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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167554
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20231116BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20231116BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20231116BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231116BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20231116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231116BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20231116BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231116BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20231116BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20231116BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20231116BHJP
   F21W 103/40 20180101ALN20231116BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20231116BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20231116BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
F21S43/15
F21S43/14
F21V23/00 140
B60Q1/26 Z
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
F21W103:55
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:40
F21W103:35
F21W103:45
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078830
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【テーマコード(参考)】
3K014
3K339
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K339AA25
3K339AA28
3K339AA29
3K339AA32
3K339AA34
3K339BA02
3K339BA05
3K339BA08
3K339BA12
3K339CA06
3K339CA11
3K339CA12
3K339CA13
3K339CA14
3K339CA22
3K339CA24
3K339CA25
3K339DA01
3K339DA02
3K339DA05
3K339GB01
3K339GB21
3K339HA04
3K339JA02
3K339JA20
3K339JA21
3K339JA26
3K339KA09
3K339MC79
(57)【要約】
【課題】点灯させる発光素子の数を切り替える制御素子を設ける場合であっても、車両用照明装置の小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;前記基板の上に設けられ、チップ状を呈する複数の発光素子と;前記基板の上に設けられ、前記複数の発光素子と電気的に接続された制御素子と;を具備している。前記制御素子は、入力電圧に応じて、点灯させる前記発光素子の数を切り替える。車両用照明装置の中心軸に沿った第1の方向と直交する第2の方向から見た場合に、前記制御素子は、前記複数の発光素子と重ならない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;
前記基板の上に設けられ、チップ状を呈する複数の発光素子と;
前記基板の上に設けられ、前記複数の発光素子と電気的に接続された制御素子と;
を具備し、
前記制御素子は、入力電圧に応じて、点灯させる前記発光素子の数を切り替え、
車両用照明装置の中心軸に沿った第1の方向と直交する第2の方向から見た場合に、前記制御素子は、前記複数の発光素子と重ならない車両用照明装置。
【請求項2】
前記基板に設けられ、前記複数の発光素子と、前記制御素子と、に電気的に接続された複数の給電端子をさらに備え、
前記複数の給電端子は、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向に並べて設けられ、
前記第2の方向から見た場合に、前記複数の給電端子は、前記制御素子と重ならない請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記制御素子は、前記入力電圧に応じて、前記発光素子に流す電流の制御をさらに行い、
前記制御素子は、
入力電圧が第1の電圧未満となった場合には、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子を点灯させ、点灯させる前記発光素子に流れる電流を一定にし、
前記入力電圧が前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を超えた場合には、前記複数の発光素子の全てを点灯させ、点灯させる前記発光素子に流れる電流を一定にし、
前記入力電圧が前記第1の電圧以上、前記第2の電圧以下となった場合には、前記複数の発光素子の全てを点灯させるとともに、前記複数の発光素子の全光束、および前記複数の発光素子に流れる電流の少なくともいずれかを、前記入力電圧に応じて変化させる請求項1または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記制御素子は、前記入力電圧が前記第1の電圧以上、前記第2の電圧以下となった場合には、前記複数の発光素子の全光束の変化率、または、前記複数の発光素子に流れる電流の変化率を、前記入力電圧の0.1Vの変化に対して、5.1%以上、20%以下となるように変化させる請求項3記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて、発光ダイオードなどの発光素子を備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
近年においては、高光束化などのために、直列接続された複数の発光素子が車両用照明装置に設けられている。
【0003】
ここで、車両用照明装置に印加される電圧(入力電圧)は変動する。例えば、自動車に設けられる車両用照明装置の場合には、入力電圧が9V~16Vの範囲で変動する。入力電圧が低下すると、直列接続された複数の発光素子における順方向の電圧降下に応じて、全光束が少なくなる。そのため、入力電圧が低下すると、車両用照明装置の全光束が規定値未満となるおそれがある。
【0004】
そこで、入力電圧が低下した際に、点灯させる発光素子の数を減らす技術が提案されている。点灯させる発光素子の数を減らせば、順方向の電圧降下が小さくなるので、必要となる全光束を確保することができる。
【0005】
例えば、複数の発光素子と、点灯させる発光素子の数を切り替える制御素子とを、車両用照明装置に設けることができる。ところが、制御素子の平面寸法は、発光素子の平面寸法と比べて大きくなるので、単に、複数の発光素子と制御素子とを並べて設けると、車両用照明装置の小型化が図れなくなる。
そこで、点灯させる発光素子の数を切り替える制御素子を設ける場合であっても、車両用照明装置の小型化を図ることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-63252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、点灯させる発光素子の数を切り替える制御素子を設ける場合であっても、車両用照明装置の小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;前記基板の上に設けられ、チップ状を呈する複数の発光素子と;前記基板の上に設けられ、前記複数の発光素子と電気的に接続された制御素子と;を具備している。前記制御素子は、入力電圧に応じて、点灯させる前記発光素子の数を切り替える。車両用照明装置の中心軸に沿った第1の方向と直交する第2の方向から見た場合に、前記制御素子は、前記複数の発光素子と重ならない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、点灯させる発光素子の数を切り替える制御素子を設ける場合であっても、車両用照明装置の小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
図2】車両用照明装置を、車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合の模式図である。
図3】比較例に係る制御素子の作用を例示するための回路図である。
図4】比較例に係る制御素子の作用を例示するための回路図である。
図5】比較例に係る制御素子の効果を例示するためのグラフである。
図6】制御素子の作用を例示するための回路図である。
図7】制御素子の作用を例示するための回路図である。
図8】制御素子の効果を例示するためのグラフである。
図9】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
また、各図中における矢印X、Y、Zは、互いに直交する3つの方向を表している。例えば、X方向(第3の方向の一例に相当する)は左右方向、または上下方向を表し、Y方向(第2の方向の一例に相当する)は上下方向、または左右方向を表し、Z方向(第1の方向の一例に相当する)は前後方向を表している。例えば、Z方向は、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向とすることができる。
【0013】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、車両用照明装置1を、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向(Z方向)から見た場合の模式図である。
図1、および図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
【0015】
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、例えば、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられる。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、例えば、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有する。
【0016】
バヨネット12は、例えば、装着部11の側面に設けられる。バヨネット12は、例えば、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対向している。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を、例えば、後述する車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いられる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0017】
フランジ13は、例えば、板状を呈している。フランジ13は、例えば、円板状を呈している。フランジ13の側面は、バヨネット12の側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0018】
放熱フィン14は、例えば、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられる。放熱フィン14は、例えば、筒状を呈している。図1に例示をした放熱フィン14は、円筒状を呈している。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をした放熱フィン14は、フランジ13の周縁近傍に1つ設けられている。複数の筒状を呈する放熱フィン14を設ける場合には、複数の放熱フィン14を、所定の間隔を空けて、互いに同軸となるように並べて設けることができる。
【0019】
また、放熱フィン14は、例えば、板状を呈するものであってもよい。例えば、複数の板状を呈する放熱フィン14を、X方向、またはY方向に並べて設けることができる。
【0020】
コネクタホルダ15は、例えば、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられる。コネクタホルダ15は、例えば、筒状を呈する放熱フィン14の内側に設けることができる。板状を呈する放熱フィン14の場合には、コネクタホルダ15は、例えば、放熱フィン14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
【0021】
ソケット10は、発光モジュール20、および給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。例えば、ソケット10は、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
【0022】
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、例えば、高熱伝導性樹脂から形成することがさらに好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
【0023】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法などを用いて、例えば、ソケット10、給電部30、および伝熱部40を一体成形することもできる。
【0024】
給電部30は、例えば、複数の給電端子31、および保持部32を有する。
複数の給電端子31は、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、例えば、X方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31の一方の端部は、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子31の一方の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けされる。複数の給電端子31の他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する複数の給電端子31の端部には、コネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成される。なお、複数の給電端子31の形状、数、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0025】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素を用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、複数の給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムを用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持する。保持部32は、例えば、絶縁性を有する樹脂から形成される。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔に圧入したり、孔の内壁に接着したりすることができる。
【0026】
伝熱部40は、例えば、基板21と、凹部11aの底面との間に設けられている。伝熱部40は、例えば、凹部11aの底面に接着することができる。伝熱部40と凹部11aの底面とを接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。
【0027】
また、伝熱部40は、インサート成形法により、凹部11aの底面に埋め込むこともできる。また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)を含む層を介して、凹部11aの底面に取り付けることもできる。熱伝導グリスの種類には特に限定はないが、例えば、熱伝導グリスは、変性シリコーンに、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。
【0028】
伝熱部40は、発光モジュール20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、板状を呈し、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。
なお、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合などには、伝熱部40を省くこともできる。
【0029】
発光モジュール20(基板21)は、例えば、ソケット10の一方の端部側に設けられている。発光モジュール20(基板21)は、例えば、伝熱部40の上に接着される。伝熱部40が省かれる場合には、発光モジュール20(基板21)は、例えば、凹部11aの底面に接着される。発光モジュール20(基板21)を接着する接着剤は、例えば、伝熱部40と凹部11aの底面とを接着する接着剤と同じとすることができる。
【0030】
図2に示すように、発光モジュール20は、例えば、基板21、発光素子22、枠部23、封止部24、および、素子25を有する。
基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形である。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板であってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、セラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0031】
また、基板21は、配線パターン21aを有する。配線パターン21aは、基板21の表面に設けられている。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料を含んでいる。
【0032】
発光素子22は、基板21の上(伝熱部40側とは反対側)に設けられている。発光素子22は、チップ状を呈している。発光素子22は、配線パターン21aと電気的に接続される。発光素子22は、複数設けられている。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0033】
図1および図2に例示をした発光素子22は、COB(Chip On Board)により配線パターン21aに実装されている。発光素子22は、例えば、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、およびフリップチップ型の発光素子のいずれであってもよい。
【0034】
なお、チップ状を呈する発光素子22を有する表面実装型の発光ユニットや、チップ状を呈する発光素子22を有する砲弾型などのリード線を有する発光ユニットとすることもできる。
この様な発光ユニットとする場合には、枠部23、および封止部24を省くことができる。
例えば、表面実装型の発光ユニットの場合には、チップ状を呈する発光素子22が設けられるパッケージ(ケース)が枠部23に相当する。パッケージの内部に充填されチップ状を呈する発光素子22を覆う樹脂部が封止部24に相当する。なお、表面実装型の発光ユニットとする場合には、1つのパッケージに複数の発光素子22が設けられたマルチチップ発光素子(マルチダイパッケージ発光素子、チップオンボード発光素子などとも称される)とすることもできる。
例えば、砲弾型などのリード線を有する発光ユニットの場合には、チップ状を呈する発光素子22を覆うレンズが、枠部23および光学要素に相当する。なお、砲弾型などのリード線を有する発光ユニットの場合には、複数の発光ユニットを並べて設けることができる。
【0035】
ただし、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を考慮すると、図1および図2に例示をした様に、COBにより配線パターン21aに実装される発光素子22とすることが好ましい。
以下においては、一例として、COBにより配線パターン21aに実装される発光素子22の場合を説明する。
【0036】
枠部23は、基板21の上に設けられている。枠部23は、枠状を呈し、基板21の上に接着されている。枠部23の平面形状は、例えば、輪郭が四角形などの多角形の枠状、輪郭が円や楕円などの枠状とすることができる。図1、および図2に例示をした枠部23の平面形状は、輪郭が四角形の枠状である。
【0037】
枠部23に囲まれた領域には、複数の発光素子22が設けられている。枠部23は、例えば、樹脂から形成される。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
【0038】
枠部23は、封止部24の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部23は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。枠部23が設けられていれば、発光素子22から照射された光の利用効率を向上させることができる。また、封止部24が形成される範囲を小さくすることができるので、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0039】
封止部24は、枠部23の内側に設けられる。封止部24は、枠部23により囲まれた領域を覆うように設けられる。封止部24は、発光素子22を覆うように設けられる。封止部24は、透光性を有する樹脂を含んでいる。封止部24は、例えば、枠部23の内側に樹脂を充填することで形成される。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行われる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などである。
【0040】
また、封止部24には蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0041】
また、光学要素をさらに設けることもできる。光学要素は、封止部24の上に設けることができる。光学要素は、例えば、凸レンズ、凹レンズ、導光体などとすることができる。光学要素は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けることができる。ただし、光学要素が設けられていれば、所定の配光特性を得るのが容易となる。
【0042】
素子25は、発光素子22を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。素子25は、例えば、枠部23の周辺に設けられ、配線パターン21aと電気的に接続される。
【0043】
素子25は、例えば、抵抗25a、ダイオード25b、および制御素子25cなどとすることができる。
ただし、素子25の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22を有する発光回路の構成に応じて適宜変更することができる。例えば、素子25は、前述したものの他に、コンデンサ、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、ツェナーダイオード、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、集積回路、演算素子などであってもよい。
【0044】
抵抗25aは、基板21の上に設けられている。抵抗25aは、配線パターン21aと電気的に接続される。抵抗25aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1、および図2に例示をした抵抗25aは、表面実装型の抵抗器である。
【0045】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22に直列接続された抵抗25aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗25aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0046】
抵抗25aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗25aを選択する。抵抗25aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗25aの一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、膜状の抵抗器にレーザ光を照射すれば、膜状の抵抗器の一部を容易に除去することができる。なお、抵抗25aの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0047】
ダイオード25bは、基板21の上に設けられている。ダイオード25bは、配線パターン21aと電気的に接続される。ダイオード25bは、例えば、逆方向電圧が発光素子22および制御素子25cに印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22および制御素子25cに印加されないようにするために設けられる。ダイオード25bは、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどである。図1、および図2に例示をしたダイオード25bは、表面実装型のダイオードである。
【0048】
ここで、車両用照明装置1に印加される電圧(入力電圧)が変動する場合がある。例えば、一般的な自動車用の車両用照明装置1の動作標準電圧(定格電圧)は13.5V程度である。ところが、バッテリーの電圧低下、オルタネーターの動作、回路の影響などにより、入力電圧が変動する場合がある。そのため、例えば、自動車用の車両用照明装置1においては、動作電圧範囲(電圧変動範囲)が定められている。動作電圧範囲は、例えば、9V以上、16V以下である。
【0049】
また、発光素子22には順方向の電圧降下がある。そのため、直列接続された複数の発光素子22の入力電圧が低下すると、複数の発光素子22から照射される光の全光束が低下することになる。そして、動作電圧範囲の下限近傍において、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となる場合がある。例えば、発光素子22の順方向の電圧降下が3V程度の場合、3つの発光素子22を直列接続すると、9Vの電圧降下が生じることになる。また、3つの発光素子22には抵抗25aも直列接続されている。そのため、入力電圧が9V程度になると、3つの発光素子22にはほとんど電流が流れなくなり、車両用照明装置1の全光束が規定値未満となる。
【0050】
この場合、入力電圧に応じて点灯させる発光素子22の数を変えれば、動作電圧範囲の下限近傍において車両用照明装置1の全光束が規定値未満となるのを抑制することができる。
図3、および図4は、比較例に係る制御素子125cの作用を例示するための回路図である。
なお、図3は、入力電圧が所定の電圧V1以上(例えば、10V以上)の場合である。 図4は、入力電圧が所定の電圧V1未満(例えば、10V未満)の場合である。
図5は、比較例に係る制御素子125cの効果を例示するためのグラフである。
【0051】
図3、および図4に示すように、抵抗125aは、直列接続された3つの発光素子22に直列接続されている。抵抗125aは、前述した抵抗25aの場合と同様に、3つの発光素子22から照射される光の明るさを調整するために設けられている。
抵抗125bは、直列接続された2つの発光素子22に直列接続されている。抵抗125bは、前述した抵抗25aの場合と同様に、2つの発光素子22から照射される光の明るさを調整するために設けられている。
【0052】
制御素子125cは、入力電圧を検出し、検出された入力電圧に応じて、電流を流す発光素子22の数を切り替える。
例えば、入力電圧が所定の電圧V1以上の場合には、図3に示すように、制御素子125cは、直列接続された3つの発光素子22に電流Iaを流す。すると、3つの発光素子22から光が照射される。この場合、図5に示すように、3つの発光素子22から照射される光の全光束は、入力電圧に応じて変化する。
【0053】
例えば、入力電圧が所定の電圧V1未満の場合には、図4に示すように、制御素子125cは、直列接続された2つの発光素子22に電流Ibを流し、残りの発光素子22には電流を流さない様にする。すると、2つの発光素子22から光が照射され、残りの発光素子22からは光が照射されない。点灯させる発光素子22の数が減れば、点灯させる発光素子22に流れる電流を増加させることができる。そのため、2つの発光素子22から照射される光の全光束を増加させることができるので、図5に示すように、動作電圧範囲の下限近傍において車両用照明装置の全光束が規定値未満となるのを抑制することができる。
【0054】
ところが、この様にすると、図5に示すように、点灯させる発光素子22の数を切り替えた際に、全光束の変化率が大きくなる。全光束の変化率が大きくなると、例えば、自動車などの車両の運転者などが違和感を感じる場合がある。
【0055】
図6、および図7は、制御素子25cの作用を例示するための回路図である。
なお、図6は、入力電圧が所定の電圧V1(第1の電圧の一例に相当する)以上の場合である。電圧V1は、例えば、10Vである。
図7は、入力電圧が所定の電圧V1未満の場合である。
図8は、制御素子25cの効果を例示するためのグラフである。
【0056】
制御素子25cは、基板21の上に設けられ、複数の発光素子22と電気的に接続されている。制御素子25cは、入力電圧を検出し、検出された入力電圧に応じて、点灯させる発光素子22の数を切り替える。
例えば、入力電圧が所定の電圧V1以上となった場合には、図6に示すように、制御素子25cは、直列接続された3つの発光素子22に電流Icを流す。すると、3つの発光素子22から光が照射される。
【0057】
例えば、入力電圧が所定の電圧V1未満となった場合には、図7に示すように、制御素子25cは、直列接続された2つの発光素子22に電流Idを流し、残りの発光素子22には電流を流さない様にする。すると、2つの発光素子22から光が照射され、残りの発光素子22からは光が照射されない。点灯させる発光素子22の数が減れば、点灯させる発光素子22に流れる電流を増加させることができる。そのため、2つの発光素子22から照射される光の全光束を増加させることができるので、図8に示すように、動作電圧範囲の下限近傍において車両用照明装置の全光束が規定値未満となるのを抑制することができる。
【0058】
またさらに、制御素子25cは、入力電圧を検出し、検出された入力電圧に応じて、発光素子22に流す電流の制御を行う。
例えば、図8に示すように、制御素子25cは、入力電圧が、電圧V1よりも高い電圧V2(第2の電圧の一例に相当する)を超えた場合には、3つの発光素子22に電流Icを流すとともに、電流Icが一定となるようにする。発光素子22に流れる電流と、全光束との間には正の相関関係がある。そのため、電流Icが一定となれば、電流Icに応じて全光束が一定となる。なお、電圧V2は、例えば、11Vである。
【0059】
例えば、図8に示すように、制御素子25cは、入力電圧が、電圧V1未満となった場合には、2つの発光素子22に電流Idを流すとともに、電流Idが一定となるようにする。電流Idが一定となれば、電流Idに応じて全光束が一定となる。
【0060】
前述した様に、入力電圧が電圧V1となった際に、点灯させる発光素子22の数を単に切り替えると、全光束の変化率が大きくなる。そこで、制御素子25cは、入力電圧が、電圧V1以上、電圧V2以下となった場合には、3つの発光素子22に電流Icを流すとともに、入力電圧に応じて電流Icを変化させる。入力電圧に応じて電流Icを変化させれば、電流Icの変化に応じて全光束を変化させることができる。
【0061】
例えば、制御素子25cは、3つの発光素子22の全光束の変化率、または、3つの発光素子22に流れる電流の変化率を、入力電圧の0.1Vの変化に対して、5.1%以上、20%以下となるように変化させる。この様にすれば、点灯させる発光素子22の数を切り替えた際に、運転者などが違和感を感じるのを抑制することができる。
制御素子25cのおける制御パラメータ(例えば、入力電圧と全光束との関係など)は、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
【0062】
なお、以上においては、一例として、3つの発光素子22が設けられる場合を説明したが、発光素子22の数は、発光素子22の順方向電圧特性などに応じて適宜変更することができる。すなわち、発光素子22は、複数設けられていればよい。
【0063】
例えば、制御素子25cは、入力電圧が電圧V1未満となった場合には、複数の発光素子22のうちの一部の発光素子22を点灯させ、点灯させる発光素子22に流れる電流を一定にする。
制御素子25cは、入力電圧が電圧V2を超えた場合には、複数の発光素子22の全てを点灯させ、点灯させる発光素子22に流れる電流を一定にする。
制御素子25cは、入力電圧が電圧V1以上、電圧V2以下となった場合には、複数の発光素子22の全てを点灯させるとともに、複数の発光素子22の全光束、および複数の発光素子22に流れる電流の少なくともいずれかを、入力電圧に応じて変化させる。
また、制御素子25cは、入力電圧が電圧V1以上、電圧V2以下となった場合には、複数の発光素子22の全光束の変化率、または、複数の発光素子22に流れる電流の変化率を、入力電圧の0.1Vの変化に対して、5.1%以上、20%以下となるように変化させる。
【0064】
以上に説明した様に、制御素子25cが設けられていれば、入力電圧が変動したとしても、必要となる全光束を確保することができ、且つ、全光束の変化率が大きくなるのを抑制することができる。
【0065】
ここで、近年においては、車両用照明装置1の小型化が望まれている。この場合、発光モジュール20の平面寸法を小さくすれば、車両用照明装置1の小型化を図ることができる。ところが、制御素子25cは、チップ状を呈する発光素子22、抵抗25a、ダイオード25bなどと比べて平面寸法が大きくなるので、単に、これらの素子と制御素子25cとを並べて設けると、車両用照明装置1の小型化が図れなくなる。
【0066】
そこで、図2に示すように、Z方向と直交するY方向から見た場合に、制御素子25cは、複数の発光素子22と重ならない様にしている。
例えば、図2に示すように、Z方向から見た場合に、枠部23の輪郭線に接し、且つ、Y方向に延びる線分26、27に対して、制御素子25cは、枠部23とは反対側の領域に設けることができる。なお、図2に例示をしたものの場合には、制御素子25cが、線分26に対して、枠部23とは反対側の領域に設けられている。
この様にすれば、Y方向から見た場合に、制御素子25cは、複数の発光素子22と重ならない様にすることができる。
【0067】
この場合、線分26、27に対して、枠部23側の領域に、平面寸法が大きい制御素子25cを設けると、発光モジュール20(基板21)のY方向の寸法が大きくなる。一方、線分26、27に対して、枠部23とは反対側の領域に制御素子25cを設ければ、発光モジュール20(基板21)のY方向の寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【0068】
この場合、発光モジュール20(基板21)のX方向の寸法が大きくなるが、線分26、27に対して、枠部23とは反対側の領域には、抵抗25a、ダイオード25bなどの素子25を設けることができるので、スペース効率の向上、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0069】
また、基板21には、複数の発光素子22と、制御素子25cと、に電気的に接続された複数の給電端子31が設けられる。基板21において、複数の給電端子31が設けられるスペースは大きなものとなる。そのため、線分26と線分27との間の領域に、チップ状の発光素子22および複数の給電端子31を設けることが好ましい。この場合、複数の給電端子31は、X方向に並べて設けることができる。この様にすれば、Y方向から見た場合に、複数の給電端子31は、制御素子25cと重ならないようにすることができる。そのため、スペース効率の向上、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0070】
また、前述した様に、基板21には、素子25として、コンデンサ、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、ツェナーダイオードなどを設けることもできるが、これらの素子の平面寸法は比較的小さい。そのため、図2に示すように、これらの素子は、基板21の空いているスペースに適宜設けるようにすればよい。
【0071】
なお、以上においては、枠部23が設けられる場合を説明したが、例えば、チップ状を呈する発光素子22を有する表面実装型の発光ユニットの場合には、Z方向から見た場合に、パッケージの輪郭線に接し、且つ、Y方向に延びる線分26、27とすればよい。
例えば、砲弾型などのリード線を有する発光ユニットの場合には、Z方向から見た場合に、複数の発光素子が設けられた領域において、レンズの輪郭線に接し、且つ、Y方向に延びる線分26、27とすればよい。
【0072】
(車両用灯具)
本発明の1つの実施形態において、車両用照明装置1を具備した車両用灯具100を提供することができる。前述した車両用照明装置1に関する説明、および車両用照明装置1の変形例(例えば、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもので、本発明の特徴を備えているもの)は、いずれも車両用灯具100に適用することができる。
【0073】
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるリアコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるリアコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0074】
図9は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図9に示すように、車両用灯具100は、例えば、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を有する。
【0075】
筐体101には、車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。筐体101の底面には、装着部11の、バヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0076】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0077】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられる。カバー102は、透光性樹脂などから形成される。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
【0078】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、図9に例示をした光学要素103はリフレクタである。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成する。
【0079】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられる。シール部材104は、環状を呈し、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成される。
【0080】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0081】
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、電源などが電気的に接続される。そのため、コネクタ105を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、電源などと、発光素子22とを電気的に接続することができる。
【0082】
また、コネクタ105には、シール部材105aが設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が、コネクタホルダ15の内部に挿入された際には、コネクタホルダ15の内部が水密となるように密閉される。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0084】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0085】
(付記1)
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;
前記基板の上に設けられ、チップ状を呈する複数の発光素子と;
前記基板の上に設けられ、前記複数の発光素子と電気的に接続された制御素子と;
を具備し、
前記制御素子は、入力電圧に応じて、点灯させる前記発光素子の数を切り替え、
車両用照明装置の中心軸に沿った第1の方向と直交する第2の方向から見た場合に、前記制御素子は、前記複数の発光素子と重ならない車両用照明装置。
【0086】
(付記2)
前記基板に設けられ、前記複数の発光素子と、前記制御素子と、に電気的に接続された複数の給電端子をさらに備え、
前記複数の給電端子は、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向に並べて設けられ、
前記第2の方向から見た場合に、前記複数の給電端子は、前記制御素子と重ならない付記1記載の車両用照明装置。
【0087】
(付記3)
前記制御素子は、前記入力電圧に応じて、前記発光素子に流す電流の制御をさらに行い、
前記制御素子は、
入力電圧が第1の電圧未満となった場合には、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子を点灯させ、点灯させる前記発光素子に流れる電流を一定にし、
前記入力電圧が前記第1の電圧よりも高い第2の電圧を超えた場合には、前記複数の発光素子の全てを点灯させ、点灯させる前記発光素子に流れる電流を一定にし、
前記入力電圧が前記第1の電圧以上、前記第2の電圧以下となった場合には、前記複数の発光素子の全てを点灯させるとともに、前記複数の発光素子の全光束、および前記複数の発光素子に流れる電流の少なくともいずれかを、前記入力電圧に応じて変化させる付記1または2に記載の車両用照明装置。
【0088】
(付記4)
前記制御素子は、前記入力電圧が前記第1の電圧以上、前記第2の電圧以下となった場合には、前記複数の発光素子の全光束の変化率、または、前記複数の発光素子に流れる電流の変化率を、前記入力電圧の0.1Vの変化に対して、5.1%以上、20%以下となるように変化させる付記3記載の車両用照明装置。
【0089】
(付記5)
付記1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【符号の説明】
【0090】
1 車両用照明装置、1a 中心軸、10 ソケット、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、23 枠部、25 素子、25c 制御素子、31 給電端子、100 車両用灯具、101 筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9