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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167647
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】商品見本
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/08 20060101AFI20231116BHJP
   G09F 5/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G09F1/08 B
G09F5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078980
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】391034765
【氏名又は名称】中井銘鈑株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】中井 誠治
(57)【要約】
【課題】平面的な商品見本において、多額の費用をかけずとも訴求力の高い商品表示を可能にする。
【解決手段】シート状に形成されて商品表示31を有し、左右両側の端部32,33が保持される表示シート13からなる商品見本11において、表示シート13に、背面側を透視できる透視部34を形成する。表示シート13の背面側に、透視部34を通して視認され、表示シート13の商品表示31に対して視覚的効果を付加する機能性シート15を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状に形成されて商品表示を有し、左右両側の端部が保持される表示シートからなる商品見本であって、
前記表示シートに背面側を透視できる透視部が形成され、
前記表示シートの背面側において前記透視部を通して視認され、前記表示シートの前記商品表示に対して視覚的効果を付加する機能性シートが備えられた
商品見本。
【請求項2】
前記機能性シートが、前記表示シートの左右いずれか一方の端に対して、折り曲げ線を介して一体である
請求項1に記載の商品見本。
【請求項3】
前記表示シートの左右いずれか一方の端に、前記表示シートの表面側に位置される加飾シートが折り曲げ線を介して一体に形成された
請求項1または請求項2に記載の商品見本。
【請求項4】
前記加飾シートが、前記表示シートの幅よりも幅広に形成された
請求項3に記載の商品見本。
【請求項5】
前記機能性シートの上又は下に、前記表示シートの表面側に位置される加飾シートが前記機能性シートと同様に前記表示シートとの間に折り曲げ線を介して一体に形成された
請求項2に記載の商品見本。
【請求項6】
前記機能性シートと前記加飾シートが独立している
請求項5に記載の商品見本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動販売機に展示される商品見本に関する。
【背景技術】
【0002】
商品見本には、缶やボトルに包装された商品形状を模して予め立体的に形成された立体型のものもあるが、平らなシートからなる平面的なのものもある。
【0003】
平面的な商品見本は、下記特許文献1に開示されているように展示台の上に取り付けられる枠状の部材に対してその左右両側の端部が保持されて、平板状のまま展示される。また、下記特許文献2に見られるように、商品見本の左右両側の端部を、商品見本の幅よりも幅狭の保持部で保持して、平板状の商品見本を正面側に湾曲させて缶やボトルを彷彿させるよう形状に変形して展示するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3117138号公報
【特許文献2】特許第2949173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような平面的な商品見本は1枚のシートで構成されているので、訴求力の高低は印刷の態様に大きく依存している。
【0006】
つまり、高度で美麗な印刷を行うならば人の目を引く印刷が可能であるが、コストがかかってしまう。印刷のみでアピール力の強い表示を安価に行うことは容易ではない。
【0007】
そこで、この発明は、平面的な商品見本において、多額の費用をかけずとも訴求力の高い商品表示を可能にすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段は、シート状に形成されて商品表示を有し、左右両側の端部が保持される表示シートからなる商品見本であって、前記表示シートに背面側を透視できる透視部が形成され、前記表示シートの背面側において前記透視部を通して視認され、前記表示シートの前記商品表示に対して視覚的効果を付加する機能性シートが備えられた商品見本である。
【0009】
この構成では、表示シートの商品表示、つまり商品を示す図柄や絵柄、色彩、文字等の印刷が、主に商品を特定すると共に見本としての訴求力を発揮する。これに加えて、表示シートの透視部を通して視認される機能性シートが、商品表示から得られる訴求力に例えば鏡面や図絵、色彩などによって視覚的な効果を付加する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、表示シートの透視窓を通して視認される機能性シートを備えているので、平面的な商品見本であっても多額の費用をかけずとも印刷だけからは得難い高い訴求力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】商品見本を展示台の上に保持した状態の正面図。
図2】保持具の斜視図。
図3】商品見本の展開状態の裏面図。
図4】商品見本の展開状態の裏面図。
図5】商品見本を保持した状態の平面図。
図6】他の例に係る商品見本の展開状態の表面図。
図7図6に示した商品見本の展開状態の裏面図。
図8】他の例に係る商品見本の展開状態の表面図。
図9図8に示した商品見本の展開状態の裏面図。
図10図8に示した商品見本を展示台の上に保持した状態の正面図。
図11】他の例に係る商品見本の展開状態の表面図。
図12図11に示した商品見本の裏面図。
図13図11に示した商品見本を保持した状態の平面図。
図14】他の例に係る商品見本の展開状態の表面図と折り曲げ変形させた状態の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0013】
図1に商品見本11を展示台12の上に保持した状態の正面図を示す。この図に示したように商品見本11は、シート状に形成された表示シート13からなるものである。表示シート13は商品表示31を有し、左右両側の端部32,33が保持具14に保持される。表示シート13は平板状であるが、保持具14に保持されることによって、正面側に膨らむように湾曲して缶やボトルである包装容器を彷彿させるような形状に変形する。
【0014】
この商品見本11を保持する保持具14は、図2に示したように展示台12の上に着脱可能に固定されるものであって、展示台12の上で垂直に起立する長方形枠状の本体部材41を有している。本体部材41の左右両側の端には、商品見本11における表示シート13の左右方向の端部32,33を保持する保持部42が形成されている。保持部42は表示シート13の端部32,33を保持できる構造であればよく、前方の左右方向内側に傾いた傾斜片43を設けることで形成するとよい。
【0015】
保持具14の下端部には、展示台12の上面に接する底面部44が左右に離間配置されており、これらの間に、展示台12の取り付け穴21に着脱可能に取り付けるための取り付け手段が形成されている。その取り付け手段うちの一つが取り付け穴21の前側部分の縁部22を挟持する挟持手段45である。挟持手段45は底面部44と同じ高さで前方に突出する上片45aと、上片45aよりも縁部22の厚み分下に下がった下片45bで構成されている。取付け手段の他の一つは、挟持手段45よりも後方に形成された嵌合手段46である。嵌合手段46は取り付け穴21内で後方から前方に延びる取り付け片(図示せず)に対して嵌めて取り付けるものであって、角張ったU字状の被拘束枠46aで構成されている。
【0016】
保持具14は全体が透明又は乳白色の目立たない色の合成樹脂で形成される。
【0017】
商品見本11の表示シート13は、表示する商品の大きさに見合う大きさの略長方形に形成されている。ここで、略長方形とは、保持具14に保持される左右両側の端は基本的に直線状であるのが好ましいが、これらは必ずしも平行である必要はないからである。つまり、上下方向に延びる左右の2辺は互いに平行ではなく、例えば下側ほど左右方向内側に傾くように傾斜していてもよい。また上下の両端部、特に上端部の輪郭形状は、左右方向に水平である必要はなく、装飾等の目的で様々な形状に形成することもできるからである。
【0018】
図3は商品見本11の展開状態の表面図であり、図4はその裏面図である。表面図は、表示シート13の表面を表し、裏面図は表示シート13の裏面を表している。
【0019】
これらの図に示すように表示シート13は、容量500ml程度の大きさのペットボトルに相当する大きさの長方形に形成されており、その幅W1(左右方向の長さ)は、保持具14の保持部42の間隔、すなわち図示例では突片42a同士の間隔よりも幅広である。例えば表示シート13の幅W1は、保持部42同士の間隔の1.1~1.2倍程度に設定するとよい。
【0020】
表示シート13には商品表示31として、ペットボトルの図形31aと、それに付されるラベルの図柄31bと、清涼感を示す水玉模様31cと、その背景の絵柄31dが印刷により設けられている。この印刷は、シルクスクリーン印刷で行え、特に水玉模様31cはシルクスクリーン印刷のうちのテクスチャー印刷で行うとよい。
【0021】
表示シート13は可撓性を有する透明の合成樹脂シートで形成され、背面側を透視できる透視部34が形成されている。透視部34は、商品表示31の内側の少なくとも一部又は商品表示31の周囲(商品表示31の外側部分)に形成されることになる。
【0022】
図示例の場合、ペットボトルの図形31aのうち、キャップ部分とラベル部分を除く部分、すなわちペットボトルの表面が露出している部分の少なくとも一部に、透視部34が形成されている。透視部34は、印刷をしないか、または透明のインキで印刷したものである。ペットボトルの外面を表現する透視部34にはハイライト印刷とシャドウ印刷を施して、透明ボトルの立体感を演出するとよい。
【0023】
商品見本11は上記の表示シート13に加えて機能性シート15を備えている。機能性シート15は、表示シート13の背面側において透視部34を通して視認され、表示シート13の商品表示31に対して視覚的効果を付加するものである。
【0024】
機能性シート15の形状は適宜設定され得るが、図3図4の例では表示シート13と同じ長方形である。長方形をなす機能性シート15の幅W2は、表示シート13の幅W1よりも狭く、保持具14の保持部42の間隔と同じである。また機能性シート15は、表示シート13と同じ材料で形成され、表示シート13の左右いずれか一方の端に対して、折り曲げ線16を介して一体に形成されている。
【0025】
機能性シート15は、単なるシートとしての存在するものではなく、視覚的効果を発揮するものであって、例えば鏡面、光輝面、図柄・絵柄面又は色彩面の少なくともいずれかを有するものである。図4の例では表面、つまり折り曲げ線16を介して表示シート13に一体形成された機能性シート15では表面を表示シート13の裏面に向けて使用されるので、表示シート13の裏面と同一平面上で並ぶ面を鏡面15aにしている。鏡面15aは全面にミラー印刷を施して形成する。鏡面15aを施したのは、透視部34をペットボトルの肌が露出する部分を形成したためと、表示シート13の商品表示31に水玉模様31cを施したためである。背景に鏡面15aが存在することによって、透明感が増し、水玉模様31cが浮き立つ。
【0026】
機能性シート15の上下方向の長さL2は、表示シート13の背面側の所望位置に位置させることができればよく、図示例のように表示シート13の長さL1よりも短くすることができる。
【0027】
以上のように構成された商品見本11は、使用に際してまず、折り曲げ線16で折り曲げて、機能性シート15の表面を表示シート13の裏面に向ける。図3に示した態様では山折りし、図4に示した態様では谷折りする。
【0028】
この状態で表示シート13の左右方向の両端を指で挟んで圧縮して表面が膨れるように撓めて、保持具14の保持部42間に差し込んで手を離すと、表示シート13が弾性復帰して保持部42間で突っ張り、図5に示したように保持される。表示シート13は上から差し込んで保持させてもよい。
【0029】
展示状態において、表面側に位置する表示シート13は、商品表示31を構成している印刷が、主に商品を特定すると共に見本としての訴求力を発揮する。
【0030】
つまり、ペットボトルの図形31aはペットボトルに包装された飲料のであることと、その大きさや形状、外観を示す。ラベルの図柄31bは飲料の種類や具体的商品を特定する。水玉模様31cは冷たさやみずみずしさ、すがすがしさを表現し、背景の絵柄31dは商品の全体の印象を表現する。
【0031】
そして、商品表示31と並んで存在する透視部34は、表示シート13の背面側に位置する機能性シート15を視認させ、鏡面15aによる光沢感と反射光を表示シート13の商品表示31による視覚的効果に付加する(図5の破線矢印参照)。これによって、前方に膨らむように湾曲した表示シート13をいっそう立体的に見せるとともに、水玉模様31c等を効果的に加飾し、より美麗で購買意欲をそそる表示にすることができる。
【0032】
この結果、平面的な商品見本11であっても、印刷だけからは得難い高い訴求力を得ることができる。しかもそのような商品見本11を廉価で提供できる。
【0033】
また、機能性シート15有するので、展示室の背景に装飾を施さずとも美麗な展示が行える。
【0034】
機能性シート15は、その裏面側を隠蔽する機能も有するので、保持具14を目立たなくして、乱雑な印象の無い洗練された美しい展示ができる。
【0035】
以下、他の例について説明する。この説明において、前述の構成と同一の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0036】
図6は、他の例に係る商品見本11の展開状態の表面図であり、図7はその裏面図である。
【0037】
この商品見本11の形状、すなわち表示シート13と機能性シート15を有する点と、それらの輪郭形状は、前述の例と同じである。相違点は、表示シート13の商品表示31と機能性シート15の表面態様である。
【0038】
表示シート13は、図6に示したように商品表示31として、ペットボトルの図形31aと、それに付されるラベルの図柄31bと、広告宣伝31eが印刷されている。この印刷は、前述例のような適宜の印刷で行え、特にペットボトルの図形31aの中におけるペットボトル自体の外表面を表す部分にはシースルー液色印刷を、また広告宣伝31eは再起反射印刷を行うとよい。ペットボルトの図形31aの周囲は全体が透視部34である。
【0039】
また、広告宣伝31eの輪郭の一部には切り込み35が形成されており、表示シート13を湾曲させたときに広告宣伝31eを施した部分の一部が周囲から浮き上がるように構成されている。
【0040】
機能性シート15の表面には、図7に示したように、商品の背景となる適宜の図柄・絵柄が印刷されて、全体に図柄・絵柄面15bが形成されている。この印刷には、前述例の印刷のほか、例えばラメ入り印刷などをするとよい。
【0041】
このような構成の商品見本11は、特にペットボトルの図形31aの周囲にある透視部34を通して視認できる背面側の図柄・絵柄面15bが、商品に奥行きのある立体感や華やかな印象などを付与して、訴求力を高める。
【0042】
図8は、他の例に係る商品見本11の展開状態の表面図であり、図9はその裏面図、図10はその商品見本11を展示した状態の正面図である。
【0043】
この商品見本11の基本構成、すなわち表示シート13と機能性シート15を有する点は、前述の例と同じである。相違点は、表示シート13及び機能性シート15の輪郭形状と、表示シート13の商品表示31と、機能性シート15の表面態様である。
【0044】
表示シート13の輪郭形状については、左右両辺と下辺が直線で囲また略長方形状であるが、その上端の輪郭は水平に延びる直線ではなく、商品表示31に合わせて又はそれに関連づけた形状に形成されている。図示例の表示シート13の上端部は、例えば山を想起させるような複数の三角形状の部分を有している。
【0045】
この表示シート13の商品表示31は、缶の図形31fと、缶に付される図柄31gと、缶を取り囲む背景となる図柄31hが印刷されている。この印刷には、前述例のほか、例えばちぢみ印刷やメタリック印刷、ステルス印刷などが利用されるとよい。缶の図形31fの上方であって背景となる図形31fの内部には、適宜の形状の透視部34が形成されている。図示例の透視部34は楕円形である。
【0046】
機能性シート15は、前述例のように上下方向に長く形成することなく、上下方向における透視部34に対応する部位に形成されており、その形状は方形である。
【0047】
この例においても、機能性シート15の幅W2は保持具14の保持部42同士の間隔に対応しており、表示シート13の幅W1はそれよりも幅広である。
【0048】
機能性シート15の表面における表示シート13の透視部34に対応する位置には、図9に示したように図柄・絵柄面15bが印刷されている。図柄・絵柄面15bの周囲は透明である。図柄・絵柄面15bは、表示する商品にちなんで、果汁を絞る図絵やコーヒーを淹れる図絵、滴下するコーヒーの図絵、たわわに実った果実の図絵などであるとよい。この図柄・絵柄面15bの大きさは透視部34の大きさよりもやや大きい範囲に形成される。
【0049】
このような構成の商品見本11では、図10に示したように、表示シート13の商品表示31における缶、つまり容器の図柄とその背景、それに表示シート13の上端部の輪郭形状が、訴求力を発揮する。それに加えて、透視部34から奥に控えるように視認される図柄・絵柄面15bが、商品表示31との相乗効果でおいしさを演出したり興味を惹かせたりして、購買意欲を掻き立て、訴求力を更に高める。
【0050】
図11は、他の例に係る商品見本11の展開状態の表面図であり、図12はその裏面図、図13はその商品見本11を保持した状態の横断面図である。
【0051】
この商品見本11は、表示シート13と機能性シート15に加えて、加飾シート17を有する点で、前述の例と異なる。
【0052】
加飾シート17は、表示シート13の表面側に位置して装飾し、表示シート13や機能性シート15と協働して訴求力を高めるためのものであり、機能性シート15と同様に、表示シート13の左右いずれか一方の端に折り曲げ線18を介して一体に形成されている。
【0053】
加飾シート17の幅W3は、保持具14に対して表示シート13と同様に保持したときに表示シート13の表面側に位置するものであれば、表示シート13に接することになる長さであってもよく、表示シート13から離れることになる長さであってもよい。図示例の加飾シート17は、表示シート13の幅よりも幅広に形成されており、保持したときには図13に示したように、表示シート13の表面から浮くように設定されている。
【0054】
加飾シート17の端には、適宜幅の折り返し片17aが折り曲げ線17bを介して一体に形成されている。
【0055】
表示シート13は長方形に形成され、その左右方向の一方の端における上下方向の上方に、機能性シート15が折り曲げ線16を介して一体に形成されている。機能性シート15の上端の輪郭形状は、左右方向に延びる直線ではなく、揺れる液面を彷彿させるような波形である。
【0056】
加飾シート17は、その機能性シート15の下に並べて形成される。つまり、機能性シート15と加飾シート17が、表示シート13の左右いずれかであって同一方向の端に、上下方向に並べて互いに独立状態に形成されている。
【0057】
ここで、各部間の折り曲げ線16,18,17bの折り曲げ方向について説明する。表示シート13と機能性シート15の間の折り曲げ線16は、図11の表面図においては山折りであり、図12の裏面図においては谷折りである。表示シート13と加飾シート17の間の折り曲げ線18は、その逆で、図11の表面図においては谷折りであり、図12の裏面図においては山折りである。加飾シート17の折り曲げ線17bは、図11の表面図においては谷折りであり、図12の裏面図においては山折りである。
【0058】
表示シート13の商品表示31は、缶の図形31fと、缶に付される図柄31gと、水玉模様31cの図柄が印刷されている。水玉模様31cを含む缶の図形31fより外側の部分が透視部34である。缶の図形31fは、機能性シート15にかけて少し飛び出して形成されており、飛び出した部分の輪郭線には切り込み35が形成されている。これにより、表示シート13を湾曲させて保持した際に、缶の図形31fにおける飛び出した部分は周囲に比べて浮き上がることになる。
【0059】
機能性シート15には色彩が施されて色彩面15cが形成されている。すなわち、商品にちなんだ色の色彩、例えば飲料が呈する色を印刷により表現している。印刷はシースルー液色印刷で行うとよく、上方から下方にかけて徐々に薄くなるようにグラデーションをつけて表現している。図示例の色彩面15cは上下方向における上側部分のみに形成されており、下側部分は透明である。
【0060】
加飾シート17には、図12に示したように商品をアピールする文字や図絵などが印刷されている。
【0061】
このような構成の商品見本11では、機能性シート15は表示シート13の背面側に、加飾シート17は表示シート13の表面側に、それぞれ折り曲げてから保持具14に保持する。すると図13に示したように機能性シート15と表示シート13と加飾シート17が背面側から順に隙間をあけて並ぶことになる。そして、それぞれの表示による訴求力が相乗的に作用して、高い訴求力を発揮する。
【0062】
特に、機能性シート15のシースルー液色印刷からなる色彩面15cと表示シート13の水玉模様31cとの重なりと、機能性シート15の上端の輪郭形状によって、商品である飲料のおいしさを演出できる。また、加飾シート17の存在により、商品の良さをさらにアピールすることができる。
【0063】
以上のほか、例えば図14に示したように、表示シート13における機能性シート15を有する側とは反対側の端に折り返し片19を一体に形成することもできる。図14の(a)は、商品見本11の展開状態の表面図であり、(b)は商品見本11を折り曲げ変形させた状態の横断面図である。
【0064】
このような折り返し片19を形成して機能性シート15の端部を折り返し片19の下に保持すると、上下方向の長さが保持具14の高さよりもかなり長い表示シート13であっても、その上側部分が左右に開くような変形を防止して、美麗な展示ができる。
【0065】
また、図示は省略するが、表示シート13は表面側に膨らむように保持されるものではなく、機能性シート15に重なるように平らに保持されるものであってもよい。
【0066】
機能性シート15については、表示シート13とは別体に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
11…商品見本
13…表示シート
15…機能性シート
15a…鏡面
15b…図柄・絵柄面
15c…色彩面
16…折り曲げ線
17…加飾シート
18…折り曲げ線
31…商品表示
32,33…端部
34…透視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14