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  • 特開-車載装置、表示方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167551
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車載装置、表示方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078824
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若野 春人
(72)【発明者】
【氏名】本多 佳保里
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】立野 克明
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA06
3D020BB01
3D020BC01
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】車両の乗員が容易に操作できる車載装置を提供する。
【解決手段】車室内に1又は複数の表示装置を備えた車両に搭載される車載装置であって、前記車両の乗員の携帯端末の位置を検出し、前記表示装置の表示領域のうち、検出された前記携帯端末の前記位置から所定範囲にある表示領域に、前記携帯端末に関する画像を表示する制御部と、を備える車載装置とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に1又は複数の表示装置を備えた車両に搭載される車載装置であって、
前記車両の乗員の携帯端末の位置を検出し、前記表示装置の表示領域のうち、検出された前記携帯端末の前記位置から所定範囲にある表示領域に、前記携帯端末に関する画像を表示する制御部と、
を備える車載装置。
【請求項2】
前記所定範囲は、前記位置から前記車両の進行方向に対して前側方向で、前記位置から所定距離以内の範囲である、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記表示領域は、前記車両の内側の全周にわたって設置される全周ディスプレイの前記位置から前記所定範囲にある表示領域である、
請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記携帯端末に関する画像は、前記携帯端末を操作するための操作画面であり、
前記制御部は、前記乗員による入力を受け付ける入力部により、前記携帯端末に対する操作の入力を受け付ける、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項5】
車室内に1又は複数の表示装置を備えた車両に搭載される車載装置が、
前記車両の乗員の携帯端末の位置を検出し、前記表示装置の表示領域のうち、検出された前記携帯端末の前記位置から所定範囲にある表示領域に、前記携帯端末に関する画像を表示する、
ことを実行する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、乗用車など車両の車載装置において、各座席の乗員それぞれに対するディスプレイが設置されることがある。車両の乗員が、スマートフォンなどの携帯端末を車両の車載装置に接続して、車載装置のディスプレイをスマートフォンの外部表示装置として使用できるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-116105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、乗員の携帯端末を車両の車載装置に接続する場合、運転席(前席)のそばに設置される車載装置のディスプレイに当該携帯端末の操作画面等が表示されることがある。この場合、携帯端末を携帯する後部座席の乗員は、当該操作画面を操作することが難しい。
【0005】
開示の実施形態は、車両の乗員が容易に操作できる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
車室内に1又は複数の表示装置を備えた車両に搭載される車載装置であって、
前記車両の乗員の携帯端末の位置を検出し、前記表示装置の表示領域のうち、検出された前記携帯端末の前記位置から所定範囲にある表示領域に、前記携帯端末に関する画像を表示する制御部と、
を備える車載装置である。
【0007】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0008】
開示の実施形態は、車両の乗員が容易に操作できる車載装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる車載装置を含むシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、車両に搭載される表示装置の位置の例を示す図である。
図3図3は、車載装置100の動作フローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0011】
〔実施形態〕
<構成例>
図1は、本実施形態にかかる車載装置を含むシステムの構成例を示す図である。図1のシステムは、車載装置100、第1表示装置210、第2表示装置220、第3表示装置230を含む。図1のシステムは、前席及び後席を有する乗用車などの車両に搭載される。また、車両に乗車する乗員に携帯される携帯端末300は、車載装置100に通信可能に接続される。ここで、乗員に携帯される携帯端末300(乗員が携帯する携帯端末300、乗員の携帯端末300)は、例えば、当該乗員が自身の身体に身に着けている携帯端末300、当該乗員の周囲に存在する携帯端末300等である。乗員の周囲は、例えば、乗員が有する鞄の中、乗員が着席する座席の上、乗員が着席する座席の隣の座席の上、乗員が着席する座席の前席の座先の背面、乗員から最も近いドアポケット、乗員が着席する座席の前方のダッシュボードの中や上などを含む。車載装置100は、制御部102、記憶部104、入出力IF(Interface)106、通信IF(Interface)108を含む。これらは、互いにバスによって接続される。車載装置100は、例えば、コンピュータを搭載するカーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータなどによって実現され得る。第1表示装置210は、第1表示部211、第1入力部212を含む。第2表示装置220は、第2表示部221、第2入力部222を含む。第3表示装置230は、第3表示部231、第3入力部232を含む。第1表示装置210、第2表示装置220、第3表示装置230を区別しない場合には、単に、表示装置200ともいう。また、第1表示部211、第2表示部221、第3表示部231を区別しない場合には、単に、表示部201ともいう。第1入力部212、第2入力部222、第3入力部232を区別しない場合には、単に、入力部202ともいう。
【0012】
図2は、車両に搭載される表示装置の位置の例を示す図である。図2は、車両1の内部を上方から見た図である。図2の例では、車両1は、右前部座席410、左前部座席420、右後部座席430、左後部座席440を含む。右前部座席410は、運転者が着席する運転席である。左前部座席420、右後部座席430、左後部座席440は、運転者以外の乗員が着席する座席である。運転者は、乗員の一人である。第1表示装置210は、車両の右前部座席(運転席)の乗員(運転者)および左前部座席の乗員が第1表示部211を見られる位置に設置される。第1表示装置210は、右前部座席の乗員および左前部座席の乗員の近傍に設置される表示装置である。右前部座席の乗員および左前部座席の乗員は、第1入力部212を操作できる。第2表示装置220は、右後席座席の乗員が第2表示部221を見られる位置(例えば、右前部座席410の背面)に設置される。第2表示装置220は、右後席座席の乗員の近傍に設置される表示装置である。右後席座席の乗員は、第2入力部222を操作できる。第3表示装置230は、左後席座席の乗員が第3表示部231を見られる位置(例えば、左前部座席420の背面)に設置される。第3表示装置230は、左後席座席の乗員の近傍に設置される表示装置である。左後席座席の乗員は、第3入力部232を操作できる。本実施形態が適用される車両は、図2の車両1のような車両に限定されるものではなく、座席数や座席の配置の異なる車両であってもよい。また、表示装置の数や配置は、図2のようなものに限定されるものではなく、異なる数や配置であってもよい。
【0013】
車載装置100は、運転者や乗員が携帯する携帯端末300に通信可能に接続され、携
帯端末300の操作画面等を車載装置100に接続されるいずれかの表示装置に表示する。
【0014】
制御部102は、車載装置100全体の制御を行う中央処理演算装置(Central Processing Unit)である。制御部102はプロセッサとも呼ばれる。ただし、制御部102は
、単一のプロセッサに限定されるものではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一の制御部102がマルチコア構成であってもよい。制御部102は、記憶部104に記憶されたプログラムを作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器等の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。制御部102は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用LSI(Large Scale Integration)、その他のデジタル回路等を含んでもよい。
【0015】
記憶部104は、制御部102がプログラムやデータを記憶したり、作業領域を展開したり、動作の設定情報などを記憶したりする記録媒体である。記憶部104は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard-disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。また、記憶部104は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモ
リ、SD(Secure Digital)メモリカード等である。
【0016】
入出力IF106は、表示装置などの装置との間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF106は、キーボード、リモートコントローラ(リモコン)、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの表示装置200の入力部202などの入力装置などと接続される。また、入出力IF106は、表示装置200の表示部201などと接続される。制御部102は、入出力IF106を介して、表示装置200の表示部201、入力部202と通信する。
【0017】
通信IF108は、通信ネットワーク等を介して他の情報処理装置などと通信をする通信インタフェースである。通信IF108は、携帯端末300などと、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの周知の無線通信規格により無線通信可能に接続される。通信IF108は、例えば、携帯端末300などと通信するための指向性アンテナ等を含む。指向性アンテナの指向性の方向は、例えば、可変である。指向性アンテナは、例えば、車両1の天井の中央に設置される。通信IF108は、携帯端末300などと通信するための複数のアンテナを含んでもよい。車載装置100は、通信IF108の指向性アンテナ等により、車両1内における携帯端末300の位置を取得することができる。また、通信IF108は、CANなどの車載ネットワークに接続され、車両1に設けられる他の装置と通信し得る。
【0018】
なお、上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。また、上記の構成要素は、車両に搭載される装置(例えば、カーナビゲーションシステム等)の構成要素に含まれるとしてもよい。
【0019】
表示装置200の表示部201は、映像や文字情報を表示するディスプレイである。表示部201は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel
)等である。表示部201は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。表示部201は、車載装置100と通信可能に接続される。表示部201と、車載装置100とは、有線で通信可能に接続されても、無線(電波、赤外線など)で通信可能に接続されてもよい。
【0020】
表示装置200の入力部202は、例えば、乗員が車載装置100を操作する際に情報を入力する装置である。入力部202は、例えば、表示部201の表面に設置されるタッチパネルである。入力部202は、キーボード、リモートコントローラ(リモコン)、ポインティングデバイスなどを含んでもよい。入力部202と、車載装置100とは、有線で通信可能に接続されても、無線(電波、赤外線など)で通信可能に接続されてもよい。
【0021】
携帯端末300は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの車載装置100と通信可能な端末である。携帯端末300は、車両1の乗員に携帯される。携帯端末300は、操作画面等を表示装置200の表示部201に表示するための情報(データ)を、車載装置100に送信することができる。また、携帯端末300は、携帯端末300を操作するために入力された情報(データ)を、車載装置100から受信することができる。携帯端末300は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などにより、無線通信可能に、車載装置100と接続される。
【0022】
(動作例)
図3は、車載装置100の動作フローの例を示す図である。ここでは、車載装置100の制御部102は、車両1の乗員が携帯する携帯端末300を検出し、携帯端末300の位置を検出する。さらに、車載装置100の制御部102は、携帯端末300に近い表示装置200に、携帯端末300の操作画面を表示する。また、車載装置100の制御部102は、表示装置200に表示される操作画面を移動するための移動操作がされた場合、操作画面を他の位置(例えば、他の表示装置200)に表示する。
【0023】
S101では、車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、接続可能な携帯端末300が車両1内に存在するか否かを判定する。車載装置100に接続可能な携帯端末300は、車載装置100に接続可能であることを示す所定の信号を送信する。制御部102は、通信IF108を介して、当該所定の信号を受信した場合に、接続可能な携帯端末300が車両1内に存在すると判定する。また、制御部102は、当該所定の信号を受信しない場合に、接続可能な携帯端末300が車両1内に存在しないと判定する。接続可能な携帯端末300が存在しない場合(S101;NO)、S101の処理を繰り返す。接続可能な携帯端末300が存在する場合(S101;YES)、処理がS102に進む。
【0024】
S102では、車載装置100の制御部102は、通信IF108を介して、携帯端末300と通信可能に接続する。制御部102は、通信IF108を介して、携帯端末300のとの間で、通信可能に接続するための所定の信号を送受信することで、携帯端末300と通信可能に接続する。通信可能に接続するための所定の信号は、例えば、無線LAN等の無線通信規格に基づくものである。
【0025】
S103では、制御部102は、接続した携帯端末300の位置を検出する。携帯端末300の位置は、例えば、当該携帯端末300を携帯する乗員の着席位置に相当する。制御部102は、通信IF108のアンテナ等により、携帯端末300の位置を検出する。制御部102は、例えば、指向性アンテナの指向性の方向を変更して、携帯端末300からの電波の到来方向を検出することや、複数のアンテナにおける携帯端末300からの電波の受信強度を比較すること等によって、携帯端末300の位置を検出する。例えば、車両内の位置の異なる3か所に設置したアンテナでそれぞれ取得した携帯端末300からの電波の受信強度の逆数の比が、携帯端末300から各アンテナまでの距離の比に相当するとみなして、携帯端末300の位置を検出することができる。車載装置100は、携帯端末300の位置を、無線による周知の位置検出技術により検出し得る。制御部102は、携帯端末300の位置を、どの座席の近傍に存在するか(どの座席に最も近いか)が分かる程度に検出できればよい。
【0026】
S104では、制御部102は、携帯端末300の位置に最も近い表示装置200の表示部201に、携帯端末300の操作画面を表示する。最も近い表示装置200の表示部201は、最も近い表示領域の例である。制御部102は、例えば、S103で携帯端末300が右後部座席430の近傍に存在していると検出した場合、携帯端末300の操作画面を第2表示装置220の第2表示部221に表示する。制御部102は、表示装置200の表示部201に携帯端末300の操作画面を表示するための情報を、通信IF108を介して、携帯端末300から受信する。ここでは、携帯端末300が右後部座席430の近傍に存在していると検出した場合、携帯端末300を携帯する乗員は右後部座席430に着席しているとする。他の座席の場合も同様である。制御部102は、例えば、S103で携帯端末300が左後部座席440の近傍に存在していると検出した場合、携帯端末300の操作画面を第3表示装置230の第3表示部231に表示する。制御部102は、例えば、S103で携帯端末300が右前部座席410または左前部座席420の近傍に存在していると検出した場合、携帯端末300の操作画面を第3表示装置230の第3表示部231に表示する。ここで、制御部102は、携帯端末300の位置から所定範囲に存在する表示装置200の表示部201に、携帯端末300の操作画面を表示するとしてもよい。制御部102は、当該所定範囲に存在する表示装置200の表示部201が複数存在する場合、携帯端末300の位置から最も近い位置に存在する表示装置200の表示部201に携帯端末300の操作画面を表示する。また、当該所定範囲は、例えば、携帯端末300の位置から車両の進行方向に対して前側方向で、当該位置から所定距離以内の範囲である。所定距離は、例えば、任意の2つの表示部間の距離未満の距離、1m等である。所定距離は、これらに限定されるものではない。車両の進行方向に対して前側方向とは、当該位置から車両の進行方向に対して平行で前方の前方向だけでなく、当該前方向の成分を含み、車両の進行方向に対して直交する左右方向や上下方向の成分を含む斜め前方方向を含む。即ち、車両の進行方向に対して前側方向は、携帯端末300の位置を通り車両の進行方向に直交する平面よりも車両の前方側を示す。よって、車両の進行方向に対して前側方向は、携帯端末300の位置を通り車両の進行方向に直交する平面よりも車両の後方側を含まない。これにより、携帯端末300の位置よりも後方に位置する表示装置200の表示部201に携帯端末300の操作画面が表示されることがなくなる。例えば、前方の座席に着席する乗員が携帯する携帯端末300の操作画面が、後方の座席に着席する乗員のために設置される表示装置200の表示部201に表示されることを回避することができる。
【0027】
制御部102は、表示部201に携帯端末300の操作画面が表示されている間、入力部202を介して携帯端末300に対する入力操作(表示部201に表示された操作画面に対する入力操作)を受け付けることができる。乗員は、表示装置200の表示部201に表示される携帯端末300の操作画面に対する操作を、入力部202を介して、入力することができる。即ち、乗員は、自身が携帯する携帯端末300に対する入力操作を表示装置200の入力部202を介して行うことができる。制御部102は、表示装置200の入力部202を介して、携帯端末300に対する入力操作を受け付けた場合、受け付けた入力操作の情報を、携帯端末300に、通信IF108を介して、送信する。携帯端末300は、車載装置100から、入力部202で受け付けた入力操作の情報を受信すると、当該入力操作に基づく、処理を実行する。これにより、携帯端末300を携帯する乗員は、表示装置200の入力部202を介して、携帯端末300を操作することができる。これにより、携帯端末300を携帯する乗員は、携帯端末300を取り出すことなく、携帯端末300に対する入力操作を行うことができる。制御部102は、携帯端末300の操作画面を表示する代わりに、携帯端末300の表示部に表示される表示画面をそのままミラーリングして表示しても、携帯端末300の他の画面を表示してもよい。携帯端末300の操作画面、表示画面、他の画面は、携帯端末300に関する画像の例である。
【0028】
S105では、制御部102は、表示装置200の表示部201に表示される携帯端末300の操作画面に対する移動操作を、入力部202を介して受け付けたか否かを判定する。移動操作は、操作画面を他の表示装置200(他の表示領域)に移動するための操作である。移動操作は、例えば、操作画面を横方向(右方向、左方向)や縦方向(上方向、下方向)や他の方向にフリックする操作である。フリックは、タッチパネル上で一方向に素早くはじく操作である。制御部102は、フリック操作を、入力部202を介して検出する。例えば、右後部座席430の乗員に向けられる第2表示装置220に表示される操作画面を左方向にフリック操作した場合、第3表示装置230の第3表示部231への移動操作とする。また、例えば、右後部座席430の乗員に向けられる第2表示装置220に表示される操作画面を上方向にフリック操作した場合、第1表示装置210の第1表示部211への移動操作とする。他の表示装置200に表示される操作画面に対する移動操作についても同様である。移動操作は、これらに限定されるものではない。移動操作を検出した場合(S105;YES)、処理がS106に進む。移動操作を検出しない場合、処理がS107に進む。
【0029】
S106では、制御部102は、S105で検出された移動操作に基づいて、携帯端末300の操作画面を、他の表示領域(他の表示装置200)に移動する。例えば、制御部102は、第2表示装置220の第2表示部221から第3表示装置230の第3表示部231への移動操作を受け付けた場合、第2表示部221に表示される携帯端末300の操作画面を消去し、第3表示部231に消去した当該操作画面を表示する。これにより、操作画面が、第2表示部221から第3表示部231に移動する。制御部102は、操作画面が第2表示部221から第3表示部231に移動するアニメーションを表示してもよい。これにより、乗員は、操作画面が移動したことを認識しやすくなる。他の表示装置200間についての移動についても同様である。操作画面の移動先の表示装置200における入力部202では、当該操作画面に対する入力操作を受け付けることができる。移動先の表示装置200の近傍の座席に着席する乗員は、表示装置200の表示部201に表示される携帯端末300の操作画面に対する操作を、入力部202を介して、入力することができる。即ち、当該乗員は、他の座席に着席する乗員が携帯する携帯端末300に対する入力操作を表示装置200の入力部202を介して行うことができる。これにより、携帯端末300が手許に無くても、他の乗員が携帯する携帯端末300に対する入力操作を行うことができる。入力部202を介して、受け付けた入力操作の情報は、上記と同様に、携帯端末300に送信される。
【0030】
S107では、車載装置100は、処理を終了するか否かを判定する。処理は、例えば、車両1の電源がOFFにされた場合に終了する。処理を終了しない場合(S107;NO)、車載装置100は処理をS101に戻す。処理を終了する場合(S107;YES)、車載装置100は処理を終了する。
【0031】
(変形例)
表示装置200は、車両1の内側の全周にわたって設置される全周ディスプレイであってもよい。全周ディスプレイは、車両のフロントウインドウ、各座席の側のウインドウ及びリアウインドウ等の下部のパネル部分に設置されるディスプレイである。当該全周ディスプレイは、タッチパネル等の入力部を含む。表示装置200を全周ディスプレイとすることで、表示装置200の表示領域が拡がり、より乗員に近い位置に携帯端末300の操作画面等を表示することができる。また、乗員は、全周ディスプレイの入力部に対して入力操作をすることで、より近い位置で、携帯端末300のための入力操作を行うことができ、操作性が向上する。
【0032】
(実施形態の作用、効果)
車載装置100は、車両1の乗員が携帯する携帯端末300を検出し、携帯端末300
の位置を検出する。携帯端末300の位置は、携帯端末300を携帯する乗員の位置に相当する。さらに、車載装置100は、携帯端末300に最も近い表示領域(表示装置200)に、携帯端末300の操作画面(携帯端末300に関する画像)を表示する。また、車載装置100は、当該操作画面に対する入力操作を入力部202により受け付ける。これにより、乗員は携帯端末300を取り出すことなく、表示装置200を介して、携帯端末300を操作することができる。また、携帯端末300を携帯する乗員の近傍の表示装置200に携帯端末300の表示画面が表示される。このため、車載装置100は、車両1の運転者が操作しなくても、表示部201に携帯端末300の操作画面を表示し、携帯端末300に対する操作を入力部202を介して受け付けることができる。これにより、車両1の運転者が車載装置100を操作する機会が減り、安心安全につながる。さらに、車載装置100は、表示装置200に表示される操作画面を移動するための移動操作がされた場合、操作画面を他の表示領域(例えば、他の表示装置200)に表示する。また、車載装置100は、当該操作画面に対する入力操作を入力部202により受け付ける。これにより、他の乗員が携帯する携帯端末300の操作を、当該携帯端末300を携帯しない乗員が、当該携帯端末300を携帯しない乗員の近傍の表示装置200を介して行うことができる。
【0033】
開示の構成は、上記の実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。上記の実施形態は、適宜、可能な限り組み合わせて実施することができる。
【0034】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0035】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ
等に固定された記録媒体としても利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 車両
100 車載装置
102 制御部
104 記憶部
106 入出力IF
108 通信IF
200 表示装置
201 表示部
202 入力部
300 携帯端末
図1
図2
図3