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特開2023-167691確認業務支援装置、確認業務支援方法、及び確認業務支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167691
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】確認業務支援装置、確認業務支援方法、及び確認業務支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079054
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】505194686
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ西日本
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 紳一
(72)【発明者】
【氏名】宮地 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和宏
(72)【発明者】
【氏名】片山 俊明
(72)【発明者】
【氏名】野口 明宏
(72)【発明者】
【氏名】大串 博
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明伸
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 圭二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】関係者が互いに異なる場所にいる場合であっても確実、かつ、適切に確認業務作業をする確認業務支援装置、方法及び確認業務支援システムを提供する。
【解決手段】確認業務支援システムにおいて、確認業務支援装置40は、操作者システム10から受信した、操作者の音声及び操作空間画像を記憶し、再鑑者システム30から受信した、再鑑者の音声及び再鑑空間画像を記憶し、再鑑空間画像に再鑑者が含まれていない場合には、操作者システム10から操作対象サーバ20に対する処理を禁止し、操作者の音声が、再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声である場合に、操作者システム10から操作対象サーバ20に対する処理を禁止し、再鑑者の音声が、再鑑者に確認が完了した旨を示す音声である場合において、再鑑空間画像が、再鑑者が操作者の業務の確認に必要な画面を確認した場合にのみ、操作者システム10から操作対象サーバ20に対する他の処理を許可する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に対する処理を業務として行う操作者が使用する操作者システムから受信した、当該操作者の音声及び、前記操作者システムが管理する空間の画像である操作空間画像を記憶し、
前記操作者の業務内容を確認する再鑑者が使用する再鑑者システムから受信した、当該再鑑者の音声及び、前記再鑑者システムが管理する空間の画像である再鑑空間画像を記憶する記憶装置、及び、
前記再鑑空間画像に、前記再鑑者が含まれているか否かを判定し、前記再鑑空間画像に前記再鑑者が含まれていないと判定した場合には、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であるか否かを判定し、前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であると判定した場合に、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であると判定した場合において、前記再鑑空間画像が、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示しているか否かを判定し、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示していると判定した場合にのみ、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する他の処理を許可する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する処理装置
を備える、確認業務支援装置。
【請求項2】
前記記憶装置は、前記操作者の業務に関する不正行為の予兆行為と、当該予兆行為を示す画像の特徴情報とを対応づけた情報である予兆行為管理テーブルを記憶し、
前記処理装置は、前記操作空間画像及び前記予兆行為管理テーブルに基づき、前記操作者が不正行為の予兆行為を行っているか否かを判定し、前記操作者が不正行為の予兆行為を行っていると判定した場合には、所定の出力を行い、又は、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
請求項1に記載の確認業務支援装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記操作者の業務に関する不正行為の予兆行為と、当該予兆行為を示す画像の特徴情報と、当該予兆行為の重大性を示すパラメータと、当該予兆行為の認定のために必要な行為の継続時間とを対応づけた予兆行為管理テーブルを記憶し、
前記処理装置は、前記操作空間画像及び前記予兆行為管理テーブルに基づき、前記操作者が前記予兆行為を前記継続時間以上続けているか否かを判定し、前記操作者が前記予兆行為を前記継続時間以上続けていると判定した場合に、前記予兆行為の重大性を示す不正行為度を所定のパラメータに基づき算出し、算出した不正行為度に応じて、所定の出力を行い、又は、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
請求項2に記載の確認業務支援装置。
【請求項4】
前記処理装置は、前記算出した不正行為度が所定範囲内にある場合には、当該不正行為度に応じた種類の情報を表示し、前記算出した不正行為度が前記所定範囲より高い場合には、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
請求項3に記載の確認業務支援装置。
【請求項5】
前記処理装置は、
前記操作者システムから前記情報処理装置への操作を禁止するための情報が前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定されている場合において、前記再鑑者システムから、前記再鑑者の新たな音声を受信した場合、前記再鑑者の新たな音声が、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を許可する旨を示す音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の新たな音声が前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を許可する旨を示す音声であると判定した場合にのみ、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を許可する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
請求項1に記載の確認業務支援装置。
【請求項6】
前記処理装置は、
前記再鑑者の音声が、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止する旨の音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の音声が、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止する旨の音声であると判定した場合に、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
請求項1に記載の確認業務支援装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
他の情報処理装置に対する処理を業務として行う操作者が使用する操作者システムから受信した、当該操作者の音声及び、前記操作者システムが管理する空間の画像である操作空間画像を記憶し、
前記操作者の業務内容を確認する再鑑者が使用する再鑑者システムから受信した、当該再鑑者の音声及び、前記再鑑者システムが管理する空間の画像である再鑑空間画像を記憶し、
前記再鑑空間画像に、前記再鑑者が含まれているか否かを判定し、前記再鑑空間画像に前記再鑑者が含まれていないと判定した場合には、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であるか否かを判定し、前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であると判定した場合に、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であると判定した場合において、前記再鑑空間画像が、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示しているか否かを判定し、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示していると判定した場合にのみ、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する他の処理を許可する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する、
確認業務支援方法。
【請求項8】
情報処理装置に対する処理を業務として行う操作者が使用する操作者システムと、前記操作者の業務内容を確認する再鑑者が使用する再鑑者システムと、確認業務支援装置とを含んで構成され、
前記確認業務支援装置は、
前記操作者システムから受信した、当該再鑑者の音声及び、前記再鑑者システムが管理する空間の画像である再鑑空間画像を記憶し、
前記再鑑者システムから受信した、当該操作者の音声及び、前記操作者システムが管理
する空間の画像である操作空間画像を記憶する記憶装置、及び、
前記再鑑空間画像に、前記再鑑者が含まれているか否かを判定し、前記再鑑空間画像に前記再鑑者が含まれていないと判定した場合には、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であるか否かを判定し、前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であると判定した場合に、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、
前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であると判定した場合において、前記再鑑空間画像が、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示しているか否かを判定し、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示していると判定した場合にのみ、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する他の処理を許可する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する処理装置を備える、
確認業務支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、確認業務支援装置、確認業務支援方法、及び確認業務支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務の正確性を担保するために、その業務を行った者とは別の者がその業務内容をチェックすることが日常的に行われる(例えば、再鑑業務)。
【0003】
特に、リモートワークがより広く行われている昨今では、物理的に離れた場所にいる2人の担当者が正確に初鑑業務及び再鑑業務を行えるような仕組みを構築することが求められている。
【0004】
これに関連して、特許文献1には、リモート環境において保守作業のダブルチェックを進めるための技術として、保守支援システムが、保守作業を順序付けたステップの内容と実行者チェックボックスと再鑑者チェックボックスとを含む手順画面を、実行者のユーザ端末と再鑑者のユーザ端末に表示させ、実行者チェック結果と再鑑者チェック結果とを実行者のユーザ端末と再鑑者のユーザ端末とで共有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-49290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、リモートワークでは初鑑者と再鑑者が全く異なる空間、環境、又は立場で業務を行うことが想定され、特許文献1の技術では、充分なチェック機能を果たすことができないおそれがある。例えば、初鑑者の不正行為といったリスクを見逃してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、関係者が互いに異なる場所にいる場合であっても確実かつ適切に確認業務作業をすることが可能な確認業務支援装置、確認業務支援方法、及び確認業務支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一つは、情報処理装置に対する処理を業務として行う操作者が使用する操作者システムから受信した、当該操作者の音声及び、前記操作者システムが管理する空間の画像である操作空間画像を記憶し、前記操作者の業務内容を確認する再鑑者が使用する再鑑者システムから受信した、当該再鑑者の音声及び、前記再鑑者システムが管理する空間の画像である再鑑空間画像を記憶する記憶装置、及び、前記再鑑空間画像に、前記再鑑者が含まれているか否かを判定し、前記再鑑空間画像に前記再鑑者が含まれていないと判定した場合には、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であるか否かを判定し、前記操作者の音声が、前記再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であると判定した場合に、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する処理を禁止するための情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定し、前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が
完了した旨を示す音声であるか否かを判定し、前記再鑑者の音声が、前記再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であると判定した場合において、前記再鑑空間画像が、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示しているか否かを判定し、前記再鑑者が前記操作者の業務の確認に必要な画面を確認したことを示していると判定した場合にのみ、前記操作者システムから前記情報処理装置に対する他の処理を許可する情報を前記操作者システム又は前記情報処理装置に設定する処理装置を備える、確認業務支援装置、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、関係者が互いに異なる場所にいる場合であっても確実かつ適切に確認業務作業をすることができる。
上記した以外の構成及び効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る確認業務支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】操作者システムが備えるハードウェアの一例を説明する図である。
図3】操作対象サーバが備えるハードウェアの一例を説明する図である。
図4】再鑑者システムが備えるハードウェアの一例を説明する図である。
図5】確認業務支援装置が備えるハードウェアの一例を説明する図である。
図6】確認業務支援装置が備える機能部の一例を示す図である。
図7】予兆行為管理テーブルの一例を示す図である。
図8】再鑑支援処理の一例を説明するフロー図である。
図9】再鑑管理画面の一例を示す図である。
図10】音声認識処理の詳細を説明するフロー図である。
図11】画像認識処理の詳細を説明するフロー図である。
図12】画像認識処理の詳細を説明するフロー図である。
図13】不正行為予兆判断処理の一例を説明するフロー図である。
図14】全体コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
図15】全体コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
図16】全体コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
図17】全体コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
図18】操作コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
図19】画面コントロール処理の詳細を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る確認業務支援システム1の構成の一例を示す図である。確認業務支援システム1は、操作者システム10と、操作対象サーバ20と、再鑑者システム30と、確認業務支援装置40(再鑑管理サーバ)とを含んで構成される。
【0012】
確認業務支援システム1は、操作対象サーバ20に対する操作により所定の業務を行う初鑑者(操作者)と、操作者が行った業務内容を確認(チェック)する確認業務を行う再鑑者とによって使用される情報処理システムである。
【0013】
操作者システム10は、1又は複数の情報処理装置(コンピュータ)を含んで構成される情報処理システムである。操作者システム10は、操作者が業務を行う部屋等の作業空間(以下、操作空間という)に設置される。なお、後述するように、操作者システム10は、カメラ及びマイク等の入力装置を備えており、操作者の業務状況を監視している。
【0014】
操作対象サーバ20は、操作者が行う業務に関する所定のプログラム(アプリケーショ
ン等)を記憶している。操作対象サーバ20は、1又は複数の情報処理装置(コンピュータ)を含んで構成される情報処理システムである。操作者は、操作者システム10を操作して操作対象サーバ20のプログラムを実行させることで、自身の業務を遂行する。
【0015】
再鑑者システム30は、再鑑者が業務を行う部屋等の作業空間(以下、再鑑空間という)に設置される、1又は複数の情報処理装置(コンピュータ)を含んで構成される情報処理システムである。再鑑者システム30は、操作空間とは離れた場所に設けられる。
【0016】
再鑑者システム30は、1又は複数の情報処理装置(コンピュータ)を含んで構成される情報処理システムである。再鑑者システム30は、操作者が操作者システム10及び操作対象サーバ20を利用して行った業務の情報を表示して再鑑者の再鑑業務を支援すると共に、操作者(操作者システム10)に対して所定の指示又は命令を行う。なお、後述するように、再鑑者システム30は、カメラ及びマイク等の入力装置を備えている。
【0017】
確認業務支援装置40は、操作対象サーバ20及び再鑑者システム30を介して、操作者及び再鑑者の業務状況を管理する。確認業務支援装置40は、1又は複数の情報処理装置(コンピュータ)を含んで構成される情報処理システムである。
【0018】
なお、本実施形態では、確認業務支援装置40及び操作対象サーバ20は再鑑空間と同じ空間(マシン室)に設置されるものとするが、確認業務支援装置40及び操作対象サーバ20は、操作者システム10又は再鑑者システム30と同じ空間に設置されていてもよいし、異なる空間に設置されていてもよい。
【0019】
再鑑者システム30と、操作者システム10、操作対象サーバ20、及び確認業務支援装置40とは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide
Area Network)、又は専用線等の有線又は無線の通信ネットワーク5により通信可能に
接続される。また、操作者システム10、操作対象サーバ20、及び確認業務支援装置40の間は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又は専用線等の有線又は無線の通信ネットワーク6により通信可能に接続
される。
【0020】
次に、図2は、操作者システム10が備えるハードウェアの一例を説明する図である。操作者システム10は、CPU (Central Processing Unit)、DSP (Digital Signal Processor)、GPU (Graphics Processing Unit)、FPGA (Field-Programmable Gate Array)等の処
理装置11(プロセッサ)と、ROM (Read Only Memory)、RAM (Random Access Memory)等の主記憶装置12(メモリ)と、HDD (Hard Disk Drive)、SSD (Solid State Drive)などの補助記憶装置13と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB (Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置14と、マウスやキーボード等で構成される操作入力装置15と、マイク等の、操作空間で発生した音を入力が入力される音声入力装置16と、カメラ又はビデオカメラ等の、操作空間の画像又は動画を撮影する第1撮影装置17と、操作者の画像を撮影する第2撮影装置18と、液晶ディスプレイまたは有機EL (Electro-Luminescence)ディスプレ
イ等で構成される出力装置19とを備える。
【0021】
図3は、操作対象サーバ20が備えるハードウェアの一例を説明する図である。操作対象サーバ20は、CPU (Central Processing Unit)、DSP (Digital Signal Processor)、GPU (Graphics Processing Unit)、FPGA (Field-Programmable Gate Array)等の処理装置
21(プロセッサ)と、ROM (Read Only Memory)、RAM (Random Access Memory)等の主記憶装置22(メモリ)と、HDD (Hard Disk Drive)、SSD (Solid State Drive)などの補助記憶装置23と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB (Univers
al Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置24とを備える。なお、操作対象サーバ20は、マウスやキーボード等で構成される操作入力装置、又は、液晶ディスプレイまたは有機EL (Electro-Luminescence)ディスプレイ
等で構成される出力装置を備えていてもよい。
【0022】
図4は、再鑑者システム30が備えるハードウェアの一例を説明する図である。操作者システム10は、CPU (Central Processing Unit)、DSP (Digital Signal Processor)、GPU (Graphics Processing Unit)、FPGA (Field-Programmable Gate Array)等の処理装置
31(プロセッサ)と、ROM (Read Only Memory)、RAM (Random Access Memory)等の主記憶装置32(メモリ)と、HDD (Hard Disk Drive)、SSD (Solid State Drive)などの補助記憶装置33と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB (Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置34と、マウスやキーボード等で構成される操作入力装置35と、マイク等の、操作空間で発生した音を入力が入力される音声入力装置36と、カメラ又はビデオカメラ等の、再鑑者の画像又は動画を撮影する撮影装置37と、液晶ディスプレイまたは有機EL (Electro-Luminescence)ディスプレイ等で構成される出力装置38とを備える。
【0023】
図5は、確認業務支援装置40が備えるハードウェアの一例を説明する図である。確認業務支援装置40は、CPU (Central Processing Unit)、DSP (Digital Signal Processor)、GPU (Graphics Processing Unit)、FPGA (Field-Programmable Gate Array)等の処理
装置41(プロセッサ)と、ROM (Read Only Memory)、RAM (Random Access Memory)等の主記憶装置42(メモリ)と、HDD (Hard Disk Drive)、SSD (Solid State Drive)などの補助記憶装置43と、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB (Universal Serial Interface)モジュール、又はシリアル通信モジュール等で構成される通信装置44と、マウスやキーボード等で構成される操作入力装置45と、液晶ディスプレイまたは有機EL (Electro-Luminescence)ディスプレイ等で構成される出力装置46とを備
える。
【0024】
次に、図6は、確認業務支援装置40が備える機能部の一例を示す図である。確認業務支援装置40は、音声認識部411、画像認識部412、全体コントロール部413、予兆行為判断部414、操作コントロール部415、及び画面コントロール部416の各機能部を備える。また、確認業務支援装置40は、操作者音声変数451、再鑑者音声変数452、再鑑者有無変数453、再鑑者確認画面変数454、不正行為度変数455、操作ロック指示変数456、確認依頼変数457、操作画面確認変数458、手順書確認画面変数459、及び予兆行為管理テーブル460の各データを記憶している。
【0025】
音声認識部411は、操作者システム10が音声入力装置16を介して取得した音声データ(以下、操作者音声という)及び再鑑者システム30が音声入力装置36を介して取得した音声データ(以下、再鑑者音声という)を解析し、それぞれの音声内容を認識する。認識された操作者音声の種類は操作者音声変数451に記憶され、再鑑者音声の種類は再鑑者音声変数452に記憶される。
【0026】
画像認識部412は、操作者システム10が第1撮影装置17及び第2撮影装置18を介して取得した画像データ(以下、操作空間画像という)及び再鑑者システム30が撮影装置37を介して取得した画像データ(以下、再鑑空間画像という)を解析し、それぞれの画像を認識する。
【0027】
全体コントロール部413は、操作者音声、再鑑者音声、操作空間画像、又は再鑑空間画像を用いて、操作者及び再鑑者の業務を監視する。
【0028】
例えば、全体コントロール部413は、再鑑空間画像に再鑑者が含まれているか否かを判定し、再鑑空間画像に再鑑者が含まれていないと判定した場合には、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を禁止するための情報(以下、操作禁止情報という)を操作対象サーバ20に設定する。なお、この設定内容は、操作ロック指示変数456に記憶される。また、判定結果は、再鑑者有無変数453に記憶される。
【0029】
また、全体コントロール部413は、操作者音声が、再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であるか否かを判定し、操作者音声が、再鑑者に確認を依頼する旨を示す音声であると判定した場合に、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を禁止するための情報(操作禁止情報)を操作対象サーバ20に設定する。なお、この判定結果は、確認依頼情報457に記憶される。また、設定内容は、操作ロック指示変数456に記憶される。
【0030】
さらに、全体コントロール部413は、再鑑者音声が、再鑑者による確認が完了した旨を示す音声であると判定した場合において、再鑑者画像が、再鑑者が操作者の操作の確認に必要な画面を確認したことを示していると判定した場合にのみ、操作者システム10から操作対象サーバ20への次の操作を許可する情報(以下、操作許可情報という)を操作対象サーバ20に設定する。なお、この判定結果は、再鑑者確認画面変数454、操作画面確認変数458、及び手順書確認画面変数459に記憶される。また、設定内容は、操作ロック指示変数456に記憶される。
【0031】
予兆行為判断部414は、操作空間画像及び後述する予兆行為管理テーブル460に基づき、操作者が不正行為につながる予兆行為を行っているか否かを判定し、操作者が予兆行為を行っていると判定した場合には、警告表示を行い、又は、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を禁止するための情報を操作対象サーバ20に設定する。なお、設定内容は、操作ロック指示変数456に記憶される。
【0032】
なお、予兆行為判断部414は、予兆行為が不正行為に至る危険性を示すパラメータである不正行為度を算出し、算出した不正行為度を不正行為度情報455に記憶する。
【0033】
操作コントロール部415は、全体コントロール部413又は予兆行為判断部414による設定(操作許可情報又は操作禁止情報)に基づき、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を許可し又は許可する。
【0034】
画面コントロール部416は、操作者及び再鑑者が業務を行うための画面(以下、再鑑管理画面という)を表示する。
【0035】
次に、予兆行為管理テーブル460について説明する。
(予兆行為管理テーブル)
図7は、予兆行為管理テーブル460の一例を示す図である。予兆行為管理テーブル460は、操作空間画像の種類(画像の特徴情報)が設定される種類461、予兆行為の内容が設定される予兆動作462、その予兆行為の重み値(重大性を示すパラメータ)が設定される重み付け464、その予兆行為と認定されるために必要な行為の継続時間(以下、時間係数という)に関する条件が設定される時間係数464、及び、その予兆行為に該当する行為が現在継続している時間が設定される検出時間累計465の各データ項目を有する。
【0036】
なお、本実施形態では、予兆行為には、第1撮影装置17により検出可能な予兆行為(以下、第1予兆行為という)と、第2撮影装置18により検出可能な予兆行為(以下、第2予兆行為という)とがあるものとする。第1予兆行為は、例えば、操作者が操作者シス
テム10から離れた操作空間にいる行為、又は操作者が鞄に手に入れる行為である。第2予兆行為は、例えば、操作者が第2撮影装置18と異なる方向を見る行為、又は、操作者が電話をする行為である。図7では不図示であるが、予兆行為管理テーブル460には、各レコードに、第1予兆行為と第2予兆行為を区別する情報が設定されている。
【0037】
また、本実施形態では、時間係数464には、所定秒、予兆動作462が示す行為が継続していれば時間係数を1に設定し、そうでなければ時間係数を1に設定することを指定する情報が設定される。また、時間係数464には、予兆動作462が示す行為が継続していなくても(1回でも発生すれば)時間係数を1に設定することを指定する情報が設定される。
【0038】
以上に説明した確認業務支援装置40の各機能部の機能は、処理装置41が、主記憶装置42又は補助記憶装置43に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。また上記のプログラムは、例えば、記録媒体に記録して配布することができる。なお、確認業務支援装置40は、その全部または一部が、例えば、クラウドシステムによって提供される仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、確認業務支援装置40によって提供される機能の全部または一部は、例えば、クラウドシステムがAPI (Application Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。
次に、確認業務支援システム1で行われる処理について説明する。
【0039】
<再鑑支援処理>
図8は、再鑑者が行う再鑑業務を支援する再鑑支援処理の一例を説明するフロー図である。再鑑支援処理は、例えば、操作者システム10から確認業務支援装置40に所定の業務開始情報(操作者が、再鑑が必要な業務を開始することを示す情報)が送信された場合に開始される。
【0040】
まず、確認業務支援装置40の音声認識部411は、再鑑者システム30及び操作者システム10のそれぞれに入力された音声を認識する音声認識処理s1を実行する。
【0041】
また、画像認識部412は、再鑑者システム30及び操作者システム10のそれぞれが取得した画像を認識する画像識処理s2を実行する。
【0042】
予兆行為判断部414は、音声認識処理s1及び画像識処理s2により認識された音声及び画像に基づき、操作者が不正行為につながる行為(以下、予兆行為という)をしているか否かを判断する不正行為予兆判断処理s3を実行する。
【0043】
全体コントロール部413は、音声認識処理s1により認識された音声、画像識処理s2により認識された画像、及び不正行為予兆判断処理s3により判断された予兆行為に基づき、操作者又は再鑑者の現在の業務状況に関する情報(例えば、操作ロック指示変数456)を設定する全体コントロール処理s4を実行する。
【0044】
操作コントロール部415は、全体コントロール処理s4により設定された情報に基づき、操作対象サーバ20を制御する操作コントロール処理s5を実行する。
【0045】
また、画面コントロール部416は、操作者及び再鑑者が業務を行うための画面(再鑑管理画面)を、再鑑者システム30の出力装置38に表示する画面コントロール処理s6を実行する。なお、画面コントロール処理s6は、再鑑支援処理の任意のタイミングで実行されてよい。
【0046】
操作コントロール部415は、再鑑者による再鑑業務が終了したか否かを判定する。例えば、操作コントロール部415は、再鑑者システム30に所定の入力がなされたか否かを判定する(s7)。
【0047】
再鑑者による再鑑業務が終了した場合は(s7:YES)、再鑑支援処理は終了し(s8)、再鑑者による再鑑業務が終了していない場合は(s7:NO)、s1以降の処理が繰り返される。
【0048】
ここで、再鑑管理画面について説明する。
<再鑑管理画面>
図9は、再鑑管理画面900の一例を示す図である。再鑑管理画面900は、操作者システム10の第2撮影装置18が撮影した操作者の画像が表示される操作者画像表示欄901と、操作者システム10の第1撮影装置17が撮影した操作空間の画像が表示される操作空間画像表示欄902と、再鑑者システム30の撮影装置37が撮影した再鑑空間(特に、再鑑者)の画像が表示される再鑑者画像表示欄903と、操作者が行うべき操作(業務)の内容を記憶した電子文書(手順書)の内容が表示される手順書表示欄904と、当該操作に対応した、操作対象サーバ20に対する処理の内容(プログラムの実行等)が表示される操作画面905と、操作者が現在行っている行為(特に、予兆行為)についての情報が表示される警告表示欄906とを備える。
【0049】
警告表示欄906には、例えば、操作者が現在行っている予兆行為が表示される。なお、後述するように、この表示色は、現在の予兆行為度に応じて異なる。
【0050】
操作者は、自己の業務(操作)において、手順書を確認しながら、操作対象サーバ20に対する、手順書に従った処理コマンド(例えば、操作対象サーバ20の所定ファイルの削除コマンド)を、操作者システム10に入力する。操作画面905には、その入力内容が表示される。その後、再鑑者は、表示された再鑑管理画面900を参照し、手順書表示欄904に表示されている内容と、操作画面905に表示されている内容とを比較することで、操作者が正しく自己の業務(操作)を行っているかを確認する(再鑑業務)。
【0051】
次に、再鑑支援処理における各処理の詳細を説明する。
<音声認識処理>
図10は、音声認識処理s1の詳細を説明するフロー図である。
音声認識部411は、操作者の音声を取得し、その音声内容を特定する(s101)。
【0052】
例えば、音声認識部411は、操作者システム10の音声入力装置16に一連の音声が入力されたか否かを判定し、一連の音声が入力されたと判定した場合には、その音声を分析することで、その音声が示す文章又は単語(以下では、文章であるとする)を特定する。
【0053】
なお、この音声分析(音声認識)は、例えば、音素を抽出する音響モデル、音素辞書を用いたパターンマッチング、及び、N-gram又はRNN(Recurrent Neural Network)等を用い
た言語モデルにより行われる。音声認識の手法は、特に限定されるものではない。
【0054】
s101で特定した音声内容が、操作者から再鑑者への確認依頼(例えば、「確認お願いします」。)である場合は(s102:YES)、音声認識部411は、s103の処理を実行し、s101で特定した音声内容が、操作者から再鑑者への確認依頼でない場合は(s102:NO)、音声認識部411は、s104の処理を実行する。
【0055】
s103において音声認識部411は、操作者音声変数451に、操作者から再鑑者への確認依頼を示すデータ(例えば、「確認お願いします」)を設定し、その後はs105の処理を行う。
【0056】
一方、s104において音声認識部411は、操作者音声変数451に、操作者から再鑑者への確認依頼でないことを示すデータ(例えば、「なし」)を設定し、その後はs105の処理を行う。
【0057】
s105において音声認識部411は、再鑑者の音声を取得し、その音声内容を特定する。
【0058】
例えば、音声認識部411は、再鑑者システム30の音声入力装置36に一連の音声が入力されたか否かを判定し、一連の音声が入力されたと判定した場合には、その音声を分析することで、その音声が示す文章又は単語(以下では、文章であるとする)を特定する。
【0059】
音声認識部411は、s105で特定した音声が、操作者の作業の禁止命令の解除の音声(例えば、「操作ロック解除」)であるか否かを判定する(s106)。s105で特定した音声が、操作者の作業の禁止命令の解除の音声である場合は(s106:YES)、音声認識部411は、s107の処理を実行し、s105で特定した音声が、操作者の作業の禁止命令の解除の音声でない場合は(s106:NO)、音声認識部411は、s108の処理を実行する。
【0060】
s107において音声認識部411は、再鑑者音声変数452に、操作者の作業の禁止命令の解除を示すデータ(例えば、「操作ロック解除」)を設定し、その後音声認識処理s1は終了する。
【0061】
s108において音声認識部411は、s105で特定した音声が、操作禁止情報に対応した、操作者の作業の禁止命令の音声(例えば、「操作ロック」)であるか否かを判定する。s105で特定した音声が、操作者の作業の禁止命令の音声である場合は(s108:YES)、音声認識部411は、s109の処理を実行し、s105で特定した音声が、操作者の作業の禁止命令の音声でない場合は(s108:NO)、音声認識部411は、s110の処理を実行する。
【0062】
s109において音声認識部411は、再鑑者音声変数452に、操作者の作業の禁止命令を示すデータ(例えば、「操作ロック」)を設定し、その後音声認識処理s1は終了する。
【0063】
s110において音声認識部411は、s105で特定した音声が、操作者からの確認依頼に対する再鑑者の確認の完了の音声(例えば、「確認OK」)であるか否かを判定する。
【0064】
s105で特定した音声が、操作者からの確認依頼に対する再鑑者の確認の完了の音声である場合は(s110:YES)、音声認識部411は、s111の処理を実行し、s105で特定した音声が、操作者からの確認依頼に対する再鑑者の確認の完了の音声でない場合は(s110:NO)、音声認識部411は、s112の処理を実行する。
【0065】
s111において音声認識部411は、再鑑者音声変数452に、操作者からの確認依頼に対する再鑑者の確認の完了を示すデータ(例えば、「確認OK」)を設定し、その後音声認識処理s1は終了する。
【0066】
s112において音声認識部411は、再鑑者音声変数452に、再鑑者から音声指示がないことを示すデータ(例えば、「なし」)を設定し、その後音声認識処理s1は終了する。
【0067】
<画像認識処理>
次に、図11、12は、画像認識処理s2の詳細を説明するフロー図である(紙面の都合上、2図に分けている)。
画像認識部412は、現在の操作者の画像を取得する(s201)。具体的には、画像認識部412は、操作者システム10の第2撮影装置18が撮影した現在の画像を受信する。そして、画像認識部412は、取得した画像が示す操作者の行為の種類を認識する。
【0068】
この画像認識は、例えば、取得した画像と予め記憶しておきた各種類のテンプレート画像とを比較するテンプレートマッチングの手法によってもよいし、学習済みモデルを作成する機械学習の手法によってもよい。学習済みモデルの場合は、例えば、画像の画素情報が入力される入力層と、画素情報から画像の特徴量を抽出して出力する1又は複数の中間層(隠れ層)と、画像の特徴量から画像の種類を出力する出力層とを有するニューラルネットワークからなる数値モデルである。ニューラルネットワークとしては、例えば、CNN(Convolution Neural Network)、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、又は回帰木等を適用することが可能である。なお、以上の画像認識の手法は、後述のs204、s207の処理でも同様である。
【0069】
画像認識部412は、s201で認識した画像の種類が、操作者による第2予兆行為のいずれかであるか否かを判定する(s202)。例えば、画像認識部412は、予兆行為管理テーブル460を参照し、s201で認識した画像の種類を示すデータが種類461に設定されている、第2予兆行為に係るレコードがあるか否かを判定する。
【0070】
画像の種類が第2予兆行為のいずれかである場合は(s202:YES)、画像認識部412は、s203の処理を実行する。一方、画像の種類が第2予兆行為のいずれでもない場合は(s202:NO)、画像認識部412は、s204の処理を実行する。なお、この場合、画像認識部412は、予兆行為管理テーブル460の、操作者の第2予兆行為に係る各レコードの検出時間累計465の値を0にする。
【0071】
s203において画像認識部412は、s202で判定した第2予兆行為の検出累計時間を設定し、その後は、s205の処理を実行する。
【0072】
具体的には、画像認識部412は、予兆行為管理テーブル460における、s202で判定した各第2予兆行為に係るレコードの検出時間累計465の値を増加させる(例えば、前回s202の処理を行った時間から経過した分だけ増加させる)。
【0073】
s205において画像認識部412は、現在の操作空間画像を取得する。具体的には、画像認識部412は、操作者システム10の第1撮影装置17が撮影した現在の画像を受信する。そして、画像認識部412は、取得した画像が示す操作者の行為の種類を認識する。
【0074】
画像認識部412は、s201で認識した画像の種類が、操作者による第1予兆行為のいずれかであるか否かを判定する(s205)。
【0075】
画像の種類が、操作者の第1予兆行為のいずれかである場合は(s205:YES)、画像認識部412は、s206の処理を実行する。一方、画像の種類が、第1予兆行為の
いずれでもない場合は(s205:NO)、画像認識部412は、s207の処理を実行する。なお、この場合、画像認識部412は、予兆行為管理テーブル460の、第1予兆行為に係る各レコードの検出時間累計465の値を0にする。
【0076】
s206において画像認識部412は、s202で判定した第1予兆行為の検出累計時間を設定し、その後は、s207の処理を実行する。
【0077】
具体的には、画像認識部412は、予兆行為管理テーブル460における、s204で判定した各第1予兆行為に係るレコードの検出時間累計465の値を増加させる(例えば、前回s203の処理を行った時間から経過した分だけ増加させる)。
【0078】
さらに、図12に示すように、画像認識部412は、再鑑空間の現在の画像を取得する(s207)。具体的には、画像認識部412は、再鑑者システム30の撮影装置37が撮影した再鑑空間の現在の画像を受信する。そして、画像認識部412は、取得した画像から、再鑑者を認識する(再鑑者が再鑑空間にいるか否かを判定する)。
【0079】
画像認識部412は、再鑑者を認識できた場合は(s208:YES)、s209の処理を実行し、再鑑者を認識できなかった場合は(s208:NO)、s210の処理を実行する。
【0080】
s210において画像認識部412は、再鑑空間に再鑑者がいることを記憶する。例えば、画像認識部412は、再鑑者有無変数453に「いる」を設定する。その後はs211の処理が行われる。
【0081】
s210において画像認識部412は、再鑑空間に再鑑者がいないことを記憶する。例えば、画像認識部412は、再鑑者有無変数453に「いない」を設定する。その後はs211の処理が行われる。
【0082】
s211において画像認識部412は、s207で取得した画像に基づき、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見ているか否かを判定する。具体的には、例えば、画像認識部412は、s207で取得した画像における再鑑者の目線を認識することで、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見ているか否かを判定する。
【0083】
再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見ている場合は(s211:YES)、画像認識部412は、s212の処理を実行し、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見ていない場合は(s211:NO)、画像認識部412は、213の処理を実行する。
【0084】
s212において画像認識部412は、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見ていることを記憶する。例えば、画像認識部412は、再鑑者確認画面変数454に「操作画面」を設定する。その後はs213の処理が行われる。
【0085】
s213において画像認識部412は、s207で取得した画像に基づき、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見ているか否かを判定する。具体的には、例えば、画像認識部412は、s207で取得した画像における再鑑者の目線を認識することで、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見ているか否かを判定する。
【0086】
再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見ている場合は(s213:YES)、画像認識部412はs214の処理を実行し、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見ていない場合は(s213:NO)、画像認識部412はs215の
処理を実行する。
【0087】
s214において画像認識部412は、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見ていることを記憶する。例えば、画像認識部412は、再鑑者確認画面変数454に「手順書画面」を設定する。以上で画像認識処理s2は終了する。
【0088】
s215において画像認識部412は、再鑑者が再鑑者システム30の確認画面又は手順書表示欄904を見ているか否かが不明であることを記憶する(s215)。例えば、画像認識部412は、再鑑者確認画面変数454に「不明」を設定する。以上で画像認識処理s2は終了する。
【0089】
<不正行為予兆判断処理>
次に、図13は、不正行為予兆判断処理s3の一例を説明するフロー図である。
【0090】
まず、予兆行為判断部414は、操作者が現在行っている全ての予兆行為を特定する(s301)。具体的には、予兆行為判断部414は、予兆行為管理テーブル460を参照し、検出時間累計465が0でないレコードを全て特定する。
【0091】
予兆行為判断部414は、操作者の予兆行為を特定できなかった場合には(s301:NO)、不正行為予兆判断処理s3を終了する。一方、予兆行為判断部414は、操作者の予兆行為を特定できた場合には(s301:YES)、以下の処理を実行する。
【0092】
すなわち、予兆行為判断部414は、特定した全ての予兆行為の不正行為度の合計値を算出し、不正行為度変数455にその合計値を設定する(s302)。
【0093】
具体的には、予兆行為判断部414は、s301で特定した各予兆行為に係るレコードの検出時間累計465の値が、同レコードの時間係数464が示す条件を満たしていれば、その予兆行為に関する時間係数を1に設定し、s301で特定した検出時間累計465の値が、同レコードの時間係数464が示す条件を満たしてなければ、当該予兆行為の時間係数を0に設定する。そして、予兆行為判断部414は、当該予兆行為についての不正行為度を、時間係数の値と、同レコードの重み付け463が示す値との積により算出する。最後に、予兆行為判断部414は、算出した各予兆行為の不正行為度を合計して不正行為度変数455に設定する。以上で不正行為予兆判断処理s3は終了する
【0094】
<全体コントロール処理>
次に、図14-17は、全体コントロール処理の詳細を説明するフロー図である(紙面の都合上、複数の図面に分けている)。
【0095】
全体コントロール部413は、再鑑者音声変数452が、操作者の作業の禁止命令の解除を示しているか否かを判定する(s401)。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者音声変数452が「操作ロック解除」であるか否かを判定する。
【0096】
再鑑者音声変数452が、操作者の作業の禁止命令の解除を示していない場合は(s401:NO)、全体コントロール部413は、s408の処理を実行し、再鑑者音声変数452が、操作者の作業の禁止命令の解除を示している場合は(s401:YES)、全体コントロール部413は、以下の処理を実行する。
【0097】
すなわち、全体コントロール部413は、操作ロック指示変数456に、操作者の作業の禁止命令の解除を示すデータ(例えば、「操作ロック解除」)を設定する(s402)。
【0098】
また、全体コントロール部413は、各種の変数の値をリセットする(s403~s407)。具体的には、全体コントロール部413は、不正行為度変数455をリセットし(例えば0にする)(s403)、予兆行為管理テーブル460の各レコードの検出時間累計465をリセットし(例えば0にする)(s404)、確認依頼変数457をリセットし(例えば0にする)(s405)、操作画面確認変数458をリセットし(例えば0にする)(s406)、手順書画面確認変数459をリセットする(例えば0にする)(s407)。その後、全体コントロール処理s4は終了する。
【0099】
一方、図15に示すs408において全体コントロール部413は、再鑑者音声変数452が、操作者の作業の禁止命令(操作禁止情報)を示しているか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者音声変数452が「操作ロック」であるか否かを判定する。
【0100】
再鑑者の現在の音声が、操作者の作業の禁止命令である場合は(s408:YES)、全体コントロール部413は、s409の処理を実行し、再鑑者の現在の音声が、操作者の作業の禁止命令でない場合は(s408:NO)、全体コントロール部413は、s413の処理を実行する。
【0101】
s413において全体コントロール部413は、再鑑空間に現在再鑑者がいないか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者有無変数453が「いない」であるか否かを判定する。
【0102】
再鑑空間に現在再鑑者がいない場合は(s413:YES)、全体コントロール部413は、s409の処理を実行し、再鑑空間に現在再鑑者がいる場合は(s413:NO)、全体コントロール部413は、s414の処理を実行する。
【0103】
s414において全体コントロール部413は、操作者の現在の予兆行為が許容範囲外であるか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、操作者の現在の不正行為度変数455の値が所定値(例えば、1000)以上であるか否かを判定する。
【0104】
操作者の現在の予兆行為が許容範囲外である場合は(s414:YES)、全体コントロール部413は、s409の処理を実行し、操作者の現在の予兆行為が許容範囲内である場合は(s414:NO)、全体コントロール部413は、後述するs413の処理を実行する。
【0105】
s409において全体コントロール部413は、操作ロック指示変数456に、操作者の作業の禁止命令を示すデータ(例えば、「操作ロック」)を設定する。
【0106】
また、全体コントロール部413は、各種の変数の値をリセットする(s410~s412)。具体的には、全体コントロール部413は、確認依頼変数457をリセットし(例えば0にする)(s410)、操作画面確認変数458をリセットし(例えば0にする)(s411)、手順書画面確認変数459をリセットする(例えば0にする)(s412)。その後、全体コントロール処理s4は終了する。
【0107】
一方、図16に示すように、s415において全体コントロール部413は、操作者音声変数451が、操作者から再鑑者への確認依頼を示しているか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、操作者音声変数451が「確認お願いします」であるか否かを判定する。
【0108】
操作者音声変数451が、操作者から再鑑者への確認依頼を示している場合は(s415:YES)、全体コントロール部413は、s417の処理を実行し、操作者音声変数451が、操作者から再鑑者への確認依頼を示していない場合は(s415:NO)、全体コントロール部413は、s416の処理を実行する。
【0109】
s416において全体コントロール部413は、確認依頼変数457が、操作者から再鑑者への確認依頼を示しているか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、確認依頼変数457に「有」が設定されているか否かを判定する。
【0110】
確認依頼変数457が、操作者から再鑑者への確認依頼を示している場合は(s416:YES)、全体コントロール部413は、s419の処理を実行し、確認依頼変数457が、操作者から再鑑者への確認依頼を示していない場合は(s416:NO)、全体コントロール処理s4は終了する。
【0111】
一方、s417において全体コントロール部413は、確認依頼変数457に、操作者から再鑑者への確認依頼があることを示すデータ(例えば、「有」)を設定する。
【0112】
また、全体コントロール部413は、操作ロック指示変数456に、操作者の作業の禁止命令を示すデータ(操作禁止情報)(例えば、「操作ロック」)を設定する(s418)。
【0113】
そして、s419において全体コントロール部413は、再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が操作画面905を見たことを示しているか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者確認画面変数454に、「操作画面」が設定されているか否かを判定する。
【0114】
再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が操作画面905を見たことを示している場合は(s419:YES)、全体コントロール部413は、s420の処理を実行し、再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が操作画面905を見たことを示していない場合は(s419:NO)、全体コントロール部413は、s421の処理を実行する。
【0115】
s420において全体コントロール部413は、再鑑者が操作画面905を見たことを記憶する。例えば、全体コントロール部413は、操作画面確認変数458に「有」を設定する。その後はs421の処理が行われる。
【0116】
s421において全体コントロール部413は、再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が手順書表示欄904を見たことを示している否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者確認画面変数454に、「手順書画面」が設定されているか否かを判定する。
【0117】
再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が手順書表示欄904を見たことを示している場合は(s421:YES)、全体コントロール部413は、s422の処理を実行し、再鑑者確認画面変数454が、再鑑者が手順書表示欄904を見たことを示していない場合は(s421:NO)、全体コントロール部413は、s423の処理を実行する。
【0118】
s422において全体コントロール部413は、再鑑者が手順書表示欄904を見たことを記憶する。例えば、全体コントロール部413は、手順書画面確認変数459に「有」を設定する。その後はs423の処理が行われる。
【0119】
次に、図17のs423に示すように、全体コントロール部413は、再鑑者音声変数
452が、再鑑者が操作者からの確認依頼に対する確認を完了したことを示しているか否かを判定する。例えば、全体コントロール部413は、再鑑者音声変数452が「確認OK」であるか否かを判定する。
【0120】
再鑑者音声変数452が、再鑑者が操作者からの確認依頼に対する確認を完了したことを示していない場合は(s423:NO)、全体コントロール処理s4は終了する。一方、再鑑者音声変数452が、再鑑者が操作者からの確認依頼に対する確認を完了したことを示している場合は(s423:YES)、全体コントロール部413は、操作画面確認変数458が、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見たことを示しているか否かを判定する(s424)。例えば、全体コントロール部413は、操作画面確認変数458が「有」であるか否かを判定する。
【0121】
操作画面確認変数458が、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見たことを示していなかった場合は(s424:NO)、全体コントロール処理s4は終了する。一方、操作画面確認変数458が、再鑑者が再鑑者システム30の操作画面905を見たことを示している場合は(s424:YES)、全体コントロール部413は、手順書画面確認変数459が、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見たことを示している否かを判定する(s425)。例えば、全体コントロール部413は、手順書画面確認変数459が「有」であるか否かを判定する。
【0122】
手順書画面確認変数459が、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見たことを示していない場合は(s425:NO)、全体コントロール処理s4は終了する。一方、手順書画面確認変数459が、再鑑者が再鑑者システム30の手順書表示欄904を見たことを示している場合は(s425:YES)、全体コントロール部413は、以下の処理を実行する。
【0123】
すなわち、全体コントロール部413は、操作ロック指示変数456に、操作者の作業の禁止命令の解除を示すデータ(例えば、「操作ロック解除」)を設定する(s426)。
【0124】
また、全体コントロール部413は、各種の変数の値をリセットする(s427~s429)。具体的には、全体コントロール部413は、確認依頼変数457をリセットし(例えば0にする)(s427)、操作画面確認変数458をリセットし(例えば0にする)(s428)、手順書画面確認変数459をリセットする(例えば0にする)(s429)。以上で全体コントロール処理s4は終了する。
【0125】
なお、本処理では、全体コントロール部413は、再鑑者が手順書表示欄904及び操作画面905の両方を見たと判断した場合に、操作者への操作ロックを解除するものとしたが、他の条件を設定してもよい。例えば、全体コントロール部413は、手順書表示欄904又は操作画面905を所定時間以上連続して見た場合、手順書表示欄904及び操作画面905を交互に見た場合、又は、手順書表示欄904又は操作画面905を所定回数以上見た場合に、操作者への操作ロックを解除するとしてもよい。
【0126】
<操作コントロール処理>
次に、図18は、操作コントロール処理s5の詳細を説明するフロー図である。
操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456に操作禁止情報が設定されているか否かを判定する(s501)。例えば、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456が「操作ロック」であるか否かを判定する。
【0127】
操作ロック指示変数456に操作禁止情報が設定されていない場合は(s501:NO
)、操作コントロール部415は、s504の処理を行う。一方、操作ロック指示変数456に操作禁止情報が設定されている場合は(s501:YES)、操作コントロール部415は、以下の処理を行う。
【0128】
すなわち、操作コントロール部415は、操作者による操作対象サーバ20へのアクセスを禁止することで、操作ロックを行う(s502)。例えば、操作コントロール部415は、操作対象サーバ20の所定のプログラムに、操作者(操作者システム10)によるアクセスを禁止する情報を送信する。なお、操作コントロール部415は、操作対象サーバ20そのものに対する操作者(操作者システム10)によるアクセスを禁止してもよい。
【0129】
なお、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456をリセットする(s503)。例えば、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456に「指示なし」を設定する。その後はs504の処理が行われる。
【0130】
s504において操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456に操作許可情報が設定されているか否かを判定する。例えば、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456が「操作ロック解除」であるか否かを判定する。
【0131】
操作ロック指示変数456に操作許可情報が設定されていない場合は(s504:NO)、操作コントロール処理s5は終了する。一方、操作ロック指示変数456に操作許可情報が設定されている場合は(s504:YES)、操作コントロール部415は、以下の処理を行う。
【0132】
すなわち、操作コントロール部415は、操作者による操作対象サーバ20へのアクセスを許可することで、操作ロック解除を行う(s505)。例えば、操作コントロール部415は、操作対象サーバ20の所定のプログラムに、操作者(操作者システム10)によるアクセスを許可する情報を送信する。なお、操作コントロール部415は、操作対象サーバ20そのものに対する操作者(操作者システム10)によるアクセスを許可してもよい。
【0133】
なお、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456をリセットする(s506)。例えば、操作コントロール部415は、操作ロック指示変数456に「指示なし」を設定する。その後、操作コントロール処理s5は終了する。
【0134】
なお、このように、本実施形態の確認業務支援装置40は、操作対象サーバ20に操作許可情報又は操作禁止情報を設定することで操作者システム10から操作対象サーバ20への操作のコントロールを行うものとしたが、操作者システム10に情報を設定することで操作者システム10からの操作のコントロールを行うようにしてもよい。例えば、確認業務支援装置40は、操作者システム10に所定の指示情報又は禁止情報を送信することで、操作者システム10の操作入力装置15(例えば、キーボード、マウス)の動作を可能又は不能とするようにしてもよい。
【0135】
<画面コントロール処理>
図19は、画面コントロール処理s6の詳細を説明するフロー図である。
【0136】
画面コントロール部416は、現在の不正行為度が低いか否かを判定する(s601)。例えば、操作コントロール部415は、不正行為度変数455の値が100未満であるか否かを判定する。
【0137】
現在の不正行為度が低くない場合は(s601:NO)、画面コントロール部416はs603の処理を実行し、現在の不正行為度が低い場合は(s601:YES)、画面コントロール部416は以下の処理を実行する。
【0138】
すなわち、操作コントロール部415は、再鑑者システム30の再鑑管理画面900の警告表示欄906を青色で表示する(s602)。その後はs603の処理が行われる。
【0139】
画面コントロール部416は、現在の不正行為度が中程度か否かを判定する(s603)。例えば、画面コントロール部416は、不正行為度変数455の値が100以上500未満の範囲であるか否かを判定する。
【0140】
現在の不正行為度が中程度でない場合は(s603:NO)、画面コントロール部416はs605の処理を実行し、現在の不正行為度が中程度である場合は(s604:YES)、画面コントロール部416は以下の処理を実行する。
【0141】
すなわち、画面コントロール部416は、再鑑者システム30の再鑑管理画面900の警告表示欄906を黄色で表示する(s604)。その後はs605の処理が行われる。
【0142】
画面コントロール部416は、現在の不正行為度が高いか否かを判定する(s605)。例えば、画面コントロール部416は、不正行為度変数455の値が500以上であるか否かを判定する。
【0143】
現在の不正行為度が高くない場合は(s605:NO)、画面コントロール処理s6は終了し、現在の不正行為度が高い場合は(s605:YES)、画面コントロール部416は以下の処理を実行する。
【0144】
すなわち、画面コントロール部416は、再鑑者システム30の再鑑管理画面900の警告表示欄906を赤色で表示する(s606)。その後、画面コントロール処理s6は終了する。
【0145】
なお、本処理では、画面コントロール部416は、現在の不正行為度によって表示色を変えるものとしたが、その他の処理、例えば不正行為度の高さを示すメッセージを表示する、音声を出力する、又は所定の画像を表示する等の処理を行ってもよい。
【0146】
また、本処理では、画面コントロール部416は、再鑑者システム30の再鑑管理画面900に対して画面表示を行うものとしたが、画面コントロール部416は、再鑑者システム30以外の装置(例えば、確認業務支援装置40)に画面表示を行ってもよい。
【0147】
以上のように、本実施形態の確認業務支援システム1において、確認業務支援装置(確認業務支援装置40)は、(1)再鑑空間画像に再鑑者が写っていないと判定した場合には、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を禁止するための情報(操作禁止情報)を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定し、(2)操作者の音声が「確認お願いします」等の再鑑者への確認依頼の音声である場合には、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を禁止するための情報(操作禁止情報)を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定し、(3)再鑑者の音声が「確認OK」等の確認完了の音声である場合において、再鑑者画像が、再鑑者が必要な画面(操作画面905及び手順書表示欄904)を確認したことを示している場合にのみ、操作者システム10から操作対象サーバ20への操作を許可するための情報(操作許可情報)を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0148】
このように、画像及び音声を用いて、(1)再鑑者の準備が整っていなければ操作者が操作を開始できないようにし、(2)操作者の操作が終了して再鑑者が確認(再鑑)を行うタイミングでは操作者が操作を行えないようにし、(3)再鑑者が確認(再鑑)の終了を宣言した場合には再鑑者が必要な画面を見ていた場合のみ、操作者が他の操作(次の操作)を行えるようにする。
【0149】
これにより、関係者(操作者及び再鑑者)が互いに異なる場所にいる場合であっても確実かつ適切に確認業務作業をすることができるようになる。
【0150】
また、本実施形態の確認業務支援装置は、操作空間画像及び予兆行為管理テーブル460に基づき、操作者が不正行為の予兆行為を行っているか否かを判定し、操作者が不正行為の予兆行為を行っていると判定した場合には、再鑑管理画面900に警告表示を行い、又は、操作禁止情報を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0151】
これにより、操作者による行為に基づく不正な業務の発生を未然に防止することができる。
【0152】
さらに、本実施形態の確認業務支援装置は、操作空間画像及び予兆行為管理テーブル460に基づき、操作者が予兆行為を継続時間以上続けているか否かを判定し、操作者が予兆行為を継続時間以上続けていると判定した場合に、予兆行為の不正行為度を算出し、算出した不正行為度に応じて、再鑑管理画面900に警告表示を行い、又は、操作禁止情報を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0153】
これにより、不正な業務を発生させる蓋然性の高い行為(予兆行為)のみに基づき、不正な業務の発生を未然に防止することができる。
【0154】
さらに、本実施形態の確認業務支援装置は、算出した不正行為度が所定範囲内にある場合には、その不正行為度に応じた種類の情報(例えば、表示色を変えた警告)を表示し、不正行為度が所定範囲より高い場合には、操作禁止情報を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0155】
このように、不正行為の程度に応じて、情報表示に留めるか、もしくは操作者の操作を禁止するかを異ならせることで、操作者の行為内容に応じた適切な業務コントロールを行うことができる。
【0156】
また、本実施形態の確認業務支援装置は、操作禁止情報が操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定されている場合において、再鑑者システム30から、再鑑者の新たな音声を受信した場合、再鑑者の新たな音声が、操作者システムから操作対象サーバ20に対する処理を許可する旨を示す音声であると判定した場合にのみ、操作許可情報を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0157】
このように、再鑑者が、事情に応じて操作者の業務を許可できるようにすることで、適切な業務コントロールができるようになる。例えば、再鑑者は、操作者の行為が不正なものでないことが判明した場合に、操作者に業務を継続させることができる。
【0158】
また、本実施形態の確認業務支援装置は、再鑑者の音声が、操作者システム10から操作対象サーバ20に対する処理を禁止する旨の音声であると判定した場合に、操作者システム10から操作対象サーバ20に対する処理を禁止する情報を操作者システム10又は操作対象サーバ20に設定する。
【0159】
これにより、再鑑者は、事情に応じて操作者の業務を禁止できるようにすることで、適切な業務コントロールができるようになる。例えば、再鑑者は、操作者の行為が不正なものであると判断した場合に、操作者に業務を禁止させることができる。
【0160】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意の構成要素を用いて実施可能である。以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0161】
例えば、本実施形態の各装置が備えるハードウェアの一部は、他の装置に設けてもよい。例えば、操作者システム10における処理装置11、主記憶装置12、補助記憶装置13、通信装置14、操作入力装置15、音声入力装置16、第2撮影装置18、及び出力装置19は同一の情報処理装置(例えば、ノートパソコン)として構成し、第1撮影装置17は操作空間に設置した監視カメラとしてもよい。
【0162】
また、本実施形態の各装置が備える各機能部の一部は他の装置に設けてもよいし、別装置が備える機能部を同一の装置に設けてもよい。
【0163】
また、本実施形態では操作者及び再鑑者がそれぞれ1人ずつであったが、いずれか一方又は双方が複数人であってもよい。例えば、1人の操作者による業務を複数の再鑑者(再鑑者システム30)によって再鑑してもよい。
【符号の説明】
【0164】
1 確認業務支援システム
10 操作者システム
20 操作対象サーバ
30 再鑑者システム
40 確認業務支援装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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