(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167550
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 29/02 20060101AFI20231116BHJP
B60K 28/10 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
F02D29/02 K
B60K28/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078823
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正倫
【テーマコード(参考)】
3D037
3G093
【Fターム(参考)】
3D037FA24
3D037FB01
3G093AA01
3G093BA07
3G093BA09
3G093CA01
3G093CB05
3G093CB06
3G093DA06
3G093DB05
3G093EA02
(57)【要約】
【課題】運転者が所持するキーの種類に応じて適切に加速抑制機能の有効/無効を設定する。
【解決手段】車両用制御装置5は、電子キー14がイグニッションスイッチ15にかざされると、電子キー14の照合を行い、照合結果に含まれる急アクセル時加速抑制機能を有効にするか無効にするかを示す急発進抑制機能識別情報を取得する。ステレオカメラECU10は、取得した電子キー14の急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を有効にするものであった場合、当該機能を有効にすると決定する。このようにすると、電子キーのかざし操作が行われなければ、急アクセル時加速抑制機能が有効にならないため、運転者が所持する電子キー14の種類に応じて急アクセル時加速抑制機能の有効/無効を適切に設定できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車速が所定の上限車速以内に収まるように当該車両の加速を抑制する車両用制御装置であって、
携帯端末装置との通信可能エリアが車室内の特定エリアに限られた近距離無線通信手段と、
前記近距離無線通信手段を用いた前記携帯端末装置との照合結果に基づいて、加速抑制機能を有効にするか、あるいは、無効にするかを決定する決定手段と、
を備え、
前記携帯端末装置は、加速制御機能を有効にするか無効にするかのいずれか一方に対応するものであることを特定可能な情報を有し、
前記携帯端末装置が前記特定エリアにある場合は、前記近距離無線通信手段により当該携帯端末装置との照合が行われ、
前記決定手段は、前記携帯端末装置が前記特定エリアに入って照合が行われた結果、当該携帯端末装置が、加速抑制機能を有効にするものであった場合に、加速抑制機能を有効にすると決定する
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項2】
前記携帯端末装置との通信可能エリアが車室内の前記特定エリアよりも広い所定エリアに設定された一般無線通信手段と、
車両の駆動源の始動を制御する駆動源始動制御手段とを備え、
前記携帯端末装置が前記所定エリアにある場合は、前記一般無線通信手段により当該携帯端末装置との照合が行われ、
前記駆動源始動制御手段は、前記近距離無線通信手段による照合が行われず、前記一般無線通信手段により照合が行われた結果、当該携帯端末装置が加速抑制機能を有効にするものであった場合は、前記駆動源の始動操作が行われても、前記駆動源の始動を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急なアクセル操作時の車両の加速を抑制する車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両が停止中又は低速走行中(前方、後方)に、ペダルの踏み間違いなどでアクセルペダルが速く強く踏み込まれたと車両用制御装置が判断したとき、車両用制御装置は車両の駆動源の駆動力(例えば、エンジン出力)を抑制する機能(以下、「急アクセル時加速抑制機能」と記載する。)がある。急アクセル時加速抑制機能では、まず、車両が停止中又は低速走行中(前方、後方)にアクセルペダルが速く強く踏み込まれた場合、第1加速抑制制御を行う状態に遷移し、第1加速抑制制御中はスロットル全閉相当まで駆動力を抑制することで、車両の急加速を防ぐ。次に、第1加速抑制制御中も一定時間アクセルペダルが踏み続けられた場合、又は、第1加速抑制制御作動後すぐにアクセルペダルを速く強く踏み直された場合、第2加速抑制制御を行う状態に遷移し、第2加速抑制制御中は所定の上限車速まで緩やかに加速するように駆動源の駆動力を抑制する。第2加速抑制制御における所定の上限車速までの加速では、駆動源の要求駆動力をフィードバック制御により導出し、導出した要求駆動力に対して変化量の許容上限であるガード値を設定することで緩やかな加速を実現している。このようにすることで、車両を加速させようとして意図的にアクセルペダルを速く強く踏み込んだ運転者が、車両が加速しない故に強い違和感を覚える可能性を低減できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、加速抑制機能を有する車両の中には、加速抑制機能を有効にするための専用キーを設け、該専用キーを有する者が運転する場合にのみ、加速抑制機能を有効にするものがある。この場合、例えば、運転席側のドアをアンロックさせた際、キーの照合を行って、当該照合結果が専用キーを特定するものであった場合に加速抑制機能を作動させる。このような場合、例えば、専用キーを持った人が運転席側のドアをアンロックさせた後、加速抑制機能を無効とする通常のキーを持った人が運転席に座って運転を行う場合は、加速抑制機能が作動することになり、キーの種類と、加速抑制機能の作動状態とが不一致になる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記した課題を鑑みてなされたものであり、運転者が所持するキーの種類に応じて適切に加速抑制機能の有効/無効を設定することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、車両の車速が所定の上限車速以内に収まるように当該車両の加速を抑制する車両用制御装置であって、携帯端末装置との通信可能エリアが車室内の特定エリアに限られた近距離無線通信手段と、前記近距離無線通信手段を用いた前記携帯端末装置との照合結果に基づいて、加速抑制機能を有効にするか、あるいは、無効にするかを決定する決定手段とを備え、前記携帯端末装置は、加速制御機能を有効にするか無効にするかのいずれか一方に対応するものであることを特定可能な情報を有し、前記携帯端末装置が前記特定エリアにある場合は、前記近距離無線通信手段により当該携帯端末装置との照合が行われ、前記決定手段は、前記携帯端末装置が前記特定エリアに入って照合が行われた結果、当該携帯端末装置が、加速抑制機能を有効にするものであった場合に、加速抑制機能を有効にすると決定することを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、携帯端末装置が特定エリアにないと加速抑制機能が有効にならないため、例えば、特定エリアを運転席近傍に設定することにより、運転者が所持する携帯端末装置が有する加速抑制機能の有無に関する情報と、実際に車両に適用される加速度抑制機能の有無との不一致が生じにくい。また、加速抑制機能を有効にするには携帯端末装置を特定エリアに持ってくるという特殊な行為が必要になるため、加速抑制機能が勝手に有効になったり、無効になったりするのを防止でき、ユーザの意思を適切に反映できる。
【0008】
また、前記携帯端末装置との通信可能エリアが車室内の前記特定エリアよりも広い所定エリアに設定された一般無線通信手段と、車両の駆動源の始動を制御する駆動源始動制御手段とを備え、前記携帯端末装置が前記所定エリアにある場合は、前記一般無線通信手段により当該携帯端末装置との照合が行われ、前記駆動源始動制御手段は、前記近距離無線通信手段による照合が行われず、前記一般無線通信手段により照合が行われた結果、当該携帯端末装置が加速抑制機能を有効にするものであった場合は、前記駆動源の始動操作が行われても、前記駆動源の始動を禁止するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、近距離無線通信手段による照合が行われていない状態で、駆動源の始動操作が行われても、駆動源始動制御手段により駆動源の始動が禁止されるため、加速抑制機能が有効な携帯端末装置を持ったドライバが加速抑制機能が無効の状態のまま、駆動源を始動させて、誤って急発進するのを未然に防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、携帯端末装置が特定エリアにないと加速抑制機能が有効にならないため、例えば、特定エリアを運転席近傍に設定することにより、運転者が所持する携帯端末装置が有する加速抑制機能の有無に関する情報と、実際に車両に適用される加速度抑制機能の有無との不一致が生じにくい。また、加速抑制機能を有効にするには携帯端末装置を特定エリアに持ってくるという特殊な行為が必要になるため、加速抑制機能が勝手に有効になったり、無効になったりするのを防止でき、ユーザの意思を適切に反映できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用制御装置を搭載する車両の構成を示すブロック図である。
【
図2】従来の急発進抑制機能の作動許可の流れと本発明の急発進抑制機能の作動許可の流れとを示す図である。
【
図3】従来のエンジンの始動プロセスと本発明のエンジンの始動プロセスとを示す図である。
【
図4】
図1の車両用制御装置において行われる急アクセル時加速抑制制御処理の処理フローを示すフローチャートである。
【
図5】
図2の急アクセル時加速抑制制御処理の具体例を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
本発明の一実施形態に係る車両用制御装置5を搭載した車両1の構成について
図1を参照して説明する。
【0014】
車両1には、複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)を備える車両用制御装置5が搭載されており、車両用制御装置5は、
図1に示すように、ステレオカメラECU10、EFI-ECU20、VSC-ECU30、ボディECU40、及び、メータECU50を備える。また、車両1には、バス60が敷設されており、ECU10,20,30,40,50夫々はバス60に接続されて互いにCAN(Controller Area Network)通信を行う。
【0015】
ボディECU40は、各種制御及び各種演算などを行うCPU41、各種プログラムや各種データを記憶するメモリ42などを有し、車両1のドア、ウインカーなどの車載電装品の動作を制御するためのECUである。本実施形態では、ボディECU40のCPU41は、例えば、車両1内にある車室内アンテナ8や近距離通信用アンテナ9が受信した電子キー14(本発明の「携帯端末装置」に相当)からのキー識別情報が、予め登録されているキー識別情報と一致するか否かを照合し、該照合結果(後述の急発進抑制機能識別情報を含む)をステレオカメラECU10やEFI-ECU20などへ送信する。ボディECU40のCPU41には、車室内アンテナ8からの受信信号や近距離通信用アンテナ9からの受信信号が入力される。
【0016】
電子キー14の照合に関して具体的に説明すると、車両1のドアのロック/アンロックなどに用いられる電子キー14には、固有のキー識別情報が付与されており、車室内アンテナ8からは周期的に微弱な電波が発振されている。電子キー14は、車室内アンテナ8から電波を受信すると、車室内アンテナ8に向けて固有のキー識別情報を含むレスポンス信号を送信する。車室内アンテナ8でレスポンス信号を受信した場合、ボディECU40のCPU41は、当該受信したレスポンス信号に含まれたキー識別情報と、予め登録されているキー識別情報との照合を行う。照合結果が一致するものであった場合には、基本的にエンジンスタートボタンが操作された際のエンジンスタートが許可される。
【0017】
また、この実施形態では電子キー14には、固有のキー識別情報に加えて、急アクセル時加速抑制機能を有効にするか無効にするかを識別可能な情報(急発進抑制機能識別情報)が付与されており、レスポンス信号には急発進抑制機能識別情報も含まれている。ボディECU40のCPU41は、照合時にキー識別情報に加えて急発進抑制機能識別情報も取得する。
【0018】
また、この実施形態では、電子キー14をエンジンスタートボタンにかざすと、電子キー14から近距離通信用アンテナ9にキー識別情報と急発進抑制機能識別情報をと含むレスポンス信号が送信される。ボディECU40のCPU41は、近距離通信用アンテナ9からレスポンス信号を受信した場合も照合を行い、照合結果(急発進抑制機能識別情報を含む)をステレオカメラECU10やEFI-ECU20などへ送信する。
【0019】
近距離通信用アンテナ9(本発明の「近距離無線通信手段」に相当)は、例えば、コイル状のアンテナでエンジンスタートボタンのカバーの裏側に配設されている。近距離通信用アンテナ9の通信範囲(本発明の「特定エリア」に相当)は、車室内にあるエンジンスタートボタンにかざさないと通信できない程度(数mm~数cm)に設定されており、近距離無線通信用に使用される。電子キー14にはトランスポンダコイルが設けられており、近距離通信用アンテナ9に近接したときに、近距離通信用アンテナ9から電力が供給され、当該電力により電子キー14のチップが駆動して電子キー14から近距離通信用アンテナ9にレスポンス信号が送信される。
【0020】
車室内アンテナ8(本発明の「一般無線通信手段」に相当)は、電子キー14との通信を行うアンテナであり、例えば、インストルメントパネルの内部と、後部座席のフロアマット下の2箇所に配設されており、通信エリアとして車室内の略全ての領域(本発明の「所定エリア」に相当)をカバーする。
【0021】
メータECU50は、車両1のメータパネル(不図示)の各部を制御するためのECUである。メータパネルには、車速やエンジン回転数を表示する計器類の他、各種の情報を表示するための液晶ディスプレイなどの表示器が設けられている。本実施形態では、メータECU50は、例えば、専用キーを用いたドアロック解除により車両1は急アクセル時加速抑制機能のサポート状態にあることの報知、急アクセル時加速抑制機能の作動中の急アクセルペダル操作に対する警告の報知を行う。
【0022】
VSC-ECU30は、車両1の横滑りの防止制御をするためのECUである。本実施形態では、VSC-ECU30は、例えば、VSC-ECU30に接続された車速センサ(不図示)により検知された車両1の車速をステレオカメラECU10とEFI-ECU20などへ送信する。
【0023】
ステレオカメラECU10は、各種制御及び各種演算などを行うCPU11、各種プログラムや各種データを記憶するメモリ12、及び、バス60を介して他のECUなどと通信する通信ユニット(不図示)などを有し、ステレオカメラが撮影した画像に基づいて障害物(例えば先行車)と車両1との相対速度や車間距離などの算出を行うためのECUである。
【0024】
本実施形態では、ステレオカメラECU10のCPU11(本発明の「決定手段」に相当)は、ボディECU40から送られてきたキー識別情報の照合結果(近距離通信用アンテナ9を用いた照合結果)に基づいて、急アクセル時加速抑制機能を有効にするか、急アクセル時加速抑制機能を無効にするかを決定する。
【0025】
具体的には、ステレオカメラECU10のCPU11は、ボディECU40から送信された近距離通信用アンテナ9を用いた照合結果(かざし操作の照合結果)において、かざし操作が行われた電子キー14のキー識別情報が、登録されているキー識別情報と一致していることを条件として、当該電子キー14から取得した急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を有効とするものであった場合に、イグニッションスイッチ15のON操作が行われると、急アクセル時加速抑制機能を有効にすると決定する。一方、かざし操作が行われた電子キー14のキー識別情報が、登録されているキー識別情報と一致していることを条件として、当該電子キー14から取得した急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を無効とするものであった場合に、イグニッションスイッチ15のON操作が行われると、急アクセル時加速抑制機能を無効にすると決定する。
【0026】
ステレオカメラECU10のCPU11は、急アクセル時加速抑制機能を有効にすると決定した場合、メータECU50に対して急アクセル時加速抑制機能のサポート状態にあることの報知要求を行う。これにより、メータECU50は急アクセル時加速抑制機能のサポート状態にあることの報知を行う。
【0027】
ここで、ステレオカメラECU10による急アクセル時加速抑制機能の有効/無効の決定プロセスについて、
図2を参照して従来の決定プロセスの一例と比較しつつより具体的に説明する。
【0028】
(従来の急アクセル時加速抑制機能の有効/無効の決定プロセス)
従来では、運転席側のドアのアンロック操作があった場合、例えば、運転席側のドアミラー付近に配設された通信アンテナとの通信により、電子キーの照合が行われる。この照合結果に含まれる急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を有効にするものであるか否かの判定が行われ、当該判定結果が急アクセル時加速抑制機能を有効にするものであった場合、その後にイグニッションスイッチがON操作されると、急アクセル時加速抑制機能を有効にすると決定される。
【0029】
一方、当該判定結果が急アクセル時加速抑制機能を無効にするものであった場合、その後にイグニッションスイッチがON操作さると、急アクセル時加速抑制機能を無効にすると決定される。
【0030】
すなわち、従来では、例えば、急アクセル時加速抑制機能の有効に対応する電子キーを所持した人により、運転席側のドアがアンロックされたが、実際に運転する人が急アクセル時加速抑制機能の無効に対応する電子キーを所持していた場合は、急アクセル時加速抑制機能が有効な状態で運転することになる。
【0031】
(本発明の急アクセル時加速抑制機能の有効/無効の決定プロセス)
本実施形態では、急アクセル時加速抑制機能を有効にするためには、イグニッションスイッチ15がON操作される前に電子キー14をエンジンスタートボタンにかざす、かざし操作を要する。
【0032】
そこで、かざし操作が行われた場合、ボディECU40のCPU41は、近距離通信用アンテナ9から取得した電子キー14のキー識別情報と、予め登録されているキー識別情報との照合を行い、当該照合結果をステレオカメラECU10のCPU11に送信する。このとき、急発進抑制機能識別情報も照合結果に含めて送信する。
【0033】
ステレオカメラECU10のCPU11は、受信した照合結果が、電子キー14のキー識別情報が登録されているキー識別情報に一致するものであるのを条件として、急発進抑制機能識別情報が急アクセル時アクセル抑制機能を有効とするものであるか否かを判定する。
【0034】
当該判定結果が急アクセル時アクセル抑制機能を有効とするものであった状態で、イグニッションスイッチ15のON操作を検知した場合、ステレオカメラECU10のCPU11は、急アクセル時アクセル抑制機能を有効にすると決定する。
【0035】
一方、当該判定結果が急アクセル時アクセル抑制機能を無効とするものであった状態で、イグニッションスイッチ15のON操作を検知した場合、ステレオカメラECU10のCPU11は、急アクセル時アクセル抑制機能を無効にすると決定する。以上のように、本実施形態では、従来とは異なるプロセスにより、急アクセル時加速抑制機能の有効/無効の決定を行う。
【0036】
また、CPU11は、急アクセル時加速抑制機能を有効にすると決定した場合、急アクセル時加速抑制作動許可判定を定期的に行い、判定結果を例えばEFI-ECU20へ送信する。急アクセル時加速抑制作動許可判定では、CPU11は、(1)シフトポジションがP(パーキング:駐車、エンジン始動)及びN(ニュートラル:動力が伝わらない状態)以外のシフトポジションであること、且つ、(2)車速が30km/h以下であること、且つ、(3)ブレーキ作動中でない又はブレーキOFF後2秒以内でないのいずれかであること、且つ、(4)ウインカーが作動中でない又はウインカーOFF後2秒以内でないのいずれかであること、且つ、(5)急な上り坂でない(上り坂の傾斜角が予め定められた傾斜角よりも大きくない)こと、の全ての条件((1)~(5)の夫々を、以下では、適宜、「急アクセル時加速抑制作動許可条件」と記載する。)を満たすかを判定し、いずれか一つでも満たさない場合には急アクセル時加速抑制機能の作動を禁止し、全てを満たす場合に急アクセル時加速抑制機能の作動を許可する。CPU11は、急アクセル時加速抑制作動許可判定の判定結果に基づく急アクセル時加速抑制機能の作動の許可/禁止の情報をEFI-ECU20へ送信する。なお、本実施形態では、P及びN以外のシフトポジションとして、D(ドライブ:通常走行)、S(スポーツ:スポーティな走行、坂道や山間地などの走行)、R(リバース:後退)のシフトポジションがある。
【0037】
また、CPU11は、急アクセル時加速抑制機能の作動中にアクセルペダルの急踏みありの判定基準となるアクセル操作判定閾値(アクセルペダルの踏込み速度の閾値、アクセルペダルの踏込み量の閾値)、及び、急アクセル時加速抑制機能の作動中の上限車速をEFI-ECU20へ送信する。アクセル操作判定閾値(アクセルペダルの踏込み速度の閾値、アクセルペダルの踏込み量の閾値)や上限車速は前進時や後進時に応じて予め定められており、例えば、アクセルペダルの踏込み速度の閾値は400%/secであり、アクセルペダルの踏込み量の閾値は90%であり、上限車速は30km/hである。
【0038】
また、CPU11は、EFI-ECU20から急アクセル時加速抑制機能の作動中のアクセルペダルの急踏みありとの情報を受け取ると、メータECU50に対して急アクセル時加速抑制機能の作動中の急アクセルペダル操作に対する警告の報知要求を行う。これにより、メータECU50は急アクセル時加速抑制機能の作動中の急アクセルペダル操作に対する警告の報知を行う。
【0039】
一方、CPU11は、急アクセル時加速抑制機能を無効にすると決定した場合、急アクセル時加速抑制作動許可判定を行わず、例えば、急アクセル時加速抑制機能の作動の禁止の情報をEFI-ECU20へ送信する。
【0040】
EFI-ECU20(本発明の「駆動源始動制御手段」に相当)は、各種制御及び各種演算などを行うCPU21、各種プログラムや各種データを記憶するメモリ22、及び、バス60を介して他のECUなどと通信する通信ユニット(不図示)などを有し、エンジンスタートスイッチ(イグニッションスイッチ15)のオン操作に基づいて、エンジンの始動を制御したり、駆動ユニット(エンジン)70のユニット駆動力(エンジン出力)を算出して算出したユニット駆動力(エンジン出力)を出力するために駆動ユニット(エンジン)70の燃料噴射量、吸入空気量などを制御したりするためのECUである。
【0041】
本実施形態では、EFI-ECU20のCPU21は、例えば、ステレオカメラECU10による急アクセル時加速抑制作動許可判定で急アクセル時加速抑制機能の作動が許可された場合、急アクセル時加速抑制機能の作動可能な状態になる。
【0042】
CPU21は、急アクセル時加速抑制機能の作動可能状態になると、アクセルペダルが早く強く踏み込まれたか否か(アクセルペダル急踏みありか否か)を判定する。当該判定では、CPU21は、アクセルペダルの踏み込み速度がアクセルペダルの踏込み速度の閾値を超え、且つ、アクセルペダルの踏込み量がアクセルペダルの踏込み量の閾値を超えているかを判定する。そして、CPU21は、アクセルペダルの踏み込み速度がアクセルペダルの踏込み速度の閾値を超え、且つ、アクセルペダルの踏込み量がアクセルペダルの踏込み量の閾値を超えていると判定した場合にアクセルペダル急踏みありと判定し、それ以外の場合はアクセルペダル急踏みなしと判定する。
【0043】
CPU21は、アクセルペダル急踏みありと判定した場合、第1加速抑制制御を行う状態に遷移して第1加速抑制制御を行う。第1加速抑制制御では、CPU21はスロットル全閉相当までユニット駆動力(駆動源の駆動力)を抑制する。第1加速抑制制御では、車両1はとろとろと動く程度である。
【0044】
CPU21は、第1加速抑制制御中に、アクセルペダルリリース後の第1所定時間(例えば、1.5秒)内にアクセルペダルが再度早く強く踏み込まれたか(再度のアクセルペダル急踏みありか)、又は、アクセルペダルの踏込みが第2所定時間(例えば、5秒)継続しているか否かを判定する。アクセルペダルリリースの判定は、アクセルペダルの踏込み量が所定の閾値(例えば、10%)以下になったか否かにより行われ、アクセルペダルの踏込み量が当該所定の閾値以下になった場合にアクセルペダルがリリースされたと判定される。
【0045】
CPU21は、アクセルペダルリリース後の第1所定時間(例えば、1.5秒)内に再度のアクセルペダル急踏みあり、又は、アクセルペダルの踏込みが第2所定時間継続していると判定した場合、運転者に加速の意図があるとみなして、第1加速抑制制御を行う状態から第2加速抑制制御を行う状態に遷移して第2加速抑制制御を行う。
【0046】
ここで、第2加速抑制制御での加速抑制の度合い(ユニット駆動力の抑制の度合い)は第1加速抑制制御での加速抑制の度合い(ユニット駆動力の抑制の度合い)よりも小さく、第2加速抑制制御では、車両1を緩やかな加速で上限車速(例えば、30km/h)まで加速する。
【0047】
また、本実施形態において、EFI-ECU20のCPU21は、イグニッションスイッチ15がON操作された際にエンジン(駆動ユニット70)を始動させるか否かを判定する。このとき、イグニッションスイッチ15のON操作の前に、かざし操作による照合があった場合となかった場合とで異なる制御を行う。以下、
図3を参照して、本発明のエンジンの始動プロセスについて、従来のエンジン始動プロセスの一例とともに説明する。
【0048】
(従来のエンジン始動プロセス)
従来のかざし操作による照合がない場合のエンジン始動プロセスでは、イグニッションスイッチがON操作された場合は、エンジンの始動制御が行われる前に、イグニッションスイッチの操作後に車室内にある電子キーに対する照合が行われる。続いて当該照合結果に含まれる急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を有効とするものであるか否かが判定される。
【0049】
ただし、当該判定結果が急アクセル時加速抑制機能を有効とするものであった場合、無効とするものであった場合のいずれの場合でも当該イグニッションスイッチのON操作に基づいてエンジンの始動制御が行われる。すなわち、従来では、イグニッションスイッチがON操作されたときに、車室内に予め登録された電子キーがあれば、そのキーが急アクセル時加速抑制機能の有効に対応するものであろうとなかろうと、エンジンは始動する。
【0050】
(本発明のエンジン始動プロセス)
この実施形態では、イグニッションスイッチ15がON操作される前にかざし操作による照合がなかった状態、すなわち、近距離通信用アンテナ9による電子キー14の照合結果をEFI-ECU20のCPU21が受け取っていない状態で、イグニッションスイッチ15がON操作された場合、EFI-ECU20のCPU21は、エンジンの始動制御を行う前に、イグニッションスイッチ15の操作後に車室内にある電子キー14に対する照合がボディECU40のCPU41により行われ、当該照合結果がEFI-ECU20のCPU21に送信される。
【0051】
EFI-ECU20のCPU21は、当該照合結果を取得すると、当該照合結果に含まれる急発進抑制機能識別情報が急アクセル時加速抑制機能を有効にするものであるか否かを判定する。判定結果が急アクセル時加速抑制機能を有効にするものであった場合、EFI-ECU20のCPU21は、イグニッションスイッチ15がON操作されたにも関わらず、エンジン(駆動ユニット70)の始動制御を行わない(エンジン始動制御を禁止)。以下、急アクセル時加速抑制機能を有効にする旨の急発進抑制機能識別情報が付された電子キー14を専用キー14という場合もある。
【0052】
なお、イグニッションスイッチ15がON操作されたときに、複数の電子キー14が車室内にあった場合は、全ての電子キー14に対してボディECU40のCPU41による照合が行われ、全ての電子キー14の照合結果がEFI-ECU20のCPU21に送信される。その結果、イグニッションスイッチ15がON操作されたときに、1つでも専用キー14があった場合は、エンジン(駆動ユニット70)の始動制御が行われない。
【0053】
一方、EFI-ECU20のCPU21は、判定結果が急アクセル時加速抑制機能を無効にするものであった場合、イグニッションスイッチ15のON操作に基づいてエンジンの始動制御を行う(エンジン始動制御を許可)。
【0054】
すなわち、この実施形態では、専用キー14では、事前にかざし操作を行っていなければ、イグニッションスイッチ15を操作しても、エンジンが始動しないように構成されている。
【0055】
(急アクセル時加速抑制制御処理の処理フロー)
EFI-ECU20のCPU21において行われる急アクセル時加速抑制制御処理の処理フローについて
図4を参照しつつ詳細に説明する。
図4の急アクセル時加速抑制制御処理の処理フローは、専用キー14(急アクセル時加速抑制サポート用専用キー)でかざし操作が行われ、ステレオカメラECU10のCPU11により急アクセル時加速抑制機能を有効にすると決定されるとともに、急アクセル時加速抑制作動許可判定で急アクセル時加速抑制機能の作動が許可されてEFI-ECU20が急アクセル時加速抑制機能の作動状態になった場合に行われる処理フローである。
【0056】
急アクセル時加速抑制制御処理では、まず、CPU21は、アクセルペダルが早く強く踏み込まれたか否か(アクセルペダル急踏みありか否か)を判定する(ステップS1)。アクセルペダル急踏みなしと判定された場合(ステップS1のNO)、
図4の加速抑制制御処理を終了する。一方、アクセルペダル急踏みありと判定された場合(ステップS1のYES)、ステップS2の処理に進む。
【0057】
CPU21は、第1加速抑制制御を行う状態に遷移して第1加速抑制制御を行う(ステップS2)。
【0058】
CPU21は、アクセルペダルリリース後の第1所定時間内にアクセルペダルが再度早く強く踏み込まれたか(再度のアクセルペダル急踏みありか)、又は、アクセルペダルの踏み込みが第2所定時間継続しているかを判定する(ステップS3)。アクセルペダルリリース後の第1所定時間内に再度のアクセルペダル急踏みあり、又は、アクセルペダルの踏み込みが第2所定時間継続していると判定された場合(ステップS3のYES)、ステップS4の処理に進む。一方、アクセルペダルの踏み込みが第2所定時間継続せず、アクセルペダルリリース後の第1所定時間内に再度のアクセルペダル急踏みがなかったと判定された場合(ステップS3のNO)、第1加速抑制制御を終了して
図4の急アクセル時加速抑制制御処理を終了する。
【0059】
ステップS3のYESの場合、CPU21は、第1加速抑制制御を行う状態から第2加速抑制制御を行う状態に遷移し、第2加速抑制制御を開始する(ステップS4)。第2加速抑制制御は第1加速抑制制御に比べて加速抑制の度合いが小さい。
【0060】
続いて、CPU21は、アクセルペダルがリリースされてアクセルペダルのリリース状態が第3所定時間(例えば、1.5秒)継続したか否かを判定する(ステップS8)。アクセルペダルがリリースされてアクセルペダルのリリース状態が第3所定時間継続していないと判定された場合(ステップS8のNO)、第3所定時間継続するまで第2加速抑制制御を継続する。一方、アクセルペダルがリリースされてアクセルペダルのリリース状態が第3所定時間継続したと判定された場合(ステップS8のYES)、第2加速抑制制御を終了して
図4の加速抑制制御処理を終了する。
【0061】
(急アクセル時加速抑制制御処理の具体例)
図4の急アクセル時加速抑制制御処理の具体例について
図5を参照しつつ詳細に説明する。
図5は、
図4の急アクセル時加速抑制制御処理の具体例を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【0062】
図5の急アクセル時加速抑制制御処理の具体例では、急アクセル時加速抑制機能が有効に対応する電子キー14でかざし操作が行われ、その後にイグニッションスイッチ15のON操作によりエンジンが始動すると、車両用制御装置5は、急アクセル時加速抑制機能のサポート状態に入る。
【0063】
時間T1までに、シフトポジションがP又はNからD又はSになり、ストップランプSWがONからOFFになる。
【0064】
ステレオカメラECU10のCPU11は、急アクセル時加速抑制作動許可判定を行う。CPU11は、時間T1において、上記の急アクセル時加速抑制作動許可条件の全てを満たしたと判定し、急アクセル時加速抑制機能の作動を禁止から許可にする。
【0065】
運転者はアクセルペダルを踏み込み、アクセルペダルの踏込み量が増加する。この運転者によるアクセルペダルの踏込み量の増加に伴い、ユニット駆動力が増大し、車速も大きくなっていく。
【0066】
EFI-ECU20のCPU21は、アクセルペダルが早く強く踏み込まれたか否か(アクセルペダル急踏みありか否か)を判定する。CPU21は、時間T2において、アクセルペダル急踏みありと判定する。アクセルペダル急踏みありとの判定により、CPU21は、第1加速抑制制御を行う状態に遷移し(第1加速抑制制御の作動外から作動に変化し)、第1加速抑制制御を行う。CPU21の第1加速抑制制御によりユニット駆動力は略0に抑制される。また、ユニット駆動力が略0に抑制されることにより、車速が小さくなっていく。
【0067】
CPU21は、アクセルペダルリリース後の第1所定時間内にアクセルペダルが再度早く強く踏み込まれたか(再度のアクセルペダル急踏みありか)、又は、アクセルペダルの踏み込みが第2所定時間継続しているかを判定する。CPU21は、時間T3において、アクセルペダルの踏み込みが第2所定時間継続していると判定し、第1加速抑制制御を行う状態から第2加速抑制制御を行う状態に遷移し(第1加速抑制制御の作動から作動外に変化し、第2加速抑制制御の作動外から作動に変化し)、第2加速抑制制御を行う。
【0068】
続いてCPU21は、アクセルペダルがリリースされてアクセルペダルのリリース状態が第3所定時間継続したか否かを判定する。CPU21は、時間T4に、アクセルペダルのリリース状態が第3所定時間継続したと判定し、第2加速抑制制御の状態を終了する(第2加速抑制制御の作動から作動外に変化する)。これにより、時間T4以降、アクセルペダルの踏込みにより急アクセル時加速抑制機能の上限車速を超える車速がでるようになる。
【0069】
したがって、上記した実施形態によれば、急アクセル時加速抑制機能を有効にするには、イグニッションスイッチ15をON操作する前に、電子キー14をイグニッションスイッチ15にかざして照合を行う「かざし操作」を要する。つまり、イグニッションスイッチ15は、運転席側に設けられていることから、運転者が専用キー14を持ってかざし操作を行った後にイグニッションスイッチ15をON操作しなければ、急アクセル時加速抑制機能が有効にならない。したがって、専用キー14であるか否かを運転席ドアのアンロック操作時に行う従来のプロセスのように、ドアをアンロックさせた人と運転する人とが異なることによる、運転者が所持する電子キー14の種類と、実際に車両1に適用される急アクセル時加速抑制機能の有効/無効との不一致が生じにくい。また、急アクセル時加速抑制機能を有効にするには、かざし操作という特殊な操作が必要になるため、急アクセル時加速抑制機能が勝手に有効になったり、無効になったりするのを防止でき、ユーザの意思を適切に反映できる。
【0070】
また、事前にかざし操作による照合が行われていな状態で、イグニッションスイッチ15のON操作が行われても、エンジン(駆動ユニット70)の始動制御が禁止されるため、専用キー14を所持する運転者が急アクセル時加速抑制機能が無効の状態のまま、エンジン(駆動ユニット70)を始動させて、誤って急発進するのを未然に防止できる。
【0071】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態では、エンジン車を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ハイブリッド車や電気自動車などであってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ペダル式のアクセルを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えばグリップ式のアクセルなどであってもよい。
【0074】
また、上記した実施形態では、電子キー14には、急アクセル時加速抑制機能を有効にするか無効にするかのいずれか一方の急発進抑制機能識別情報が付されているが、例えば、急アクセル時加速抑制機能を有効とする場合は、その旨を示す情報(急発進抑制機能情報)が付与されているが、無効とする場合は、急発進抑制機能情報が付与されておらず、電子キー14との照合の結果、急発進抑制機能情報が含まれている場合に急アクセル時加速抑制機能が有効になるようにしてもよい。
【0075】
また、上記した実施形態では、キー識別情報の照合をボディECU40で行うように構成したが、ボディECU40で取得したキー識別情報を、例えばステレオカメラECU10やEFI-ECU20などの他のECUに送信し、当該他のECUでキー識別情報の照合を行うようにしてもよい。
【0076】
また、上記した実施形態では、急アクセル時加速抑制機能を有効にするか否かの決定を、ステレオカメラECU10で行うようにしたが、当該決定をボディECU40やEFI-ECU20などの他のECUで行うようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、急アクセル時加速抑制機能における第1加速抑制制御及び第2加速抑制制御では、加速抑制のための対象をユニット駆動力(エンジン出力)として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、加速抑制のための対象をブレーキ力とし、加速抑制の度合いを大きくする場合、ブレーキ力を大きくするようにしてもよい。
【0078】
本発明は、急なアクセル操作時の車両の加速を抑制する車両用制御装置に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1:車両
5:車両用制御装置
8:車室内アンテナ(一般無線通信手段)
9:近距離通信用アンテナ(近距離無線通信手段)
10:ステレオカメラECU(決定手段)
20:EFI-ECU(駆動源始動制御手段)