
【0046】
(第9項)
上記第1項乃至上記第8項のいずれかに記載のガスクロマトグラフにおいて、該触媒処理部から排出されるガスの中から該キャリアガスを検出するキャリアガス検出手段を有し、該キャリアガス検出手段が該キャリアガスを検出した際は、該ガスクロマトグラフへの該キャリアガスの供給を停止する制御を行う制御手段を備えている。
【0047】
万が一触媒の活性が低下し、カスクロマトグラフ系外に水素が排出される状況になったとしても、水素検出センサの信号を制御手段で常に監視しておくことで、危険な場合は直ぐにキャリアガス(水素)を自動停止できるシステムを構築でき、より高い安全性を実現できる。
【符号の説明】
【0048】
1 試料注入口(インジェクタ)
2 試料気化室
3 カラムオーブン
4 分離カラム
5 検出器
6~8 配管(流路)
9 フィルタ
10 触媒処理部
11 ポンプ
CU 制御手段
HS 水素検出センサ
GV ガスバルブ
CG キャリアガス
CA 筐体
図1
図2
図3
図4