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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167501
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/01 20060101AFI20231116BHJP
   G01G 23/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G01G23/01 Z
G01G23/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078743
(22)【出願日】2022-05-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】都甲 哲児
(57)【要約】
【課題】より正確に測定対象物の重量を測定することができる測定装置を提供する。
【解決手段】容器90に取り付け可能な測定装置100が提供される。測定装置は、容器の重さを測定するための重量センサ130と、容器ごと測定装置が持ち上げられてから再び置かれたときに重量センサで容器の重さを測定するための制御部110と、測定結果を送信するための通信アンテナ160と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付け可能な測定装置であって、
前記容器の重さを測定するための重量センサと、
前記容器ごと前記測定装置が持ち上げられてから再び置かれたときに前記重量センサで前記容器の重さを測定するための制御部と、
測定結果を送信するための通信アンテナと、を備える測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記容器が持ち上げられている間に、前記重量センサを零点補正する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記容器が持ち上げられている間に、前記容器と前記重量センサとの間に隙間が生じるように構成されている、請求項1または2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記容器を前記重量センサから離れた位置に保持するための構成をさらに備える、請求項1または2に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定装置の姿勢を測定するための姿勢センサをさらに備え、
前記制御部は、前記姿勢センサの測定値に基づいて、前記測定装置が水平になった場合に前記重量センサを零点補正する、請求項1または2に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定装置の姿勢を測定するための姿勢センサをさらに備え、
前記制御部は、前記測定結果の送信の後に前記重量センサと前記通信アンテナをスリープさせ、前記姿勢センサの測定値に基づいて振動または移動を検知した場合に、前記重量センサと前記通信アンテナを起動する、請求項1または2に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の重量を測定するための測定装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器の重量を測定するための測定装置が知られている。たとえば、特開平11-83610号公報(特許文献1)には、秤量器、秤量器の付加装置、および秤量器付き細分収納装置が開示されている。特許文献1によると、計量対象の計量物が載置されたままの計量台を、昇降機構によって押し上げて、センサを無負荷状態にして、制御部に備えられたゼロ点調節手段でゼロ点調節する。ゼロ点調節後には、昇降機構によって計量台を降下させてセンサに載せて計量物の重さを測定して表示器に表示する。
【0003】
また、特開2003-214931号公報(特許文献2)には、電子はかりが開示されている。特許文献2によると、二つの歪ゲージ式荷重センサの固定柱が電子はかりの基部に固定されるとともに、可動柱が荷重受けによって結合され、この荷重受けに計量皿が取り付けられている。この荷重センサのクリープ量を別々に測定しておき、それぞれのクリープ量を相殺するように加算係数を設定し、その加算係数を用いてそれぞれの荷重センサ出力を加算して重量値とする。したがって、歪ゲージを荷重センサのロバーバル機構に貼着した後、容易にクリープの補正を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-83610号公報
【特許文献2】特開2003-214931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より正確に容器の重量を測定することができる測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある態様に従うと、容器に取り付け可能な測定装置が提供される。測定装置は、容器の重さを測定するための重量センサと、容器ごと測定装置が持ち上げられてから再び置かれたときに重量センサで容器の重さを測定するための制御部と、測定結果を送信するための通信アンテナと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、より正確に容器の重量を測定することができる測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態にかかる測定装置を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる測定装置の構成を示す側面断面図である。
図3】第1の実施の形態にかかる測定装置の構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施の形態にかかる、容器と測定装置とがテーブルなどに置かれており、容器が載置台に乗っている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図5】第1の実施の形態にかかる、容器ごと測定装置が持ち上げられて、容器が載置台から離れている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図6】第1の実施の形態にかかる測定装置の凸部の第1の例を示す斜視図と天面図と側面図である。
図7】第1の実施の形態にかかる測定装置の凸部の第2の例を示す斜視図と天面図と側面図である。
図8】第1の実施の形態にかかる測定装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
図9】第1の実施の形態にかかる測定装置を含むネットワークシステムを示すイメージ図である。
図10】第2の実施の形態にかかる測定装置を示す側面断面図である。
図11】第3の実施の形態にかかるテープを示す側面図と、テープを巻き付けた容器を示す斜視図である。
図12】第3の実施の形態にかかる、容器と測定装置とがテーブルなどに置かれており、容器が載置台に乗っている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図13】第3の実施の形態にかかる、容器ごと測定装置が持ち上げられて、容器が載置台から離れている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。別の測定装置の平面図である。
図14】第4の実施の形態にかかる、容器と測定装置とがテーブルなどに置かれており、容器が載置台に乗っている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図15】第4の実施の形態にかかる、容器ごと測定装置が持ち上げられて、容器が載置台から離れている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図16】第4の実施の形態にかかる測定装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
図17】第5の実施の形態にかかる測定装置の側面断面図である。
図18】第5の実施の形態にかかる、容器と測定装置とがテーブルなどに置かれており、容器が載置台に乗っている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。
図19】第5の実施の形態にかかる、容器ごと測定装置が持ち上げられて、容器が載置台から離れている状態を示す測定装置と容器の下部とを示す側面断面図である。別の測定装置の平面図である。
図20】第5の実施の形態にかかる測定装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
【0010】
本実施の形態にかかる測定装置100は、図1に示すように、上方から容器90を差し込んで使用するものである。容器90としては、飲食物や調味料などを内包するものであって、たとえば上端の蓋を開けることによって内容物を出すことができるものである。測定装置100は、容器90の重量を測定することによって、対象となるユーザの摂取量や使用料を測定するものである。
【0011】
図2および図3を参照して本実施の形態にかかる測定装置100の全体構成について説明する。本実施の形態にかかる測定装置100は、主に、下部ベース101と、載置台102と、制御部110と、重量測定用のロードセル130と、無線通信モジュール160と、6軸センサ170と、近接センサ180と、バッテリー190を含むものである。
【0012】
下部ベース101は、側面断面視において、略U字状に形成される。下部ベース101は、下記の各種部材を搭載する。
【0013】
下部ベース101の内側には、上方から容器90が載置されるための載置台102が配置される。載置台102の下方にはロードセル130が配置されている。ロードセル130は、載置台102に置かれた容器90の重量を測定して、制御部110に入力する。
【0014】
制御部110は、プロセッサ111や、メモリ112や、時計や、タイマなどを含む。プロセッサ111は、メモリ112に格納されているプログラムを実行することによって測定装置100の各部を制御する。メモリ112は、制御プログラムや、ロードセル130による測定結果や測定日時や識別情報などを記憶する。
【0015】
無線通信モジュール160は、制御部110の指示に従って、ルータや、キャリア網や、インターネットや外部のサーバなどとの間でデータを送受信する。
【0016】
6軸センサ170は、各方向の加速度や角速度を測定して測定結果を制御部110に入力する。制御部110は、6軸センサ170からの信号に基づいて、測定装置100の姿勢や傾きや振動や揺れを検知して、それらをトリガーにして各種の処理を実行する。
【0017】
近接センサ180は、赤外線やレーザを照射したり、反射光を検知したりすることによって、載置台102の直上方に物体があるか否かの判断結果を制御部110に入力する。制御部110は、近接センサ180からのデータに基づいて、載置台102の上面に容器90が接しているか否かを認識することができる。
【0018】
そして、特に本実施の形態においては、図4に示すように、下部ベース101の内側面には、内側に向けた凸部103が形成されている。そして、容器90の外側面にも、容器90を載置台102に当接させた状態で、凸部103と対向する位置に、凹部92が形成されている。
【0019】
これによって、図4に示すように、ユーザが容器90を持ち上げると、容器90の底面が載置台102から離れると共に、凹部92の下端部に、凸部103の下端部が引っかかることによって、測定装置100も一緒に持ち上がるように構成される。つまり、容器90の重さが載置台102にかかっていない状態で、測定装置100が容器90にぶら下がって移動することになる。
【0020】
本実施の形態においては、このように、容器90の重さが載置台102にかかっていない状態で、制御部110が、ロードセル130の零点補正を実行するものである。
【0021】
その後、ユーザが容器90ごと測定装置100を机やテーブルに載置すると、容器90の凹部92の下端部が測定装置100の凸部103の下端部から離れると共に、容器90の底面が載置台102に当接する。つまり、容器90の重さが載置台102にかかった状態となる。本実施の形態においては、この状態において、容器90の重さを測定して、測定結果をサーバ200などにアップロードするものである。
【0022】
なお、下部ベース101の内側面の凸部103と、容器90の外周面の凹部92との関係は、特に限定するものではない。
【0023】
例えば、図6に示すように、下部ベース101の内側面の周囲にわたってリブ形状の凸部103を設けることができる。この場合は、凸部103に対向する位置に、容器90の外周面の周囲にわたって凹部92を形成することが好ましい。
【0024】
あるいは、図7に示すように、下部ベース101の内側面のうちの複数箇所に凸部103を設けることもできる。この場合は、複数の凸部103のそれぞれに対向する複数の位置に凹部92を形成してもよいし、凸部103に対向する高さの容器90の外周面の周囲にわたって溝形状の凹部92を形成してもよい。
【0025】
なお、下部ベース101の内側に容器90の下部を取り付ける方法は、すなわち、下部ベース101の凸部103の位置まで容器の凹部92を下降させる方法は、特に限定されない。たとえば、容器90や下部ベース101の壁面が樹脂などの弾性部材で構成され、ユーザが、容器90や下部ベース101の壁面を撓ませるなどして、容器90の下部を下部ベース101に押し込んでもよい。
【0026】
以下では、本実施の形態にかかる、プロセッサ111による容器90の重量の測定のための情報処理について説明する。プロセッサ111は、メモリ112のプログラムに従って、図8に示す処理を実行する。
【0027】
まず、ロードセル130や、無線通信モジュール160や、近接センサ180がスリープ状態となっている。
【0028】
プロセッサ111は、6軸センサ170からの信号に基づいて、測定装置100の振動や移動を検知すると(ステップS104にてYESである場合)、ロードセル130を起動して(ステップS106)、無線通信モジュール160を起動して(ステップS108)、近接センサ180を起動する(ステップS110)。
【0029】
プロセッサ111は、ロードセル130の測定値が第1の所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS112)。当該第1の所定値は、空の容器90の重量の1/3以下であることが好ましい。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、容器90が持ち上げられて載置台102から離間した可能性があると判断する。
【0030】
プロセッサ111は、ロードセル130の測定値が第1の所定値よりも小さくなると(ステップS112にてYESである場合)、近接センサ180を利用して容器90と載置台102との間に隙間が生じているか否かを判断する(ステップS114)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、測定装置100ごと容器90が持ち上げられた可能性が高いと判断する。
【0031】
プロセッサ111は、容器90と載置台102との間に隙間が生じていると判断すると(ステップS114にてYESである場合)、6軸センサ170からの測定値に基づいて測定装置100が水平であるか否かを判断する(ステップS116)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、正確な零点補正が可能であると判断する。
【0032】
プロセッサ111は、測定装置100が水平である場合(ステップS116にてYESである場合)、ロードセル130を零点補正する(ステップS118)。
【0033】
プロセッサ111は、ロードセル130の測定値が第1の所定値よりも大きな第2の所定値よりも大きいか否かを判断する(ステップS120)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、測定装置100が机に置かれるなどして、容器90の重量が載置台102にかかったと判断する。当該第2の所定値は、空の容器90の重量の2/3以上であることが好ましい。
【0034】
プロセッサ111は、ロードセル130の測定値が第2の所定値よりも大きくなると(ステップS120にてYESである場合)、6軸センサ170からの測定値に基づいて測定装置100が水平であるか否かを判断する(ステップS122)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、容器90の正確な測定が可能であると判断する。
【0035】
プロセッサ111は、ロードセル130の測定値を取得して(ステップS124)、当該測定値を測定日時や測定装置100の識別情報とともに無線通信モジュール160を介してサーバにアップロードする(ステップS132)。本実施の形態においては、図9に示すように、測定装置100は、ルータ400やインターネットを介してクラウド上のサーバ200とデータをやり取りする。また、測定装置100の無線通信モジュール160は、無線LAN(Wi-Fi)を利用して、ルータ400やインターネットを介した通信やBluetooth通信を利用して、スマートフォンやタブレットやパーソナルコンピューターなどの通信端末300とデータをやり取りしてもよい。これによって、ユーザやユーザの家族やサーバ200が、塩分を取り過ぎていることや、砂糖を取りすぎていることや、接種すべき薬を摂取しているか否かを認識することができる。
【0036】
なお、プロセッサ111は、測定毎に、測定データをサーバ200にアップロードしてもよいし、所定の回数の測定データをメモリ112に貯めておいて、まとめてサーバ200にアップロードしてもよいし、所定の期間の測定データをメモリ112に貯めておいて、まとめてサーバ200にアップロードしてもよい。あるいは、通信に失敗したときに測定値をメモリ112に貯め込む構成であってもよい。
<第2の実施の形態>
【0037】
上記の実施の形態においては、下部ベース101の凸部103を容器90の凹部92内に位置させるものであった。しかしながら、このような構成には、限られない。つまり、容器90を持ち上げることによって下部ベース101が一緒に持ち上げられる構成は限定されない。
【0038】
たとえば、図10に示すように、下部ベース101の内周面の上端部に凸部103が形成されたり、容器90の外周面の下端部に凸部93が形成されたりしてもよい。これによって、容器90が下部ベース101に対して傾きにくくもなる。
【0039】
本実施の形態においても、ユーザが、容器90や下部ベース101の壁面を撓ませるなどして、両者を嵌め込んでもよいし、下部ベース101の上部と、下部とが、ネジ構造によって着脱自在に構成されたりしてもよい。たとえば、ユーザは、下部ベース101の上部を外した状態で容器90をセットしてから、下部ベース101の上部をネジ構造やその他の構造などによって下部ベース101の下部に取り付けることが可能である。
<第3の実施の形態>
【0040】
また、容器90に予め凹部92や凸部93が設けられていない場合も考えられる。このような場合には、図11に示すように、ストッパとしての凸部83が形成されたテープ80などを利用してもよい。本実施の形態においては、図12に示すように、ユーザは、市販のペットボトルや瓶などの容器90の外周の下部に当該テープ80を巻き付けてから、容器90の下部を測定装置100にはめ込むことになる。そして、図13に示すように、ユーザが容器90を持ち上げた場合には、テープ80の凸部83が下部ベース101の凸部103に引っかかることによって、測定装置100自体が持ち上がるように構成されている。
【0041】
本実施の形態においても、ユーザが、容器90や下部ベース101の壁面を撓ませるなどして、両者を嵌め込んでもよいし、下部ベース101の上部と、下部とが、ネジ構造によって着脱自在に構成されたりしてもよい。そして、ユーザは、下部ベース101の上部を外した状態で容器90をセットしてから、下部ベース101の上部をネジ構造やその他の構造などによって下部ベース101の下部に取り付けることが可能である。
<第4の実施の形態>
【0042】
上記の実施の形態においては、容器90が持ち上げられた状態で、ロードセル130の零点補正を行うものであったが、このような形態には限られない。たとえば、図14および図15に示すように、容器90が持ち上げられた際に、容器90の底面を支えるためのストッパ105が飛び出して、当該ストッパ105によって容器90を支えている間にロードセル130の零点補正を行ってもよい。
【0043】
より詳細には、本実施の形態においては、プロセッサ111は、メモリ112のプログラムに従って、図16に示す処理を実行する。ステップS104からステップS114までの処理は上記の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0044】
プロセッサ111は、容器90と載置台102との間に隙間が生じていると判断すると(ステップS114にてYESである場合)、スイッチ106をONして下部ベース101の内側に向けてストッパ105を跳び出させる(ステップS215)。これによって、容器90が載置台102から離れた位置に保持される。
【0045】
プロセッサ111は、6軸センサ170からの測定値に基づいて測定装置100が水平であるか否かを判断する(ステップS116)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、正確な零点補正が可能であると判断する。
【0046】
プロセッサ111は、測定装置100が水平である場合(ステップS116にてYESである場合)、ロードセル130を零点補正する(ステップS118)。零点補正後、プロセッサ111は、ストッパ105を収容する(ステップS219)。これによって、容器90が下降していく。ステップS120以降の処理は、上記の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0047】
なおプロセッサ111は、6軸センサ170からの信号に基づいて、測定装置100の振動や移動を検知すると(ステップS104にてYESである場合)、ステップS215以降の処理を実行してもよい。あるいは、プロセッサ111は、ロードセル130の測定値が第1の所定値よりも小さくなると(ステップS112にてYESである場合)、ステップS215以降の処理を実行してもよい。
<第5の実施の形態>
【0048】
さらに、容器90を載置台102から浮かした状態で保持する構成は、このような形態には限られない。図17に示すように、下部ベース101が、上部部材1012と下部部材1011とに分割され、容器90が上部部材1012に固定されてもよい。そして、上部部材1012と下部部材1011とが離れた状態で保持される構成にしてもよい。
【0049】
たとえば、図18に示すように、下部部材1011の上部が上部部材1012の下部に収納される。下部部材1011の上部には左右方向にスライド可能なピン107が取り付けられて、上部部材1012の下部にはピン107が貫通可能な孔が形成される。そして、図19に示すように、ユーザが容器90を持ち上げると同時に上部部材1012が持ち上がっていき、下部部材1011のピン107が孔の位置に一致したところで、ピン107が当該孔から飛び出して、上部部材1012が下部部材1011に対して離れた状態で固定される。ピン107は、ロードセル130の零点補正が完了した際に、スイッチ106やソレノイドコイルなどを利用することによって収納され、それによって上部部材1012が下部部材1011に対して下降していく。
【0050】
本実施の形態においては、プロセッサ111は、メモリ112のプログラムに従って、図20に示す処理を実行する。
【0051】
まず、ロードセル130や、無線通信モジュール160や、近接センサ180がスリープ状態となっている。
【0052】
プロセッサ111は、6軸センサ170からの信号に基づいて、測定装置100の振動や移動を検知すると(ステップS104にてYESである場合)、ロードセル130を起動して(ステップS106)、無線通信モジュール160を起動する(ステップS108)。
【0053】
プロセッサ111は、ピン107が飛び出したことを検知すると(ステップS314にてYESである場合)、6軸センサ170からの測定値に基づいて測定装置100が水平であるか否かを判断する(ステップS116)。つまり、YESの場合、プロセッサ111は、正確な零点補正が可能であると判断する。
【0054】
プロセッサ111は、測定装置100が水平である場合(ステップS116にてYESである場合)、ロードセル130を零点補正する(ステップS118)。零点補正後、プロセッサ111は、ソレノイドなどを利用してピン107を収納する(ステップS319)。これによって、上部部材1012と容器90が下降していく。ステップS120以降の処理は、上記の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
<まとめ>
【0055】
上記の実施の形態においては、容器に取り付け可能な測定装置が提供される。測定装置は、容器の重さを測定するための重量センサと、容器ごと測定装置が持ち上げられてから再び置かれたときに重量センサで容器の重さを測定するための制御部と、測定結果を送信するための通信アンテナと、を備える。
【0056】
好ましくは、制御部は、容器が持ち上げられている間に、重量センサを零点補正する。
【0057】
好ましくは、測定装置は、容器が持ち上げられている間に、容器と重量センサとの間に隙間が生じるように構成されている。
【0058】
好ましくは、測定装置は、容器を重量センサから離れた位置に保持するための構成をさらに備える。
【0059】
好ましくは、測定装置は、測定装置の姿勢を測定するための姿勢センサをさらに備える。制御部は、姿勢センサの測定値に基づいて、測定装置が水平になった場合に重量センサを零点補正する。
【0060】
好ましくは、測定装置は、測定装置の姿勢を測定するための姿勢センサをさらに備える。制御部は、測定結果の送信の後に重量センサと通信アンテナをスリープさせ、姿勢センサの測定値に基づいて振動または移動を検知した場合に、重量センサと通信アンテナを起動する。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
80 :テープ
83 :凸部
90 :容器
92 :凹部
93 :凸部
100 :測定装置
101 :下部ベース
1011 :下部部材
1012 :上部部材
102 :載置台
103 :凸部
105 :ストッパ
106 :スイッチ
107 :ピン
110 :制御部
111 :プロセッサ
112 :メモリ
130 :ロードセル
160 :無線通信モジュール
170 :6軸センサ
180 :近接センサ
190 :バッテリー
200 :サーバ
300 :通信端末
400 :ルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20