(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167329
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231116BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231116BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231116BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/792
A63F13/79 500
A63F13/69 510
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078427
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】寺澤 圭史
(57)【要約】
【課題】有効期間においてゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させるゲーム媒体の需要を調整することなどが可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータを、ゲーム実行手段562、関連付手段233、および決定手段234として機能させるゲームプログラムを提供する。ゲーム実行手段562は、有効期間が定められたゲームコンテンツを実行する。関連付手段233は、有効期間において、ゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させる、または有効期間以外の期間の演出とは異なる特別な演出を行うゲーム媒体を、ユーザによる対価の支払いを条件としてユーザと関連付ける。決定手段234は、対価の支払い時における有効期間の残り期間に基づいて、効果もしくは演出、または対価を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
有効期間が定められたゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、
前記有効期間において、前記ゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させる、または有効期間以外の期間の演出とは異なる特別な演出を行うゲーム媒体を、前記ユーザによる対価の支払いを条件として前記ユーザと関連付ける関連付手段と、
前記対価の支払い時における前記有効期間の残り期間に基づいて、前記効果もしくは前記演出、または前記対価を決定する決定手段と、として機能させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記決定手段は、所定の条件によって複数のユーザを分類した複数の集団であるユーザ集団の何れに前記ユーザが属するかに基づいて、前記ユーザにおける前記効果または前記対価を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記ユーザの前記ゲーム媒体に対する需要の度合いを推定需要として推定し、前記推定需要に基づいて、前記ユーザにおける前記効果または前記対価を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記ゲーム媒体を取得するために前記ユーザが対価を支払った回数が多いほど、前記ユーザにおける前記推定需要が高いと推定する、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記関連付手段は、複数の候補ゲーム媒体から選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザと関連付け、
前記決定手段は、複数の前記候補ゲーム媒体に占める前記ユーザが必要とする前記ゲーム媒体の割合に基づいて、前記ユーザにおける前記推定需要を推定する、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記効果は、前記ユーザに前記ゲーム媒体を関連付ける際に決定され、決定された前記効果は前記有効期間において継続される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記関連付手段は、前記有効期間の開始から所定期間の間に前記ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられたとき、前記ユーザに特典を付与する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲーム装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類のゲームデータのうちの特定種類のゲームデータがゲーム課題で用いられる場合に、ユーザに特典を付与するゲームシステムが知られている。このような特定種類のゲームデータは、例えば、通常の抽選では得られない、期間限定イベントで実行される抽選でしか得られない特効カードであるとされる(段落0084等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような特許文献1に記載の発明を含む従来のゲームシステムでは、期間限定イベントが終了すると特定種類のゲームデータによりユーザに付与される特典がなくなる。そのため、イベント初期で特定種類のゲームデータを得た場合と比較して、イベント終盤でこのゲームデータを得た場合には、特典の恩恵を得られる期間が短くなるため、同じゲームデータの価値が相対的に低くなる。そのため、イベント初期と比較して、イベント終盤ではユーザがこのゲームデータを入手しようとする動機が低下し、このゲームデータの需要が低下することとなる。
【0005】
本開示は、このようなゲーム媒体(ゲームデータ)に対する需要を調整することなどが可能なゲームプログラム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
有効期間が定められたゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、
有効期間において、ゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させる、または有効期間以外の期間の演出とは異なる特別な演出を行うゲーム媒体を、ユーザによる対価の支払いを条件としてユーザと関連付ける関連付手段と、
対価の支払い時における有効期間の残り期間に基づいて、効果もしくは演出、または対価を決定する決定手段と、として機能させる、
ゲームプログラムである。
【0007】
第1の側面において、決定手段は、所定の条件によって複数のユーザを分類した複数の集団であるユーザ集団の何れにユーザが属するかに基づいて、ユーザにおける効果または対価を決定することができる。
【0008】
第1の側面において、決定手段は、ユーザのゲーム媒体に対する需要の度合いを推定需要として推定し、推定需要に基づいて、このユーザにおける効果または対価を決定することができる。
【0009】
第1の側面において、決定手段は、ゲーム媒体を取得するためにユーザが対価を支払った回数が多いほど、このユーザにおける推定需要が高いと推定することができる。
【0010】
第1の側面において、関連付手段は、複数の候補ゲーム媒体から選択されたゲーム媒体をユーザと関連付け、
決定手段は、複数の候補ゲーム媒体に占めるユーザが必要とするゲーム媒体の割合に基づいて、このユーザにおける推定需要を推定することができる。
【0011】
第1の側面において、効果は、ユーザにゲーム媒体を関連付ける際に決定され、決定された効果は有効期間において継続されるようにできる。
【0012】
第1の側面において、関連付手段は、有効期間の開始から所定期間の間にゲーム媒体がユーザに関連付けられたとき、このユーザに特典を付与するようにすることができる。
【0013】
第2の側面は、上記いずれかのゲームプログラムを記憶する記憶部と、ゲームプログラムを実行する制御部と、を備えるゲーム装置である。
【0014】
第3の側面は、上記いずれかのゲームプログラムを記憶する記憶部と、ゲームプログラムを実行する制御部と、を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、有効期間においてゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させるゲーム媒体の需要を調整することなどが可能なゲームプログラム等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態のイベントの残り期間に基づいてゲーム媒体の価値を変化させたときのイベントガチャの需要およびゲーム媒体の価値の変化を示すグラフである。
【
図3】実施形態のイベント期間の残り期間に基づいてイベントガチャの対価を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図4】実施形態のイベントガチャの実施画面である。
【
図5】実施形態のイベントガチャの対価決定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】第1変形例においてイベントガチャの対価を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図7】第2変形例においてイベントガチャの対価を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図8】第3変形例においてイベントガチャの対価を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図9】第4変形例のイベントの残り期間に基づいてイベント特効の効果を変化させたときのイベントガチャの需要およびゲーム媒体の価値の変化を示すグラフである。
【
図10】第4変形例のイベント期間の残り期間に基づいてイベント特効の効果を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図11】第4変形例のイベント特効の効果決定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】第5変形例においてイベント特効の効果を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図13】第6変形例においてイベント特効の効果を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【
図14】第7変形例においてイベント特効の効果を決定するときのそれぞれの値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
本開示のゲームシステム1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
<ゲームの説明>
図1に示されるゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0019】
本実施形態のゲームは、ゲームシステム1において実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザが、単数または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタと対戦させたりすることができる。プレイヤキャラクタはオブジェクトに相当する。
【0020】
本実施形態のゲームでは、ユーザがゲーム媒体を取得することができる。ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、ユーザが仮想空間において操作するプレイヤキャラクタ、アイテム、およびゲーム内で使用可能な消費媒体などである。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による購入やクエストのクリア、各種ゲーム内のイベントの報酬、ガチャと呼ばれる抽選方法などにより取得することができる。取得されたゲーム媒体は、そのゲーム媒体を保有することになったユーザの識別情報に関連付けられて管理される。
【0021】
消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨、ポイント、およびアイテムなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストの報酬として、または現実社会での課金によりユーザに付与される。
【0022】
仮想通貨は、有償であってもよいし、無償であってもよい。有償の仮想通貨は、課金により取得される仮想通貨である。無償の仮想通貨は、課金によらずに取得される仮想通貨である。無償の仮想通貨は、例えばゲームのログイン時にユーザに付与される特典(いわゆるログインボーナス)、またはクエストなどのゲームイベントのクリアによりユーザに付与される特典など、ゲームの進行に応じて取得可能であってもよい。
【0023】
クエストとは、ゲーム内で達成すべき課題または条件などが関連付けられたゲームコンテンツである。クエストには、そのクリア条件が設定されている。ユーザのゲーム行動によりクエストのクリア条件が達成されるとユーザに所定の報酬が付与される。なお、クエストにはクリア条件以外の課題(いわゆるミッション)が関連付けられていてもよい。当該ミッションを達成しつつクリア条件を成就することで、ユーザにはクリア報酬に加えてミッションクリア報酬が付与される。
【0024】
イベントとは、開始日時から終了日時までの有効期間であるイベント期間にのみプレイ可能な複数のクエストを含むゲームコンテンツである。イベントに含まれるクエストであるイベントクエストには、通常のクエストと同様に達成すべき課題または条件などが関連付けられる。例えば、ユーザのゲーム行動によりイベントクエストのクリア条件が達成されると、ユーザには報酬としてイベントポイントが付与される。イベントの有効期間に、このイベントポイントを一定以上収集すると、ユーザにはイベント報酬としてアイテム、ポイント、および仮想通貨などの消費媒体が付与される。
【0025】
ユーザがガチャなどで入手可能なプレイヤキャラクタおよびアイテムなどのゲーム媒体には、そのパラメータの一つとして、希少価値を示すレアリティと称されるパラメータが予め設定されている。具体的には、レアリティが高いとは、希少価値が高い、すなわちゲーム内で入手し難いことを意味し、レアリティが低いとは、希少価値が低い、すなわちゲーム内で入手し易いことを意味する。本実施形態のゲームでは、各ゲーム媒体に、Sランク、Aランク、およびBランクのいずれかのレアリティが予め設定されている。Sランクが最も高いレアリティであり、そこからAランク、Bランクの順でレアリティが低くなる。
【0026】
ガチャとは、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体はユーザに付与される。ガチャを行うために対価として消費されるゲーム媒体には、例えば課金操作によりユーザに付与される有償ゲーム媒体である「有償石」や、ゲーム行動を通じてユーザに付与される無償ゲーム媒体である「無償石」がある。換言すると、ガチャでは、ユーザによる対価の支払いを条件としてゲーム媒体をユーザに付与する。なお、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは「ゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連付ける」と同義である。また、「ゲーム媒体をユーザが保有する」とは「ゲーム媒体が、ユーザを示す識別情報に関連付けられている」と同義である。
【0027】
ガチャには、例えばプレイヤキャラクタのみを取得可能なガチャ、またはアイテムのみを取得可能なガチャなど、複数種類のガチャが存在する。また、ガチャには、イベント期間にのみ実行可能なイベントガチャがある。イベントガチャでユーザに付与されるゲーム媒体の中には、イベント期間のイベントクエストでユーザに有利になる特別な効果を発生させるゲーム媒体が存在する。イベントガチャで取得可能なゲーム媒体は、上記のようにSランク、Aランク、およびBランクなどのレアリティが設定されている。本明細書では、このようなイベントクエストにおける特別な効果を「イベント特効」という。イベント特効の効果には種々のものが挙げられるが、例えば、ゲーム媒体の攻撃力、防御力、または体力などのパラメータを上げる効果、またはイベントクエストをクリアすることで取得できるイベントポイントを増加させる効果、などが挙げられる。また、イベントガチャでユーザに付与されるゲーム媒体の中には、イベント期間にのみ視聴できる特別な演出を行うものが存在する。このような特別な演出は、例えば動画または音声などにより行われる。
【0028】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0029】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1はサーバ装置2および複数のゲーム装置5により構成される。サーバ装置2の記憶部22は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5のゲームデータの管理、より詳細にはアカウント毎のゲームデータの管理を行う。
【0030】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータの受信、具体的にはダウンロードおよびインストールを行う。各ユーザは、ゲーム装置5に対応付けられて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時にゲーム装置5からサーバ装置2に送信されて、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0031】
ユーザ認証を経てサーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ、例えばゲーム進行状況に関するデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像および音声をディスプレイ61およびスピーカ62からそれぞれ出力しつつ、ゲームを進行させる。
【0032】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは互いに同一の構成を有している。
【0033】
<サーバ装置2の構成>
図1に示されるように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を有している。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0034】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して、各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0035】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、もしくはSSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせなどで構成されている。記憶部22には、本実施形態のゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB(Data Base)221などの各種データが記憶されている。
【0036】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号毎に、ユーザ情報、プレイ履歴、ユーザに付与されたゲーム媒体、およびユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報などが対応付けられて記憶されている。ユーザ情報は、ユーザ名、およびユーザランクなどの情報を含む。プレイ履歴には、例えばユーザがガチャを実施した履歴、ガチャにより付与されたプレイヤキャラクタの履歴、ユーザが過去にガチャの実施により消費した仮想通貨の消費累積量、ユーザが過去にクエストをプレイした回数、およびユーザが過去に消費したスタミナの累積量などが含まれる。また、プレイヤキャラクタに関する情報には、プレイヤキャラクタに関連付けられているアイテムなどが含まれる。
【0037】
図1に示される制御部23は、CPUおよび半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、関連付手段233、および決定手段234として機能する。本実施形態では、これらの情報処理手段231、照合手段232、関連付手段233、および決定手段234は、それぞれ情報処理部、照合部、関連付部、および決定部にそれぞれ相当する。本明細書における制御部23は、本発明の「コンピュータ」の一例である。
【0038】
―情報処理手段231―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、およびゲームデータなどが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、およびガチャで得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0039】
―照合手段232―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いてユーザアカウントの認証を行う。
【0040】
―関連付手段233―
関連付手段233は、ユーザによる対価の支払いを条件として、ユーザからの抽選要求であるガチャの実施要求に応じて複数の候補ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を抽選によりユーザに関連付ける関連付処理を実行する。具体的には、ユーザがゲーム装置5に対してガチャの実施操作を行うと、ゲーム装置5からサーバ装置2にガチャの実施要求が送信される。関連付手段233は、このガチャの実施要求に応じて、複数の候補ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を、候補ゲーム媒体毎の当選確率に基づいた抽選により選択する。関連付手段233は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを関連付ける。これにより、ユーザには、自身でガチャを引くことにより当選したゲーム媒体が付与される。なお、前述のように、本実施形態のゲームシステム1では、イベント期間にのみ実行可能なイベントガチャが存在する。関連付手段233は、イベントガチャの実施要求があった場合には、イベントガチャ用の当選確率に基づいた抽選を実行してゲーム媒体の付与を行う。
【0041】
―決定手段234―
決定手段234は、イベントガチャの対価を決定する。
【0042】
<イベントガチャの対価の決定>
イベント期間のイベントクエストでユーザに有利な効果となるイベント特効を有するゲーム媒体は、イベント期間で高い価値を有するものの、イベント期間が終了するとイベント特効の効果が無くなり価値が下がる。また、このようなゲーム媒体はイベント期間の初期で入手すると、イベント期間の終盤で入手するよりもイベント特効の効果が長い期間発生することとなる。そのため、
図2に示すように、イベント特効の効果がイベント期間で変化しない場合には、このゲーム媒体の価値はイベント期間の経過とともに低下していく。よって、イベント期間の初期ではこのゲーム媒体を入手しようとイベントガチャを実施するユーザの数は比較的多いものの、イベント期間が経過するにつれてイベントガチャを実施するユーザが減少していく。換言すると、イベントガチャの需要は、イベント期間の初期では高いものの、イベント期間が経過するにつれて低下していく。そのため、イベントガチャの需要は、イベント期間の初期で最も高くなる。
【0043】
そこで、本実施形態のゲームシステム1では、イベント期間が経過し、イベント特効を有するゲーム媒体の価値が下がるのに伴い、イベントガチャの対価を下げていく。
図2は、イベント期間の残り期間に基づいてイベントガチャの対価を変化させた場合のイベントガチャの需要を概念的に示したグラフとである。本実施形態によれば、
図2に示すように、イベント期間の経過に伴いイベントガチャの需要が減少してくことを抑制し、平準化させることができる。すなわち、残り期間によらず、たとえイベント期間の後半または終盤からであっても当該イベントに参加することをユーザに促すことができ、ひいてはイベントを盛り上げることができる。本実施形態のゲームシステム1では、イベント特効を有するゲーム媒体の価値の低下に伴いイベントガチャの対価も下がっていくため、イベントガチャを実施しようとするユーザは、イベント期間の残り期間に応じた対価を支払うことでガチャを実施することができ、イベントガチャの納得感を高められる。
【0044】
上記のようにイベントガチャの需要を平準化させるため、決定手段234はイベントガチャの対価を決定する。具体的には、決定手段234は、ユーザがイベントガチャを実施しようとする時のイベント期間の残り期間に基づいて、イベントガチャの対価を決定する。例えば、決定手段234は以下のような数式によりイベントガチャの対価を決定する。
イベントガチャの対価=基礎対価+期間割引
【0045】
基礎対価は、イベント期間の最初の時点におけるイベントガチャの対価であって、イベントガチャの対価決定の基礎となる対価である。イベント期間の最初の時点では、基礎対価がイベントガチャの対価となる。期間割引は、基礎対価から差し引かれる割引額である。上記数式では便宜上、期間割引が基礎対価に加算される数式とし、期間割引が0以下の値となるように設計されている。
【0046】
図3は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベントガチャの対価を示す表である。ここでは一例として、イベント期間(有効期間)が10日間で、イベント期間が1日経過する毎に比例的に割引額が大きくなるよう、すなわちイベントガチャの対価が下がっていくように設計された例を示す。この例では、イベントの残り期間が10日間の場合には期間割引が0、イベントの残り期間がn日間の場合には期間割引が(10-n)×(-100)となるよう設計されている。これによって、
図3に示した表のように、期間割引が決定され、割引後のイベントガチャの対価が決定される。
【0047】
<ゲーム装置5の構成>
図1に示されるように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、およびタッチパッド63が外部接続または内蔵されている。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有している。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0048】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
【0049】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に基づいて動画形式でゲーム画像を描画する。ゲーム画像には、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトが含まれる。グラフィック処理部52は、例えば液晶型のディスプレイ61に接続されており、動画形式で描画されたゲーム画像をゲーム画面としてディスプレイ61上に表示する。
【0050】
オーディオ処理部53は、スピーカ62に接続されており、制御部56の指示に基づいてゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ62から出力させる。
【0051】
操作部54は、タッチパッド63に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザはタッチパッド63をタッチ操作することでゲーム装置5に操作信号を入力することができる。
【0052】
記憶部55はHDD、SSD、RAM、およびROMなどで構成されている。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、およびゲーム装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0053】
制御部56は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563、および表示制御手段564として機能する。本実施形態では、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563、および表示制御手段564は、通信部、ゲーム実行部、音声制御部、および表示制御部にそれぞれ相当する。本明細書における制御部56は、本発明の「コンピュータ」の一例である。
【0054】
―通信手段561―
通信手段561はネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2と通信を行う。
【0055】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に基づいて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成するとともに、その情報をサーバ装置2に送信する。例えば通信手段561はアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、およびガチャ実施要求などをサーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送信される新たなゲームデータ、および抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などをサーバ装置2から受信する。
【0056】
―ゲーム実行手段562―
ゲーム実行手段562は、ユーザによるタッチパッド63の操作に基づいて、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを、記憶部55から読み込む、またはサーバ装置2から受信する。ゲーム実行手段562は、仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを用いてゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52により処理されることで、その処理後のゲーム画像がディスプレイ61に逐次表示される。
【0057】
ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、ゲーム装置5のユーザの操作に基づいてキャラクタを配置させて、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。
【0058】
―音声制御手段563―
音声制御手段563は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてスピーカ62の音声出力を制御する。
【0059】
―表示制御手段564―
表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてディスプレイ61の表示出力を制御する。例えば、表示制御手段564は、キャラクタの確認画面、およびガチャの実施画面などをディスプレイ61に表示する。
【0060】
図4は、表示制御手段564によりディスプレイ61に表示されるイベントガチャの実施画面の一例である。ユーザによりイベントガチャを実施する操作が行われると、表示制御手段564は、
図4に示すイベントガチャ画面70をディスプレイ61に表示する。イベントガチャ画面70には、イベント期間の残り期間を示すイベント期間表示71、1回ガチャボタン72、および10回ガチャボタン73が設けられる。
【0061】
1回ガチャボタン72には、イベントガチャを1回実施するために必要な対価と、期間割引が適用される前の基礎対価とが表示される。基礎対価は、二重線が重畳されて表示されることで取り消されている旨が示される。このため、ユーザは、基礎対価と期間割引の適用後の対価とを数値で確認することができ、実施しようとするイベントガチャの対価が基礎対価に対してディスカウントされていることを認識できる。10回ガチャボタン73は、イベントガチャを10回実施するために必要な対価と、期間割引が適用される前の基礎対価とが表示されるが、それ以外は1回ガチャボタン72と同様である。
【0062】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
次に、
図5を参照して、ゲーム装置5の制御部56により実行されるイベントガチャの対価決定処理の手順について具体的に説明する。
図5は、ユーザがイベントガチャを実施しようとしてイベントガチャ画面70をディスプレイ61に表示させる際に制御部56の決定手段234により実行されるイベントガチャの対価決定処理の手順を示したものである。
【0063】
まず、決定手段234は、記憶部22からユーザが実施しようとするイベントガチャに対応するイベントにおけるイベント期間の残り期間を取得する(ステップS110)。
【0064】
続いて、決定手段234は、取得したイベント期間の残り期間に基づいて、イベントガチャの対価を決定する(ステップS120)。イベントガチャの対価の決定は、前述の数式が用いられる。
【0065】
このようにして、決定手段234によりイベントガチャの対価が決定される。決定されたイベントガチャの対価は、イベントガチャ画面70に表示される。
【0066】
<効果>
本実施形態のゲームシステム1では、ユーザによる対価の支払いを条件として実施可能なイベントガチャを実施するための対価を、対価の支払い時におけるイベント期間の残り期間に基づいて、決定手段234が決定する。これにより、イベントガチャの対価がイベント期間を通じて一定である場合と比較して、イベントガチャの需要を平準化するなど、調整できる。
【0067】
特に、イベント期間の経過に伴ってイベントガチャの対価を下げると、イベントガチャの需要の低下を抑制することができる。イベントガチャを実施しようとする本実施形態のゲームシステム1を利用するユーザは、イベント期間の残り期間が少なくなった場合であっても、イベントガチャを実施する楽しみを維持することができ、興趣を向上させることができる。また、イベントガチャの対価を下げる程度によっては、イベント期間の終盤でイベントガチャの需要を上げることも可能となるため、イベントガチャによる売り上げを、ゲームシステム1の提供者が制御することが可能となる。
【0068】
<第1変形例>
本変形例の決定手段234は、イベント期間の残り期間に加えて、イベントガチャを実施しようとするユーザが属するユーザ集団に基づいてイベントガチャの対価を決定する。例えば、決定手段234は、以下のような数式によりイベントガチャの対価を決定する。
イベントガチャの対価=基礎対価+(期間割引×集団補正)
補正後割引=(期間割引×集団補正)
【0069】
集団補正は、イベントガチャを実施するユーザが何れのユーザ集団に属するかに基づいて変化する値である。本変形例では一例として、ユーザランクが高い順に、ヘビーユーザ、ノーマルユーザ、およびライトユーザの3つのユーザ集団にユーザを分類する。それぞれのユーザ集団には複数のユーザが含まれる。そして、ヘビーユーザ、ノーマルユーザ、およびライトユーザのそれぞれのユーザ集団の集団補正を0.8倍、1.0倍、および1.2倍と設定する。このようにすると、ユーザランクが高いほど基礎対価に対する割引の程度が減少し、ユーザランクが低いほど基礎対価に対する割引の程度が増大する。
【0070】
図6は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベントガチャの対価を示す表である。
図6の表において、「割引後対価」は割引を適用したイベントガチャの対価を示している。
【0071】
なお、イベントガチャの対価の決定に用いられるユーザ集団は、上記のようにユーザランクに応じて分類されるのに代え、その他の所定の条件によって複数のユーザが分類されるものであってもよい。いずれの場合でもユーザ集団は複数存在し、それぞれのユーザ集団には複数のユーザが属する。例えば、ユーザ集団は、ユーザが過去にガチャを実施した回数、ユーザが保有するゲーム媒体の数もしくは種類、ユーザがゲームを開始した日付、ユーザの合計プレイ時間、ユーザの年齢もしくは性別、またはユーザがゲームをよくプレイする時間帯などで分類されてもよい。
【0072】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、イベントガチャを実施しようとするユーザが、所定の条件によって複数のユーザを分類した複数の集団であるユーザ集団の何れに属するかに基づいて、このユーザのイベントガチャの対価を決定する。これにより、ユーザの属性に合わせてイベントガチャの対価の変動量を調整できる。例えば、イベントガチャを多く実施するユーザに対しては割引額を小さくし、イベントガチャをあまり実施しないユーザに対しては割引額を大きくすることなどが可能である。
【0073】
<第2変形例>
本変形例の決定手段234は、イベント期間の残り期間に加えて、ユーザのゲーム媒体に対する需要の度合いに基づいてイベントガチャの対価を決定する。例えば、決定手段234は、以下のような数式によりイベントガチャの対価を決定する。
イベントガチャの対価=基礎対価+(期間割引+需要補正)
補正後割引=(期間割引+需要補正)≦0
【0074】
需要補正は、イベントガチャを実施するユーザがイベントガチャで取得可能なゲーム媒体に対してどの程度の需要を持っているかを推定した推定需要に基づいて決定される値である。需要補正は正の値を取るため、ゲーム媒体に対するユーザの需要が高いほど割引が少なくなり、イベントガチャの対価が高くなる。決定手段234は、ユーザの過去のゲーム内での行動に基づいて需要を推定する。具体的には、本変形例の決定手段234は、イベントガチャに含まれる最も高いレアリティであるSランクのゲーム媒体のうち、ユーザが保有するゲーム媒体の割合を示すレア保有率に基づき、需要補正を決定する。これは、Sランクのゲーム媒体を多く保有するユーザは、保有していないSランクのゲーム媒体を取得したいという高い需要を持っているであろうとの推定に基づく。この場合、レア保有率が高いほど、需要補正の値を高くする。
【0075】
上記の数式に示したとおり、補正後割引の値は0以下になるようにしている。補正後割引が計算上0より大きくなった場合には、補正後割引を0とする。これにより、補正後割引が0以上となり、割引適用後のイベントガチャの対価が基礎対価より高くならないようにしている。
【0076】
図7は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベントガチャの対価を示す表である。本変形例では、レア保有率が0、25%、50%、および75%にそれぞれ対応して、需要補正が0、+250、+500、および+750となるよう設計されている。すなわち、例えばレア保有率が50%のユーザは、需要補正としてイベントガチャの対価が+500される。
図7の表においては、補正後割引が計算上0より大きくなったため補正後割引を0とした項目について「(0)」と表記している。
【0077】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、イベントガチャを実施しようとするユーザがイベントガチャのゲーム媒体に対して有するであろう需要を推定需要として推定し、推定需要に基づいてイベントガチャの対価を決定する。推定需要は、例えば、イベントガチャで取得可能な候補ゲーム媒体に占めるユーザが必要とするゲーム媒体の割合とする。これにより、ユーザの需要に応じてイベントガチャの対価を適宜変化させることができる。具体的には、イベントガチャで入手できるゲーム媒体について、ユーザの需要が高ければ、このユーザのイベントガチャの対価を高くすることなどが可能となる。なお、推定需要が高いほどゲーム媒体を入手しやすくするため、推定需要が高いほどイベントガチャの対価を下げてもよい。
【0078】
<第3変形例>
本変形例の決定手段234は、上述の第2変形例と同様に推定需要に基づいてイベントガチャの対価を決定するが、推定需要の決定方法が異なる。本変形例の決定手段234は、イベントガチャを実施しようとするユーザが対価を支払ってイベントガチャを実施した回数に基づき、この回数が多いほど推定需要の値を高くする。イベントガチャを実施した回数は、その時点で行われているイベントガチャを実施した回数であるが、過去にイベントガチャまたはその他のガチャを実施した回数としてもよい。すなわち、決定手段234は、以下のような数式によりイベントガチャの対価を決定する。
イベントガチャの対価=基礎対価+(期間割引+回数補正)
補正後割引=(期間割引+回数補正)≦0
【0079】
第2変形例と同様、上記の数式に示したとおり、補正後割引の値は0以下になるようにし、補正後割引が計算上0より大きくなった場合には補正後割引を0とする。これにより、補正後割引が0以下となり、イベントガチャの対価が基礎対価より高くならないようにしている。
【0080】
図8は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベントガチャの対価を示す表である。本変形例では、イベントガチャを実施した回数が多いほど、推定需要が高いものとして、回数補正の値を大きくしてイベントガチャの対価を高くする。より具体的には、決定手段234は、イベントガチャを実施した回数が1回増えるごとに回数補正の値が+100され、これによってイベントガチャの対価が+100される。なお、
図8の表においては、補正後割引が計算上0より大きくなったため補正後割引を0とした項目について「(0)」と表記している。
【0081】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、イベントガチャを実施した回数が多いほどイベントガチャの対価を高くしている。これにより、ユーザがイベントガチャを実施した回数に応じてイベントガチャの対価を適宜変化させることができる。例えば、ユーザがイベント特効を有するゲーム媒体ではなく、特定のプレイヤキャラクタのゲーム媒体を欲している場合に、イベントガチャの対価に対する割引を抑制していくことなどが可能となる。
【0082】
<第4変形例>
一方で、イベント期間の経過に伴ってイベントガチャの対価を下げるのに代えて、ゲーム媒体の価値を上げることでイベントガチャの需要を平準化する方法がある。本変形例のゲームシステム1では、イベント期間が経過してもイベントガチャの対価を変化させない代わりに、ゲーム媒体の価値が維持されるようイベント特効の効果を上昇させる。
図9は、本変形例のように、イベント期間の残り期間に基づいてイベント特効の効果を変化させた場合のゲーム媒体の価値およびイベントガチャの需要を概念的に示すグラフである。本変形例によれば、
図9に示すように、イベント期間の経過に伴いイベントガチャの需要が減少してくことを抑制し、平準化させることができる。
【0083】
<ゲーム媒体の特効の決定>
上記のようにイベントガチャの需要を平準化させるため、決定手段234はイベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効を決定する。具体的には、決定手段234は、ユーザがイベントガチャを実施しようとする時のイベント期間の残り期間に基づいて、イベントガチャのイベント特効の効果を決定する。イベント特効の効果は、上述のように、ゲーム媒体の攻撃力、防御力、または体力などのパラメータを上げる効果などがある。ここでは、イベントガチャで入手できるゲーム媒体が、攻撃力を上げるイベント特効を有する例を挙げて説明する。
【0084】
例えば、決定手段234は、以下のような数式によりイベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。
イベント特効の効果=基礎特効+期間補正
【0085】
基礎特効は、イベント期間の最初の時点におけるイベント特効の効果であって、イベント特効の効果を決定する基礎となる効果である。イベント期間の最初の時点では、基礎特攻がイベント特効の効果となる。期間補正は、基礎特効に加算される値である。
【0086】
図10は、決定手段234により上記数式を適用して決定された、ゲーム媒体のイベント特効の効果を示す表である。本変形例では、イベント期間(有効期間)が10日間で、イベント期間が1日経過する毎にイベント特効の効果が0.1倍ずつ増加するよう設計された例を示す。この例では、イベントの残り期間が10日間の場合には期間補正が0、イベントの残り期間がn日間の場合には期間補正が{(10-n)/10}倍となるよう設計している。これによって、
図10に示した表のように期間補正が決定され、補正後のイベント特効の効果である補正後特効が決定手段234により決定される。このイベント特効の効果はゲーム媒体を入手した時点で決定され、イベント期間が終了するまでの間では変化しない。
【0087】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
次に、
図11を参照して、ゲーム装置5の制御部56により実行されるイベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効の効果決定処理の手順について具体的に説明する。
図11は、ユーザがイベントガチャを実施しようとしてイベントガチャ画面70をディスプレイ61に表示させる際に制御部56の決定手段234により実行されるイベントガチャのイベント特効の効果決定処理の手順を示したものである。
【0088】
まず、決定手段234は、記憶部22からユーザが実施しようとするイベントガチャに対応するイベントにおけるイベント期間の残り期間を取得する(ステップS210)。
【0089】
続いて、決定手段234は、取得したイベント期間の残り期間に基づいて、イベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する(ステップS220)。イベント特効の効果の決定には前述の数式が用いられる。
【0090】
このようにして、決定手段234によりイベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効の効果が決定される。決定されたイベント特効の効果は、イベントガチャ画面70に表示されてもよい。
【0091】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、ユーザによる対価の支払いを条件として実施可能なイベントガチャで入手できるゲーム媒体がイベント期間のイベントクエストでユーザに有利な効果となるイベント特効を有し、決定手段234が対価の支払い時におけるイベント期間の残り期間に基づいてこのイベント特効を決定する。これにより、イベントガチャで入手できるイベント特効を有するゲーム媒体のイベント特効の効果がイベント期間を通じて一定である場合と比較して、イベントガチャの需要を平準化するなど、調整できる。
【0092】
特に、イベント期間の残り期間が少なくなった時にイベント特効の効果を上げると、イベント期間の後半または終盤であったとしても、ユーザはイベントクエストを有利な条件で進めることが可能となる。すなわち、イベント期間の前半にイベントクエストを実施していなかったユーザであっても、イベントクエストの前半からイベントクエストを実施している他のユーザを追い上げることなどができるようになる。これによって、イベント期間の残り期間が少なくなった場合であっても、イベントガチャを実施するユーザの楽しみを維持することができ、興趣を向上させることができる。また、イベント特効の効果を上げる程度によっては、イベント期間の終盤でイベントガチャの需要を上げることも可能となるため、イベントガチャによる売り上げを、ゲームシステム1の提供者が制御することも可能となる。
【0093】
<第5変形例>
本変形例の決定手段234は、イベント期間の残り期間に加えて、イベントガチャを実施しようとするユーザが属するユーザ集団に基づいて、ゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。本変形例は、第1変形例に類似しているが、決定手段234によって決定されるものがイベントガチャの対価ではなくイベント特効の効果である点で相違する。例えば、決定手段234は、以下のような数式によりイベント特効の効果を決定する。
イベント特効の効果=基礎特効+(期間補正×集団補正)
特効補正=(期間補正×集団補正)
【0094】
集団補正は、イベントガチャを実施するユーザが何れのユーザ集団に属するかに基づいて変化する値である。本変形例では一例として、ユーザランクが高い順に、ヘビーユーザ、ノーマルユーザ、およびライトユーザの3つのユーザ集団にユーザを分類し、それぞれのユーザ集団の集団補正を2.0倍、1.0倍、および0.5倍と設定する。このようにすると、ユーザランクが高いほど、基礎特効に対する補正の程度が向上し、逆にユーザランクが低いほど、基礎特効に対する補正の程度が低下する。
【0095】
図12は、決定手段234により上記数式を適用して決定された、ゲーム媒体のイベント特効の効果を示す表である。
図12の表において、「補正後特効」は基礎特効に特効補正を適用した、ゲーム媒体のイベント特効の効果を示している。
【0096】
なお、イベント特効の効果の決定に用いられるユーザ集団は、上記のようにユーザランクに応じて分類するのに代え、所定の条件によって複数のユーザを分類するものであってもよい。この点は、第1変形例と同様である。
【0097】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、イベントガチャを実施しようとするユーザが、所定の条件によって複数のユーザを分類した複数の集団であるユーザ集団の何れに属するかに基づいて、ゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。これにより、ユーザの属性に合わせて、イベント特効の効果の変動量を調整できる。例えば、ユーザランクの高いユーザが有するゲーム媒体のイベント特攻の効果を、ユーザランクの低いユーザが有するゲーム媒体のイベント特効の効果よりも高くすることなどが可能である。ユーザランクの高いユーザは、ユーザランクの低いユーザよりも難易度の高いクエスト等を実施することが多いため、上記のようにイベント特効の効果を大きくすると、イベント特効の効果から得られる恩恵を好適に調整することができる。
【0098】
<第6変形例>
本変形例の決定手段234は、イベント期間の残り期間に加えて、ユーザのゲーム媒体に対する需要の度合いに基づいて、ゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。例えば、決定手段234は、以下のような数式によりイベント特効の効果を決定する。
イベント特効の効果=基礎特効+(期間補正×需要補正)
特効補正=(期間補正×需要補正)≧0
【0099】
需要補正は、第2変形例と同様に、イベントガチャを実施するユーザがイベントガチャで取得可能なゲーム媒体に対してどの程度の需要を持っているかを推定した推定需要に基づいて決定される値である。需要補正は、ユーザの過去のゲーム内での行動から需要を推定した推定需要に基づいて決定される。例えば、決定手段234は、イベントガチャに含まれる最も高いレアリティであるSランクのゲーム媒体のうち、ユーザが保有するゲーム媒体の割合を示すレア保有率に基づき、需要補正を決定する。具体的には、決定手段234は、レア保有率が高いほど需要が高いと推定して需要補正を小さくする。
【0100】
図13は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベント特効の効果を示す表である。本変形例では、レア保有率が0、25%、および50%のときに、需要補正がそれぞれ2.0倍、1.0倍、および0.5倍となるよう設計されている。
【0101】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、イベントガチャを実施しようとするユーザがイベントガチャのゲーム媒体に対して有するであろう需要を推定需要として推定し、推定需要に基づいてイベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。推定需要は、例えば、イベントガチャで取得可能な候補ゲーム媒体に占めるユーザが必要とするゲーム媒体の割合とする。これにより、ユーザの需要に応じてゲーム媒体の価値およびイベントガチャの価値を適宜変化させることができる。
【0102】
<第7変形例>
本変形例の決定手段234は、上述の第6変形例と同様に推定需要に基づいてイベント特攻の効果を決定するが、イベントガチャを実施しようとするユーザが対価を支払ってイベントガチャを実施した回数に基づき、この回数が多いほど推定需要の値を高くする。イベントガチャを実施した回数は、その時点で行われているイベントガチャを実施した回数であるが、過去にイベントガチャまたはその他のガチャを実施した回数に基づいて、イベント特効の効果を決定してもよい。すなわち、決定手段234は、以下のような数式によりゲーム媒体のイベント特効の効果を決定する。
イベント特効の効果=基礎特効+(期間補正×回数補正)
特効補正=(期間補正×回数補正)≧0
【0103】
図14は、決定手段234により上記数式を適用して決定されたイベントガチャの対価を示す表である。本変形例では、イベントガチャを実施した回数が多いほど推定需要が高いものとして、回数補正の値を小さくしてイベント特効の効果を低下させる。
【0104】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、ユーザの需要に応じてゲーム媒体の価値およびイベントガチャの価値を適宜変化させることができる。
【0105】
<第8変形例>
<ゲーム媒体により行われる演出の決定>
一方で、イベント期間の経過に伴って、特定のゲーム媒体によって行われる演出を変化させることでイベントガチャの需要を平準化する方法がある。本変形例のゲームシステム1では、このゲーム媒体を入手した時のイベント期間の残り期間に基づいて、ゲーム媒体を有することで視聴できる演出を変化させる。
【0106】
具体的には、本変形例の決定手段234は、ユーザがイベントガチャを実施しようとする時のイベント期間の残り期間に基づいて、特定のゲーム媒体を有することでイベント期間にのみ視聴できる演出の内容を決定する。決定手段234は、例えば、イベント期間の前半に入手したゲーム媒体よりも、イベント期間の後半に入手したゲーム媒体のほうが、より優れた演出を視聴できるようにする。このようにすると、イベント期間の経過に伴ってイベントガチャの需要が減少してくことを抑制し、平準化させることができる。
【0107】
[他の実施形態および変形例]
上記実施形態および変形例において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0108】
ゲームシステム1では、イベント期間の経過に伴って、イベントガチャで入手可能なイベント特効を有するゲーム媒体の当選確率を変化させてもよい。この場合、関連付手段233は、ユーザによるガチャの実施要求に応じて行うゲーム媒体の抽選における当選確率を、ユーザがイベントガチャを実施しようとする時のイベント期間の残り期間に基づいて変化させる。具体的には、関連付手段233は、イベント特効を有するゲーム媒体の当選確率を、イベント期間の前半では低く、後半では高くする。このようにすると、ユーザが入手したいと考えるイベント特効を有するゲーム媒体の当選確率がイベント期間の経過に伴って高くなるため、イベント期間の経過に伴ってイベントガチャの需要が減少してくことを抑制し、平準化することができる。
【0109】
実施形態および各変形例のゲームシステム1では、イベント期間の開始から所定の期間は、イベントガチャの対価、イベント特攻の効果、およびゲーム媒体を有することで視聴できる演出を変化させず、所定期間経過後にこれらの対価、効果、および演出を変化させてもよい。これにより、変化前のこれらの対価、効果、および演出が適正なものであったことをユーザに認識させることができ、ユーザにイベント期間の残り期間によらず安心してイベントへの参加を促すことができる。
【0110】
実施形態および各変形例のゲームシステム1では、イベント期間中のイベントガチャの対価、イベント特攻の効果、およびゲーム媒体を有することで視聴できる演出が、イベント期間の経過に伴い変化することをユーザに予め通知することが好ましい。例えば、表示制御手段564は、イベント期間に伴いこれらの対価、効果、および演出がイベント期間の経過に伴い変化することをイベントガチャ画面70に表示する。または、表示制御手段564は、このような説明を行う画面を表示するためのボタンをイベントガチャ画面70に表示する。
【0111】
実施形態および各変形例では、イベント期間の開始直後にイベントガチャを実施することがユーザにあまり有利にならず、ユーザがイベント期間の開始直後にゲームをプレイしないことが考えられる。そこで、イベント期間の早い時期にイベントガチャを実施したユーザには、イベント期間の遅い時期にイベントガチャを実施したユーザには付与されない特典を付与してもよい。ユーザに付与される特典は、例えば、ゲーム内で使用可能なアイテムなどのゲーム媒体である。これにより、実施形態または各変形例のようなゲームシステム1を採用したとしても、イベント期間の開始直後にユーザがゲームをプレイしない状態を生み出すことを抑制できる。
【0112】
または、ユーザがイベント期間の開始直後から継続的にゲームをプレイすることを間接的に促すために、イベントクエストをクリアした回数に応じて、ゲーム内で使用可能なアイテムなどのゲーム媒体を付与してもよい。これにより、上記同様、実施形態または各変形例のようなゲームシステム1を採用したとしても、イベント期間の開始直後にユーザがゲームをプレイしない状態を生み出すことを抑制できる。
【0113】
上記実施形態および各変形例で採用した集団補正、需要補正、および回数補正は、各変形例で説明したものに限定されず、ゲームの性質、またはゲームをプレイするユーザの行動などに応じて任意に設計してよい。
【0114】
第6変形例では、レア保有率が高くなるほど需要補正を小さくし、イベント特攻の効果が低下するようにしていたが、レア保有率が高いほど、イベントガチャで入手できるゲーム媒体のイベント特攻の効果が向上するようにしてもよい。レア保有率が高いユーザは、既にイベント特攻を有するゲーム媒体を有しており、さらにゲーム媒体を入手したいと考えづらい場合があるため、この場合には、ゲーム媒体のイベント特攻の効果を向上させることでさらにゲーム媒体を入手したいと考えるよう促すことができる。この場合、既に保有しているゲーム媒体と同じゲーム媒体を追加で入手した場合、後のゲーム媒体を入手した時点の、特攻補正により効果が向上したイベント特攻を有するゲーム媒体を入手可能にしてもよい。
【0115】
第7変形例では、イベントガチャを実施した回数が多いほど回数補正の値を小さくしてイベント特攻の効果が低下するようにしていたが、イベントガチャを実施した回数が多いほど回数補正の値を大きくしてもよい。このようにすると、イベントガチャを実施するごとに、その後に入手できるゲーム媒体のイベント特攻の効果が向上するため、イベントガチャへの投資が無駄にならず、ユーザが納得感を得ることができる。この場合、既に保有しているゲーム媒体と同じゲーム媒体を追加で入手した場合、後のゲーム媒体を入手した時点の、特攻補正により効果が向上したイベント特攻を有するゲーム媒体を入手可能にしてもよい。
【0116】
ゲームシステム1では、実施形態および各変形例を組み合わせてもよい。例えば、決定手段234は、イベント期間の残り期間、ユーザが属するユーザ集団、およびユーザがこれまでに実施したイベントガチャの組み合わせに基づいて、イベントガチャの対価を決定してもよい。また、例えば、決定手段234は、イベント期間の経過に伴い、イベントガチャの対価、イベント特攻、およびゲーム媒体を有することで視聴できる演出のいずれか2以上を変化させてもよい。
【0117】
ゲームシステム1で実行されるゲームは、ユーザ毎にランクまたはレベルが設定されており、クエストをクリアするなどのゲーム行動を繰り返すことで経験値が得られ、得られた経験値に応じてレベルアップするゲームであってもよい。このとき、所定の期間を1つのシーズンとし、シーズンごとにユーザのランクまたはレベル、および経験値が初期化され、シーズン間のレベルまたはランクに応じてゲーム内で使用可能なアイテムであるゲーム媒体(いわゆるシーズンパス)が付与されるゲームとしてよい。このゲームシステム1において、実施形態におけるゲーム媒体に対応するものとして、得られる経験値の量が増加する効果が得られるゲーム媒体を、対価の支払いを条件としてユーザが入手可能としてよい。このゲーム媒体は、イベントガチャのような態様ではなく、対価を支払うことで抽選を行うことなく取得できるものとしてよい。
【0118】
このようなゲーム媒体は、実施形態同様、イベント期間に代わるシーズンの残り期間によってユーザが得られる恩恵が変化するため、シーズンの経過に伴い価値が低下する。そこで、実施形態と同様に、決定手段234が、シーズンの残り期間に基づいてゲーム媒体取得のために支払う対価が減少するよう対価を決定してよい。また、第4変形例のように、シーズンの経過に伴って得られる効果が向上するよう、決定手段234がゲーム媒体の効果を決定してもよい。さらに、第1変形例のように、決定手段234は、ユーザが属するユーザ集団に基づいて対価を決定してもよい。同様に、他の変形例を組み合わせた態様としてもよい。
【0119】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態および変形例の作用効果は発揮される。また、実施形態、他の実施形態、および変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0120】
1…ゲームシステム
2…サーバ装置
23…制御部(コンピュータ)
233…関連付手段
234…決定手段
5…ゲーム装置
56…制御部(コンピュータ)
562…ゲーム実行手段
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
有効期間が定められたゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、
前記有効期間において、前記ゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させるゲーム媒体を、前記ユーザによる対価の支払いを条件として前記ユーザと関連付ける関連付手段と、
前記対価の支払い時における前記有効期間の残り期間が少ないほど前記効果が高くなるように前記効果を決定する決定手段と、として機能させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記決定手段はさらに、所定の条件によって複数のユーザを分類した複数の集団であるユーザ集団の何れに前記ユーザが属するかに基づいて、前記ユーザにおける前記効果を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記決定手段はさらに、前記ユーザの前記ゲーム媒体に対する需要の度合いを推定需要として推定し、前記推定需要に基づいて、前記ユーザにおける前記効果を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
有効期間が定められたゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、
前記有効期間において、前記ゲームコンテンツでユーザに有利な効果を発生させるゲーム媒体を、前記ユーザによる対価の支払いを条件として、前記対価を支払った前記ユーザである第1ユーザと関連付ける関連付手段と、
前記対価の支払い時における前記有効期間の残り期間に基づいて、前記効果または前記対価を決定する決定手段と、として機能させ、
前記決定手段は、前記第1ユーザの前記ゲーム媒体に対する需要の度合いを推定需要として推定し、前記推定需要に基づいて、前記第1ユーザにおける前記効果または前記対価を決定し、
前記決定手段は、前記ゲーム媒体を取得するために前記第1ユーザが対価を支払った回数が多いほど、前記第1ユーザにおける前記推定需要が高いと推定する、
ゲームプログラム。
【請求項5】
前記関連付手段は、複数の候補ゲーム媒体から選択された前記ゲーム媒体を前記ユーザと関連付け、
前記決定手段は、複数の前記候補ゲーム媒体に占める前記ユーザが必要とする前記ゲーム媒体の割合に基づいて、前記ユーザにおける前記推定需要を推定する、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記効果は、前記ユーザに前記ゲーム媒体を関連付ける際に決定され、決定された前記効果は前記有効期間において継続される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記関連付手段は、前記有効期間の開始から所定期間の間に前記ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられたとき、前記ユーザに特典を付与する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲーム装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲームシステム。