(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167662
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】エスカレータ管理装置、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法、および移動体
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20231116BHJP
B66B 25/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B66B31/00 D
B66B25/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079009
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 佳延
(72)【発明者】
【氏名】荻村 佳男
(72)【発明者】
【氏名】和泉 一裕
(72)【発明者】
【氏名】竹田 順二
(72)【発明者】
【氏名】早川 秀一
(72)【発明者】
【氏名】高澤 理志
(72)【発明者】
【氏名】司馬 寛之
(72)【発明者】
【氏名】曽我 宗則
(72)【発明者】
【氏名】久下 敬輔
(72)【発明者】
【氏名】砂田 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊太
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA02
3F321DA07
3F321DB05
3F321EA07
3F321EB07
3F321EC06
3F321HA04
(57)【要約】
【課題】 遠隔から、自律走行を行う移動体をエスカレータの踏段に確実に乗車させて、点検作業のための情報を収集させることが可能な、エスカレータ管理装置、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法、およびこれに用いる移動体を提供する。
【解決手段】 実施形態によればエスカレータ管理装置は、自律走行する移動体に通信接続され、エスカレータ動作制御部と、移動体動作制御部と、を備える。エスカレータ動作制御部は、遠隔から、エスカレータの動作を制御する。移動体動作制御部は、エスカレータ動作制御部により前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および踏段から乗降板への降り指示を送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行する移動体に通信接続され、
遠隔から、エスカレータの動作を制御するエスカレータ動作制御部と、
前記エスカレータ動作制御部により前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する移動体動作制御部と、を備えたエスカレータ管理装置。
【請求項2】
前記移動体に設置されたカメラ装置で撮影された撮像情報を取得する監視情報取得部をさらに備え、
前記エスカレータ動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報に基づいて、前記エスカレータの乗車口に設置された乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるまで踏段位置の変更指示を繰り返し送信することで、前記エスカレータの乗車口に設置された乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上の状態で前記エスカレータを停止させ、
前記所定値は、前記移動体が前記踏段上に停止可能になる値で設定される、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項3】
前記エスカレータ動作制御部により、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるように前記エスカレータが停止された後、
前記移動体動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報もしくは前記移動体に搭載した周囲の物体を検知するセンサで検出された情報に基づいて、前記移動体の重心位置が1つの踏段上にあると判定されるまで前進するように、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項4】
前記エスカレータ動作制御部が、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが前記所定値以上になるように前記エスカレータが停止させると、続けて、前記移動体動作制御部は、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2または請求項3に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項5】
前記移動体は、前記エスカレータに近距離無線通信で接続され、
前記移動体に広域通信ネットワークを介して接続され、前記エスカレータに前記移動体を介して接続される、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項6】
自律走行する移動体に通信接続されたエスカレータ管理装置が、
遠隔から、エスカレータを制御することで前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法。
【請求項7】
エスカレータへの乗降を行う移動体であって、
横方向から見たときに、最下部が最も広く、前記エスカレータの踏段が形成する階段状の段差高さまで前方部分または後方部分の少なくともいずれかが徐々に狭くなるように形成される、移動体。
【請求項8】
カメラ装置、集音装置、スピーカ装置、および振動センサを備える、請求項7に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エスカレータ管理装置、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法、および移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレータの定期点検では、作業員がエスカレータの踏段に乗車して、様々な項目に関する確認作業を行っている。しかし、点検作業の都度、対象となるエスカレータまで出向いて作業を行うことは作業員にとって負担が大きい。そのため、ロボット装置等の自律走行を行う移動体が作業員に代わってエスカレータの点検作業を行うための技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6516074号公報
【特許文献2】特許第6989024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エスカレータは、複数の踏段がチェーンを介して無端環状に連結されており、乗客は、循環する踏段に乗って階間を移動することができる。エスカレータの運転中、踏段の上部のクリート面は、乗車口の乗降板下部から出てしばらくは乗降板とほぼ同じ高さで水平な状態を保ち、その後徐々に踏段が上昇または下降して段差が広がり、階段形状を構成する。そして、降車口に近くなると踏段の段差が徐々に縮まり、床面に対して水平な状態になって降車口の乗降板の下部に入り込む。
【0005】
その際、踏段のクリート面上方の空間の進行方向に対する長さは、踏段の上昇動作または下降動作の状況によって変化する。具体的には、踏段のクリート面上方の空間の進行方向に対する長さは、所定の踏段の上昇または下降が生じた直後に最短となり、次の踏段の上昇または下降が生じる直前に最長となる。
【0006】
このように上方の空間の形状が変化する踏段のクリート面に移動体が乗車するためには、乗降板と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが、移動体の大きさに応じた長さ分、確保されたタイミングを見計らって、乗車の動作を行う必要がある。
【0007】
しかし、踏段の状況が時々刻々と変化する中で、移動体がこのようなタイミングを見計らって踏段への乗車を確実に行うことは困難であり、タイミングがずれると移動体が踏段から落下して破損するおそれがあるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遠隔から、自立走行を行う移動体をエスカレータの踏段に確実に乗降車させて、点検作業のための情報を収集させることが可能な、エスカレータ管理装置、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法、およびこれに用いる移動体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための実施形態によればエスカレータ管理装置は、自立走行する移動体に通信接続され、エスカレータ動作制御部と、移動体動作制御部と、を備える。エスカレータ動作制御部は、遠隔から、エスカレータの動作を制御する。移動体動作制御部は、エスカレータ動作制御部によりエスカレータが停止された状態で、移動体に対し、エスカレータの踏段への乗り込み指示および踏段から乗降板への降り指示を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1~第3実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置を利用したエスカレータ点検システムの構成を示す全体図。
【
図2】第1~第3実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置を利用したエスカレータ点検システムの構成を示すブロック図。
【
図3】(a)~(c)は、第1~第3実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置に通信接続された、移動体としての点検ロボット装置の形状の例。
【
図4】第1実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置の構成を示すブロック図。
【
図5A】第1実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【
図5B】第1実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【
図6】第2実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置の構成を示すブロック図。
【
図7A】第2実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【
図7B】第2実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【
図8】第3実施形態によるエスカレータ管理装置としての遠隔制御装置の構成を示すブロック図。
【
図9A】第3実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【
図9B】第3実施形態によるエスカレータ点検システムの動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の第1~第3実施形態として、エスカレータ管理装置である遠隔制御装置を利用した、エスカレータ点検システムについて説明する。本実施形態では、点検対象のエスカレータから遠隔の場所において、管理者が遠隔制御装置を用いて自律走行する移動体で構成された点検ロボット装置を制御することで、エスカレータの点検を行う場合について説明する。
【0012】
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるエスカレータ点検システムの構成〉
本発明の第1実施形態によるエスカレータ管理装置を利用したエスカレータ点検システムの構成について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるエスカレータ点検システム1Aの構成を示す全体図であり、
図2は、エスカレータ点検システム1Aの構成を示すブロック図である。
【0013】
エスカレータ点検システム1Aは、建物内に設置されたエスカレータ10と、エスカレータ10に近距離無線通信で接続された点検ロボット装置20と、点検ロボット装置20に広域通信ネットワーク30を介して接続された遠隔制御装置40Aと、広域通信ネットワーク30に接続され複数のエスカレータに関するデータ監視を行うデータ監視センタに設置された監視センタ装置50とを備える。点検ロボット装置20と、遠隔制御装置40Aと、監視センタ装置50とは、無線通信で接続されていてもよい。また、遠隔制御装置40Aは、データ監視センタ、またはエスカレータ10が設置された建物の管理室等のエスカレータ10の所有者側に設置してもよい。
【0014】
エスカレータ10は、利用者を斜め上下方向に昇降させることで建物内の階間を移動させる装置であり、利用者が進入する乗降口に設置された乗降板11-1と、複数の踏段12-1、12-2、12-3・・・12-nと、操作盤13と、周回動作機構14(
図1において図示せず)と、第1近距離無線通信部15とを有する。以降、複数の踏段12-1、12-2、12-3・・・12-nのうち、いずれの踏段であるかを特定しない場合には、踏段12と記載する。
【0015】
踏段12-1~12-nは、チェーンを介して無端環状に連結される。操作盤13は、エスカレータ10の運転/停止の切替制御および踏段12-1~12-n位置の移動制御を行う。周回動作機構14は、踏段12-1~12-nを周回動作させる。第1近距離無線通信部15は、例えばBluetooth(商標登録)等の技術を用いて点検ロボット装置20との近距離無線通信を行う。第1近距離無線通信部15は、点検ロボット装置20が所定距離内にあることを検知したときに、通信がON状態になる機能を有する。この機能を有することにより、エスカレータ10がいたずらにより運転または停止操作されることを回避することができる。また、第1近距離無線通信部15は、USBケーブル接続端子を有するスイッチ(図示せず)を介して操作盤13に接続され、USBケーブルを介してUSB電源から電源供給を受ける。
【0016】
エスカレータ10の運転中は、踏段12の上部のクリート面は、乗車口側の乗降板11-1の下部から出てしばらくは乗降板11-1と同じ高さで床面に水平な状態を保ち、その後徐々に踏段12が上昇して段差が広がり、階段形状を構成する。そして、降車口に近くなると踏段12の段差が徐々に縮まり、降車口側の乗降板11-2(図示せず)とほぼ同じ高さで床面に水平な状態になって乗降板11-2の下部に入り込む。
【0017】
点検ロボット装置20は、エスカレータ10への乗降を行う移動体であり、タブレット端末21と、カメラ装置22と、マイク付きスピーカ装置23と、移動機構24とを有する。
【0018】
タブレット端末21は、振動センサ211と、第2近距離無線通信部212と、第1ネットワーク通信部213と、情報処理部214とを有する。振動センサ211は、振動を測定する。第2近距離無線通信部212は、エスカレータ10との近距離無線通信を行う。第1ネットワーク通信部213は、広域通信ネットワーク30を介して遠隔制御装置40Aおよび監視センタ装置50との通信を行う。情報処理部214は、振動センサ211と、第2近距離無線通信部212と、第1ネットワーク通信部213と、カメラ装置22と、マイク付きスピーカ装置23と、移動機構24との間で情報の送受信を行う。
【0019】
カメラ装置22は、エスカレータ10の踏段12等を見下ろす高さに設置され、例えば光学ズーム機能およびパンチルト機能を備えたハイビジョンカメラ装置である。カメラ装置22は、全方向を同時に撮影可能な360度カメラ装置であってもよいし、またアラウンドビューモニタで統合画像を生成可能となるように複数のカメラ装置で構成してもよい。また、カメラ装置22は、運転状況の監視用や所定項目の点検用等、用途に応じて複数台設置してもよい。
【0020】
マイク付きスピーカ装置23は、集音機能およびスピーカ機能を有する。集音機能は、例えば、ステレオマイクまたは指向性マイクを用いて構成されていてもよい。
【0021】
移動機構24は、例えばキャタピラで構成された駆動車輪および、回転自在キャスタ等の旋回車輪等で構成された補助輪を有する。
【0022】
点検ロボット装置20の形状の一例について、
図3(a)を用いて説明する。
図3(a)は、点検ロボット装置20を横から見た図である。点検ロボット装置20は、移動機構24を構成する車輪24a上部に設置され、タブレット端末21、カメラ装置22、およびマイク付きスピーカ装置23を支持する支持部材25を有する。この例では、支持部材25(25a)は、横方向から見たときに最下部が最も広く、エスカレータ10の踏段12が形成する階段状の段差高さまで前方部分および後方部分が徐々に狭くなるように形成されている。
【0023】
通常、エスカレータ10の踏段12-1~12-nはそれぞれ、
図3(a)に示すように、運転中に階段形状を構成して隣接する踏段12との間に段差が生じた際に、横から見たときに最上部が最も広く、下部になるほど徐々に狭くなって、上部が出っ張った形状になるように形成されている。
【0024】
そのため、
図3(a)のように点検ロボット装置20の支持部材25aを形成することで、後述するように点検ロボット装置20がエスカレータ10の踏段12に乗り込んだ際に、前方または後方の踏段12との接触を回避することができる。
【0025】
また点検ロボット装置20の形状の他の例について、
図3(b)および(c)を用いて説明する。
図3(b)および(c)は、点検ロボット装置20を横から見た図である。この例では、点検ロボット装置20の支持部材25(25b)は、
図3(b)に示すように横から見たときに最下部が最も広く、上部になる程後方部分が徐々に狭くなる状態と、
図3(c)に示すように上部になる程前方部分が徐々に狭くなる状態とに変形可能になるように形成されている。
【0026】
この点検ロボット装置20は、下方向のエスカレータの踏段に乗り込む際には
図3(b)の形状となり、上方向のエスカレータの踏段に乗り込む際には
図3(c)の形状となるように変形する。このように変形して踏段に乗り込むことにより、前方または後方の踏段12との接触を回避することができる。
【0027】
遠隔制御装置40Aは、
図4に示すように、入力部41と、出力部42と、第2ネットワーク通信部43と、CPU44Aとを有する。入力部41は、遠隔制御装置40Aを用いてエスカレータ10の点検を行う管理者の操作情報を入力する。出力部42は、例えば表示装置およびスピーカ装置で構成され、CPU44Aからの指示に基づいて情報を出力する。第2ネットワーク通信部43は、広域通信ネットワーク30を介して点検ロボット装置20および監視センタ装置50との通信を行う。
【0028】
CPU44Aは、第1エスカレータ動作制御部441と、第1移動体動作制御部としての第1ロボット動作制御部442と、監視情報取得部443とを有する。第1エスカレータ動作制御部441は、入力部41から入力される情報に基づいて、エスカレータ10の運転/停止切替指示や踏段12-1~12-nの停止位置の変更指示等の動作指示を、点検ロボット装置20を介してエスカレータ10に送信する。第1ロボット動作制御部442は、入力部41から入力される情報に基づいて、点検ロボット装置20の動作指示を点検ロボット装置20に送信する。監視情報取得部443は、点検ロボット装置20からエスカレータ10および点検ロボット装置20の動作状況情報を取得し、出力部42から出力させる。
【0029】
監視センタ装置50は、複数のエスカレータの点検結果情報を収集し、自動診断等を行うことで動作状態を監視する。
【0030】
〈第1実施形態によるエスカレータ点検システムの動作〉
次に、本実施形態によるエスカレータ点検システム1Aにより下方向に動作するエスカレータ10の点検を行う際の動作について、
図5Aおよび
図5Bのフローチャートを参照して説明する。
【0031】
まず、管理者が遠隔制御装置40Aの入力部41から点検ロボット装置20に対する乗降板11-1への移動指示操作を行うと、第1ロボット動作制御部442が広域通信ネットワーク30を介して乗降板11-1への移動指示を点検ロボット装置20に送信する(S1)。点検ロボット装置20は、乗降板11-1への移動指示を取得すると、情報処理部214が移動機構24を制御して乗降板11-1上に移動する(S2)。
【0032】
次に、管理者が入力部41から監視情報を要求する操作を行うと、監視情報取得部443が広域通信ネットワーク30および点検ロボット装置20を介して、エスカレータ10に監視情報要求を送信する(S3)。一般的にエスカレータ10の上方の制御装置(図示せず)に前回の点検からの今回の点検までの監視情報として発生したエラーのエラーコードや発生時刻情報等が保存されているので、点検ロボット装置20がエスカレータ10の上方にある時に監視情報を要求する。エスカレータ10の監視情報は、点検ロボット装置20の情報処理部214により遠隔制御装置40Aに順次送信される(S4)。エスカレータ10の下方から点検を始める場合には、監視情報要求はこのタイミングで行わず、点検の終わりのほうで行う。
【0033】
遠隔制御装置40Aは、取得した監視情報を保存し、必要であれば出力部42から出力させる(S5)。管理者は、出力された情報を監視する。
【0034】
次に、管理者が入力部41からの操作に基づいて点検ロボット装置20のマイク付きスピーカ装置23からエスカレータ10の運転開始を報知する情報を出力させた後、エスカレータ10の運転開始指示操作を行うと、第1エスカレータ動作制御部441がエスカレータ10の運転開始指示を点検ロボット装置20に送信する(S6)。点検ロボット装置20は、エスカレータ10の運転開始指示を取得すると、情報処理部214が、取得した運転開始指示をエスカレータに近接無線通信で送信する。エスカレータ10は、運転開始指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して踏段12-1~12-nの周回等を開始させることで運転を開始する(S7)。
【0035】
次に、管理者が遠隔制御装置40Aの入力部41から点検情報を要求する操作を行うと、監視情報取得部443が広域通信ネットワーク30を介して、点検ロボット装置20に点検情報要求を送信する(S8)。点検情報要求を取得すると、情報処理部214の指示によりカメラ装置22が撮影処理を開始し、マイク付きスピーカ装置23が集音処理を開始し、振動センサ211が振動の測定を開始する。乗降板11-1上において、カメラ装置22で撮影された撮像情報、マイク付きスピーカ装置23で集音された音声情報、および振動センサ211で測定された振動測定情報は、点検ロボット装置20の情報処理部214により遠隔制御装置40Aに順次送信される(S9)。
【0036】
遠隔制御装置40Aは、点検ロボット装置20から受信した撮像情報、音声情報、および振動測定情報を保存し、必要であれば出力部42から出力させる(S10)。管理者は、出力された情報を監視する。
【0037】
エスカレータ10の運転中、踏段12の上部のクリート面は、乗車口側の乗降板11-1の下部から出てしばらくは乗降板11-1と同じ高さで床面に水平な状態を保ち、その後徐々に踏段12が上昇して段差が広がり、階段形状を構成する。そして、降車口に近くなると踏段12の段差が徐々に縮まり、降車口側の乗降板11-2(図示せず)と同じ高さで床面に水平な状態になって乗降板11-2の下部に入り込む。
【0038】
その際、乗車口側と降車口側それぞれにおいて、踏段のクリート面上方の空間の進行方向に対する長さは、踏段の上昇動作または下降動作の状況によって変化する。具体的には、具体的には、踏段のクリート面上方の空間の進行方向に対する長さは、所定の踏段の上昇または下降が生じた直後に最短となり、次の踏段12の上昇または下降が生じる直前に最長となる。
【0039】
管理者は、エスカレータ10の運転が開始した後の振動測定情報に基づいて乗降板11-1における異常振動の有無を確認し、音声情報に基づいて帆布音の異常の有無を確認し、さらに撮像情報に基づいて乗降板11-1のコム(図示せず)の破損の有無等を確認する。
【0040】
これらの確認が終了すると、管理者は、入力部41からエスカレータ10の運転停止指示操作を行う。運転停止操作が行われると、第1エスカレータ動作制御部441がエスカレータ10の運転停止指示を点検ロボット装置20に送信する(S11)。点検ロボット装置20は、エスカレータ10の運転停止指示を取得すると、情報処理部214が、取得した運転停止指示をエスカレータ10に近接無線通信で送信する。エスカレータ10は、運転停止指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して踏段12-1~12-nの周回等を停止させることで運転を停止する(S12)。
【0041】
エスカレータ10の停止後、管理者は、乗降板11-1と同じ高さの踏段12上部のクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上あるか否かを撮像情報から判断する。この所定値は、点検ロボット装置20の重心位置が踏段12上にある状態で、点検ロボット装置20が踏段12上で停止可能になる値で設定され、例えば1つの踏段12のクリート面の長さである。
【0042】
ここで、管理者が、乗降板11-1と同じ高さの踏段12上部のクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上ないと判断したときには、管理者は、出力されている撮像情報で踏段の位置を確認しながら、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になるように所定方向への踏段位置変更操作を行う。所定方向への踏段位置変更操作が行われると(S13の「YES」)、第1エスカレータ動作制御部441が所定方向への踏段位置の変更指示を点検ロボット装置20に送信する(S14)。
【0043】
点検ロボット装置20は、所定方向への踏段位置の変更指示を取得すると、情報処理部214が、取得した所定方向への踏段位置の変更指示をエスカレータ10に送信する。エスカレータ10は、所定方向への踏段位置の変更指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して、対応する方向に踏段12-1~12-nを所定距離分移動させる(S15)。管理者は、カメラ装置22で撮影され出力部42に出力された撮像情報を視認しながら、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったか否かを確認する。管理者は、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断するまで踏段位置変更操作を行うことで、ステップS14、S15の処理を繰り返し実行させる(S16の「YES」)。
【0044】
管理者が、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断すると、点検ロボット装置20が安全に乗り込める状態になったと判断し、点検ロボット装置20への乗り込み指示操作を行う。点検ロボット装置20への乗り込み指示操作が行われると(S17の「YES」)、第1ロボット動作制御部442が乗り込み指示を点検ロボット装置20に送信する(S18)。また、ステップS13において、管理者が乗降板11-1と同じ高さの踏段12上部のクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上あると判断し、踏段位置変更操作を行わなかったときには(S13の「NO」)、ステップS17に移行する。
【0045】
点検ロボット装置20は、乗り込み指示を取得すると、情報処理部214が移動機構24を制御して乗降板11-1と同じ高さのクリート面を有する踏段12上に移動して乗り込む(S19)。ここで、点検ロボット装置20は、移動機構24の駆動輪がキャタピラで構成されているため、乗降板11-1のコムと踏段12との段差を滑らかに移動することができる。点検ロボット装置20は、踏段12に乗り込んだ後、自装置20の重心位置が、乗り込み先の1段の踏段12のクリート面上に対応するように移動して停止する。このように停止することで、点検ロボット装置20は、踏段12から落下することなく安定して乗車することができる。
【0046】
次に、管理者が入力部41からエスカレータ10の運転開始指示操作を行うと、ステップS6およびS7の場合と同様に、エスカレータ10の運転が開始する(S20、S21)。次に、管理者が遠隔制御装置40Aの入力部41から点検情報を要求する操作を行うと、監視情報取得部443が広域通信ネットワーク30を介して、点検ロボット装置20に点検情報要求を送信する(S22)。点検情報要求を取得すると、情報処理部214の指示によりカメラ装置22が撮影処理を開始し、マイク付きスピーカ装置23が集音処理を開始し、振動センサ211が振動の測定を開始する。踏段12上において、カメラ装置22で撮影された撮像情報、マイク付きスピーカ装置23で集音された音声情報、および振動センサ211で測定された振動測定情報は、点検ロボット装置20の情報処理部214により遠隔制御装置40Aに順次送信される(S23)。
【0047】
遠隔制御装置40Aは、点検ロボット装置20から受信した撮像情報、音声情報、および振動測定情報を保存し、必要であれば出力部42から出力させる(S24)。管理者は、出力された情報を監視する。
【0048】
管理者は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12が降車口に近づいたと判断すると、入力部41からエスカレータ10の運転停止指示操作を行う。管理者が運転停止操作を行うと、ステップS11およびS12の場合と同様に、エスカレータ10の運転が停止する(S25、S26)。エスカレータ10の停止後、管理者は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さであるか否かを撮像情報から判断する。
【0049】
ここで、管理者は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さではないと判断したときには、出力されている撮像情報で踏段の位置を確認しながら、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになるように所定方向への踏段位置変更操作を行う。所定方向への踏段位置変更操作が行われると(S27の「YES」)、ステップS14およびS15の場合と同様に、踏段12-1~12-nが移動する(S28、S29)。管理者は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったと判断するまで踏段位置の変更指示操作を行うことで、ステップS28、S29の処理を繰り返し実行させる(S30の「YES」)。
【0050】
管理者が、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったと判断すると、点検ロボット装置20が安全に降車できる状態になったと判断し、点検ロボット装置20への降車指示操作を行う(S31の「YES」)。点検ロボット装置20への降車指示操作が行われると(S31の「YES」)、第1ロボット動作制御部442が降車指示を点検ロボット装置20に送信する(S32)。また、ステップS27において、管理者が、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さであると判断し、踏段位置変更操作を行わなかったときには(S27の「NO」)、ステップS31に移行する。
【0051】
点検ロボット装置20は、降車指示を取得すると、情報処理部214が移動機構24を制御して踏段12から乗降板11-2に移動して降車する(S33)。点検ロボット装置20が踏段12から降車すると、管理者は、振動測定情報に基づいて乗降板11-2における異常振動の有無、帆布音の異常の有無、乗降板11-2のコム(図示せず)の破損の有無等を確認する。
【0052】
エスカレータ10の下方から点検を始めていた場合には、ここで管理者が監視情報を要求する操作を行うことで、上述したステップS3、S4の処理で説明したように、遠隔制御装置40Aが監視情報要求を送信し、エスカレータ10が監視情報を送信する。
【0053】
また、遠隔制御装置40Aは、点検処理中に取得した情報および管理者により入力された確認情報等を、監視センタ装置50に送信する。監視センタ装置50は、遠隔制御装置40Aから取得した情報に基づいて、エスカレータ10の動作に関する自動診断等を行う。
【0054】
以上の第1実施形態によれば、点検ロボット装置を遠隔からの操作でエスカレータの踏段にスムーズに乗車させて、点検作業のための情報を収集させることができる。
【0055】
《第2実施形態》
〈第2実施形態によるエスカレータ点検システムの構成〉
本発明の第2実施形態によるエスカレータ点検システム1Bの構成は、
図6に示すように、遠隔制御装置40BのCPU44Bが、第1エスカレータ動作制御部441に替えて第2エスカレータ動作制御部444を有し、第1ロボット動作制御部442に替えて第2ロボット動作制御部445を有する他は、第1実施形態で説明したエスカレータ点検システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0056】
第2エスカレータ動作制御部444は、入力部41から入力される情報および監視情報取得部443で取得する情報に基づいて、エスカレータ10の運転/停止切替指示や踏段12-1~12-nの停止位置の変更指示等の動作指示を、点検ロボット装置20を介してエスカレータ10に送信する。第2ロボット動作制御部445は、入力部41から入力される情報に基づいて、点検ロボット装置20の動作指示を点検ロボット装置20に送信する。
【0057】
〈第2実施形態によるエスカレータ点検システムの動作〉
次に、本実施形態によるエスカレータ点検システム1Bにより上方向に動作するエスカレータ10の点検を行う際の動作について、
図7Aおよび
図7Bのフローチャートを参照して説明する。
図7Aにおいて、ステップS41~S52で実行する処理は、第1実施形態で説明したステップS1~S12の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS52でエスカレータ10が停止したときには、乗降板11-1と同じ高さの踏段12のクリート面の進行方向に対する長さが、例えば乗降板11-1のコムから踏段12のクリート面1枚分程度になっている。
【0058】
ステップS52でエスカレータ10が停止した後、管理者は、エスカレータ10の乗車口側に設置された乗降板11-1と同じ高さの踏段12の進行方向に対する長さが所定値以上にするための踏段位置調整操作を行う。踏段位置調整操作が行われると(S53の「YES」)、第2エスカレータ動作制御部444が当該踏段位置の変更指示を点検ロボット装置20に送信する(S54)。
【0059】
点検ロボット装置20は、踏段位置の変更指示を取得すると、情報処理部214が、取得した踏段位置の変更指示をエスカレータ10に送信する。エスカレータ10は、踏段位置の変更指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して、所定方向に踏段12-1~12-nを所定距離分移動させる(S55)。
【0060】
第2エスカレータ動作制御部444は、監視情報取得部443で取得した撮像情報に基づいて、点検ロボット装置20が乗り込む、乗降板11-1と同じ高さの踏段12のクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上、例えば乗降板11-1のコムから踏段12のクリート面1~1.5枚分の長さになったか否かを確認する。第2エスカレータ動作制御部444は、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断するまで踏段位置の変更指示を再送信することで、ステップS54、S55の処理を繰り返し実行させる(S56の「NO」)。
【0061】
第2エスカレータ動作制御部444は、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断すると(S56の「YES」)、当該判断結果を示す情報が出力部42に出力される。
【0062】
管理者は、出力された判断結果の情報を認識すると、点検ロボット装置20が安全に乗り込める状態になったと判断し、点検ロボット装置20への乗り込み指示操作を行う。乗り込み指示操作が行われた後(S57の「YES」)、ステップS58~S66で実行する処理は、第1実施形態で説明したステップS18~S26の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0063】
ステップS66でエスカレータ10が停止した後、管理者は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面を降車口側の乗降板11-2と同じ高さにするための踏段位置調整操作を行う。踏段位置調整操作が行われると(S67の「YES」)、第2エスカレータ動作制御部444が踏段位置の変更指示を点検ロボット装置20に送信する(S68)。
【0064】
点検ロボット装置20は、踏段位置の変更指示を取得すると、情報処理部214が、取得した踏段位置の変更指示をエスカレータ10に送信する。エスカレータ10は、踏段位置の変更指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して、所定方向に踏段12-1~12-nを所定距離分移動させる(S69)。
【0065】
第2エスカレータ動作制御部444は、監視情報取得部443で取得した撮像情報に基づいて、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったか否かを確認する。第2エスカレータ動作制御部444は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになった判断するまで踏段位置の変更指示を再送信することで、ステップS68、S69の処理を繰り返し実行させる(S70の「NO」)。
【0066】
第2エスカレータ動作制御部444は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったと判断すると(S70の「YES」)、当該判断結果を示す情報が出力部42に出力される。
【0067】
管理者は、出力された判断結果の情報を認識すると、点検ロボット装置20が安全に降車可能な状態になったと判断し、点検ロボット装置20への降車指示操作を行う。降車指示操作が行われた後(S71の「YES」)、ステップS72、S73で実行する処理は、第1実施形態で説明したステップS32、S33の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0068】
以上の第2実施形態によれば、点検ロボット装置を遠隔からの簡易な操作でエスカレータの踏段にスムーズに乗車させて、点検作業のための情報を収集させることができる。
【0069】
《第3実施形態》
〈第3実施形態によるエスカレータ点検システムの構成〉
本発明の第3実施形態によるエスカレータ点検システム1Cの構成は、
図8に示すように、遠隔制御装置40CのCPU44Cが、第1エスカレータ動作制御部441に替えて第3エスカレータ動作制御部446を有し、第1ロボット動作制御部442に替えて第3ロボット動作制御部447を有する他は、第1実施形態で説明したエスカレータ点検システム1Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0070】
第3エスカレータ動作制御部446は、入力部41から入力される情報および監視情報取得部443で取得する情報に基づいて、エスカレータ10の運転/停止切替指示や踏段12-1~12-nの停止位置の変更指示等の動作指示を、点検ロボット装置20を介してエスカレータ10に送信する。第3ロボット動作制御部447は、入力部41から入力される情報および第3エスカレータ動作制御部446から送出される情報に基づいて、点検ロボット装置20の動作指示を点検ロボット装置20に送信する。
【0071】
〈第3実施形態によるエスカレータ点検システムの動作〉
次に、本実施形態によるエスカレータ点検システム1Cにより上方向に動作するエスカレータ10の点検を行う際の動作について、
図9Aおよび
図9Bのフローチャートを参照して説明する。
図9Aにおいて、ステップS81~S92で実行する処理は、第1実施形態で説明したステップS1~S12の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
ステップS92でエスカレータ10が停止した後、管理者は入力部41から、点検ロボット装置20の踏段12への乗り込みを指示する操作を行う。乗り込みを指示する操作が行われると(S93の「YES」)、第3エスカレータ動作制御部446が踏段位置の変更指示を点検ロボット装置20に送信する(S94)。
【0073】
点検ロボット装置20は、踏段位置の変更指示を取得すると、情報処理部214が、取得した踏段位置の変更指示をエスカレータ10に送信する。エスカレータ10は、踏段位置の変更指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して、所定方向に踏段12-1~12-nを所定距離分移動させる(S95)。
【0074】
第3エスカレータ動作制御部446は、監視情報取得部443で取得した撮像情報に基づいて、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったか否かを確認する。第3エスカレータ動作制御部446は、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断するまで踏段位置の変更指示を再送信することで、ステップS94、S95の処理を繰り返し実行させる(S96の「NO」)。
【0075】
第3エスカレータ動作制御部446で、乗降板11-1と同じ高さのクリート面の進行方向に対する長さが所定値以上になったと判断されると(S96の「YES」)、第3ロボット動作制御部447は、点検ロボット装置20に対し乗り込み指示を送信する(S97)。点検ロボット装置20は、乗り込み指示を取得すると、情報処理部214が移動機構24を制御して乗降板11-1と同じ高さのクリート面を有する踏段12上に前進して乗り込む(S98)。その際、第3エスカレータ動作制御部446が、監視情報取得部443で取得した撮像情報または点検ロボット装置20に搭載した周囲の物体を検知するセンサ(図示せず)から取得した検知情報を確認することにより、点検ロボット装置20が1つの踏段12上に適正に乗り込み動作を行っているか否かを監視する。そして、必要に応じて、例えば点検ロボット装置20が欄干等に接触しそうなときには移動方向や移動量を調整するための指示を送信する。その後、ステップS99~S105で実行する処理は、第1実施形態で説明したステップS19~S26の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0076】
ステップS105でエスカレータ10が停止した後、管理者は入力部41から、点検ロボット装置20の踏段12からの降車を指示する操作を行う。降車を指示する操作が行われると(S106の「YES」)、第3エスカレータ動作制御部446が踏段位置の変更指示を点検ロボット装置20に送信する(S107)。
【0077】
点検ロボット装置20は、踏段位置の変更指示を取得すると、情報処理部214が、取得した踏段位置の変更指示をエスカレータ10に送信する。エスカレータ10は、踏段位置の変更指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して、所定方向に踏段12-1~12-nを所定距離分移動させる(S108)。
【0078】
第3エスカレータ動作制御部446は、監視情報取得部443で取得した撮像情報に基づいて、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったか否かを確認する。第3エスカレータ動作制御部446は、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったと判断するまで踏段位置の変更指示を再送信することで、ステップS81、S82の処理を繰り返し実行させる(S109の「NO」)。
【0079】
第3エスカレータ動作制御部446で、点検ロボット装置20が乗っている踏段12のクリート面が降車口側の乗降板11-2と同じ高さになったと判断されると(S109の「YES」)、第3ロボット動作制御部447は、点検ロボット装置20に対し降車指示を送信する(S110)。点検ロボット装置20は、降車指示を取得すると、情報処理部214が移動機構24を制御して踏段12から乗降板11-2に移動して降車する(S111)。
【0080】
以上の第3実施形態によれば、点検ロボット装置を遠隔からのさらに簡易な操作でエスカレータの踏段にスムーズに乗車させて、点検作業のための情報を収集させることができる。
【0081】
上述した第1~第3実施形態によれば、エスカレータが広域通信ネットワークに接続可能に構成されていなくても、遠隔から、エスカレータを運転/停止させたり、踏段を適宜移動させたりしながら点検作業を行うことができる。
【0082】
上述した第1~第3実施形態では、点検ロボット装置20と、遠隔制御装置40A、40B、または40Cとが広域通信ネットワーク30を介して接続され、点検ロボット装置20とエスカレータ10とが近距離無線通信で接続された場合について説明したが、これには限定されない。例えば、点検ロボット装置20と、遠隔制御装置40A、40B、または40Cと、エスカレータ10とが、広域通信ネットワーク30を介して接続されていてもよい。この場合、遠隔制御装置40A、40B、または40Cからエスカレータ10宛てに送信する情報、およびエスカレータ10から遠隔制御装置40A、40B、または40C宛てに送信する情報は、点検ロボット装置20を介さずに、広域通信ネットワーク30を介して送信される。
【0083】
また、遠隔制御装置40A、40B、または40Cと、エスカレータ10とが広域通信ネットワーク30を介して接続され、エスカレータ10と点検ロボット装置20とが近距離無線通信で接続されていてもよい。この場合、遠隔制御装置40A、40B、または40Cから点検ロボット装置20宛てに送信する情報、および点検ロボット装置20から遠隔制御装置40A、40B、または40C宛てに送信する情報は、エスカレータ10を介して送信される。
【0084】
また、上述した第1~第3実施形態では、点検ロボット装置20が1台の場合について説明したが、エスカレータ点検システム1A、1B、または1Cが、複数台の点検ロボット装置20を用いてエスカレータ10を含む複数のエスカレータの点検を行うようにしてもよい。この場合、複数台の点検ロボット装置20のうち1台の点検ロボット装置20を主器とし、他の点検ロボット装置20を補器とし、主器の点検ロボット装置20を広域通信ネットワーク30に接続させ、補器の点検ロボット装置20を主器の点検ロボット装置20に無線接続させるようにしてもよい。このように点検ロボット装置20間を接続させてエスカレータ点検システム1A、1B、または1Cを構成することで、簡易な構成で複数のエスカレータの点検を行うことができる。
【0085】
上述した第1~第3実施形態のエスカレータ点検システム1A、1B、1Cを用いることにより、例えば大型のショッピングモール内の充電ステーションに複数台の点検ロボット装置を設置しておき、夜間のエスカレータの定期点検時に、これらの点検ロボット装置を用いて遠隔から点検作業を行うことができる。
【0086】
また、充電ステーションや点検ロボット装置を常備しない店舗等のエスカレータの点検作業を行う際には、点検作業実施時に作業員が充電済みの点検ロボット装置を当該店舗に配布し、作業終了後に回収することで、遠隔からの点検作業を行うことができる。
【0087】
また上述した第1~第3実施形態のエスカレータ点検システム1A、1B、1Cにおいて、操作盤13内の所定スイッチ(例えば、照明スイッチ)をOFF状態にすると第1近距離無線通信部15がOFF状態になるように設定しておき、点検作業を行わないときには、当該スイッチをOFF状態にしておくことで、近距離無線通信を用いてエスカレータ10の運転を操作するいたずらの発生を防止することができる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1A,1B,1C…エスカレータ点検システム、10…エスカレータ、11-1,11-2…乗降板、12,12-1~12-n…踏段、13…操作盤、14…周回動作機構、15…第1近距離無線通信部、20…点検ロボット装置、21…タブレット端末、22…カメラ装置、23…マイク付きスピーカ装置、24…移動機構、24a…車輪、25…支持部材、25a,25b…支持部材、30…広域通信ネットワーク、40A,40B,40C…遠隔制御装置、41…入力部、42…出力部、43…第2ネットワーク通信部、44A,44B,44C…CPU、50…監視センタ装置、211…振動センサ、212…第2近距離無線通信部、213…第1ネットワーク通信部、214…情報処理部、441…第1エスカレータ動作制御部、442…第1ロボット動作制御部、443…監視情報取得部、444…第2エスカレータ動作制御部、445…第2ロボット動作制御部、446…第3エスカレータ動作制御部、447…第3ロボット動作制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行する移動体に通信接続され、
遠隔から、エスカレータの動作を制御するエスカレータ動作制御部と、
前記エスカレータ動作制御部により前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する移動体動作制御部と、を備えたエスカレータ管理装置。
【請求項2】
前記移動体に設置されたカメラ装置で撮影された撮像情報を取得する監視情報取得部をさらに備え、
前記エスカレータ動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報に基づいて、前記エスカレータの乗車口に設置された前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるまで踏段位置の変更指示を繰り返し送信することで、前記エスカレータの前記乗車口に設置された前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが前記所定値以上の状態で前記エスカレータを停止させ、
前記所定値は、前記移動体が前記踏段上に停止可能になる値で設定される、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項3】
前記移動体はカメラ装置、集音装置、スピーカ装置、および振動センサを備え、
前記移動体動作制御部は、前記エスカレータの点検を行うために前記エスカレータの運転を開始する際に、前記スピーカ装置から前記エスカレータの運転開始を報知する情報を出力させ、
点検情報を要求する操作が行われると、前記カメラ装置で撮影された撮像情報、集音装置で集音された音声情報、および振動センサで取得された振動測定情報を取得する監視情報取得部をさらに備える、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項4】
前記エスカレータ動作制御部により、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるように前記エスカレータが停止された後、
前記移動体動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報もしくは前記移動体に搭載した周囲の物体を検知するセンサで検出された情報に基づいて、前記移動体の重心位置が1つの踏段上にあると判定されるまで前進するように、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項5】
前記エスカレータ動作制御部が、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが前記所定値以上になるように前記エスカレータを停止させると、続けて、前記移動体動作制御部は、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2または4に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項6】
前記エスカレータは、前記移動体と近距離無線通信を行う第1近距離無線通信部を有し、
前記移動体は、前記エスカレータと前記近距離無線通信を行う第2近距離無線通信部を有するとともに広域通信ネットワークに通信接続する第1ネットワーク通信部を有し、
前記エスカレータ動作制御部は、前記広域通信ネットワークに通信接続する第2ネットワーク通信部に接続され、前記広域通信ネットワークを介した前記移動体との通信、および前記移動体と前記エスカレータとの前記近距離無線通信を介して、前記エスカレータとの通信を行う、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項7】
前記エスカレータの点検作業を行わないときには、前記第1近距離無線通信部の機能をOFF状態にする、請求項6に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項8】
自律走行する移動体に通信接続されたエスカレータ管理装置が、
遠隔から、エスカレータを制御することで前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法。
【請求項9】
エスカレータへの乗降を行う移動体であって、
横方向から見たときに、最下部が最も広く、前記エスカレータの踏段が形成する階段状の段差高さまで前方部分または後方部分の少なくともいずれかが徐々に狭くなるように形成される、移動体。
【請求項10】
カメラ装置、集音装置、スピーカ装置、および振動センサを備える、請求項9に記載の移動体。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行する移動体に通信接続され、
前記移動体は、エスカレータと近距離無線通信を介して接続可能であり、
遠隔から、前記移動体との通信および前記移動体と前記エスカレータとの前記近距離無線通信を介して前記エスカレータとの通信を行うことで、エスカレータの動作を制御するエスカレータ動作制御部と、
前記エスカレータ動作制御部により前記エスカレータが停止された状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する移動体動作制御部と、を備えたエスカレータ管理装置。
【請求項2】
前記移動体に設置されたカメラ装置で撮影された撮像情報を取得する監視情報取得部をさらに備え、
前記エスカレータ動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報に基づいて、前記エスカレータの乗車口に設置された前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるまで踏段位置の変更指示を繰り返し送信することで、前記エスカレータの前記乗車口に設置された前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが前記所定値以上の状態で前記エスカレータを停止させ、
前記所定値は、前記移動体が前記踏段上に停止可能になる値で設定される、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項3】
前記移動体はカメラ装置、集音装置、スピーカ装置、および振動センサを備え、
前記移動体動作制御部は、前記エスカレータの点検を行うために前記エスカレータの運転を開始する際に、前記スピーカ装置から前記エスカレータの運転開始を報知する情報を出力させ、
点検情報を要求する操作が行われると、前記カメラ装置で撮影された撮像情報、集音装置で集音された音声情報、および振動センサで取得された振動測定情報を取得する監視情報取得部をさらに備える、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項4】
前記エスカレータ動作制御部により、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが所定値以上になるように前記エスカレータが停止された後、
前記移動体動作制御部は、前記監視情報取得部で取得された撮像情報もしくは前記移動体に搭載した周囲の物体を検知するセンサで検出された情報に基づいて、前記移動体の重心位置が1つの踏段上にあると判定されるまで前進するように、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項5】
前記エスカレータ動作制御部が、前記乗降板と同じ高さの踏段の進行方向に対する長さが前記所定値以上になるように前記エスカレータを停止させると、続けて、前記移動体動作制御部は、前記移動体に対し、前記踏段への乗り込み指示を送信する、請求項2に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項6】
前記移動体は、広域通信ネットワークに通信接続する第1ネットワーク通信部を有し、
前記エスカレータ動作制御部は、前記広域通信ネットワークに通信接続する第2ネットワーク通信部に接続され、前記広域通信ネットワークを介した前記移動体との通信、および前記移動体と前記エスカレータとの前記近距離無線通信を介して、前記エスカレータとの通信を行う、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項7】
前記エスカレータの点検作業を行わないときには、前記エスカレータ内の近距離無線通信部をOFF状態にする、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。
【請求項8】
エスカレータと近距離無線通信を介して接続可能であり、自律走行する移動体に、通信接続されたエスカレータ管理装置が、
遠隔から、前記移動体との通信および前記移動体と前記エスカレータとの前記近距離無線通信を介して前記エスカレータとの通信を行うことで、前記エスカレータを停止させた状態で、前記移動体に対し、前記エスカレータの踏段への乗り込み指示および前記踏段から乗降板への降り指示を送信する、エスカレータへの移動体の乗降車誘導方法。
【請求項9】
請求項1~7いずれか1項に記載のエスカレータ管理装置に通信接続された、前記エスカレータへの乗降を行う移動体であって、
横方向から見たときに、最下部が最も広く、前記エスカレータの踏段が形成する階段状の段差高さまで前方部分または後方部分の少なくともいずれかが徐々に狭くなるように形成される、移動体。
【請求項10】
カメラ装置、集音装置、スピーカ装置、および振動センサを備える、請求項9に記載の移動体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
次に、管理者が入力部41からの操作に基づいて点検ロボット装置20のマイク付きスピーカ装置23からエスカレータ10の運転開始を報知する情報を出力させた後、エスカレータ10の運転開始指示操作を行うと、第1エスカレータ動作制御部441がエスカレータ10の運転開始指示を点検ロボット装置20に送信する(S6)。点検ロボット装置20は、エスカレータ10の運転開始指示を取得すると、情報処理部214が、取得した運転開始指示をエスカレータに近距離無線通信で送信する。エスカレータ10は、運転開始指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して踏段12-1~12-nの周回等を開始させることで運転を開始する(S7)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
これらの確認が終了すると、管理者は、入力部41からエスカレータ10の運転停止指示操作を行う。運転停止操作が行われると、第1エスカレータ動作制御部441がエスカレータ10の運転停止指示を点検ロボット装置20に送信する(S11)。点検ロボット装置20は、エスカレータ10の運転停止指示を取得すると、情報処理部214が、取得した運転停止指示をエスカレータ10に近距離無線通信で送信する。エスカレータ10は、運転停止指示を取得すると、操作盤13が周回動作機構14を制御して踏段12-1~12-nの周回等を停止させることで運転を停止する(S12)。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
広域通信ネットワークを介して前記移動体と接続可能であり、
前記エスカレータ動作制御部は、前記広域通信ネットワークを介した前記移動体との通信、および前記移動体と前記エスカレータとの前記近距離無線通信を介して、前記エスカレータとの通信を行う、請求項1に記載のエスカレータ管理装置。