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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167443
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20231116BHJP
   H01H 13/04 20060101ALI20231116BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01H13/14 B
H01H13/04 B
H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078631
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】坂 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 史織
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS05H
5G206AS05N
5G206AS10H
5G206AS10N
5G206AS35Q
5G206GS24
5G206GS27
5G206HS16
5G206HU03
5G206HW19
5G206RS04
5G206RS24
(57)【要約】
【課題】入力装置の薄型化。
【解決手段】押圧操作される操作体110と、操作体110が押圧操作されることにより動作するスイッチ102が搭載される基板120と、操作体110が刺し通される貫通孔103を有するカバー130と、カバー130に対し操作体110の移動を案内する案内手段140と、を備え、案内手段140は、押圧方向に延在するガイド部191と、ガイド部191に案内されて移動するスライド部192と、を備え、操作体110は、ガイド部191、およびスライド部192の一方を備え、カバー130は、ガイド部191、およびスライド部192の他方を備える入力装置100。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧操作される操作体と、
前記操作体が押圧操作されることにより動作するスイッチが搭載される基板と、
前記操作体が刺し通される貫通孔を有するカバーと、
前記カバーに対し前記操作体の移動を案内する案内手段と、を備え、
前記案内手段は、
前記操作体の押圧方向に延在するガイド部と、
前記ガイド部に案内されて移動するスライド部と、を備え、
前記操作体は、前記ガイド部、および前記スライド部の一方を備え、
前記カバーは、前記ガイド部、および前記スライド部の他方を備える
入力装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記カバーに取り付けられ、平面視において、前記貫通孔の外周よりも外側に位置し、前記操作体の押圧方向に延在する柱状であり、
前記スライド部は、前記操作体に取り付けられ、前記ガイド部が刺し通される挿通孔を有する環形状である
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記基板には、第一光源、および第二光源が搭載され、
前記操作体は、
前記第一光源に基づく光を透過する第一透過部を備える第一操作体、および前記第二光源に基づく光を透過する第二透過部を備える第二操作体を含み、
前記カバーは、
隣り合う前記第一操作体、および前記第二操作体がそれぞれ刺し通される第一貫通孔、第二貫通孔を有し、
前記第一貫通孔と前記第二貫通孔との間から前記操作体の押圧方向に突出し、前記第一操作体と前記第二操作体との間に延在する遮光壁を備える
請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記遮光壁は、
前記第一操作体から前記第二操作体に向かって陥凹し、前記第一操作体の移動を案内する案内手段である第一案内手段の少なくとも一部を収容する第一陥凹部と、
前記第二操作体から前記第一操作体に向かって陥凹し、前記第二操作体の移動を案内する案内手段である第二案内手段の少なくとも一部を収容する第二陥凹部と、
を備える請求項3に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者に操作される入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を操舵するために運転者が操作するステアリングホイールなどの操作部材に、運転者の入力を受け付ける入力装置が取り付けられる場合がある。入力装置は、例えば車両内の音量を調整するスイッチ、クルーズコントロールシステムのオン、オフを行うスイッチなどである。
【0003】
特許文献1には、入力装置の構造の一例が記載されている。具体的に特許文献1に記載のステアリングホイール用スイッチ装置は、パッド、パッドに固定されるスイッチ基板、スイッチ基板上に設けられたスイッチを押圧操作する操作ボタン、操作ボタンをその押圧操作方向に変位可能に支持する支持部および該支持部をスイッチ基板に対して相対変位不能に固定する本体部分を有したホルダ、ホルダに装着される保持枠等により構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-154437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今の車両においては、ステアリング周辺に運転者が操作するスイッチなどの入力装置が多く取り付けられる傾向にあり、入力装置の裏側に配線などのスペースを確保することができる薄型の入力装置が望まれている。ところが、従来の入力装置では、部品点数が多く、入力装置全体の薄型化に限界があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、部品点数を削減して薄型化が実現される入力装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の1つである入力装置は、押圧操作される操作体と、前記操作体が押圧操作されることにより動作するスイッチが搭載される基板と、前記操作体が刺し通される貫通孔を有するカバーと、前記カバーに対し前記操作体の移動を案内する案内手段と、を備え、前記案内手段は、前記操作体の押圧方向に延在するガイド部と、前記ガイド部に案内されて移動するスライド部と、を備え、前記操作体は、前記ガイド部、および前記スライド部の一方を備え、前記カバーは、前記ガイド部、および前記スライド部の他方を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数を削減して入力装置を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】入力装置を示す斜視図である。
図2】入力装置を分解して示す斜視図である。
図3】カバーを裏側から示す平面図である。
図4】カバーと、第二操作体とを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る入力装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0011】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。また、図中に示す場合があるX軸、Y軸、Z軸は、図の説明のために任意に設定した直交座標を示している。つまりZ軸は、鉛直方向に沿う軸とは限らず、X軸、Y軸は、水平面内に存在するとは限らない。
【0012】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0013】
図1は、入力装置100を示す斜視図である。図2は、入力装置100を分解して示す斜視図である。入力装置100は、運転者の押圧操作を受け付けて電気的信号を出力する装置であって、操作体110と、基板120と、カバー130と、案内手段140と、を備えている。本実施の形態の場合、入力装置100は、光源150と、付勢部材160と、裏蓋170と、を備えている。入力装置100が取り付けられる場所は、特に限定されるものではなく、ステアリング周りのダッシュボードに取り付けられてもかまわない。本実施の形態の場合、入力装置100は、操作部材であるステアリングホイールのスポーク部分に埋め込まれた状態で取り付けられる。
【0014】
操作体110は、車両の運転者などに押圧操作されるいわゆるボタンである。本実施の形態の場合、操作体110は、車両内の運転者側から車両の前方に向かって押圧操作される。入力装置100は、操作体110として、第一操作体111と、第二操作体112と、第三操作体113と、を備えている。第一操作体111、第二操作体112、および第三操作体113は、押圧方向(図中Z軸方向)が揃うように一軸方向(図中X軸方向)に並んで配置されている。第一操作体111、第二操作体112、および第三操作体113には、光源150から放射される光を透過する第一透過部114、第二透過部115、第三透過部116がそれぞれ設けられている。第一透過部114、第二透過部115、第三透過部116は、相互に異なる意匠が施されており、夜間などにおける運転者などの視認性の向上を図っている。
【0015】
基板120は、操作体110が押圧操作されることにより動作するスイッチ102が搭載され、スイッチ102、光源150などとコネクタ124とを電気的に連結する配線が設けられたいわゆる回路基板である。
【0016】
本実施の形態の場合、基板120には、複数の操作体110に対応して第一スイッチ121、第二スイッチ122、第三スイッチ123が搭載されている。より具体的には、第一操作体111に対応して第一スイッチ121が搭載され、第二操作体112に対応して第二スイッチ122が搭載され、第三操作体113に対応して第三スイッチ123が搭載されている。スイッチ102の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では機械式のスイッチ102が採用されている。なお、スイッチ102は、接触式であってもよいし、非接触式(例えば、静電式など)でもよい。
【0017】
また、基板120には、第一操作体111の第一透過部114に光を照射する光源150である第一光源151、第二操作体112の第二透過部115に光を照射する光源150である第二光源152、および第三操作体113の第三透過部116に光を照射する光源150である第三光源153、が搭載されている。光源150の種類は、限定されるものではないが、例えばLED(Light Emitting Diode)を例示することができる。第一光源151、第二光源152、および第三光源153は、同じ色を照射してもよく、異なる色を照射してもかまわない。
【0018】
カバー130は、操作体110が刺し通される貫通孔103を有する部材である。カバー130は、運転者などが視認できる表層部分に配置され、操作体110以外の入力装置100を覆って、基板120などが視認されることを防止している。本実施の形態の場合、カバー130には、貫通孔103として、一列に並んで配置される複数の(三個の)操作体110である第一操作体111、第二操作体112、および第三操作体113がそれぞれ刺し通されるように配置された第一貫通孔131、第二貫通孔132、第三貫通孔133が設けられている。より具体的には、第一操作体111が刺し通されるように配置された第一貫通孔131、第二操作体112が刺し通されるように配置された第二貫通孔132、および第三操作体113が刺し通されるように配置された第三貫通孔133、が設けられている。カバー130は、全体視としては箱形状であり、付勢部材160、基板120、および案内手段140を収容する筐体としても機能している。
【0019】
案内手段140は、カバー130に対し操作体110の押圧方向(図中Z軸方向)の往復移動を案内する機構である。具体的に案内手段140は、操作体110の押圧方向に延在するガイド部191と、ガイド部191に案内されて移動するスライド部192と、を備えている。(図4参照)
【0020】
本実施の形態の場合、ガイド部191は、カバー130と一体的に成形され、操作体110の押圧方向に延在する円柱状となっている。スライド部192は、操作体110と一体的に成形され、ガイド部191が刺し通される挿通孔193を有する円形の環形状(円筒形状)である。なお、操作体110の1つ(例えば、第二操作体112)に対し、ガイド部191とスライド部192とはそれぞれ4つ備えられる。
【0021】
なお、スライド部192の挿通孔193の直径は、ガイド部191の円柱の底面の直径よりも、大きくなるように形成されている。具体的には、スライド部192と一体的に形成される操作体110が押圧方向(図中Z軸方向)へ移動可能であり、押圧方向と直交する方向(図中X軸方向およびY軸方向)への移動を規制できるように、挿通孔193の直径は、ガイド部191の円柱の底面の直径よりも、大きくなるように形成されており、例えば、挿通孔193の直径は、ガイド部191の円柱の底面の直径よりも0.1mm大きい。案内手段140の詳細については後述する。
【0022】
また、カバー130は、第一貫通孔131と第二貫通孔132との間から操作体110の押圧方向の基板120側(図中Z軸マイナス方向)に突出し、第一操作体111と第二操作体112との間に延在する遮光壁である第一遮光壁134、および第二貫通孔132と第三貫通孔133との間から操作体110の押圧方向の基板120側(図中Z軸マイナ方向)に突出し、第二操作体112と第三操作体113との間に延在する遮光壁である第二遮光壁135を備えている。
【0023】
第一遮光壁134は、入力装置100を平面視した場合における操作体110の並び方向(図中X軸方向)と交差する方向(図中Y軸方向)において、筐体状のカバー130の一方の内面(図中Y軸プラス方向の内面)から対向する他方の内面(図中Y軸マイナス方向の内面)に至るまで延在する板状の部分であり、後述する付勢部材160に第一遮光壁134の押圧方向の基板120側(図中Z軸マイナス方向)の端面全体が当接するように押圧方向の基板120側(図中Z軸マイナス方向)へ突出している。第二遮光壁135の形態も同様である。第一遮光壁134は、第一光源151から照射される光が第一操作体111以外の領域(例えば、第二貫通孔132)に漏れ出ることを低減している。また、第二光源152から照射される光が第二操作体112以外の領域(例えば、第一貫通孔131)に漏れ出ることも低減している。第二遮光壁135は、第二光源152から照射される光が第二操作体112以外の領域(例えば、第三貫通孔133)に漏れ出ることを低減している。また、第三光源153から照射される光が第三操作体113以外の領域(例えば、第二貫通孔132)に漏れ出ることも低減している。
【0024】
図3は、カバー130を裏側から示す平面図である。同図に示すように、第一遮光壁134は、第一操作体111が刺し通される第一貫通孔131から第二操作体112が刺し通される第二貫通孔132に向かって陥凹し、第一操作体111の移動を案内する案内手段140である第一案内手段141の少なくとも一部を収容する第一陥凹部181と、第二操作体112が刺し通される第二貫通孔132から第一操作体111が刺し通される第一貫通孔131に向かって陥凹し、第二操作体112の移動を案内する案内手段140である第二案内手段142の少なくとも一部を収容する第二陥凹部182と、を備えている。同様に、第二遮光壁135は、第二操作体112が刺し通される第二貫通孔132から第三操作体113が刺し通される第三貫通孔133に向かって陥凹し、第二操作体112の移動を案内する案内手段140である第二案内手段142の少なくとも一部を収容する第三陥凹部183と、第三操作体113が刺し通される第三貫通孔133から第二操作体112が刺し通される第二貫通孔132に向かって陥凹し、第三操作体113の移動を案内する案内手段140である第三案内手段143の少なくとも一部を収容する第四陥凹部184と、を備えている。なお、入力装置100が組み立てられた状態においては、第一陥凹部181は、第一操作体111から第二操作体112に向かって陥凹しているとも言え、第二陥凹部182は、第二操作体112から第一操作体111に向かって陥凹しているとも言え、第三陥凹部183は、第二操作体112から第三操作体113に向かって陥凹しているとも言え、第四陥凹部184は、第三操作体113から第二操作体112に向かって陥凹しているとも言える。
【0025】
貫通孔の並び方向(図中X軸方向)および操作体110の押圧方向(図中Z軸方向)に直交する遮光壁の延在方向(図中Y軸方向)において、第一陥凹部181と第二陥凹部182とは重ならないように並んで配置されている。同様に第三陥凹部183と第四陥凹部184とも遮光壁の延在方向において重ならないように並んで配置されている。
【0026】
本実施の形態の場合、第一操作体111の移動を案内する案内手段140である4つの第一案内手段141は、ガイド部191とスライド部192との組をそれぞれ有し、4つの第一案内手段141のうちの第二貫通孔132側の2つの第一案内手段141は、操作体110の並び方向(図中X軸方向)において、第一陥凹部181の内側に少なくとも一部が配置される。
【0027】
第二操作体112の移動を案内する案内手段140である4つの第二案内手段142は、ガイド部191とスライド部192との組をそれぞれ有し、4つの第二案内手段142のうちの第一貫通孔131側の2つの第二案内手段142は、操作体110の並び方向(図中X軸方向)において、第二陥凹部182の内側に少なくとも一部が配置され、4つの第二案内手段142のうちの第三貫通孔133側の2つの第二案内手段142は、操作体110の並び方向(図中X軸方向)において、第三陥凹部183の内側に少なくとも一部が配置される。
【0028】
第三操作体113の移動を案内する案内手段140である4つの第三案内手段143は、ガイド部191とスライド部192との組をそれぞれ有し、4つの第三案内手段143のうちの第二貫通孔132側の2つの第三案内手段143は、操作体110の並び方向(図中X軸方向)において、第四陥凹部184の内側に少なくとも一部が配置される。
【0029】
なお、上述の通り、スライド部192が有する挿通孔193にガイド部191が刺し通される。
【0030】
これにより、遮光壁の延在方向(図中Y軸方向)において、第二貫通孔132側の第一案内手段141が刺し通されるスライド部192が移動する領域と第一貫通孔131側の第二案内手段142が刺し通されるスライド部192が移動する領域を重ねることができ、第一操作体111と第二操作体112との距離を短くすることができる。また、第三貫通孔133側の第二案内手段142が刺し通されるスライド部192が移動する領域と第二貫通孔132側の第三案内手段143が刺し通されるスライド部192が移動する領域とを重ねることができ、第二操作体112と第三操作体113との距離を短くすることができる。
【0031】
図4は、カバー130と、第二操作体112とを示す斜視図である。なお、カバー130は、図中のX軸を中心として90度回転させた状態で示されている。案内手段140は、カバー130に対し操作体110の押圧方向(図中Z軸方向)の往復移動を案内する機構である。具体的に案内手段140は、操作体110の押圧方向に延在するガイド部191と、ガイド部191に案内されて移動するスライド部192と、を備えている。
【0032】
本実施の形態の場合、ガイド部191は、カバー130に固定的に取り付けられ、平面視において、貫通孔103の外周よりも外側に位置し、操作体110の押圧方向に延在する円柱状となっている。なお、ガイド部191は、カバー130と樹脂により一体に成形されている。スライド部192は、押圧方向(図中Z軸方向)に直交する面において、操作体110の外周縁に取り付けられ、図4中の一点鎖線で示すようにガイド部191が刺し通される挿通孔193を有する円形の環形状(円筒形状)である。なお、スライド部192は、操作体110と樹脂により一体に成形されている。カバー130にガイド部191を設け、操作体110にスライド部192を設けることで、カバー130、操作体110のそれぞれの樹脂成形の容易化を図ることが可能となる。
【0033】
第二操作体112は、外周縁の四箇所にスライド部192を一体に備えており、カバー130は、第二操作体112の四つのスライド部192にそれぞれ対応する位置に四本のガイド部191を一体に備えている。なお、図4には、第二操作体112を示しているが、第一操作体111、および第三操作体113も同様にそれぞれ四つのスライド部192を一体に備え、カバー130はこれらのスライド部192に対応する位置にそれぞれ四本のガイド部191を備えている。
【0034】
付勢部材160は、運転者などによる操作体110の押下により変形し、押下が解除されると復元力により操作体110を元の位置に押し戻す付勢力を発揮しうる部材である。本実施形態の場合、付勢部材160は、可撓性、復元性を兼ね備えた樹脂(天然ゴム含む)製の部材であり、筐体状のカバー130を封止できる板状の部材である。付勢部材160のスイッチ102に対応する部分には、頂上部に突起の付いたドーム状の付勢部106が設けられており、操作体110を押し戻す付勢力は、主として付勢部106により発生している。なお、付勢部106は、第一スイッチ121に対応する第一付勢部161、第二スイッチ122に対応する第二付勢部162、および第三スイッチ123に対応する第三付勢部163を備えている。また、付勢部材160には、案内手段140のスライド部192が挿入されるスライド穴164、およびカバー130の遮光壁の途中に設けられる位置決めピン136(図3図4参照)が差し込まれる位置決め穴165が設けられる。これらの穴はいずれも有底の穴であり、付勢部材160を貫通していない。この付勢部材160により、操作体110とカバー130との隙間からの水分の侵入を付勢部材160で阻止することができ、電気配線が施される基板120を水分から保護できる。
【0035】
なお、光源150に対応する付勢部材160の部分は薄くなっており、光源150から放射される光が透過できるものとなっている。
【0036】
裏蓋170は、カバー130と係合して基板120を所定の位置に支持し、付勢部材160をカバー130に押し付ける部材である。カバー130の貫通孔103に操作体110を挿入して案内手段140のスライド部192にガイド部191を刺し通し、付勢部材160、基板120をカバー130内に配置して裏蓋170をカバー130に取り付けることで、一つの入力装置100が完成する。
【0037】
本実施の形態に係る入力装置100によれば、カバー130に一体に設けられたガイド部191に案内されてスライド部192が動作し、スライド部192と一体の操作体110が往復動する。したがって、カバー130とは別部品として、操作体110を支持し、案内するための特別な部品を省略することができ、入力装置100全体として部品点数を削減することができ、入力装置100を薄型化することができる。
【0038】
また、隣り合う操作体110の間に遮光壁が配置できる程度の隙間を設け、カバー130がこの隙間を覆うことで、カバー130から突出する複数の操作体110を指で区別しやすくなり、運転中であっても運転者が視認することなく目的の操作体110を押下することができる。
【0039】
また、遮光壁により目的とする透過部以外から光が漏れ出ることを低減することにより、入力装置100全体の意匠性を向上させることができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0041】
例えば、カバー130にスライド部192、操作体110にガイド部191を設けてもかまわない。
【0042】
また、円柱状のガイド部191を例示したが、ガイド部191の形状は限定されるものではなく、角柱などでもかまわない。
【0043】
また、円筒状のスライド部192を例示したが、スライド部192は、ガイド部191に案内されるものなら限定されるものではなく、閉じた環状でなくてもかまわない。
【0044】
また、カバー130を封止可能な付勢部材160を例示したが、付勢部材160を備えなくてもかまわない。また、スイッチ102の内部に付勢部材が設けられてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る入力装置は、自動車、トラック、バス、建設機械、農業機械などの車両におけるマンマシンインターフェースとして利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
100 入力装置
102 スイッチ
103 貫通孔
106 付勢部
110 操作体
111 第一操作体
112 第二操作体
113 第三操作体
114 第一透過部
115 第二透過部
116 第三透過部
120 基板
121 第一スイッチ
122 第二スイッチ
123 第三スイッチ
124 コネクタ
130 カバー
131 第一貫通孔
132 第二貫通孔
133 第三貫通孔
134 第一遮光壁
135 第二遮光壁
136 ピン
140 案内手段
141 第一案内手段
142 第二案内手段
143 第三案内手段
150 光源
151 第一光源
152 第二光源
153 第三光源
160 付勢部材
164 スライド穴
165 位置決め穴
170 裏蓋
181 第一陥凹部
182 第二陥凹部
183 第三陥凹部
184 第四陥凹部
191 ガイド部
192 スライド部
193 挿通孔
図1
図2
図3
図4