(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167597
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】カバー色判定システム
(51)【国際特許分類】
G01J 3/50 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G01J3/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078892
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅雄
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA05
2G020DA32
2G020DA36
2G020DA52
(57)【要約】
【課題】取り付け予定の筐体カバーが正しい色の筐体カバーか否かを正確に判定すること。
【解決手段】カバー色判定システム1において、載置台11には、カバー本体と、カバー本体に取り付けられたベゼルとを有するカバーが載置され、第一センサ12は、カバー本体の色である第一色を検出し、第二センサ13は、ベゼルの色である第二色を検出し、カバー色判定器20は、第一色と第二色との組合せに基づいて、互いに異なるモデルのスキャナに取り付け可能なカバーが、各モデルに合致した色を有するカバーであるか否かを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー本体と、前記カバー本体に取り付けられたベゼルとを有するカバーが載置される載置台と、
前記カバー本体の色である第一色を検出する第一センサと、
前記ベゼルの色である第二色を検出する第二センサと、
前記第一色と前記第二色との組合せに基づいて、互いに異なるモデルのスキャナに取り付け可能な前記カバーが、各モデルに合致した色を有するカバーであるか否かを判定する判定器と、
を具備するカバー色判定システム。
【請求項2】
前記カバーが前記載置台に載置されていることを検出する第三センサ、をさらに具備し、
前記カバーが前記載置台に載置されていることが検出されたときに、前記第一センサは前記第一色を検出するとともに、前記第二センサは前記第二色を検出する、
請求項1に記載のカバー色判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバー色判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
同一形状を有する異なるモデルのスキャナが同一の工場内で混在して組み立てられることがある。また、スキャナの中には、スキャナの筐体を覆うカバー(以下では「筐体カバー」と呼ぶことがある)が取り付けられているものがあり、筐体カバーは、筐体カバーのオープン時にADF(Auto Document Feeder)用の原稿載置台として使用される。また、筐体カバーの中には、カバー本体にベゼルが取り付けられているものがある。また、同一形状を有する異なるモデルを外観によって区別するために、モデル毎に、カバー本体の色(以下では「カバー本体色」と呼ぶことがある)と、ベゼルの色(以下では「カバーベゼル色」と呼ぶことがある)との組合せを異ならせることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、カバー本体色が互いに白色の2つの異なるモデルのうち、一方のモデルのカバーベゼル色が明るいシルバーであり、他方のモデルのカバーベゼル色が暗いシルバーである場合、カバーベゼル色の相違が小さいため、作業員が筐体カバーを目視でスキャナに取り付ける際に、モデル間で筐体カバーを取り違えてしまうことがある。
【0005】
そこで、本開示では、取り付け予定の筐体カバーが正しい色の筐体カバーか否かを正確に判定できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のカバー色判定システムは、載置台と、第一センサと、第二センサと、判定器とを有する。前記載置台には、カバー本体と、前記カバー本体に取り付けられたベゼルとを有するカバーが載置される。前記第一センサは、前記カバー本体の色である第一色を検出する。前記第二センサは、前記ベゼルの色である第二色を検出する。前記判定器は、前記第一色と前記第二色との組合せに基づいて、互いに異なるモデルのスキャナに取り付け可能な前記カバーが、各モデルに合致した色を有するカバーであるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、取り付け予定の筐体カバーが正しい色の筐体カバーか否かを正確に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示のスキャナの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示のカバー色判定システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示のカバー色判定システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示のカバー色検出装置の使用形態を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示のカバー色検出装置の使用形態を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示のモデル管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。図面において同一の構成には同一の符号を付す。
【0010】
[実施例]
<スキャナの構成>
図1は、本開示のスキャナの構成例を示す図である。
図1において、スキャナSCは、筐体HOと、クローズ時に筐体HOを覆う一方で、オープン時にADF用の原稿載置台として使用される筐体カバーCVとを有する。筐体カバーCVは、カバー本体BOと、ベゼルBEとを有する。ベゼルBEは、カバー本体BOの表面(おもてめん)の先端に取り付けられる。また、筐体カバーCVは、同一形状を有する複数の異なるモデルのスキャナSCに取り付け可能な形状を有する。以下では、同一形状を有するスキャナSCとして、モデル名「SCW1」,「SCW2」,「SCBK」,「SCW3」の4つの異なるモデルのスキャナが同一の工場内で混在して組み立てられる場合を一例に挙げて説明する。例えば、モデルSCW1では、筐体HOの色(以下では「筐体色」と呼ぶことがある)とカバー本体色とが白色であり、カバーベゼル色が明るいシルバー色である。また例えば、モデルSCW2では、筐体色とカバー本体色とが白色であり、カバーベゼル色が暗いシルバー色である。また例えば、モデルSCBKでは、筐体色とカバー本体色とカバーベゼル色とが黒色である。また例えば、モデルSCW3では、筐体色とカバー本体色とカバーベゼル色とが白色である。
【0011】
<カバー色判定システムの構成>
図2及び
図3は、本開示のカバー色判定システムの構成例を示す図である。
図2及び
図3において、カバー色判定システム1は、カバー色検出装置10と、カバー色判定器20とを有する。カバー色検出装置10は、載置台11と、第一センサ12と、第二センサ13と、通信モジュール14と、第三センサ15とを有する。また、載置台11には、突き当て部16と、孔17とが設けられる。第一センサ12及び第三センサ15は載置台11の上面側において突き当て部16の上方に設けられ、第二センサ13は載置台11の下面側において孔17の下方に設けられる。
【0012】
載置台11には、筐体カバーCVが載置される。
【0013】
第三センサ15は、筐体カバーCVが載置台11に載置されていることを検出する。
【0014】
第一センサ12は、筐体カバーCVが載置台11に載置されていることが検出されたときに、カバー本体色を検出する。
【0015】
第二センサ13は、筐体カバーCVが載置台11に載置されていることが検出されたときに、孔17を通してカバーベゼル色を検出する。
【0016】
通信モジュール14は、第一センサ12によって検出されたカバー本体色と、第二センサ13によって検出されたカバーベゼル色とを示す信号(以下では「色信号」と呼ぶことがある)をカバー色判定器20へ送信する。
【0017】
カバー色判定器20は、色信号に示されたカバー本体色とカバーベゼル色との組合せに基づいて、互いに異なるモデルのスキャナSCに取り付け可能な筐体カバーCVが、各モデルに合致した色を有する筐体カバーCVであるか否かを判定する。カバー色判定器20は、LCD(Liquid Crystal Display)20aを有し、カバー色判定器20の一例としてラップトップ型のコンピュータが挙げられる。
【0018】
<カバー色検出装置の使用形態>
図4及び
図5は、本開示のカバー色検出装置の使用形態を示す図である。筐体カバーCVは、スキャナSCに取り付けられる直前に、筐体カバーCVの裏面を上方に向けた状態で載置台11に載置され(
図4)、筐体カバーCVの先端が突き当て部16に突き当たるまで載置台11の奥側に押し込まれる(
図5)。突き当て部16の形状は、筐体カバーCVの先端の形状に一致する。また、孔17は例えば矩形の形状を有し、孔17の短手方向の幅はベゼルBEの短手方向の幅に合わせて設定される。よって、筐体カバーCVの先端が突き当て部16に突き当たっている状態で(
図5)、第二センサ13からは孔17を通して、カバー本体BOの表面の先端に取り付けられているベゼルBEの中央付近のみが見える。筐体カバーCVの先端が突き当て部16に突き当たっている状態にあるときに(
図5)、第三センサ15は、筐体カバーCVが載置台11に載置されていることを検出し、第一センサ12はカバー本体色を検出し、第二センサ13はカバーベゼル色を検出する。
【0019】
<カバー色判定器20の動作>
図6は、本開示のモデル管理テーブルの一例を示す図である。カバー色判定器20には、
図6に示すようなモデル管理テーブルTAが記憶されている。モデル管理テーブルTAには、スキャナSCのモデル名と、カバー本体色と、カバーベゼル色との対応付けが設定されている。以下では、モデル管理テーブルTAに設定されているモデル名を「テーブル設定モデル名」と呼ぶことがある。また、カバー色判定器20には、現在組立中のスキャナSCのモデル名(以下では「組立中モデル名」と呼ぶことがある)が設定されている。組立中モデル名は、例えば、カバー色判定器20への作業員からの入力によって設定される。また例えば、現在組立中のスキャナSCの組立手順書のデータがカバー色判定器20に設定され、カバー色判定器20は、設定された組立手順書から組立中モデル名を取得する。以下では、組立中モデル名が「SCW1」である場合を一例に挙げて説明する。
【0020】
色信号に示されたカバー本体色とカバーベゼル色との組合せが「白色」と「明るいシルバー」との組合せである場合、カバー色判定器20は、「白色」と「明るいシルバー」との組合せに基づいてモデル管理テーブルTAを参照し、「白色」と「明るいシルバー」との組合せに対応する設定モデル名である「SCW1」をモデル管理テーブルTAから取得する。カバー色判定器20は、組立中モデル名と設定モデル名とが「SCW1」で一致するため、現在組立中のスキャナSCに取り付けられる予定の筐体カバーCVが、現在組立中のモデルに合致した色を有するカバーであると判定する。
【0021】
一方で、色信号に示されたカバー本体色とカバーベゼル色との組合せが「白色」と「暗いシルバー」との組合せである場合、カバー色判定器20は、「白色」と「暗いシルバー」との組合せに基づいてモデル管理テーブルTAを参照し、「白色」と「暗いシルバー」との組合せに対応する設定モデル名である「SCW2」をモデル管理テーブルTAから取得する。カバー色判定器20は、組立中モデル名が「SCW1」である一方で設定モデル名が「SCW2」であり、組立中モデル名と設定モデル名とが相違するため、現在組立中のスキャナSCに取り付けられる予定の筐体カバーCVが、現在組立中のモデルに合致した色を有する筐体カバーCVではない(つまり、現在組立中のモデルに合致しない色を有する筐体カバーCVである)と判定する。
【0022】
そして、カバー色判定器20は、判定の結果をLCD20aに表示させる。
【0023】
以上、実施例について説明した。
【0024】
なお、上記説明では、筐体カバーがスキャナに取り付けられるカバーである場合を一例に挙げて説明した。しかし、開示の技術は、スキャナに取り付けられるカバーに限定されず、スキャナ以外の電子機器に取り付けられるカバーにも適用可能である。
【0025】
以上のように、本開示のカバー色判定システム(実施例のカバー色判定システム1)は、載置台(実施例の載置台11)と、第一センサ(実施例の第一センサ12)と、第二センサ(実施例の第二センサ13)と、判定器(カバー色判定器20)とを有する。載置台には、カバー本体(実施例のカバー本体BO)と、カバー本体に取り付けられたベゼル(実施例のベゼルBE)とを有するカバー(実施例の筐体カバーCV)が載置される。第一センサは、カバー本体の色である第一色(実施例のカバー本体色)を検出する。第二センサは、ベゼルの色である第二色(実施例のカバーベゼル色)を検出する。判定器は、第一色と第二色との組合せに基づいて、互いに異なるモデルのスキャナに取り付け可能なカバーが、各モデルに合致した色を有するカバーであるか否かを判定する。
【0026】
こうすることで、取り付け予定のカバーが正しい色のカバーか否かを正確に判定することができるため、作業員がモデル間でカバーを取り違えて取り付けてしまうことを防止できる。
【0027】
また、本開示のカバー色判定システムは、カバーが載置台に載置されていることを検出する第三センサ(実施例の第三センサ15)を有し、カバーが載置台に載置されていることが検出されたときに、第一センサは第一色を検出するとともに、第二センサは第二色を検出する。
【0028】
こうすることで、カバーが載置台に載置されていないときには第一センサ及び第二センサによる色の検出は行われないため、第一センサ及び第二センサでの誤検出を防止できるとともに、カバー色判定システムの消費電力を抑制できる。
【符号の説明】
【0029】
1 カバー色判定システム
10 カバー色検出装置
11 載置台
12 第一センサ
13 第二センサ
15 第三センサ
20 カバー色判定器