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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167344
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】防振装置及び防振装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/08 20060101AFI20231116BHJP
   F16F 7/104 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
F16F15/08 A
F16F15/08 W
F16F7/104
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078460
(22)【出願日】2022-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】522297236
【氏名又は名称】株式会社プロスパイラ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】高倉 智樹
【テーマコード(参考)】
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048BA19
3J048BB06
3J048BF07
3J048BF17
3J048CB18
3J048CB23
3J048EA01
3J066AA26
3J066DA07
3J066DB01
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、本体ゴムのサージングによる動的ばね定数の上昇を抑制できる、防振装置を提供する。
【解決手段】本発明の防振装置は、筒状の外側取付部材1と、外側取付部材1の軸線方向の一方側に片寄せて配置された内側取付部材2と、外側取付部材1と内側取付部材2とを連結する本体ゴム3と、を備え、本体ゴム3の外表面3foが内側取付部材2側に凸となる円錐台状に形成されてなる、防振装置であって、本体ゴム3は、ゴム本体部31と、ゴムマス部32と、を有し、ゴム本体部31は、外側取付部材1及び内側取付部材2に接触しており、ゴムマス部32は、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触しておらず、ゴム本体部31から突出しており、ゴム本体部31とゴムマス部32とは、同一ゴムで一体に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の外側取付部材と、前記外側取付部材の軸線方向の一方側に片寄せて配置された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材とを連結する本体ゴムと、を備え、前記本体ゴムの外表面が前記内側取付部材側に凸となる円錐台状に形成されてなる、防振装置であって、
前記本体ゴムは、ゴム本体部と、ゴムマス部と、を有し、
前記ゴム本体部は、前記外側取付部材及び前記内側取付部材に接触しており、
前記ゴムマス部は、前記外側取付部材及び前記内側取付部材のいずれにも接触しておらず、前記ゴム本体部から突出しており、
前記ゴム本体部と前記ゴムマス部とは、同一ゴムで一体に形成されている、防振装置。
【請求項2】
前記ゴムマス部は、前記ゴム本体部から軸線方向の前記一方側に向けて突出している、請求項1に記載の防振装置。
【請求項3】
前記ゴムマス部は、前記ゴム本体部から軸線方向の前記一方側に対する他方側に向けて突出している、請求項1又は2に記載の防振装置。
【請求項4】
請求項1に記載の防振装置を得るための、防振装置の製造方法であって、
前記本体ゴムが前記ゴムマス部を備えない以外は前記防振装置と構成が同じである、原防振装置を準備する、原防振装置準備ステップと、
前記原防振装置の、前記本体ゴムの前記外側取付部材及び前記記内側取付部材との両接触部における、軸線方向の前記一方側及び/又は前記一方側に対する他方側の両端部近傍のゴム部分を除去することにより、前記本体ゴムの前記ゴムマス部を形成する、本体ゴム端部除去ステップと、を備える、防振装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置及び防振装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばエンジンマウントとして用いられる防振装置として、筒状の外側取付部材と、外側取付部材の軸線方向の一方側に片寄せて配置された内側取付部材と、外側取付部材と内側取付部材とを連結する本体ゴムと、を備え、本体ゴムの外表面が内側取付部材側に凸となる円錐台状に形成されてなる、防振装置が知られている。
一方、近年、自動車のEV化が進む中で、上記のような防振装置には、数100Hz~1000Hz程度の高周波振動領域での動的ばね定数の低減化が要求されているが、本体ゴムのサージング(本体ゴム自身の固有振動数に近い振動数成分を有する外力が作用すると、本体ゴム自身が自励振動し振幅が急激に増大する現象)により、当該高周波振動領域での動的ばね定数の上昇が課題となっている。
そこで、当該課題を解決するために、本体ゴムにマスとしての特定のゴム弾性体からなるリング部材を固定すること(例えば、特許文献1参照)や、外側取付部材に別途マス部材を弾性連結させてダイナミックダンパーを形成すること(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-267069号公報
【特許文献2】特開2019―113177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献に記載された従来技術では、いずれも通常の防振装置に別の部材を取り付けているので、構成が煩雑となり、製造コストの増加等にもつながる。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構成で、本体ゴムのサージングによる動的ばね定数の上昇を抑制することができる、防振装置、及び、当該防振装置を容易に得ることができる、防振装置の製造方法、を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る、防振装置は、
筒状の外側取付部材と、前記外側取付部材の軸線方向の一方側に片寄せて配置された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材とを連結する本体ゴムと、を備え、前記本体ゴムの外表面が前記内側取付部材側に凸となる円錐台状に形成されてなる、防振装置であって、
前記本体ゴムは、ゴム本体部と、ゴムマス部と、を有し、
前記ゴム本体部は、前記外側取付部材及び前記内側取付部材に接触しており、
前記ゴムマス部は、前記外側取付部材及び前記内側取付部材のいずれにも接触しておらず、前記ゴム本体部から突出しており、
前記ゴム本体部と前記ゴムマス部とは、同一ゴムで一体に形成されている。
本発明に係る、防振装置によれば、簡易な構成で、本体ゴムのサージングによる動的ばね定数の上昇を抑制することができる。
【0007】
本発明の防振装置において、
前記ゴムマス部は、前記ゴム本体部から軸線方向の前記一方側に向けて突出していてもよい。
この場合、防振装置の製造がより効率的になる。
【0008】
本発明の防振装置において、
前記ゴムマス部は、前記ゴム本体部から軸線方向の前記一方側に対する他方側に向けて突出していてもよい。
この場合、外部の異物との接触によるゴムマス部の欠損等が生じにくくなる。
【0009】
本発明に係る、防振装置の製造方法は、
上述のいずれかの防振装置を得るための、防振装置の製造方法であって、
前記本体ゴムが前記ゴムマス部を備えない以外は、前記防振装置と構成が同じである、原防振装置を準備する、原防振装置準備ステップと、
前記原防振装置の、前記本体ゴムの前記外側取付部材及び前記記内側取付部材との両接触部における、軸線方向の前記一方側及び/又は前記一方側に対する他方側の両端部近傍のゴム部分を除去することにより、前記本体ゴムの前記ゴムマス部を形成する、本体ゴム端部除去ステップと、を備える。
本発明に係る、防振装置の製造方法によれば、上述の防振装置を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で、本体ゴムのサージングによる動的ばね定数の上昇を抑制することができる、防振装置、及び、当該防振装置を容易に得ることのできる、防振装置の製造方法、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る防振装置を、図2のX-X線に沿う断面により示す、軸線方向縦断面図である。
図2図1の防振装置の上面図である。
図3図1の防振装置の外観を示す、斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
図7】原防振装置の一例を示す、図1と同様の縦断面図である。
図8】本発明の効果を示した、周波数と動的ばね定数との関係を示す、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る、防振装置及び防振装置の製造方法は、任意の種類の防振装置及びその製造方法として好適に利用でき、例えば、車両のエンジンマウント等及びその製造方法として、好適に利用できる。
【0013】
以下、本発明に係る、防振装置及び防振装置の製造方法の実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
本明細書において、「軸線方向」とは、筒状の外側取付部材の中心軸線O(以下、単に「中心軸線O」ともいう。)に平行な方向を指し、一部の図面において符号「AD」で示し、「周方向」とは、上記中心軸線Oを周回する方向を指し、「径方向」とは、上記中心軸線と直交する方向を指し、一部の図面において符号「RD」で示す。また、本明細書において、「径方向内側」とは、径方向において中心軸線Oに近い側を指し、「径方向外側」とは、径方向において中心軸線Oから遠い側を指す。さらに、本明細書において、「軸線方向一方側」とは、軸線方向における外側取付部材と内側取付部材との位置関係において、内側取付部材の位置する側(図1及び図4図7では、図上で上方側)を指し、「軸線方向他方側」とは、軸線方向における外側取付部材と内側取付部材との位置関係において、外側取付部材の位置する側(図1及び図4図7では、図上で下方側)を指し、一部の図面においてそれぞれ「一方側」、「他方側」として示す。
なお、以下に説明する実施形態の防振装置10、20、30及び40は、エンジンマウントとして構成されているが、任意の種類の防振装置として構成されてよい。
また、以下の説明において、防振装置の構成、形状等は、すべて、例えばエンジン等の荷重入力等のない、装置単体での無負荷時の状態として説明されている。
【0014】
<防振装置>
(第1実施形態)
図1図3は、本発明の第1実施形態に係る防振装置10を説明するための図面である。図1は、本発明の第1実施形態に係る防振装置を、図2のX-X線に沿う断面により示す、軸線方向縦断面図である。図2は、図1の防振装置の上面図である。図3は、図1の防振装置の外観を示す、斜視図である。
【0015】
本発明の第1実施形態に係る防振装置10は、車両のエンジンを支持するエンジンマウントとして構成されている。本実施形態の防振装置10は、軸線方向(図1の例では、図上上下方向)に主振動(例えば、車両のエンジンの振動)が入力される、換言すれば、防振装置10は、防振装置10に入力される主な振動の方向が軸線方向と一致するように、配置され、使用に供されるものである。
図1図3に示すように、本実施形態の防振装置10は、外側取付部材1と、内側取付部材2と、本体ゴム3と、を備えている。
【0016】
外側取付部材1は、筒状を呈している。ここで、「筒状」とは、無底の筒状のみならず、有底の筒状であってもよく、即ち、軸線方向において内側取付部材2側とは反対側(即ち、軸線方向他方側)の端縁が、閉じられていてもよい。外側取付部材1は、筒状であるため、仮想の中心軸線Oを有している。
また、本実施形態において、図1に示すように、外側取付部材1は、軸線方向において内側取付部材2により近い軸線方向一方側部分1aと、縮径部分1bと、軸線方向において内側取付部材2からより遠い軸線方向他方側部分1cと、を有している。本体ゴム3は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aに、主として連結されている。
外側取付部材1は、金属、樹脂その他の剛性材料で構成され、例えば、図示しないブラケット等を介して又は介さずに、振動発生部及び振動受部のいずれか一方(例えば、車両の車体)に取り付けられて、使用される。
【0017】
内側取付部材2は、径方向において、筒状の外側取付部材1の内側(内部)に配置される部材である。
図1に示すように、内側取付部材2は、外側取付部材1の軸線方向の一方側(図1の例では、図上で上方側)に片寄せて配置されている。即ち、内側取付部材2は、外側取付部材1の少なくとも軸線方向の中心よりも軸線方向の一方側(図1の例では、図上で上方側)にオフセットして、配置されている。
本実施形態において、内側取付部材2は、外側取付部材1と同様に、仮想の中心軸線を有している。本実施形態において、当該内側取付部材2の中心軸線は、外側取付部材1の中心軸線Oと同じである。即ち、本実施形態において、外側取付部材1と内側取付部材2とは、同心に配置されている。
内側取付部材2は、金属、樹脂その他の剛性材料で構成され、例えば、図1の例に示すように上端面(軸線方向一方側の端面)に形成された雌ねじ部2a等により、振動発生部及び振動受部の他方(例えば、車両のエンジン)に、取り付けられて、使用される。
【0018】
本体ゴム3は、外側取付部材1と内側取付部材2とを連結している。図1に示すように、本実施形態において、より具体的に、本体ゴム3は、本体ゴム3のうちの後述するゴム本体部31が、外側取付部材1及び内側取付部材2に固着されひいては接触し、これら外側取付部材1と内側取付部材2とを連結している。本体ゴム3(より具体的には、本体ゴム3のゴム本体部31)は、外側取付部材1及び内側取付部材2に、加硫及び/又は接着剤による接着等により、固着されている。本実施形態では、さらに具体的に、本体ゴム3は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1a及び縮径部分1bの一部の内周面(径方向内側の表面)に固着されている。また、本体ゴム3は、内側取付部材2の軸線方向他方側寄りの部分の外周面(径方向外側の表面)に固着されている。
図1を参照すれば、本実施形態において、本体ゴム3は、中心軸線Oを含む内側取付部材2の軸線方向他方側端縁の軸線方向他方側の部分を境に図上左右に分断され、ひいては、貫通孔を有する環状体である。但し、本体ゴム3は、内側取付部材2の軸線方向他方側端縁の軸線方向他方側の部分で、図上左右に分断されず、連続した有底のカップ状体となっていてもよい。
本体ゴム3は、その圧縮・せん断変形により、防振装置10の軸線方向の入力振動を吸収し及び/又は減衰させる。
【0019】
図1に示すように、本体ゴム3の外表面3foは、内側取付部材2側に凸となる円錐台状に形成されている。換言すれば、当該本体ゴム3の外表面3foは、全体として、内側取付部材2に近づくにつれて径が小さくなるように、形成されている。
【0020】
本実施形態において、図2に示すように、外側取付部材1及び本体ゴム3は、周方向の全体にわたって連続して延在している。
また、本実施形態において、図1に示すように、縦断面視において、本体ゴム3は、中心軸線Oを対象軸として線対称の形状に形成されている。さらに、本実施形態において、本体ゴム3は、周方向の全体にわたって均一な形状(縦断面形状)に形成されている。換言すれば、本実施形態において、本体ゴム3は、図1に示す縦断面形状が、周方向におけるどの位置においても同じである。なお、本明細書において、「均一な形状」には「均一な大きさ」の意味も含み、また、「形状が同じ」には「大きさが同じ」の意味も含む。
本実施形態において、図1に示すように、縦断面視において、外側取付部材1も本体ゴム3と同様に、中心軸線Oを対象軸として線対称の形状に形成されている。さらに、本実施形態において、外側取付部材1も本体ゴム3と同様に、周方向の全体にわたって均一な形状(縦断面形状)に形成されている。換言すれば、本実施形態において、外側取付部材1は、図1に示す縦断面形状が、周方向におけるどの位置においても同じである。
従って、本実施形態において、防振装置10は、周方向の全体にわたって実質的に均一な形状(縦断面形状)に形成されている。但し、防振装置10は、そのうちの少なくとも一部の部材が、周方向に不均一に形成されていてもよい。しかし、周方向のいずれの位置でもできるだけ均等な防振特性を得る観点からは、防振装置10は、周方向の全体にわたって実質的に均一な形状(縦断面形状)に形成されていると好適である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態において、防振装置10は、外側取付部材1の縮径部分1b及び軸線方向他方側部分1cの内周面(径方向内側の表面)を被覆する、被覆ゴム4を有している。ここで、本明細書において、「本体ゴム3」とは、上述したように、自身の圧縮・せん断変形により、防振装置10の軸線方向の入力振動の吸収及び/又は減衰に実質的に寄与する部分のみを指すものとし、従って、被覆ゴム4は、本体ゴム3には含まれない。本実施形態において、被覆ゴム4は、本体ゴム3から連続して一体的に形成されているが、被覆ゴム4は、本体ゴム3から分離され別体として形成されていてもよく、また、防振装置10は、被覆ゴム4を有さなくてもよい。
なお、図1の例では、外側取付部材1の軸線方向他方側部分1c及びその内周面を被覆する被覆ゴム4の軸線方向長さは、例えば、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aと縮径部分1bとを合わせた軸線方向長さより長くされているが、外側取付部材1の軸線方向他方側部分1c及びその内周面被覆ゴム4の軸線方向長さは、図1に示す長さより短くてもよく、特に制限されない。
【0022】
本実施形態において、図1に示すように、本体ゴム3は、ゴム本体部31と、ゴムマス部32と、を有している。ここで、ゴムマス部32は、後述するように、ばね要素とマス要素とを持つダイナミックダンパーのように機能し得る。
図1に示すように、ゴム本体部31は、外側取付部材1及び内側取付部材2に接触している。より具体的に、本実施形態において、上述の通り、ゴム本体部31は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1a及び縮径部分1bの一部の内周面(径方向内側の表面)に、加硫及び/又は接着剤による接着等により固着され、ひいては接触している。さらに具体的に、本実施形態において、ゴム本体部31は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向のほぼ全体にわたる内周面に、固着され、ひいては接触している。
また、ゴム本体部31は、内側取付部材2の軸線方向他方側寄りの部分の外周面(径方向外側の表面)に、加硫及び/又は接着剤による接着等により固着され、ひいては接触している。
【0023】
一方、図1に示すように、ゴムマス部32は、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触しておらず、上述のゴム本体部31から突出している。なお、図1において、理解容易のため、ゴム本体部31とゴムマス部32a(32)との仮想の概略的な境界面(縦断面視である図1では、境界線)を、2点鎖線で示している。
より具体的に、本実施形態において、図1に示すように、ゴムマス部32a(32)は、本体ゴム3の軸線方向一方側の端部に設けられた2つの凹部34(より具体的には、本体ゴム3の軸線方向一方側の端部において、それぞれ外側取付部材1と内側取付部材2との間で本体ゴム3に設けられた2つの凹部34ao、34ai)によって、外側取付部材1及び内側取付部材2から切り離され、ひいては、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触していない。
また、本実施形態において、図1に示すように、ゴムマス部32a(32)は、ゴム本体部31から軸線方向の一方側に向けて突出している。より詳細には、本実施形態において、ゴムマス部32a(32)は、ゴム本体部31の軸線方向一方側の端部から、軸線方向一方側かつ径方向外側に向けて、軸線方向かつ径方向に突出し延在している。
なお、ゴムマス部32a(32)の形状(縦断面形状)は、特に限定されない。例えば、図1に示す例では、縦断面視において、ゴムマス部32a(32)は、図に2点鎖線で示す境界線の長さが、当該境界線に直交する方向の長さ及び径方向の各位置での軸線方向の長さよりも長い、略平行四辺形の形状をしているが、ゴムマス部32a(32)は、図に2点鎖線で示す境界線の長さが、当該境界線に直交する方向の長さ又は径方向の各位置での軸線方向の長さよりも短い形状等であってもよい。
また、本実施形態においては、図1に示すように、本体ゴム3の軸線方向の他方側の端部、即ち、本体ゴム3の内表面3fi側には、ゴムマス部32は、形成されていない。
【0024】
さらに、図1に示すように、ゴム本体部31とゴムマス部32とは、同一ゴムで一体に形成されている。即ち、本実施形態において、本体ゴム3のゴム本体部31とゴムマス部32とは、組成等も同じ同一種類のゴムで連続して一体に形成されている。
ここで、ゴムマス部32のゴムを、ゴム本体部31のゴムとは異なる別のゴム、例えば、ゴム本体部31よりも密度の大きなゴムで形成する(即ち、当該別のゴムをゴム本体部31に一体成形する、又は、当該別のゴムをゴム本体部31に凹凸嵌合してゴム本体部31と一体にする、等)ことも考えられるが、本発明者が鋭意検討した結果、ゴム本体部31とゴムマス部32とが同一ゴムで形成されていても、ダイナミックダンパーのような機能を十分発揮し、本体ゴム3のサージングによる、例えば高周波振動領域における、動的ばね定数の上昇を十分抑制できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0025】
上述のような本体ゴム3を有する本実施形態の防振装置10は、例えば、公知の方法により、加硫モールド内で、外側取付部材1及び内側取付部材2に、未加硫の本体ゴム3をゴム本体部31とゴムマス部32とを有する図1のような形状に加硫成形・接着することにより、製造することもできるし、図1のような形状の、公知の方法により成形された、ゴム本体部31とゴムマス部32とを有する半加硫又は加硫済みの本体ゴム3を、外側取付部材1及び内側取付部材2に加硫及び/又は接着剤による接着等により固着することにより、製造することもできるし、さらに、図7等を参照して後述するように、ゴムマス部を有さない原防振装置500から、所定の端部近傍のゴム部分を除去して凹部34(34ao、34ai)を形成することにより、製造することもできる。
【0026】
次に、上述した実施形態による主な効果を、以下に説明する。
まず、本実施形態において、本体ゴム3は、ゴム本体部31と、ゴムマス部32(32a)と、を有し、ゴム本体部31は、外側取付部材1及び内側取付部材2に接触しており、ゴムマス部32(32a)は、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触しておらず、ゴム本体部31から突出している。即ち、本実施形態によれば、ゴムマス部32は、外側取付部材1及び内側取付部材2とは接触せずにゴム本体部31から突出しているので、外側取付部材1及び内側取付部材2とは独立して変位することができ、従って、ゴムマス部32は、ばね要素とマス要素とを持つダイナミックダンパーのように機能することができ、ひいては、防振装置10における、本体ゴム3のサージング現象に基づく、例えば高周波振動領域における、動的ばね定数の上昇を抑制することができる。
また、本実施形態において、ゴム本体部31とゴムマス部32とは、同一ゴムで一体形成されている。従って、例えば、ゴム本体部31とゴムマス部32とが、異なる別のゴムで形成されている場合や、防振装置10に別途金属等のマス部材を弾性連結させてダイナミックダンパーを形成する場合に比べて、防振装置10を簡易な構成とすることができ、ひいては、製造もしやすくなり、低コストで製造することもできる。
即ち、本実施形態に係る防振装置10によれば、簡易な構成で、本体ゴムのサージングによる動的ばね定数の上昇を抑制することができる。
【0027】
また、本実施形態において、ゴムマス部32(32a)は、ゴム本体部31から軸線方向の一方側(即ち、軸線方向において、内側取付部材2の在る側)に向けて突出している。この場合、例えば、ゴムマス部32が、ゴム本体部31から軸線方向の他方側(即ち、軸線方向において、外側取付部材1の在る側)に向けて突出している場合に比べて、外側取付部材1が作業の邪魔になりにくいので、ゴムマス部32を有する防振装置10の製造がより効率的になる。
【0028】
なお、本実施形態において、ゴムマス部32の質量は、ゴム本体部31の質量の10~60%であることが好ましい。ゴムマス部32の質量が、ゴム本体部31の質量の、10%以上であることで、動的ばね定数の上昇を抑制する効果が十分得られるとともに、60%以下であることで、例えばエンジンマウントとして用いられる場合に車両の燃費の低下につながる、防振装置10全体の質量の過度の増加を抑えることができる。同様の観点から、ゴムマス部32の質量は、ゴム本体部31の質量の20~50%であることがより好ましい。図1に示す例では、ゴムマス部32の質量は、ゴム本体部31の質量の約25%である。
また、ゴムマス部32の質量を調整することで、動的ばね定数の上昇を抑制できる周波数及び程度をコントロールすることができる。
【0029】
次に、本発明の第2~第4実施形態に係る防振装置20~40について、図4図6を参照しつつ説明する。第2~第4実施形態において、第1実施形態と同様の部材又は部位等については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0030】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
本発明の第2実施形態に係る防振装置20は、外側取付部材1の構成(より具体的には、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向の長さ)のみ、本発明の第1実施形態に係る防振装置10と実質的に異なり、その他の点は、第1実施形態の防振装置10と実質的に同じである。以下では、主に、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0031】
図4を参照すれば、本実施形態において、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向の長さが、第1実施形態の防振装置10における、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向の長さ(図1参照)よりも長い。換言すれば、本実施形態においては、第1実施形態と異なり、本体ゴム3(より具体的には、本体ゴム3のゴム本体部31)は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向の全長にわたる領域ではなく、当該軸線方向一方側部分1aの軸線方向一方側の軸線方向の約半分の長さにわたる領域にのみ接触し固着されており、当該軸線方向一方側部分1aの残りの軸線方向他方側の領域には接触及び固着されていない。
【0032】
以上のように構成された、本実施形態に係る防振装置20によれば、例えば、当該防振装置20を、図7等を参照して後述するように、ゴムマス部を有さない原防振装置500から所定の端部近傍のゴムを除去して凹部34(34ao、34ai)を形成することにより、製造する場合に、上記外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの残りの軸線方向他方側の領域を、ゴムの除去作業の際の支持部として利用することができるので、より作業がしやすくなる。
本実施形態の防振装置20についての、その他の構成及び効果は、前述した第1実施形態の防振装置10と同様である。
【0033】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
本発明の第3実施形態に係る防振装置30は、本体ゴム3(より具体的には、本体ゴム3のゴムマス部32)の構成のみ、本発明の第2実施形態に係る防振装置20と実質的に異なり、その他の点は、第2実施形態の防振装置20と実質的に同じである。以下では、主に、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0034】
図5を参照すれば、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、本体ゴム3は、ゴム本体部31とゴムマス部32とを有し、ゴム本体部31は、外側取付部材1及び内側取付部材2に接触しており、ゴムマス部32は、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触していないが、第2実施形態と異なり、ゴムマス部32(32b)は、ゴム本体部31から軸線方向の一方側に対する他方側に向けて突出している。より具体的に、本実施形態において、ゴムマス部32b(32)は、本体ゴム3の軸線方向他方側の端部に設けられた2つの凹部34(より具体的には、本体ゴム3の軸線方向他方側の端部において、それぞれ外側取付部材1の近傍及び内側取付部材2との間で本体ゴム3に設けられた2つの凹部34bo、34bi)によって、外側取付部材1及び内側取付部材2から切り離され、ひいては、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触しておらず、これにより、ゴムマス部32b(32)は、ゴム本体部31から軸線方向の他方側に向けて突出している。ゴムマス部32bの機能は、第2実施形態(ひいては、第1実施形態)のゴムマス部32aと同様であり、ゴムマス部32bは、ばね要素とマス要素を持つダイナミックダンパーのように機能し得る。
なお、本実施形態においても、ゴム本体部31とゴムマス部32(32b)とは、同一ゴムで一体に形成されている。また、本実施形態において、本体ゴム3(より具体的には、本体ゴム3のゴム本体部31)は、外側取付部材1の軸線方向一方側部分1aの軸線方向の略全長にわたる領域に接触し固着されている。
【0035】
以上のように構成された、本実施形態に係る防振装置30によれば、ゴムマス部32b(32)が、外側取付部材1の軸線方向他方側の端縁よりも軸線方向一方側かつ外側取付部材1の径方向内側に形成されることになるので、ゴムマス部32b(32)が、外側取付部材1、ゴム本体部31及び内側取付部材2の内部にいわば保護されることとなり、外部の異物との接触によるゴムマス部32b(32)の欠損等が生じにくくなる。
本実施形態の防振装置30についての、その他の構成及び効果は、前述した第2実施形態の防振装置20と同様である。
【0036】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る防振装置を示す、図1と同様の縦断面図である。
本発明の第4実施形態に係る防振装置40は、本体ゴム3(より具体的には、本体ゴム3のゴムマス部32)の構成のみ、本発明の第2実施形態に係る防振装置20と実質的に異なり、その他の点は、第2実施形態の防振装置20と実質的に同じである。以下では、主に、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】
図6を参照すれば、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、本体ゴム3は、ゴム本体部31とゴムマス部32とを有し、ゴム本体部31は、外側取付部材1及び内側取付部材2に接触しており、ゴムマス部32は、外側取付部材1及び内側取付部材2のいずれにも接触していないが、第2実施形態と異なり、ゴムマス部32は、ゴム本体部31から軸線方向の一方側に向けて突出しているゴムマス部32aに加え、第3実施形態と同様の、ゴム本体部31から軸線方向の他方側に向けて突出しているゴムマス部32bも含んでいる。本実施形態において、ゴムマス部32a及びゴムマス部32bの構成及び機能は、それぞれ、第2実施形態(ひいては、第1実施形態)のゴムマス部32a及び第3実施形態のゴムマス部32bと同様であり、ゴムマス部32a及びゴムマス部32bは、ばね要素とマス要素を持つダイナミックダンパーのように機能し得る。
なお、本実施形態においても、ゴム本体部31とゴムマス部32(32a、32b)とは、同一ゴムで一体に形成されている。
また、本実施形態において、前述の「ゴムマス部32の質量」とは、ゴムマス部32a及び32bの総質量を指す。
【0038】
以上のように構成された、本実施形態に係る防振装置40によれば、本体ゴム3が2つ(2か所)のゴムマス部32(32a、32b)を有しているので、本体ゴム3のサージングによる、例えば高周波振動領域における、動的ばね定数の上昇を、より効果的に抑制することができる。
本実施形態の防振装置40についての、その他の構成及び効果は、前述した第2実施形態の防振装置20と同様である。
【0039】
<防振装置の製造方法>
次に、本発明の1実施形態に係る、防振装置の製造方法について、図7及び前述の図4図6を参照しつつ、説明する。本発明の1実施形態に係る、防振装置の製造方法は、前述した本発明の各実施形態に係る防振装置を得るために、好適に利用できる。
図7は、後述の原防振装置の一例を示す、図1と同様の縦断面図である。
【0040】
以下に説明する、本発明の1実施形態に係る、防振装置の製造方法は、原防振装置準備ステップと、本体ゴム端部除去ステップと、を、この順に備えている。
【0041】
(原防振装置準備ステップ)
まず、原防振装置準備ステップでは、本体ゴム300がゴムマス部を備えない以外は、例えば前述の各実施形態(より具体的に、本実施形態の防振装置の製造方法では、第2~第4実施形態)に係る防振装置と構成が同じである、原防振装置500を準備する。
即ち、準備する原防振装置500は、図7に示すように、筒状の外側取付部材100と、外側取付部材100の軸線方向の一方側に片寄せて配置された内側取付部材200と、外側取付部材100と内側取付部材200とを連結する本体ゴム300と、を備え、本体ゴム300の外表面300foが内側取付部材200側に凸となる円錐台状に形成されてなるが、本体ゴム300は、ゴム本体部310のみを有し、前述の各実施形態に係る防振装置のように、ゴム本体部310から突出するゴムマス部を有さない。原防振装置500において、本体ゴム300は同一のゴムで一体に形成されている。
上記のような原防振装置500は、例えば、加硫及び/又は接着剤による接着等の公知の方法により、本体ゴム300を外側取付部材100及び内側取付部材200に固着することにより、容易に製造でき、準備することができる。
【0042】
(本体ゴム端部除去ステップ)
原防振装置準備ステップの後、本体ゴム端部除去ステップでは、原防振装置準備ステップにおいて準備した原防振装置500の、本体ゴム300の外側取付部材100及び内側取付部材200との両接触部における、軸線方向の一方側及び/又は他方側の両端部330(330ao及び330ai、並びに/又は、330bo及び330bi)近傍のゴム部分を除去することにより、本体ゴムのゴムマス部を形成する。
より具体的に、本体ゴム端部除去ステップでは、例えば、図7における、原防振装置500の、本体ゴム300の外側取付部材100及び内側取付部材200との両接触部における、軸線方向一方側の両端部330ao及び330ai近傍のゴム部分を除去することにより、例えば、前述の第2実施形態に係る防振装置20(図4参照)又は第4実施形態に係る防振装置40(図6参照)における凹部34a0及び34aiを形成し、ひいては、これら凹部34ao及び34aiの間に本体ゴム3のゴムマス部32aを形成する。また、本体ゴム端部除去ステップでは、例えば、図7における原防振装置500の、本体ゴム300の外側取付部材100及び内側取付部材200との両接触部における、軸線方向他方側の両端部330bo及び330bi近傍のゴム部分を除去することにより、例えば、前述の第3実施形態に係る防振装置30(図5参照)又は第4実施形態に係る防振装置40(図6参照)における凹部34b0及び34biを形成し、ひいては、これら凹部34bo及び及び34biの間に本体ゴム3のゴムマス部32bを形成する。
なお、上記ゴム部分の除去の方法は、特に限定されず、例えば、人為的又は機械的にカッター等で削り取ることができる。
本体ゴム端部除去ステップを行うことにより、例えば、前述の各実施形態に係る防振装置を得ることができる。
【0043】
なお、本実施形態に係る、防振装置の製造方法は、原防振装置準備ステップ及び本体ゴム端部除去ステップ以外に、他のステップ(例えば、防錆処理ステップ等)を含んでいてもよい。
【0044】
以上のように構成された、本実施形態に係る、防振装置の製造方法によれば、原防振装置500から一部のゴム部分を除去するだけで、本発明(例えば、前述の各実施形態)に係る防振装置を得ることができるので、本発明(例えば、前述の各実施形態)に係る防振装置を容易に得ることができる。
【実施例0045】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
比較例として、図7に示す、ゴムマス部を有さない前述の原防振装置500と、実施例として、当該原防振装置500と同等の防振装置を前述の本発明の1実施形態に係る防振装置の製造方法により加工して得た、図4に示す、ゴムマス部32を有する本発明の第2実施形態に係る防振装置20と、を準備し、それぞれの軸線方向に振動を入力して、入力振動の周波数に対する防振装置の動的ばね定数を実測した。
その結果を、図8のグラフに示す。図中、Aは、図7に示す比較例、Bは、図4に示す実施例、を示している。
【0046】
図8の結果によれば、ゴムマス部32がダイナミックダンパーのような効果を奏し、700Hz付近の振動周波数にあったサージングピーク(動的ばね定数のピーク値)が低減されていることがわかる。
【0047】
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。
例えば、上述の実施形態では、防振装置10~40は、液室を有さないものとして説明したが、本発明に係る防振装置は、公知の、例えば、外側取付部材1の内部(径方向内側)に本体ゴム3の少なくとも一部を室壁とする密封された液室を有するものであってもよく、また、当該液室は、1液室のみを含むものであっても、細い連絡通路で液室間が連通された2液室を含むもの等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る、防振装置及び防振装置の製造方法は、任意の種類の防振装置及びその製造方法として好適に利用でき、例えば、車両のエンジンを支持するエンジンマウント及びその製造方法として、好適に利用できる。
【符号の説明】
【0049】
10、20、30、40、500:防振装置、
1、100:外側取付部材、 1a:軸線方向一方側部分、 1b:縮径部分、
1c:軸線方向他方側部分、
2、200:内側取付部材、 2a:雌ねじ部、
3、300:本体ゴム、 3fi:内表面、 3fo、300fo:外表面、
31、310:ゴム本体部、 32、32a、32b:ゴムマス部、
330、330ai、330ao、330bi、330bo:端部、
34、34ai、34ao、34bi、34bo:凹部、
4:被覆ゴム、
AD:軸線方向、 O:中心軸線、 RD:径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8