(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167413
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】取付構造体
(51)【国際特許分類】
F16B 37/02 20060101AFI20231116BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
F16B37/02 E
H02G3/04 087
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078584
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE02
(57)【要約】
【課題】被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収でき、被取付対象に取付構造体の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる取付構造体を提供する。
【解決手段】センタートンネルTに取り付けられるプロテクタ1であって、センタートンネルTに立設されたスタッドボルトSの中心軸Scを取付方向D1とする中央取付部6と、スタッドボルトSの中心軸Scに対して交差する方向を取付方向D2とする左方側取付部7及び右方側取付部8とが備えられ、中央取付部6は、スタッドボルトSを把持する一対の把持片62,63を有しており、一対の把持片62,63によって構成されるボルト把持箇所6Gが、取付方向D2に沿ってスタッドボルトSの把持位置を調整可能に構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付対象に取り付けられる取付構造体であって、
前記被取付対象に立設されたスタッドボルトの中心軸を第一取付方向とする第一取付部と、
前記スタッドボルトの中心軸に対して交差する方向を第二取付方向とする少なくとも一つの第二取付部とが備えられ、
前記第一取付部は、前記スタッドボルトを把持する一対の把持片を有しており、
一対の前記把持片によって構成されるボルト把持箇所が、前記第二取付方向に沿って前記スタッドボルトの把持位置を調整可能に構成された
取付構造体。
【請求項2】
一対の前記把持片のうち、少なくとも一方の前記把持片から、対向する他方の前記把持片に向かって突出して前記スタッドボルトのネジ部に係合するボルト係合爪が設けられた
請求項1に記載の取付構造体。
【請求項3】
両方の前記把持片に前記ボルト係合爪が設けられており、
一方の前記ボルト係合爪に対して他方の前記ボルト係合爪が、前記第一取付方向に前記ネジ部のピッチ長さの半分の値だけ変位した位置に設けられた
請求項2に記載の取付構造体。
【請求項4】
一対の前記把持片のうち、少なくとも一方の前記把持片における端縁部分から、対向する他方の前記把持片に向かって突出して前記スタッドボルトのネジ部を案内するボルト案内爪が設けられた
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の取付構造体。
【請求項5】
前記第一取付部が設けられた第一構造体部と、
前記第二取付部が設けられた第二構造体部と、
前記第一構造体部と前記第二構造体部を連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記第一取付方向及び前記第二取付方向に対して交差する方向を枢動軸として枢動可能に構成された
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の取付構造体。
【請求項6】
前記把持片に連設されて前記スタッドボルトの少なくとも一部を囲繞する壁部が設けられ、
前記壁部は、前記第一取付方向に前記スタッドボルトの先端部分を越える位置まで延設された
請求項1に記載の取付構造体。
【請求項7】
前記第二取付部は、前記第一取付方向及び前記第二取付方向に対して交差する方向に取付位置を調整可能に構成された
請求項1に記載の取付構造体。
【請求項8】
ワイヤーハーネスを保護するプロテクタである
請求項1に記載の取付構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被取付対象に取り付けられる取付構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被取付対象に取り付けられる取付構造体が知られている。例えば、自動車の車体を被取付対象としたプロテクタ等である。プロテクタは、ワイヤーハーネスを保護するとともにワイヤーハーネスの配索経路を規制する。
【0003】
ところで、このようなプロテクタにおいては、被取付対象に対する取付方向が取付部ごとに異なるものがある。例えば、車体のセンタートンネルを覆うように取り付けられるプロテクタにおいては、センタートンネルの上面部分に対する取付方向と側面部分に対する取付方向とが取付部ごとに異なっている(特許文献1参照)。
【0004】
このようなプロテクタにおいては、センタートンネルとプロテクタの互いの公差に起因して取付位置が合致せず、取付作業が困難になるという問題があった。また、センタートンネルに対してプロテクタの一部を取り付けた際に位置ズレが生じ、他の部分の取付作業がより困難になるという問題もあった。そこで、取付作業が容易となるプロテクタはもちろん、プロテクタを含む取付構造体が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収でき、被取付対象に取付構造体の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる取付構造体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、被取付対象に取り付けられる取付構造体であって、前記被取付対象に立設されたスタッドボルトの中心軸を第一取付方向とする第一取付部と、前記スタッドボルトの中心軸に対して交差する方向を第二取付方向とする少なくとも一つの第二取付部とが備えられ、前記第一取付部は、前記スタッドボルトを把持する一対の把持片を有しており、一対の前記把持片によって構成されるボルト把持箇所が、前記第二取付方向に沿って前記スタッドボルトの把持位置を調整可能に構成されたことを特徴としている。
【0008】
なお、本願発明における取付構造体とは、プロテクタのほか、いわゆるジャンクションボックスやコネクタホルダ、端子台等の被取付対象に取り付けられるものを広く含む概念である。また、本願発明における第二取付方向に沿ってとは、スタッドボルトの中心軸に沿う第一取付方向から視て、第二取付方向に対して平行となる方向と定義することができる。あるいはスタッドボルトの中心軸に対して垂直となる投影方向から視て、第二取付部に対して近接又は離間する方向とも定義できる。
【0009】
この発明により、被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収でき、被取付対象に取付構造体の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる。
詳述すると、本願発明に係る取付構造体においては、一対の把持片によって構成されるボルト把持箇所が、第二取付方向に沿ってスタッドボルトの把持位置を調整可能に構成されている。そのため、被取付対象と取付構造体の互いの公差に起因して取付位置が合致しなくても、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって交差を吸収できるため、容易に取付構造体を取り付けることが可能となる。また、スタッドボルトに第一取付部を取り付け、その後に第二取付部を取り付ける際に、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できるため、容易に取付構造体を取り付けることが可能となる。したがって、被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収でき、被取付対象に取付構造体の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる。
【0010】
この発明の態様として、一対の前記把持片のうち、少なくとも一方の前記把持片から、対向する他方の前記把持片に向かって突出して前記スタッドボルトのネジ部に係合するボルト係合爪が設けられてもよい。
【0011】
この発明により、第一取付方向に対しては、スタッドボルトのネジ部におけるネジ溝にボルト係合爪が嵌り込んで引っ掛かるため、取付構造体が第一取付方向に変位することを防止できる。他方で、第二取付方向に対しては、スタッドボルトのネジ部におけるネジ溝に沿ってボルト係合爪が移動可能であり、ネジ溝に対してボルト係合爪が引っ掛からないため、取付構造体が第二取付方向に変位することを担保できる。そのため、被取付対象と取付構造体の互いの公差に起因して取付位置が合致しなくても、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって交差を吸収できる。また、スタッドボルトに第一取付部を取り付け、その後に第二取付部を取り付ける際に、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できる。
【0012】
またこの発明の態様として、両方の前記把持片に前記ボルト係合爪が設けられており、一方の前記ボルト係合爪に対して他方の前記ボルト係合爪が、前記第一取付方向に前記ネジ部のピッチ長さの半分の値だけ変位した位置に設けられてもよい。
【0013】
この発明により、スタッドボルトのネジ部におけるネジ溝は、螺旋状に穿設されており、半回転ごとに1/2ピッチ分の長さで送られるところ、第一取付方向に対しては、一方のボルト係合爪に対して他方のボルト係合爪が、ピッチ長さの半分の値だけ変位した位置に設けられることにより、一条のネジ溝に対して対向する二つのボルト係合爪が同時に嵌り込んで引っ掛かることとなる。したがって、取付構造体が第一取付方向に変位することを確実に防止できる。他方で、第二取付方向に対しては、スタッドボルトのネジ部におけるネジ溝に沿ってボルト係合爪が移動可能であり、ネジ溝に対してこれらボルト係合爪が引っ掛からないため、取付構造体が第二取付方向に変位することを担保できる。そのため、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって交差を吸収できる。また、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できる。
【0014】
またこの発明の態様として、一対の前記把持片のうち、少なくとも一方の前記把持片における端縁部分から、対向する他方の前記把持片に向かって突出して前記スタッドボルトのネジ部を案内するボルト案内爪が設けられてもよい。
【0015】
この発明により、スタッドボルトに第一取付部を取り付ける際に、取付構造体の大凡の位置を定めることが可能となる。また、スタッドボルトの中心軸に対して垂直となる方向に取付構造体を移動させる際に、取付構造体が大きく変位することを規制できる。そのため、ボルト把持箇所によるスタッドボルトの把持位置をズラすことによって公差を吸収あるいは位置ズレを修正する際に、取付構造体に局所的な負荷が作用して破損等してしまうことを防止できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記第一取付部が設けられた第一構造体部と、前記第二取付部が設けられた第二構造体部と、前記第一構造体部と前記第二構造体部を連結する連結部とを有し、前記連結部は、前記第一取付方向及び前記第二取付方向に対して交差する方向を枢動軸として枢動可能に構成されてもよい。
【0017】
この発明により、被取付対象における所定面部分に第一構造体部を取り付けた後に、第一構造体部に対して第二構造体部を枢動させて他の所定面部分に第二構造体部を取り付けることが可能となる。例えば、被取付対象の上面部分に第一構造体部を取り付けた後に、第一構造体部に対して第二構造体部を枢動させて側面部分に第二構造体部を取り付けることが可能となる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記把持片に連設されて前記スタッドボルトの少なくとも一部を囲繞する壁部が設けられ、前記壁部は、前記第一取付方向に前記スタッドボルトの先端部分を越える位置まで延設されてもよい。
【0019】
この発明により、壁部にてスタッドボルトを取り囲むことができるため、取付構造体を取り付けた後の作業等において、スタッドボルトの先端部分に体の一部が接触したり衣服の一部が引っ掛かったりすることを防ぐことが可能となる。また、スタッドボルトの中心軸に沿う方向から覗き込まない限りスタッドボルトが見えないので、美観を向上させることも可能となる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記第二取付部は、前記第一取付方向及び前記第二取付方向に対して交差する方向に取付位置を調整可能に構成されてもよい。
この発明により、スタッドボルトを基準として第二取付部を取り付ける際に、被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収し、容易に取付構造体を取り付けることが可能となる。
【0021】
またこの発明の態様として、ワイヤーハーネスを保護するプロテクタであってもよい。
この発明により、被取付対象とプロテクタの互いの公差を吸収でき、被取付対象にプロテクタの一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となるプロテクタを提供できる。
【発明の効果】
【0022】
被取付対象と取付構造体の互いの公差を吸収でき、被取付対象に取付構造体の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる取付構造体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】車体に取り付けられた状態のプロテクタの斜視図。
【
図2】本体部に対して蓋部が開いた状態のプロテクタの斜視図。
【
図3】本体部に対して蓋部が閉じた状態のプロテクタの斜視図。
【
図4】
図3における矢印Vzの方向から視たプロテクタの平面図。
【
図5】
図4における領域Raを拡大したプロテクタの一部拡大図。
【
図7】スタッドボルトを把持した状態の
図5におけるA-A矢視断面図。
【
図8】
図4における領域Rbを拡大したプロテクタの一部拡大図。
【
図10】ファスナーを取り付けた状態の
図8におけるC-C矢視断面図。
【
図11】プロテクタの中央体部に設けられた蓋部を閉じる状況を示す説明図。
【
図12】プロテクタの左方体部ならびに右方体部に設けられた蓋部を閉じる状況を示す説明図。
【
図13】センタートンネルの上面部分にプロテクタの中央体部を取り付ける状況を示す説明図。
【
図14】センタートンネルの側面部分にプロテクタの左方体部ならびに右方体部を取り付ける状況を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
本願においては、全ての図面でプロテクタ1の方向を示している。詳しくは、矢印Fが前方側を示し、矢印Bが後方側を示し、矢印Lが左方側を示し、矢印Rが右方側を示している。そして、矢印Uが上方側を示し、矢印Dが下方側を示している。加えて、本願においては、前後方向をX、左右方向をY、上下方向をZとして説明する。
【0025】
図1は車体100に取り付けられた状態のプロテクタ1の斜視図である。
図2は本体部2に対して蓋部3が開いた状態のプロテクタ1の斜視図であり、
図3は本体部2に対して蓋部3が閉じた状態のプロテクタ1の斜視図である。そして、
図4は
図3における矢印Vzの方向から視たプロテクタ1の平面図である。
【0026】
また、
図5は
図4における領域Raを拡大したプロテクタ1の一部拡大図である。
図6は
図5におけるA-A矢視断面図であり、
図7はスタッドボルトSを把持した状態の
図5におけるA-A矢視断面図である。加えて、
図8は
図4における領域Rbを拡大したプロテクタ1の一部拡大図である。
図9は
図8におけるB-B矢視断面図であり、
図10はファスナー90を取り付けた状態の
図8におけるC-C矢視断面図である。
【0027】
さらに、
図11はプロテクタ1の中央体部1Cに設けられた蓋部3を閉じる状況を示す説明図である。
図11(a)は中蓋部31を閉じた状況を示し、
図11(b)はその左蓋部32と右蓋部33を閉じた状況を示している。加えて、
図12はプロテクタ1の左方体部1Lならびに右方体部1Rに設けられた蓋部3を閉じる状況を示す説明図である。
図12(a)は左方蓋部34と右方蓋部36を閉じた状況を示し、
図12(b)はその左端蓋部35と右端蓋部37を閉じた状況を示している。
【0028】
さらに、
図13はセンタートンネルTの上面部分にプロテクタ1の中央体部1Cを取り付ける状況を示す説明図である。
図13(a)はセンタートンネルTの上面部分に立設されたスタッドボルトSに中央取付部6を取り付ける前の状況を示し、
図13(b)は取り付けた後の状況を示している。加えて、
図14はセンタートンネルTの側面部分にプロテクタ1の左方体部1Lならびに右方体部1Rを取り付ける状況を示す説明図である。
図14(a)はセンタートンネルTの側面部分に穿設されたファスナー孔Hに左方側取付部7ならびに右方側取付部8を取り付ける前の状況を示し、
図14(b)は取り付けた後の状況を示している。
【0029】
図1に示すように、ワイヤーハーネスWは、プロテクタ1に挿通される。そして、プロテクタ1は、車体100の隆起部分であるセンタートンネルTを覆うように取り付けられる。こうして、プロテクタ1は、ワイヤーハーネスWを保護するとともにワイヤーハーネスWの配索経路を規制することができる。
【0030】
図1から
図3に示すように、プロテクタ1は、三つの本体部2が連結された構造とされている。それぞれの本体部2には、蓋部3が設けられており、蓋部3を枢動可能に連結する連結部4と、蓋部3を閉じた状態で係止する係止部5とが設けられている。また、プロテクタ1には、中央取付部6と左方側取付部7と右方側取付部8とが設けられている。
【0031】
なお、本願においては、プロテクタ1における左右方向Yの中央部分を中央体部1Cとし、中央体部1Cの左方側Lに連結された部分を左方体部1Lとし、中央体部1Cの右方側Rに連結された部分を右方体部1Rとして説明する。中央体部1Cの説明にあっては、本体部2を本体部2Cとし、蓋部3を蓋部3Cとし、連結部4を連結部4Cとし、係止部5を係止部5Cとする。左方体部1Lの説明にあっては、本体部2を本体部2Lとし、蓋部3を蓋部3Lとし、連結部4を連結部4Lとし、係止部5を係止部5Lとする。右方体部1Rの説明にあっては、本体部2を本体部2Rとし、蓋部3を蓋部3Rとし、連結部4を連結部4Rとし、係止部5を係止部5Rとする。
【0032】
まず、
図2から
図4を用いて、プロテクタ1の中央体部1Cについて説明する。中央体部1Cは、主に本体部2Cと蓋部3Cによって構成されている。また、中央体部1Cには、センタートンネルTの上面部分に立設されたスタッドボルトS(
図1参照)に取り付けられる中央取付部6が設けられている。中央取付部6については、後に詳しく説明する。
【0033】
本体部2Cは、底板部21と前板部22と後板部23とを有している。底板部21は、前後方向Xならびに左右方向Yに対して平行な板状部材とされており、その左右方向Yの中央部分にて前方側Fに拡幅されている。また、前板部22は、底板部21の前端縁に沿うように形成されており、後板部23は、底板部21の後端縁に沿うように形成されている。
【0034】
なお、中央体部1Cの中央部分には、前方側Fに向かって開放された開口部1aが形成されている。そして、かかる開口部1aから前方側Fに向かって底板部21ならびに前板部22の一部が延設されている。このようにしたのは、開口部1aを通るワイヤーハーネスWをテープ(図示せず)を用いて巻き留めるためである。但し、ワイヤーハーネスWを結束バンド等を用いて巻き留めるとしてもよい。
【0035】
蓋部3Cは、中蓋部31と左蓋部32と右蓋部33とを有している。中蓋部31は、後板部23の上端部分に連結された枢動自在の板状部材であり、かかる中蓋部31を閉じたときにはその先端部分が前板部22に嵌合する。また、左蓋部32は、中蓋部31の左端部分に枢動自在に連結されており、右蓋部33は、中蓋部31の右端部分に枢動自在に連結されている。
【0036】
なお、左蓋部32は、中蓋部31とともに枢動するその先端部分が前板部22に嵌合する形状とされ、その基端部分が後板部23に嵌合する形状とされている。また、右蓋部33も、中蓋部31とともに枢動するその先端部分が前板部22に嵌合する形状とされ、その基端部分が後板部23に嵌合する形状とされている。中蓋部31と左蓋部32は、連結部13によって連結され、中蓋部31と右蓋部33は、連結部14によって連結されている。
【0037】
連結部4Cは、本体部2Cに対して蓋部3Cを枢動可能に連結する。連結部4Cは、後板部23の上端部分における左右方向Yに沿う一部と、中蓋部31の基端部分における左右方向Yに沿う一部とを薄板でつないだ構成とされている。かかる薄板は、その板厚が後板部23及び中蓋部31に比べて薄く形成されており、左右方向Yに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、後板部23に対して中蓋部31を枢動可能としている(
図11(a)参照)。
【0038】
なお、中蓋部31と左蓋部32を連結する連結部13ならびに中蓋部31と右蓋部33を連結する連結部14も同様の構成とされている。つまり、連結部13は、その板厚が中蓋部31及び左蓋部32に比べて薄く形成されており、前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。また、連結部14も、その板厚が中蓋部31及び右蓋部33に比べて薄く形成されており、前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、中蓋部31に対して左蓋部32と右蓋部33を枢動可能としている(
図11(b)参照)。
【0039】
係止部5Cは、本体部2Cに対して蓋部3Cを閉じた状態で係止する。係止部5Cは、中蓋部31の先端部分に沿って設けられた係止片51(
図2参照)と、前板部22の上端部分に沿って設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。係止片51は、中蓋部31に対して垂直に設けれており、かかる係止片51に係止爪が形成されている。また、係止環52は、前板部22に連設された角筒部分を指し、前板部22に対して平行に延びる係止板を有している。このような構成により、中蓋部31を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0040】
なお、左蓋部32を閉じた状態で係止する係止部5Cならびに右蓋部33を閉じた状態で係止する係止部5Cも同様の構成とされている。つまり、左蓋部32を閉じた状態で係止する係止部5Cは、左蓋部32に設けられた係止片51(
図2参照)と、前板部22ならびに後板部23に設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。また、右蓋部33を閉じた状態で係止する係止部5Cは、右蓋部33に設けられた係止片51(
図2参照)と、前板部22ならびに後板部23に設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。このような構成により、左蓋部32ならびに右蓋部33を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0041】
次に、
図2から
図4を用いて、プロテクタ1の左方体部1Lについて説明する。左方体部1Lも、主に本体部2Lと蓋部3Lによって構成されている。また、左方体部1Lには、センタートンネルTの側面部分に穿設されたファスナー孔H(
図13及び14参照)に取り付けられる左方側取付部7が設けられている。左方側取付部7については、後に詳しく説明する。
【0042】
本体部2Lは、底板部24と前板部25と後板部26とを有している。底板部24は、センタートンネルTに取り付けられる前の状態において、前後方向Xならびに左右方向Yに対して平行な板状部材とされており、中央体部1Cと左方体部1Lを連結するプロテクタ連結部11に近接する部分から左斜め後方側に向かって斜めに延設されている。また、前板部25は、底板部24の前端縁に沿うように形成されており、後板部26は、底板部24の後端縁に沿うように形成されている。
【0043】
なお、左方体部1Lにおける左方側Lの末端部分には、左斜め後方側に向かって開放された開口部1bが形成されている。そして、かかる開口部1bから左斜め後方側に向かって底板部24ならびに前板部25の一部が延設されている。このようにしたのは、開口部1bを通るワイヤーハーネスWをテープ(図示せず)を用いて巻き留めるためである。但し、ワイヤーハーネスWを結束バンド等を用いて巻き留めるとしてもよい。
【0044】
蓋部3Lは、左方蓋部34と左端蓋部35とを有している。左方蓋部34は、前板部25の上端部分に連結された枢動自在の板状部材であり、かかる左方蓋部34を閉じたときにはその先端部分が後板部26に嵌合する。また、左端蓋部35は、左方蓋部34の左端部分に枢動自在に連結されている。
【0045】
なお、左端蓋部35は、左方蓋部34とともに枢動するその先端部分が後板部26に嵌合する形状とされ、その基端部分が前板部25に嵌合する形状とされている。左方蓋部34と左端蓋部35は、連結部15によって連結されている。
【0046】
連結部4Lは、本体部2Lに対して蓋部3Lを枢動可能に連結する。連結部4Lは、前板部25の上端部分における左右方向Yに沿う一部と、左方蓋部34の基端部分における左右方向Yに沿う一部とを薄板でつないだ構成とされている。かかる薄板は、その板厚が前板部25及び左方蓋部34に比べて薄く形成されており、左右方向Yに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、前板部25に対して左方蓋部34を枢動可能としている(
図12(a)参照)。
【0047】
なお、左方蓋部34と左端蓋部35を連結する連結部15も同様の構成とされている。つまり、連結部15は、その板厚が左方蓋部34及び左端蓋部35に比べて薄く形成されており、所定方向に沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、左方蓋部34に対して左端蓋部35を枢動可能としている(
図12(b)参照)。
【0048】
係止部5Lは、本体部2Lに対して蓋部3Lを閉じた状態で係止する。係止部5Lは、左方蓋部34の先端部分に沿って設けられた係止片51(
図2参照)と、後板部26の上端部分に沿って設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。係止片51は、左方蓋部34に対して垂直に設けれており、かかる係止片51に係止爪が形成されている。また、係止環52は、後板部26に連設された角筒部分を指し、後板部26に対して平行に延びる係止板を有している。このような構成により、左方蓋部34を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0049】
なお、左端蓋部35を閉じた状態で係止する係止部5Lも同様の構成とされている。つまり、左端蓋部35を閉じた状態で係止する係止部5Lは、左端蓋部35に設けられた係止片51(
図2参照)と、前板部25ならびに後板部26に設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。このような構成により、左端蓋部35を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0050】
ところで、前述したように、プロテクタ1の中央体部1Cと左方体部1Lは、プロテクタ連結部11によって連結されている。プロテクタ連結部11は、底板部21の左端部分における前後方向Xに沿う一部と、底板部24の右端部分における前後方向Xに沿う一部とを薄板でつないだ構成とされている。かかる薄板は、その板厚が底板部21及び底板部24に比べて薄く形成されており、前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、中央体部1Cに対して左方体部1Lを枢動可能としている(
図14(b)参照)。
【0051】
次に、
図2から
図4を用いて、プロテクタ1の右方体部1Rについて説明する。右方体部1Rも、主に本体部2Rと蓋部3Rによって構成されている。また、右方体部1Rにも、センタートンネルTの側面部分に穿設されたファスナー孔H(
図13及び14参照)に取り付けられる右方側取付部8が設けられている。右方側取付部8については、後に詳しく説明する。
【0052】
本体部2Rは、底板部27と前板部28と後板部29とを有している。底板部27は、センタートンネルTに取り付けられる前の状態において、前後方向Xならびに左右方向Yに対して平行な板状部材とされており、中央体部1Cと右方体部1Rを連結するプロテクタ連結部12に近接する部分から右斜め後方側に向かって斜めに延設されている。また、前板部28は、底板部27の前端縁に沿うように形成されており、後板部29は、底板部27の後端縁に沿うように形成されている。
【0053】
なお、右方体部1Rにおける右方側Rの末端部分には、右斜め後方側に向かって開放された開口部1cが形成されている。そして、かかる開口部1cから右斜め後方側に向かって底板部27ならびに前板部28の一部が延設されている。このようにしたのは、開口部1cを通るワイヤーハーネスWをテープ(図示せず)を用いて巻き留めるためである。但し、ワイヤーハーネスWを結束バンド等を用いて巻き留めるとしてもよい。
【0054】
蓋部3Rは、右方蓋部36と右端蓋部37とを有している。右方蓋部36は、前板部28の上端部分に連結された枢動自在の板状部材であり、かかる右方蓋部36を閉じたときにはその先端部分が後板部29に嵌合する。また、右端蓋部37は、右方蓋部36の右端部分に枢動自在に連結されている。
【0055】
なお、右端蓋部37は、右方蓋部36とともに枢動するその先端部分が後板部29に嵌合する形状とされ、その基端部分が前板部28に嵌合する形状とされている。右方蓋部36と右端蓋部37は、連結部16によって連結されている。
【0056】
連結部4Rは、本体部2Rに対して蓋部3Rを枢動可能に連結する。連結部4Rは、前板部28の上端部分における左右方向Yに沿う一部と、右方蓋部36の基端部分における左右方向Yに沿う一部とを薄板でつないだ構成とされている。かかる薄板は、その板厚が前板部28及び右方蓋部36に比べて薄く形成されており、左右方向Yに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、前板部28に対して右方蓋部36を枢動可能としている(
図12(a)参照)。
【0057】
なお、右方蓋部36と右端蓋部37を連結する連結部16も同様の構成とされている。つまり、連結部16は、その板厚が右方蓋部36及び右端蓋部37に比べて薄く形成されており、所定方向に沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、右方蓋部36に対して右端蓋部37を枢動可能としている(
図12(b)参照)。
【0058】
係止部5Rは、本体部2Rに対して蓋部3を閉じた状態で係止する。係止部5Rは、右方蓋部36の先端部分に沿って設けられた係止片51(
図2参照)と、後板部29の上端部分に沿って設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。係止片51は、右方蓋部36に対して垂直に設けれており、かかる係止片51に係止爪が形成されている。また、係止環52は、後板部29に連設された角筒部分を指し、後板部29に対して平行に延びる係止板を有している。このような構成により、右方蓋部36を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0059】
なお、右端蓋部37を閉じた状態で係止する係止部5Rも同様の構成とされている。つまり、右端蓋部37を閉じた状態で係止する係止部5Rは、右端蓋部37に設けられた係止片51(
図2参照)と、前板部28ならびに後板部29に設けられた係止環52(
図2参照)との組み合わせで構成されている。このような構成により、右端蓋部37を閉じると、係止片51が係止環52に挿入され、係止片51の係止爪が係止環52の係止板に引っ掛かることとなる。
【0060】
ところで、前述したように、プロテクタ1の中央体部1Cと右方体部1Rは、プロテクタ連結部12によって連結されている。プロテクタ連結部12は、底板部21の右端部分における前後方向Xに沿う一部と、底板部27の左端部分における前後方向Xに沿う一部とを薄板でつないだ構成とされている。かかる薄板は、その板厚が底板部21及び底板部27に比べて薄く形成されており、前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することを可能としている。このような構成により、中央体部1Cに対して右方体部1Rを枢動可能としている(
図14(b)参照)。
【0061】
次に、
図5から
図7を用いて、中央取付部6について説明する。中央取付部6は、プロテクタ1の中央体部1Cにおける左右方向Yの中央部分よりもやや左方側Lに設けられている。中央取付部6は、中央体部1Cを構成する前板部22から前方側Fに向かって延設されており、その前端部分にスタッドボルトSを把持するための把持構造60が設けられている。
【0062】
把持構造60は、角筒部61と、角筒部61の内側に設けられた一対の把持片62,63とで構成されている。角筒部61は、前板部22から延びるアーム部分に対して垂直に配置された前壁部611と、かかる前壁部611に対して所定間隔を隔てて平行に配置された後壁部612とを有している。また、角筒部61は、これらの壁部611,612をつなぐ左壁部613と右壁部614とを有している。
【0063】
把持片62は、前壁部611に連設されている。つまりは、前壁部611に一体的に形成されている。把持片62は、前壁部611の内面におけるやや下方側Dの位置から後斜め上方側に向かって延設されており、その先端部分が上方側Uに向かって折れ曲がった形状とされている。そのため、把持片62の先端部分には、後壁部612に対向する把持面62sが形成されている。また、把持片62の先端部分には、ボルト係合爪621と、一対のボルト案内爪622,623とが設けられている。
【0064】
ボルト係合爪621は、把持面62sから所定の長さ(前後方向Xの長さLa)となるように形成されている。また、ボルト係合爪621は、その先端面62tの幅方向の長さ(左右方向Yの長さLb)がスタッドボルトSの直径Sdよりも長く形成されており、その先端面62tの高さ方向の長さ(上下方向Zの長さLc)がスタッドボルトSのピッチ長さSpよりも長く形成されている。このように、先端面62tの上下方向Zの長さLcをピッチ長さSpよりも長くしたのは、スタッドボルトSのネジ溝にボルト係合爪621が完全に嵌り込むことを防ぎ、プロテクタ1の脱着時にボルト係合爪621が破損したり摩耗したりしないよう設計したものである。
【0065】
ボルト案内爪622は、把持面62sよりも左方側Lの端縁部分に設けられている。他方で、ボルト案内爪623は、把持面62sよりも右方側Rの端縁部分に設けられている。これらボルト案内爪622,623は、互いに対して左右対称とされており、把持面62sから所定の長さ(前後方向Xの長さLd)となるように形成されている。詳しくは、ボルト係合爪621の長さ(前後方向Xの長さLa)よりも長く、スタッドボルトSの直径Sdの半分の値(半径)よりも短く形成されている。また、これらボルト案内爪622,623は、その内面が上方側Uから視て円弧上に湾曲した形状とされており、把持面62sとこれらの内面とが段差なく滑らかにつながっている。
【0066】
把持片63は、後壁部612に連設されている。つまりは、後壁部612に一体的に形成されている。把持片63は、前壁部612の内面におけるやや下方側Dの位置から前斜め上方側に向かって延設されており、その先端部分が上方側Uに向かって折れ曲がった形状とされている。そのため、把持片63の先端部分には、前壁部611に対向する把持面63sが形成されている。また、把持片63の先端部分には、ボルト係合爪631と、一対のボルト案内爪632,633とが設けられている。
【0067】
ボルト係合爪631は、把持面63sから所定の長さ(前後方向Xの長さLa)となるように形成されている。また、ボルト係合爪631は、その先端面63tの幅方向の長さ(左右方向Yの長さLb)がスタッドボルトSの直径Sdよりも長く形成されており、その先端面63tの高さ方向の長さ(上下方向Zの長さLc)がスタッドボルトSのピッチ長さSpよりも長く形成されている。このように、先端面63tの上下方向Zの長さLcをピッチ長さSpよりも長くしたのは、スタッドボルトSのネジ溝にボルト係合爪631が完全に嵌り込むことを防ぎ、プロテクタ1の脱着時にボルト係合爪631が破損したり摩耗したりしないよう設計したものである。
【0068】
ボルト案内爪632は、把持面63sよりも左方側Lの端縁部分に設けられている。他方で、ボルト案内爪633は、把持面63sよりも右方側Rの端縁部分に設けられている。これらボルト案内爪632,633は、互いに対して左右対称とされており、把持面63sから所定の長さ(前後方向Xの長さLd)となるように形成されている。詳しくは、ボルト係合爪631の長さ(前後方向Xの長さLa)よりも長く、スタッドボルトSの直径Sdの半分の値(半径)よりも短く形成されている。また、これらボルト案内爪632,633は、その内面が上方側Uから視て円弧上に湾曲した形状とされており、把持面63sとこれらの内面とが段差なく滑らかにつながっている。
【0069】
このように、中央取付部6は、一対の把持片62,63によってボルト把持箇所6Gを構成している。つまり、一対の把持片62,63によってスタッドボルトSを挟み込むボルト把持箇所6Gを構成している。ボルト把持箇所6Gは、左右方向Yに長いため、スタッドボルトSの把持位置を左右にズラすことを可能としている。また、ボルト把持箇所6Gにおける左方側Lの端縁部分には、ボルト案内爪622,632が設けられ、ボルト把持箇所6Gにおける右方側Rの端縁部分には、ボルト案内爪623,633が設けられている。ボルト把持箇所6Gは、左方側Lに設けられたボルト案内爪622,632が互いに近接し、右方側Rに設けられたボルト案内爪623,633も互いに近接するため、上方側Uから視て略長円形状とされている。
【0070】
加えて、把持片62は、前後方向Xに把持片63の対象形状とされているものの、把持片63よりもスタッドボルトSのピッチ長さSpの半分の値だけ下方側Dに変位した位置に設けられている。換言すると、把持片63は、前後方向Xに把持片62の対象形状とされているものの、把持片62よりもスタッドボルトSのピッチ長さSpの半分の値だけ上方側Uに変位した位置に設けられている。そのため、スタッドボルトSのネジ部における螺旋状に形成されたネジ溝に対し、把持片62のボルト係合爪621と把持片63のボルト係合爪631とが同時に引っ掛かることとなる。このとき、それぞれの把持片62,63は、スタッドボルトSを把持することによって上方側Uに向かって僅かに開くように変形するため、ボルト係合爪621の先端面62tにおける下端縁とボルト係合爪631の先端面63tにおける下端縁とが同時に引っ掛かることとなる。また、把持片62と把持片63は、前後方向Xに対象形状であることから、互いに等しい力でスタッドボルトSを把持することができ、プロテクタ1が傾斜しない。
【0071】
次に、
図8から
図10を用いて、左方側取付部7ならびに右方側取付部8について説明する。左方側取付部7と右方側取付部8は、互いに対して左右対称であることから、主に左方側取付部7について説明し、必要に応じて右方側取付部8を説明する。左方側取付部7は、プロテクタ1の左方体部1Lを構成する後板部26から後方側Bに向かって延設されており、その後端部分に設けられた取付構造70にファスナー90が取り付けられている。
【0072】
取付構造70は、角筒部71と、角筒部71の内側に設けられた一対の支持片72,73とで構成されている。角筒部71は、後板部26から延びるアーム部分に対して垂直に配置された前壁部711と、かかる前壁部711に対して所定間隔を隔てて平行に配置された後壁部712とを有している。また、角筒部71は、これらの壁部711,712をつなぐ左壁部713と右壁部714とを有している。
【0073】
支持片72は、前壁部711と右壁部714に連設されている。つまりは、前壁部711と右壁部714に一体的に形成されている。支持片72は、これら壁部711,714の内面における下端部分からそれぞれに対して垂直に延設されており、前壁部711に対して平行に形成された後端部分が上方側Uに向かって折れ曲がった形状とされている。そのため、支持片72の後端部分には、後壁部712に対向する規制面72sが形成されている。かかる規制面72sは、後述する規制面73sに対して所定間隔を隔てて平行とされている。
【0074】
支持片73は、後壁部712と右壁部714に連設されている。つまりは、後壁部712と右壁部714に一体的に形成されている。支持片73は、これら壁部712,714の内面における下端部分からそれぞれに対して垂直に延設されており、後壁部712に対して平行に形成された前端部分が上方側Uに向かって折れ曲がった形状とされている。そのため、支持片73の前端部分には、前壁部711に対向する規制面73sが形成されている。かかる規制面73sは、前述した規制面72sに対して所定間隔を隔てて平行とされている。
【0075】
ファスナー90は、台座部91と、台座部91の上方側Uに設けられたクリップ部92と、台座部91の下方側Dに設けられたアンカー部93とで構成されている。台座部91は、前後方向Xならびに左右方向Yに対して平行な板状部材とされており、その上面には右側端部から左側端部まで直線状に延びた突板部911を有している。そのため、取付構造70にファスナー90を取り付けるべく、支持片72と支持片73の上面に台座部91を沿わせながら押し込んでいくと、それぞれの支持片72,73の間に突板部911が嵌め込まれることとなる。
【0076】
クリップ部92は、台座部91に連設されている。つまりは、台座部91に一体的に形成されている。クリップ部92は、台座部91の右端部分から左端部分に向かって台座部91に覆い被さるように延設されており、その中途部分から先端部分にかけて形成された二つのスリット92sの間に係止爪部921を有している。係止爪部921は、台座部91から徐々に離間する方向に傾斜しており、さらには徐々に厚さを増す形状とされている。そのため、取付構造70にファスナー90を取り付けるべく、支持片72と支持片73の上面に台座部91を沿わせながら押し込んでいくと、左壁部713の内面に係止爪部921が引っ掛かることとなる。
【0077】
アンカー部93も、台座部91に連設されている。つまりは、台座部91に一体的に形成されている。アンカー部93は、台座部91に対して垂直に立設され、センタートンネルTのファスナー孔H(
図14参照)に挿入される挿入軸部931を有している。また、挿入軸部931の先端部分には、略楔状に形成された係止爪部932が設けられており、挿入軸部931の基端部分には、略円板状に形成された支持板部933が設けられている。係止爪部932は、センタートンネルTの裏面に引っ掛かり、挿入軸部931が抜け出すことを防止する。支持板部933は、センタートンネルTの表面に当接して付勢力を発揮し、挿入軸部931が傾いてしまうことを防止する。
【0078】
このように、左方側取付部7は、スタッドボルトSを囲繞する角筒部71を有しており、角筒部71を構成する各壁部711~714がスタッドボルトSの先端部分を越える位置まで延設されている。これは、右方側取付部8についても同様である。すなわち、右方側取付部8も、スタッドボルトSを囲繞する角筒部を有しており、角筒部を構成する各壁部がスタッドボルトSの先端部分を越える位置まで延設されている。
【0079】
加えて、左方側取付部7は、一対の支持片72,73を有しており、これら支持片72,73にファスナー90が取り付けられている。そして、ファスナー90は、僅かながらも前後方向Xに変位することを可能とされている。つまり、ファスナー90は、前述した突板部911が支持片72に形成された規制面72sに当接する位置から支持片73に形成された規制面73sに当接する位置まで、前後方向Xに変位することを可能とされている。これは、右方側取付部8についても同様である。すなわち、右方側取付部8も、一対の支持片を有しており、これら支持片にファスナーが取り付けられている。そして、ファスナーは、僅かながらも前後方向Xに変位することを可能とされている。
【0080】
次に、
図11及び
図12を用いて、プロテクタ1にワイヤーハーネスWを収容する手順について説明する。
図11及び
図12には、それぞれの蓋部3の動きを表す矢印M1~M4を付している。
【0081】
まず、
図11(a)に示すように、中蓋部31を閉じる(矢印M1参照)。最初に中蓋部31を閉じることで、前述した開口部1aを通るワイヤーハーネスWを保持できるからである。そして、
図11(b)に示すように、左蓋部32と右蓋部33を閉じる(矢印M2参照)。これら蓋部32,33を閉じる際には、中蓋部31から延びるワイヤーハーネスWを適宜に伸ばし案内することで、ワイヤーハーネスWが絡まったり突っ張ったりすることを防止できる。
【0082】
その後、
図12(a)に示すように、左方蓋部34と右方蓋部36を閉じる(矢印M3参照)。こうすることで、プロテクタ1の中央体部1Cから延出されたワイヤーハーネスWを保持できるからである。そして、
図12(b)に示すように、左端蓋部35と右端蓋部37を閉じる(矢印M4参照)。これら蓋部35,37を閉じる際には、左方蓋部34から延びるワイヤーハーネスWならびに右方蓋部36から延びるワイヤーハーネスWを適宜に伸ばし案内することで、ワイヤーハーネスWが絡まったり突っ張ったりすることを防止できる。
【0083】
次に、
図13及び
図14を用いて、センタートンネルTにプロテクタ1を取り付ける手順について説明する。
図13及び
図14には、プロテクタ1及びプロテクタ1の左方体部1Lと右方体部1Rの動きを表す矢印M5,M6を付している。
【0084】
まず、
図13(a)及び
図13(b)に示すように、センタートンネルTに立設されたスタッドボルトSに対してプロテクタ1を取り付ける(矢印M5参照)。より詳しくは、センタートンネルTの上面部分に立設されたスタッドボルトSに対してプロテクタ1の中央体部1Cを取り付ける。このとき、スタッドボルトSの中心軸Scを取付方向D1として同方向から中央取付部6の一対の把持片62,63を嵌め合わせることで、かかるスタッドボルトSを把持することができる(
図7参照)。スタッドボルトSの中心軸Scは、上下方向Zに沿っている。
【0085】
その後、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、センタートンネルTに穿設されたファスナー孔Hに対してプロテクタ1を取り付ける(矢印M6参照)。より詳しくは、プロテクタ1の中央体部1Cに対して左方体部1Lを枢動させ、センタートンネルTの左側面部分に穿設されたファスナー孔Hに対して左方体部1Lを取り付け、プロテクタ1の中央体部1Cに対して右方体部1Rを枢動させ、センタートンネルTの右側面部分に穿設されたファスナー孔Hに対してプロテクタ1の右方体部1Rを取り付ける。このとき、スタッドボルトSの中心軸Scに対して交差する方向であるファスナー孔Hの貫通方向を取付方向D2として同方向からファスナー90を嵌め込むことで、それぞれのファスナー孔Hに取り付けることができる。ファスナー孔Hの貫通方向は、スタッドボルトSの中心軸Scに沿う方向(上下方向Z)から視て、左右方向Yとされている。
【0086】
以上のように、本実施形態に係るプロテクタ1は、センタートンネルTに取り付けられるものであって、センタートンネルTに立設されたスタッドボルトSの中心軸Scを取付方向D1とする中央取付部6と、スタッドボルトSの中心軸Scに対して交差する方向を取付方向D2とする左方側取付部7及び右方側取付部8とが備えられ、中央取付部6は、スタッドボルトSを把持する一対の把持片62,63を有しており、一対の把持片62,63によって構成されるボルト把持箇所6Gが、取付方向D2に沿ってスタッドボルトSの把持位置を調整可能に構成されている。換言すると、スタッドボルトSの中心軸Scに沿う取付方向D1から視て、取付方向D2に対して平行となる左右方向YにスタッドボルトSの把持位置を調整可能に構成されている。あるいはスタッドボルトSの中心軸Scに対して垂直となる前後方向Xから視て、左方側取付部7及び右方側取付部8に対して近接又は離間する左右方向YにスタッドボルトSの把持位置を調整可能に構成されている。
【0087】
このようなプロテクタ1によれば、センタートンネルTとプロテクタ1の互いの公差を吸収でき、センタートンネルTにプロテクタ1の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる。
詳述すると、本願発明に係るプロテクタ1においては、一対の把持片62,63によって構成されるボルト把持箇所6Gが、取付方向D2に沿ってスタッドボルトSの把持位置を調整可能に構成されている。そのため、センタートンネルTとプロテクタ1の互いの公差に起因して取付位置が合致しなくても、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって交差を吸収できるため、容易にプロテクタ1を取り付けることが可能となる。また、スタッドボルトSに中央取付部6を取り付け、その後に左方側取付部7及び右方側取付部8を取り付ける際に、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できるため、容易にプロテクタ1を取り付けることが可能となる。したがって、センタートンネルTとプロテクタ1の互いの公差を吸収でき、センタートンネルTにプロテクタ1の一部を取り付けた際の位置ズレを修正でき、ひいては取付作業が容易となる。
【0088】
また、本実施形態に係るプロテクタ1においては、一方の把持片62(63)から、対向する他方の把持片63(62)に向かって突出してスタッドボルトSのネジ部に係合するボルト係合爪621,631が設けられている。
【0089】
このようなプロテクタ1によれば、取付方向D1に対しては、スタッドボルトSのネジ部におけるネジ溝にボルト係合爪621,631が嵌り込んで引っ掛かるため、プロテクタ1が取付方向D1に変位することを防止できる。他方で、取付方向D2に対しては、スタッドボルトSのネジ部におけるネジ溝に沿ってボルト係合爪621,631が移動可能であり、ネジ溝に対してボルト係合爪621,631が引っ掛からないため、プロテクタ1が取付方向D2に変位することを担保できる。そのため、センタートンネルTとプロテクタ1の互いの公差に起因して取付位置が合致しなくても、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって交差を吸収できる。また、スタッドボルトSに中央取付部6を取り付け、その後に左方側取付部7及び右方側取付部8を取り付ける際に、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できる。
【0090】
また、本実施形態に係るプロテクタ1において、一方のボルト係合爪621(631)に対して他方のボルト係合爪631(621)が、取付方向D1にネジ部のピッチ長さSpの半分の値だけ変位した位置に設けられている。
【0091】
このようなプロテクタ1によれば、スタッドボルトSのネジ部におけるネジ溝は、螺旋状に穿設されており、半回転ごとに1/2ピッチ分の長さで送られるところ、取付方向D1に対しては、一方のボルト係合爪621(631)に対して他方のボルト係合爪631(621)が、ピッチ長さSpの半分の値だけ変位した位置に設けられることにより、一条のネジ溝に対して対向する二つのボルト係合爪621,631が同時に嵌り込んで引っ掛かることとなる。したがって、プロテクタ1が取付方向D1に変位することを確実に防止できる。他方で、取付方向D2に対しては、スタッドボルトSのネジ部におけるネジ溝に沿ってボルト係合爪621,631が移動可能であり、ネジ溝に対してこれらボルト係合爪621,631が引っ掛からないため、プロテクタ1が取付方向D2に変位することを担保できる。そのため、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって交差を吸収できる。また、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって位置ズレを修正できる。
【0092】
また、本実施形態に係るプロテクタ1においては、一方の把持片62(63)における端縁部分から、対向する他方の把持片63(62)に向かって突出してスタッドボルトSのネジ部を案内するボルト案内爪622,623,632,633が設けられている。
【0093】
このようなプロテクタ1によれば、スタッドボルトSに中央取付部6を取り付ける際に、プロテクタ1の大凡の位置を定めることが可能となる。また、スタッドボルトSの中心軸Scに対して垂直となる方向にプロテクタ1を移動させる際に、プロテクタ1が大きく変位することを規制できる。そのため、ボルト把持箇所6GによるスタッドボルトSの把持位置をズラすことによって公差を吸収あるいは位置ズレを修正する際に、プロテクタ1に局所的な負荷が作用して破損等してしまうことを防止できる。
【0094】
また、本実施形態に係るプロテクタ1においては、中央取付部6が設けられた中央体部1Cと、左方側取付部7が設けられた左方体部1Lと、右方側取付部8が設けられた右方体部1Rと、中央体部1Cと左方体部1Lを連結するプロテクタ連結部11と、中央体部1Cと右方体部1Rを連結するプロテクタ連結部12とを有し、プロテクタ連結部11,12は、取付方向D1及び取付方向D2に対して交差する方向を枢動軸として枢動可能に構成されている。
【0095】
このようなプロテクタ1によれば、センタートンネルTの上面部分に中央体部1Cを取り付けた後に、中央体部1Cに対して左方体部1Lを枢動させてセンタートンネルTの側面部分に左方側取付部7を取り付けることが可能となる。同様に、センタートンネルTの上面部分に中央体部1Cを取り付けた後に、中央体部1Cに対して右方体部1Rを枢動させてセンタートンネルTの側面部分に右方側取付部8を取り付けることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態に係るプロテクタ1においては、把持片62,63に連設されてスタッドボルトSの少なくとも一部を囲繞する壁部(前壁部611、後壁部612、左壁部613、右壁部614)が設けられ、壁部(前壁部611、後壁部612、左壁部613、右壁部614)は、取付方向D1にスタッドボルトSの先端部分を越える位置まで延設されている。
【0097】
このようなプロテクタ1によれば、壁部(前壁部611、後壁部612、左壁部613、右壁部614)にてスタッドボルトSを取り囲むことができるため、プロテクタ1を取り付けた後の作業等において、スタッドボルトSの先端部分に体の一部が接触したり衣服の一部が引っ掛かったりすることを防ぐことが可能となる。また、スタッドボルトSの中心軸Scに沿う方向から覗き込まない限りスタッドボルトSが見えないので、美観を向上させることも可能となる。
【0098】
また、本実施形態に係るプロテクタ1において、左方側取付部7及び右方側取付部8は、取付方向D1及び取付方向D2に対して交差する方向に取付位置を調整可能に構成されている。
このようなプロテクタ1によれば、スタッドボルトSを基準として左方側取付部7及び右方側取付部8を取り付ける際に、センタートンネルTとプロテクタ1の互いの公差を吸収し、容易にプロテクタ1を取り付けることが可能となる。
【0099】
この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
取付構造体はプロテクタ1に対応し、
連結部はプロテクタ連結部11に対応し、
連結部はプロテクタ連結部12に対応し、
第一構造体部はプロテクタ1の中央体部1Cに対応し、
第二構造体部はプロテクタ1の左方体部1Lと右方体部1Rに対応し、
第一取付部は中央取付部6に対応し、
把持片は把持片62,63に対応し、
ボルト係合爪はボルト係合爪621,631に対応し、
ボルト案内爪はボルト案内爪622,623,632,633に対応し、
壁部は前壁部611と後壁部612と左壁部613と右壁部614に対応し、
ボルト把持箇所はボルト把持箇所6Gに対応し、
第二取付部は左方側取付部7と右方側取付部8に対応し、
第一取付方向は取付方向D1に対応し、
第二取付方向は取付方向D2に対応し、
スタッドボルトはスタッドボルトSに対応し、
スタッドボルトの中心軸は中心軸Scに対応し、
スタッドボルトのピッチ長さはピッチ長さSpに対応し、
被取付対象はセンタートンネルTに対応し、
ワイヤーハーネスはワイヤーハーネスWに対応するも、
この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0100】
例えば、本願の発明は、センタートンネルTを覆うよう取り付けられるプロテクタ1を対象としているが、その他の取付構造体であってもよい。もちろん、被取付対象は、センタートンネルTでなくてもよい。また、プロテクタ1は、左右方向Yの中央部分に中央体部1Cが設けられ、その両側に左方体部1Lと右方体部1Rが設けられた構成であるが、左方体部1Lと右方体部1Rのいずれか一方が設けられた構成であってもよい。さらに、左方側取付部7及び右方側取付部8は、それぞれファスナー90が前後方向Xに変位することを可能とされているが、前後方向Xに長い長穴を介してボルト等を挿通する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…プロテクタ
11…プロテクタ連結部
12…プロテクタ連結部
1C…プロテクタの中央体部
1L…プロテクタの左方体部
1R…プロテクタの右方体部
6…中央取付部
61…角筒部
611…前壁部
612…後壁部
613…左壁部
614…右壁部
62…把持片
621…ボルト係合爪
622…ボルト案内爪
623…ボルト案内爪
63…把持片
631…ボルト係合爪
632…ボルト案内爪
633…ボルト案内爪
6G…ボルト把持箇所
7…左方側取付部
8…右方側取付部
D1…第一取付方向
D2…第二取付方向
S…スタッドボルト
Sc…スタッドボルトの中心軸
Sp…スタッドボルトのピッチ長さ
T…センタートンネル
W…ワイヤーハーネス