(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167614
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078925
(22)【出願日】2022-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】若尾 憲
(72)【発明者】
【氏名】梅▲崎▼ 真範
(72)【発明者】
【氏名】松田 剛
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 元英
(72)【発明者】
【氏名】木下 龍二
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 庸晴
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英行
(72)【発明者】
【氏名】松田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】秋山 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】片山 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】久保 遼典
(72)【発明者】
【氏名】峰川 諒平
(72)【発明者】
【氏名】矢後 亘久
(72)【発明者】
【氏名】山田 香澄
(72)【発明者】
【氏名】栗原 庸聡
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】設備の維持管理について複数の異なる内容の支援を行うことができる支援システムを提供する。
【解決手段】設備が設けられた建築の維持管理を支援するシステムであって、設備の属性情報を含む設備コードを取得するコード取得部11と、作成する報告書の仕様を特定する仕様情報を取得する仕様取得部12と、複数の設備の管理業務に関する情報である第1情報、および、複数の設備に関する情報である第2情報から、取得した設備コード、および、仕様情報に対応する第1情報および第2情報を抽出する抽出部13と、仕様情報に基づいて特定される予め定められた報告書の書式と、抽出された第1情報および第2情報と、を用いて報告書を作成する作成部14と、が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備が設けられた建築の維持管理を支援するシステムであって、
前記設備の属性情報を含む設備コードを取得するコード取得部と、
作成する報告書の仕様を特定する仕様情報を取得する仕様取得部と、
複数の前記設備の管理業務に関する情報である第1情報、および、複数の前記設備に関する情報である第2情報から、取得した前記設備コード、および、前記仕様情報に対応する前記第1情報および前記第2情報を抽出する抽出部と、
前記仕様情報に基づいて特定される予め定められた前記報告書の書式と、抽出された前記第1情報および前記第2情報とを用いて前記報告書を作成する作成部と、
が設けられたことを特徴とする支援システム。
【請求項2】
複数の前記第1情報のそれぞれが少なくとも対応する前記設備コードと紐付けされて記憶される第1記憶部と、
複数の前記第2情報のそれぞれが少なくとも対応する前記設備コードと紐付けされて記憶される第2記憶部と、が更に設けられ、
前記抽出部は、前記第1記憶部から前記第1情報を抽出し、前記第2記憶部から前記第2情報を抽出することを特徴とする請求項1記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築の維持管理に用いられる支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築等に設置される設備の維持管理を支援する各種のシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、特許文献1には、点検対象となる機器を特定するシステムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、建築に関係する消防関係法に改正があった場合に改正への対応を促すシステムが記載されている。特許文献3には、消防用品や消防設備に対する定期保守の内容と時期を通知するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-201955号公報
【特許文献2】特開2017-068665号公報
【特許文献3】特開2017-069828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1から特許文献3に記載のシステムは、それぞれ特定の内容について支援を行うシステムである。建築の維持管理には複数の異なる内容が含まれており、それぞれのシステム単体では、支援が不十分になるという問題があった。
【0006】
また、複数のシステムを用いることにより、1つのシステムのみを用いる場合と比較して、建築の維持管理を支援しやすくなるが、複数のシステムを導入する費用が嵩むという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、設備の維持管理について複数の異なる内容の支援を行うことができる支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の支援システムは、設備が設けられた建築の維持管理を支援するシステムであって、前記設備の属性情報を含む設備コードを取得するコード取得部と、作成する報告書の仕様を特定する仕様情報を取得する仕様取得部と、複数の前記設備の管理業務に関する情報である第1情報、および、複数の前記設備に関する情報である第2情報から、取得した前記設備コード、および、前記仕様情報に対応する前記第1情報および前記第2情報を抽出する抽出部と、前記仕様情報に基づいて特定される予め定められた前記報告書の書式と、抽出された前記第1情報および前記第2情報と、を用いて前記報告書を作成する作成部と、が設けられる。
【0009】
本発明の支援システムによれば、設備コードおよび仕様情報に基づいて第1情報および第2情報が抽出され、仕様情報に基づいて特定される報告書の書式と、抽出した第1情報および第2情報を用いて異なる内容の報告書を作成することができる。
【0010】
上記発明においては、複数の前記第1情報のそれぞれが少なくとも対応する前記設備コードと紐付けされて記憶される第1記憶部と、複数の前記第2情報のそれぞれが少なくとも対応する前記設備コードと紐付けされて記憶される第2記憶部と、が更に設けられ、前記抽出部は、前記第1記憶部から前記第1情報を抽出し、前記第2記憶部から前記第2情報を抽出することが好ましい。
【0011】
このように第1情報を記憶する第1記憶部と、第2情報を記憶する第2記憶部を設けることにより、第1情報および第2情報の管理を行いやすくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の支援システムによれば、仕様情報に基づいて特定される報告書の書式と、設備コードおよび仕様情報に基づいて抽出した第1情報および第2情報を用いることにより、異なる内容の報告書を作成することができ、設備の維持管理について複数の異なる内容の支援を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る支援システムの構成を説明するブロック図である。
【
図2】支援システムにおける処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の一実施形態に係る支援システム1について、
図1から
図2を参照しながら説明する。本実施形態の支援システム1は、建築等に設置される設備の維持管理を支援するシステムである。設備としては、避難はしごや、緩降機や、すべり台や、避難用タラップや、救助袋などの法令により管理が義務付けられているものを例示することができる。設備には、法令により管理が義務付けされていないものもが含まれてもよい。
【0015】
本実施形態では支援システム1が、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するパーソナルコンピュータやサーバなどの情報処理機器である例に適用して説明する。また、支援システム1は、第1記憶部21および第2記憶部22と有線または無線による公知の情報通信網を介して、情報通信可能に接続されている。
【0016】
上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、
図1に示すように、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させてコード取得部11、仕様取得部12、抽出部13、および、作成部14として機能させるものである。
【0017】
コード取得部11は、設備の属性情報を含む設備コードを取得する処理部である。
【0018】
属性情報は、設備の種類情報、種別情報、型式情報、使用形態、仕様情報および材質情報のいずれかを含む情報である。属性情報には、これらに限らず設備に関する情報が含まれてもよい。
【0019】
設備コードには、法令名コードや、種類コードや、型式コードが含まれてもよい。法令名コードは、設備の管理等を定めた法令に対応するコードである。種類コードは、設備の種類に対応するコードである。型式コードは、設備の型式に対応するコードである。
【0020】
仕様取得部12は、作成する報告書の仕様を特定する仕様情報を取得する処理部である。報告書には、見積書や行政報告書が含まれる。仕様情報には、見積書や行政報告書の種類や形式、それぞれの書面に記載する情報、情報を記載する位置などが含まれる。
【0021】
抽出部13は、仕様情報に対応する第1情報および第2情報を抽出する処理部である。第1情報は、複数の設備の管理業務に関する情報である。第1情報には、設備の点検周期や、点検項目や、歩掛基準などが含まれる。歩掛基準は見積り額の算出に用いられる係数である。第2情報は、複数の設備に関する情報である。第2情報には、数量や、点検結果などが含まれる。
【0022】
作成部14は、報告書の作成を行う処理部である。報告書は、仕様情報に基づいて特定される予め定められた報告書の書式と、抽出された第1情報および第2情報とを用いて作成される。
【0023】
第1記憶部21は、複数の第1情報のそれぞれを、少なくとも対応する設備コードと紐付けして記憶する記憶機器である。第1記憶部21は周期表とも表記する。第2記憶部22は、複数の第2情報のそれぞれを、少なくとも対応する設備コードと紐付けして記憶する記憶機器である。第2記憶部22は統一帳票とも表記する。
【0024】
第1記憶部21および第2記憶部22は、別々の記憶機器であってもよいし、1つの記憶機器であってもよい。また、第1記憶部21および第2記憶部22は、支援システム1に含まれるハードディスクや、ROMや、RAMなどの記憶機器であってもよい。
【0025】
上記の構成からなる支援システム1による報告書を作成する処理について説明する。なお、支援システム1による報告書を作成する処理とは別に、第1記憶部21に対する第1情報の更新処理、および、第2記憶部22に対する第2情報の更新処理もそれぞれのタイミングで行われる。
【0026】
例えば、設備に対する点検周期や、点検項目や、歩掛基準の追加、削除、変更などのタイミングで第1記憶部21に対する第1情報の更新処理が行われる。また、設備の属性データや、数量の追加、削除、変更などのタイミング、点検結果の入力のタイミングで第2記憶部22に対する第2情報の更新処理が行われる。
【0027】
支援システム1は電源が入れられると、報告書を作成する指示が入力されたか否かを判定する処理を行う(S11)。作成指示が入力されていないと判定されると(NOの場合)、支援システム1は再びS11の判定処理に戻る。
【0028】
作成指示が入力されたと判定されると(YESの場合)、支援システム1のコード取得部11は、設備コードを取得する処理を行う(S12)。設備コードの取得では、例えば、支援システム1のディスプレイなどの表示部に、報告書または見積書を作成する対象である設備の設備コードの入力を促すメッセージが表示される。
【0029】
設備コードが取得されると、支援システム1の仕様取得部12は、報告書の仕様を特定する仕様情報を取得する処理を行う(S13)。仕様情報の取得では、例えば、見積書および行政報告書のどちらを作成するか、作成する書面の形式を特定する情報などの入力を促すメッセージがディスプレイなどの表示部に表示される。これに対応して入力された情報に基づいて、仕様取得部12は支援システム1の記憶部に記憶された仕様情報を取得する処理を行う。
【0030】
仕様情報が取得されると、支援システム1の抽出部13は、仕様情報に対応する第1情報および第2情報の少なくとも一方を抽出する処理を行う(S14)。抽出処理では、S12の処理で取得された設備コード、および、S13の処理で取得された仕様情報に基づいて第1情報および第2情報の少なくとも一方が抽出される。
【0031】
第1情報および第2情報の少なくとも一方が抽出されると、支援システム1の作成部14は、報告書を作成する処理を行う(S15)。作成処理では、S13の処理で取得された仕様情報と、S14の処理で抽出された第1情報および第2情報の少なくとも一方とに基づいて報告書の作成が行われる。
【0032】
作成された報告書は、電子データとして出力されてもよいし、プリンターを用いて紙として出力されてもよい。
報告書が作成されると、支援システム1は上述のS11に戻り上述の処理を繰り返し行う。
【0033】
例えば、報告書として見積書が作成される場合について説明する。
見積書を作成する対象である設備に対応する設備コードに基づいて、周期表である第1記憶部21から第1情報を取得し、統一帳票である第2記憶部22から第2情報を取得する。
【0034】
作成する見積書に対して、必要とされる第1情報の内容、および、第2情報の内容が予め定め紐づけして記憶されている。予め紐付けされている第1情報としては、対象設備の点検項目および点検周期と、歩掛基準と、を例示することができる。予め紐付けされている第2情報としては、対象設備の属性データおよび数量を例示することができる。
【0035】
点検項目としては、設備の種類や設備の外観点検や機能点検など、法令で定められた点検内容を例示することができる。点検周期としては、設備の製造から3年未満や、製造から3年以上や、製造から10年以上など、法令で定められた周期を例示することができる。
【0036】
歩掛は、ひとつの作業を行うにあたり、必要な作業手間を数値化したものである。歩掛基準は歩掛の基準である。歩掛基準としては、予め定められた数値を用いてもよいし、予め定められた数値ではなく、状況に応じて設定した数値を用いてもよい。
【0037】
第1情報に含まれる歩掛基準と、第2情報に含まれる数量と、に基づいて積算金額が求められる。仕様情報に基づいて特定される見積書の書式が取得され、取得された書式における積算金額が記載される箇所に、求められた積算金額が記載される。また、見積書の書式における点検項目、点検周期、対象設備の属性データが記載される箇所に、これらの情報が記載される。
【0038】
次に、報告書として行政報告書が作成される場合について説明する。
行政報告書を作成する対象である設備に対応する設備コードに基づいて、周期表である第1記憶部21から第1情報を取得し、統一帳票である第2記憶部22から第2情報を取得する。
【0039】
作成する行政報告書に対して、必要とされる第1情報の内容、および、第2情報の内容が予め定め紐づけして記憶されている。予め紐付けされている第1情報としては、対象設備の点検項目および点検周期が含まれる。予め紐付けされている第2情報としては、対象設備の属性データおよび数量や、点検結果が含まれる。
【0040】
仕様情報に基づいて特定される行政報告書の書式が取得され、取得された書式における点検結果が記載される箇所に、取得された点検結果が記載される。また、見積書の書式における点検項目、点検周期、対象設備の属性データが記載される箇所に、これらの情報が記載される。
【0041】
上記の構成の支援システム1によれば、設備コードおよび仕様情報に基づいて第1情報および第2情報が抽出され、仕様情報に基づいて特定される報告書の書式と、抽出した第1情報および第2情報を用いて異なる内容の報告書を作成することができる。
【0042】
第1情報を記憶する第1記憶部21と、第2情報を記憶する第2記憶部22を設けることにより、第1情報および第2情報の管理を行いやすくなる。
【符号の説明】
【0043】
1…支援システム、 11…コード取得部、 12…仕様取得部、 13…抽出部、 14…作成部、 21…第1記憶部、 22…第2記憶部