(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167744
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】タンピング工具、破砕締固装置および破砕締固方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/22 20060101AFI20231116BHJP
B09B 3/32 20220101ALI20231116BHJP
B09B 3/35 20220101ALI20231116BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
E02F9/22 P
B09B3/32
B09B3/35
E02F3/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079161
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】399048869
【氏名又は名称】株式会社神島組
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】神島 昭男
(72)【発明者】
【氏名】神島 充子
【テーマコード(参考)】
2D003
2D012
4D004
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003CA01
2D012DA04
4D004AA46
4D004CA03
4D004CA04
4D004CB13
(57)【要約】
【課題】廃棄物処分場に堆積されている土塊、岩、コンクリートくず、ガラスくず、廃プラスチック類、がれきなどの廃棄物を破砕して優れた転圧効率で廃棄物処分場を締め固める。
【解決手段】この発明は、廃棄物を破砕しながら締め固めるための工具として、上下方向に延設されるとともに、上端部がブレーカの挿脱自在に仕上げられたロッド部材と、ロッド部材の下端部に取り付けられる転圧板と、転圧板の下面から突設される複数の破砕部と、を備え、ロッド部材の上端部がブレーカに挿入されるとともに転圧板の下面および破砕部が廃棄物に押し付けるように配置された状態でロッド部材がブレーカからの打撃力を受けることで、破砕部が廃棄物を破砕しながら転圧板の下面および破砕部が廃棄物処分場の表層を締め固めるタンピング工具が用いられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固めるタンピング工具であって、
上下方向に延設されるとともに、上端部がブレーカの挿脱自在に仕上げられたロッド部材と、
前記ロッド部材の下端部に取り付けられる転圧板と、
前記転圧板の下面から突設される複数の破砕部と、を備え、
前記ロッド部材の上端部が前記ブレーカに挿入されるとともに前記転圧板の下面および前記破砕部が前記廃棄物に押し付けるように配置された状態で前記ロッド部材が前記ブレーカからの打撃力を受けることで、前記破砕部が前記廃棄物を破砕しながら前記転圧板の下面および前記破砕部が前記廃棄物処分場の表層を締め固める
ことを特徴とするタンピング工具。
【請求項2】
請求項1に記載のタンピング工具であって、
前記転圧板を前記ブレーカと連結して支持する連結部を備えるタンピング工具。
【請求項3】
請求項2に記載のタンピング工具であって、
前記ロッド部材の下端部は前記転圧板の上面中央部に取り付けられ、
前記連結部は、前記転圧板の上面周縁部と前記ブレーカと連結する連結部を複数個、上方からの平面視で前記ロッド部材を中心として放射状に設けられているタンピング工具。
【請求項4】
請求項3に記載のタンピング工具であって、
前記複数の連結部は、それぞれサスペンションを介装するタンピング工具。
【請求項5】
廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕しながら前記廃棄物処分場の表層を締め固める破砕締固装置であって、
可動アームを有する走行式建設機械と、
前記可動アームに装着されたブレーカと、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のタンピング工具と、
を備えることを特徴とする破砕締固装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のタンピング工具を用いて廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕しながら前記廃棄物処分場の表層を締め固める破砕締固方法であって、
走行式建設機械の可動アームに装着されたブレーカに前記ロッド部材の前記上端部を挿入した後で、前記走行式建設機械により前記転圧板の下面および前記破砕部を前記廃棄物に押し付けるように配置した状態で、前記ロッド部材に対して前記ブレーカから打撃力を与えることで、前記破砕部により前記廃棄物を破砕しながら前記転圧板の下面および前記破砕部により前記廃棄物処分場の表層を締め固めることを特徴とする破砕締固方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固めるのに好適なタンピング工具および当該タンピング工具を用いた破砕締固装置および破砕締固方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の最終処分場(以下、「廃棄物処分場」と称する)は、何処も満杯に近い状態にあり、新たな廃棄物処分場をつくり出そうとすると、周辺環境等に対する影響から必要な処分場空間を早期に確保することは難しい状況にある。そこで、例えば特許文献1に記載の自走式タンピングローラを用いて廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固める技術(以下「破砕締固技術」という)が提案されている。この自走式タンピングローラは、鉄輪ドラムの外周に多数の放射状の突起を形成した転圧輪を往復走行させることにより地盤を効率的に固く締め固めるものである。また、タンピングローラが廃棄物を通過する際に、上記鉄輪ドラムに取り付けられた突起の先端が廃棄物に当接し、廃棄物に対して破砕力が作用する。そのため、廃棄物は細かく破砕された上で、タンピングローラにより転圧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄物の破砕により転圧効率を向上させることで、廃棄物処分場の残余容量が大きくなり、処分場寿命を高めることができる。しかしながら、上記タンピングローラは廃棄物に対して静的荷重を付与するものである。したがって、破砕効率を高めるためには、タンピングローラの大型化や重量化が必要であるが、それにも一定の限度がある。そこで、自走式タンピングローラよりも小型で、しかも転圧効率をさらに高めて廃棄物処分場の長寿命化を図ることができるタンピング工具が望まれている。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、廃棄物処分場に堆積されている土塊、岩、コンクリートくず、ガラスくず、廃プラスチック類、がれきなどの廃棄物を破砕して優れた転圧効率で廃棄物処分場を締め固めることができる、小型のタンピング工具、および当該タンピング工具を用いた破砕締固装置および破砕締固方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固めるタンピング工具であって、上下方向に延設されるとともに、上端部がブレーカの挿脱自在に仕上げられたロッド部材と、ロッド部材の下端部に取り付けられる転圧板と、転圧板の下面から突設される複数の破砕部と、を備え、ロッド部材の上端部がブレーカに挿入されるとともに転圧板の下面および破砕部が廃棄物に押し付けるように配置された状態でロッド部材がブレーカからの打撃力を受けることで、破砕部が廃棄物を破砕しながら転圧板の下面および破砕部が廃棄物を締め固めることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の第2態様は、廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕しながら廃棄物処分場の表層を締め固める破砕締固装置であって、可動アームを有する走行式建設機械と、可動アームに装着されたブレーカと、上記タンピング工具と、を備えることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の第3態様は、上記タンピング工具を用いて廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕しながら廃棄物処分場の表層を締め固める破砕締固方法であって、走行式建設機械の可動アームに装着されたブレーカにロッド部材の上端部を挿入した後で、走行式建設機械により転圧板の下面および破砕部を廃棄物に押し付けるように配置した状態で、ロッド部材に対してブレーカから打撃力を与えることで、破砕部により廃棄物を破砕しながら転圧板の下面および破砕部により廃棄物処分場の表層を締め固めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、小型で、かつ優れた転圧効率で廃棄物処分場に堆積されている土塊、岩、コンクリートくず、ガラスくず、廃プラスチック類、がれきなどの廃棄物を破砕し、優れた転圧効率で廃棄物処分場を締め固めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るタンピング工具を装備する破砕締固装置の一実施形態を示す図である。
【
図2】タンピング工具およびタンピング工具が装着されたブレーカの正面図である。
【
図4】タンピング工具に装備可能な破砕部の形状および取付方法を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明に係るタンピング工具を装備する破砕締固装置の一実施形態を示す図である。
図2は、タンピング工具およびタンピング工具が装着されたブレーカの正面図である。
図3Aおよび
図3Bは、それぞれタンピング工具を上方および下方から見た図である。
図4は、タンピング工具に装備可能な破砕部の形状および取付方法を模式的に示す図である。なお、理解容易の目的で、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。また、これらの図面では、以下の説明便宜のために、上下方向Zと、バックホウ等の走行式建設機械100の前方方向Xとに直交する方向を「Y方向」とするXYZ直交座標軸が示されている。
【0012】
このタンピング工具1は、
図1に示すように、廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固めるための工具である。ここでは、いわゆる安定5品目(安定型品目とも称呼されることもある)を廃棄物として処分するための廃棄物処分場でタンピング工具1を使用する場合を例示的に示して説明するが、本発明の「廃棄物」には、安定5品目以外の産業廃棄物あるいは一般廃棄物が含まれる。
【0013】
安定5品目には、がれき・ゴムくず・金属くず・廃プラスチック類・ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くずが含まれる。これらの廃棄物300が堆積された廃棄物処分場では、廃棄物300を細かく破砕した上で転圧処理を施すのが望まれる。そこで、本実施形態では、
図2、
図3Aおよび
図3Bに示されるタンピング工具1が、走行式建設機械100の可動アーム101に取り付けられた油圧ブレーカ200に装着される。より詳しくは、
図1に示すように、建設機械100の可動アーム101にブラケット102を介して油圧ブレーカ200が取り付けられている。この油圧ブレーカ200はブレーカ本体(図示省略)を備えている。また、このブレーカ本体は、中央部にシリンダーを有している。そして、不図示の油圧供給源から切換弁を介してシリンダーへ圧油を供給することにより、シリンダー内に摺嵌されるピストンが軸方向に前後進可能になっている。
【0014】
ブレーカ本体の先端部(
図1、
図2の下方側端部)に、タンピング工具1が装着される。このタンピング工具1は、
図1、
図2、
図3Aおよび
図3Bに示すように、略平板状の転圧板2を有している。この転圧板2の上面21の中央部に対し、ロッド部材3が固着されている。ロッド部材3は上下方向Zに延設された円柱形状を有している。ロッド部材3の上端部は、ブレーカ本体に対して着脱自在な形状に仕上げられている。また、ロッド部材3の下端面が転圧板2の上面21に密着した状態でロッド部材3が固定されている。本実施形態では、ロッド部材3の転圧板2への固定を強固なものとするために、芯材4および補強リブ部材5が用いられている。
【0015】
転圧板2の中央部には貫通孔(図示省略)が設けられている。この貫通孔の下方開口は上方開口よりも広く設けられている。そして、貫通孔の内周面のうち下方領域では、上方に進むにしたがって開口径が徐々に狭くなる、いわゆる逆すり鉢形状を有するとともに中央領域で上方開口と同一内径を有するように貫通孔は仕上げられている。一方、芯材4は皿ネジに類似した形状を有しており、その上端部が上方開口と同一径に仕上げられた円柱部位であるのに対し、下端部が貫通孔の下方領域(逆すり鉢形状を有する部位)に嵌合可能な形状に仕上げられている。この芯材4が貫通孔を介して転圧板2の下方から挿入され、その上端部がロッド部材3の下端中央部に設けられた嵌合孔に挿入されるとともに下端部が転圧板2に係止される。これにより、転圧板2とロッド部材3とが上下方向において強固に連結される。しかも、転圧板2とロッド部材3の連結部位に沿って溶接6が施されている。また、同溶接6によって、ロッド部材3の下端側面の周囲に配置された4枚の補強リブ部材5が転圧板2とロッド部材3と連結され、水平方向からロッド部材3を補強している。
【0016】
転圧板2の下面23は、廃棄物処分場に堆積された比較的大型の廃棄物300の全体あるいは一部を上方から覆うことが可能な平面サイズを有している。この下面23から下方に複数(本実施形態では13個)の破砕部7が突設されている。本実施形態では、破砕部7として、先端部がプラス形状に仕上げられたプラスポイント7a(
図4(a)参照)と、先端部がマイナス形状に仕上げられたマイナスポイント7b(
図4(b)参照)との2種類を用意している。なお、破砕部7の先端形状は、これらに限定されるものではなく、先細りした形状である限り、任意である。破砕部7の一部または全部を、例えば
図4(c)に示すように先端部が四角錐台形状に仕上げられたポイント7cに置き換え、凹部24に着脱自在に装着してもよい。また、四角錐台形状の代わりに、四角錐形状、円錐台形状、円錐形状、三角錐台形状、三角錐形状、五角錐台形状、五角錐形状、…などに仕上げてもよい。
【0017】
これらの破砕部7は、
図1、
図2および
図3Bに示すように、先細りした先端部を下方に向けた状態で、破砕部7の後端部(上端部)が下面23に形成された凹部24に嵌入された状態で溶接6により固着されている。また、13本の破砕部7のうち転圧板2の下面中央部から突設される破砕部7を中心とし、その他の破砕部7が転圧板2を下方から見た平面視で対称配置されている。このように13本の破砕部7は転圧板2を下方から見た平面視で、マトリックス状に配置されており、つまり転圧板2の下面23内で二次元的に分散配置されている。したがって、次に説明するように、上記のように構成されたタンピング工具1を廃棄物300の上方から下降させると、13本の破砕部7のうち複数の破砕部7が廃棄物300に当接し、廃棄物300の破砕に寄与する。
【0018】
転圧板2の上面周縁部では、
図3Aに示すように、四隅部分に係止部25a~25dがそれぞれ上方に立設されている。各係止部25a~25dは、サスペンション81を介装する連結部8の下端を係止する機能を有している。また、係止部25a~25dで下端が係止された連結部8を油圧ブレーカ200と連結するために、
図1および
図2に示すように、油圧ブレーカ200の上端にバケットピン201が取り付けられている。このバケットピン201では、Y方向における両端部にアイボルトなどの係止部材202、203が取り付けられている。そして、
図1に示すように、(+Y)方向側の係止部材202と、(+Y)方向側の2つの係止部25a、25bとの間で、連結部8がそれぞれ連結されている。また、(-Y)方向側についても、係止部材203と、(-Y)方向側の2つの係止部25c、25dとの間で、連結部8がそれぞれ連結されている。
【0019】
このように本実施形態では、転圧板2の上面周縁部と油圧ブレーカ200と連結する連結部8を4個、上方からの平面視でロッド部材3を中心として放射状に設けられている。したがって、次に説明するようにして廃棄物300の破砕締固を実行した際に、廃棄物300の形状や大きさなどに応じて油圧ブレーカ200に対するタンピング工具1の姿勢が傾いたとしても、破砕部7が廃棄物300から上方に離れた瞬間に、放射状に配置された4個のサスペンション81の作用により、油圧ブレーカ200に対するタンピング工具1の姿勢が元に戻される。したがって、タンピング工具1の姿勢を一定に保つことができ、廃棄物300を安定して破砕することができる。なお、本実施形態では、4個の連結部8を用いているが、タンピング工具1の姿勢を一定に保つことができる限り、連結部8の個数は任意である。
【0020】
次に、上記タンピング工具1を用いた廃棄物300の破砕締固方法について
図1を参照しつつ説明する。タンピング工具1のロッド部材3の上端部がブレーカ本体に装着される。そして、タンピング工具1が建設機械100に装着された状態で、作業員が建設機械100を操作して転圧板2の下面23および破砕部7を廃棄物300に押し付けるように配置するとともに、ロッド部材3に対して油圧ブレーカ200から打撃力を与える。これにより、下向きの打撃力がロッド部材3を介して転圧板2に伝達され、破砕部7により廃棄物300が破砕される。また、細かく破砕された破砕物301が転圧板2の下面23および破砕部7により転圧される。これによって、廃棄物処分場の表層が締め固められる。
【0021】
こうして、転圧板2の大きさに対応したサイズで破砕締固めが完了すると、作業員が建設機械100を操作し、破砕締固め完了領域に隣接する廃棄物300(
図1中の破砕締固め前領域に堆積している廃棄物300)に対して上記破砕締固め作業を繰り返す。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、建設機械100により転圧板2の下面23に位置する廃棄物300および廃棄物処分場の表層領域に静的荷重を与えるのみならず、上記したようにタンピング工具1のロッド部材3の上端部に対してブレーカ本体が打撃力を加えることで、廃棄物300に対して動的荷重を付加し、当該廃棄物300を破砕しながら廃棄物処分場の表層を転圧している。したがって、静的荷重のみを使用していた従来技術よりも小型で、かつ効率的に廃棄物処分場を締め固めることができる。
【0023】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、いわゆる安定5品目の最終処分場において、上記タンピング工具1を装備する破砕締固装置を使用しているが、当該破砕締固装置は、安定5品目以外の産業廃棄物の処分場や一般廃棄物の処分場においても使用可能であり、上記と同様の作用効果、つまり廃棄物処分場に堆積されている廃棄物を破砕して優れた転圧効率で廃棄物処分場を締め固めることができる。その結果、廃棄物処分場の長寿命化を図ることができる。
【0024】
また、上記実施形態では、各破砕部7を転圧板2の下面23に溶接6により固定しているが、固定方式は溶接に限定されるものではなく、任意である。例えば転圧板2へのロッド部材3の固定方法と同様に、破砕部7全体を先細り形状に仕上げるとともに、転圧板2に対して下方に進むにしたがって開口径が徐々に狭くなる、いわゆるすり鉢形状を有する貫通孔に破砕部7を上方から挿通し、破砕部7の先端部のみを転圧板2の下面23から下方に突出させた状態で破砕部7を転圧板2に溶接などにより固着してもよい。
【0025】
また、破砕部7を全体的に転圧板2の下面23に固定しているが、破砕部7による廃棄物300の破砕時に破砕部7の先端部が摩耗することを考慮して破砕部7を分割構造で構成してもよい。例えば転圧板2に固定された破砕ベース部位と、破砕ベース部位に対して下方側より着脱自在なポイント部位と、破砕ベース部位およびポイント部位に挿通されて両者を連結する連結ピンとを有するように、破砕部7を構成してもよい。この場合、ポイント部位の摩耗に応じて新たなポイント部位に交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明は、廃棄物処分場に堆積された廃棄物を破砕して締め固める破砕締固全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1…タンピング工具
2…転圧板
3…ロッド部材
7、7a~7c…破砕部
8…連結部
21…(転圧板の)上面
23…(転圧板の)下面
81…サスペンション
100…走行式建設機械
101…可動アーム
200…油圧ブレーカ
300…廃棄物
301…破砕物
Z…上下方向