(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167592
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】採用支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078886
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】521245186
【氏名又は名称】株式会社Haul
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平田 拓嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】採用候補者の採用を効率的に行い、かつ、採用活動の効果を向上させる方法を提供する。
【解決手段】サーバ端末、複数の採用候補者端末及び複数の企業端末を備える問合せ対応システムにより求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法であって、サーバ端末の制御部は、採用候補者採用候補者端末に対し、採用プロセスにおいて、所定のフォーマットにより生成されるステップレターを送信し、ステップレターに含まれる、複数の回答項目に対する回答入力を、採用候補者端末から受付け、回答入力をオファーレター生成のために参照される回答情報に記憶する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法であって、
サーバ端末の制御部は、
採用候補者採用候補者端末に対し、採用プロセスにおいて、所定のフォーマットにより生成されるステップレターを送信し、
前記ステップレターに含まれる、複数の回答項目に対する回答入力を、前記採用候補者端末から受付け、
前記回答入力を、オファーレター生成のために参照される回答情報に記憶する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記回答入力のうち、次回選考を希望または興味を問う回答項目に対する回答を確認し、
前記選考を希望または興味を問う回答項目に対する回答入力及び前記回答情報に基づいて、前記回答入力を分析する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記ステップレターを、前記採用候補者採用候補者端末に対し、前記採用候補者の選考プロセスにおいて複数回送信し、前記複数回送信されたステップレターに含まれる、前記複数の回答項目に対する回答入力を、分析情報に記憶する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記回答項目は、選考を希望または興味を問う回答項目、転職意欲を問う回答項目、求人企業に対して興味がある内容を問う回答項目、併願状況を問う回答項目、求人企業に対する印象を問う回答項目、経済条件の希望を問う回答項目、採用候補者が仕事を選ぶ基準を問う回答項目、求人企業がオファーを出したときに入社する可能性を問う回答項目、及び次回以降の面談で聴きたい内容を問う回答項目のいずれか、または、組合せを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記回答情報に基づいて、採用候補者に対するオファーを通知するオファーレターを生成する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記オファーレターは、所定のフォーマットにより生成され、所定の項目を含み、前記所定の項目は、採用候補者と働きたい理由に関する項目、採用候補者の採用先組織の目標に関する項目、採用候補者の所属及び役割に関する項目、採用候補者に対する期待に関する項目、求人企業に所属する従業員からのメッセージに関する項目、求人企業の就労環境に関する項目、求人企業の評価制度に関する項目、及びオファー条件に関する項目のいずれか、または、組合せを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
求人企業が採用候補者に対する採用活動を進めるうえで、採用候補者との面談後に、面談内容のフィードバックや、採用活動の次のステップに進むために必要な情報を収集するために、ステップレターとよばれるレターを送ることが普及している。
【0003】
例えば、特許文献1において、ステップレターを通じて応募者から人物像や就労意欲に関する情報を収集し、求人企業側の次回面談候補者の特定のための情報として用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、面談候補者の特定のために必要な情報を収集することを前提としていう一方で、昨今の求人企業の採用に関する課題として、面談等を含む採用プロセスにおいてミスコミュニケーションが発生する等との理由で、求人企業が採用候補者に対するオファー内容(経済条件や入社後の枠割、採用候補者に期待すること等)と、採用候補者の意向との間にミスマッチが生じ、結果として、採用候補がオファーを辞退し、転職後に退職する等の事態が発生してしまうことが挙げられる。採用活動においては、求人企業及び採用候補者双方の期待値のギャップが防止され、採用候補者の意欲を醸成し、採用の承諾へと結びつける、といった採用効果が向上され、また、採用効果向上のために必要な情報を効率的に収集する、といった採用活動の効率が向上されることが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、採用候補者の採用を効率的に行い、かつ、採用活動の効果を向上させる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法であって、サーバ端末の制御部は、採用候補者採用候補者端末に対し、採用プロセスにおいて、所定のフォーマットにより生成されるステップレターを送信し、前記ステップレターに含まれる、複数の回答項目に対する回答入力を、前記採用候補者端末から受付け、前記回答入力をオファーレター生成のために参照される回答情報に記憶する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、採用候補者の採用を効率的に行い、かつ、採用活動の効果を向上させる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、問合せ対応システムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1の採用候補者端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】サーバ100に格納される候補者データの一例を示す図である。
【
図5】サーバ100に格納される企業データの一例を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターを通じた求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な一例を説明する図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図12】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図13】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図14】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図15】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図16】本発明の第一実施形態に係る、ステップレターの回答項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図17】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターを通じた求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な一例を説明する図である。
【
図19】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図20】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図21】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図22】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図23】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図24】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【
図25】本発明の第一実施形態に係る、オファーレターの提示項目の具体的な他の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法を実行するシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、例えば、求人企業の採用プロセスにおいて、複数の採用候補者の採用候補者端末200A、200Bに対し、ステップレター及びオファーレター等を送信し、必要な情報を収集する、サーバ端末100、求人企業の採用候補者の採用候補者端末200A、200B及び求人活動を行う企業端末300A、300Bを含む。ここで、企業端末300A、300Bの各々において、プログラムを実装し、サーバ端末100で実行される上記採用を支援する方法を実行することもでき、また、API(Application Programming Interface)により、サーバ端末100と企業端末とが連携し、サーバ端末100または企業端末において、上記採用を支援する方法の一部を実行することもできる。なお、説明の便宜上、各端末を単一または特定数のものとして記載しているが、各々数は制限されない。
【0012】
サーバ端末100、採用候補者端末200A、200B、及び企業端末300A、300Bは、ネットワークNW1を介して各々接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100及び企業端末300A、300Bは、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0014】
採用候補者端末200A、200Bは、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0015】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100、採用候補者端末200A、200B、及び企業端末300A、300Bを備え、各端末のユーザが各々の端末を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、各ユーザが直接操作を行う機能を備えても良い。以下、必要に応じ、採用候補者端末200A、200Bを総称して採用候補者端末200として説明し、企業端末300A、300Bを総称して企業端末300として説明する。
【0016】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0017】
通信部110は、ネットワークNW1を介して採用候補者端末200、企業端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0018】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、採用候補者に関連する各種データを格納する、候補者データ格納部121、及び採用活動を行う求人企業に関連する各種データを格納する、企業データ格納部122を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0019】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、各種端末からの情報を受け付ける情報受付部131と、採用候補者に関連する各種データを参照し、処理する、候補者情報処理部132と、求人活動を行う求人企業に関連する各種データを参照し、処理する、企業情報処理部133と、ステップレター及びオファーレターに関連する各種データを参照し、処理する、レター生成処理部134とを有する。この情報受付部131、候補者情報処理部132、企業情報処理部133、及びレター生成処理部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0020】
情報受付部131は、採用候補者端末200及び企業端末300から通信部110を介して情報を受付ける。例えば、採用候補者端末200からは、ステップレター及びオファーレター等を介して、採用候補者により回答項目に対して入力される情報を受信する。
【0021】
候補者情報処理部132は、採用候補者端末200から受信した採用候補者に関連する各種データ(例えば、後述する候補者データ1000等)を参照し、所定の処理を行う。
【0022】
企業情報処理部133は、採用候補者端末200から受信した求人企業に関連する各種データ(例えば、後述する企業データ2000)を参照し、所定の処理を行う。
【0023】
レター生成処理部134は、ステップレター及びオファーレターを生成する処理等を行う。
【0024】
また、制御部130は、図示しない、画面生成部を有することもでき、求めに応じて、採用候補者端末200及び企業端末300のユーザーインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された(図示しない)画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザーインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザーインターフェースを生成する。画像生成部に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0025】
図3は、
図1の採用候補者端末200を示す機能ブロック構成図である。採用候補者端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0026】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0027】
表示操作部220は、採用候補者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザーインターフェースであり、採用候補者端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、採用候補者端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である採用候補者端末200により実行される。
【0028】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0029】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、採用候補者端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0030】
図4は、サーバ100に格納される候補者データの一例を示す図である。
【0031】
図4に示す候補者データ1000は、採用候補者に関連する各種データを格納する。
図4において、説明の便宜上、一候補者(候補者ID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数の候補者の情報を格納することができる。候補者に関連する各種データとして、例えば、候補者に関する基本情報(例えば、氏名、住所、連絡先、職歴、学歴等)、ステップレター及びオファーレターに含まれる回答項目を通じた、候補者による回答情報(選考を希望または興味を問う回答項目、転職意欲を問う回答項目、求人企業に対して興味がある内容を問う回答項目、併願状況を問う回答項目、求人企業に対する印象を問う回答項目、経済条件の希望を問う回答項目、採用候補者が仕事を選ぶ基準を問う回答項目、求人企業がオファーを出したときに入社する可能性を問う回答項目、及び次回以降の面談で聴きたい内容を問う回答項目、オファーの承諾に関する回答項目に対する回答情報、候補者が現職の所属企業に退職の意思表示を行った否かに関する項目等)、候補者の求人企業に対する採用プロセスにおける面談情報(ステータス、合否、面談担当者/関係者等)、及び、候補者に宛てられたステップレター及びオファーレターに関するレター情報(レターの内容(オファーレターにおける、採用候補者と働きたい理由に関する項目、採用候補者の採用先組織の目標に関する項目、採用候補者の所属及び役割に関する項目、採用候補者に対する期待に関する項目、求人企業に所属する従業員からのメッセージに関する項目、求人企業の就労環境に関する項目、求人企業の評価制度に関する項目、求人企業の技術スタックに関する情報、第三者から求人企業への推薦コメント、オファー条件、労働条件通知書等)を含むことができるがこれに限定されない。
【0032】
図5は、サーバ100に格納される企業データの一例を示す図である。
【0033】
企業データ2000は、採用活動を行う企業に関連する各種データを格納する。
図5において、説明の便宜上、一企業(企業ID「20001」で識別されるポイント)の例を示すが、複数の企業に関連する情報を格納することができる。企業に関連する各種データとして、例えば、企業に関する基本情報(法人名、業種、従業員数、居所(住所)、連絡先、評価制度、福利厚生制度、技術情報等)、企業の求人募集に関する情報(募集ポジション、組織名、組織情報、入社日、経済条件等)、企業の採用プロセスにおける面談情報(候補者名、ステータス、面談内容(入社時期、入社理由、転職時期、転職理由等)合否、面談担当者/関係者等)、候補者に宛てられたステップレター及びオファーレターに関するレター情報(レターの内容(オファーレターにおける、採用候補者と働きたい理由に関する項目、採用候補者の採用先組織の目標に関する項目、採用候補者の所属及び役割に関する項目、採用候補者に対する期待に関する項目、求人企業に所属する従業員からのメッセージに関する項目、求人企業の就労環境に関する項目、求人企業の評価制度に関する項目等、また、レターを生成するために必要な素材データ(会社紹介、候補者に対するコメント等の)テキストデータ、(会社ロゴ、面談担当者・関係者のプロフィール写真等の)画像データ、(会社紹介、候補者に対するコメント等の)動画、(参考情報として有用なメディア記事等)URL、その他データ(コーポレートカラーに関する情報)等)等)、ステップレター及びオファーレターに含まれる回答項目を通じた、候補者による回答情報(選考を希望または興味を問う回答項目、転職意欲を問う回答項目、求人企業に対して興味がある内容を問う回答項目、併願状況を問う回答項目、求人企業に対する印象を問う回答項目、経済条件の希望を問う回答項目、採用候補者が仕事を選ぶ基準を問う回答項目、求人企業がオファーを出したときに入社する可能性を問う回答項目、及び次回以降の面談で聴きたい内容を問う回答項目、オファーの承諾に関する回答項目に対する回答情報、候補者が現職の所属企業に退職の意思表示を行った否かに関する項目等)及び分析情報(承諾/辞退別の回答情報、上記候補者の回答情報に基づいた分析(例えば、特定候補者の各ステップレターの回答結果比較、複数候補者の回答結果に基づいた辞退率、辞退理由、保留理由、他企業との各項目の比較、承諾/辞退別の回答内容の比較、回答結果に基づくオファーレターの生成ロジック等)等を含むことができるがこれに限定されない。
【0034】
図6は、本発明の第一実施形態に係る、ステップレターを通じた求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ステップS101の前段の処理として、サーバ端末100は、企業端末300からの要求に基づいて、採用候補者の採用プロセスにおける、複数回の採用面談の各面談(一次、二次、最終面談等)後に、採用候補者端末200に対し、ステップレターを送信する。ここで、ステップレターとは、採用候補者が、各選考ステップを通過したタイミングで、企業から候補者に次ステップに進んでほしいことを伝えるものであって、候補者へのポジティブなフィードバックをミニマムであり、リッチな形で伝え、候補者の求人企業に対する転職意欲の醸成を図ることを目的としつつ、企業側として、候補者のアトラクトやオファーの設計に必要な情報を収集する回答項目を含むものである。採用候補者は、採用候補者端末200においてウェブブラウザまたはアプリケーションを通じて、ステップレターを受信し、採用候補者端末200のユーザーインターフェースを介してステップレターを表示させ、ステップS101の処理に進む。
【0036】
続いて、ステップS101の処理として、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、通信部110を介して、採用候補者により入力された、ステップレターに含まれる回答項目に対する回答入力に関する情報を受信する。制御部130の候補者情報処理部132は、受信した回答入力に関する情報を、候補者データ1000として、記憶部120の候補者データ格納部121に格納する。
【0037】
ここで、ステップレターに含まれる回答項目について、
図7乃至
図16に例示する。ステップアップレターは、複数の回答項目により構成され、所定のフォーマットにより生成されるものであり、アンケート形式により、採用候補者から、各回答項目について、選択方式または記述方式によって回答入力を受け付けるよう設計されるものである。ここで、ステップレターに用いられるカラーを、事前に企業端末300から提供された、コーポレートカラーに基づいて決定することもできる。
【0038】
図7に例示される回答項目は、候補者の面談後の印象として面談後の率直な感想を問うものであり、次回選考に対する希望または興味を問う回答項目であって、「選考を希望する」、「興味があり、もっと他の人に話を聞いてみたい」、「興味はあり、今後も定期的に連絡を取りたい」、及び「興味がない」のいずれかから、選択方式で候補者から入力を受け付ける。
【0039】
図8に例示される回答項目は、候補者の求人企業に対する転職意欲を問うための項目であり、0から100のスケールにおける10段階評価による選択方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0040】
図9に例示される回答項目は、求人企業に対して興味がある内容を問う回答項目であり、候補者の求人企業に興味があるポイントを、「会社」、「事業」、「組織」、「パーソナル」等のカテゴリ別に選択方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0041】
図10に例示される回答項目は、求人企業の選考とは別に、併願状況を問うための回答項目であり、企業名と状況を、各々記述方式と選択方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0042】
図11に例示される回答項目は、求人企業に対する印象を問う回答項目であり、企業に対するポジティブな点、懸念点を各々記述方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0043】
図12に例示される回答項目は、経済条件の希望を問う回答項目であり、候補者の現年収及び希望年収について、年収(トータル)及び賞与の各々を記述方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0044】
図13に例示される回答項目は、採用候補者が仕事を選ぶ基準を問う回答項目であり、「経済的リターンの大きさ」、「自身が成長できる・市場価値が上がるなどのポジションの魅力」、「社会へのインパクトの大きさ」、「一緒に働くチームやメンバー」、「働き方(柔軟さや自分に合っているかどうか)」等を記述方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0045】
図14に例示される回答項目は、求人企業がオファーを出したときに入社する可能性を問う回答項目であり、今オファーが出た場合の入社可能性を、0から100のスケールにおける10段階評価による選択方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0046】
図15に例示される回答項目は、次回以降の面談で聴きたい内容を問う回答項目であり、候補者の求人企業に対して次回以降面談で聴きたいポイントを、「会社」、「事業」、「組織」、「パーソナル」等のカテゴリ別に選択方式で候補者から回答入力を受け付ける。
【0047】
図16に例示される項目は、候補者がすべての回答項目に回答を行った後に表示されるものであり、回答入力に対する感謝のメッセージとともに、候補者に求人企業のことに対する理解をより深めてもらうための情報を提供する。
図16の例において、候補者は、会社のミッション、ビジョン、バリューについて、会社代表からのメッセージを確認したり、会社のバリューについて紹介するための記事や動画等を視聴等したりすることができる。本例に表示されるメッセージや動画等は、候補者のステップレターにおける回答入力結果に基づいて、表示させる内容を決定することができる。例えば、候補者が、ステップレターにおいて、会社の事業内容を聴きたいと回答した場合、事業紹介に関する記事や動画を表示させることもできる。
【0048】
続いて、ステップS102の処理として、サーバ端末100の制御部130の候補者情報処理部132は、受け付けた回答入力に関する情報に基づいて、候補者が、次の選考ステップに進むことを承諾したか、辞退したかについて決定する。例えば、候補者情報処理部132は、候補者よる受け付けた回答入力のうち、次回選考に対する希望または興味を問う項目に対する回答を参照し、「選考を希望する」、「興味があり、もっと他の人に話を聴いてみたい」、または「興味はあり、今後も定期的に連絡を取りたい」という回答結果であった場合は、次回選考を承諾したと決定し、ステップS103に進む。候補者情報処理部132は、回答入力が「興味がない」であった場合、次回選考を辞退したと決定し、ステップS105に進む。ここで、候補者情報処理部132は、上記回答に限らず、他の回答結果に基づいて、次回選考に対する承諾要否を決定することもできる。例えば、候補者の、転職意欲に対する回答結果が「ゼロ」であった場合、次回選考を辞退した、と決定することもできる。
【0049】
続いて、ステップS103の処理として、サーバ端末100の制御部130の企業情報処理部133は、ステップS102において、候補者が次の選考に承諾したものと決定した場合に、候補者の回答入力に関する情報を、どの選考過程(一次、二次、最終面談)で承諾したか、というステータス情報とともに、企業データ2000の分析情報に格納し、分析情報を更新する。また、ステップS104の処理として、承諾理由として、他の回答入力に関する情報を分析情報に格納する。
【0050】
他方、ステップS105の処理として、サーバ端末100の制御部130の企業情報処理部133は、ステップS102において、候補者が次の選考に辞退したものと決定した場合に、候補者の回答入力に関する情報を、どの選考過程(一次、二次、最終面談)で辞退したか、というステータス情報とともに、企業データ2000の分析情報に格納し、分析情報を更新する。また、ステップS106処理として、辞退理由として、他の回答入力に関する情報を分析情報に格納する。
【0051】
企業情報処理部133は、回答情報または分析情報に基づいて、回答入力結果から様々な分析を行うことができる。特に、選考プロセスの各過程(一次、二次、最終面談)において、ステップレターから収集された回答情報を基に、経済条件(希望年収)、希望ポジション、入社時期、転職意欲等の項目別に比較可能なテーブルを生成したり、承諾または辞退別に前記テーブルを生成し、分析情報に格納することができる。これにより、企業の採用担当者は、各項目の回答結果と承諾の成否との相関を分析したり、各選考の段階で、候補者の回答に変化が無いか確認することができる。また、企業情報処理部133は、特定の求人企業とは異なる複数の企業毎に、同一フォーマットによるステップレターに対する回答入力情報を企業データとして格納することができるため、例えば、経済条件に関する項目について、辞退者が出た企業と採用者が出た企業との比較データを生成し、求人企業に対して提示することもできる。これにより、求人企業は、特定ポジションについて、採用成功企業の年収相場を基に、オファーする経済条件を検討することができる。
【0052】
また、企業情報処理部133は、回答情報または分析情報に基づいて、回答入力結果から、特定の候補者に対して、次の面談後にステップレターに含まれる回答項目を決定することもできる。例えば、回答情報等を基に、候補者が、求人企業に対して懸念としている事項を抽出し、懸念事項に関連する回答項目を次回ステップレターに含める項目として決定することができる。また、採用担当者は、ステップレターに対する回答入力結果に基づいて、次回面談で候補者に質問する項目を決定し、面談コストを減らすこともできる。
【0053】
また、候補者情報処理部132は、候補者向けに、候補者の選考を行っている企業別に、各ステップレター及び回答内容を記憶し、選考スケジュール、面談及び合否等のステータス、経済条件等を比較可能なようにテーブルを生成することができる。また、入社を希望する企業別に、経済条件、ポジション、入社時期等の項目を比較可能なテーブルを生成することができる。これにより、候補者は、各企業に対する応募を効率的に進め、希望する企業との選考プロセスに意欲をもって取り組むことができる。
【0054】
次に、
図17は、本発明の第一実施形態に係る、オファーレターを通じた求人企業に対する採用候補者の採用を支援する方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、オファーレターは、求人企業が採用候補者を採用することを決定したときに、経済条件等を含むオファー条件をレターとして提示するものであり、候補者がこれに承諾したときに、オファーが成立するものであるが、本実施形態において、オファーレターは、1)候補者の理解(現職の入社理由、転職理由、過去の転職動機と意思決定軸)、2)候補者のニーズ把握(前提確認(自社のどこに興味を持って来てくれたのか)、今後のキャリアプラン及びキャリアビジョンとその理由)、3)魅力付けの内容抽出(転職の意思決定軸、希望職種/役職等)、4)採用競合(採用競合の存在有無及びステータス、採用競合と比較された中での優先順位及び優劣ポイント)、5)経済条件(現年収、希望年収、経済条件の下限ライン)、6)転職時期(意思決定時期、入社可能時期)、を軸として設計され、これらの情報を基本的に前述のステップレターを通じて採用候補者から収集するものである。以下、オファーレターを生成し、送信する処理等について説明する。
【0056】
まず、ステップS201の処理として、サーバ端末100の制御部130のレター生成部134は、オファーレターを生成する処理の前段として、候補者データ1000を参照する。例えば、レター生成部134は、候補者データ1000を参照し、候補者の基本情報のほか、面談情報及びステップレターを通じて収集された回答情報(求人企業への入社意欲、経済条件、求人企業への入社希望時期、求人企業への入社希望理由、求人企業でのキャリアプラン、興味のあるポイント、採用競合、候補者が現職の所属企業に退職の意思表示を行った否か等)を参照する。
【0057】
続いて、ステップS202の処理として、サーバ端末100の制御部130のレター生成部134は、オファーレターを生成する処理の前段として、企業データ2000を参照する。例えば、レター生成部134は、企業データ2000を参照し、求人企業に関する基本情報(法人名、業種、従業員数、居所(住所)、連絡先、評価制度、福利厚生制度、技術情報等)のほか、企業の求人募集に関する情報(募集ポジション、組織名、組織情報、入社日、経済条件等)、企業の採用プロセスにおける面談情報(候補者名、ステータス、合否、面談担当者/関係者等)、及び分析情報(採用プロセスにおける複数のステップレターから収集された回答入力結果の比較、転職意欲、経済条件等)を参照する。
【0058】
続いて、ステップS203の処理として、サーバ端末100の制御部130のレター生成部134は、候補者データ及び企業データを参照して、オファーレターを生成する。例えば、オファーレターは、レターの内容として、採用候補者と働きたい理由に関する項目、採用候補者の採用先組織の目標に関する項目、採用候補者の所属及び役割に関する項目、採用候補者に対する期待に関する項目、求人企業に所属する従業員からのメッセージに関する項目、求人企業の就労環境に関する項目、求人企業の評価制度に関する項目、求人企業の技術スタックに関する情報、第三者から求人企業への推薦コメント、オファー条件、労働条件通知書等を含むことができる。また、候補者データに含まれる、候補者の入社意欲、希望経済条件等に基づいて、レター生成部134は、オファー内容として、松竹梅等の三段階の経済条件のうち、いずれかの条件でのオファーを生成することができる。特に、求人企業として強く採用したい候補者であって、入社意欲が低い候補者に対しては、松竹梅のうち、最上級の「松」の経済条件を提示するオファー内容を決定することができ、逆に、採用したいが、人物像に懸念があったり、入社意欲が相対的に高い候補者に対しては、中程度の「竹」に相当する経済条件によるオファー内容を決定することができる。
【0059】
その他、レター生成部134は、企業データを参照し、企業のコーポレートカラーをタイトルや背景として使用したオファーレターを生成したり、候補者との面談を担当した従業員及び/または候補者の採用ポジションの所属先の従業員(関係者)のプロフィール画像と、担当者及び/または関係者から候補者に向けたメッセージをオファーレターに取り入れることもできる。その他、ステップレターで収集された回答入力結果に基づいて、候補者が求人企業に対して知りたい情報を提示したり、求人企業の代表から候補者に向けたメッセージを取り入れる等して、候補者にパーソナライズされたオファーレターの内容とすることができ、候補者のオファー承諾率の向上を図ることができる。
【0060】
続いて、ステップS204の処理として、サーバ端末100の制御部130のレター生成部134は、生成したオファーレターを、採用候補者端末200に送信する。ここで、オファーレターの送信方法として、メールによる送信方法のほか、Slack(登録商標)等のメッセージアプリケーションによる送信方法も考えられる。メッセージアプリケーションによりオファーレターを送信することで、オファーレターの内容及びステータスについて、面談担当者及び面談担当者以外の関係者に共有を図ることができ、また、候補者による承諾期日及び開封有無の管理等をアプリケーション上で行うこともできる。
【0061】
ここで、オファーレターに含まれる提示項目について、
図18乃至
図25に例示する。オファーレターは、複数の提示項目により構成され、所定のフォーマットにより生成されるものであり、入社日、経済条件等からなるオファー条件のほか、候補者の入社意欲を高めてもらうため、企業の代表者及び従業員からのメッセージを顔写真入りで提示したり、候補者と求人企業との期待値のギャップが生じないよう、事業、チームの目標や候補者の所属先と役割、求人企業側から候補者に対して期待することに関する項目、その他就労環境や評価制度等の企業に関する情報を提示することができる。ここで、オファーレターに用いられるカラーを、事前に企業端末300から提供された、コーポレートカラーに基づいて決定することもできる。なお、これらの提示項目は、ステップレターを通じた候補者の回答入力結果に基づいて、及び/または、求人企業毎にカスタマイズして決定することができ、全ての提示項目をオファーレターに含むこともあれば、簡略版等の形式で、いくつかの提示項目のみを含めることもできる。
【0062】
図18に例示される提示項目は、オファーレターのタイトルとともに、求人企業の代表者が候補者に向けたメッセージを動画形式で提供するものである。これにより、候補者に対して、代表自ら一緒に働きたい旨を理由とともに伝えることができ、候補者のアトラクトを期待できる。
【0063】
図19に例示される提示項目は、求人企業として、候補者に対する考え方をメッセージとして示したものである。例えば、「あなたと一緒に働きたい理由」、「今回の転職に関するわたしたちの見解」、「わたしたちが提供できること」、「あなたへ伝えたい想い」として、求人企業が、採用活動等を通じて、候補者について感じたことや候補者個人に対して企業として何ができるか、等候補者個人に向けられた想いを強くアピールすることができ、候補者のアトラクトに繋がるとともに、候補者と求人企業と求人企業との期待値を調整する効果にも繋がる。
【0064】
図20に例示される提示項目は、候補者の所属先となる事業及びチームの目標と候補者の役割を明示するものである。これにより候補者の、求人企業における所属と役割が明確となり、入社後スムーズに業務を行うことができることが期待できるとともに、役割に関する認識のずれを未然に防ぐことができる。
【0065】
図21に例示される提示項目は、候補者に対して期待することとして、入社後1ヵ月後、3ヵ月後に期待する役割等を明示することで、前項同様、入社後スムーズに業務を行うことができることが期待できるとともに、役割に関する認識のずれを未然に防ぐことができる。また、求人企業の従業員から候補者に宛てたメッセージに関する項目を提示することもでき、候補者との採用面談を担当した従業員や候補者の所属先となる部署の責任者や従業員等の関係者によるメッセージを、動画形式やテキスト形式で提示することができる。これにより、候補者のアトラクトに繋がるとともに、入社後に働くイメージをより強く抱いてもらうことができる。
【0066】
図22に例示される提示項目は、求人企業の就労環境を提示するもので、企業の就労制度に関する情報を分かりやすいフォーマットで示すものである。
【0067】
図23に例示される提示項目は、求人企業の評価制度を提示するもので、企業の評価制度に関する情報を分かりやすいフォーマットで示すものである。
【0068】
図24に例示される提示項目は、参考情報として、候補者が入社後に関係すると思われるサービスやプロダクトをより深く知ってもらうために、内外のメディア等により制作された材料を視聴可能に提供するものである。
【0069】
図25に例示される提示項目は、求人企業が候補者に対して提示するオファー条件を規定したものであり、入社日、経済条件、賞与、その他福利厚生(ベネフィット)等の情報を分かりやすいフォーマットで示すものである。ここで、福利厚生(ベネフィット)に関する情報については、各々の項目について、具体的な金額を表示しつつ、合計額を記載することで、候補者に対して実利としてベネフィットがどれくらいの金銭的価値があるか、分かりやすいフォーマットで示すことができる。また、別の提示項目として、オファー条件に対する、候補者の回答を入力するための回答項目を設けることができる。オファーレター全体としてストーリー性を持って候補者に読み取ってもらいながら、オファー条件をオファーレターの最後に提示することで、オファーの内諾率向上に繋がることが期待できる。また、オファー内容に対し、候補者が企業に対してその内容について相談するために、「オファー内容を相談する」というボタンを設けることもできる。
【0070】
続いて、ステップS205の処理として、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、通信部110を介して、採用候補者により入力された、オファー条件に対する回答入力に関する情報を受信する。候補者は、
図25に示すオファー条件に対する回答入力として、「承諾する」、「辞退する」(その他、「オファー内容を相談する」)といった内容を選択するとともに、承諾理由、辞退理由を記述形式で入力することができる。その他、「保留する」といった内容を選択し、保留理由を記述することもできる。制御部130の候補者情報処理部132は、受信した回答入力に関する情報を、候補者データ1000として、記憶部120の候補者データ格納部121に格納する。
【0071】
続いて、ステップS206の処理として、サーバ端末100の制御部130の候補者情報処理部132は、受け付けた回答入力に関する情報に基づいて、候補者が、オファー条件を承諾したか、辞退したかについて決定する。例えば、候補者情報処理部132は、候補者よる受け付けた回答入力が、「承諾する」といった内容のものであれば、オファーを承諾したと決定し、ステップS207に進む。候補者情報処理部132は、回答入力が「辞退する」といった内容のものであれば、オファーを辞退したと決定し、ステップS209に進む。ここで、候補者情報処理部132は、上記回答に限らず、「保留する」といった回答入力に基づいて、オファーを保留したと決定することもできる。
【0072】
続いて、ステップS207の処理として、サーバ端末100の制御部130の企業情報処理部133は、ステップS206において、候補者がオファーに承諾したものと決定した場合に、オファーに承諾した旨のステータス情報を、既に格納されている、オファーレターに関する情報やステップレターを通じて収集された回答入力情報に関連付けて、企業データ2000の分析情報に格納し、分析情報を更新する。また、ステップS208の処理として、承諾理由に関する情報を分析情報に格納する。
【0073】
他方、ステップS209の処理として、サーバ端末100の制御部130の企業情報処理部133は、ステップS206において、候補者がオファーを辞退したものと決定した場合に、オファーに辞退した旨のステータス情報を、既に格納されている、オファーレターに関する情報やステップレターを通じて収集された回答入力情報に関連付けて、企業データ2000の分析情報に格納し、分析情報を更新する。また、ステップS210の処理として、辞退理由に関する情報を分析情報に格納する。なお、候補者がオファーを辞退した場合は、求人企業は、辞退理由を基に、再度オファーレターを生成のうえ、候補者に対して提示することもできる。また、図示しないが、候補者がオファー条件を保留した場合、企業情報処理部133は、その保留理由とともに、分析情報に格納することもできる。
【0074】
前述のように、企業情報処理部133は、候補者による、承諾、辞退または保留等のオファーレターに対するフィードバックを基に分析を行うことができる。特に、選考プロセスの各過程(一次、二次、最終面談、オファーレター)において、ステップレター及びオファーレターから収集された回答情報を基に、経済条件(希望年収)、希望ポジション、入社時期、転職意欲等の項目別に比較可能なテーブルを生成したり、承諾または辞退別に前記テーブルを生成し、分析情報に格納することができる。これにより、企業の採用担当者は、各項目の回答結果と承諾の成否との相関を分析したり、各選考の段階で、候補者の回答に変化が無いか確認することができる。また、企業情報処理部133は、オファーの承諾率の比較、承諾に至るまでのリードタイムの分析、また、承諾者の報酬データベースの管理を、企業毎若しくは業種毎に実行することができる。また、企業情報処理部133は、特定の求人企業とは異なる複数の企業毎に、同一フォーマットによるオファーレターに対する回答入力情報を企業データとして格納することができるため、例えば、経済条件に関する項目について、辞退者が出た企業と採用者が出た企業との比較データを生成し、求人企業に対して提示することもできる。これにより、求人企業は、今後、特定ポジションについて、採用成功企業の年収相場を基に、オファーする経済条件を検討することができる。さらに、企業情報処理部133は、承諾した採用候補者に掛かった採用費用を集計し、承諾した候補者の年収に対して採用費用(採用単価)を比較可能なように情報を生成することもできる。
【0075】
また、企業情報処理部133は、特に、候補者がオファーを辞退または保留した場合に、回答入力結果から、次のオファーレターにより再提示する経済条件等のオファー条件を決定することもできる。例えば、回答情報等を基に、候補者が、求人企業に対して懸念としている事項を抽出し、懸念事項に関連する提示項目を次回オファーレターに含める項目として決定することができる。
【0076】
また、企業情報処理部133は、特に、候補者がオファーを保留した場合に、一定期間経過後に再度入社を検討してもらえるよう、人材プールとして、候補者情報として記憶しておき、候補者に関連した、ステップレター及びオファーレターに関する情報(及びその回答入力に関する情報)を格納しておき、将来の採用活動に活用することもできる。同様に、採用プロセスの途上で、選考に進むことを保留した候補者についても、候補者情報として記憶することができる。
【0077】
また、候補者情報処理部132は、候補者向けに、候補者の選考を行っている企業別に、各ステップレター、オファーレター及び回答内容を記憶し、選考スケジュール、面談及び合否等のステータス、経済条件等を比較可能なようにテーブルを生成することができる。また、入社を希望する企業別に、経済条件、ポジション、入社時期等の項目を比較可能なテーブルを生成することができる。これにより、候補者は、各企業に対する応募を効率的に進め、希望する企業との選考プロセスに意欲をもって取り組むことができる。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、採用の面談からオファーに至る採用プロセスにおいて、採用候補者を一つの識別子(ID)で管理し、ステップレターを通じて収集される情報を候補者に対する効果的なオファーレター生成のために活用することで、オファーのために必要な情報を効率的に収集することができ、最終的な候補者の承諾率の向上を図ることができる。
【0079】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1 システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 採用候補者端末、300 企業端末、NW1 ネットワーク