(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167377
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ロボットアーム及びロボットアーム制御システム
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20231116BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20231116BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B25J19/00 Z
B25J13/00 Z
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078523
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 弘人
【テーマコード(参考)】
3C707
5G503
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS12
3C707BT05
3C707CT05
3C707CV08
3C707CW08
3C707CY06
3C707CY12
3C707DS01
3C707ES01
3C707HS27
3C707JS06
3C707KS37
3C707LV21
3C707MT11
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA08
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】駆動源で発生する回生電力によるロボットアームの電圧上昇を抑制する。
【解決手段】ロボットアーム(2A,2B,2C,2D)は、第1リンク(L1,L2,L3,L4,L5,L6)と、第1リンクに対して移動可能な第2リンク(L1,L2,L3,L4,L5,L6)と、電力の供給を受けて、第1リンクに対して第2リンクを駆動する駆動源(23a,23b,23c,23d,23e,23f)と、第1リンクに保持されて、駆動源からの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生電力消費回路(21)と、を備えた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リンクと、
前記第1リンクに対して移動可能な第2リンクと、
電力の供給を受けて、前記第1リンクに対して前記第2リンクを駆動する駆動源と、
前記第1リンクに保持されて、前記駆動源からの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生電力消費回路と、を備えた
ことを特徴とするロボットアーム。
【請求項2】
前記駆動源は、第1駆動源であり、
前記回生電力消費回路は、第1回生電力消費回路であり、
前記第2リンクに対して移動可能な第3リンクと、
電力の供給を受けて、前記第2リンクに対して前記第3リンクを駆動する第2駆動源と、
前記第1リンク、前記第2リンク及び前記第3リンクのいずれかに保持されて、前記第2駆動源からの回生電力を消費するために回生電力が入力される第2回生電力消費回路と、を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のロボットアーム。
【請求項3】
前記第1回生電力消費回路と前記第2回生電力消費回路とは、互いに電気的に接続されており、
前記第1駆動源からの回生電力を、前記第1回生電力消費回路及び前記第2回生電力消費回路のいずれの回生電力消費回路で消費するかを切替え可能である
ことを特徴とする請求項2記載のロボットアーム。
【請求項4】
前記第1駆動源の制御内容に基づいて、前記第1駆動源からの回生電力を、前記第1回生電力消費回路及び前記第2回生電力消費回路のいずれの回生電力消費回路で消費するかを切替え可能である
ことを特徴とする請求項3記載のロボットアーム。
【請求項5】
前記第1駆動源及び前記第2駆動源の少なくとも一方からの回生電力に基づく温度上昇を検知可能な温度センサを備え、
前記温度センサの検知結果に基づいて、前記第1駆動源からの回生電力を、前記第1回生電力消費回路及び前記第2回生電力消費回路のいずれの回生電力消費回路で消費するかを切替え可能である
ことを特徴とする請求項3記載のロボットアーム。
【請求項6】
電力が供給されていない状態で前記第1リンクの前記第2リンクに対する移動を制限し、電力が供給されている状態で前記第1リンクの前記第2リンクに対する移動を許容する移動制限部を備え、
前記回生電力消費回路は、入力された前記駆動源からの回生電力を前記移動制限部に供給する
ことを特徴とする請求項1記載のロボットアーム。
【請求項7】
前記回生電力消費回路は、前記移動制限部に供給する回生電力の電圧を調整する電圧調整部を有する
ことを特徴とする請求項6記載のロボットアーム。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれか1項記載のロボットアームと、
ケーブルと、
前記ケーブルによって前記ロボットアームと電気的に接続され、前記駆動源を制御する制御部と、前記駆動源に電力を供給する電力供給部と、を有する制御装置と、を備えた
ことを特徴とするロボットアーム制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットアーム及びロボットアーム制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力供給装置から供給される電力により、各回転軸を駆動するロボットアームが開示されている(特許文献1参照)。このロボットアームは、各回転軸の減速動作する際に、回転軸に設けられたサーボモータが発電機として動作して、回生電力を発生させる。また、このロボットアームは、発生した回生電力を回収して電力供給装置で蓄積することで、サーボモータを駆動するための電力として再利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロボットアームを駆動する駆動源からの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生電力消費回路がロボットアームの外部に設けられ、ロボットアームと当該回生電力入力部とがケーブルで接続されている場合、当該ケーブル自体の抵抗によってロボットアーム側の電圧が上昇する。このような場合、回生電力の発生によるロボットアーム側の電圧上昇を考慮した部品選定が必要となり、ロボットアームのコストアップ要因になる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するものであって、回生電力によるロボットアームの電圧上昇を抑制することができるロボットアーム及びロボットアーム制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るロボットアームは、第1リンクと、第1リンクに対して移動可能な第2リンクと、電力の供給を受けて、第1リンクに対して第2リンクを駆動する駆動源と、第1リンクに保持されて、駆動源からの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生電力消費回路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、上記のように構成したので、例えば、ロボットアームと、ロボットアームの外部に設けられた回生電力消費回路と、がケーブルで接続されている場合と比較して、回生電力によるロボットアームの電圧上昇を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るロボットアーム制御システムの構成を示す外観図。
【
図2】実施の形態1に係るロボットアーム制御システムの構成を示す配線図。
【
図4】実施の形態2に係るロボットアーム制御システムの構成を示す配線図。
【
図5】実施の形態3に係るロボットアーム制御システムの構成を示す配線図。
【
図6】実施の形態4に係るロボットアーム制御システムの構成を示す配線図。
【
図7】実施の形態4に係るドライバ回路及びブレーキを示す回路図。
【
図8】実施の形態4に係るドライバ回路からブレーキへの出力電圧を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、
図1を参照して、実施の形態1に係るロボットアーム制御システム100Aの概略構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るロボットアーム制御システム100Aの構成を示す外観図である。ロボットアーム制御システム100Aは、コントローラ1Aと、コントローラ1Aによって制御されるロボットアーム2Aと、コントローラ1Aとロボットアーム2Aとを電気的に接続するケーブル3と、を備えている。
【0010】
ロボットアーム2Aは、互いに相対移動可能な複数のリンクを備えている。例えば、ロボットアーム2Aは、互いに相対移動可能な複数のリンクを備えている多関節のロボットアームである。具体的には、ロボットアーム2Aは、リンクL1と、リンクL1に対して移動可能に支持されているリンクL2と、リンクL2に対して移動可能に支持されているリンクL3と、リンクL3に対して移動可能に支持されているリンクL4と、リンクL4に対して移動可能に支持されているリンクL5と、リンクL5に対して移動可能に支持されているリンクL6と、リンクL6に対して移動可能に支持されているエンドエフェクタE1と、を備えている。また、ロボットアーム2Aは、リンクL1とリンクL2との間に関節J1が、リンクL2とリンクL3との間に関節J2が、リンクL3とリンクL4との間に関節J3が、リンクL4とリンクL5との間に関節J4が、リンクL5とリンクL6との間に関節J5が、リンクL6とエンドエフェクタE1との間に関節J6が、それぞれ形成されて、6軸のロボットアームとして構成されている。また、例えば、リンクL1は、ロボットアーム2Aを支持する支持台に固定されている。なお、リンクL1は、実施の形態1において、第1リンクを構成し、リンクL2は、実施の形態1において、第2リンクを構成する。
【0011】
次に、
図2を参照して、ロボットアーム制御システム100Aの詳細について説明する。
図2は、実施の形態1に係るロボットアーム制御システム100Aの構成を示す配線図である。
図2に示すように、コントローラ1Aは、ロボットアーム2Aを制御する制御部11と、ロボットアーム2Aに電力を供給する電源12と、を有している。例えば、制御部11は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。制御部11は、ロボットアーム2Aのドライバ回路へ制御信号を出力することで、ドライバ回路を介してロボットアーム2Aのモータを制御する。ドライバ回路及びモータの詳細は、後述する。なお、コントローラ1Aは、実施の形態1において、制御装置を構成し、電源12は、実施の形態1において、電力供給部を構成する。
【0012】
ロボットアーム2Aは、電源12から電力の供給を受けて各関節を駆動するための複数のモータと、制御部11からの制御信号に基づいて複数のモータのそれぞれを駆動させる複数のドライバ回路と、複数のモータからの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生回路21と、を有している。例えば、ロボットアーム2Aは、リンクL1に対してリンクL2を駆動するモータ23f、モータ23fを駆動させるドライバ回路22f、リンクL2に対してリンクL3を駆動するモータ23e、モータ23eを駆動させるドライバ回路22e、リンクL3に対してリンクL4を駆動するモータ23d、モータ23dを駆動させるドライバ回路22d、リンクL4に対してリンクL5を駆動するモータ23c、モータ23cを駆動させるドライバ回路22c、リンクL5に対してリンクL6を駆動するモータ23b、モータ23bを駆動させるドライバ回路22b、リンクL6に対してエンドエフェクタE1を駆動するモータ23a、及びモータ23aを駆動させるドライバ回路22aを有している(
図1参照)。なお、モータ23fは、実施の形態1において、駆動源及び第1駆動源を構成し、モータ23eは、実施の形態1において、第2駆動源を構成する。
【0013】
回生回路21は、直接又は間接的にモータ23a~23fとケーブルによって電気的に接続されている。このため、モータ23a~23fのいずれかのモータで回生電力が発生し、回生電力の電圧が電源12の電圧(以下「電源12の電圧」を「電源電圧」ともいう。)を超えると、当該モータからの回生電力が回生回路21に入力される。言い換えると、モータ23a~23fのいずれかのモータで回生電力が発生し、回生電力の電圧が電源電圧を超えると、回生電力による電流(以下「回生電力による電流」を「回生電流」ともいう。)が回生回路21に流れる。また、言い換えると、モータ23a~23fの全てのモータは、回生電力の電圧が電源電圧を超えると、回生電力を回生回路21に入力する。
【0014】
例えば、回生回路21は、コントローラ1Aとケーブル3によって電気的に接続され、ドライバ回路22fは、回生回路21とケーブルによって電気的に接続され、ドライバ回路22eは、ドライバ回路22fとケーブルによって電気的に接続され、ドライバ回路22dは、ドライバ回路22eとケーブルによって電気的に接続され、ドライバ回路22cは、ドライバ回路22dとケーブルによって電気的に接続され、ドライバ回路22bは、ドライバ回路22cとケーブルによって電気的に接続され、ドライバ回路22aは、ドライバ回路22bとケーブルによって電気的に接続されている。言い換えると、ドライバ回路22a~22f及び回生回路21は、互いにケーブルによって直列的に接続されている。なお、回生回路21は、実施の形態1において、回生電力消費回路を構成する。
【0015】
また、例えば、モータ23a~23fは、ドライバ回路22a~22fのうち対応するドライバ回路を介して回生回路21に接続されている。このように構成されている場合、モータ23a~23fのいずれかのモータが駆動中に当該モータへの電力供給が停止して、当該モータが減速する際、当該モータで回生電力が発生すると、ドライバ回路22a~22fのいずれか1つ又は複数のドライバ回路を介して、回生電力が回生回路21に入力される。回生回路21は、入力された回生電力を消費する。例えば、回生回路21は、入力された回生電力を熱エネルギーに変換することで消費する。
【0016】
回生回路21、ドライバ回路22a~22f及びモータ23a~23fは、ロボットアーム2Aの内部に配置されており、それぞれリンクL1~L6のいずれかに保持されている。例えば、回生回路21、ドライバ回路22f及びモータ23fは、リンクL1に保持されており、ドライバ回路22e及びモータ23eは、リンクL2に保持されており、ドライバ回路22d及びモータ23dは、リンクL3に保持されており、ドライバ回路22c及びモータ23cは、リンクL4に保持されており、ドライバ回路22b及びモータ23bは、リンクL5に保持されており、ドライバ回路22a及びモータ23aは、リンクL6に保持されている。
【0017】
次に、
図3を参照して、回生回路21について説明する。
図3は、実施の形態1に係る回生回路21を示す回路図である。
図3に示すように、回生回路21は、電源電圧の変化を検出する電圧検出回路C1と、回生抵抗R1と、を有している。電圧検出回路C1は、モータ23a~23fのいずれかのモータからの回生電力が入力されて、供給される電圧が電源電圧よりも上昇したことを検知すると、回生電流が回生抵抗R1に流れるように回生回路21の回路を切替える。回生回路21は、回生電力を回生抵抗R1で熱エネルギーに変換することによって、ケーブル3(
図2参照)を介さずに回生電力を消費する。なお、回生回路21と、モータ23a~23fのうち回生回路21との間の経路長が最も短いモータであるモータ23fと、の間の経路は、ケーブル3の長さよりも短いことが望ましい。また、回生回路21は、回生電力を消費することによって発生する熱を発散しやすくするため、ヒートシンク又はロボットアーム2Aの外装カバーと機械的に接続されていることが望ましい。
【0018】
以上、実施の形態1に係るロボットアーム2Aは、リンクL1と、リンクL1に対して移動可能なリンクL2と、電力の供給を受けてリンクL1に対してリンクL2を駆動するモータ23fと、リンクL1に保持されて、モータ23fからの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生回路21と、を備えている。このように構成されていることにより、実施の形態1に係るロボットアーム2Aは、例えば、ロボットアームと、ロボットアームの外部に設けられた回生回路と、がケーブルで接続されている場合と比較して、回生電力を発生させるモータと回生回路との間のケーブルを短くすることが可能になるので、ケーブル自体の抵抗によるロボットアーム2Aの電圧上昇を抑制することが可能になる。
【0019】
また、これにより、実施の形態1に係るロボットアーム2Aは、ケーブルを太くする、一般的なケーブルと比較して抵抗値の低い材料を使用したケーブルを使用する等、ケーブルの抵抗を抑制する対応が不要となり、部品選択の自由度の向上、及びコストアップの抑制が可能になる。また、実施の形態1に係るロボットアーム2Aにおいて、回生回路21がドライバ回路を介してモータと接続されている場合、ドライバ回路の電圧上昇を抑制することが可能になるので、ドライバ回路に使用する部品における部品選択の自由度の向上、及びコストアップの抑制が可能になる。
【0020】
なお、実施の形態1において、回生回路21は、入力された回生電力を回生抵抗R1で熱エネルギーに変換することによって消費するように構成されているが、これに限定されない。回生回路は、入力された回生電力を何らかの手段によって消費するように構成されていればよく、例えば、回生回路は、回生電力を回生回路が有する蓄電池に入力して回生電力を化学エネルギーに変換することによって消費するように構成されていてもよいし、回生電力をロボットアーム2Aの駆動や制御を行うために消費するように構成されていてもよい。
【0021】
また、実施の形態1において、回生回路21は、ケーブルによってコントローラ1A及びドライバ回路22fと接続されているが、これに限定されない。回生回路は、モータ23a~23fからの回生電力が入力されるように構成されていればよく、例えば、図示しない1枚のプリント配線板が回生回路とドライバ回路とを共に有していてもよいし、回生回路がドライバ回路を介してコントローラと間接的に接続されていてもよいし、ドライバ回路がコントローラに設けられていてもよい。
【0022】
また、実施の形態1において、回生回路21は、モータ23a~23fの全てのモータからの回生電力が入力されるように構成されているが、これに限定されない。回生回路は、複数のモータのうち少なくとも1つのモータからの回生電力が入力されるように構成されていればよく、例えば、回生回路は、1つのモータのみから回生電力が入力されるように構成されていてもよいし、ロボットアームが複数のモータのそれぞれに対応する複数の回生回路を有していてもよい。
【0023】
実施の形態2.
次に、
図4を参照して、実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bについて説明する。実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bは、実施の形態1に係るロボットアーム制御システム100Aと比較して、複数の回生回路を備えている点が異なるが、他の構成については同様であり、実施の形態1と同様の構成については、同一の名称又は同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
図4は、実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bの構成を示す配線図である。
図4に示すように、実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bは、コントローラ1Aと、コントローラ1Aによって制御されるロボットアーム2Bと、コントローラ1Aとロボットアーム2Bとを電気的に接続するケーブル3と、を備えている。
【0025】
ロボットアーム2Bは、電源12から電力の供給を受けて各関節を駆動するための複数のモータと、制御部11からの制御信号に基づいて複数のモータのそれぞれを駆動させる複数のドライバ回路と、複数のモータからの回生電力を消費するために回生電力が入力される複数の回生回路と、を有している。例えば、複数の回生回路は、複数のモータのそれぞれに対応して設けられており、各モータからの回生電力が互いに異なる回生回路に入力されるように構成されている。
【0026】
例えば、ロボットアーム2Bは、モータ23f、ドライバ回路22f、モータ23fからの回生電力が入力される回生回路21f、モータ23e、ドライバ回路22e、モータ23eからの回生電力が入力される回生回路21e、モータ23d、ドライバ回路22d、モータ23dからの回生電力が入力される回生回路21d、モータ23c、ドライバ回路22c、モータ23cからの回生電力が入力される回生回路21c、モータ23b、ドライバ回路22b、モータ23bからの回生電力が入力される回生回路21b、モータ23a、ドライバ回路22a、及びモータ23aからの回生電力が入力される回生回路21aを有している(
図1参照)。なお、回生回路21a~21fのそれぞれの構成は、実施の形態1に係る回生回路21と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
回生回路21a~21fは、それぞれ直接又は間接的に対応するモータ23a~23fとケーブルによって電気的に接続されている。このため、モータ23a~23fのいずれかのモータで回生電力が発生し、回生電力の電圧が電源電圧を超えると、当該モータからの回生電力が回生回路21a~21fのうち対応する回生回路に入力される。
【0028】
例えば、回生回路21fは、コントローラ1Aとケーブル3によって電気的に接続され、回生回路21fは、回生回路21eとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21eは、回生回路21dとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21dは、回生回路21cとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21cは、回生回路21bとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21bは、回生回路21aとケーブルによって電気的に接続されている。また、例えば、回生回路21a~21fは、それぞれドライバ回路22a~22fのうち対応するドライバ回路を介して、モータ23a~23fのうち対応するモータと接続されている。なお、回生回路21fは、実施の形態2において、第1回生電力消費回路を構成し、回生回路21eは、実施の形態2において、第2回生電力消費回路を構成する。
【0029】
回生回路21a~21f、ドライバ回路22a~22f及びモータ23a~23fは、ロボットアーム2Bの内部に配置されており、それぞれリンクL1~L6のいずれかに保持されている。例えば、回生回路21f、ドライバ回路22f及びモータ23fは、リンクL1に保持されており、回生回路21e、ドライバ回路22e及びモータ23eは、リンクL2に保持されており、回生回路21d、ドライバ回路22d及びモータ23dは、リンクL3に保持されており、回生回路21c、ドライバ回路22c及びモータ23cは、リンクL4に保持されており、回生回路21b、ドライバ回路22b及びモータ23bは、リンクL5に保持されており、回生回路21a、ドライバ回路22a及びモータ23aは、リンクL6に保持されている。
【0030】
以上、実施の形態2に係るロボットアーム2Bは、リンクL1と、リンクL1に対して移動可能なリンクL2と、電力の供給を受けてリンクL1に対してリンクL2を駆動するモータ23fと、リンクL1に保持されて、モータ23fからの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生回路21fと、リンクL2に対して移動可能なリンクL3と、電力の供給を受けてリンクL2に対してリンクL3を駆動するモータ23eと、リンクL2に保持されて、モータ23eからの回生電力を消費するために回生電力が入力される回生回路21eと、を備えている。このように構成されていることにより、実施の形態2に係るロボットアーム2Bは、例えば、モータからの回生電力を互いに異なるリンクに保持された複数の回生回路に分散させて消費することが可能になるので、ロボットアーム2Bの電圧上昇を抑制することが可能になる。
【0031】
また、実施の形態2に係るロボットアーム2Bにおいて、回生回路21a~21fが、それぞれドライバ回路22a~22fのうち対応するドライバ回路を介して、モータ23a~23fのうち対応するモータと接続されている場合、それぞれ対応する回生回路、ドライバ回路及びモータを互いに近傍に配置することで、各回生回路21a~21fと対応するモータ23a~23fとの間のケーブルを短くすることが可能になり、ロボットアーム2Bの電圧上昇を抑制することが可能になる。
【0032】
実施の形態3.
次に、
図5を参照して、実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cについて説明する。実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cは、実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bと比較して、コントローラによって複数の回生回路の有効状態と無効状態とを切替える点が異なるが、他の構成については同様であり、実施の形態2と同様の構成については、同一の名称又は同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図5は、実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cの構成を示す配線図である。
図5に示すように、実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cは、コントローラ1Cと、コントローラ1Cによって制御されるロボットアーム2Cと、コントローラ1Cとロボットアーム2Cとを電気的に接続するケーブル3と、を備えている。
【0034】
コントローラ1Cは、ロボットアーム2Cを制御する制御部11と、ロボットアーム2Cに電力を供給する電源12と、回生回路選択部13と、を有している。例えば、制御部11及び回生回路選択部13は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。制御部11は、ロボットアーム2Cのドライバ回路へ制御信号を出力することで、ドライバ回路を介してロボットアーム2Cのモータを制御する。回生回路選択部13の詳細は、後述する。
【0035】
ロボットアーム2Cは、電源12から電力の供給を受けて各関節を駆動するための複数のモータと、複数のモータのそれぞれを駆動させる複数のドライバ回路と、複数のモータからの回生電力を消費するために回生電力が入力される複数の回生回路と、を有している。複数の回生回路は、それぞれ直接又は間接的に複数のモータとケーブルによって電気的に接続されている。例えば、複数の回生回路は、複数のモータのそれぞれに対応して設けられており、各モータからの回生電力が互いに異なる回生回路に入力可能に構成されている。
【0036】
具体的には、ロボットアーム2Cは、モータ23f、ドライバ回路22f、ドライバ回路22fを介してモータ23fと接続されている回生回路24f、モータ23e、ドライバ回路22e、ドライバ回路22eを介してモータ23eと接続されている回生回路24e、モータ23d、ドライバ回路22d、ドライバ回路22dを介してモータ23dと接続されている回生回路24d、モータ23c、ドライバ回路22c、ドライバ回路22cを介してモータ23cと接続されている回生回路24c、モータ23b、ドライバ回路22b、ドライバ回路22bを介してモータ23bと接続されている回生回路24b、モータ23a、ドライバ回路22a、及びドライバ回路22aを介してモータ23aと接続されている回生回路24aを有している。
【0037】
例えば、回生回路21fは、コントローラ1Cとケーブル3によって電気的に接続され、回生回路21fは、回生回路21eとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21eは、回生回路21dとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21dは、回生回路21cとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21cは、回生回路21bとケーブルによって電気的に接続され、回生回路21bは、回生回路21aとケーブルによって電気的に接続されている。また、例えば、回生回路21a~21fは、それぞれドライバ回路22a~22fのうちいずれかのドライバ回路を介して、モータ23a~23fのうちいずれかのモータと接続されている。
【0038】
このように接続されて、モータ23a~23fのいずれかのモータで回生電力が発生し、回生電力の電圧が電源電圧を超えると、当該モータからの回生電力が回生回路21a~21fのうちいずれか1つ又は複数の回生回路に入力されるように構成されている。なお、回生回路24fは、実施の形態3において、第1回生電力消費回路を構成し、回生回路24eは、実施の形態3において、第2回生電力消費回路を構成する。
【0039】
回生回路24a~24fは、それぞれモータ23a~23fからの回生電力を消費可能な有効状態と、回生電力を消費しない無効状態と、の間で切替え可能となっている。回生回路24a~24fは、回生回路選択部13からの切替え信号によって有効状態と無効状態とが切替えられる。
【0040】
回生回路選択部13は、所定の契機に基づいて、回生回路24a~24fの有効状態と無効状態とを切替える切替え信号を出力する。例えば、回生回路選択部13は、モータ23a~23fの制御内容に応じて、回生回路24a~24fの有効状態と無効状態とを切替える切替え信号を出力する。言い換えると、回生回路選択部13は、制御部11からドライバ回路22a~22fに出力される制御信号に基づいて、回生回路24a~24fの有効状態と無効状態とを切替える切替え信号を出力する。
【0041】
例えば、回生回路選択部13は、制御部11からドライバ回路22a~22fに出力される制御信号に基づいて、モータ23a~23fのそれぞれにおいて回生電力の発生量を監視し、所定期間における回生電力の発生量が予め設定された所定のしきい値を超えたか否かを判定する。所定期間における回生電力の発生量が全てのモータで所定のしきい値を超えていない場合、回生回路選択部13は、全ての回生回路を有効状態とし、モータ23a~23fのそれぞれにおいて発生した回生電力を、回生回路24a~24fのうちモータとの回生電力の伝達経路が最も短い回生回路に入力して回生電力を消費させる。
【0042】
また、所定期間における回生電力の発生量がいずれかのモータで所定のしきい値を超えた場合、回生回路選択部13は、所定期間における回生電力の発生量が所定のしきい値を超えたモータとの回生電力の伝達経路が最も短い回生回路を無効状態とし、当該モータで発生した回生電力を、他の有効状態である回生回路に入力して消費させるように、回生回路24a~24fに対して切替え信号を出力する。このように構成されることで、実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cは、いずれかの回生回路に回生電力が集中することを抑制して、複数の回生回路における発熱を分散させることが可能になる。
【0043】
以上、実施の形態3に係るロボットアーム制御システム100Cは、回生回路24fと回生回路24eとは、互いに電気的に接続されており、モータ23fの制御内容に応じて、モータ23fからの回生電力を、回生回路24f及び回生回路24eのうちいずれの回生回路で消費するかを切替え可能に構成されている。これにより、回生電力による発熱を複数の回生回路に効果的に分散させることが可能になり、各回生回路の部品選択の自由度の向上、コストアップの抑制及びドライバ回路の動作安定性の向上を図ることが可能になる。
【0044】
なお、実施の形態3において、回生回路24a~24fは、所定期間における回生電力の発生量がモータ23a~23fのいずれかのモータで所定のしきい値を超えたか否かに基づいて、回生回路選択部13から出力された切替え信号によって、有効状態と無効状態とが切替えられるように構成されているが、これに限定されない。回生回路24a~24fは、回生電力による発熱を複数の回生回路に分散可能になるように、有効状態と無効状態とが切替えられるように構成されていればよい。一般に、多関節のロボットアームは、根元のリンク、即ちリンクL1に近いリンクを駆動するモータほど出力が大きくなっている。このため、例えば、複数の回生回路は、複数のモータの制御内容に基づいて、所定期間におけるロボットアーム全体の回生電力が所定のしきい値を超えた場合に、根元に近い1つ又は複数のモータに対応する回生回路を有効状態から無効状態に切替え可能であってもよいし、所定期間において根元のモータであるモータ23fの回生電力が所定のしきい値を超えた場合に、当該モータ23fに対応する回生回路を有効状態から無効状態に切替え可能であってもよく、回生回路の切替え態様については、多様な構成が考えられる。
【0045】
また、例えば、ロボットアームが複数のモータからの回生電力に基づく温度上昇を検知可能な温度センサを備えている場合、複数の回生回路は、当該温度センサの検知結果に基づいていずれの回生回路で回生電力を消費するかを切替え可能であってもよい。具体的には、ロボットアームが、モータ23f及びモータ23eの少なくとも一方からの回生電力に基づく温度上昇を検知可能な温度センサを備えている場合、当該温度センサの検知結果に基づいて、モータ23fからの回生電力を、回生回路24f及び回生回路24eのいずれの回生電力消費回路で消費するかを切替え可能となっていてもよい。なお、このような温度センサは、複数のモータのうち少なくとも1つのモータからの回生電力に基づく温度上昇を検知可能であればよく、複数の回生回路のそれぞれに対応して配置されていてもよいし、ロボットアームの主要部、例えば、入力される回生電力の電力量が最も大きい回生回路の近傍に配置されていてもよい。
【0046】
実施の形態4.
次に、
図6乃至
図8を参照して、実施の形態4に係るロボットアーム制御システム100Dについて説明する。実施の形態4に係るロボットアーム制御システム100Dは、実施の形態2に係るロボットアーム制御システム100Bと比較して、回生回路がドライバ回路と一体的に構成されている点、及び回生電力を消費する構成が異なるが、他の構成については同様であり、実施の形態2と同様の構成については、同一の名称又は同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図6は、実施の形態4に係るロボットアーム制御システム100Dの構成を示す配線図である。
図6に示すように、実施の形態4に係るロボットアーム制御システム100Dは、コントローラ1Aと、コントローラ1Aによって制御されるロボットアーム2Dと、コントローラ1Aとロボットアーム2Dとを電気的に接続するケーブル3と、を備えている。
【0048】
ロボットアーム2Dは、電源12から電力の供給を受けて各関節を駆動するための複数のモータと、複数のモータのそれぞれを駆動させてかつ複数のモータからの回生電力を消費するために回生電力が入力される複数のドライバ回路と、複数のリンク間の相対移動を制限可能なブレーキ26(
図7参照)と、を有している。複数のドライバ回路は、それぞれ直接又は間接的に複数のモータとケーブルによって電気的に接続されている。例えば、複数のドライバ回路は、複数のモータのそれぞれに対応して設けられており、各モータからの回生電力が互いに異なる回生回路に入力可能に構成されている。
【0049】
具体的には、ロボットアーム2Dは、モータ23f、モータ23fを駆動させかつモータ23fからの回生電力が入力されるドライバ回路25f、モータ23e、モータ23eを駆動させかつモータ23eからの回生電力が入力されるドライバ回路25e、モータ23d、モータ23dを駆動させかつモータ23dからの回生電力が入力されるドライバ回路25d、モータ23c、モータ23cを駆動させかつモータ23cからの回生電力が入力されるドライバ回路25c、モータ23b、モータ23bを駆動させかつモータ23bからの回生電力が入力されるドライバ回路25b、モータ23a、モータ23aを駆動させかつモータ23aからの回生電力が入力されるドライバ回路25aを有している。なお、ドライバ回路25fは、実施の形態4において、第1回生電力消費回路を構成し、ドライバ回路25eは、実施の形態4において、第2回生電力消費回路を構成する。
【0050】
図7は、実施の形態4に係るドライバ回路及びブレーキを示す回路図である。ブレーキ26は、電源12からの電力によって作動し、電源12から電力が供給されていない状態で複数のリンク間の相対移動を制限し、電源12から電力が供給されている状態で複数のリンク間の相対移動の制限を解除するブレーキ26を備えている。例えば、ブレーキ26は、電源12からの電力で作動するソレノイドアクチュエータ(不図示)によって、複数のリンク間の相対移動を制限する制限状態と、複数のリンク間の相対移動を許容する許容状態と、が切替えられる。なお、ブレーキは各関節にそれぞれ配置されて、全ての関節においてリンク間の相対移動を制限可能であることが望ましいが、一部の関節においてリンク間の相対移動を制限するものであってもよい。また、ブレーキ26は、実施の形態4において、移動制限部を構成する。
【0051】
また、実施の形態4に係るブレーキ26は、電源電圧よりも低い電圧で作動するように構成されている。このため、
図7に示すように、実施の形態4に係るドライバ回路25a~25fは、電源電圧を所定の電圧に降圧してブレーキ26に印加するためのブレーキ駆動回路C2を有している。例えば、ブレーキ駆動回路C2は、入力された電流をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)することで、ブレーキ26に印加する電圧(以下「ブレーキに印加する電圧」を「ブレーキ印加電圧」ともいう。)を調整する。なお、ブレーキ駆動回路C2は、実施の形態4において、電圧調整部を構成する。
【0052】
図8は、実施の形態4に係るドライバ回路25a~25fからブレーキ26への印加電圧を示すグラフである。
図8において、電源電圧をVdd、ブレーキ印加電圧をVb、電流のオン期間をTon、電流のオフ期間をToffとする。ブレーキ印加電圧Vbは、電源電圧Vdd、ブレーキ印加電圧Vb、電流のオン期間Ton、電流のオフ期間Toffを用いて、以下の式で表される。
Vb=Ton*Vdd/(Ton+Toff)
【0053】
また、ブレーキ26は、モータ23a~23fからの回生電力によっても作動する。例えば、ドライバ回路25a~25fは、モータ23a~23fからの回生電力が入力されると、回生電流がブレーキ26に流れるように、ブレーキ駆動回路C2によってドライバ回路25a~25fの回路を切替える。この際、ブレーキ駆動回路C2は、回生電力の電圧に応じて電流のオン期間Tonと電流のオフ期間Toffとの比であるデューティ比を調整して、ブレーキ26への印加電圧が適正な値となるようにする。
【0054】
ブレーキ26は、モータ23a~23fからの回生電力がドライバ回路25a~25fに入力されると、回生電力によって許容状態になる。言い換えると、ドライバ回路25a~25fは、モータ23a~23fからの回生電力をブレーキ26に供給することで消費している。
【0055】
以上、実施の形態4に係るロボットアーム2Dは、電力が供給されていない状態でリンクL1のリンクL2に対する移動を制限し、電力が供給されている状態でリンクL1のリンクL2に対する移動を許容するブレーキ26を備え、ドライバ回路25a~25fは、ブレーキ26に供給する回生電力の電圧を調整するブレーキ駆動回路C2を有し、ドライバ回路25a~25fは、入力されたモータ23a~23fからの回生電力をブレーキ26に供給する。
【0056】
このように構成されて、実施の形態4に係るロボットアーム2Dは、モータ23a~23fからの回生電力を有効利用することができる。また、実施の形態4に係るロボットアーム2Dは、仮に、モータ23a~23fからの回生電力が電源電圧よりも高い場合であっても、ブレーキ26へ印加される電圧を調整することで、ブレーキ26で無駄に回生電力が消費されることを抑制し、モータ23a~23fからの回生電力を有効利用することができる。
【0057】
なお、実施の形態4において、ドライバ回路25a~25fは、それぞれがブレーキ駆動回路C2を有しているように構成されているが、これに限らず、複数のドライバ回路のうちいずれか1つ又は複数のドライバ回路がブレーキ駆動回路を有していてもよいし、ドライバ回路と、回生電力消費回路としてのブレーキ回路と、は互いに独立した回路又は互いに独立したプリント配線板で構成されていてもよい。
【0058】
また、上述したいずれの実施の形態においても、ロボットアーム制御システムは、可撓性を有するケーブルの代わりに、プリント配線板に形成された配線パターン等、可撓性の低い配線が用いられていてもよいし、電力伝達経路以外の信号伝達経路においては、無線通信によって信号が伝達されるように構成されていてもよい。
【0059】
また、上述したいずれの実施の形態においても、ロボットアーム制御システムは、リンクL1~エンドエフェクタE1のうちいずれのリンクが第1リンクを構成していてもよいし、リンクL1~エンドエフェクタE1のうちいずれのリンクが第2リンクを構成していてもよいし、リンクL1~エンドエフェクタE1のうちいずれのリンクが第3リンクを構成していてもよい。また、上述したいずれの実施の形態においても、ロボットアーム制御システムは、いずれのモータが第1駆動源を構成していてもよいし、いずれのモータが第2駆動源を構成していてもよい。
【0060】
また、上述したいずれの実施の形態においても、ロボットアーム制御システムは、いずれの回生回路が第1回生電力消費回路を構成していてもよいし、いずれの回生回路が第2回生電力消費回路を構成していてもよい。
【0061】
また、上述したいずれの実施の形態においても、所定の回生回路と所定のドライバ回路とが1枚のプリント配線板に形成されていてもよいし、複数の回生回路及び複数のドライバ回路が1つのリンクに保持されていてもよいし、1つの回生回路に複数のドライバ回路及び複数のモータが並列的に接続されていてもよい。
【0062】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組合せ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1A,1C コントローラ(制御装置)
2A,2B,2C,2D ロボットアーム
3 ケーブル
11 制御部
12 電源(電力供給部)
13 回生回路選択部
21,21a,21b,21c,21d,21e,21f 回生回路(回生電力消費回路)
22a,22b,22c,22d,22e,22f ドライバ回路
23a,23b,23c,23d,23e,23f モータ(駆動源)
24a,24b,24c,24d,24e,24f, 回生回路(回生電力消費回路)
25a,25b,25c,25d,25e,25f ドライバ回路(回生電力消費回路)
26 ブレーキ(移動制限部)
100A,100B,100C,100D ロボットアーム制御システム
C1 電圧検出回路
C2 ブレーキ駆動回路(電圧調整部)
E1 エンドエフェクタ(リンク)
J1,J2,J3,J4,J5,J6 関節
L1,L2,L3,L4,L5,L6 リンク
R1 回生抵抗
Toff オフ期間
Ton オン期間
Vb ブレーキ印加電圧
Vdd 電源電圧