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特開2023-167733作業支援方法、作業車両及び作業支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167733
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】作業支援方法、作業車両及び作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20231116BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20231116BHJP
   A01D 41/02 20060101ALI20231116BHJP
   A01D 41/127 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A01B69/00 303M
G05D1/02 N
A01D41/02 E
A01D41/127
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079142
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】仲野 由将
【テーマコード(参考)】
2B043
2B074
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB20
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB14
2B043DA17
2B043DC01
2B043EA06
2B043EA18
2B043EA40
2B043EB05
2B043EB15
2B043EB30
2B043EC20
2B043ED30
2B074AA01
2B074AA05
2B074AB01
2B074AC02
2B074AD01
2B074AF02
2B074AG01
2B074CA01
5H301BB01
5H301CC09
(57)【要約】
【課題】泥や排藁を作業部に引っかけて未作業地へ進入することを抑制することができる作業支援方法、当該作業車両及び作業支援システムを提供する。
【解決手段】
コンバイン1は、圃場で走行中に刈取作業を行う刈取部3と、制御装置30及び携帯端末40とを備え、制御装置30は、圃場の未作業地51で第1方向D1に前進しながら作業を行う第1前進走行53と、当該第1前進走行53により形成された既作業地52を後進する第1後進走行54と、第1方向D1との直交方向で既作業地52に隣接する未作業地51に向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行55とを行う走行制御部35として機能する。走行制御部35は、第2前進走行55を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援方法であって、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行工程を有し、
前記走行工程は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業支援方法。
【請求項2】
前記走行工程は、前記圃場の隅部に対して前記第1前進走行を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業支援方法。
【請求項3】
前記走行工程は、前記第2前進走行を行う際に高くした前記作業部の一方側の未作業地への進入を検出すると、前記作業部の傾斜を自動的に戻すことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項4】
前記走行工程は、所定の既作業地から所定の未作業地に向かう前記第2前進走行を行う際に、前記所定の未作業地から見て前記所定の既作業地の側を前記一方側として高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項5】
前記走行工程は、未作業地に対向するように前記第2前進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項6】
前記走行工程は、未作業地に対向するように前記第1後進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項7】
前記走行工程は、前記作業車両の機体幅方向における前記作業部の長さに基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項8】
前記第1前進走行を自動的に行うための第1前進経路と、前記第1後進走行を自動的に行うための第1後進経路と、前記第2前進走行を自動的に行うための第2前進経路と、を作成する経路作成工程を更に有し、
前記経路作成工程は、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間に未作業地を残すように前記第2前進経路を作成し、
前記走行工程は、前記第1後進経路から前記第2前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援方法。
【請求項9】
前記経路作成工程は、前記第2前進経路に沿って後進する第2後進走行を自動的に行うための第2後進経路と、
前記第1前進経路と前記第2前進経路との間の未作業地で前進しながら作業を行う第3前進走行を自動的に行うための第3前進経路と、を作成し、
前記走行工程は、前記第2後進経路から前記第3前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする請求項8に記載の作業支援方法。
【請求項10】
作業車両であって、
圃場で走行中に作業を行う作業部と、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部と、を備え、
走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業車両。
【請求項11】
圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援システムであって、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部、を備え、
走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場を走行しながら作業を行う作業車両の作業支援方法、当該作業車両及び作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバイン等の作業車両は、圃場の未作業地で走行しながら作物の収穫作業(穀稈の刈取作業)等の所定の作業を行うことで既作業地が形成されるところ、従来では、圃場の隅部に作物の収穫残し(穀稈の刈残し)等の作業残しがないように、未作業地での作業を伴う前進走行と既作業地での後進走行とを繰り返し行う。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される自動走行経路生成システムでは、圃場の隅部における自動収穫走行の経路である隅部走行経路を生成する。隅部走行経路は、隅部を形成する辺のうちの一辺に沿って作物を収穫しながら前進する第1経路と、第1経路に沿って後進する第2経路と、第1経路との間に未作業地を残しつつ第1経路と交差する方向に作物を収穫しながら前進する第3経路と、第3経路に沿って後進する第4経路と、第1経路と第3経路との間の未作業地の作物を収穫しながら前進する経路であって、第1経路と第3経路との間の方向に進み、旋回して隅部を形成する辺のうちの他辺に沿って進む状態に至る第5経路と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-83387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業車両が既作業地から未作業地に向かって旋回を含む前進走行を行うとき、作業車両の機体幅方向の一方側で地面が盛り上がっていたり排藁が落ちていたりすることがある。このとき、作業車両は、地面に盛り上がっている泥や排藁を作業部に引っかけながら未作業地に進入してしまうと、引っかけた泥や排藁によって未作業地の穀稈を押し倒す等、未作業地を荒らすおそれがある。このように、未作業地の穀稈を押し倒すと、収穫作業(刈取作業)を円滑に進めることができず、作業効率が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、泥や排藁を作業部に引っかけて未作業地へ進入することを抑制することができる作業支援方法、当該作業車両及び作業支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の作業支援方法は、圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援方法であって、前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行工程を有し、前記走行工程は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の作業車両は、作業車両であって、圃場で走行中に作業を行う作業部と、前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部と、を備え、走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の作業支援システムは、圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援システムであって、前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部、を備え、走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、泥や排藁を作業部に引っかけて未作業地へ進入することを抑制することができる作業支援方法、当該作業車両及び作業支援システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係るコンバインの側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るコンバインの正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るコンバインの傾斜状態を示す正面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るコンバインのブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るコンバインが走行する圃場の例を示す平面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るコンバインが第1前進走行を行う圃場の例を示す平面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るコンバインが第1後進走行及び第2前進走行を行う圃場の例を示す平面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係るコンバインが第1後進走行及び第2前進走行を行う圃場の他の例を示す平面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係るコンバインの携帯端末に表示される支援画面の例を示す平面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係るコンバインの携帯端末に表示される作業画面の例を示す平面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るコンバインが第2後進走行及び第3前進走行を行う圃場の例を示す平面図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るコンバインが第1前進走行、第1後進走行及び第2前進走行を行う圃場の例を示す平面図である。
図13】本発明の第3実施形態に係るコンバインが第2後進走行及び第3前進走行を行う圃場の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の作業車両は、圃場を走行しながら作業を行うものであり、本発明の実施形態に係る作業車両の一例として、コンバイン1について図1等を参照して説明する。コンバイン1は、自動運転又は手動操作によって、作業対象の圃場を走行すると共に、圃場に植えられた穀稈から作物の収穫作業を行うために刈取等の作業を行う。コンバイン1は、例えば、自動運転によって操向を制御する一方、手動操作に応じて走行速度を制御するオート作業や、自動運転によって操向及び走行速度を制御する無人作業を行うように構成され、圃場内で自律して走行、旋回及び作業することができる。
【0013】
コンバイン1は、穀稈の複数の条列に対して、刈取可能条数以内の所定条数を刈取幅とする直線状の条列を走行しながらそれらの条列の刈取作業を行う。コンバイン1は、手動走行モード及び自動走行モードの何れかの走行モードが設定される。コンバイン1は、手動走行モードが設定されている場合、作業者による操縦部9の操縦に応じて、走行のみの手動走行や、刈取作業を伴う手動刈取走行を行うように構成される。
【0014】
一方、コンバイン1は、自動走行モードが設定されている場合、圃場に設定された自動走行経路に沿って自動走行しながら自動刈取する自動刈取走行を行うように構成される。圃場の未刈穀稈を有する未刈地(未作業地)において複数の直進経路を往復する往復刈りや、未刈地の内周に沿った直進経路の周回を中央側にずらしながら繰り返す回り刈り等の走行パターンの自動刈取走行を行う。なお、コンバイン1は、自動刈取走行を行う前に、圃場の外周形状に沿って周回して刈取しながら走行する外周刈取走行を行うことで、圃場に枕地を形成し、枕地の内側を自動刈取走行の作業領域とする。
【0015】
第1実施形態において、コンバイン1は、図1図2に示すように、走行部2と、刈取部3(作業部)とを備え、また、図1に示すように、脱穀部4と、選別部5と、貯留部6と、排藁処理部7と、動力部8と、操縦部9とを備え、いわゆる自脱型コンバインで構成される。コンバイン1は、走行部2によって走行しつつ、刈取部3によって刈り取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、選別部5で穀粒を選別して貯留部6に貯える。コンバイン1は、脱穀後の排藁を排藁処理部7によって処理する。コンバイン1は、動力部8が供給する動力によって、走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6及び排藁処理部7を駆動する。
【0016】
走行部2は、機体フレーム10の下方に設けられていて、左右一対のクローラ式走行装置11と、トランスミッション(図示せず)とを備える。走行部2は、動力部8のエンジン27から伝達される動力(例えば、回転動力)によって、クローラ式走行装置11のクローラを回転することで、コンバイン1を前後方向に走行させたり、左右方向に旋回させたりする。トランスミッションは、動力部8の動力(回転動力)をクローラ式走行装置11へ伝達するものであり、回転動力を変速することもできる。
【0017】
走行部2は、圃場面(地面)に対して刈取部3を機体幅方向に水平に制御する水平制御機構として、例えば、左右一対のローリング機構12をそれぞれ左右一対のクローラ式走行装置11に対して備えている。各ローリング機構12は、ローリングシリンダを有し、ローリングシリンダを伸縮することで各クローラ式走行装置11に対する機体フレーム10の高さを調整して刈取部3の高さを調整する。コンバイン1が通常の刈取作業を行う場合には、各ローリング機構12は、刈取部3が圃場面に対して水平な通常の刈取高さとなるように機体フレーム10の高さを調整し、コンバイン1が刈取作業を行わない移動走行を行う場合には、各ローリング機構12は、刈取部3が待機位置の高さとなるように機体フレーム10の高さを調整する。
【0018】
また、左右一対のローリング機構12は、圃場面の水平方向に対する機体フレーム10の左右方向の傾斜角度(圃場面からの左端及び右端の高さ)を調整可能であり、機体フレーム10の左右方向の傾斜角度に応じて、刈取部3の左右方向の傾斜角度(圃場面からの左端及び右端の高さ)が調整される。各ローリング機構12は、機体幅方向(左右方向)において刈取部3の一方側を上昇させ、即ち、一方側が高くなるように刈取部3を傾斜させ、あるいは、刈取部3の他方側を上昇させ、即ち、他方側が高くなるように刈取部3を傾斜させることができる。
【0019】
例えば、右側のローリング機構12が右側のクローラ式走行装置11に対して機体フレーム10を上昇させることで、右側が高くなるように刈取部3を傾斜させ、一方、左側のローリング機構12が左側のクローラ式走行装置11に対して機体フレーム10を上昇させることで、左側が高くなるように刈取部3を傾斜させる。図3に示すように、機体左側前方が未作業地51(図5等参照)であるが、機体右側前方が既作業地52(図5等参照)であって排藁が置かれているような場合、コンバイン1は、左右一対のローリング機構12によって、右側が高くなるように刈取部3を傾斜させるとよい。
【0020】
刈取部3は、走行部2の前方で機体フレーム10に設けられ、刈取可能条数以内の条列の刈取作業を行う。刈取部3は、デバイダ13と、引起装置14と、切断装置15と、搬送装置16とを備える。デバイダ13は、圃場の穀稈を一条毎に分草して、刈取可能条数以内の所定条数分の穀稈を引起装置14へ案内する。引起装置14は、デバイダ13によって案内された穀稈を引き起こす。切断装置15は、引起装置14によって引き起こされた穀稈を切断する。搬送装置16は、切断装置15によって切断された穀稈を脱穀部4へ搬送する。なお、刈取部3は、駆動及び停止を条列毎に制御可能に構成されている場合には、走行部2の左右一対のローリング機構12が高く傾斜させる刈取部3の一方側の駆動を停止してもよい。
【0021】
脱穀部4は、刈取部3の後方に設けられる。脱穀部4は、フィードチェーン18と、扱胴19とを備える。フィードチェーン18は、刈取部3の搬送装置16から搬送された穀稈を脱穀のために搬送し、更に脱穀後の穀稈、すなわち排藁を排藁処理部7へと搬送する。扱胴19は、フィードチェーン18によって搬送されている穀稈を脱穀する。
【0022】
選別部5は、脱穀部4の下方に設けられる。選別部5は、揺動選別装置21と、送風選別装置22と、穀粒搬送装置(図示せず)と、藁屑排出装置(図示せず)とを備える。揺動選別装置21は、脱穀部4から落下した脱穀物をふるいにかけて穀粒と藁屑等に選別する。送風選別装置22は、揺動選別装置21によって選別された脱穀物を送風によって更に穀粒と藁屑等に選別する。穀粒搬送装置は、揺動選別装置21及び送風選別装置22によって選別された穀粒を貯留部6へ搬送する。藁屑排出装置は、揺動選別装置21及び送風選別装置22によって選別された藁屑等を機外へ排出する。
【0023】
貯留部6は、脱穀部4の右側方に設けられる。貯留部6は、グレンタンク24と、排出装置25とを備える。グレンタンク24は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出装置25は、オーガ等で構成され、グレンタンク24に貯留されている穀粒を任意の場所に排出する。
【0024】
排藁処理部7は、脱穀部4の後方に設けられる。排藁処理部7は、排藁搬送装置(図示せず)と、排藁切断装置(図示せず)とを備える。排藁搬送装置は、脱穀部4のフィードチェーン18から搬送された排藁を排藁切断装置へ搬送する。排藁切断装置は、排藁搬送装置によって搬送された排藁を切断して機外へ排出する。
【0025】
動力部8は、走行部2の上方、且つ、貯留部6の前方に設けられる。動力部8は、回転動力を発生させるエンジン27を備える。動力部8は、エンジン27が発生させた回転動力を、走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6及び排藁処理部7に伝達する。
【0026】
操縦部9は、動力部8の上方に設けられる。操縦部9は、作業者が座る座席である運転席の周囲に、コンバイン1の走行を操縦するための走行操作部として、コンバイン1の機体の旋回を指示するためのハンドルや、コンバイン1の前後進の速度変更を指示するための主変速レバー及び副変速レバー等を備える。また、操縦部9は、刈取部3の昇降動作、刈取部3による刈取作業、脱穀部4による脱穀作業、貯留部6の排出装置25による排出作業等を操作するための作業操作部を備える。手動走行モードが設定されている場合、操縦部9の走行操作部の操作に応じて動力部8及び走行部2を駆動してコンバイン1の手動走行を実行し、また、作業操作部の操作に応じて動力部8及び刈取部3を駆動してコンバイン1の手動作業を実行する。
【0027】
コンバイン1は、GPS等の衛星測位システムを利用してコンバイン1の自車位置を取得する測位ユニット28を備えている。測位ユニット28は、測位アンテナを介して測位衛星から測位信号を受信し、測位信号に基づいて測位ユニット28の位置情報、すなわち、コンバイン1の自車位置を取得する。
【0028】
次に、コンバイン1の制御装置30について図4を参照して説明する。制御装置30は、CPU等のコンピュータで構成され、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶部31や、外部機器と通信を行う通信部32に接続されている。
【0029】
記憶部31は、コンバイン1の各種構成要素及び各種機能を制御するためのプログラムやデータを記憶し、制御装置30が、記憶部31に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、各種構成要素及び各種機能を制御する。制御装置30は、例えば、測位ユニット28からコンバイン1の自車位置を取得し、また、コンバイン1の自車位置における進行方向を取得する。
【0030】
通信部32は、無線通信アンテナを介して、作業者の保有する携帯端末40等の外部機器と無線通信可能となる。制御装置30は、通信部32を制御して携帯端末40と無線通信を行い、携帯端末40との間で各種情報を送受信する。例えば、通信部32は、圃場に対して設定されている圃場情報や自動走行経路79(図10参照)、支援情報を携帯端末40から受信して記憶部31に記憶する。
【0031】
例えば、圃場は、圃場の外周に沿った形状である圃場外形内に、未だ刈取等の作業を行っていない未作業地51や、既に作業を終了した既作業地52を有する。圃場情報は、圃場外形の形状、大きさ及び位置情報(座標等)、未作業地51及び既作業地52の形状、大きさ及び位置情報(座標等)等の情報を含む。自動走行経路79は、走行に関する走行情報及び自動刈取等の作業に関する作業情報を含む。走行情報は、圃場における走行位置に加えて、各走行位置での進行方向や設定車速を含む。作業情報は、各走行位置での刈取作業等の各種作業の稼働又は停止に関する情報や、刈取部3の昇降動作に関する情報を含む。
【0032】
また、制御装置30は、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、走行制御部35として動作する。なお、走行制御部35は、本発明に係る作業支援方法の走行工程を実現する。
【0033】
走行制御部35は、自動走行モードが設定されている場合、コンバイン1の自動刈取走行を制御する。例えば、走行制御部35は、圃場に対して設定されている圃場情報や自動走行経路79を携帯端末40から取得する。走行制御部35は、自動刈取走行を開始すると、測位ユニット28からコンバイン1の自車位置を取得し、自車位置と圃場情報及び自動走行経路79とに基づいて、コンバイン1が自動走行経路79に沿って自動刈取走行を行うように動力部8並びに走行部2及び刈取部3を制御する。
【0034】
走行制御部35は、携帯端末40の作業支援部47で設定された支援情報に基づいて、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側を高くするように走行部2の左右一対のローリング機構12を制御して、刈取部3を自動的に傾斜させる。なお、走行制御部35は、刈取部3の他方側を通常の刈取高さにするように左右一対のローリング機構12を制御する。
【0035】
例えば、走行制御部35は、手動走行モードが設定されている場合、コンバイン1が圃場で支援情報に基づく傾斜開始位置56を走行する際に、通信部32を介して携帯端末40から支援情報に基づく傾斜指示を受信し、当該傾斜指示の示す一方側(左側又は右側)を高くするように走行部2の左右一対のローリング機構12を制御する。また、走行制御部35は、自動走行モードが設定されている場合、自動走行経路79に組み込まれた支援情報に基づいて、コンバイン1が圃場で傾斜開始位置56を走行する際に、当該支援情報の示す一方側(左側又は右側)を高くするように走行部2の左右一対のローリング機構12を制御する。
【0036】
支援情報は、刈取部3の傾斜状態を解除する所定の解除条件を含んでもよい。例えば、支援情報は、刈取部3の傾斜側の未作業地51への進入を検出した場合を解除条件としてよい。具体的には、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側が既作業地52を通ると共に他方側が未作業地51を通る場合に、刈取部3の一方側を高くするように設定されるところ、走行制御部35は、刈取部3の一方側が未作業地51への進入を検出した場合に、刈取部3の傾斜を自動的に元に戻して、圃場面(地面)に対して刈取部3を機体幅方向に水平にする。また、刈取部3を傾斜状態にしてコンバイン1を旋回させる場合には、支援情報は、旋回を終了して直進走行する場合を、傾斜状態の解除条件としてもよい。
【0037】
走行制御部35は、例えば、刈取部3の前方の穀稈を検知する穀稈センサをコンバイン1の機体幅方向の両側に備えて、穀稈センサの検知結果に基づいて、刈取部3の一方側の未作業地51への進入を検出する。あるいは、携帯端末40の作業支援部47によって、測位ユニット28で取得したコンバイン1の自車位置と、未作業地51及び既作業地52に関する圃場情報とに基づいて、未作業地51及び既作業地52に対するコンバイン1の位置を取得し、当該コンバイン1の位置に基づいて、刈取部3の一方側の未作業地51への進入を検出してもよく、走行制御部35は、その検出結果を通信部32を介して携帯端末40から受信する。なお、走行制御部35は、刈取部3の一方側が未作業地51へ進入する直前であるコンバイン1の状態を検出して、この検出時に刈取部3の傾斜を自動的に元に戻してもよい。
【0038】
携帯端末40は、コンバイン1の構成要素の一つであって、コンバイン1を遠隔操作可能な端末であり、例えば、タッチパネルを備えるタブレット端末やノート型のパーソナルコンピュータ等で構成される。なお、携帯端末40と同様の操作装置が操縦部9に備えられてもよい。本発明では、コンバイン1や携帯端末40によって作業支援システムが構成される。
【0039】
携帯端末40は、図4に示すように、CPU等のコンピュータで構成される端末側制御装置41を備えていて、端末側制御装置41は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の端末側記憶部42や、外部機器と通信を行う端末側通信部43に接続されている。また、携帯端末40は、様々な情報を表示して作業者に出力するためのタッチパネルやモニタ等の表示部44を備え、また、作業者からの様々な情報の入力操作を受け付けるためのタッチパネルや操作キー等の入力部45を備える。
【0040】
端末側記憶部42は、携帯端末40の各種構成要素及び各種機能を制御するためのプログラムやデータを記憶し、端末側制御装置41が、端末側記憶部42に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、携帯端末40の各種構成要素及び各種機能を制御する。端末側記憶部42は、コンバイン1の作業対象である圃場の圃場情報や自動走行経路79を記憶する。
【0041】
端末側通信部43は、無線通信アンテナを介して、コンバイン1の通信部32と通信可能に接続される。端末側制御装置41は、端末側通信部43を制御してコンバイン1と無線通信を行い、コンバイン1との間で各種情報を送受信する。
【0042】
携帯端末40の端末側制御装置41は、端末側記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、圃場選択部46、作業支援部47、経路作成部48、表示制御部49として動作する。なお、経路作成部48は、本発明に係る作業支援方法の経路作成工程をそれぞれ実現するものであり、作業支援部47、表示制御部49は、本発明に係る作業支援方法の走行工程を支援するものである。
【0043】
圃場選択部46は、自動走行の作業対象となる圃場を手動又は自動で選択し、圃場の外周形状、即ち、圃場外形を設定して端末側記憶部42に記憶する。例えば、圃場選択部46は、作業対象となる圃場を選択するための圃場選択画面(図示せず)を表示部44に表示する。圃場選択画面では、圃場外形を含む圃場情報が端末側記憶部42に既に記憶されている場合に、その圃場情報に対応する圃場を選択可能にしている。圃場選択画面で何れかの圃場が手動操作に応じて選択されると、圃場選択部46は、選択操作された圃場を作業対象として選択し、選択した圃場に対応する圃場情報を端末側記憶部42から読み出す。
【0044】
また、圃場選択画面では、新規圃場の作成を操作可能にしている。圃場選択画面で新規圃場の作成が操作されると、圃場選択部46は、コンバイン1の自車位置の新規圃場を作業対象として選択する。そして、圃場選択部46は、コンバイン1が新規圃場の外周形状に沿って周回して外周刈取走行を行うときに、コンバイン1の測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置をコンバイン1から受信し、新規圃場の外周形状の位置情報や外周刈取走行の経路の位置情報を記録する。圃場選択部46は、外周刈取走行で取得した位置情報に基づいて、新規圃場の圃場外形を作成し、その圃場外形を含む圃場情報を作成して端末側記憶部42に記憶する。
【0045】
作業支援部47は、図5に示すように、コンバイン1が圃場50の隅部等の未作業地51において、所定の第1方向D1の刈取走行を行った後、当該第1方向D1に直交する第2方向D2の刈取走行を続けて行う場合に、作物の収穫残し(穀稈の刈残し)等の作業残しがないように、前進走行と後進走行とを含む多段階の刈取走行の支援情報を設定する。図5図13では、未作業地51を左肩下がりのハッチングで示し、既作業地52を空白で示す。なお、作業支援部47は、走行モードが手動走行モードか自動走行モードかに拘わらず、多段階の刈取走行の支援情報を設定してよい。
【0046】
例えば、作業支援部47は、圃場50の未作業地51で第1方向D1に前進しながら刈取作業を行う第1前進走行53(図6参照)と、当該第1前進走行53により形成された既作業地52aを後進する第1後進走行54(図7図8参照)と、第2方向D2で既作業地52aに隣接する未作業地51aに向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第2前進走行55(図7図8参照)と、を行うように支援情報を設定する。更に、作業支援部47は、第2前進走行55を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側を高く傾斜させるように支援情報を設定する。
【0047】
なお、制御装置30の走行制御部35は、支援情報に従うことによって、第1前進走行53と、第1後進走行54と、第2前進走行55と、をこの順に行い、第2前進走行55の際に刈取部3の一方側を高く傾斜させるように走行部2を制御する。手動走行モードの場合、作業支援部47は、コンバイン1が第2前進走行55を行う際に、支援情報に基づいて傾斜指示をコンバイン1へと送信することで、刈取部3の一方側を傾斜させる。例えば、コンバイン1が圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置で第2前進走行55を行うことを、測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置に基づいて検出した場合や、操縦部9の所定の方向転換操作(例えば、方向転換スイッチの操作、一連のシフト操作、ハンドル操作等)を検出した場合に、作業支援部47は、傾斜指示をコンバイン1へと送信する。自動走行モードの場合、後述する経路作成部48によって支援情報が自動走行経路79に組み込まれることで、コンバイン1が第2前進走行55を行う際に、刈取部3の一方側を傾斜させることになる。
【0048】
具体的には、コンバイン1が圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置で方向転換を行う場合に、作業支援部47は、当該方向転換位置に関連付けて、第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55を含む支援情報を設定する。このとき、支援情報は、第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55の始点及び終点の位置情報を含むとよい。第1後進走行54の始点は、第1前進走行53の終点に設定され、第2前進走行55の始点は、第1後進走行54の終点に設定される。第2前進走行55を行う第1方向D1との交差方向は、第1方向D1に対して鋭角に設定される。
【0049】
支援情報において、第1前進走行53は、図6に示すように、直進走行で設定される。図7に示すように、未作業地51aへの方向転換を第2前進走行55で行う場合、第1後進走行54は、直進走行のみで設定され、第2前進走行55は、方向転換する旋回走行の後で直進走行するように組み合わせて設定される。なお、この場合の第2前進走行55は、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよく、又は、方向転換する信地旋回と直進走行とを組み合わせて設定されてもよい。
【0050】
あるいは、図8に示すように、未作業地51aへの方向転換を第1後進走行54で行う場合、第1後進走行54は、直進走行の後で方向転換する旋回走行するように組み合わせて設定され、第2前進走行55は、直進走行のみで設定される。この場合、圃場50は外形を成す畦等が低く形成されていて、コンバイン1は第1後進走行54によって圃場の外側まで走行してもよい。なお、この場合の第1後進走行54は、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよく、若しくは、直進走行と方向転換する信地旋回とを組み合わせて設定されてもよく、また、この場合の第2前進走行55は、直進走行と方向転換する旋回走行とを組み合わせて設定され、若しくは、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよい。
【0051】
また、作業支援部47は、第2前進走行55を行う際の刈取部3の傾斜として、コンバイン1の機体幅方向において左側及び右側のうち、刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させるように支援情報を設定する。このとき、作業支援部47は、既作業地52の側を、刈取部3を高くする一方側、即ち、傾斜側に設定するとよい。なお、作業支援部47は、刈取作業を行う第1前進走行53では、刈取部3を通常の刈取高さに制御し、刈取走行を行わない第1後進走行54では、刈取部3を待機位置の高さに制御するように、支援情報を設定するとよい。
【0052】
具体的には、作業支援部47は、支援情報として、図7図8に示すように、第2前進走行55の始点に刈取部3の傾斜開始位置56を設定して、第1後進走行54から第2前進走行55に切り替わるタイミングで刈取部3を自動的に傾斜させる。また、作業支援部47は、支援情報として、第2前進走行55で向かう所定の未作業地51aから見て、第1後進走行54で後進した所定の既作業地52aの側を、刈取部3を高くする一方側(傾斜側)に設定する。
【0053】
更に、作業支援部47は、支援情報として、刈取部3の一方側を高くする傾斜角度(又は傾斜高さ)を設定する。作業支援部47は、例えば、未作業地51aへの方向転換を第2前進走行55で行う場合には、未作業地51aに対向するように第2前進走行55で旋回する場合の旋回角度に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定し、このとき、旋回角度が大きい程、傾斜角度(又は傾斜高さ)を大きくなるように設定するとよい。
【0054】
あるいは、作業支援部47は、未作業地51aへの方向転換を第1後進走行54で行う場合には、未作業地51aに対向するように第1後進走行54で旋回する場合の旋回角度に基づいて刈取部3の傾斜角度(又は傾斜高さ)を設定し、このとき、旋回角度が大きい程、傾斜角度(又は傾斜高さ)を大きくなるように設定するとよい。また、作業支援部47は、第1後進走行54での旋回角度に基づいてコンバイン1(走行部2)の車速を設定してもよく、このとき、旋回角度が大きい程、車速を遅くなるように設定するとよい。なお、作業支援部47は、第1後進走行54での旋回角度に基づいて刈取部3の傾斜角度及びコンバイン1の車速の両方を設定してもよい。若しくは、作業支援部47は、コンバイン1の機体幅方向における刈取部3の長さに基づいて刈取部3の傾斜角度(又は傾斜高さ)を設定し、このとき、刈取部3の長さが長い程、傾斜角度(又は傾斜高さ)を大きくなるように設定してもよい。
【0055】
経路作成部48は、圃場選択部46で選択された圃場を自動刈取走行する自動走行経路79(図10等参照)を作成して端末側記憶部42に記憶し、端末側通信部43を介してコンバイン1へ送信する。経路作成部48は、圃場に対して、携帯端末40の操作により選択された走行パターン(往復刈り又は回り刈り)に応じて、前進方向に走行しながら刈取を行う複数の直進経路を作成し、複数の直進経路と各直進経路を接続する複数の旋回経路とを組み合わせて自動走行経路79を作成する。
【0056】
更に、経路作成部48は、作業支援部47によって設定された支援情報を組み込むように自動走行経路79を作成する。即ち、作業支援部47が、圃場の各隅部等の方向転換位置に、第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55を含む支援情報を設定した場合、経路作成部48は、当該方向転換位置に対して(例えば、方向転換位置を第1前進走行53の終点として)、支援情報の第1前進走行53を自動的に行うための第1前進経路53bと、第1後進走行54を自動的に行うための第1後進経路54bと、第2前進走行55を自動的に行うための第2前進経路55bとを含むように自動走行経路79を作成する(図10参照)。また、経路作成部48は、刈取部3を自動的に傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56を、自動走行経路79の対応する位置に設定する。更に、経路作成部48は、当該傾斜開始位置56に関連付けて、刈取部3を傾斜させる一方側が左側及び右側の何れであるか、即ち、支援情報の傾斜側を設定し、また、支援情報の傾斜角度を設定する。
【0057】
表示制御部49は、手動走行モードが設定されているときに、図9に示すように、作業対象である圃場の手動刈取走行を行うための支援画面60を表示部44に表示するように制御する。表示制御部49は、支援画面60において、少なくとも、地図欄61を表示し、地図欄61において、圃場選択部46で選択された圃場の圃場情報に基づいて、圃場外形65を地図上に表示し、更に、コンバイン1の測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置にコンバイン1の自車標示66を表示する。表示制御部49は、圃場外形65の範囲内において未作業地67と既作業地68とを、線種や線色、背景色等の表示方法を変えることによって、識別可能に表示してよい。なお、表示制御部49は、自車標示66の位置や、未作業地67及び既作業地68の範囲を、コンバイン1の刈取走行の進捗に応じて更新する。
【0058】
また、表示制御部49は、作業支援部47によって設定した支援情報を支援画面60の地図欄61に表示する。例えば、作業支援部47が、圃場の各隅部等の方向転換位置に、第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55を含む支援情報を設定した場合、表示制御部49は、当該方向転換位置に対して(例えば、方向転換位置を第1前進走行53の終点として)、第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55に対応する支援経路53a、54a及び55aを地図欄61に識別可能に表示する。また、表示制御部49は、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56に対応する傾斜位置標示56aを地図欄61に表示する。
【0059】
表示制御部49は、自動走行モードが設定されているときに、図10に示すように、作業対象である圃場の自動刈取走行を行うための作業画面70を表示部44に表示するように制御する。表示制御部49は、作業画面70において、少なくとも、地図欄71を表示すると共に、作業開始ボタン72を操作可能に表示する。
【0060】
表示制御部49は、地図欄71において、圃場選択部46で選択された圃場の圃場情報に基づいて、圃場外形75を地図上に表示し、更に、コンバイン1の測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置にコンバイン1の自車標示76を表示する。表示制御部49は、圃場外形75の範囲内において未作業地77と既作業地78とを、線種や線色、背景色等の表示方法を変えることによって、識別可能に表示してよい。なお、表示制御部49は、自車標示76の位置や、未作業地77及び既作業地78の範囲を、コンバイン1の刈取走行の進捗に応じて更新する。
【0061】
表示制御部49は、地図欄71において、経路作成部48で作成された自動走行経路79を圃場外形75に重ねて表示する。また、作業支援部47によって設定した支援情報が自動走行経路79に組み込まれている場合、表示制御部49は、自動走行経路79に組み込まれた支援情報を作業画面70の地図欄71に表示する。例えば、作業支援部47が設定した第1前進走行53、第1後進走行54及び第2前進走行55を含む支援情報に基づいて、経路作成部48が第1前進走行53に対応する第1前進経路53bと、第1後進走行54に対応する第1後進経路54bと、第2前進走行55に対応する第2前進経路55bとを含む自動走行経路79を作成した場合、表示制御部49は、地図欄71に表示される自動走行経路79において、第1前進経路53bと第1後進経路54bと第2前進経路55bとを識別可能に表示する。また、表示制御部49は、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56に対応する傾斜位置標示56bを地図欄71に表示する。
【0062】
上記のように、第1実施形態によれば、コンバイン1は、圃場で走行中に刈取作業を行う刈取部3(作業部)と、制御装置30及び携帯端末40を備えている。制御装置30は、圃場の未作業地51で第1方向D1に前進しながら作業を行う第1前進走行53と、当該第1前進走行53により形成された既作業地52を後進する第1後進走行54と、第1方向D1との直交方向(第2方向D2)で既作業地52に隣接する未作業地51に向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行55と、を行う走行制御部35として機能する。走行制御部35は、第2前進走行55を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。携帯端末40は、端末側制御装置41を備え、端末側制御装置41は、第1前進走行53と、第1後進走行54と、第2前進走行55と、をこの順に行うように支援情報を設定する作業支援部47として機能する。
【0063】
換言すれば、本発明において、圃場で走行中に作業を行う刈取部3(作業部)を有するコンバイン1等の作業車両の作業支援方法は、圃場の未作業地51で第1方向D1に前進しながら作業を行う第1前進走行53と、当該第1前進走行53により形成された既作業地52を後進する第1後進走行54と、第1方向D1との直交方向(第2方向D2)で既作業地52に隣接する未作業地51に向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行55と、を行う走行工程を有する。走行工程は、第2前進走行55を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。
【0064】
これにより、コンバイン1は、機体幅方向の一方側で地面が盛り上がっていたり、排藁が落ちていたりする場合でも、第2前進走行55を行う際に刈取部3の機体幅方向の一方側を高くすることで、地面や排藁を刈取部3に引っかけてしまうことを抑制することができる。そのため、コンバイン1が第2前進走行55で未作業地51に進入する際に、刈取部3が引っかけた泥や排藁によって未作業地51の穀稈を押し倒す等、未作業地51を荒らすことを抑制することができる。
【0065】
また、第1実施形態によれば、走行制御部35は、圃場の隅部に対して第1前進走行53を行う。
【0066】
これにより、コンバイン1が圃場の隅部で第1前進走行53を行った後で第2前進走行55を行う際に、刈取部3の機体幅方向の一方側を高くすることで、圃場の隅部で地面や排藁を刈取部3に引っかけて未作業地51へ進入することを抑制することができる。
【0067】
第1実施形態によれば、走行制御部35は、第2前進走行55を行う際に高くした刈取部3の一方側の未作業地51への進入を検出すると、刈取部3の傾斜を自動的に戻す。あるいは、走行制御部35は、刈取部3の一方側が未作業地51へ進入する直前に、刈取部3の傾斜を自動的に元に戻してもよい。
【0068】
これにより、刈取部3の一方側を傾斜させた後、未作業地51では通常の刈取高さに戻すことができ、適切な傾斜角度で刈取作業を行うことができる。
【0069】
第1実施形態によれば、走行制御部35は、所定の既作業地52から所定の未作業地51に向かう第2前進走行55を行う際に、所定の未作業地51から見て所定の既作業地52の側を一方側として高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。
【0070】
これにより、第1前進走行53の際に盛り上げてしまった地面や刈り取った作物の排藁を刈取部3に引っかけて未作業地51へ進入することを抑制することができる。
【0071】
第1実施形態によれば、走行制御部35は、未作業地51に対向するように第2前進走行55で旋回する場合の旋回角度に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定する。
【0072】
これにより、第2前進走行55の旋回により刈取部3が巻き込む範囲に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定するので、刈取部3を必要な角度だけ傾斜させることができる。
【0073】
あるいは、第1実施形態によれば、走行制御部35は、未作業地51に対向するように第1後進走行54で旋回する場合の旋回角度に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定する。
【0074】
これにより、第1後進走行54の旋回により刈取部3が巻き込む範囲に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定するので、刈取部3を必要な角度だけ傾斜させることができる。
【0075】
若しくは、第1実施形態によれば、走行制御部35は、コンバイン1の機体幅方向における刈取部3の長さに基づいて刈取部3の傾斜角度を設定する。
【0076】
これにより、刈取部3の長さに応じた刈取部3が巻き込む範囲に基づいて刈取部3の傾斜角度を設定するので、刈取部3を必要な角度だけ傾斜させることができる。
【0077】
また、第1実施形態によれば、携帯端末40の端末側制御装置41は、第1前進走行53を自動的に行うための第1前進経路53bと、第1後進走行54を自動的に行うための第1後進経路54bと、第2前進走行55を自動的に行うための第2前進経路55bと、を作成する経路作成部48として機能する。経路作成部48は、第1前進経路53bと第2前進経路55bとの間に未作業地51を残すように第2前進経路55bを作成する。走行制御部35は、第1後進経路54bから第2前進経路55bに切り替わるタイミングで、一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。
【0078】
これにより、コンバイン1が自動刈取走行を行うときには、第2前進経路55bの自動走行を開始する際に一方側が高くなるように刈取部3を傾斜させるので、コンバイン1は、機体幅方向の一方側で地面が盛り上がっていたり、排藁が落ちていたりする場合でも、地面や排藁を刈取部3に引っかけてしまうことをより確実に抑制することができる。そのため、自動刈取走行において、コンバイン1が第2前進走行55で未作業地51に進入する際に、刈取部3が引っかけた泥や排藁によって未作業地51の穀稈を押し倒す等、未作業地51を荒らすことをより確実に抑制することができる。
【0079】
なお、上記した第1実施形態では、作業支援部47は、第1方向D1に前進しながら刈取作業を行う第1前進走行53と、第1前進走行53により形成された既作業地52aを後進する第1後進走行54と、第2方向D2で既作業地52aに隣接する未作業地51aに向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第2前進走行55とを行う支援情報を設定する例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。
【0080】
例えば、第2実施形態では、作業支援部47は、図6及び図7に示すように、第1前進走行53と、第1後進走行54と、第2前進走行55とを行った後、図11に示すように、第2前進走行55により形成された既作業地52bを後進する第2後進走行57と、第1前進走行53の既作業地52aと第2前進走行55の既作業地52bとの間に残された未作業地51bに向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第3前進走行58とを行うように支援情報を設定してもよい。更に、作業支援部47は、第2前進走行55だけでなく、第3前進走行58を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側を高く傾斜させるように支援情報を設定する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成の説明は省略する。
【0081】
第2実施形態では、走行制御部35は、支援情報に従うことによって、第1前進走行53よりも内側で、且つ、第2前進走行55よりも外側の第3前進走行58を行い、第2前進走行55及び第3前進走行58の際に刈取部3の一方側を高く傾斜させるように走行部2を制御する。手動走行モードの場合、作業支援部47は、コンバイン1が第2前進走行55及び第3前進走行58を行う際に、支援情報に基づいて傾斜指示をコンバイン1へと送信することで、刈取部3の一方側を傾斜させる。例えば、コンバイン1が圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置で第2前進走行55及び第3前進走行58を行うことを、測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置に基づいて検出した場合や、操縦部9の所定の方向転換操作(例えば、方向転換スイッチの操作、一連のシフト操作、ハンドル操作等)を検出した場合に、作業支援部47は、傾斜指示をコンバイン1へと送信する。自動走行モードの場合、後述する経路作成部48によって支援情報が自動走行経路79に組み込まれることで、コンバイン1が第2前進走行55及び第3前進走行58を行う際に、刈取部3の一方側を傾斜させることになる。
【0082】
支援情報において、図11に示すように、第2後進走行57は、直進走行と旋回走行とを組み合わせて設定され、第3前進走行58は、直進走行と未作業地51bへ方向転換する旋回走行とを組み合わせて設定される。なお、この場合の第2後進走行57は、直進走行のみで設定されてもよく、また、第3前進走行58は、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよく、又は、方向転換する信地旋回と直進走行とを組み合わせて設定されてもよい。
【0083】
また、作業支援部47は、第3前進走行58を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において左側及び右側のうち、刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させるように支援情報を設定する。このとき、作業支援部47は、支援情報として、第3前進走行58で向かう未作業地51bから見て、第1前進走行53により形成された既作業地52aの側を、刈取部3を高くする一方側(傾斜側)に設定するとよい。
【0084】
作業支援部47は、支援情報として、傾斜開始位置56に加えて、第3前進走行58の始点に刈取部3の傾斜開始位置59を設定して、第2後進走行57から第3前進走行58に切り替わるタイミングで刈取部3を自動的に傾斜させる。また、第3前進走行58は、未作業地51bの端部と刈取部3の他方側とを合わせた状態で行うとよい。なお、作業支援部47は、刈取走行を行わない第2後進走行57では、刈取部3を待機位置の高さに制御するように、支援情報を設定する。
【0085】
第2実施形態においても、経路作成部48は、作業支援部47によって設定された支援情報を組み込むように自動走行経路79を作成し、即ち、支援情報の第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58を自動的に行うための第1前進経路53b、第1後進経路54b、第2前進経路55b、第2後進経路(図示せず)及び第3前進経路(図示せず)を含むように自動走行経路79を作成する。また、経路作成部48は、刈取部3を自動的に傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59を、自動走行経路79の対応する位置に設定する。更に、経路作成部48は、傾斜開始位置56、59に関連付けて、刈取部3を傾斜させる支援情報の傾斜側を設定し、また、支援情報の傾斜角度を設定する。
【0086】
更に、第2実施形態においても、表示制御部49は、手動走行モードが設定されているときに、作業支援部47によって設定した支援情報を支援画面60の地図欄61に表示する。例えば、表示制御部49は、地図欄61において、圃場の各隅部等の方向転換位置に対して、第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58に対応する支援経路を識別可能に表示する。また、表示制御部49は、地図欄61において、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59に対応する傾斜位置標示56a等を表示する。
【0087】
また、第2実施形態においても、表示制御部49は、自動走行モードが設定されているときに、作業支援部47によって設定した支援情報を作業画面70の地図欄71に表示する。例えば、表示制御部49は、地図欄71に表示される自動走行経路79において、第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58に対応する第1前進経路53b、第1後進経路54b、第2前進経路55b、第2後進経路及び第3前進経路を識別可能に表示する。また、表示制御部49は、地図欄71において、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59に対応する傾斜位置標示56b等を表示する。
【0088】
上記のように、第2実施形態によれば、コンバイン1において、経路作成部48は、第2前進経路55bに沿って後進する第2後進走行57を自動的に行うための第2後進経路(図示せず)と、第1前進経路53bと第2前進経路55bとの間の未作業地51で前進しながら作業を行う第3前進走行58を自動的に行うための第3前進経路(図示せず)と、を作成する。走行制御部35は、第2後進経路から第3前進経路に切り替わるタイミングで、一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させる。
【0089】
これにより、コンバイン1が自動刈取走行を行うときには、第3前進経路の自動走行を開始する際に一方側が高くなるように刈取部3を傾斜させるので、コンバイン1は、機体幅方向の一方側で地面が盛り上がっていたり、排藁が落ちていたりする場合でも、地面や排藁を刈取部3に引っかけてしまうことをより確実に抑制することができる。そのため、自動刈取走行において、コンバイン1が第3前進走行58で未作業地51に進入する際に、刈取部3が引っかけた泥や排藁によって未作業地51の穀稈を押し倒す等、未作業地51を荒らすことをより確実に抑制することができる。
【0090】
なお、上記した第2実施形態では、コンバイン1が、圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置において、第1前進走行53、第2前進走行55及び第3前進走行58の3回の走行によって未作業地51の刈取作業を行う例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の例では、コンバイン1は、圃場の方向転換位置において、第1前進走行53、第2前進走行55及び第3前進走行58に、第4前進走行や第5前進走行を加えて、4回以上の走行によって未作業地51の刈取作業を行ってもよい。
【0091】
一方、第3実施形態では、作業支援部47は、図12に示すように、第1前進走行53と、第1後進走行54とを行った後、第1前進走行53により形成された既作業地52aから隙間を空けずに隣接する未作業地51cに向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第2前進走行55を行うように支援情報を設定してもよい。また、作業支援部47は、図13に示すように、第2前進走行55の後、更に、第2前進走行55により形成された既作業地52cを後進する第2後進走行57を行って、既作業地52cから隙間を空けずに隣接する未作業地51dに向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第3前進走行58を行うように支援情報を設定してもよい。更に、作業支援部47は、第2前進走行55だけでなく、第3前進走行58を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において刈取部3の一方側を高く傾斜させるように支援情報を設定する。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成の説明は省略する。
【0092】
第3実施形態では、走行制御部35は、支援情報に従うことによって、第1前進走行53よりも内側で第2前進走行55を行い、更に第2前進走行55よりも内側で第3前進走行58を行い、第2前進走行55及び第3前進走行58の際に刈取部3の一方側を高く傾斜させるように走行部2を制御する。手動走行モードの場合、作業支援部47は、コンバイン1が第2前進走行55及び第3前進走行58を行う際に、支援情報に基づいて傾斜指示をコンバイン1へと送信することで、刈取部3の一方側を傾斜させる。例えば、コンバイン1が圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置で第2前進走行55及び第3前進走行58を行うことを、測位ユニット28が測位したコンバイン1の自車位置に基づいて検出した場合や、操縦部9の所定の方向転換操作(例えば、方向転換スイッチの操作、一連のシフト操作、ハンドル操作等)を検出した場合に、作業支援部47は、傾斜指示をコンバイン1へと送信する。自動走行モードの場合、後述する経路作成部48によって支援情報が自動走行経路79に組み込まれることで、コンバイン1が第2前進走行55及び第3前進走行58を行う際に、刈取部3の一方側を傾斜させることになる。
【0093】
支援情報において、図12に示すように、第2前進走行55は、未作業地51cへ方向転換する旋回走行の後で直進走行するように組み合わせて設定される。なお、この場合の第2前進走行55は、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよく、又は、方向転換する信地旋回と直進走行とを組み合わせて設定されてもよい。
【0094】
また、図13に示すように、第2後進走行57は、直進走行と旋回走行とを組み合わせて設定され、第3前進走行58は、未作業地51dへ方向転換する旋回走行の後で直進走行するように組み合わせて設定される。なお、この場合の第2後進走行57は、直進走行のみで設定されてもよく、また、第3前進走行58は、徐々に方向転換する旋回走行のみで設定されてもよく、又は、方向転換する信地旋回と直進走行とを組み合わせて設定されてもよい。
【0095】
また、作業支援部47は、第2前進走行55及び第3前進走行58を行う際に、コンバイン1の機体幅方向において左側及び右側のうち、刈取部3の一方側が高くなるように刈取部3を自動的に傾斜させるように支援情報を設定する。このとき、作業支援部47は、第2前進走行55の場合、第2前進走行55で向かう未作業地51cから見て、第1前進走行53により形成された既作業地52aの側を、刈取部3を高くする一方側(傾斜側)に設定し、第3前進走行58の場合、第3前進走行58で向かう未作業地51dから見て、第1前進走行53により形成された既作業地52cの側を、傾斜側に設定するとよい。
【0096】
作業支援部47は、支援情報として、第2前進走行55の始点に刈取部3の傾斜開始位置56を設定して、第1後進走行54から第2前進走行55に切り替わるタイミングで刈取部3を自動的に傾斜させ、また、第3前進走行58の始点に刈取部3の傾斜開始位置59を設定して、第2後進走行57から第3前進走行58に切り替わるタイミングで刈取部3を自動的に傾斜させる。なお、作業支援部47は、刈取走行を行わない第2後進走行57では、刈取部3を待機位置の高さに制御するように、支援情報を設定する。
【0097】
第3実施形態においても、経路作成部48は、作業支援部47によって設定された支援情報を組み込むように自動走行経路79を作成し、即ち、支援情報の第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58を自動的に行うための第1前進経路53b、第1後進経路54b、第2前進経路55b、第2後進経路(図示せず)及び第3前進経路(図示せず)を含むように自動走行経路79を作成する。また、経路作成部48は、刈取部3を自動的に傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59を、自動走行経路79の対応する位置に設定する。更に、経路作成部48は、傾斜開始位置56、59に関連付けて、刈取部3を傾斜させる支援情報の傾斜側を設定し、また、支援情報の傾斜角度を設定する。
【0098】
更に、第3実施形態においても、表示制御部49は、手動走行モードが設定されているときに、作業支援部47によって設定した支援情報を支援画面60の地図欄61に表示する。例えば、表示制御部49は、地図欄61において、圃場の各隅部等の方向転換位置に対して、第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58に対応する支援経路を識別可能に表示する。また、表示制御部49は、地図欄61において、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59に対応する傾斜位置標示56a等を表示する。
【0099】
また、第3実施形態においても、表示制御部49は、自動走行モードが設定されているときに、作業支援部47によって設定した支援情報を作業画面70の地図欄71に表示する。例えば、表示制御部49は、地図欄71に表示される自動走行経路79において、第1前進走行53、第1後進走行54、第2前進走行55、第2後進走行57及び第3前進走行58に対応する経路を識別可能に表示する。また、表示制御部49は、地図欄71において、刈取部3を傾斜させるために作業支援部47によって設定した支援情報の傾斜開始位置56、59に対応する傾斜位置標示56b等を表示する。
【0100】
なお、上記した第3実施形態では、コンバイン1が、圃場の隅部や中割等の所定の方向転換位置において、第1前進走行53、第2前進走行55及び第3前進走行58の3回の走行によって未作業地51の刈取作業を行う例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の例では、コンバイン1は、圃場の方向転換位置において、第1前進走行53、第2前進走行55及び第3前進走行58に、第4前進走行や第5前進走行を加えて、4回以上の走行によって未作業地51の刈取作業を行ってもよい。
【0101】
なお、上記した各実施形態では、第1前進走行53の第1方向D1との直交方向で既作業地52に隣接する未作業地51に向かって、第1方向D1との交差方向に前進しながら刈取作業を行う第2前進走行55や第3前進走行58において、既作業地52で排藁が落ちていたり地面が盛り上がっていたりすることを想定して、作業支援部47が、既作業地52の側を、刈取部3を高くする一方側(傾斜側)に設定する例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、第2前進走行55や第3前進走行58において、未作業地51で地面が盛り上がっている等、未作業地51で刈取部3を高くする必要がある場合には、作業支援部47は、未作業地51の側を、刈取部3を高くする一方側(傾斜側)に設定してもよい。
【0102】
上記した各実施形態では、第2前進走行55や第3前進走行58において、作業支援部47が刈取部3を高くする一方側を設定して、走行制御部35が、刈取部3の一方側を高くして傾斜させる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、第2前進走行55や第3前進走行58において、作業支援部47は刈取部3の全体を上昇させる所定の高さを設定し、走行制御部35は刈取部3の全体を所定の高さまで上昇させてもよい。
【0103】
上記した各実施形態では、走行部2の左右一対のローリング機構12によって刈取部3を圃場面に対して傾斜させる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の例では、コンバイン1は、機体フレーム10に対して刈取部3を昇降させる昇降装置等の、刈取部3を可動させる装置によって刈取部3を圃場面に対して傾斜させてもよい。例えば、昇降装置が、左右一対の油圧シリンダを同時に駆動して刈取部3を昇降させるように構成されている場合、一方側の油圧シリンダを駆動して刈取部3の一方側を高くするように制御し、又は、他方側の油圧シリンダを駆動して刈取部3の他方側を高くするように制御する。
【0104】
上記した実施形態では、自脱型コンバインで構成されるコンバイン1の例を説明したが、本発明はこの例に限定されず、コンバイン1は、普通型コンバインで構成されてもよい。
【0105】
また、上記した実施形態では、作業車両がコンバイン1で構成される例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、本発明の作業車両は、作物を収穫する他の農作業機械で構成されてもよく、農作業機械以外の他の作業車両で構成されてもよい。
【0106】
なお、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う自動走行方法、作業車両及び自動走行方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0107】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0108】
<付記1>
圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援方法であって、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行工程を有し、
前記走行工程は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業支援方法。
【0109】
<付記2>
前記走行工程は、前記圃場の隅部に対して前記第1前進走行を行うことを特徴とする付記1に記載の作業支援方法。
【0110】
<付記3>
前記走行工程は、前記第2前進走行を行う際に高くした前記作業部の一方側の未作業地への進入を検出すると、前記作業部の傾斜を自動的に戻すことを特徴とする付記1又は2に記載の作業支援方法。
【0111】
<付記4>
前記走行工程は、所定の既作業地から所定の未作業地に向かう前記第2前進走行を行う際に、前記所定の未作業地から見て前記所定の既作業地の側を前記一方側として高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記1~3の何れかに記載の作業支援方法。
【0112】
<付記5>
前記走行工程は、未作業地に対向するように前記第2前進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記1~4の何れかに記載の作業支援方法。
【0113】
<付記6>
前記走行工程は、未作業地に対向するように前記第1後進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記1~4の何れかに記載の作業支援方法。
【0114】
<付記7>
前記走行工程は、前記作業車両の機体幅方向における前記作業部の長さに基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記1~4の何れかに記載の作業支援方法。
【0115】
<付記8>
前記第1前進走行を自動的に行うための第1前進経路と、前記第1後進走行を自動的に行うための第1後進経路と、前記第2前進走行を自動的に行うための第2前進経路と、を作成する経路作成工程を更に有し、
前記経路作成工程は、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間に未作業地を残すように前記第2前進経路を作成し、
前記走行工程は、前記第1後進経路から前記第2前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記1~7の何れかに記載の作業支援方法。
【0116】
<付記9>
前記経路作成工程は、前記第2前進経路に沿って後進する第2後進走行を自動的に行うための第2後進経路と、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間の未作業地で前進しながら作業を行う第3前進走行を自動的に行うための第3前進経路と、を作成し、
前記走行工程は、前記第2後進経路から前記第3前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記8に記載の作業支援方法。
【0117】
<付記10>
作業車両であって、
圃場で走行中に作業を行う作業部と、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部と、を備え、
走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業車両。
【0118】
<付記11>
前記走行制御部は、前記圃場の隅部に対して前記第1前進走行を行うことを特徴とする付記10に記載の作業車両。
【0119】
<付記12>
前記走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に高くした前記作業部の一方側の未作業地への進入を検出すると、前記作業部の傾斜を自動的に戻すことを特徴とする付記10又は11に記載の作業車両。
【0120】
<付記13>
前記走行制御部は、所定の既作業地から所定の未作業地に向かう前記第2前進走行を行う際に、前記所定の未作業地から見て前記所定の既作業地の側を前記一方側として高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記10~12の何れかに記載の作業車両。
【0121】
<付記14>
前記走行制御部は、未作業地に対向するように前記第2前進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記10~13の何れかに記載の作業車両。
【0122】
<付記15>
前記走行制御部は、未作業地に対向するように前記第1後進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記10~13の何れかに記載の作業車両。
【0123】
<付記16>
前記走行制御部は、前記作業車両の機体幅方向における前記作業部の長さに基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記10~13の何れかに記載の作業車両。
【0124】
<付記17>
前記第1前進走行を自動的に行うための第1前進経路と、前記第1後進走行を自動的に行うための第1後進経路と、前記第2前進走行を自動的に行うための第2前進経路と、を作成する経路作成部を更に有し、
前記経路作成部は、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間に未作業地を残すように前記第2前進経路を作成し、
前記走行制御部は、前記第1後進経路から前記第2前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記10~16の何れかに記載の作業車両。
【0125】
<付記18>
前記経路作成部は、前記第2前進経路に沿って後進する第2後進走行を自動的に行うための第2後進経路と、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間の未作業地で前進しながら作業を行う第3前進走行を自動的に行うための第3前進経路と、を作成し、
前記走行制御部は、前記第2後進経路から前記第3前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記17に記載の作業車両。
【0126】
<付記19>
圃場で走行中に作業を行う作業部を有する作業車両の作業支援システムであって、
前記圃場の未作業地で第1方向に前進しながら作業を行う第1前進走行と、
当該第1前進走行により形成された既作業地を後進する第1後進走行と、
前記第1方向との直交方向で前記既作業地に隣接する未作業地に向かって、前記第1方向との交差方向に前進しながら作業を行う第2前進走行と、を行う走行制御部、を備え、
走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に、前記作業車両の機体幅方向において前記作業部の一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする作業支援システム。
【0127】
<付記20>
前記走行制御部は、前記圃場の隅部に対して前記第1前進走行を行うことを特徴とする付記19に記載の作業支援システム。
【0128】
<付記21>
前記走行制御部は、前記第2前進走行を行う際に高くした前記作業部の一方側の未作業地への進入を検出すると、前記作業部の傾斜を自動的に戻すことを特徴とする付記19又は20に記載の作業支援システム。
【0129】
<付記22>
前記走行制御部は、所定の既作業地から所定の未作業地に向かう前記第2前進走行を行う際に、前記所定の未作業地から見て前記所定の既作業地の側を前記一方側として高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記19~21の何れかに記載の作業支援システム。
【0130】
<付記23>
前記走行制御部は、未作業地に対向するように前記第2前進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記19~22の何れかに記載の作業支援システム。
【0131】
<付記24>
前記走行制御部は、未作業地に対向するように前記第1後進走行で旋回する場合の旋回角度に基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記19~22の何れかに記載の作業支援システム。
【0132】
<付記25>
前記走行制御部は、前記作業車両の機体幅方向における前記作業部の長さに基づいて前記作業部の傾斜角度を設定することを特徴とする付記19~22の何れかに記載の作業支援システム。
【0133】
<付記26>
前記第1前進走行を自動的に行うための第1前進経路と、前記第1後進走行を自動的に行うための第1後進経路と、前記第2前進走行を自動的に行うための第2前進経路と、を作成する経路作成部を更に有し、
前記経路作成部は、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間に未作業地を残すように前記第2前進経路を作成し、
前記走行制御部は、前記第1後進経路から前記第2前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記19~25の何れかに記載の作業支援システム。
【0134】
<付記27>
前記経路作成部は、前記第2前進経路に沿って後進する第2後進走行を自動的に行うための第2後進経路と、前記第1前進経路と前記第2前進経路との間の未作業地で前進しながら作業を行う第3前進走行を自動的に行うための第3前進経路と、を作成し、
前記走行制御部は、前記第2後進経路から前記第3前進経路に切り替わるタイミングで、前記一方側が高くなるように前記作業部を自動的に傾斜させることを特徴とする付記26に記載の作業支援システム。
【符号の説明】
【0135】
1 コンバイン(作業車両)
2 走行部
3 刈取部
30 制御装置
35 走行制御部
40 携帯端末
41 制御装置
46 圃場選択部
47 作業支援部
48 経路作成部
51、51a、51b、51c、51d 未作業地
52、52a、52b、52c 既作業地
53 第1前進走行
54 第1後進走行
55 第2前進走行
57 第2後進走行
58 第3前進走行
53b 第1前進経路
54b 第1後進経路
55b 第2前進経路
79 自動走行経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13