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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167715
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20231116BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1334
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079104
(22)【出願日】2022-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河合 謙太朗
(72)【発明者】
【氏名】大森 優二
(72)【発明者】
【氏名】大植 善英
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
【Fターム(参考)】
2H092GA33
2H092JA24
2H092JA25
2H092JA26
2H092JA28
2H092JA34
2H092JB22
2H092JB26
2H092JB31
2H092JB35
2H092JB52
2H092NA02
2H092PA09
2H189AA04
2H189HA16
2H189LA08
2H189LA10
2H189LA15
(57)【要約】
【課題】表示装置の表示領域及び非表示領域との境界のシームレス化を図る。
【解決手段】表示装置は、画素を含む表示領域と、表示領域を囲み、周辺回路を含む周辺領域と、を有する第1基板と、第1基板と向かい合うように設けられた第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層と、を有し、第1基板の周辺回路において、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数のゲート配線と、第1方向と交差する第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、を有し、第2基板は、表示領域及び周辺回路と向かい合う位置に、格子領域を有するブラックマトリクスを有し、ブラックマトリクスの格子領域は、前記周辺回路の複数のゲート配線及び複数の信号線と重なるように配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲み、周辺回路を含む周辺領域と、を有する第1基板と、
前記第1基板と向かい合うように設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、を有し、
前記第1基板の前記周辺回路において、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数のゲート配線と、前記第1方向と交差する第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、を有し、
前記第2基板は、前記表示領域及び前記周辺回路と向かい合う位置に、格子領域を有するブラックマトリクスを有し、
前記ブラックマトリクスの格子領域は、前記周辺回路の前記複数のゲート配線及び前記複数の信号線と重なるように配置される、表示装置。
【請求項2】
前記複数のゲート配線及び前記複数の信号線と重なる格子領域を有する平坦化膜をさらに有し、
前記平坦化膜の格子領域は、前記ブラックマトリクスの格子領域と重なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記平坦化膜の上に設けられた透明導電層と、
前記透明導電層の上に、前記複数のゲート配線及び前記複数の信号線と重なる格子領域を有する導電層と、をさらに有し、
前記透明導電層の格子領域及び前記導電層の格子領域は、前記ブラックマトリクスの格子領域と重なる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記周辺領域において、前記ブラックマトリクスの格子領域における格子の線幅は、前記複数のゲート配線各々の線幅よりも大きく、前記複数の信号線各々の線幅よりも大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記周辺回路は、第1トランジスタ及び第2トランジスタをさらに有し、
前記複数のゲート配線は、第1ゲート配線及び第2ゲート配線を有し、
前記複数の信号線は、第1信号線乃至第3信号線を有し、
前記第1信号線が前記第1トランジスタのゲートと電気的に接続され、前記第2信号線が前記第1トランジスタのソースと電気的に接続され、前記第1ゲート配線が前記第1トランジスタのドレインと電気的に接続され、
前記第1信号線が前記第2トランジスタのゲートと電気的に接続され、前記第3信号線は、前記第2トランジスタのソースと電気的に接続され、前記第2ゲート配線が、前記第2トランジスタのドレインと電気的に接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ブラックマトリクスの格子領域における格子の第1直線部は、前記第1トランジスタと重なり、
前記ブラックマトリクスの格子領域における格子の第2直線部は、前記第2トランジスタと重なる、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタは、前記第1直線部に覆われ、
前記第2トランジスタは、前記第2直線部に覆われる、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1直線部は、前記第2直線部と平行である、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2直線部は、前記第2直線部と交差する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
前記周辺回路は、少なくとも一つのショートリングをさらに有し、
前記複数のゲート配線は、第3ゲート配線を有し、
前記ショートリングは、第3トランジスタ及び第4トランジスタを有し、
前記複数の信号線は、第4信号線を有し、
前記第3トランジスタのソース及びドレインは、前記第4トランジスタのソース及びドレインと互いに電気的に接続され、
前記第3トランジスタのソース及びドレインの一方及びゲートは、前記第3ゲート配線と電気的に接続され、
前記第3トランジスタのソース及びドレインの他方は、前記第4信号線と電気的に接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのショートリングは、前記第2方向に沿って配置され、
前記少なくとも一つのショートリングは、前記ブラックマトリクスの格子領域における格子の第3直線部に覆われる、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ブラックマトリクスの格子領域は、第1格子領域及び第2格子領域を含み、
前記第1格子領域における格子の直線部の長さは、前記第2格子領域における格子の直線部の長さよりも長い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1基板に対向して設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、
前記第1基板の側面又は前記第2基板との側面に光が入るように配置される光源と、をさらに有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記液晶層は、高分子分散型液晶であり、
前記高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、前記表示領域において画像を表示し、
前記高分子分散型液晶が非散乱状態にあるとき、前記表示領域において、前記第1基板から前記第2基板の背景が視認され、前記第2基板から前記第1基板の背景が視認される、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一方の面から、反対側の他方の面の背景を視認可能な透明ディスプレイの開発が進んでいる(特許文献1参照)。透明ディスプレイでは、アレイ基板側に設けられる表示領域とゲート配線領域との間には、各種検査回路及び各種配線が配置されている。対向基板側に設けられるブラックマトリクスは、表示領域のみに形成されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160254号公報
【特許文献2】特開2021-92702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示領域にブラックマトリクスが設けられることで、表示領域における配線などによる光の反射は抑制される。一方で、周辺領域(非表示領域)においては、背景を視認可能にするために、ブラックマトリクスによって覆われていない。ブラックマトリクスによって覆われていない各種検査回路は、配線などの光の反射は抑制されない。アレイ基板に設けられた各種検査回路の再表面に設けられた材料と、対向基板に設けられたブラックマトリクスの材料とは異なっている。そのため、対向基板側から視認した場合、材質の違いによって色味が変わってしまう。
【0005】
また、通常のバックライトを有する液晶ディスプレイのように、表示領域を格子形状に形成し、周辺領域(非表示領域)においては周辺領域の全面をベタにブラックマトリクスを形成することも考えられるが、透明ディスプレイとしてもいる場合においては額縁が遮光領域となってしまい、その意匠性を阻害する可能性があり、透明ディスプレイとしては周辺領域においても表示領域同様に透明であることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の一実施形態では、表示装置の表示領域及び非表示領域との境界のシームレス化を図ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、画素を含む表示領域と、表示領域を囲み、周辺回路を含む周辺領域と、を有する第1基板と、第1基板と向かい合うように設けられた第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられた液晶層と、を有し、第1基板の周辺回路において、第1方向に間隔をおいて並ぶ複数のゲート配線と、第1方向と交差する第2方向に間隔をおいて並ぶ複数の信号線と、を有し、第2基板は、表示領域及び周辺回路と向かい合う位置に、格子領域を有するブラックマトリクスを有し、ブラックマトリクスの格子領域は、周辺回路の複数のゲート配線及び複数の信号線と重なるように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を説明する斜視図である。
図2図1に示す表示装置のV1-V2間に対応する構造を示す断面模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の第1基板の構成を説明する平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の第2基板の構成を説明する平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
図6】第2基板に設けられたブラックマトリクスの平面レイアウトである。
図7】第1基板に設けられた画素、ゲート検査回路、ショートリング、コモン配線、及びゲート配線を拡大した図である。
図8】第1基板に設けられた画素、ゲート検査回路、ショートリング、コモン配線、及びゲート配線の上に設けられた平坦化膜を拡大した図である。
図9】第1基板に設けられた画素、ゲート検査回路、ショートリング、コモン配線、及びゲート配線の上に設けられた透明導電層及び第4導電層を拡大した図である。
図10】周辺領域に設けられたゲート検査回路の回路図である。
図11】ゲート検査回路の平面レイアウトである。
図12図11に示すゲート検査回路における領域の拡大図である。
図13図11に示すゲート検査回路を含む領域の平面レイアウトである。
図14】周辺領域に設けられたショートリングの回路図である。
図15】ショートリングの平面レイアウトである。
図16図15に示すショートリングにおける領域の拡大図である。
図17図15に示すショートリングを含む領域の平面レイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面に関して、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて各部の幅、厚さ、形状等を模式的に表す場合があるが、それら模式的な図は一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。さらに、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同一又は類似の要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。なお、本明細書等において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与するためのものであり、優先順位や順番を示すものではない。
【0010】
本発明において、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。また、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、本明細書等において、-1、-2等と区別して記載する場合がある。
【0011】
なお、本明細書等において、「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。本明細書等では、側面視において、後述する第1基板から画素電極に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
また、本明細書等において、ボトムゲート駆動とは、半導体層の下方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書等において、トップゲート駆動とは、半導体層の上方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書において、デュアルゲート駆動とは、半導体層の上下に配置されたゲート電極に、同じ制御信号を入力することによって、オンオフが制御されるものである。
【0013】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る表示装置10について、図1図17を参照して説明する。
【0014】
<表示装置の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の斜視図を示す。表示装置10は、アレイ基板150、対向基板152、及びアレイ基板150と対向基板152との間の液晶層(図示されず)と、ゲート駆動回路28と、ソース駆動回路38と、を含む表示パネル102と、光源104と、表示パネル102を挟む第1透明基板151A及び第2透明基板151Bと、を含む。図1を参照する以下の説明において、表示パネル102における平面の一方向をD1方向とし、D1方向と直交する方向をD2方向とし、D1-D2平面に直交する方向をD3方向とする。
【0015】
アレイ基板150及び対向基板152は透光性を有する。アレイ基板150及び対向基板152は、好ましくは可視光に対して透明である。対向基板152は、アレイ基板150に対向するようにD3方向に配置される。アレイ基板150と対向基板152とは間隙を有して対向配置された状態で、シール材154によって貼り合わされている。アレイ基板150と対向基板152との間の間隙には、図示されない液晶層が設けられている。
【0016】
表示パネル102は、表示領域12と、表示領域12の外側の周辺領域14とを有する。表示領域12には、複数の画素PIXが行方向及び列方向に配置されている。ここで、行方向とはD1方向に平行な方向を指し、列方向とはD2方向に平行な方向を指すものとする。表示領域12には、行方向にm個の画素が配列され、列方向にはn個の画素が配列される。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて適宜設定される。表示領域12には、D1方向にゲート配線(走査信号線ともいう)が配設され、D2方向にソース配線(データ信号線ともいう)が配設される。
【0017】
アレイ基板150の周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が設けられる。図1は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が、集積回路(IC)で提供され、アレイ基板150にCOG(Chip on Glass)方式で実装される態様を示す。ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38は、図示される態様に限定されず、COF(Chip on Film)方式で実装されてもよいし、アレイ基板150の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)によって形成されてもよい。
【0018】
周辺領域14には、第1配線パターン118、第2配線パターン120、及び第3配線パターン122が配設される。第1配線パターン118は、ゲート駆動回路28と表示領域12に配設されるゲート配線GLとを接続する配線により形成されるパターンである。第2配線パターン120は、コモン配線により形成されるパターンである。第2配線パターン120は、回路的には、対向基板152に設けられるコモン電極218(図5参照)にコモン電圧を印加する配線として用いられる。第3配線パターン122は、ソース駆動回路38と表示領域12に配設されるデータ信号線109とを接続する配線により形成されるパターンである。
【0019】
光源104は、D1方向に沿った構造を有する。光源104は、例えば、D1方向に沿って配列された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)により構成される。光源104の詳細な構造に限定はなく、D1方向に配列される発光ダイオードに加え、反射板、拡散板、レンズなどの光学部材が含まれてもよい。光源104及び光源104を制御する発光制御回路110は表示パネル102と独立した別部材として設けられていてもよく、また、光源104は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38と同期する発光制御回路110により発光のタイミングが制御されるものであってもよい。光源104を制御する発光制御回路110は、表示パネル102とは別に光源104と同じく別部材として設けられていてもよく、個別部品としてアレイ基板150に実装されてもよいし、ゲート駆動回路28又はソース駆動回路38に組み込まれていてもよい。
【0020】
第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示領域12及び周辺領域14を挟むように設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示パネル102の保護部材としての機能を有する。また、図2を参照して説明されるように、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは光源104から出射された光を表示パネル102に導入する導光板としての機能を有する。
【0021】
図2は、図1に示すV1-V2間に対応する表示装置10の断面構造を示す。図2に示すように、表示パネル102のアレイ基板150側に第1透明基板151Aが設けられ、対向基板152側に第2透明基板151Bが設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、ガラス基板、又はプラスチック基板が用いられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、アレイ基板150及び対向基板152と同等の屈折率を有していることが好ましい。アレイ基板150と第1透明基板151A、及び対向基板152と第2透明基板151Bとは、図示されない透明接着剤で接着される。
【0022】
表示パネル102は、アレイ基板150と、対向基板152とが対向するように配置され、その間に液晶層210が設けられる。アレイ基板150は対向基板152より大きく、周辺領域14の一部が対向基板152から露出するような大きさを有する。アレイ基板150には、駆動回路(図2では、ソース駆動回路38)が実装される。また、アレイ基板150の周縁部には、フレキシブル配線基板124が取り付けられる。
【0023】
光源104は、第1透明基板151A又は第2透明基板151Bの一つの側面に隣接するように配置される。図2は、光源104が第2透明基板151Bの一つの側面に沿って配置された構成を示す。また、図2は、光源104が第1基板150に取り付けられた構成を示すが、光源104を配置する構成に限定はなく、取り付け位置を固定できるものであれば取り付け構造に限定はない。光源104は、例えば、表示パネル102を囲む筐体によって支持されてもよい。
【0024】
図2に示すように、光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cに沿って配置される。図2に示すように、光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cへ光Lを照射する。光源104は、第1側面15Cに向けて光Lを出射することからサイド光源と呼ばれることもある。光源104に対向する第2透明基板151Bの第1側面15Cは光入射面となる。
【0025】
図2に模式的に示すように、第2透明基板151Bの第1側面15Cから入射した光Lは、対向基板152の第2平面15B、アレイ基板150の第1平面15Aで反射しながら、第1側面15Cから遠ざかる方向(D2方向)へ伝搬する。アレイ基板150の第1平面15A及び対向基板152の第2平面15Bから外部へ光Lが向かうと、屈折率の大きな媒質から屈折率の小さな媒質へ進むことになる。このとき、第1平面15A及び第2平面15Bへ入射する光Lの入射角が臨界角よりも大きければ、全反射することになり、第1平面15A及び第2平面15Bで反射しながらD2方向へ導光する。
【0026】
液晶層210は、高分子分散型液晶で形成される。高分子分散型液晶で形成される液晶層210は、画素PIX(図1参照)ごとに散乱状態と非散乱状態が制御される。図2に示すように、第1平面15A及び第2平面15Bで反射しながら伝搬する光Lは、液晶層210が散乱状態となっている画素があると、少なくとも一部の光が散乱され、散乱光の入射角が臨界角よりも小さな角度となって、散乱光LA、LBがそれぞれ第1平面15A及び第2平面15Bから外部に出射され、出射された散乱光LA、LBは、観察者に観察される。表示パネル102において、散乱光LA、LBが出射される以外の領域は、アレイ基板150及び対向基板152、並びに第1透明基板151A及び第2透明基板151Bが透光性を有し(可視光に対して透明であり)、液晶層210が非散乱状態であるため実質的に透明であり、観察者は表示パネル102を通して背面側を視認することができる。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置10のアレイ基板150の構成を説明する平面図である。図3に示すように、アレイ基板150は、表示領域12及び周辺領域14を含む。
【0028】
表示領域12は、マトリクス状に配列された複数の画素PIXを有する。複数の画素PIXの各々は、複数のトランジスタ及び液晶素子を有する。
【0029】
周辺領域14は、表示領域12を囲むように設けられる。なお、周辺領域14とは、アレイ基板150において、表示領域12からアレイ基板150の端部までの領域をいう。言い換えると、周辺領域14は、アレイ基板150上で表示領域12が設けられる以外の領域(すなわち、表示領域12の外側の領域)をいうものとする。
【0030】
周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38の他に、ゲート配線領域32、ソース配線領域42、コモン配線16、18、端子部26、36、フレキシブルプリント回路24、34及び各種検査回路が設けられている。端子部26、36は、アレイ基板150の一辺に沿って配置されている。
【0031】
端子部26には、フレキシブルプリント回路24が接続されている。フレキシブルプリント回路24は、ゲート駆動回路28、コモン配線16、18、ESD用保護回路59(ショートリングSRを含む)、QDパッド56に各種信号を供給する。ゲート駆動回路28は、複数のゲート配線GLと接続されており、複数のゲート配線GLの各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。図3では、複数のゲート配線GLが設けられた領域をゲート配線領域32として表しており、複数のゲート配線GLの詳細な配置については図示を省略している。2つのゲート駆動回路28と接続されるゲート配線GLの本数は、表示領域12における画素PIXの行の数に相当する。なお、図3において、ゲート配線領域32は、表示領域12と離間して設けられている様子を示すが、実際にはゲート配線GLと画素PIXとは電気的に接続されている。
【0032】
端子部36には、フレキシブルプリント回路34が接続されている。フレキシブルプリント回路34は、ソース駆動回路38に映像信号を供給する。ソース駆動回路38は、複数のソース配線SLと接続されており、複数のソース配線SLの各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。図3では、複数のソース配線SLが設けられた領域を、ソース配線領域42として表しており、複数のソース配線SLの詳細な配置については図示を省略している。なお、図3において、ソース配線領域42は、表示領域12と離間して設けられている様子を示すが、実際にはソース配線SLと画素PIXとは電気的に接続されている。
【0033】
ゲート配線領域32と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ゲート検査回路48、及び検査ライン54が設けられている。ソース配線領域42と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ソース検査回路52及び検査ライン54が設けられている。検査ライン54は、ESD用保護回路58と、QDパッド56と接続されている。また、コモン配線18は、ESD用保護回路59と接続されている。なお、本明細書等において、周辺領域14に設けられたゲート検査回路48、ソース検査回路52、検査ライン54、及びESD用保護回路46等を周辺回路と呼ぶ。
【0034】
コモン配線16は、アレイ基板150における周辺領域14を囲むように設けられており、2つのフレキシブルプリント回路24から信号が供給される。また、コモン配線16は、格子状のコモン配線22と電気的に接続されている。アレイ基板150の四隅において、コモン配線16に接続部17が設けられている。接続部17によって、アレイ基板150のコモン配線16と、対向基板152の全面に設けられるコモン電極とが接続される。
【0035】
表示装置10は、透明ディスプレイのような高速駆動パネルや、大型高精細パネルに適用することができる。ここで、透明ディスプレイとは、アレイ基板150側からパネルを視認したときに、表示画像を重ねて対向基板152側の背景を視認することができ、対向基板152側からパネルを視認したときに、表示画像を重ねてアレイ基板150側の背景を視認することができるディスプレイである。
【0036】
透明ディスプレイでは、アレイ基板側に設けられる表示領域とゲート配線領域との間には、周辺回路が配置されている。特許文献2で示すような対向基板側に設けられるブラックマトリクスは、表示領域のみに形成されている。表示領域にブラックマトリクスが設けられることで、表示領域における配線などによる光の反射は抑制される。一方で、周辺領域(非表示領域)においては、背景を視認可能にするために、ブラックマトリクスによって覆われていない。ブラックマトリクスによって覆われていない周辺回路は、配線などの光の反射は抑制されない。アレイ基板に設けられた周辺回路の再表面に設けられた材料と、対向基板に設けられたブラックマトリクスの材料とは異なっている。そのため、対向基板側から視認した場合、材質の違いによって色味が変わってしまう。また、周辺回路の配線密度は、表示領域における配線密度よりも高い。これにより、透明ディスプレイにおいて周辺回路の領域が目立ってしまう。
【0037】
そこで、本発明の一実施形態に係る表示装置10では、表示領域及び非表示領域との境界のシームレス化を図ることを目的の一つとする。具体的には、表示領域12における配線密度と、周辺回路(各種検査回路及び保護回路)の配線密度とを同程度とし、周辺回路を、表示領域と同様の格子状のブラックマトリクスで覆う。また、周辺回路を格子状のブラックマトリクスBMと重なるように設ける。これにより、周辺領域14の透明度を表示領域12と同等に高めることができる。
【0038】
次に、対向基板152側からパネルを視認した場合のブラックマトリクスBMの構成について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の対向基板152の構成を説明する平面図である。図4に示すように、対向基板152は、ブラックマトリクスBMが格子状に配置されている。
【0039】
ブラックマトリクスBMは、第1格子領域210及び第2格子領域220を有する。格子領域とは、互いに異なる方向に延在する2つの平行な直線群が交差することによって形成された領域である。また、格子領域において、互いに異なる方向に延在する2つの直線の交点を、格子点と呼ぶ。また、格子領域における隣接する2つの格子点の間を直線部と呼ぶ。第1格子領域210は、アレイ基板150における表示領域12及び各種検査回路及びコモン配線18と重畳する領域である。第2格子領域220は、ゲート配線領域32及びコモン配線22と重畳する領域である。
【0040】
図4において、ブラックマトリクスBMにおける第1格子領域210は、ESD用保護回路46、ゲート検査回路48、検査ライン54、及びコモン配線18と重畳しており、ソース検査回路52及びESD用保護回路46と重畳していない例を示すが、この構成に限定されない。第1格子領域210は、ソース検査回路52及びESD用保護回路46と重畳していてもよい。
【0041】
<画素の断面構造>
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置10における画素PIXの断面図である。
【0042】
図5に示すように、アレイ基板150の上に、トランジスタTrが設けられている。トランジスタTrは、アレイ基板150の上に設けられた第1導電層202-1と、第1導電層202-1と対向して設けられた酸化物半導体層204-1と、第1導電層202-1と酸化物半導体層204-1との間に設けられたゲート絶縁膜203と、酸化物半導体層204-1の上に設けられた第2導電層206-3及び第2導電層206-4と、を有する。ここで、第1導電層202-1は、ゲート配線GL(ゲート電極)として機能し、第2導電層206-4はソース配線SL(ソース電極)として機能する。
【0043】
トランジスタTrの上には絶縁膜205が設けられている。また、絶縁膜205の上において、酸化物半導体層204-1と対向する位置に第3導電層208-1が設けられている。第3導電層208-1は、バックゲート電極として機能する。本実施形態では、トランジスタTrをボトムゲート駆動のトランジスタであるとして説明するが、これに限定されず、トップゲート駆動のトランジスタであってもよいし、デュアルゲート駆動のトランジスタであってもよい。
【0044】
第3導電層208-1及び絶縁層205の上に、平坦化膜207が設けられている。平坦化膜207は、トランジスタTrを構成する各種配線の凹凸を緩和するために設けられている。表示装置10を、透明ディスプレイに適用する場合、画素PIXの開口領域において、平坦化膜207は除去されることが好ましい。これにより、開口領域において平坦化膜207により光が吸収されてしまうことを抑制することができる。
【0045】
平坦化膜207及び絶縁膜205の上に、透明導電層212が設けられている。透明導電層212の上に、第4導電層214が設けられている。透明導電層212及び第4導電層214は、容量配線として機能する。透明導電層212及び第4導電層214の上に絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209の上に画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は、絶縁膜205、209に設けられた開口を介して第2導電層206-3と接続されている。
【0046】
アレイ基板150と対向するように対向基板152が設けられている。対向基板152には、遮光層119及びコモン電極218が設けられている。遮光層119は、ブラックマトリクスBMとして機能する。図5に示す構造では、遮光層119は、導電層206-4と重なる領域に設けられる。遮光層119は、ゲート配線GL、及びソース配線SL1~ソース配線SL4を覆うように、格子状に配置される。対向電極162は、表示領域112の全面に広がる大きさを有する。遮光層160は、金属膜で形成されていてもよく、透明導電膜で形成される対向電極162に接して設けられることで、補助電極としての機能を有する。アレイ基板150と対向基板152との間には液晶層210が設けられており、封止材220(図1参照)によって封止されている。画素電極216-1と、液晶層210と、コモン電極218とにより、液晶素子LEが構成される。
【0047】
<周辺領域の構成>
次に、周辺領域14における第1格子領域210及び第2格子領域220を拡大した構成を、図6図9を参照して説明する。
【0048】
図6は、対向基板152に設けられたブラックマトリクスBMにおける第1格子領域210及び第2格子領域220を拡大した図である。なお、図6は、対向基板152を、ブラックマトリクスBMが形成されている面とは反対側の面から見た場合の平面図である。図6に示すように、ブラックマトリクスBMにおける第1格子領域210は、表示領域12における画素PIX、周辺領域14におけるゲート検査回路48、ショートリングSG(ESD用保護回路46)、及びコモン配線18と重畳する。第2格子領域220は、ゲート配線領域32と重畳する。
【0049】
第1格子領域210において、D1方向に隣接する2つの格子点P1と格子点P2との距離は、アレイ基板150に設けられるD2方向に延在する隣接する2つの配線の距離に相当する。また、第1格子領域210において、D2方向に隣接する2つの格子点P1と格子点P3との距離は、アレイ基板150に設けられるD1方向に延在する隣接する2つの配線の距離に相当する。第2格子領域220において、D1方向に隣接する2つの格子点P4と格子点P5との距離は、アレイ基板150に設けられるD2方向における2つのゲート配線GLの距離に相当する。また、第2格子領域220において、D2方向に隣接する2つの格子点P4及び格子点P6の距離は、アレイ基板150に設けられるD1方向における2つのゲート配線GLの距離に相当する。
【0050】
第1格子領域210において、D1方向に隣接する2つの格子点P1及び格子点P2の距離は、第2格子領域220の隣接する2つの格子点P4及び格子点P5の距離よりも大きくてもよい。言い換えると、第1格子領域210における格子の第1方向に延在する直線部の長さは、第2格子領域における格子の第1方向に延在する直線部の長さよりも長くてもよい。
【0051】
詳細に図示しないが、表示領域12において、複数のゲート配線GL及び複数のソース配線SLが設けられている。複数のゲート配線GLは、D1方向に延在しており、複数のソース配線SLは、D2方向に延在している。複数のゲート配線GL及び複数のソース配線SLは、表示領域12において格子状に配置されている。複数のゲート配線GL及び複数のソース配線SLは、ブラックマトリクスBMの第1格子領域210と重なるように設けられている。
【0052】
隣接する2つのソース配線SLの距離は、ブラックマトリクスBMの格子領域210におけるD1方向に延在する直線部の長さに相当する。また、隣接する2つのゲート配線GLの距離は、ブラックマトリクスBMの格子領域210にけるD2方向に延在する直線部の長さに相当する。
【0053】
隣接する2つのソース配線SLの距離は、隣接する2つの信号線Sの距離と同じであってもよいし、異なっていてもよい。隣接する2つのソース配線SLの距離と、隣接する2つの信号線Sの距離とが概ね同じであることで、表示領域12における配線密度と、周辺領域14における配線密度を概ね同じできるため、好ましい。換言すると、表示領域12におけるブラックマトリクスBMの密度と、周辺領域14におけるブラックマトリクスBMの密度との差は、10%以下であることが好ましい。例えば、表示領域12におけるブラックマトリクスBMの密度と、第1格子領域210におけるブラックマトリクスBMの密度との差は、10%以下であることが好ましい。ブラックマトリクスBNの直線部の幅は、表示領域12と周辺領域14とにおいて異なる場合がある。例えば、表示領域12におけるD1方向に延在する直線部の幅は、10μm以下であり、D2方向に延在する直線部の幅は、25μm以下、好ましくは10μm以下である。また、周辺領域14におけるD1方向に延在する直線部の幅は、10μm以下であり、D2方向に延在する直線部の幅は、25μm以下、好ましくは10μm以下である。ブラックマトリクスBMの密度は、表示領域12又は周辺領域14において、1mm×1mmの範囲におけるブラックマトリクスBMが占める面積によって求めてもよい。
【0054】
また、第2格子領域220は、アレイ基板150に形成されたゲート配線領域32及びメッシュ状のコモン電極22と重畳する領域である。ゲート配線領域32及びメッシュ状のコモン電極22の配線密度は、ゲート検査回路及びESD用保護回路の配線密度よりも高くてもよい。そのため、第2格子領域220におけるブラックマトリクスBMの密度は、第1格子領域210におけるブラックマトリクスBMの密度よりも高くてもよい。例えば、第1格子領域220におけるブラックマトリクスBMの密度と、第2格子領域220におけるブラックマトリクスBMの密度との差は、10%以内に限定されず、10%を超えてもよい。
【0055】
図7は、アレイ基板150に設けられた画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLを拡大した図である。なお、図7は、アレイ基板150を画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLが形成されている面から見た場合の平面図である。図7では、説明を分かりやすくするため、D1方向に延在する配線は、D2方向に延在する配線と異なる層に設けられるように図示している。画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、及びコモン配線18の詳細な構成については、図10図17において後述する。
【0056】
図7に示すように、周辺領域14において、複数のゲート配線GLがD1方向に間隔を置いて延在しており、複数の信号線SがD2方向に間隔を置いて延在している。表示領域12には、複数のソース配線SLがD2方向に間隔を置いて延在しているが、詳細な図示は省略している。例えば、ゲート検査回路48は、ゲート配線GLと信号線Sとの交差部にトランジスタが設けられている。また、ショートリングSGは、信号線Sとして、D2方向に沿って設けられている。ブラックマトリクスBMにおける第1格子領域210は、表示領域12における画素PIX、周辺領域14におけるゲート検査回路48、ショートリングSG、及びコモン配線18と重畳する。第2格子領域220は、ゲート配線領域32と重畳する。したがって、ブラックマトリクスBMにおけるD1方向に延在する直線部は、アレイ基板150においてD1方向に延在するゲート配線GLと重畳し、ブラックマトリクスBMにおけるD2方向に延在する直線部は、アレイ基板150においてD2方向に延在する信号線Sと重畳する。
【0057】
詳細に図示しないが、ブラックマトリクスBMにおいて、D2方向に延在する直線部における格子の線幅(D1方向の長さ)は、アレイ基板150におけるD2方向に延在する配線のD1方向の長さよりも長い。同様に、ブラックマトリクスBMにおいて、D1方向に延在する直線部における格子の線幅(D2方向の長さ)は、アレイ基板150におけるD1方向に延在する配線のD2方向の長さよりも大きい。つまり、ブラックマトリクスBMによって、アレイ基板150に設けられる配線を覆っている。
【0058】
図8は、画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLの上に設けられた平坦化膜207を拡大した図である。図8は、アレイ基板150を画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLの上に設けられた平坦化膜207が形成されている面から見た場合の平面図である。図8に示すように、平坦化膜207は、ブラックマトリクスBMと同様の格子状に設けられている。つまり、平坦化膜207は、画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLを構成する各種配線以外の領域には、設けられていない。
【0059】
平坦化膜207は、表示領域12において、ゲート配線GL及びソース配線SLが設けられている領域と重畳するように、格子状に設けられている。また、平坦化膜207の格子領域は、ブラックマトリクスBMの格子領域と重なっている。このように、表示領域12において、配線が設けられていない領域の平坦化膜207が除去されることにより、光源104から射出された光が、平坦化膜207によって吸収されてしまうことを抑制することができる。また、周辺領域14においても、表示領域12と同様に、配線が設けられていない領域の平坦化膜207が除去されることにより、表示領域12と周辺領域14とで、色味が変化してしまうことを抑制することができる。
【0060】
図9は、画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLの上に設けられた透明導電層212及び第4導電層214を拡大した図である。図9は、アレイ基板150を画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLの上に設けられた透明導電層212及び第4導電層214が形成されている面から見た場合の平面図である。図9に示すように、透明導電層212は、アレイ基板150の全面に設けられている。また、第4導電層214は、ブラックマトリクスBMと同様の格子状に設けられている。つまり、第4導電層214は、画素PIX、ゲート検査回路48、ショートリングSG、コモン配線18、及びゲート配線GLを構成する各種配線以外の領域には、設けられていない。
【0061】
図9に示すように、ブラックマトリクスBMにおける第1格子領域210は、表示領域12における画素PIX、周辺領域14におけるゲート検査回路48、ショートリングSG、及びコモン配線18における第4導電層214と重畳する。つまり、第4導電層214の格子領域は、ブラックマトリクスBMの格子領域と重なっている。第2格子領域220は、ゲート配線領域32における第4導電層214と重畳する。
【0062】
詳細に図示しないが、ブラックマトリクスBMにおいて、D2方向に延在する領域におけるD1方向の長さは、アレイ基板150におけるD2方向に延在する第4導電層214のD1方向の長さよりも大きい。同様に、ブラックマトリクスBMにおいて、D1方向に延在する領域におけるD2方向の長さは、アレイ基板150におけるD1方向に延在する第4導電層214のD2方向の長さよりも大きい。つまり、ブラックマトリクスBMによって、アレイ基板150に設けられる第4導電層214を覆っている。
【0063】
次に、周辺領域14に設けられたゲート検査回路48及びショートリングSGの構成について、図10図17を参照して詳細に説明する。
【0064】
<ゲート検査回路の構成>
図10は、周辺領域に設けられたゲート検査回路48の回路図である。トランジスタTr11のゲート及びトランジスタTr12のゲートは、配線TENに接続されている。配線TENは、トランジスタTr11、Tr12のオン状態又はオフ状態を制御する配線である。また、トランジスタTr11のソースには、配線TG1が接続されている。配線TG1は、奇数行に配置されたトランジスタに、信号を供給する配線である。そのため、トランジスタTr11がオン状態のときに、信号TG1から信号が供給されると、ゲート配線GL(2n-1)(n≧1)に電流を流すことができる。また、トランジスタTr12のソースには、配線TG2が接続されている。配線TG2は、偶数行に配置されたトランジスタに、信号を供給する配線である。そのため、トランジスタTr12がオン状態のときに、信号TG2から信号が供給されると、ゲート配線GL(2n)(n≧1)に電流を流すことができる。これにより、ゲート検査回路48において、奇数行に配置されたトランジスタTr11を一括して検査することができ、偶数行に配置されたトランジスタTr12を一括して検査することができる。
【0065】
図11は、ゲート検査回路48の平面レイアウトである。図11において、D1方向に、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)が配置されており、D2方向に配線TG1及び配線TENが配置されている。また、トランジスタTr11のゲート202-11が配線TENに接続されており、ソース206-11が配線TG1に接続されており、ドレイン206-12がゲート配線GL(2n-1)に接続されている。
【0066】
図11は、第1導電層202、酸化物半導体層204、及び第2導電層206の平面レイアウトである。図11では、ゲート絶縁膜203に設けられた開口について、図示を省略する。第1導電層202と第2導電層206とが重なる領域では、第1導電層202と第2導電層とが、ゲート絶縁膜203に設けられた開口を介して接続される。例えば、配線TG1において、第1導電層202-14と第2導電層206-11とがゲート絶縁膜203に設けられた開口を介して接続される。また、ゲート配線GL(2n-1)において、第1導電層202-12と第2導電層206-12とは、ゲート絶縁膜203に設けられた開口を介して接続される。このような構成とすることで、周辺領域14における配線抵抗を均一化することができる。ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD1方向に伸びる直線部は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)と重なっている。また、ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD2方向に延在する直線部は、配線TG1及び配線TENと重なっている。ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD1方向に延在する直線部の線幅は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)の線幅よりも大きい。また、ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD2方向に延在する直線部の線幅は、配線TG1の線幅、又は配線TENの線幅よりも大きい。
【0067】
図12に示すように、ゲート配線GL(2n-1)は、導電層202-12と、導電層206-12、206-13とが積層されることで構成されている。また、ゲート配線GL(2n-1)は配線TG1と交差する領域においては、導電層202-12のみが設けられており、導電層206-12と導電層206-13とは離間して設けられている。また、配線TG1は、導電層202-13、202-14と、導電層206-11とが積層されることで構成されている。また、配線TG1は、ゲート配線GL(2n-1)と交差する領域においては、導電層206-11のみが設けられており、導電層202-13と導電層202-14とは離間して設けられている。これにより、アレイ基板101における表示領域12及び周辺領域14の製造工程において静電気が発生したとしても、静電気を逃がすことができるため、静電気に起因する不良の発生を抑制することができる。
【0068】
図11に示すように、トランジスタTr11は、ブラックマトリクスの格子領域におけるD2方向に延在する直線部に覆われている。また、図示しないが、トランジスタTr12も、同様に、ブラックマトリクスの格子領域におけるD2方向に延在する直線部に覆われている。本実施形態では、トランジスタTr11を覆う直線部は、トランジスタTr12を覆う直線部と平行である場合について説明するが、これに限定されない。トランジスタTr11を覆う直線部と、トランジスタTr12を覆う直線部とが交差(又は直交)していてもよい。
【0069】
図12及び図13は、図11に示すゲート検査回路48におけるトランジスタTr11を含む領域120を拡大した図である。図12は、第1導電層202、酸化物半導体層204、第2導電層206、及び第3導電層208の平面レイアウトである。第1導電層202と酸化物半導体層204との間には、ゲート絶縁膜203(図5参照)が設けられている。第2導電層206と第3導電層208との間には、絶縁膜205(図5参照)が設けられている。また、図13は、平坦化膜207及び第4導電層214の平面レイアウトである。透明導電層212は、アレイ基板150の全面に設けられているため、図13において図示を省略している。
【0070】
図12に示すように、第1導電層202-11は、D1方向に延在する領域及びD2方向に屈曲する領域を有している。第1導電層202-11におけるD1方向に屈曲する領域は、配線TENとして機能し、D2方向に屈曲する領域は、トランジスタTr11のゲート電極として機能する。第1導電層202-11のD2方向に屈曲する領域の上には、酸化物半導体層204-11が設けられている。酸化物半導体層204-11の上に、第2導電層206-11、206-12が設けられている。第2導電層206-11、206-12は、酸化物半導体層204-11と接続される。
【0071】
第2導電層206-12、206-13は、D1方向に延在している。第2導電層206-12は、ゲート絶縁膜203に設けられる開口213-11を介して第1導電層202-12と接続され、第2導電層206-13は、ゲート絶縁膜203に設けられる開口213-12を介して第1導電層202-12と接続される。第1導電層202-12、第2導電層206-12、206-13は、ゲート配線GL(2n-1)として機能する。
【0072】
第1導電層202-13、202-14及び第2導電層206-11は、D2方向に延在している。第1導電層202-13は、ゲート絶縁膜203に設けられる開口213-13を介して、第2導電層206-11と接続されており、第1導電層202-14は、ゲート絶縁膜203に設けられる開口213-14を介して、第2導電層206-11と接続されている。第1導電層202-13、202-14及び第2導電層206-11は、配線TG1として機能する。
【0073】
第1導電層202-11の上には、第2導電層206-14が設けられている。また、酸化物半導体層204-11及び第2導電層206-11、206-12、206-14の上には、第3導電層208-11が設けられている。第3導電層208-11は、トランジスタTr11のバックゲートとして機能する。第3導電層208-11は、開口217-11を介して、第2導電層206-14と接続されており、第2導電層206-14は、ゲート絶縁膜203に設けられる開口213-15を介して、第1導電層202-11と接続されている。これにより、第3導電層208-11は、第1導電層202-11と電気的に接続される。したがって、配線TENに供給される信号は、トランジスタTr11のゲート及びバックゲートに供給される。
【0074】
図8及び図13を参照すると、平坦化膜207は、格子状に設けられている。平坦化膜207は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、配線TG1、TG2、及び配線TENを覆うように配置される。つまり、平坦化膜207はゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、配線TG1、TG2、及び配線TEN以外の領域には、設けられていない。平坦化膜207は、トランジスタTr11も覆っている。図8及び図13を参照すると、平坦化膜207の上には、透明導電層212が全面に設けられている。また、図8及び図13を参照すると、第4導電層214-11は、格子状に設けられている。第4導電層214は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、配線TG1、TG2、及び配線TENを覆うように配置される。
【0075】
<ショートリングの構成>
図14は、ショートリングSGの回路図である。図14に示すショートリングSGは、図3に示すESD用保護回路46に設けられる。ショートリングSGは、ESD(Electro-Static Discharge)対策のために設けられる。
【0076】
図14に示すように、ショートリングSRの一端は、コモン配線18に接続され、ショートリングSRの他端は、ゲート配線GL(2n)に接続される。トランジスタTr21、Tr22のソース及びドレインが互いに接続され、トランジスタTr21、Tr22のソース及びドレインの一方は、トランジスタTr21のゲートに接続される。トランジスタTr21、Tr22のソース及びドレインの他方は、トランジスタTr22のゲートに接続される。トランジスタTr21のゲートがゲート配線GL(2n)に接続され、トランジスタTr22のゲートがトランジスタTr23のゲートに接続される。これにより、ショートリングSR1が構成される。
【0077】
トランジスタTr23、Tr24のソース及びドレインが互いに接続され、トランジスタTr23、Tr24のソース及びドレインの一方は、トランジスタTr23のゲートに接続される。トランジスタTr23、Tr24のソース及びドレインの他方は、トランジスタTr24のゲートに接続される。トランジスタTr24のゲートがトランジスタTr25のゲートに接続される。これにより、ショートリングSR2が構成される。
【0078】
トランジスタTr25、Tr26のソース及びドレインが互いに接続され、トランジスタTr25、Tr26のソース及びドレインの一方は、トランジスタTr25のゲートに接続される。トランジスタTr23、Tr24のソース及びドレインの他方は、トランジスタTr26のゲートに接続される。トランジスタTr26のゲートがコモン配線18のゲートに接続される。これにより、ショートリングSR3が構成される。図14では、3つのショートリングSR1~SR3が直列に接続される。
【0079】
これにより、ゲート配線G(2n)に、静電気によって突発的に大きな電流が流れた際に、3つのショートリングSR1~SR3によって、コモン配線18を通じて、電荷を逃がすことができる。
【0080】
図15は、ショートリングSR1~SR3の平面レイアウトである。ショートリングSR1~SR3は直列に接続されており、ショートリングSR3には、抵抗R1、R2が直列に接続されている。ショートリングSR1は、ゲート配線GL(2n)と接続されている。抵抗R2は、コモン配線18と接続されている。
【0081】
図15は、第1導電層202、酸化物半導体層204、及び第2導電層206の平面レイアウトである。ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD1方向に伸びる直線部は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)と重なっている。また、ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD2方向に延在する直線部は、ショートリングSG1~SG3、又はコモン配線18と重なっている。ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD1方向に延在する直線部の線幅は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)の線幅よりも大きい。また、ブラックマトリクスBMの格子領域におけるD2方向に延在する直線部の線幅は、ショートリングSGの線幅、又はコモン配線18の線幅よりも大きい。
【0082】
図12と同様に、図15に示す平面レイアウトによっても、1つの配線を第1導電層202と第2導電層206との積層構造で形成する領域を有する。第1導電層202と第2導電層206との積層構造において、互いに接続されている。例えば、ゲート配GL(2n-1)線のうち、第2導電層206が離間している領域が存在していてもよい。これにより、これにより、アレイ基板101における表示領域12及び周辺領域14の製造工程において静電気が発生したとしても、静電気を逃がすことができるため、静電気に起因する不良の発生を抑制することができる。
【0083】
図16及び図17は、図14に示すショートリングSGにおけるトランジスタTr21~Tr24を含む領域130を拡大した図である。図16は、第1導電層、酸化物半導体層、第2導電層、及び第3導電層を図示している。また、図17は、平坦化膜207、及び第4導電層214を図示している。また、透明導電層212は、アレイ基板150の全面に設けられているため、図15において図示を省略している。
【0084】
アレイ基板150の上に、第1導電層202-21、202-22が設けられている。図16に示すように、第1導電層202-21は、D1方向に延在する領域及びD2方向に屈曲する領域を有する。第1導電層202-21のD1方向に延在する領域は、ゲート配線GL(2n)として機能する。また、第1導電層202-21のD2方向に屈曲する領域は、トランジスタTr21のゲート電極として機能する。第1導電層202-21のD2方向に屈曲する領域に離間して、第1導電層202-22がD2方向に延在している。
【0085】
第1導電層202-21におけるD2方向に屈曲する領域の上には、酸化物半導体層204-21が設けられている。また、第1導電層202-22の上には、酸化物半導体層204-22、204-23が設けられている。酸化物半導体層204-21、204-22の上に、第2導電層206-21、206-22が設けられる。
【0086】
第2導電層206-21は、D1方向に延在する領域及びD2方向に屈曲する領域と、を有する。第2導電層206-21のD1方向に延在する領域は、酸化物半導体層204-21と接続され、D2方向に屈曲する領域は、酸化物半導体層204-22と接続される。第2導電層206-22は、酸化物半導体層204-21、204-22と接続される。さらに、第2導電層206-21は、ゲート絶縁膜203に設けられた開口213-21を介して第1導電層202-21と接続される。第2導電層206-22は、ゲート絶縁膜203に設けられた開口213-22を介して、第1導電層202-22と接続される。
【0087】
酸化物半導体層204-21、及び第2導電層206-21、206-22の上には、第3導電層208-21が設けられている。第3導電層208-21は、絶縁膜205に設けられた開口215-21を介して、第2導電層206-21と接続される。酸化物半導体層204-22、及び第2導電層206-21、206-22の上には、第3導電層208-22が設けられている。第3導電層208-22は、絶縁膜205に設けられた開口215-22を介して、第2導電層206-22と接続される。
【0088】
第1導電層202-22によって、トランジスタTr21のゲートと、トランジスタTr22のゲートと、を接続することができる。ショートリングSR2、SR3の構成は、ショートリングSR1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
図8及び図17を参照すると、平坦化膜207は、格子状に設けられている。平坦化膜207は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、ショートリングSR1~SR3を覆うように配置される。つまり、平坦化膜207はゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、ショートリングSR1~SR3以外の領域には、設けられていない。図8及び図17を参照すると、平坦化膜207の上には、透明導電層212が全面に設けられている。また、図8及び図17を参照すると、第4導電層214-11は、格子状に設けられている。第4導電層214-11は、ゲート配線GL(2n-1)、GL(2n)、ショートリングSR1~SR3の上に配置される。
【0090】
図16及び図17に示す平面レイアウトとすることにより、トランジスタTr21、Tr22のソース及びドレインが互いに接続され、トランジスタTr21、Tr22のソース及びドレインの一方が、トランジスタTr21のゲートに接続されるショートリングSR1を構成することができる。また、ショートリングSR1~SR3を、D2方向に沿って直列に配置することができる。そのため、ブラックマトリクスBMの直線部分によって、ショートリングSR1~SR3を隠すことができる。
【0091】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示装置10では、周辺領域14(非表示領域)において、D1方向及びD2方向に配置される複数の配線及び近接して形成されるトランジスタを覆うように、ブラックマトリクスBMを設けている。そのため、周辺領域14に配置された複数の配線等による光の反射を抑制することができる。また、表示領域12及び周辺領域14において、対向基板側から視認した場合、材質の違いによって色味が変わってしまうことを抑制することができる。したがって、表示装置10において、表示領域12と周辺領域14との境界において、シームレス化を図ることができる。
【0092】
また、表示領域12における配線密度と、周辺領域14における配線密度とを、概ね同じにすることで、周辺領域14においても、表示領域12と同等に透明度を高めることができる。併せて、ゲート検査回路48やショートリングSRなどの周辺回路を格子状のブラックマトリクスBMと重なるように設けることで、周辺領域14の透明度を表示領域12と同等に高めることができる。
【0093】
<表示装置10の各部材の材質>
アレイ基板150、対向基板152として、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、アレイ基板150、対向基板152が可撓性を有する必要がある場合は、アレイ基板150、対向基板152としてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。アレイ基板150、対向基板152の耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。また、表示装置10を透明ディスプレイや大型高精細ディスプレイに適用する場合には、アレイ基板150及び対向基板152として、ガラス基板を用いることが好ましい。また、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bについては、アレイ基板150及び対向基板152を保護するために設ける。そのため、例えば、透光性を有するガラス基板、プラスチック基板等を用いることが好ましい。
【0094】
第1導電層202、第2導電層206、第3導電層208、及び第4導電層214として、一般的な金属材料を用いることができる。例えば、これらの部材として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、及びこれらの合金又は化合物が用いられる。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。第1導電層202として、例えば、Al\Tiの積層構造が用いられる。また、第2導電層206として、例えば、TiN\Ti\Al\Ti\TiNの積層構造が用いられる。第3導電層208として、例えば、Moが用いられる。第4導電層として、Mo\Alの積層構造が用いられる。
【0095】
ゲート絶縁膜203、絶縁膜205、及び絶縁膜209として、一般的な絶縁層性材料を用いることができる。例えば、ゲート絶縁膜203、及び絶縁膜205、絶縁膜209として、として、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxy)、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxy)、窒化アルミニウム(AlNx)などの無機絶縁層を用いることができる。これらの絶縁層として、欠陥が少ない絶縁層を用いることができる。平坦化膜207として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。なお、ゲート絶縁膜203、絶縁膜205、及び絶縁膜209として、上記の有機絶縁材料が用いられてもよい。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。ゲート絶縁膜203として例えば、窒化シリコン及び酸化シリコンの積層構造が用いられる。絶縁膜205として、例えば、酸化シリコン及び窒化シリコンの積層構造が用いられる。また、絶縁膜209として、窒化シリコンが用いられる。
【0096】
上記のSiOxy及びAlOxyは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、SiNxy及びAlNxyは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。
【0097】
酸化物半導体層204として、半導体の特性を有する酸化金属を用いることができる。酸化物半導体層204は透光性を有する。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、及び酸素(O)を含む酸化物半導体を用いることができる。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いることができる。ただし、本実施形態で使用されるIn、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体は上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。例えば、移動度を向上させるためにInの比率を上記より大きくしてもよい。また、バンドギャップを大きくし、光照射による影響を小さくするためにGaの比率を上記より大きくしてもよい。
【0098】
In、Ga、Zn、及びOを含む酸化物半導体に他の元素が添加されていてもよい。例えば、当該酸化物半導体にAl、Snなどの金属元素が添加されていてもよい。上記の酸化物半導体以外にもIn及びGaを含む酸化物半導体(IGO)、In及びZnを含む酸化物半導体(IZO)、In、Sn及びZnを含む酸化物半導体(ITZO)、並びにIn及びWを含む酸化物半導体などが酸化物半導体層204として用いられてもよい。酸化物半導体層204はアモルファスであってもよく、多結晶又は微結晶などの結晶性であってもよい。酸化物半導体層204はアモルファスと結晶の混相であってもよい。なお、本実施形態では、半導体層として、酸化物半導体層を用いる例について説明したが、アモルファスシリコン又はポリシリコンを用いた半導体層であってもよい。
【0099】
透明導電層212、画素電極216、及びコモン電極218として、酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)及び酸化インジウム及び酸化亜鉛の混合物(IZO)を用いることができる。当該透明導電層として、上記以外の材料が用いられてもよい。
【0100】
ブラックマトリクスBMは黒色の樹脂又は金属材料で形成することができる。ブラックマトリクスBMはコモン電極218と接して形成される(図7参照)。透明導電膜で形成されるコモン電極218に対し、ブラックマトリクスBMを金属材料で形成することで、抵抗損失を低減するための補助電極としての機能を持たせることができる。ブラックマトリクスBMを形成する金属材料としては、アルミニウムに対して相対的に反射率が低い、クロム、モリブデン、チタンなどを用いることが好ましい。
【0101】
表示装置10を透明ディスプレイに適用する場合、液晶層211として、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶は、バルク及び微粒子を含む。微粒子は、バルク内で画素電極216とコモン電極218との電位差に応じて配向が変化する。画素PIX毎に、画素電極216の電位が個別に制御されることで、画素PIX毎に少なくとも透光及び分散のいずれかの度合いが制御される。液晶層(微粒子)の散乱度は、各画素電極216の電圧とコモン電極218の電圧に応じて制御される。例えば、液晶層は各画素Pixの電圧とコモン電極218との間の電圧が大きくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよいし、各画素電極216の電圧とコモン電極218との間の電圧が小さくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。
【0102】
液晶層211において、バルク及び微粒子の常光屈折率は互いに等しい。画素電極216とコモン電極218との間に電圧が印加されていない状態では、あらゆる方向においてバルク及び微粒子との間の屈折率差がゼロになる。液晶層211は、光源から射出された光を散乱しない非散乱状態となる。光源から射出された光は、アレイ基板150の第1主面及び対向基板152の第1主面で反射しながら、光源3(発光部)から遠ざかる方向に伝播する。液晶層211が光源から射出された光Lを散乱しない非散乱状態であると、アレイ基板150から対向基板152の背景が視認され、対向基板152からアレイ基板150の背景が視認される。
【0103】
電圧が印加された画素電極216とコモン電極218との間では、微粒子の光軸は、画素電極216とコモン電極218との間に発生する電界によって傾くことになる。バルク51の光軸は、電界によって変化しないため、バルクの光軸と微粒子の光軸の向きは互いに異なる。電圧が印加された画素電極216がある画素PIXにおいて、光源から射出された光が散乱される。上述したように散乱された光源から射出された光の一部がアレイ基板150の第1主面又は対向基板152の第1主面から外部に放射された光は、観察者に観察される。
【0104】
電圧が印加されていない画素電極216がある画素PIXでは、アレイ基板150の第1主面から対向基板152の第1主面側の背景が視認され、対向基板152の第1主面20Aからアレイ基板150の第1主面10A側の背景が視認される。そして、本実施形態の表示装置10は、映像信号が入力されると、画像が表示される画素PIXの画素電極216に電圧が印加され、映像信号に基づく画像が背景とともに視認される。このように、高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、表示領域において画像が表示される。
【0105】
本実施形態では、ブラックマトリクスBMと、ゲート検査回路、ショートリング、及びコモン配線等との平面レイアウトについて説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。格子状のブラックマトリクスBMは、ソース検査回路の平面レイアウトについても、ゲート検査回路と同様の構成とすることができる。例えば、ブラックマトリクスBMの第1格子領域を、ソース検査回路を構成するソース配線及び信号線と重なるように配置してもよい。また、第1格子領域と重なり、ソース検査回路を構成するソース配線及び信号線と重なる格子領域を有する平坦化膜を設けてもよい。
【0106】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0107】
10:表示装置、11:表示パネル、12:表示領域、14:周辺領域、16:コモン配線、18:コモン配線、22:コモン配線、24:フレキシブルプリント回路、26:端子部、28:ゲート駆動回路、32:ゲート配線領域、34:フレキシブルプリント回路、36:端子部、38:ソース駆動回路、42:ソース配線領域、46:ESD用保護回路、48:ゲート検査回路、52:ソース検査回路、54:検査ライン、56:QDパッド、58:ESD用保護回路、59:ESD用保護回路、62:領域、64:領域、66:領域、71:領域、72:領域、104:光源、105:絶縁層、150:アレイ基板、152:対向基板、202:第1導電層、203:ゲート絶縁膜、204:酸化物半導体層、205:絶縁膜、206:第2導電層、207:平坦化膜、208:第3導電層、209:絶縁膜、211:液晶層、212:透明導電層、213:開口、214:第4導電層、215:開口、216:画素電極、217:開口、218:コモン電極、221:封止材、GL:ゲート配線、SL:ソース配線、S:信号線、SR:ショートリング、CL:コモン配線、CW:容量配線、C:保持容量、LE:液晶素子、PIX:画素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17