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特開2023-167561清掃装置、及び清掃装置に適用される方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167561
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】清掃装置、及び清掃装置に適用される方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20231116BHJP
   A47L 7/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078841
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】猪尾 和大
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DE01
(57)【要約】
【課題】清掃機能のみならず、清掃動作中に空気清浄を行う空気清浄機能を実現することが可能な清掃装置及び清掃装置に適用される方法を提供する。
【解決手段】清掃装置10は、吸気ファン72と、吸気ノズル33と、フィルタ315と、収容ボックス31と、を備える。収容ボックス31は、吸気ノズル33と連通する第1開口311、大気を取り込むための第2開口317を有する。また、清掃装置10は、清掃動作中に空気清浄機能が有効設定されている場合に、第1開口311の気流の強さが基準値未満になると、第2開口317を閉塞する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃する清掃装置であって、
前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、
前記収容部の内部から前記排出口を経て前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備え、
前記収容部は、
外気を内部に取り込むための第2開口を更に有し、
前記清掃装置は、
前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を含み、前記開閉部材に駆動力を付与することにより、前記開位置と前記閉位置との間で前記開閉部材を移動させる開閉機構と、
前記第1開口から吸入される気流の強さを測定する測定部と、
前記開閉機構を制御する開閉制御部と、を備え、
前記開閉制御部は、前記第2開口の全開時に前記測定部により測定された第1測定値に基づいて前記開閉機構を制御することにより前記第2開口の開度を変更する、清掃装置。
【請求項2】
前記開閉制御部は、前記第1測定値が予め定められた基準値未満になった場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させることにより前記第2開口の開度を全開時の開度よりも小さくする、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記開閉制御部は、前記第1測定値が前記基準値未満になった場合に、前記開閉部材を前記閉位置に移動させることにより前記第2開口を閉塞する、請求項2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記開閉制御部は、前記第1測定値が前記基準値未満になった場合に、予め定められた設定時間だけ前記第2開口の開度を変更し、前記設定時間を経過した後に前記第2開口の開度を元の開度に戻す、請求項2又は3に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記第2開口の開度が元の開度に戻された後に前記測定部により測定された第2測定値が前記基準値以上であるか否かを判定する測定値判定部と、
前記測定値判定部により前記第2測定値が前記基準値以上定値未満であると判定された場合に、前記吸気ノズルに関するエラー情報を出力する第1エラー出力部と、を更に備える、請求項4に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記フィルタが目詰まりしているか否かを判定するフィルタ判定部を更に備え、
前記開閉制御部は、前記フィルタ判定部によって前記フィルタが目詰まりしていないと判定された場合に、前記第1測定値が前記基準値未満か否かを判定し、前記第1測定値が前記基準値未満と判定された場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させる、請求項2又は3に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記フィルタ判定部によって前記フィルタが目詰まりしていないと判定された場合に、前記フィルタに関するエラー情報を出力する第2エラー出力部を更に備える、請求項6に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記吸気ファンが設けられる装置本体と、
前記装置本体の背面に設けられ、前記収容部を着脱可能に支持する支持部と、を更に備え、
前記吸気ノズルは、前記支持部の下部において前記被清掃面に対向するように設けられており、
前記第1開口は、前記収容部の底面に形成されており、
前記支持部は、
前記収容部の底面を支持可能であり、前記収容部の装着状態で前記吸気ノズルから前記第1開口を経て前記収容部の内部に至る第1流路を開通する第1連通口を有する第1支持部材と、
前記収容部の側面と係合可能であり、前記収容部の装着状態で前記収容部の内部から前記排出口を経て前記吸気ファンに至る排気流路を開通する第2連通口を有する第2支持部材と、を有し、
前記開閉部材は前記収容部に設けられており、
前記支持部は、前記収容部の装着に応じて前記開閉部材と連結し、前記収容部の取り外しに応じて前記開閉部材と連結解除される連結部を有する、請求項1から3のいずれか一つに記載の清掃装置。
【請求項9】
前記清掃装置に空気清浄動作を実行させるための設定入力を受け付ける設定受付部を更に備え、
前記開閉制御部は、前記設定受付部によって前記設定入力が受け付けられた場合に、前記開閉部材を前記閉位置から前記開位置に移動させる、請求項1から3のいずれか一つに記載の清掃装置。
【請求項10】
前記収容部は、前記清掃装置の高さ方向に長い箱状に形成されており、
前記第2開口は、前記収容部の上部に形成されている、請求項1から3のいずれか一つに記載の清掃装置。
【請求項11】
吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃する清掃装置に適用される方法であって、
前記清掃装置は、
前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、
前記排出口から前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備え、
前記収容部は、外気を内部に取り込むための第2開口を更に有し、
前記清掃装置は、
前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を更に備え、
前記収容部の前記第2開口の全開時に前記第1開口から前記吸引力によって吸入される気流の強さを示す第1測定値を取得する測定値取得ステップと、
前記第1測定値が予め定められた基準値未満か否かを判定する判定ステップと、
前記第1測定値が前記基準値未満と判定された場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させることにより前記第2開口の開度を変更する開度変更ステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面を移動しつつ前記被清掃面を清掃する清掃装置、及び清掃装置に適用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる清掃ロボットと称される自律走行型の清掃装置が知られている。この清掃装置は、床面などの被清掃面を走行しながら、吸気ファンを作動させて、吸気ノズルの吸入口から空気を吸気するとともに被清掃面上の塵や埃などのゴミ類(吸引物)を吸い込む。これにより、被清掃面が掃除される。吸い込まれたゴミ類は、清掃装置に取り付けられた収集容器に収集される。また、吸い込まれた空気に含まれる微小な塵埃や粒子は、清掃装置に設けられたフィルタによって捕集される。フィルタによって塵埃等が分離された空気は、吸気ファンによって排気ダクトを通じて外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-112917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、清掃装置に設けられるフィルタは、微小な塵埃や粒子を除去するという点において、空気清浄装置に用いられるフィルタと同等の機能を有する場合がある。清掃動作が行われている最中に、外気を取り込んで前記フィルタを用いて空気を清浄することができれば、前記清掃装置に、清掃機能だけでなく、空気清浄機能を持たせることができる。
【0005】
本発明の目的は、清掃機能のみならず、清掃動作中に空気清浄を行う空気清浄機能を実現することが可能な清掃装置、及び清掃装置に適用される方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る清掃装置は、吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃するよう構成されている。前記清掃装置は、前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、前記収容部の内部から前記排出口を経て前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備える。前記収容部は、外気を内部に取り込むための第2開口を更に有する。前記清掃装置は、前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を含み、前記開閉部材に駆動力を付与することにより、前記開位置と前記閉位置との間で前記開閉部材を移動させる開閉機構と、前記第1開口から吸入される気流の強さを測定する測定部と、前記開閉機構を制御する開閉制御部と、を備える。前記開閉制御部は、前記第2開口の全開時に前記測定部により測定された第1測定値に基づいて前記開閉機構を制御することにより前記第2開口の開度を変更する。
【0007】
本発明の一の局面に係る方法は、吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃する清掃装置に適用される方法である。
前記清掃装置は、前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、前記排出口から前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備える。前記収容部は、外気を内部に取り込むための第2開口を更に有する。前記清掃装置は、前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を更に備える。
当該方法は、前記第2開口の開度を変更する方法であって、前記収容部の前記第2開口の全開時に前記第1開口から前記吸引力によって吸入される気流の強さを示す第1測定値を取得する測定値取得ステップと、前記第1測定値が予め定められた基準値未満か否かを判定する判定ステップと、前記第1測定値が前記基準値未満と判定された場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させることにより前記第2開口の開度を変更する開度変更ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、清掃機能のみならず、清掃動作中に空気清浄を行う空気清浄機能を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る清掃装置の前方側の外観を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る清掃装置の内部の構成を示す模式図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る清掃装置の後方側の外観を示す斜視図である。
図4図4は、図3の斜視図において収容ボックスが取り外された状態を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る清掃装置が備える清掃ユニットの内部構造を示す図であり、清掃ユニットから背面カバーが取り外された状態を示す部分拡大図である。
図6図6は、清掃ユニットの下部の縦断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る清掃装置の後方部の側面図であり、図7(A)は、清掃装置の収容ボックスが装着された状態を示す図であり、図7(B)は、収容ボックスが清掃装置から取り外された状態を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る清掃装置に装着される収容ボックスを示す斜視図である。
図9図9は、清掃ユニットの上部における水平切断面の一部を模式的に示す断面図である。
図10図10は、清掃ユニットの上部の縦断面図である。
図11図11は、図10における切断線XI-XIで清掃ユニットの上部を切断した切断面を下側から見た断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る清掃装置の制御部の構成を示す機能ブロック図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る清掃装置の制御部によって実行される清掃制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態に係る清掃装置の制御部によって実行される吸引力回復処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の説明では、清掃装置10が床面23(図2参照)に置かれた状態で上下方向D1を定義し、清掃装置10の進行方向を前方として前後方向D2を定義し、清掃装置10の前面から見て左右方向D3又は幅方向D3を定義する。
【0011】
[清掃装置10]
図1は、本発明の実施形態に係る自律走行型の清掃装置10(本発明の清掃装置の一例)の前方側の外観を示す斜視図である。図2は、清掃装置10の内部構造を示す模式図である。
【0012】
図1に示す清掃装置10は、空港や駅、ショッピングモールなどのコンコースの床面23(図2参照)や、スーパーマーケットなどの店舗の床面23を前方(進行方向)へ自律走行によって移動する自律走行装置であり、移動ロボット或いは走行ロボットとも称されている。清掃装置10は、自律走行によって移動しつつ、被清掃面である床面23の塵や埃などのゴミ類(吸引物)を吸気ファン72(図2参照)の吸引力によって吸気ノズル33(図2参照)に吸い上げて収容ボックス31(図2参照)に収集する。これにより、清掃装置10は床面23を清掃する。吸気ノズル33から吸引された空気は、フィルタ315(図2参照)を通って外部に排出される。その際に、フィルタ315によってゴミ類が空気から分離されて、きれいな空気が外部に排出される。清掃装置10は、予め登録された走行ルートや清掃エリア、清掃する時間帯、充電のために戻る帰還位置などの各種清掃情報に基づいて、床面23を清掃しつつ自動的に走行する。
【0013】
なお、清掃装置10は、本発明の単なる一例であって、本発明は、例えば、屋内の床面23を自律走行しながら清掃する清掃装置、屋外の歩行路や車道路などの路面を自律走行しながら清掃する清掃装置であってもよい。また、本発明は、自律走行する清掃装置に限られず、例えば、ユーザによって手押しにより移動させて床面23を清掃する手動型の清掃装置であってもよい。
【0014】
清掃装置10は、床面23を清掃する清掃機能のみならず空気清浄機能をも有する自律走行型の移動ロボット(自律走行装置)である。当該空気清浄機能は、清掃装置10の周辺の大気中に浮遊する花粉や、塵、埃、飛沫などの微小な浮遊物や、ウイルスなどを除去する機能である。なお、清掃装置10は、前記清掃機能及び前記空気清浄機能のほかに、他の用途を実現するための他の機能を有してもいてもよい。前記他の機能として、例えば、自律走行しつつ警備する警備機能、要介護者の日常生活行動をサポートする介護機能、荷物運搬機能、表示案内機能などである。
【0015】
図2に示すように、清掃装置10は、装置本体11と、装置本体11に設けられた清掃ユニット30と、開閉機構80(図10図11参照)と、を備える。開閉機構80は、本発明の開閉機構の一例である。装置本体11に、走行部12(推進力伝達部の一例)、モータ13、バッテリ14、操作表示部20、表示パネル21、操作ハンドル22、及び制御部40などが設けられている。また、清掃装置10は、清掃ユニット30を上下方向D1へ移動可能に支持するスライド機構50を備える。
【0016】
図1に示すように、装置本体11は、その外装を構成する外装カバー11Aを有する。また、図2に示すように、装置本体11は、その下部にシャーシ11Bを有する。シャーシ11Bは、床面23(図2参照)に対して概ね平行に設けられている。また、装置本体11の内部に、清掃装置10が備える上述の各部を支持するための支持フレームが適宜設けられている。
【0017】
装置本体11は、被清掃面である床面23を所定の進行方向へ走行可能なように構成されている。本実施形態では、装置本体11は、走行部12によって走行可能である。図2に示すように、走行部12は、装置本体11の下部に設けられている。走行部12は、装置本体11の走行姿勢を維持しつつ進行方向の推進力を床面23に伝達するものであり、シャーシ11Bに取り付けられている。走行部12は、走行用の一対の車輪121と、4つのキャスタ122とを有する。
【0018】
車輪121は、シャーシ11Bの前後方向の中央であって、左右方向D3(幅方向)の両端部それぞれに回転可能に取り付けられている。4つのキャスタ122は、装置本体11の走行姿勢を維持するためのものであり、シャーシ11Bの前方端の両端部、及びシャーシ11Bの後方端の両端部に回転可能に取り付けられている。清掃装置10が床面23に置かれた状態で、車輪121及びキャスタ122の各外周面は床面23によって支持される。これにより、装置本体11が、図1図2に示される走行姿勢に維持される。
【0019】
車輪121の回転軸は、減速ギヤなどの伝達機構を介して、モータ13の出力軸に連結されている。このため、モータ13が駆動されると、モータ13の回転駆動力が車輪121に伝達される。本実施形態では、一対の車輪121のそれぞれにモータ13が個別に設けられている。したがって、各モータ13が個別に駆動制御されることによって、各車輪121の回転速度が独立して制御される。例えば、各車輪121の回転速度が等速に制御されると、清掃装置10は真っ直ぐに進行し、各車輪121の回転速度が異なる速度に制御されると、回転速度の遅い車輪121側に清掃装置10が旋回する。
【0020】
バッテリ14は、装置本体11の中心部に設けられている。バッテリ14は、操作表示部20や、モータ13、後述する吸気ユニット70の吸気ファン72(本発明の吸気ファンの一例)のファン用モータ74(図2参照)、スライド機構50のスライド用モータ55(図12参照)などに動作用の電力を供給する。
【0021】
操作表示部20は、装置本体11の上部に設けられている。操作表示部20は、外装カバー11Aに取り付けられている。操作表示部20は、ユーザによって操作される装置である。操作表示部20は、例えば、タッチ操作が可能であり、所定の情報を表示することが可能なタッチパネルを有する端末装置である。
【0022】
清掃装置10が動作制御などに用いる各種の登録情報(走行ルート、清掃エリア、清掃時間帯、帰還位置情報などの情報)は、操作表示部20から直接に入力することができる。また、清掃装置10に清掃動作を実行させるための清掃モードの設定や、空気清浄動作を実行させるための空気清浄モードの設定のためのモード設定値も、操作表示部20から入力することができる。入力された登録情報やモード設定値などは、制御部40が備える記憶装置に記憶される。前記登録情報や前記モード設定値などは制御部40に転送され、制御部40による走行制御や動作制御などに用いられる。なお、前記登録情報や前記モード設定値などは、サーバ装置などの情報処理装置によって無線通信或いは有線通信などを通じて清掃装置10に入力されてもよい。
【0023】
表示パネル21は、装置本体11の前面に設けられている。表示パネル21は、例えば液晶パネルである。清掃動作中に各種のアナウンス情報が制御部40によって表示パネル21に表示される。前記アナウンス情報は、例えば、清掃装置10の動作状態を示す情報であって、例えば清掃動作中である場合は清掃が実施されていることを示す情報、空気清浄動作中である場合は空気清浄が実施されていることを示す情報などである。
【0024】
操作ハンドル22は、装置本体11の背面の最上部に設けられている。操作ハンドル22は、ユーザが手動で清掃装置10を運転操作して清掃する場合や、ユーザが清掃装置10に走行経路を教示させるためのティーチング操作(教示操作)を行う場合に、ユーザが把持する操作部材である。操作ハンドル22に、ユーザから運転操作を受け付ける各種操作ボタンが設けられている。前記操作ボタンに対する操作情報は、制御部40に転送され、制御部40による走行制御に用いられる。
【0025】
図2に示すように、制御部40は、装置本体11の上部に設けられている。制御部40は、清掃装置10の動作を統括的に制御する。制御部40は、清掃装置10の清掃動作や空気清浄動作などを制御する。具体的には、制御部40は、清掃装置10の走行動作、吸気ユニット70による吸気動作、回転ブラシ26の回転動作、スライド機構50によるスライド動作、表示パネル21の画面表示などを制御する。また、本実施形態では、制御部40は、後述の駆動部103を制御して、シャッター部材91を移動させることにより、収容ボックス31の第2開口317の開度を変更する。
【0026】
制御部40は、例えば、基板にCPU、ROM、及びRAMなどの制御機器が実装された制御ボード(制御基板)、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置、GPS受信機などを有する。前記CPUは、後述する清掃制御処理や吸引力回復処理などの各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。制御部40は、前記ROM又は記憶装置に予め記憶された前記制御プログラムを前記CPUで実行することにより、清掃装置10の清掃動作や空気清浄動作に関する各種制御を行う。
【0027】
[清掃ユニット30]
図3は、清掃装置10の後方側の外観を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、清掃ユニット30は、装置本体11の背面に設けられている。清掃ユニット30は、スライド機構50(図2参照)によって、装置本体11が備える背面フレーム11Cに、上下方向D1へ移動可能なように支持されている。
【0028】
清掃ユニット30は、収容ボックス31(本発明の収容部の一例)と、支持ホルダ32(本発明の支持部の一例)と、吸気ノズル33(本発明の吸気ノズルの一例)と、拡張ノズル34(図3参照)と、吸気ユニット70と、排気ダクト76と、カバー35と、を備える。
【0029】
図2に示すように、支持ホルダ32は、装置本体11の背面に設けられている。支持ホルダ32は、収容ボックス31を着脱可能に支持するよう構成された支持部材である。支持ホルダ32に収容ボックス31が取り外し可能に装着されている。
【0030】
図4は、支持ホルダ32から収容ボックス31が取り外された状態を示す斜視図であり、図5は、清掃ユニット30からカバー35が取り外された状態を示す部分拡大図である。
【0031】
図4及び図5に示すように、支持ホルダ32の左右方向D3(幅方向)の中央に、収容ボックス31が収容可能な収容部322が設けられている。収容部322に収容ボックス31が装着される。つまり、収容ボックス31は、装置本体11の背面における幅方向D3の中央に配置されている。
【0032】
カバー35は、支持ホルダ32に取り付けられている。支持ホルダ32にカバー35が装着されることにより、清掃ユニット30の内部に設けられた後述の排気ダクト76などを覆い、支持ホルダ32とカバー35の内面との間で内部空間を形成する。
【0033】
収容部322は、上下方向D1に延びる凹形状の収容スペースである。収容部322は、カバー35が支持ホルダ32に取り付けられた状態で、支持ホルダ32及びカバー35によって区画される。収容ボックス31は、収容部322に取り外し可能に装着されており、収容部322に装着された状態で、収容部322の凹状の収容スペースに収容される。
【0034】
図6は、清掃ユニット30の下部の縦断面図である。図6に示すように、支持ホルダ32の下部に吸気ノズル33が設けられている。吸気ノズル33は、支持ホルダ32に一体に形成されている。吸気ノズル33は、床面23(図2参照)に対向するように支持ホルダ32の下部に設けられている。
【0035】
吸気ノズル33は、吸気ファン72が作動した場合に、床面23から空気とともに塵埃などのゴミ類(吸引物)を吸い込む。図6に示すように、吸気ノズル33は、床面23に対向する吸入口331を有する。吸入口331は、床面23から上方へ所定の隙間ΔT(図2参照)を隔てた位置に配置される。吸気ノズル33は、幅方向D3に長い形状であり、支持ホルダ32の支持板324(図5参照)の外周縁部から下方へ突出する四角筒状の外周壁332(図2参照)によって構成される。なお、吸入口331が床面23から所定の隙間ΔTを隔てた位置は、清掃動作時に吸気ノズル33が配置される清掃位置である。
【0036】
吸気ノズル33の吸入口331の後方側の縁部に、シール部材335が設けられている。シール部材335は、前記縁部から床面23へ延びる弾性を有するシート状の部材である。シール部材335は、幅方向D3に長い長方形状である。シール部材335によって、吸入口331の後方側の縁部と床面23との隙間ΔTが塞がれている。
【0037】
吸気ノズル33に、一対の回転ブラシ26が回転可能に設けられている。一対の回転ブラシ26は前後方向D2に並んで配置されている。各回転ブラシ26は、吸気ノズル33の幅方向D3の両側に位置する両側板を幅方向D3に渡すように設けられている。回転ブラシ26の各回転軸の両端が、吸気ノズル33の前記両側板に回転可能に支持されている。清掃ユニット30は、電動機としてのブラシ用モータ56(図12参照)を備える。ブラシ用モータ56の回転駆動力がベルトやプーリーなどの伝達機構39(図5参照)を介して各回転ブラシ26に伝達される。これにより、各回転ブラシ26が回転する。清掃装置10の清掃動作時に回転ブラシ26が回転されると、床面23のゴミ類の回収が良好に行われる。
【0038】
図3及び図4示すように、拡張ノズル34は、清掃装置10を正面から見て、支持ホルダ32の左側に設けられている。支持ホルダ32の左側に収容スペース38が設けられている。収容スペース38に拡張ノズル34が収容可能である。拡張ノズル34は、支持ホルダ32に回動可能に支持されている。具体的には、拡張ノズル34は、収容スペース38に収容される収容姿勢(図3及び図4に示される姿勢)と、収容スペース38から左側へ倒されて装置本体11の左側の床面23を清掃可能な側方清掃姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能なように、支持ホルダ32に支持されている。
【0039】
図2に示すように、装置本体11の内部に背面フレーム11Cが設けられている。背面フレーム11Cは、シャーシ11Bの後端部から上方へ延びる板状の部材である。支持ホルダ32は背面フレーム11Cに取り付けられている。支持ホルダ32は、装置本体11の背面フレーム11Cに係合する板状のベース部321(本発明の第2支持部材の一例)と、収容ボックス31の底面(底部)31Aを支持するための支持板324(本発明の第1支持部材の一例)と、を有する。ベース部321は、背面フレーム11Cにスライド機構50を介して取り付けられている。
【0040】
本実施形態では、支持ホルダ32は、上下方向D1へ移動可能なように、装置本体11の背面フレーム11Cにスライド機構50によって支持されている。これにより、清掃ユニット30自体が上下方向D1へ移動可能となる。スライド機構50としては、例えば、周知のスライドレールを適用可能である。
【0041】
スライド機構50は、支持ホルダ32を上下方向D1へ移動可能に支持するとともに、上下方向D1の駆動力を支持ホルダ32に伝達して、支持ホルダ32を上下方向D1へ移動させる。本実施形態では、操作表示部20から清掃動作以外の動作指示、例えば、メンテナンス指示などが入力されると、制御部40は、スライド機構50のスライド用モータ55(図12参照)を駆動制御することにより、支持ホルダ32を上昇させる。そして、制御部40は、床面23を清掃可能な清掃位置(図2に示す位置)から、当該清掃位置よりも上方へ隔てた退避位置に支持ホルダ32を移動させ、そして、前記退避位置に支持ホルダ32を保持させる。その後、清掃動作を実行させるための清掃指示が入力されると、制御部40は、スライド用モータ55を駆動制御して、支持ホルダ32を前記退避位置から下降させて、前記清掃位置まで移動させる。
【0042】
図5に示すように、ベース部321は、上下方向D1に延びる板状部材である。ベース部321に収容部322が一体に形成されている。収容部322は、ベース部321における後方側の後面321Aに設けられており、ベース部321において幅方向D3の中央に配置されている。収容部322は、一対の側板322Aと、保持板322Bとを有する。一対の側板322Aは、幅方向D3へ所定間隔を隔てられている。保持板322Bは、各側板322Aの下部の後方端部を幅方向D3へ渡すように各側板322Aに取り付けられている。
【0043】
また、ベース部321の下部に支持板324が設けられている。図6に示すように、支持板324は、吸気ノズル33の上面を構成する部材でもある。支持板324は、ベース部321に垂直に設けられており、ベース部321から後方へ水平に延出する板状部材である。支持板324は、収容部322に装着されたときの収容ボックス31の底面31Aを支持する。
【0044】
収容部322は、一対の側板322A、保持板322B、及び支持板324によって囲まれた収容スペースを含み、この収容スペースに収容ボックス31が着脱可能に収容される。
【0045】
図4に示すように、収容部322は、カバー35が装着された状態で、後方側は開放されており、上方側も開放されている。したがって、図7(A)及び図7(B)に示すように、収容ボックス31は、収容部322に対して後方の斜め上方側から装着され、又は取り外される。ここで、図7(A)及び図7(B)は、清掃装置10の後方部の側面図であり、図7(A)は、収容ボックス31が収容部322に装着された状態を示し、図7(B)は、収容ボックス31が収容部322から取り外された状態を示す。
【0046】
図5に示すように、支持ホルダ32に、二つの第2連通口73(本発明の第2連通口の一例)が形成されている。第2連通口73は、収容ボックス31が支持ホルダ32から取り外された状態で露出される。二つの第2連通口73は、ベース部321を貫通するよう形成された貫通開口である。二つの第2連通口73は、後述する吸気ユニット70が備える吸気ファン72の吸気口に連通している。二つの第2連通口73は、幅方向D3に所定間隔を隔てて配置されている。
【0047】
[収容ボックス31]
図8は、清掃装置10が備える収容ボックス31の斜視図である。収容ボックス31は、吸気ノズル33の吸入口331に吸い込まれた塵埃などのゴミ類を内部に収集するための容器である。収容ボックス31は、後述のフィルタ315によって空気から分離された塵埃などのゴミ類(吸引物)を内部に収容する。図8に示すように、収容ボックス31は、内部にゴミ類を収容可能な容器形状に形成されている。詳細には、収容ボックス31は、前後方向D2に扁平な形状であって、清掃装置10の高さ方向(上下方向D1)に長い直方体の箱形状に形成されている。なお、収容ボックス31は、容器形状や箱形状に形成されたものに限られず、また、支持ホルダ32に着脱可能なものに限られない。例えば、収容ボックス31に替えて、装置本体11に取り付けられた容器状のゴミ収容部や、ゴミ類の吸引通路に一体に設けられたパイプ状のゴミ収容部などを適用することも可能である。
【0048】
収容ボックス31は、二つの第2連通口73(図4参照)に対応する二つの排出口312(本発明の排出口の一例)を有する。二つの排出口312は、収容ボックス31の前方側の前壁31Bにおける上部付近に形成されている。収容ボックス31が収容部322に装着された状態で、二つの排出口312が第2連通口73に接続される。つまり、収容ボックス31が収容部322に装着された状態で、二つの排出口312が吸気ファン72の吸気口に接続される。これにより、収容ボックス31から吸気可能なように、収容ボックス31と吸気ユニット70とが接続される。
【0049】
収容ボックス31の内部に、フィルタ315(本発明のフィルタの一例)が設けられている。フィルタ315は、吸気ファン72による空気の吸気流路に設けられている。本実施形態では、フィルタ315は、収容ボックス31の前方側の前壁31Bの内面に着脱可能に取り付けられており、排出口312を覆うように設けられている。フィルタ315は、吸気ノズル33に吸い込まれた空気から塵埃などのゴミ類を捕集して空気から分離し、清浄な空気にする。本実施形態では、フィルタ315よって清浄にされた空気は、排出口312から収容ボックス31の外に排出される。フィルタ315は、清掃専用のフィルタではなく、空気清浄の用途として兼用可能なフィルタである。フィルタ315として、例えば、ケミカルフィルタや、HEPAフィルタ、ULPAフィルタなどを用いることができる。
【0050】
図6に示すように、支持ホルダ32の支持板324に、支持板324を貫通する第1連通口323(本発明の第1連通口の一例)が形成されている。第1連通口323は、幅方向D3に長い長方形状の開口である。第1連通口323は、吸気ノズル33に連通している。
【0051】
図8に示すように、収容ボックス31の底面31Aに第1開口311(本発明の第1開口の一例)が形成されている。第1開口311は、第1連通口323を介して吸気ノズル33に連通している。第1開口311は、第1連通口323に対応する位置に形成されており、第1連通口323と同じように、幅方向D3に長い長方形状に形成されている。
【0052】
収容ボックス31は、第1開口311から上方へ延びる筒状の吸気ガイド316を有する。吸気ガイド316は、収容ボックス31の後壁31D側へ傾斜する方向へ延出している。
【0053】
収容ボックス31が収容部322に装着された状態で、収容ボックス31の第1開口311が第1連通口323に位置合わせされて、第1開口311と第1連通口323とが接続される。これにより、吸気ノズル33と収容ボックス31とが連通する。また、吸気ノズル33から第1連通口323及び第1開口311を経て収容ボックス31の内部に至る空気の流路L1(第1流路L1)が形成される。また、収容ボックス31に吸気ガイド316が設けられているため、第1開口311から吸い上げられた空気は、後壁31D側へ傾斜する方向へ案内される。
【0054】
なお、第1連通口323は、吸気ノズル33から収容ボックス31の内部に至る前記第1流路L1を開通する開通口としての役割を担う。また、吸気ガイド316は、第1開口311から吸い上げられた空気の気流を後壁31D側へ案内する気流案内部としての役割を担う。
【0055】
また、収容ボックス31が収容部322に装着された状態で、排出口312が第2連通口73に位置合わせされて、排出口312と第2連通口73とが接続される。これにより、収容ボックス31と吸気ファン72の吸気口とが連通する。また、収容ボックス31の内部から排出口312及び第2連通口73を経て吸気ファン72に至る空気の流路(以下「排気流路」という。)が形成される。
【0056】
図8に示すように、収容ボックス31の側方側の側壁31Cに側面吸入口313が形成されている。また、収容部322の左側の側板322Aの下部に、拡張ノズル34に連通する開口325(図5参照)が形成されている。収容部322に収容ボックス31が装着された状態で、側面吸入口313が開口325に位置合わせされて、側面吸入口313と開口325と接続される。これにより、拡張ノズル34が前記側方清掃姿勢となった場合に、拡張ノズル34と収容ボックス31とが連通し、拡張ノズル34から空気とともに吸い上げられた粉塵や塵埃などのゴミ類(吸引物)が開口325から側面吸入口313に入り、側面吸入口313を通じて収容ボックス31に収集可能となる。また、拡張ノズル34が前記収容姿勢となった場合、拡張ノズル34のハウジングなどによって開口325が閉塞される。なお、開口325及び側面吸入口313は、それぞれの開度が概ね同じとなるように形成されている。
【0057】
また、収容ボックス31は、外気を収容ボックス31の内部に流入させるための第2開口317(本発明の第2開口の一例)を有する。第2開口317は、収容ボックス31の上面を構成する上板31Eに形成されている。第2開口317は、収容ボックス31の内部に清掃装置10の周辺の大気を流入させるための貫通開口であり、幅方向D3に長い長方形状に形成されている。なお、第2開口317は、収容ボックス31の後方側の後壁31Dに形成されていてもよい。この場合、第2開口317は、後壁31Dの上部付近であって、吸気ノズル33から上方へ十分に隔てられた位置に設けられることが好ましい。
【0058】
[吸気ユニット70]
図2に示すように、吸気ユニット70は、清掃ユニット30の上部に設けられている。詳細には、吸気ユニット70は、支持ホルダ32のベース部321の上部に取り付けられている。吸気ユニット70は、清掃ユニット30の吸気ノズル33から空気を吸い込む吸引力を発生させるものである。前記吸引力によって、床面23上の塵埃などのゴミ類(吸引物)が空気とともに吸気ノズル33に吸引される。
【0059】
吸気ユニット70は、二つの吸気ファン72と、各吸気ファン72を回転させる二つのファン用モータ74と、を備える。二つの吸気ファン72及び二つのファン用モータ74は、幅方向D3へ所定間隔を隔てて配置されている。
【0060】
ファン用モータ74は、装置本体11に設けられた制御部40(図12参照)によって駆動制御される。図9は、清掃ユニット30の上部における水平切断面の一部を模式的に示す断面図である。図9に示すように、ファン用モータ74は、背面フレーム11Cに形成された開口(不図示)から装置本体11の内部側に入り込んだ状態で、背面フレーム11Cに取り付けられている。
【0061】
吸気ファン72は、例えば、吸気方向D11(図9参照)に対して垂直な方向へ送風する遠心ファン或いはシロッコファン(多翼ファン)である。吸気ファン72は、その吸込口が第2連通口73に対向するように配置されている。吸気ファン72の中心には回転支持部が設けられており、この回転支持部にファン用モータ74の出力軸が取り付けられている。
【0062】
ファン用モータ74が駆動されて吸気ファン72が回転すると、第2連通口73から収容ボックス31内の空気が吸引されて、後述の排気ダクト76へ送り出される。
【0063】
吸気ユニット70には、二つの排気ダクト76が連結されている。各排気ダクト76は、幅方向D3に隔てられて配置されている。各排気ダクト76は、吸気ユニット70によって収容ボックス31から吸い込まれた空気を、清掃ユニット30の内部空間に案内するダクト部材である。二つの排気ダクト76は、幅方向D3に隔てられており、左側に位置する排気ダクト76は、清掃ユニット30の左側の上部空間351に空気を案内し、右側に位置する排気ダクト76は、清掃ユニット30の右側の上部空間351に空気を案内する。
【0064】
収容ボックス31に設けられるフィルタ315は、塵埃等を除去するという点において、空気清浄装置に用いられるフィルタと同等の機能を有する。そのため、清掃装置10は、フィルタ315を用いて空気を清浄することが可能なように構成されている。例えば、清掃装置10は、清掃動作が行われている最中に、フィルタ315を用いた空気清浄動作を行うことができる。
【0065】
本実施形態では、清掃装置10が清掃動作を実行すると、吸気ファン72が作動して、収容ボックス31内の空気が吸い出され、収容ボックス31の内部が負圧状態になる。これにより、吸気ノズル33の吸入口331から空気とともに塵埃などのゴミ類が吸い上げられる。そして、吸い上げられたゴミ類は、第1連通口323、及び第1開口311を通じて収容ボックス31内に流入し、収容ボックス31に収集される。また、収容ボックス31にゴミ類とともに空気が流入すると、その空気がフィルタ315を通って排出口312から収容ボックス31の外部に排出される。このとき、比較的大きなゴミ類は収容ボックス31に貯留され、微小な塵埃や砂埃などはフィルタ315によって捕集される。そして、フィルタ315を通過したきれいな空気が第2連通口73を経て吸気ファン72に吸い込まれる。
【0066】
また、本実施形態では、清掃装置10が清掃動作を行っている間に、開閉機構80によって第2開口317が開放される。この状態で吸気ファン72が作動することにより、第2開口317を通じて外気が収容ボックス31内に取り込まれ、フィルタ315を通って排出口312から収容ボックス31の外部に排出される。このとき、フィルタ315は、空気中に浮遊している花粉や、塵、埃、飛沫などの微小な浮遊物や、ウイルスなどを除去することにより、取り込んだ空気を清浄にする。そして、フィルタ315を通過したきれいな空気が第2連通口73を経て吸気ファン72に吸い込まれる。
【0067】
[開閉機構80]
以下、図10及び図11を参照して、開閉機構80について説明する。ここで、図10及び図11は、開閉機構80の構成を示す図である。図10は、清掃ユニット30の上部の縦断面図であり、図11は、図10における切断線XI-XIで清掃ユニット30の上部を切断した切断面を下側から見た断面図である。
【0068】
開閉機構80は、第2開口317の開度を変更するよう動作する。具体的には、清掃装置10が清掃動作を行う場合に、制御部40による駆動制御によって、開閉機構80は第2開口317を開放するように動作する。また、清掃動作中に所定の条件が満たされた場合に、制御部40による駆動制御によって、開閉機構80は第2開口317の開度を小さくするために第2開口317を閉塞するように動作する。なお、本実施形態では、清掃動作中であっても、空気清浄機能が有効に設定されていない場合は、第2開口317は常時閉塞される。
【0069】
清掃動作中に第2開口317が開放されることにより、収容ボックス31内に外気が吸入される。これにより、清掃動作中に空気清浄動作が行われる。
【0070】
開閉機構80は、第2開口317を開閉可能なシャッター部材91(本発明の開閉部材の一例)と、シャッター部材91を移動させる移動機構92と、を有する。
【0071】
図10に示すように、シャッター部材91は、収容ボックス31の上板31Eの下側に設けられている。シャッター部材91は、幅方向D3に長い長方形状の板状部材である。シャッター部材91は、上板31Eの第2開口317を覆うことが可能なサイズに形成されている。シャッター部材91は、上板31Eの下側において、第2開口317を開放する開位置(図10において破線で示す位置)と、第2開口317を閉塞する閉位置(図10において実線で示す位置)との間で移動可能に構成されている。なお、シャッター部材91は、第2開口317を開閉可能であれば、弁部材などの種々の部材を適用することが可能である。
【0072】
図11に示すように、収容ボックス31の内部には、幅方向D3に隔てられた3つのスライドガイド93が設けられている。スライドガイド93は、上板31Eの下側でシャッター部材91を前後方向D2へ往復移動可能に支持する。スライドガイド93は、収容ボックス31の内部において、幅方向D3の両端部と、幅方向D3の中央に設けられている。スライドガイド93と上板31Eの下面との間には、シャッター部材91が挿通可能な隙間が設けられている。前記隙間にスライドガイド93が挿通されることによって、シャッター部材91は、上板31Eの下側において前後方向D2へ往復移動可能に支持される。
【0073】
シャッター部材91の前端部913には、連結ワイヤー94を介して連結部材95が連結されている。収容ボックス31の前壁31Bには、前壁31Bから連結部材95を前方側へ露出させるための貫通開口96(図10参照)が形成されている。連結部材95は、スライドガイド93や貫通開口96によって前後方向D2へ移動可能に支持されている。連結部材95は、収容ボックス31が支持ホルダ32に装着された状態で、支持ホルダ32のベース部321に設けられた連結部材97に連結される部材である。そのため、連結部材95の先端は下向き鉤状に形成されている。なお、貫通開口96の内部には、スポンジ部材などのシール部材が設けられており、吸気ファン72が作動しても、貫通開口96から収容ボックス31の内部に空気が入り込まない。
【0074】
支持ホルダ32のベース部321に連結部材97(本発明の連結部の一例)が設けられている。連結部材97は、支持ホルダ32への収容ボックス31の装着に応じてシャッター部材91の連結部材95と連結され、収容ボックス31の取り外しに応じてシャッター部材91の連結部材95と連結解除される。連結部材97は、ベース部321に形成された支持孔98によって前後方向へ移動可能に支持されている。連結部材97は、収容ボックス31が支持ホルダ32に装着された状態で、連結部材95に連結される部材である。そのため、連結部材97の先端は上向き鉤状に形成されている。また、このように先端が上向き鉤状に形成されているため、支持ホルダ32から収容ボックス31が斜め上方へ引き抜かれると、連結部材97と連結部材95との連結が容易に解除される。
【0075】
図11に示すように、収容ボックス31の内部に一対のコイルバネ100(弾性部材)が設けられている。コイルバネ100は、シャッター部材91を前記閉位置側(後方)へ付勢する。コイルバネ100は、収容ボックス31の幅方向D3の両端部それぞれに設けられている。コイルバネ100の一端は、シャッター部材91の前端部913に取り付けられており、他端は前壁31Bに取り付けられている。なお、本実施形態では、弾性部材の一例としてコイルバネ100を例示するが、例えば、コイルバネ100に替えて、板バネやゴム部材などの弾性部材を適用することも可能である。
【0076】
コイルバネ100は、所謂圧縮バネである。シャッター部材91が他の外力を受けていない場合、シャッター部材91はコイルバネ100の弾性力によって前記閉位置側へ付勢され、前記閉位置を維持する。
【0077】
移動機構92は、シャッター部材91に駆動力を付与する駆動部103と、支持ホルダ32に設けられたプーリー104と、プーリー104に巻回された線状部材であるワイヤー105とを有する。移動機構92は、第2開口317を開放する前記開位置と第2開口317を閉塞する前記閉位置との間でシャッター部材91を移動させる。
【0078】
プーリー104は、支持ホルダ32のベース部321に、ブラケット921を介して回転自在に支持されている。プーリー104に巻回されたワイヤー105の一端は、連結部材97に連結されている。ワイヤー105の他端は駆動部103に連結されている。
【0079】
駆動部103は、ソレノイドである。駆動部103は、通電時にプランジャー106をコイルバネ100のばね力に抗して内部に引き寄せてプランジャー871を保持し、非通電時にプランジャー871の保持力を解除する。駆動部103が制御部40によって駆動制御されることにより、シャッター部材91を前記開位置又は前記閉位置のいずれかに移動させることができる。なお、図10及び図11は、駆動部103が通電されていない状態を示す。
【0080】
シャッター部材91が前記開位置に移動され、第2開口317が開放されると、第2開口317から排出口312を経て吸気ファン72に至る空気の流路L2(第2流路L2)が形成される。
【0081】
なお、移動機構92は、上述の構成に限られない。例えば、駆動部103は、ステッピングモータなどの電動機であってもよい。この場合、プーリー104やワイヤー105などの伝達部材に替えて、前記電動機の駆動力を伝達可能なラックやギヤなどの伝達機構が用いられる。また、この構成において、コイルバネ100は省略されてもよい。
【0082】
[制御部40]
図12は、清掃装置10の制御部40の構成を示す機能ブロック図である。図12に示すように、制御部40は、動作制御部411、検知処理部412、第1判定処理部413、開閉制御部414(本発明の開閉制御部の一例)、第2判定処理部415(本発明の測定値判定部の一例)、フィルタ判定処理部416(本発明のフィルタ判定部の一例)、出力処理部417(本発明の第1エラー出力部、第2エラー出力部の一例)、設定受付部418(本発明の設定受付部の一例)、などの各種の処理部を含む。なお、制御部40は、前記CPUにより前記制御プログラムに従った各種の処理が実行されることによって、前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0083】
動作制御部411は、清掃装置10が清掃動作を実行するように清掃装置10の動作を制御する。
【0084】
本実施形態では、動作制御部411は、後述の設定受付部418によって清掃動作を実行するための清掃モードの設定入力が受け付けられ、且つ、支持ホルダ32に収容ボックス31が装着されていることが検知された場合に、清掃装置10が清掃動作を実行するように清掃装置10の動作を制御する。
【0085】
具体的には、動作制御部411は、スライド用モータ55を駆動して支持ホルダ32を前記清掃位置まで移動させる。また、動作制御部411は、ブラシ用モータ56を駆動して回転ブラシ26を回転させる。また、動作制御部411は、ファン用モータ74を予め定められた設定回転となるように駆動して吸気ファン72を作動させる。そして、動作制御部411は、予め定められた走行ルートに従って清掃装置10を走行させる。或いは、動作制御部411は、不図示のカメラなどから得られた情報に基づいて、現在位置から次に進む方向を自ら判断して、清掃装置10を自律走行させる。
【0086】
図12に示すように、清掃装置10に磁気センサ27(検知部の一例)が設けられている。磁気センサ27は、制御部40に接続されており、磁気センサ27の出力信号(検知信号)が制御部40に入力される。磁気センサ27は、例えば、支持ホルダ32に設けられており、収容ボックス31が支持ホルダ32に装着された場合に、装着されたことを示す検知信号を出力する。
【0087】
磁気センサ27は、収容ボックス31の装着を検知するための検知部の単なる一例である。例えば、前記検知部として、例えば機械スイッチ(リミットスイッチ等)を用いてもよい。この場合、収容ボックス31が支持ホルダ32に装着されたときに、前記機械スイッチを作動させる押圧部材が収容ボックス31に設けられる。
【0088】
検知処理部412は、磁気センサ27からの前記検知信号に基づいて、支持ホルダ32に収容ボックス31が装着されたか否かを判定する。前記検知信号が制御部40に入力されると、検知処理部412は収容ボックス31が装着されたと判定する。
【0089】
図12に示すように、清掃装置10に風速センサ28(本発明の測定部の一例)が設けられている。風速センサ28は、制御部40に接続されている。風速センサ28は、収容ボックス31の吸気ガイド316(図6参照)の内部に設けられている。風速センサ28は、清掃動作時に吸気ガイド316を通る空気の気流の強さを測定するものであり、本実施形態では、吸気ガイド316における気流の速さ(風速)を測定する。風速センサ28によって測定された測定値を示す出力信号(検知信号)が制御部40に入力される。なお、風速センサ28によって測定された測定値は、制御部40が備える前記記憶装置に記憶される。
【0090】
風速センサ28は、第1開口311から収容ボックス31の内部に流入する空気の気流の強さを測定するための測定部の単なる一例である。例えば、前記測定部として、吸気ガイド316を通過する空気の流量を気流の強さとして測定する流量センサを用いてもよい。或いは、気流の強さに応じて回動するアクチュエータと、所定の回動量まで回動したときに前記アクチュエータの被検出部を検知する検知部とからなる検出装置を前記測定部として用いてもよい。この場合、前記検知部は、例えば、前記被検出部を検知する透過型のフォトインタラプタ、或いは、前記被検出部によって押されることにより作動する機械スイッチ(リミットスイッチ等)などである。
【0091】
第1判定処理部413は、風速センサ28からの前記検知信号に基づいて、吸気ガイド316を通過する気流の風速の測定値(以下、風速値という。)が予め定められた基準値未満になったか否かを判定する。ここで、前記基準値は、第2開口317の全開時に吸気ノズル33からゴミ類を吸引することが可能な吸引力の下限値(以下、最低吸引力という。)に対応する風速値に定められる。つまり、前記基準値は、前記最低吸引力が生じている場合に風速センサ28によって測定される風速値に定められている。
【0092】
本実施形態では、第1判定処理部413は、第2開口317が全開にされた状態のときに風速センサ28により測定された第1風速値(本発明の第1測定値の一例)が基準値未満になったか否かを判定する。前記第1風速値が前記基準値未満であることは、吸気ノズル33が床面23のゴミ類を適切に吸い込むことができない状態であることを意味する。
【0093】
風速センサ28の前記風速値が低下する要因として、吸気ノズル33の詰まりが考えられる。例えば、吸気ノズル33に吸引された綿埃などのゴミ類が第1開口311を通過せずに吸気ノズル33の内部に留まった場合、風速センサ28の前記風速値は吸気ノズル33にゴミ類が溜まっていない場合に比べて小さくなる。そして、吸気ノズル33の内部にゴミ類が詰まり、吸気ノズル33の吸引力が前記最低吸引力よりも弱まると、風速センサ28の前記風速値が前記基準値未満になる。
【0094】
開閉制御部414は、開閉機構80を制御することにより、第2開口317の開度を調整する。具体的には、設定受付部418によって前記清掃モードの設定入力とともに、空気清浄機能を有効にするための設定入力が受け付けられた場合に、開閉制御部414は、駆動部103を駆動制御してシャッター部材91を前記開位置に移動させて、第2開口317を全開状態にする。また、設定受付部418によって前記清掃モードの設定入力だけが受け付けられた場合に、開閉制御部414は、駆動部103を駆動制御してシャッター部材91を前記閉位置に移動させて、第2開口317を全閉状態にする。
【0095】
本実施形態では、開閉制御部414は、第2開口317が全開にされた状態のときの前記第1風速値に基づいて、開閉機構80を制御する。これにより、第2開口317の開度が変更される。
【0096】
具体的には、第1判定処理部413によって前記第1風速値が前記基準値未満になったと判定された場合に、開閉制御部414は、シャッター部材91を前記開位置から前記閉位置へ移動させる。これにより、第2開口317の開度が全開時の開度よりも小さくなる。具体的には、第2開口317が閉塞される。その結果、吸気ノズル33における吸引力が第2開口317の閉塞前よりも増加し、吸気ノズル33の内部に溜まった綿埃などのゴミ類が第1開口311に吸い込まれやすくなる。つまり、吸気ノズル33のゴミ詰まりが解消されて、吸気ノズル33の吸引力が回復する。
【0097】
また、前記第1風速値が前記基準値未満になった場合に、開閉制御部414は、予め定められた設定時間T1だけ第2開口317の開度を変更し、前記設定時間T1を経過した後に第2開口317の開度を元の開度に戻す。具体的には、前記第1風速値が前記基準値未満になった場合に、開閉制御部414は、前記設定時間T1だけシャッター部材91を前記閉位置に移動させて、第2開口317を閉塞する。そして、前記設定時間T1を経過した場合に、開閉制御部414は、シャッター部材91を前記閉位置から前記開位置に移動させて、第2開口317を開放する。なお、前記設定時間T1は任意の時間に設定することができ、例えば、1秒~30秒の範囲内で設定することができる。
【0098】
第2判定処理部415は、第2開口317が閉塞された後に、第2開口317が再び開放されて元の開度に戻された場合に、その状態で風速センサ28により測定された第2風速値(本発明の第2測定値の一例)が前記基準値以上であるか否かを判定する。
【0099】
具体的には、第2判定処理部415は、清掃動作中に開閉制御部414によって第2開口317が閉塞された後に再び開放された場合に、そのときに測定された前記第2風速値と前記基準値とを比較することにより、前記第2風速値が前記基準値以上か否かを判定する。
【0100】
前記第2風速値が前記基準値以上である場合、吸気ノズル33におけるゴミ詰まりなどによる吸引力の低下が解消されたと考えられる。また、前記第2風速値が前記基準値未満である場合、吸気ノズル33におけるゴミ詰まりが未だ解消されていないと考えられる。
【0101】
出力処理部417は、第2判定処理部415によって前記第2風速値が前記基準値未満であると判定された場合に、吸気ノズル33に異常が生じていることを示すノズルエラー情報を出力する。具体的には、出力処理部417は、前記ノズルエラー情報を操作表示部20に表示したり、前記ノズルエラー情報を示すアラームを出力したり、前記ノズルエラー情報を清掃装置10を管理する管理サーバなどに所定の通信網を介して送信する処理を行う。なお、出力処理部417は、前記第2風速値が前記基準値以上であると判定された場合に、吸気ノズル33の異常が解消されたことを示す情報を出力してもよい。
【0102】
フィルタ判定処理部416は、清掃装置10に設けられたフィルタ315が目詰まりしているか否かを判定する処理を行う。例えば、フィルタ判定処理部416は、清掃動作の運転累積時間が所定時間に達した場合に、フィルタ315が目詰まりしていると判定する。なお、フィルタ315から吸気ファン72までに至る流路に圧力センサを設け、この圧力センサの検出圧力が所定値未満になった場合に、フィルタ判定処理部416はフィルタ315が目詰まりしていると判定してもよい。
【0103】
風速センサ28の前記風速値が低下する要因として、吸気ノズル33の詰まり以外に、フィルタ315の目詰まりが考えられる。したがって、フィルタ315が目詰まりしていると判定された場合は、前記風速値の低下の要因は、フィルタ315の目詰まりである可能性が高いと考えられる。一方、フィルタ315が目詰まりしていないと判定された場合は、前記風速値の低下の要因は、吸気ノズル33の詰まりである可能性が高いと考えられる。
【0104】
したがって、本実施形態では、フィルタ判定処理部416によってフィルタ315が目詰まりしていないと判定されたことを条件に、第1判定処理部413は、前記第1風速値が前記基準値未満であるか否かの判定処理を行う。
【0105】
なお、フィルタ判定処理部416によってフィルタ315が目詰まりしていると判定された場合に、出力処理部417は、フィルタ315が詰まっている旨を示すフィルタエラー情報を出力する。具体的には、出力処理部417は、前記フィルタエラー情報を操作表示部20に表示したり、前記フィルタエラー情報を示すアラームを出力したり、前記フィルタエラー情報を清掃装置10を管理する管理サーバなどに所定の通信網を介して送信する処理を行う。
【0106】
設定受付部418は、清掃装置10の動作モードを前記清掃モードに設定するための設定入力を受け付ける処理を行う。例えば、ユーザが操作表示部20を操作して、前記清掃モードによる清掃動作を実行させるための清掃動作指示を入力すると、設定受付部418は当該清掃動作指示の入力を受け付ける。また、設定受付部418は、空気清浄機能を有効にするための設定入力が受け付ける処理を行う。例えば、ユーザが操作表示部20を操作して、前記空気清浄機能を有効にするための設定指示を入力すると、設定受付部418は当該設定指示の入力を受け付ける。
【0107】
[清掃制御処理]
以下、図13を参照して、清掃装置10において制御部40によって実行される清掃制御処理の手順の一例を説明するともに、当該手順によって特定される方法について説明する。図13は、制御部40によって実行される清掃制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0108】
なお、前記清掃制御処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。また、前記清掃制御処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。また、以下の説明では、制御部40によって前記清掃制御処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサが当該清掃制御処理における各ステップを分散して実行する処理例又は方法も本発明の他の実施形態として考えられる。
【0109】
まず、制御部40は、ステップS11において、収容ボックス31が支持ホルダ32に装着されているか否かを判定する。ここで、収容ボックス31が装着されていると判定されると、次のステップS12において、制御部40は、前記清掃動作指示が入力されたか否かを判定する。
【0110】
前記清掃動作指示が入力されたと判定されると(S12のYes)、制御部40は、次のステップS13において、空気清浄機能が有効であるか否かを判定する。制御部40は、空気清浄機能を有効にするための設定指示が入力された場合に、前記空気清浄機能が有効であると判定する。
【0111】
ステップS13において空気清浄機能が有効であると判定されると(S13のYes)、制御部40は、第2開口317を開放するように開閉機構80を制御する(S14)。具体的には、制御部40は、駆動部103を駆動制御することにより、シャッター部材91を前記開位置へ移動させて第2開口317の開度を変更する。具体的には、駆動部103に駆動電圧を供給して、駆動部103を通電状態にする。これにより、コイルバネ100のばね力に抗して、シャッター部材91が前記開位置に移動して前記開位置に保持される。このため、第2開口317がシャッター部材91によって開放される。この場合、吸気ファン72が作動すると、第2開口317から収容ボックス31の内部に外気が取り込まれる。その後、処理はステップS16に進む。
【0112】
一方、ステップS13において空気清浄機能が無効であると判定されると(S13のNo)、制御部40は、第2開口317を閉塞するように開閉機構80を制御する(S15)。具体的には、制御部40は、駆動部103を非通電状態にする。これにより、コイルバネ100のばね力によってシャッター部材91が前記閉位置に移動して前記閉位置に保持される。このため、第2開口317がシャッター部材91によって閉塞される。この場合、吸気ファン72が作動しても、第2開口317から収容ボックス31の内部に外気が取り込まれない。その後、処理はステップS16に進む。
【0113】
次のステップS16では、制御部40は、スライド用モータ55を駆動して、支持ホルダ32を前記清掃位置に移動させる。その後、制御部40は、清掃装置10が前記清掃モードに応じた清掃動作を実行するように清掃装置10の動作を制御する(S17)。つまり、制御部40の動作制御部411は、回転ブラシ26及び吸気ファン72を作動させて、清掃装置10を前記走行ルートに従って走行させる。
【0114】
[吸引力回復処理]
以下、図14を参照して、清掃装置10において制御部40によって実行される吸引力回復処理の手順の一例を説明するともに、当該手順によって特定される方法について説明する。図14は、制御部40によって実行される吸引力回復処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0115】
なお、前記吸引力回復処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。また、前記吸引力回復処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。また、以下の説明では、制御部40によって前記吸引力回復処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサが当該吸引力回復処理における各ステップを分散して実行する処理例又は方法も本発明の他の実施形態として考えられる。
【0116】
当該吸引力回復処理は、清掃装置10の空気清浄機能が有効に設定されている場合、つまり、ステップS13において空気清浄機能が有効であると判定された場合に実行される。なお、空気清浄機能が有効である場合、第2開口317からも空気が吸入されるため、空気清浄機能が有効でない場合に比べて吸気ノズル33の吸引力が若干低下する。このため、吸気ノズル33が綿埃などのゴミ類によって詰まりやすくなり、ゴミ詰まりにより第1開口311から収容ボックス31の内部にゴミ類が吸い込まれなくなる場合がある。
【0117】
まず、制御部40は、ステップS21において、清掃装置10に設けられたフィルタ315が目詰まりしているか否かを判定する。ここで、フィルタ315が目詰まりしていると判定された場合、制御部40は、前記フィルタエラー情報を出力する(S22)。その後、一連の処理が終了する。
【0118】
フィルタ315が目詰まりしていないと判定された場合(S21のNo)、制御部40は、次のステップS23において、前記第1風速値を取得する。ステップS23は、本発明の測定値取得ステップの一例である。制御部40は、風速センサ28から出力される測定値を前記第1風速値として取得する。
【0119】
次のステップS24において、制御部40は、前記第1風速値が前記基準値未満であるか否かを判定する。この判定処理は、第1判定処理部413によって実行される。ステップS24は、本発明の判定ステップの一例である。前記第1風速値が前記基準値以上と判定された場合は、ステップS21に戻り、ステップS21以降の処理が行われる。なお、前記第1風速値が前記基準値以上であることは、吸気ノズル33の吸引力がゴミ詰まりなどにより低下していないことを意味する。
【0120】
前記第1風速値が前記基準値未満であると判定された場合(S24のYes)、吸気ノズル33にゴミ類が詰まり、吸引力が低下していると考えられる。この場合、制御部40は、次のステップS25において、吸気ノズル33の吸引力を回復させる吸引力回復動作を実行することを示すステータス情報を出力する。
【0121】
続いて、制御部40は、ステップS26において、駆動部103を駆動制御して、シャッター部材91を前記開位置から前記閉位置へ移動させる。これにより、第2開口317がシャッター部材91により閉塞される。かかる処理は、開閉制御部414によって実行される。なお、ステップS26は、本発明の開度変更ステップの一例である。これにより、吸気ノズル33における吸引力が強くなり、吸気ノズル33に溜まっていたゴミ類などを第1開口311から収容ボックス31内に吸い込ませることができる。
【0122】
次のステップS27では、制御部40は、第2開口317の閉塞後から前記設定時間T1を経過したか否かを判定する。そして、前記設定時間T1が経過したと判定されると、制御部40は、駆動部103を駆動制御して、シャッター部材91を前記閉位置から元の前記開位置へ移動させて、第2開口317を開放させる(S28)。つまり、制御部40は、前記設定時間T1が経過するまでの間だけ、第2開口317を閉塞する。
【0123】
第2開口317が元の開放状態に戻されると、制御部40は、次のステップS29において前記第2風速値を取得する。
【0124】
その後、次のステップS30において、制御部40は、前記第2風速値が前記基準値以上であるか否かを判定する。この判定処理は、第2判定処理部415によって実行される。前記第2風速値が前記基準値以上であることは、吸気ノズル33の吸引力の低下が解消されて元の正常な状態に回復したことを意味する。この場合、一連の処理が終了する。
【0125】
一方、前記第2風速値が前記基準値未満であると判定された場合(S30のNo)、吸気ノズル33にゴミ類がまだ詰まっており、吸引力の低下が解消されていないと考えられる。この場合、制御部40は、前記吸引力回復動作の実行回数をカウントし(S31)、そのカウント値が予め定められた設定回数に達したか否かを判定し(S32)、前記設定回数に達していない場合に、ステップS26以降の処理を繰り返し実行する。前記設定回数は、任意の回数に設定することができ、例えば、1回~5回の範囲内で設定することができる。
【0126】
前記カウント値が前記設定回数に達したと判定された場合、吸気ノズル33の吸引力を回復させることができないまま、制御部40は、前記ノズルエラー情報を出力する(S33)。その後、一連の処理が終了する。
【0127】
このように、清掃装置10において前記空気清浄機能が有効に設定されている場合に、上述の吸引力回復処理が行われるため、清掃動作中に空気清浄が実行されている場合に吸気ノズル33の吸引力が低下した場合でも、第2開口317を一時的に閉塞して吸気ノズル33の吸引力を一時的に強めることができる。これにより、吸気ノズル33におけるゴミ類の詰まりが解消され、吸引力も回復する。
【0128】
また、フィルタ315が目詰まりしている場合は、吸気ノズル33の吸引力の低下の要因がフィルタ315の目詰まりであると考えられる。そのため、前記吸引力回復処理において、フィルタ315が目詰まりしていると判定された場合は、ステップS23以降の処理を実行しないこととし、無駄に処理が実行されることを回避している。
【0129】
また、第2開口317を一時的に閉塞して吸気ノズル33の吸引力を増加させる動作を1度行っただけでは、吸気ノズル33のゴミ詰まりを解消できない場合が考えられる。そのため、当該動作を前記設定回数だけ実行可能とすることにより、吸気ノズル33の吸引力をより確実に回復させることが可能になる。
【0130】
なお、本実施形態では、ステップS26においてシャッター部材91を前記閉位置まで移動させて第2開口317を閉塞する処理例について説明したが、本発明はこの処理例に限られない。例えば、第2開口317を全閉させることなく、第2開口317の開度を全開状態の開度よりも小さくするだけでもよい。例えば、開閉制御部414は、前記第1風速値が前記基準値未満である場合に、第2開口317を全開状態からその開度が半分になるようにシャッター部材91を移動させてもよい。また、開閉制御部414は、前記第1風速値が前記基準値未満である場合に、前記第1風速値と前記基準値との差分が大きいほど第2開口317の開度が小さくなるようにシャッター部材91を移動させてもよい。第2開口317の開度が全開時の開度よりも小さくなることにより、吸気ノズル33の吸引力を一時的に強めることができる。
【0131】
また、上述の各実施形態では、シャッター部材91を駆動部103による駆動力によって作動させる構成を例示したが、本発明はこのような構成に限られない。シャッター部材91をユーザが手動で操作することにより第2開口317の開度を変更する構成も本発明の他の実施形態として考えられる。
【0132】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0133】
〈付記1〉
吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃する清掃装置であって、
前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、
前記収容部の内部から前記排出口を経て前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備え、
前記収容部は、
外気を内部に取り込むための第2開口を更に有し、
前記清掃装置は、
前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を含み、前記開閉部材に駆動力を付与することにより、前記開位置と前記閉位置との間で前記開閉部材を移動させる開閉機構と、
前記第1開口から吸入される気流の強さを測定する測定部と、
前記開閉機構を制御する開閉制御部と、を備え、
前記開閉制御部は、前記第2開口の全開時に前記測定部により測定された第1測定値に基づいて前記開閉機構を制御することにより前記第2開口の開度を変更する、清掃装置。
【0134】
〈付記2〉
前記開閉制御部は、前記第1測定値が予め定められた基準値未満になった場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させることにより前記第2開口の開度を全開時の開度よりも小さくする、付記1に記載の清掃装置。
【0135】
〈付記3〉
前記開閉制御部は、前記第1測定値が前記基準値未満になった場合に、前記開閉部材を前記閉位置に移動させることにより前記第2開口を閉塞する、付記2に記載の清掃装置。
【0136】
〈付記4〉
前記開閉制御部は、前記第1測定値が前記基準値未満になった場合に、予め定められた設定時間だけ前記第2開口の開度を変更し、前記設定時間を経過した後に前記第2開口の開度を元の開度に戻す、付記2又は3に記載の清掃装置。
【0137】
〈付記5〉
前記第2開口の開度が元の開度に戻された後に前記測定部により測定された第2測定値が前記基準値以上であるか否かを判定する測定値判定部と、
前記測定値判定部により前記第2測定値が前記基準値以上定値未満であると判定された場合に、前記吸気ノズルに関するエラー情報を出力する第1エラー出力部と、を更に備える、付記4に記載の清掃装置。
【0138】
〈付記6〉
前記フィルタが目詰まりしているか否かを判定するフィルタ判定部を更に備え、
前記開閉制御部は、前記フィルタ判定部によって前記フィルタが目詰まりしていないと判定された場合に、前記第1測定値が前記基準値未満か否かを判定し、前記第1測定値が前記基準値未満と判定された場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させる、付記2から4のいずれか一つに記載の清掃装置。
【0139】
〈付記7〉
前記フィルタ判定部によって前記フィルタが目詰まりしていないと判定された場合に、前記フィルタに関するエラー情報を出力する第2エラー出力部を更に備える、付記6に記載の清掃装置。
【0140】
〈付記8〉
前記吸気ファンが設けられる装置本体と、
前記装置本体の背面に設けられ、前記収容部を着脱可能に支持する支持部と、を更に備え、
前記吸気ノズルは、前記支持部の下部において前記被清掃面に対向するように設けられており、
前記第1開口は、前記収容部の底面に形成されており、
前記支持部は、
前記収容部の底面を支持可能であり、前記収容部の装着状態で前記吸気ノズルから前記第1開口を経て前記収容部の内部に至る第1流路を開通する第1連通口を有する第1支持部材と、
前記収容部の側面と係合可能であり、前記収容部の装着状態で前記収容部の内部から前記排出口を経て前記吸気ファンに至る排気流路を開通する第2連通口を有する第2支持部材と、を有し、
前記開閉部材は前記収容部に設けられており、
前記支持部は、前記収容部の装着に応じて前記開閉部材と連結し、前記収容部の取り外しに応じて前記開閉部材と連結解除される連結部を有する、付記1から7のいずれか一つに記載の清掃装置。
【0141】
〈付記9〉
前記清掃装置に空気清浄動作を実行させるための設定入力を受け付ける設定受付部を更に備え、
前記開閉制御部は、前記設定受付部によって前記設定入力が受け付けられた場合に、前記開閉部材を前記閉位置から前記開位置に移動させる、付記1から8のいずれか一つに記載の清掃装置。
【0142】
〈付記10〉
前記収容部は、前記清掃装置の高さ方向に長い箱状に形成されており、
前記第2開口は、前記収容部の上部に形成されている、付記1から9のいずれか一つに記載の清掃装置。
【0143】
〈付記11〉
吸気ファンによる吸引力によって吸気ノズルに吸引物を吸い込むことにより被清掃面を清掃する清掃装置に適用される方法であって、
前記清掃装置は、
前記吸気ノズルと連通する第1開口及び前記吸気ファンの吸気口に接続される排出口を有し、前記吸気ノズルに吸い込まれて前記第1開口に流入する前記吸引物を内部に収容する収容部と、
前記排出口から前記吸気ファンに至る吸気流路に設けられるフィルタと、を備え、
前記収容部は、外気を内部に取り込むための第2開口を更に有し、
前記清掃装置は、
前記第2開口を開放する開位置と前記第2開口を閉塞する閉位置との間で移動可能な開閉部材を更に備え、
前記収容部の前記第2開口の全開時に前記第1開口から前記吸引力によって吸入される気流の強さを示す第1測定値を取得する測定値取得ステップと、
前記第1測定値が予め定められた基準値未満か否かを判定する判定ステップと、
前記第1測定値が前記基準値未満と判定された場合に、前記開閉部材を前記開位置から前記閉位置へ移動させることにより前記第2開口の開度を変更する開度変更ステップと、を含む方法。
【符号の説明】
【0144】
10 :清掃装置
11 :装置本体
27 :磁気センサ
30 :清掃ユニット
31 :収容ボックス
32 :支持ホルダ
33 :吸気ノズル
40 :制御部
70 :吸気ユニット
72 :吸気ファン
73 :第2連通口
80 :開閉機構
91 :シャッター部材
92 :移動機構
311 :第1開口
312 :排出口
315 :フィルタ
317 :第2開口
323 :第1連通口
411 :動作制御部
412 :検知処理部
413 :第1判定処理部
414 :開閉制御部
415 :第2判定処理部
416 :フィルタ判定処理部
417 :出力処理部
418 :設定受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14